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2015年4月6日(月)
菅官房長官に聞く決意 沖縄訪問と打開の糸口

ゲスト

赤嶺政賢
日本共産党沖縄県委員長 衆議院議員(冒頭)
菅義偉
内閣官房長官 自由民主党衆議院議員
森本敏
元防衛大臣

米軍普天間基地移設問題 菅・翁長会談の結果は
秋元キャスター
「今回行われました菅官房長官と翁長知事との会談。どんな点を話し合われたのかをまとめました。まずは普天間基地の危険除去の必要性。辺野古移転による普天間の基地固定回避。さらには、普天間基地の跡地利用、沖縄振興について。日本の安全保障をなぜ沖縄だけが背負うのか。これらの点が話し合われたということですけれども、赤嶺さん、今回の会談、どうご覧になりましたか」
赤嶺議員
「最初に私達がこの会談を評価する基準としておくべきことは、いったい政府の側が、昨年1年間示された沖縄県民の民意、名護市長選や名護の市会議員選挙、県知事選挙、衆議院選挙で、ぶれずに沖縄県民は辺野古移設に反対をして、普天間は閉鎖、撤去と言ってきたわけです。それを政府がどう受け止めてきたのかという点では、菅官房長官が沖縄に入られる前から、沖縄の民意は辺野古反対だとは思っていないとか、知事選挙は別に基地問題だけが争点になったわけではないとか、いろんな沖縄県の民意と非常に事実と違う、事実を捻じ曲げた発言を、官邸の記者会見で繰り返されていたわけです。本当に、今回の会談で、まず官房長官が沖縄県の民意をどう受け止めたか。そういう点では、私は従来の政府の態度はまったく変わっていない。県民の民意を理解をしようとはしていない。そういう見方をしています」
反町キャスター
「共産党としては、今回の会談をどう評価しているのですか?」
赤嶺議員
「粛々という言葉は、これからは使わないんだと、今日の夕刊に出ていましたけれども、言葉使いに県民や知事は批判をしたのではなくて、何事もなかったかのごとく、昨年1年間の民意が大きく示されたのに、何ごともなかったかのごとく、基地の建設を進めようとしていく態度ですね。言葉ではなくて態度です。態度をあらためますかという点では、態度はあらためずに続けると言っているわけですから、話の糸口に、本当に政府がしたいのであれば、民意の理解から始めるべきだと。民意が辺野古新基地建設反対にあると。官房長官が沖縄に入る前に、知事選挙で、決して基地問題だけが争点になったのではないという、あの言い方が間違っていました、ということで、自分の見方の間違いを撤回して、沖縄県民の立場をちゃんと尊重をするということが必要だと思います」
反町キャスター
「仲井眞前沖縄県知事が下した決断というのは何だったのですか?」
赤嶺議員
「仲井眞さんは、移設条件をつけないで、県内移設に反対だったわけですね。県外移設を選挙で公約して知事になったわけです。それが県外移設ということを撤回して埋め立てを承認したから、仲井眞さんの公約の裏切りに対し厳しい審判が出たわけです。翁長知事と仲井眞さんとの知事選挙の得票差は10万票ですから、県民に受け入れられないようなことをしたら、絶対に基地問題は解決しないというのは、逆に、仲井眞さんのあの決断の過ちでもはっきりしていたのではないのかなと思います」
反町キャスター
「翁長さんもいろいろ話をされているんですけれども、たとえば、会談において、このようなことを翁長さん言われているんですね。『0.6%と74%の話。上から目線で粛々という言葉は良くない』と。『辺野古は唯一の政策だと言うけれども、辺野古ができなければ、普天間が固定化されるのですか』という問いかけを官房長官にしていると。また、『日米安保体制が重要だとは十二分に理解している』とも言っています。共産党は、県政与党ですね」
赤嶺議員
「うん」
反町キャスター
「県政与党の共産党は、翁長さんのこういった発言、全面支持されるのですか?」
赤嶺議員
「私達が現在、翁長さんが非常に大切なことをおっしゃっているなというのは、安保体制は理解しているのだが、辺野古には反対ですと…」
反町キャスター
「それは、翁長さんの理屈ですね」
赤嶺議員
「翁長さんのね」
反町キャスター
「共産党は?」
赤嶺議員
「共産党は安保にも反対です。辺野古にも反対。だから、一致点は、辺野古に反対だけです。しかし、現在の沖縄の県民的な状況の中で、安保に賛成している人でも、辺野古には反対している。県内移設に反対している。この1点で私達が恊働するのが1番、県民から負わされた使命だということを思っています」

菅官房長官に聞く 翁長沖縄県知事との初会談は
秋元キャスター
「菅さん、今回の翁長知事との初会談を終えられて、いかがでしたか。印象などは」
菅官房長官
「もともと自民党県連の幹事長だった方ですから、よく存じ上げていまして、そういう意味で、現在、立場が違っていますねと。ただ、そこはありますけれど、普天間基地の危険除去の必要性。それと同時に、固定化を避けなければならないということの中で、知事に対して、政府の基本的な考え方をご説明させていただこうと、そういう思いで行ったんです。番組の中でこれまでの経緯の説明があったのかなと思いますが、少なくとも19年前に日米で合意して、16年前に地元の県知事、市長と同意をいただいて、それで閣議決定をした。いろんなことがありましたけれど、なかなか進まなかった。国と沖縄県は普天間基地の危険除去、固定化は避けなければならない。これは共同認識です。それと同時に、現在、国際環境、たとえば、ちょうど私が沖縄に行った時に公船が尖閣諸島に侵入してきました。また、北朝鮮の問題もあります。極めて厳しい安全保障の中で、日米同盟。これの抑止力を維持していくことと、危険除去。そうしたものを考えた時、日米間で慎重に、慎重に検討して合意したのが、普天間基地の辺野古への移設だったんです。ですから、そこについては唯一の解決策だと。これは当時の沖縄県の皆さんからもご理解をいただいたわけですから、そこについて政府としては進めさせていただきたい。そういうことを直接、知事に対してご説明させていただいたということです」
反町キャスター
「各紙には平行線と書いてありますけれど、話しあいは平行線だった、お互いに言うことを言って、こういう意見だということを、お互いに認識して終わったと。こういう理解でよろしいのですか?」
菅官房長官
「最初は、その通りです」
反町キャスター
「知事とお会いになったことによって、工事の日程を遅らせるとか、再検討をするとか、そういうことは現状ではないですね?」
菅官房長官
「いずれにしても、仲井眞前知事に、一昨年ですか、12月、埋め立ての承認許可を得ましたので、関係する法令と、それに基づいて、自然環境、あるいは日常生活の安全。そうしたものに最大限配慮をしながら、そこは適切に対処をしていくと。そのことについてはまったく変わりはありません」

菅・翁長会談 実現の背景
反町キャスター
「中身を話していただけないのは、官房長官の会見メモを見てわかっているんですけれど、そこの部分というのは、余人は一切入れず、2人きりだったのですか?」
菅官房長官
「2人でやりました」
反町キャスター
「ノートテイカーも入れなかったのですか?」
菅官房長官
「はい。入れませんでした」
反町キャスター
「それは普通、ちゃんとした意見交換をされるのであれば、普通ノートテイカーを入れますね。こういう発言があった。ああいう発言があったと」
菅官房長官
「いや、私は…」
反町キャスター
「そんなことはない?」
菅官房長官
「うん」
反町キャスター
「翁長さんは昔、自民党の県連幹事長を務められた方ということで、菅さんから見た時に、カメラがある時とない時で態度が変わる政治家っているではないですか。翁長さんはどういう方なのですか?」
菅官房長官
「たまたま大学が法政大学で一緒だったんです。そういう中での会談でしたけれども、表の会談と、いわゆるカメラのない会談。そこはお互いに一緒です」
反町キャスター
「変わらない?」
菅官房長官
「はい」
反町キャスター
「多少、記者とか、県職員とかいなくなったら、いやあとか、そういう部分はなかったのですか?」
菅官房長官
「いや、ここについては話を控えさせていただきます」
秋元キャスター
「一方で、翁長県知事は民意という言葉を非常に多く使われていましたけれど、菅さん、沖縄に行かれて、沖縄の民意というものをどのように感じられましたか?」
菅官房長官
「ここも、私は会見でいろいろ聞かれました。ただ、先ほど申し上げましたが、19年前に合意をして、それから3年後に、当時の県知事、辺野古のある名護市長に、同意をいただいて、閣議決定して進めてきたことですから。それと同時に、沖縄県の現職の知事が埋め立て承認いただいたということですので、そこは、行政の継続性というのがありますね。そういう中で、環境に基づいて、自然とか、そういうものにしっかりと配慮をしながら進めていくという、そういうことです」

会談した翁長沖縄県知事は
秋元キャスター
「森本さんは、翁長知事の会見をどう見ていましたか?」
森本氏
「平行線とおっしゃるんですけれど、私は同じ次元、同じ土俵に必ずしも立っていない。つまり、官房長官が抑止力の話だとか、日米同盟の話だとか、それから、先ほど出てきました危険の除去。あるいは固定化の回避。そのことについて、正面から知事は語ってはおられないです。何も沖縄としての立場を示しておられない。沖縄は沖縄の歴史的な立場から沖縄県民の心をこちらに問うていない。つまり、2国間の外交交渉に似ているとおっしゃるけれど、全然似ていなくて、基本的に同じ土俵に立っていないので。だから、話しあいというのは、同じ土俵に立って、同じことを、同じ理解をして、それについての自分の立場をきちんとテーブルの前に出して話しあうというのが必要ですけれども、今回は第1回目だったので、双方が自分の想い、立場をきちんと相手に、双方ご説明になって、ここから先は、できるだけ、この争点をきちんとしたのであれば、争点について、政府は説明することに対して、沖縄県は沖縄県としてこの問題を正面からどう捉えるか、きちんと代案を説明して。そうでないと、本当の議論にならないです。そこがこれからの課題なのかなと思うので、第一歩としてはあれで良かったのですが、同じことを何回も続けるのは意味がないと思うんです」
菅官房長官
「そこは森本先生のおっしゃる通りだと、私も思っています」

普天間の危険除去
反町キャスター
「森本さんの指摘があった、たとえば、翁長知事が菅さんとのやり取りの中で、普天間の危険性の除去について具体的な提案とかはあったのですか?」
菅官房長官
「それはありませんでした」
反町キャスター
「たとえば、国際情勢というと、僕らがこの番組でよく普天間の辺野古への移設についての議論で言うと、海兵隊は必要だと。抑止力が必要だと。中国の軍事的な圧力、ないしは北朝鮮で有事が起こった際の安全保障体制をどうするのかということで、こうなんだ、こうなんだという議論を、この番組でよくやったんですけれども、そういう現状、日本を取り巻く安全保障情勢に対する見解の提示というのは、知事からありましたか?」
菅官房長官
「いずれにせよ、私どもは、危険性除去のところ、それから回避をすると。それと同時に、日米同盟の抑止力の維持と。そこが問題で、辺野古移設というのは向こうからスタートした問題ですから。そこについてなかなかご理解をいただけない。ですから、そのへんのことを、次から説明をさせていただきたいと思います」

今後の基地問題を考える
反町キャスター
「先ほど出た、“粛々”という言葉ですけれども、あれはどう感じますか?」
菅官房長官
「私自身、まったく上から目線ではなくて申し上げたつもりだったのですが、しかし、そう受け止められるのであれば、そこはこれから使わないようにすべきだろうと思っています」
森本氏
「粛々という言葉は、有名な漢詩の中に出てくる『鞭声粛々と夜河を渡れば』と有名な言葉があるんですけれども、あの言葉の本来の意味は、つまり、物静かに慎み深く行動をすることをいうんです。だから、私は、別に間違った使い方ではないと思うんです。ただ、なぜ沖縄の方がああいうふうに見られるかというと、この言葉を間違って使う方が、これはオピニオンリーダーであり、政治家の方であり、いろいろ、時々おられるんです。たとえば、何かあった時に私は粛々としてやらせていただきます。ズバリはっきり言えば、何と言われようとも無視しようという。それは誤った使い方です。だから、そう受け止められると、上から目線と見えるんだけれども、私は、言葉の本来の意味は決してそういう意味ではないと思うんです。別に不思議ではないです。今日、なかなか面白かったのですが、『JAPANIST』という英語の新聞に、今回の会談が書いてあるんです。粛々と官房長官がおっしゃったところが英語でどうなっているかというと、steadily and calmlyと書いてあるんです。つまり、着実に、静かにという意味です。だから、よほど日本語がわかっている人が英語にしたんだなと思って、感心したんですけれども、つまらない話ですけれど、私は、粛々というのは本来そういう上から目線とか、そういうことではなく、本当にもの静かに、慎重に慎み深く、注意をしながら、環境にも注意をしながら、沖縄の方々の心にも気を配りながら、進めていきますよということを淡々と述べただけであって、沖縄の方がおっしゃるように、何があっても周りのことを無視し、何ごともなかったかのようなふうにという意味では決してないので、誤って言葉を理解されていると」
反町キャスター
「翁長さんからの指摘にはこういうパターンもありました。アメリカ軍が強制接収して建設したにもかかわらず、現在は、普天間は危険だから、危険性の除去の負担をしろ、代替案はあるのか、日本の安保をどう考えているのかと。こうした話をすること自体が日本の政治の堕落だと思うと。こういう話を冒頭で翁長さん話していますが、日本の政治の堕落化という、僕は非常に引っかかった言葉ですけれども、どうですか?」
菅官房長官
「ただ、先ほどから申し上げましたけれども、危険除去、固定化を避ける。ここは沖縄県と国の、まさに、共通認識だったんです。ですから、沖縄の皆さんの、ここについては危険除去、固定化をしてはならないと。あそこ(普天間)に行かれましたか。市街地の真ん中にあって、住宅があって、学校があって、それで、1回事故がありました。そういった中で、ここは1日もはやく危険除去を、閉鎖をすると。そこは国の責任だと思っていますので、ですから、そこはしっかりとやっていきたいと思います」
反町キャスター
「森本さん、いかがですか?日本の政治の堕落だと思うと言われるまでのことについては?」
森本氏
「これは、私はかなり目線が上にあると思いますけれども。正直言って、本当に、率直に現在、我々が語らないといけないことは、もともと普天間を返してもらうというのは、沖縄の方が言い出した最優先課題として、日米がこれを実現しようとして、19年前に合意をしたわけですから、その原点に立ち返れば、この危険だと言われている基地を、何とか返してもらって、そのために辺野古の基地。これは民家の上を飛ぶわけではない、海から入って海に出る、より安全性に配慮をした施設。これを2006年に、日米で合意をしたわけですから、これを実現して本来の目的を達成するということは沖縄の方にとっても、官房長官のお話にもあったように、希望だったわけです。それを苦労して、苦労してここまでやってきたわけですから。日米安保条約をどう考えているかというのが、政治の堕落だというのであれば、私は日米安保をどう考えるかということが、まさに、政治の責任であり、沖縄の責任でもあると。沖縄は重要な日本の一部ですから。決して、沖縄を無視して日米安保条約を考えているということではないので、そこは同じ土台、同じ土俵に立って議論をしていただきたいと思います」
反町キャスター
「お互い会話をするにあたって、相手に対し、あなたの言い方は上から目線だと。日本の政治の堕落であると。ただ、そういう言葉をぶつけられるであろうことを想定して、沖縄に向かわれたのではないのですか?」
菅官房長官
「いやいや、そこはとにかく、政府の立場をできる限り説明をしてご理解をという、そういう思いで沖縄に向かいました」
反町キャスター
「うがった見方と言われたら、それまでですけれども、敢えてそういう言葉を被るために沖縄に行かれた。それがもしかしたら、今回の翁長知事とのシコリを溶かす、ないしは接近させるために、最初に泥をかぶるのは自分の方で、堕落と言われようとも、上からと言われようとも、まず言うだけ、言われてもいいから、行くんだと。そういう覚悟で沖縄に行かれたのとは違うのですか?」
菅官房長官
「いや、沖縄にいろいろな問題があることは事実です。ただ、政府としての基本的な考え方を、皆さんの前で、きちんと説明していくのは、私どもの責任ですから。それから、負担軽減について、ここは、1つずつ、現在進んでいますので、そういうことも説明をさせていただきたいと思ったんです。特に、私が出席をさせていただいた西普天間基地、アメリカ軍キャンプですけれど、そこが一昨年の日米首脳会談での早期返還の合意がされた第1号だったんです。そこに、地元の皆さんから、国際医療拠点構想というのがありまして、そうしたものもしっかり国も連携して進めていく、そういうこともきっちり申し上げたということです」

菅官房長官に聞く 普天間基地返還への想い
反町キャスター
「菅さんが初当選した時の橋本・モンデール合意ですよね。この当時、一生懸命に取り組んだのが梶山元官房長官ですよ。菅さんと梶山さんは親しい関係だったと僕は聞いています。現在、菅さんがその役にあたっています。特別な想いがあるのでは?」
菅官房長官
「梶山先生が、死に場所は沖縄だ、と言うぐらい沖縄問題に、まさに全力で取り組んでこられましたので、また、私が官房長官になっても、そういういろんなものを感じますよね。ですから、そう言う意味においては、できることは全てやろうと。それで沖縄普天間担当大臣として本当に難しい問題ですけれども、そこは私自身も覚悟を決めて、ここはしっかり取り組んでいかなければならないと思っています」
反町キャスター
「梶山さんが、死に場所は沖縄だ、と言ったのはどういう意味ですか?」
菅官房長官
「それだけ自分のある意味、政治の全てを沖縄に集中されたんだろうと思います」
反町キャスター
「梶山さんは予科練の出身ですね。戦争の経験がある中で、沖縄の問題を片づけるのが自分の政治の課題であるという感じになっていたということですか?」
菅官房長官
「たぶん、そうだと思います」
反町キャスター
「そこは、菅さんはダイレクトに引き継いで背中に背負っている気持ちでいるのですか?」
菅官房長官
「これはいわゆる誰かがやらなければいけないことですね。官房長官に就任した時、いわゆる沖縄問題というのは関係閣僚がいますよね、沖縄の担当大臣、防衛大臣、外務大臣。その中で、よりそういう想いというのを私自身、強いものを持っていたんです」
反町キャスター
「翁長知事には官房長官の想いは伝わった?」
菅官房長官
「それはなかなか…1回目ですので」

菅・翁長会談 今後の基地問題を考える
反町キャスター
「19年間の歴史は迷走と見たらいいのか、積み重ねと見たらいいのか?」
森本氏
「迷走ということではない。何て言ったらいいのかな、苦しみながら日米と沖縄で、つまり、この普天間の返還というのをどうやって実現するかと、最初は移設する施設の建設方式だとか、方法だとか、場所だとか、随分議論をして、これは相当長い時間を使ってやって、結局行き着いて現在の場所になって、それから設計ができて、その設計が日米間で合意されたのが2006年、V字型の現在の設計。そこに行き着くまでの迷走というのではないんですけれども、はっきり申し上げて日本の政権が短い時間で変わり過ぎるんですね。沖縄の県知事というのは、1回おやりになったら、一期ないし、二期ずっとおやりになるのですが、その間に政権が変わるとすごい勢いで閣僚が変わっていくので、梶山さんのように、本当に長く、とにかくどっぷりと沖縄に浸かって、この問題を解決しようという方がだんだん少なくなるという状態が起きているのではないかと思うんです。この19年を見ると。そう言う意味では、官房長官だけと言うよりかは、むしろ沖縄の問題を自分の政治をかけて、キチッと解決していこうと。沖縄の信用を取り戻すのに必要な与党としての政治体制というのをつくっていかないと(いけないと)いうことではないかと思いますね。迷走したということではないと思います」
秋元キャスター
「普天間基地移設に早く手をつけなければいけないのは、周囲に小中学校があるとか、そういうことなのでしょうか?」
森本氏
「もともと普天間飛行場は現在のような状態に急になったわけではなくて、いろいろ住民の方々の住居だとか、建設だとか、周りのインフラだとか、人口が増えることによって銀行が増えるとかいろんな問題が変化してきたのですが、同時に、普天間飛行場が持っている戦略的な意味合いも、これは明らかに19年の間に変わっていったわけで、危険、危険と言うんですけれども、危険性というものはある一定の基準で物差しのごとく測れるというものでは決してないですよね。危険という意味では、それは人口密集地が真ん中にあるのが危険だという単純なものであれば、それは、たとえば、福岡空港も、すごく危険ですよね、考えてみると。そう言う意味では必ずしもないですね。かつて沖縄でいろんな事故もありましたし、それから、この飛行場を取り巻く戦略環境の中で、この中に入ってくる各地の飛行機、それから、何かあった時に他の基地からの飛行機をここで受け入れて、ある種の運用上の根拠基地にしなければならない。海兵隊の、固定翼の飛行機、つまり、ヘリ飛行機の唯一の飛行場ですから、そう言う意味では、持っている飛行場の特殊性から見ていろんな要求に応えなければいけないという特殊性を持っていて、その分だけ、潜在的な危険性が高いということになるんですね。単に住宅があるから、ないからというだけで危険性が決まっているということでは決してないです。ただ、アメリカにとって海兵隊というのは、昔と違って全ての海兵隊員が、つまり、現在あるティルトローター機であるオスプレイに乗って着上陸、作戦をやるということで、昔のノルマンディのように上陸用舟艇で上がっていくという、そういう運輸はしないです。全ての海兵隊員が、輸送機の中に乗っていろんな作戦に任ずるので、つまり、海兵隊の部隊を輸送するに必要な固定翼機の航空機の基地、その中でも飛行機とか、つまり、一体化されて戦力を発揮できる抑止力の意味を持っているということなので、そう言う意味では、普天間飛行場だけを議論して、普天間飛行場だけの危険性が除去できるというものでは決してないです」
菅官房長官
「会談の中で話をされまして、危険除去とか、普天間固定化は避けなければいけないと私が申し上げたのですけれども、それについての答えはなかったですね。ですから、これから国の責任として、極めて大事なことですから、これからの会談の中で…」
反町キャスター
「辺野古以外に新しい移設先を検討する選択肢はもうないですよね?」
菅官房長官
「そこはありません」
反町キャスター
「総理は4月26日から訪米しますよね。アメリカにおいて、普天間問題の進捗状況についてはどういう話の仕方になるのですか?」
菅官房長官
「日米同盟が、経済も含めて安全保障を、日本の繁栄というのですか、平和、人民、ホームシェアの中で極めて重要な役割を果たしてきたというのは、これは当然総理も言われると思います。さらに、深化させる、そういうことになっていくのだろうと思います」
森本氏
「日本政府が責任を持って沖縄ときちんと話しあいをし、物事を計画された日米合意に基づいて進めてもらえるとアメリカは信じていると思いますし、そこについては、私は、疑念はない。一部の民主党陣営のオピニオンリーダーはそういうことを敢えて言う人がいますけれども、アメリカ政府はそういう考え方は持っていないと思います。しかも、重要なことは、むしろ沖縄というものを彼らはグローバルに見ていますから、沖縄を含む、日本の南西方面、尖閣を含む、東シナ海。この安定のためにアメリカ軍の重要な本拠基地である普天間飛行場、それの代替施設が予定通り、計画通り、きちんと進んでいくということによって、引き続きアメリカのプレゼンスが維持されるということをアメリカは非常に重視していますから。そこについて疑念はないと思います。むしろそれが危うくなるということをアメリカは心配しているということだと思います」
菅官房長官
「辺野古に移設することによって、現在、沖縄にある米軍の海兵隊の半分の9000人がグアムをはじめ、ハワイに出ることになっているんです。それで、グアムに受け入れる施設の建設予算を凍結していたんですけれども、昨年解除してくれたんです」
反町キャスター
「アメリカ側がですね」
菅官房長官
「そうです。ですから、そこはしっかり信頼してくれていると思っています」
反町キャスター
「辺野古への移設までのスケジュールについて、政府の発表によると、2023年度以降に移設する。これは予定通り?」
菅官房長官
「できるだけ早くやりたいと。危険除去は優先すべきだと思います」
森本氏
「工事が終わった次の日から動けるということではありません。工事が終わってアメリカが持っている新しい飛行場のための施設、機材を移してきて、運用に必要な準備をして、それから、実際に飛行場としての運用テストをして、運用ができるということが、確保できた時点で普天間飛行場の返還、運用停止(となる)。工事即、飛行場の返還ということにはなりません。とにかく大事なことは、現在やっているボーリング調査をキチッと順調に進め、今年の夏頃から工事に着工して大きな障害がなく、工事ができるだけ早く順調に進んで工事が完了するということを我々は期待していますし、願いたいと思います。それに向けて最大限の努力をするしかありません」

菅義偉 内閣官房長官の提言:『国の責任』
菅官房長官
「国民の生命、安全を守るというのは、国の最大の責任だと思っています。ですから、この厳しい安全保障関係の時に国がやるべきことをしっかりとやるべきだと思います」
反町キャスター
「国の責任と地方自治体の責任は違うものですか?重なるものですか?」
菅官房長官
「安全保障はお互いに連携する必要があると思いますが、国の責任というのが、私は多少大きいと思っています」

森本敏 元防衛相の提言:『同じ次元に立って本音で』
森本氏
「国の安全保障というのは、国の責任ですが、それを行う、進める時に、地方の方々の理解を得ることも重要なので、そのためには今回、平行線と言いますけれど、平行線になっている理由は同じ次元で必ずしも議論されていないということなので、これからずっといろいろな話しあいが進む時に同じ問題を同じ次元で、本音で話をするということを進めないと、いつまで経っても対話の事実的な成果が得られないということだと思うんですね。たとえば、抑止と言ったら、本当に抑止をどう考えるのか。国は国の立場から、県は県の立場から、キチッと本音で話しあうということをして、対話の内容がより実質的なものになるということが期待されると思うんです。それがこれからの目標だと思います」
反町キャスター
「地方自治体の長が、国と同じ次元に立って安全保障を議論することが可能ですか?」
森本氏
「議論してもいいですけれども、第一義的な責任は、官房長官のお話のように、国が国家の全体の責任を持っているわけですから。地方自治体の長というのは地方自治の行政の責任の中で、言うべきことを言う、やれることはやれるということですね。そこはキチッと自分の立場の限界というものを知りつつ議論することが必要だと思います」