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2015年4月3日(金)
60年ぶりの農協大改革 農業の岩盤は崩れるか

ゲスト

山田俊男
自由民主党参議院議員(前半)
林芳正
農林水産大臣 自由民主党参議院議員(後半)
山下一仁
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

60年ぶりの大改革 農協はどう変わるのか
松村キャスター
「安倍政権が規制改革の目玉に掲げるのが農協改革です。政府・与党が今日、閣議決定した具体策は、まずは全国の地域農協への経営指導や監査を行ってきたJAグループの司令塔的存在である、全国農業協同組合中央会、JA全中を一般社団法人化し、監査・指導権を廃止します。これによって全国700の地域農協は全中ではなく、公認会計士による外部監査を行うことになります。また、農畜産物の販売や生産・資材などの供給を行っている、全国農業協同組合連合会、JA全農は、株式会社への転換が可能になります。さて、山田さんはJA全中の出身ですが、この農協改革案をどのように受け止めていますか?」
山田議員
「私としては、JAの改革を本当に、それこそ総理からも、政府からも共に改革しようじゃないかという観点で提起していただきたかったなと、ずっと思っていました。ところが、ともかくJA全中は脇役に徹してくれとかなり過激におっしゃって、岩盤規制の象徴だとおっしゃるわけですから、これは残念だったですね。本当にもう少し丁寧に丁寧に日本の農業をどうするか。そこに対して農協がどういう役割を果たすのか。そのために、どういう改革をするかということをもうちょっと時間をかけて議論をしたかったと思っています」
反町キャスター
「山下さん、安倍さんの岩盤規制改革ということでいうと、たぶん成長戦略に向けて、農協の現在の存在が障害であるというのが1つあるのでしょうけれど、1つのやり方として、明らかに今回、全中の力を削ぎ落すことに目的が置かれたような、政治的にですよ。これはどう見たらいいのですか?」
山下氏
「3つの重要な視点があると思うんです。今回の安倍政権の、アベノミクスの改革だけではなく、農協改革を考える時に3つの大きな視点がある。1つは、農協は大変な政治力を発揮し、食管制度時代には米価の引き上げ闘争を相当やったという、そういう今回も、TPPに対して大反対運動をして1000万人以上の反対署名を集めた。そういう政治力を発揮した。その政治力をできるだけ弱めたいという観点が1つ。それから、もう1つは全農という組織があって、これがいろいろ肥料とか、農業資材の供給をやっているんですけれども、全農を通じてやると、肥料とか、農薬が高くなるという問題が随分と指摘されてきているわけです。従って、そういう高コスト体質を生んでいる日本の農業の体質にメスを入れたいと。高コストであるから、高い価格になるから、高い関税が必要だと。従って、TPPでなかなか関税撤廃はできないんだと思います。それから、もう1つは農協を農協らしいものにしたい。たとえば、准組合員が組合員を上まわっているんですけれども、准組合員というのは、地方の人であれば誰でもなれる。その地域の人であればなれる。その組合を利用するという人達ですね。だけれど、正組合員ではありませんから、農協の意思決定に関与できない。つまり、本来、農協、共同組合というのは、利用者が所有して管理する、コントロールする。この准組合員の人達はコントロールするという気持ちがないわけです。つまり、共同組合という原則から外れていると。そういうところに、今回、実現しませんでしたけれど、准組合員規制を打ち出した。この3つの視点で農協改革が重要なのだろうと」

農協改革の意義とは
反町キャスター
「今回、全中の改革において大きくわけると、いくつかある役割の中で、いわゆる全中から1番下の700ある単協というのですか、それぞれ地域にある農協。その地域の農協に対する監査業務と経営指導業務というのを全中からとったというのか、廃止したんですよね。この狙いにはどういう意味があると見たらいいのですか?」
山下氏
「JA組織というのは、トップダウンの組織です。それはなぜかというと、ただ、生協の場合は、消費者が生協をつくるわけです。生協が連合会をつくるかどうかを自分達の判断でやるわけです。ボトムアップの組織です。ところが、JAの場合は、戦前の、いろいろともっと前からの経緯もあるのですが、戦前の統制団体を戦後、米を集荷しなければならないというので、農協に転換していったわけです。統制団体というのは中央の意向をどれだけ下に伝えるかというトップダウンの組織ですから、ピラミッド型のヒエラルキー的な組織になってしまったわけですね。そのJAの、全中の監査業務というのは、トップが下をコントロールする、1つの自由な手段として機能したんだと思うんです。全部が全部、そうではなく、いろいろ。全農の役割はいろいろあるんですけれど、それが1つ。それから、今回、外されたということは、私は、下に対するグリップが若干弱まったのではないかと評価できると思います」
山田議員
「私は、だいたい山下さんと議論をすると、どこかで食い違っちゃうのですが、山下さんは、農業政策をどう推進をしてきたかという、我が国の。それから、戦後の混乱から、こうして農業が、地域が立ち直ってくる時に、政策もそうですが、同時に、農協もどんな役割を果たしてきたかということを一緒に見なければいけないので…」
反町キャスター
「ちょっと待ってください。歴史的に農協が果たしてきた役割は、これはたぶん皆、すごく認めると思います。農地解放をされ、それぞれ小さな農家がいっぱいいる中で、組合をつくらないと弱い、所得も安定しないところも。それは誰もが認めると思う。70年経って、それが現在でも必要ですかというところから始まるのが、この改革ではないですか?」
山田議員
「相当いろんなことで変えてきているのですが、現在こういう形のJA。准組合員も増えていますと。それから、地域も、農業者の数がずっと減って、それ以外の人が増えてきているという現実も大きく変わってきている。国のあり方として変わってきているんですね。その中にJAがいて仕事をしているという位置づけも見てもらわなければいかんわけで。JAも変わってきているのですが、変わり方…」
反町キャスター
「そうすると、今回の政府のJA改革、農協改革というのは間違っていたのですか?」
山田議員
「間違っていると思います」
反町キャスター
「国会にこの法案かかったらどうするのですか?」
山田議員
「だから、現在の段階では、これを受け止めていきますけれども、本当にJAを力強くして、生き生きしたものにしていくためには、政策も同時に変わっていかなければいかん。共に変わっていく中で、力強いJAをつくりあげていくし、力強い地域や、農協をつくりあげていくということだと思うんです」
反町キャスター
「萬歳会長が最終的に賛成したのはどう見るのですか?」
山田議員
「これはうまくやられたんです。何かと言ったら、准組合員の問題」
反町キャスター
「脅されて、引っ込んだ?」
山田議員
「JA全中を一般社団法人にします。監査についてもこれは外しますと言ったの」
反町キャスター
「准組合員の話はあとでやるけれども、萬歳さんが最終的に飲んだのは間違いだったということですか。騙されたとおっしゃいました?」
山田議員
「騙されたとは言っていませんが、残念ながら、納得されたんだと思いますが、しかし、納得のされ方、進め方に私は問題があったのかなと思っています」

“准組合員制”規制の行方
松村キャスター
「今回、焦点となっているのが、農協の准組合員制度というものですが、准組合員制度というのは、こちらは農業従事者ではなく、議決権もないのですが、一定の出資金を支払えば、JA共済やJAバンクのサービスが受けられるといった仕組みです。しかし、現在では准組合員の方が正組合員よりも多い状況となったことで、本来の正組合員のためのサービスが疎かになるなどして准組合員の数を制限することも検討されてきました。結局、准組合員の規制については、今回の改革案では先送りになりましたが、山下さん、准組合員制度の問題点というのは何なのでしょうか?」
山下氏
「准組合員制度というのは戦後、農協をつくる時に、農協の組合員を農民としたんです。これはGHQ、占領軍の強い意向だったわけです。なぜかというと、地主の勢力の排除というのが大きくある。昔、戦前の協同組合には地主も入れたんです。だから、農民に正組合員の資格を限ったわけです。そうすると、地主の人達が利用できなくなるので、それで准組合員を僅かな数だから大したことがないと認めたわけです。ところが、その准組合員がどんどん多くなってきた。なぜ多くなってきたかというと、実は農業が衰退してきているんですけれど、兼業農家が増えているので、兼業所得とか、あるいは高齢化が進んでいるので、年金所得をJAバンクに預けてくれるわけです。現在は94兆円、JAバンクの預金があるわけです。農業が衰退しているので、そのうち1%か、2%ぐらいしか農業に融資できないんです。従って、どこに融資しているかというと、准組合員、それから、元農家のアパート建設資金。これにその3割が融資されているわけです。だから、准組合員がいなくなると、JAバンクは、たくさん集めた金の融資先がなくなってしまうわけです。従って、准組合員というのが現在、地域の農協からすると大変大きなシェアを占めているということです。だけど、明らかに、協同組合というのは、利用者が所有して管理する。その所有はしているんです、出資金を出しているから。所有はしているんですけれども、管理はしていないわけです。議決権がないわけですから。だから、この准組合員を認めるということは、それは1割とか、2割ぐらいならばいいんですけども、准組合員が正組合員をはるかに上まわっているということは、はっきり言って協同組合の原則に果たして合致しているのかどうかという問題があるんです」
反町キャスター
「先ほど、山下さんが指摘された、逆転しているんだ。本来、協同組合員というものが、組織の意思決定とかにも関与できるのが普通であるにも関わらず、関与できない准組合員が過半数を超えたというのは、協同組合の組織としてはいびつであるという、ここの部分は?」
山田議員
「その側面はあります。だから、そうした皆さんに情報をできるだけ配るとか。それから、総会に出席をしてもらう案内状を出す、アンケートをとるとか、意見を聞く場をそれこそ設けるとか、様々な取り組みをやっていますが、残念ながら、農協法の中で、准組合員の総会出席とか、役員就任の権限は与えられていないんです。そこは、見直していこうではないかと」
山下氏
「現在の農協の実質は地域金融協同組合です。だから、金融業と共済事業、保険事業です。それから、生活物資の供給。これを全部ひっくるめて、地域協同組合として新しく設立する。そうすると、准組合員はその地域の人ですから、正組合員になるわけです」
反町キャスター
「いわゆる生協と同じ形ですね」
山下氏
「そう。農業部門はどうするかというと、農業部門は現在、兼業農家も高齢農家も皆、農協の正組合員になっているわけです。実は、農家戸数が250万戸しかないのに、農協の組合員数は、組合員農家で400万戸。組合員数でいうと450万人。ほとんど農家でない人達も組合員になっているわけです。しかも、兼業農家も専業農家も、皆1人1票だと。これはおかしいわけです。だから、本当に必要があれば、専業農家、本当に農家だけで生きていこうとする担い手が独自に、昔のように、本来の農協は自主的な組織ですから、自分で協同組合をつくる。それは、現在のJAという組織とは切り離して、自分達で農業の協同組合をつくるんだと。そういう流れにしないと、なかなか現在のJAのように、農業もやるし、それから、実態は地域協同組合だと。特に、都市部の農協というのは不動産とか、融資とか、そういうところに重きを置いて、准組合員の割合が9割とか、そこまでなっているのですから」
反町キャスター
「JAと農協の分離は1つのアイデアとしてどうだろうかと、いかがですか?」
山田議員
「私は、地域の協同組合は既に相当程度が都市部の農協になっていますから。とすると、地域の協同組合としての機能を法律的にもどんなふうに整備するかということは、私はあってもいいと思います。だから、今回のJA改革に対する提言は、JA全中を、一般社団法人を外しましたというだけではなく、本来であれば、そうした地域の協同組合のあり様も含めた議論が、ちゃんとなされて、共に改革しようではないかという姿勢を、党と政府と、それから、JAがやれれば良かったと思っているんです」

林農林水産相に問う 一時的効力停止
松村キャスター
「辺野古作業停止をめぐる問題で、この指示の一時的効力停止、これはどのような判断で決断されたのですか?」
林農林水産相
「これは普通にやっている行政とはちょっと性格が違っていまして、行政不服審査法という法律があります。たとえば、何か許可をもらった人が、許可を変えられちゃったらおかしいのではないかと言う時には、その許可を出した役所の上のところに、おかしいのではないのかということを言って、行政の中ではやく結論を出してもらえるというシステムをつくって、それでもダメなら裁判ということになっているんです。これが行政不服審査法。沖縄防衛局も許可をもらってやっているんですね。そういう意味では、許可をもらう普通の人と同じ立場になるという解釈なのですが、許可を出した沖縄県からこういうことしないと取り消しちゃうぞという指示が出たので、これについて疑問がありますということで、この県の上にいる農林水産省に…なぜ(農林水産省が)上かというと、水産資源保護法という法律があって、この法律に基づいて、県が実務をするため規則をつくった。この規則に基づいて許可が出ているので、この規則の上になると、この法律が農林水産省というので、行政不服審査法という枠組みの中で、上は農林水産省ということになるわけですね。従って、この許可の指示があったことについて不服があるので、この上に来たというのが、今回の経緯で…」
反町キャスター
「本来は珊瑚礁を守る仕事は農林水産省の仕事、そういう意味ですか?」
林農林水産相
「農水省が持っている法律に基づいて各県にお願いしているんです、全国にね」
反町キャスター
「沖縄県の今回のやり方に、おかしいのではないかということで、防衛施設庁から文句が出たので、それが親元の農水省に来たということですか?」
林農林水産相
「そういうことです。ですから、今回はいわば遵守法的な性格で、普通の政策と違って、そういう意味で、書面で審査をすると法律に書いてありますし、法律に基づいて審査して、審査請求というのは現在からもう少し時間をかけてやるのですが、その前にとりあえず執行停止というのが同時に出ていましたので、執行停止という判断をしたということですね」

辺野古移設問題の行方
反町キャスター
「翁長さんはあらゆる手段を使って工事を止めると、就任直後も、この間の話で来た時も、そういうことを必ずはっきり言う知事ですよね」
林農林水産相
「そうですね。ですから、今回も珊瑚礁を守るためというのが、そういう発言があると何か工事を止めるために言っているだけに聞こえてしまいますよね。だから、我々の法律は、水産資源の保護のための法律なので、あくまで珊瑚礁の話が先ほど出ていたように、だけど、工事を止めるためにやっているんですよと、最初から言っちゃうというのは、ちょっとどうかなという感じはしないでもないですね」
反町キャスター
「法の趣旨に照らしあわせてという?」
林農林水産相
「水産資源の保護法の趣旨は、別にあそこの工事を止めるための法律ではないので、我々としては水産資源保護法の法律の趣旨に基づいて規則があって、それに基づいて許可が出ているので、そういうことで、判断を中立的にしなければいけないということになりますね」

農協をどう変える?
松村キャスター
「規制改革で日本の農業がどう変わると考えますか?」
林農林水産相
「まずは全体像として最後のところで指導監査の廃止というのが、ずっと残っていて、議論になって、そこばっかりが報道されたので、これだけやっているように見えちゃっているんですね。これだけやると、何で農家の所得が増えるのですかとよく聞かれるのですが、それだけやって農家の所得が増えたら苦労はないので、ずっとこの2年間で、食べ物が足りない時代から、食べ物が余っているというか、豊富にできているうえで、どうやって農家の所得を上げるのかというと、良いものをつくれば必ず食べてくれるという時代ではないから、どうやって売るかということを考えましょうというので、3つの柱、需要と供給とバリューチェーンをつくって、一昨年の12月につくったわけです。その中で、世の中も変わる、農政も変わるからプレイヤーも変わろうよと言って、農協、それから、農業委員会、農業法人、皆主体の人達にも変わってもらうことで、実は昨年4月に大きく変わって、JAも自分で変わるというのをいろいろつくってもらって、最後に残ったのがこれです。だから、これは最後のピースなので、このピースを昨年4月の中に戻してもらって、それをまた一昨年の12月に戻して、全体像で見ると初めてなるほどと。先ほど、山下さんがおっしゃっていたようですが、基本的には農家が農協を選ぶ。農協が全中なり全農を選ぶという、そういう形にする。農協に入らなくたって農業はできるわけですよ、他の団体とかと違って。(他の団体は)これに入らないとできないというのがありますよね。だけど、農業の場合は入っていなくてもできるし、実際に農協経由ではないのが52%ぐらいで、農協経由は48%ですから、実際そうなっていますけれど、そこで、より農協の方が安くいろんな資材を売ってくれるし、自分がつくったものを高く売ってくれるから、農協を使おうねというふうになるようにする。全農を使った方がより自分のものが有利になるということで選んでいく。こういうふうにしていこうということで、なるべく中央集権的なトップダウンでなくて、地域が独自にできるようにしていこうと。その中の一環で、監査指導を廃止するということになったということですね」
反町キャスター
「全中の力を弱めることによって、農業の生産性が上がるのか。稼げる農業になるのか?」
林農林水産相
「そうですね。私は、必要条件だと思っているんです。全中が監査指導ということで、ある意味リスクをとろうとしているのを、そこまでやったら大変だと。そういうことを気にしていないでやっていたところもあるし、いろいろ例はありますけれども、それが業務監査でなくなってコンサルになるともっと自由になる。自由になったら、皆がやるかというと、今度は地域農協にかかってくる。この人達がやろうということになったのなら、どんどんやるし、リスクもありますし、ガバナンスを自分達で効かせてもらってやると。より自由になると、責任も伴うわけですよね。それをやらないと、現在のままでやっていて本当にいいのですか、と言うことだと思うんですよ」

米価下落の影響
松村キャスター
「米の年度平均価格がおよそ2割下落しました。この販売価格の下落は稲作農家にはどのような影響があると見ていますか?」
林農林水産相
「収入が減るという形で、ご不安なことというのはよく聞きます。直接的にも聞きますし、それから、党で議論していてもそういう声があるというのは随分聞いているので、そういうことに対して、この間、補正予算で緊急対策というのもやりましたが、基本的には中長期的に受給の見あった生産をしていく。それで、800万トンと言われている米の消費が8万トンずつ長期トレンドとして落ちていくと。これが残念ながら現実なので、これにどうあわせていくかということで、急激な価格変動を避けるということは中長期的に大事だと思いますね」
反町キャスター
「たとえば、生産性を高めるとか、若い人達が農業に向くような時代というのをつくる時に、米にどこまでこだわるかというのもポイントになりますよね?」
林農林水産相
「そうですね。米は主食だし、日本の農業のシンボルであるということは間違いないと思いますけれども、一方で、先ほど言ったように減っていると。一方、国内自給率でどれぐらいやっているかというのを見るとほぼもう100に近いところまでいっている。もう少し自給率が低くて、需要があるものに変えていく。将来的に8万トンずつ落ちていく米から、将来ずっと需要があるものに変えていかないと、来年、再来年はいいかもしれないけれど、5年、10年先はいったいどうなるのですかと。その答えがないところに若い人は来ないということなので、それで水田フル活用ということで、いろんな施策を打ち出したわけですね」
松村キャスター
「日本の米政策は何が問題だと考えますか?」
山下氏
「はっきりしているので日本の農業の最大の問題は、米農家、米をつくっている農家というのは農家の7割、8割いるんです。その7割の農家が2割の生産しかしていないということです。と言うことは、大変非効率的な小さな農家がたくさん滞留してしまったという、それはなぜかというと米価を高くしている(から)、現在、減反政策で米価を高く維持している。従って、コストの高い零細な兼業農家も、高齢になって、年金所得で生活している人達もたくさんの米農業に残ってしまっているわけです。日本の稲作農業というのは兼業農家、サラリーマンと、高齢化した人達によって担われているわけです。非効率になるんです。こういう人達が滞留したおかげで、農地が出てきませんから、主要農家が規模を拡大して、コストを下げて、国内マーケットだけで(はなく)輸出すると…」
林農林水産相
「米も輸出戦略の1つにしていまして、輸出は増えています。ただ、世界の市場で必ずしもメジャーではないので、日本食をどんどん普及させて、日本食の発信とともに米をやっていく」

林芳正 農林水産大臣の提言:『不易流行』
林農林水産相
「古めかしい言葉ですが、不易というのは、変わらない。流行というのは、流行っているのではなくて、変えるということで、これは両方大事ということです。何を変えずに守っていくか、変えるところは何かをしっかりと見極めて、変えるところは大胆に変えるし、守ってくところはキチッと守っていくと。何でも全部変えちゃえとか、全部変えないというのはダメだという言葉なので、どこに線を引くかというのがとても大事なことだと思いますし、農業の場合は、地域とか、作物によって、この線はいろいろ動くと思いますね」
山下氏
「先ほど、冒頭でアンシャンレジームと言ったのですが、アンシャンレジームを変えたいんですけれども、フランス革命起こすわけに行かないですね。革命を起こして、全部やめてしまうわけにいかないので、本当はやめてしまいたいのですが、そこは段階的なステップをおいて、やる必要があるんだと思う。だから、今回の農協改革というのは、本当に60年ぶり、70年ぶりに初めてできたんです。食管制度、農地制度、農協制度、唯一最後にまったくアンタッチャブルだった制度にメスを入れた。これは評価すべきだと思うんですね。だけど、これで終わりではないので、これからもう1つ、先ほど言ったように、1人1票制度の見直しとか、山田さんとの議論で言った地域協同組合にするとか、そういう本当の改革がまだ残されているのだと思いますね。それを今後、林大臣にやっていただきたいなと思っています」