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2015年3月30日(月)
消費税率8%から1年 “10%延期”損得勘定

ゲスト

山本幸三
自由民主党税制調査会幹事 衆議院議員
大塚耕平
民主党政策調査会長代理 参議院議員
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授

消費税増税から1年 税収の改善は
秋元キャスター
「昨年4月消費税を5%から8%に引き上げた結果、税収はどうなったのかというのを見ていきたいと思います。昨年4月から今年1月末までの累計で見てみますと、税収は前年同月比で12.3%増えています。そのうち、消費税は24.7%増。その他には、所得税11.0%増。法人税は12.2 %増加しています。まずこの税収の伸び、山本さん、どう評価されますか?」
山本議員
「成長がいかに大事かということを実感させていると思います。つまり、消費税を上げたんだけれど、消費を落としてしまったというところで、我々は次の増税を延期させて成長を確かなものにするという方針転換をしました。それが非常に当たっていると思います。従って、所得税と法人税が非常に伸びている。消費税は上げた分ですが、私はもう少し伸びていてもおかしくないと思います。これは消費が落ちたので、ちょっと消費税の伸び方は予想よりも低いということだと思いますので、いずれにしても、名目成長をしっかりと上げていくということがいかに大事かと、あらためて実感いたしました」
反町キャスター
「全体でいうと12%増ということですけれども、これはアベノミクスの効果?」
山本議員
「まったくその通りです。2013年度、2014年度を見ていても来年度どのぐらいの税収になるかがスタートになるんですけれども、政府の見通しは54.5兆円から、というところですが、現在の状況だと、2013年度、2014年度の平均伸び率は8%ぐらいで、伸び率から言えば、60兆円近くいきますね。だから、この内閣府の試算自体の土台を変えないといけないぐらいに、非常に税収は伸びると思います」
反町キャスター
「それは、たとえば、アベノミクスでも金融緩和とか、いろいろな形の規制改革とか、いろいろあるんですけれども、まず1の矢で、ドカンとやったということであれば、よく言われるのがワンショットだよと。なかなか継続的な効果も期待できないのではないかという、その部分について、来年度も翌年度もずっとこの調子で税収が伸び続けるかどうか。ここはどうですか?」
山本議員
「それは継続的に伸びるわけで、アベノミクスで物価を安定的にすれば、名目成長率がその分反映して、しっかりと毎年伸びていくわけですから、それに応じて税収が増えていくわけですから、それがうまくいきさえすれば、ちゃんと税収は確保されると。そこを崩さないようにやっていくことが非常に大事だということです」
反町キャスター
「それは2の矢、3の矢、4の矢と最近言われて、よくわからないのですが、そういう次から次へと政府が主体的に手を打っていくことによって税収の右肩上がりは維持できる?前提はそこですよね」
山本議員
「名目成長率ですから、それはマクロ経済政策で、第1の矢が1番大事であると。第2の矢は、それに補助的な役割を果たすと。第3の矢は、成長戦略と言って、生産力を伸ばす、供給力を伸ばすやつですから。第1と第2の矢を見て、完全雇用になって、賃金がどんどん上昇するという状況になると、供給の力を伸ばさないと成長しませんから。そこはこれからですけれども。その意味ではちゃんとよい方向に進んでいると思います」
大塚議員
「税収が増えたという意味ではもちろん、肯定的に評価していますけれども、安倍さんが当初、想定していたこと、あるいは日銀総裁も含めて、説明していたことに比べると、所得税と消費税は少し控えめ。法人税は増えていますけれども、背景の動きが、少し初期のものとは違うというような…」
反町キャスター
「実態が伴っていないと。円安で儲かった企業が瞬間的に儲かっているだけというようなお話に聞こえます。そういう意味ではない?」
大塚議員
「そういう意味ではないですよ。為替がある程度円安になるのは良いことですが、ただ、過度にそこばかりに影響が出ていたものですから、円安も120円までくると、プラス、マイナス、どちらが強く出るかわかりませんので。だから、もちろん、ここまでの運営については、経済政策は結果が全てですから、一定の評価をしつつも手放しで全てがうまくいっていると言い切るのはちょっとはやいかなというのが、野党でもありますし。基本的にはこういうコメントになろうかと思います」

政府の財政健全化目標 “プライマリーバランス半減”
秋元キャスター
「財務省は先月の10日に、2014年末の国の借金が1029兆9205億円。およそ1030兆円だと発表しました。巨大な借金を抱える日本の財政を健全化するため安倍政権は2つの目標を掲げています。税収など、国の借金以外の収入で、国債などの利払いなどの国債費を除いた歳出が賄えているかを示す、プライマリーバランス、基礎的財政収支に関して、2015年度までに対GDP比で、2010年の水準から半減。さらには2020年度までに黒字化するとしています。まず1つ目の目標、2015年度までに、対GDP比で2010年の水準から半減。こちらについて聞いていきたいと思うのですが、政府は2013年8月に閣議決定した中期財政計画の中で、プライマリーバランスの具体的な金額としてマイナス15兆円程度という目安を示しています。2015年度の政府予算案で見てみますと、公債以外の歳入、およそ59兆4800億円。一方、基礎的財政収支対象経費は、およそ72兆8900億円ということで、プライマリーバランスは、マイナス13兆4100億円ということです」
反町キャスター
「そうすると、いわゆる赤字の部分というのが、13兆4100億円というのは、2014年度と比べると、ほぼ半分になって、中間点までの目標がクリアできたということでよろしいのですか?」
土居教授
「メドは立っていると思います」
反町キャスター
「大塚さん、いかがですか?ここまでのいわゆる中間目標までの部分」
大塚議員
「それは消費税の引き上げの影響を受けた2014年から2015年に跳ねていますでしょう。それが2%ぐらいありますので、GDPの2%というと、10兆円ですから、その10兆円の改善効果というのは、イコール消費税ですから。だから、これまでのトレンドでいくと、たぶんそこまではいかないですから、マイナス5%ちょっと割れるぐらいのところですので。2010年対比で2015年に半減というのは、かつての自民党政権、麻生政権の時にもその方向性をお決めになられ、我々の時もそれをそのまま踏襲していますので、そういう意味では、自民党政権、その後の自公政権、民主党政権との共同作業として、結局、2015年の半減目標は何とか達成できたと。そういうことだと思います」
反町キャスター
「そこは別に、たとえば、国会の場においても、民主党としては評価をしろとは言いませんけれども…」
大塚議員
「いや、評価しますよ、それは。いや、ただ、財政再建についてはいろんな考え方の方がいらっしゃいますので。しかし、財政再建に一定の重きを置く立場の議員からしたら、それは与野党関係なく、ある一定の健全化はしなくてはいけないので、2015年まではとりあえず良かったねということだと思っています」
反町キャスター
「山本さん、ここまでの部分、2015年の半減まではほぼ順調だと思っていいのですか?」
山本議員
「簡単にクリアします。ただ、その要因が消費税の引き上げというのが、私はまったく違うと」
反町キャスター
「先ほどの跳ねた分というのは?」
山本議員
「それは景気が良くなったから税収が良くなったという話で、10兆円以上改善があるというのは、景気が良くて、他の税収が上がったからであって。おそらく先ほど申し上げたように、2015年度の税収は、もっと伸びて、税収自体で60兆円近くいく。税外収入5兆円ぐらいを入れると、65兆円ぐらいになって、現在の内閣府のベースから言えば、はるか上に行くので、簡単にクリアできる。補正予算をやろうと思っても、いくらでも財源があるぐらいになるので」
反町キャスター
「それは2015年度の補正予算を十分にやる余力がある。そういう話ですか?」
山本議員
「それぐらいになると」
反町キャスター
「よくその話になると、税収が上がるんだったら、すぐに使うのでなくて、借金返しに使いなさいという議論はもう自民党の中にはないのですか。そこの議論がありますよね、まだ」
山本議員
「だから、借金返しは、経済が立て直って来る形で、借金を減らしていくのは当然考えなければいけないけれども、経済が立て直っていない時に、借金返しをやって、経済を殺して、何の意味があるんだと。むしろ、逆に、いよいよ財政の負担が増えるので、まず経済を回復することについて全力を現在挙げるべきだと。いけいけ、どんどんでやれと言っているわけではありません」
反町キャスター
「でも、言っているではないですか」

必要な歳出削減策は
秋元キャスター
「先ほども見ましたけれども、政府の財政健全化に向けた目標、2つ目の2020年度までに黒字化。ここから見ていきたいと思うんですけれども、内閣府が今年2月に次のような試算をしているんです。順調に経済が再生した場合、2020年度プライマリーバランスは9.4兆円の赤字です。一方、実質成長率1%弱、名目成長率1%台半ばのベースラインのケースでは16.4兆円の赤字ということです。これは2017年4月に消費税を10%に引き上げることを織り込んでの数字ですけれども、土居さん、プライマリーバランスの黒字化を達成するためにどのぐらいの経済成長率が必要なのでしょうか?」
土居教授
「もちろん、できるだけ保守的な見通しで、財政健全化目標を捉えるべきではあるんですけれども、現在、一生懸命経済成長を促そうと、経済戦略、デフレ脱却もやると言っておられるので、この経済再生ケースを実現できれば9.4兆円で、もちろん、これが実現できないと、悪い場合16.4兆円まで赤字が増えるということでありますが、そもそも9.4兆円の収支改善すらできないようでは経済成長率が低くなった時、目標が達成できないわけですから、最低でも9.4兆円の収支改善。これをどういう形で成し遂げるということをきちんと詰めた議論を、私はするべきだと思っています」
反町キャスター
「収支改善というのは、それは方法としてはどういう方法があるのですか?」
土居教授
「もちろん、まず歳出削減。いきなり最初から増税ということを考えるべきでは、私はないとは思います。もちろん、これを全部、歳出削減でできるならば、1つは立派な志だと思いますが、なかなか歳出削減も厳しいねと。教育もお金が要るし、社会保障も切り過ぎるといかんし、というような政治的な配慮があるとすれば、財源が足らない分は、しっかりきちんと国民に向かって、所得税でやるのか、消費税でやるのか。いろいろ方法はあると思いますが、何がしかの増税を混ぜるということはやるべきではないのかと思います」
反町キャスター
「増税とか、歳出削減の話、現在の順調ケース。順調ケースで経済成長2%でしたか?」
土居教授
「実質経済成長ですね」
反町キャスター
「経済成長2%で9.4兆円、それでも届かない。この時点で、2020年で経済成長2%をカバーするには、何%の成長に持っていかなければならないのですか?」
土居教授
「私が、共同提言を出した試算では、名目5%成長しなければ、単純に試算すると。成長だけでこれをゼロにするということはできないと。こういう計算に、単純計算で、これは」
反町キャスター
「ギブアップですよね?」
土居教授
「成長だけでは無理だと私は思っています」
山本議員
「土居先生の前提は、この内閣府の試算が正しいという前提で利用されているわけです。私はこれに疑問を持っていて、内閣府は中期財政モデルというのも出しているんだけれども、このモデルの癖というのがありまして、名目成長率が高すぎる。これだと平均3.6で伸びるという再生ケースがいかにも高すぎるのではないかという、眉唾な感じがしますね。逆に、今度、税収弾性値が低すぎる。税収弾性値というのは、GDPの成長率が1%伸びた時に税収がどれだけ、何%伸びますかという比率ですけれども、これが全てを決めていくわけです。どうもこれまでの内閣府のモデルというのは、非常に低くて、このモデルで見ると、平均で0.98とか、0.9です。財務省が1.1と言っているのに。過去のデータを見ますと、過去20年に遡って見ても、3.0あるんです」
反町キャスター
「税収弾性値というのは、1%経済成長した時に、税収が何%増えるか。こういう話ですか?」
山本議員
「ええ」
反町キャスター
「そうすると、1995年から2013年で3.0」
山本議員
「20年の直近のやつで見れば、3.0と見ても別におかしくないやつで、これで見ると、2020年で簡単にできてしまうんです。しかも、成長率3.6%にしなくても。名目2%成長で十分プラスになるわけです」
反町キャスター
「プライマリーバランスの見通し。税収弾性値、GDPが1%成長すると、税収が3%増えるという前提で計算したのがこの表ですね」
山本議員
「経済再生ケースでいう名目成長率3.6%ですが、これだと20兆円もおつりがくると」
反町キャスター
「3.6%?」
山本議員
「平均でね。成長率が、名目が。それが経済再生ケースですけれども。慎重でいくケースで見ても、マイナス2.1ぐらいに」
反町キャスター
「こちらは名目何%ですか?」
山本議員
「1.5%」
反町キャスター
「名目1.5%でも税収弾性値を3.0においた場合には、2020年の段階で、先ほどの土居さんのだとマイナス9.4兆円だったのが、マイナス2.1兆円ということですね」
山本議員
「おそらく真理はその間にあるのではないかと、私は感じていて、名目2%成長は平均して十分いけるだろうと思っていて、それで税収弾性値3.0で見ると、プラス2兆円か、3兆円になるんですね」
反町キャスター
「先ほど、土居さんが言われたみたいに、歳出カットをして、別に増税を組むことをしなくても…」
山本議員
「だから、そういう意味では、数字的にはそうだけれども、ただ、私は無駄なところはきちんとカットすることは当然やらなければいけないので、あまりこうした話を大っぴらに言わないんだけれども。そういう努力をするようにならないからね」
反町キャスター
「山本理論でいくと、医療費削減しなくても、プライマリーバランスは達成できる?」
山本議員
「プライマリーバランスというものをどう考えるかだけれども、私は過去の税制改正の議論から見ていても、税制改正で財政再建という形になったためしがなく、名目成長率を決めているプライマリーバランス。そういう意味では成長率をきちんと確保することがプライマリーバランス黒字化につながるし、ただ、無駄は当然省かなくてはいけないので、将来を考えれば、ずっと続けていけるわけではありませんから。そこは土居先生と同じように、出ているところはやらなければいかんと思っていますけれども、ぎちぎち9.4兆円を何としても削りましょうというような議論というのは、ちょっとあまりにも非現実的ではないかなという気がしますね」
反町キャスター
「そうすると、このままいっても2020年になっても9.4兆円、まだ足りないよという議論と、ほぼそこに到達するよという予測の違いが、ここで言われた先ほどの税収弾性値という言葉。これも予測かも知れない。税収弾性値をいくつに置くかということで、これだけの将来予測が違ってくると。僕らとしては当然、幸せな方を信じたいのだけれども、大塚さん、これはどう、3.0という人と1.1という人、どう見たらいいのですか?」
大塚議員
「2つ申し上げますけれど、1つは、この税収弾性値のグラフを見ていただいてわかるように結構変動が激しい。だから、山本先生のおっしゃる形を実現しようと思ったら税制改正によって税収弾性値の高いような税制を導入しなければダメです。それが1点です。プライマリーバランスの将来見通しの、まず、山本先生は、税収弾性値が高いので放っておいてもちゃんと9.4兆円まで埋まるから、そもそも経済再生ケースの前提の名目GDP成長率3.6%すら要らないということをおっしゃっていたわけです。だから、それは、今申し上げた、それを実現するためには税制改正の話とセットだと。もう1点は、私は、土居さんと同じ立場で、9.4兆円を埋めるためには、5%成長が必要だとおっしゃいました。現在、安倍さん達は物価上昇率2%を目指しているわけですから、簡便法で5%から2%を引くと実質成長率が3%なければいけないです。日本の潜在成長率というのは、高くても1.5%と言われているんです。そうすると、1.5%分足りないわけです。1.5%というと実額で言うと、500兆円で計算すると7.5兆円です。そうすると、7.5兆円分ぐらいの、歳出削減の努力はしなければいけないだろうなと。異次元の金融緩和で思ったほど、実は予想インフレ率が高くなっていないので。2020年にはインフレ率が2%になっているという前提で話をしましたけれども、もし1%にしかなっていなければ、4%の実質成長率が必要で、そうすると、1.5%の潜在成長率との差は2.5%になりますから、そうすると7.5兆円の歳出削減は、さらに5兆円増えて、12.5兆円になるわけです。そうやって考えていくと、ちょっと9.4兆円を一気に埋めるのは難しいと私は思っています」

“プライマリーバランス黒字化” 社会保障削減も必要?
秋元キャスター
「今年2月、公益財団法人総合研究開発機構が政府目標を達成するため、社会保障改革しか道がないという提言を出しています。具体的にはどんな削減が必要なのでしょうか?」
土居教授
「結局、社会保障と言っても、全部を聖域にしてはいけないということですね。もちろん、医師不足、看護士不足、過疎部で病院が閉まってしまうという、そういう問題もあるんですけれども、一方で、高齢者の方が処方されたけれども、とてもじゃないけど、食後に飲めないほどの過剰な投薬があって、飲み残しをしているとか、同じお医者さんに行けば治るものを2人、3人と別のお医者さんに頻回受診をしているとか、医療にも、本当はそこでやらなくてもいいようなことがたくさんあるようなところをうまく見つけ出して、それに早めに手をつけることで、社会保障の改革にも、新しい歳出削減にもなるという提言を出させていただいたということです」
反町キャスター
「先日、甘利内閣府特命担当大臣も『歳出カットだけに全精力を投じて、景気が失速しましたでは元も子もない』という話をされました。社会保障費削減をずっとやるやると言いながら、踏み込みが甘いという批判もある中、どのような取り組みをされていけばいいと感じていますか?」
山本議員
「基本的に、土居先生がおっしゃったようなことでできるところを、やれればいいと思っています。ジェネリックとか当然やり出しているわけで、薬価についても毎年変えるのは不可能かと思いますけれども、できるところでやっていくと。医療提供体制についてもそうだし、1番むしろ本当に医療のところで削減しようと思ったら、終末期をどう考えるかなんです。そこまでの議論をそろそろ始めたほうがいいのかなという気がしますね」
反町キャスター
「お年寄りが大票田となると言われています。なかなか言いにくいですよね」
山本議員
「そこはなかなか難しいとは思いますけれども、少なくとも医療業界と政治家、宗教、死生観の話に絡むので、病理学者とか含めて議論は始めた方がいいなと思います。どこまでできるかわからないけれども」
大塚議員
「山本先生のおっしゃった点は、私も同感ですね。別に高齢者の皆さんの医療水準を落とすということではなくて、延命という段階に入ったところで、現在の医療技術ですと、あるいは将来の発展も勘案すると、延命治療で10年、20年、生きることも可能で、これは幸せとも言えますが、果たしてご当人にとっても、ご家族にとっても幸せかどうかという議論はするべきだと思います。たとえば、そういう段階にきて、お医者さんは患者を助けたいという思いで、たとえば、点滴1つとっても、高カロリー点滴を打ちます、とだいたい皆さんおっしゃるんですよ。そうすると高カロリー点滴だと寝たきりでも痩せずに、わりと意識はハッキリしないけれども、いられる。ところが、これが低カロリー点滴だと徐々に徐々に衰弱していくわけですが、しかし、そういう問題を直視して、どういう医療を終末期に提供するか…私達も当事者です、いずれは。だから、それは避けるべきではないと私も思います。同時に、ここも賛否両論あるとは思いますけれど、尊厳死の問題ですね。これもちゃんと議論するべきだと思います。そのうえで、さらに申し上げると、ジェネリック医薬品で土居さんが0.3兆円から0.5兆円だとおっしゃっていただいていますが、薬ですね、これは患者の側も責任があるのですが、ついたくさん貰いたくなっちゃうんです。薬の飲み残しだけで年間1兆円ですから。だから、お医者さんも2週間出しますと言わずに3日にしましょうかと、患者の方も心配ですから、いや、先生、1週間という、こういうやりとりになっちゃっているんですけれども、そこは飲み残しを減らして、将来世代にツケを残さないという意味で、お医者さんも我々患者も薬の飲み残しをやめようというだけで、推計の仕方にもよりますけれども、1兆円ですから。だから、そういう見直しの必要な点は多々あると思います」

“財政破綻”のリスク要因 “個人金融資産1600兆円”の今後
秋元キャスター
「国債はおよそ95%を国内で保有しているのですが、それを下支えしてきたのが、昨年9月末時点で1654兆円にも及ぶ預金などの家計の金融資産です。日本は、家計貯蓄率が諸外国に比べて高い水準にあったのですが、2013年度には初めてマイナスになっています。なぜでしょうか?」
土居教授
「いろいろな短期的な要因はありますけれども、1番の長期的な要因は高齢化ということです。つまり、人口の中で、貯蓄を積み増す若い世代の人数よりも、貯金を取り崩す高齢者の世代の人口比率が高まる、これこそまさに高齢化という意味ですけれども、当然、貯金を取り崩す高齢者の数がだんだん上まわってきて、こういう数字になる時まできたと。もちろん、短期的な要因はありますけれど、今後の趨勢で、高齢化の比率はますます上がってきますので、なかなかこのマイナスという傾向を大きく挽回するような別の方法でもない限りは、基本的にはマイナスという方向に向かっていくのではないかと思います」
反町キャスター
「7%とか、8%とかの長期金利が現実味を帯びてくるのか、そこはどう見ていますか?」
土居教授
「当然デフレ脱却の瞬間、まずそこで問われると思います。デフレが終わるということはインフレに変わるということですから、インフレが定着すると、2%物価目標が達成されるということですし、少なくともその分は名目金利が上がっても不思議ではないですね」

国の借金1000兆円超 “財政破綻”のリスク要因
反町キャスター
「長期の金利の見通しはいかがですか?」
山本議員
「長期金利はデフレ脱却したら上がっていきます。ただ、一発でドンと上がるような話ではなくて、成長と共に徐々に上がっていくということですね。基本的に、名目金利というのは、実質金利プラス期待インフレ率ですから、実質金利というのは実質成長率、潜在成長率と見ることができますから。だから、そこは将来的には名目成長率と名目金利というのは上下あるけれども、均してみればだいたい一緒だということで見るべきだと思いますよね。名目成長率が上がれば、それに応じて金利も上がると考える時だと思います」
大塚議員
「金利の不安を払拭するためには、先ほどの山本先生の式を違う形で言うと、名目金利イコール実質金利プラスインフレ率なので、だから、名目金利が上がってこないようにするためには実質金利をマイナスにするという考え方があって、だから、日銀総裁はこの間も実質金利マイナスを目指していますとはっきり言っちゃいましたので、それは何を意味するかと言うと、日銀が大量に国債を買い続ける、新規に発行する量を根こそぎ買っていくということを続けていると、そういうことが起こり得るのですが、これを何年も続けることは不可能なのでそろそろ現実的な手口を探す時期にきていますね」

山本幸三 自由民主党税制調査会幹事の提言:『10% 成長と自助』
山本議員
「私は(消費税率は)10%で頭打ちにするべきだと。十分できると思っています。当然プライマリーバランスを黒字化しないといけませんが、そのために1番大事なことは成長させるということ。もう1つは、日本人に現在失われつつある自助。基本は自助だというところをいろんな面でもう1回、認識し直すべきだと思います」

大塚耕平 民主党政策調査会長代理の提言:『15%』
大塚議員
「2025年ということですから15%までは国民の皆さんにご理解をいただかないといけないと思います。これですと、だいたい税収が37.5兆円ぐらいですから、その税収は基本的には社会保障に充てる方向で、現在、社会保障以外に充てている消費税の税収を捻出するために、他の歳出改革とあわせて、日本人の負担感からすると、これが限界ですが、ここまでいかないともたないと思います」

土居丈朗 慶應義塾大学経済学部教授の提言:『15~20% 世代間分担 所得課税から消費課税』
土居教授
「15%は最低必要だと思いますけれど、日本の税制の構造を所得課税中心から消費課税へとシフトさせていくということで、グローバル化にも対応するということを考えるならば、残念ながら15%では足りないのではないか。それから、もう1つ、高齢者にも負担をお願いしないと若年者ばかりの負担になるということなので、それをお願いする分というのを、大塚先生の数字からプラス5%というところで見たという」