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2015年3月27日(金)
東電廃炉トップに聞く 汚染水問題と報告遅れ

ゲスト

高木陽介
経済産業副大臣 公明党幹事長代理 衆議院議員
増田尚宏
東電廃炉カンパニープレジデント
吉村和就
グローバルウォータ・ジャパン代表

日本の汚染水対策は
佐々木キャスター
「主な汚染水対策、3つの基本方針に分けて考えます。1つ目が汚染源を取り除くということ。そして汚染源に水を近づけないこと。汚染水を漏らさないということなのですが、吉村さん、この3つの基本方針。これでいいのかということに関してはどうなのでしょうか?」
吉村氏
「現状はそれでいいと思うんですけれども、最初に私が申し上げたいのは、今回の汚染水は世界でも類のない…私は水処理を40年以上やっていますけれど、非常に難しい廃水です。まず瓦礫が入っている。それから、油が入っている。塩水が入っているということで普通、原子炉の循環系はPPMではなく、100万分の1ではなく、PPBという10億分の1の単位で、水の中の不純物をきれいにするのがこの原子炉の水循環です。それに対して現在、海水とか、油が入っていまして、%以上のモノが入っているんです。たとえば、ROの濃縮水ですと14%という塩分です。ですから、これは世界でも初めて、誰も経験がないですね。そこの難しさがあります」
高木副大臣
「今回の福島第1原発の事故というのは、未だかつてない事故。大きな原発の事故というのはチェルノブイリとスリーマイルというのがありました。そこから考えると、チェルノブイリは石棺と言いまして、いわゆる石で、コンクリートで固める。ところが、20年が経ったら、そこから、また隙間ができて、放射線の問題が出ているという、現状もそういう形。スリーマイルの場合はいわゆる燃料がメルトダウンと言われていたのですが、圧力容器という1番中のところに留まっていましたから、これを取り出したと。しかし、取り出すのに11年かかったんです。そう考えますと、今回は、いわゆる3つの原子炉が、いわゆるメルトダウンしている。4つ目は、燃料、使用済み燃料のプールにあったのが、12月に全部1500本を取り出しましたから。そういう形から考えると、本当に大変な作業だと思うんですけれども、事故から4年で、ようやくここまで進展をしてきた」
反町キャスター
「ここまではどこまで?」
高木副大臣
「いわゆる1番大きな問題は燃料デブリと言われる、溶けた燃料。これは放射線を出していますから、これを最終的に取り除くのが目的です。これが1番リスクが高い。その次に、燃料プールに、使用済みプールにある、これは水が被っているだけですから。いわゆる外に触れているわけです。これを取り出さなければいけないというのは2番目。3番目に出てくるのがこの汚染水の問題ということで。しかも、地下水が阿武隈山系の山側から、ずっと1日400t流れている。それが溶けた燃料、または建屋に触れて、海洋に出ているということが漁業者をはじめ、多くの方々が不安に思っているもので、この燃料に触れた、またはそういう高濃度の汚染水を何とかコントロールをしようというのがこの汚染水対策でした。この間の2月に問題になったのは、この地下水の高濃度に触れた汚染水ではなくて、雨水がたぶん、これはまだ推測の段階ですけれども、1号機、3号機が爆発した。それで飛び散った放射線に触れたということですから、今後はフェーズが変わって、そういう雨水といった、いわゆる自然界をまさに相手にしながら手を打っていくという段階に入っていったのだろうなと」
反町キャスター
「増田さん、高木さんが言われたみたいに、まずは大変な問題となるのは格納(容器)、ないしは溶け落ちているデブリであると。その次が使用済み燃料の処理だと。その次が汚染水の問題だという話で、今日は汚染水の話をする回ですけれども、その意味でいうと、いわゆる廃炉カンパニーとしては、まずはデブリをどういうふうにするかということがファーストターゲットで、次が使用済み燃料をどのように安全に運び出して処理をするか、隔離するかが問題で、汚染水の問題というのは全部、一生懸命にやるのはわかるんですけれど、物事には順番、プライオリティをつけなければ仕事ははかどらない。僕が勝手に思っているのですが、汚染水の問題というのは、何がなんでも汚染水を、他の案件にも増して優先的に対応するものではなく、何か起きた時に対応しなければいけないという、そういう順位のものですか?」
増田氏
「その通りだと思います。ただ、震災の直後にまず燃料を冷やすというのが必要になったわけです。そのために水が必要なわけです。その水が冷やし続けているうちに他から地下水が混ざってどんどん汚染水が増えてきたわけです。ですから、これからデブリ燃料を取り出すという仕事をやっていくうえでも、現在漏っている汚染水。また、増え続ける汚染水をしっかり処理をして安定な状態に持っていかないと、他の仕事が進まないということにはつながると思います」

汚染水流出はなぜ起こったか
佐々木キャスター
「福島第1原発で起きた新たな汚染水の流出問題。まず問題となっている場所を確認しておきます。雨水が汚染され、それでK排水路というところから、海に流れ出てしまったというところが問題になっているわけですけれども、経緯を振り返っておきましょう。2年前から様々な調査は重ねていました。昨年4月にK排水路の放射性物質濃度が雨の度に上昇し汚染水が海へ流出する可能性があることを把握していました。その対策として、除染や排水路の清掃などを行っていました。今年2月になって、排水路の汚染調査として2号機の原子炉建屋の屋上にて雨が降った時の溜り水を調査したところ、放射性濃度が高いことを確認したんです。2月24日になって2号機の建屋屋上に溜まっていた雨水が、排水路から海に流出していたことが判明したと。それを公表したという事態になっているわけですけれど、まず増田さん、これはどうしてこのような事象が起こったのでしょうか?」
増田氏
「もともと排水路というのは、何をやっているかというと、ここに降った雨を、このへんが海抜でいうと35mぐらいの海抜であって、このへんが海抜10mで、海の方では4mという海抜ですけれども。ですから、降った雨がだんだん下の方に流れているわけです。あるいは原子炉建屋、タービン建屋の周りに降ったあとも、水として汲んで外に出すと。そういうことをやっているわけです。実際には震災の時に、我々のところでは特に1号機と3号機は爆発させてしまいました。4号機の爆発はちょっと別なので置いておきますが、1号と3号が爆発してしまった時にここから瓦礫が飛び出したり、放射性物質が飛び出したり。それが周りに、おそらく散らばってしまったと思います。その状態で雨が降ると何が起こるかというと雨は放射物質を巻き込んで、この排水路の中に流れてくるということになってきます。特にまき散らした放射性物質、この斜面の方にも当然、飛んできます。それは申し訳ないんですけれども、地元の方に迷惑をかけた、はるかかなたまで飛んでくるものもあるものですから、このへんにも飛んでいるというのは皆さんもおわかりだと思います。と言うことで、こういったところにいろいろ放射性物質があって、それが雨水とともに排水路に紛れ込んで、外に出ていたという状況ができたわけです。K排水路の中の状況です。現在ここにゼオライドと言って、放射物質が少しでも取り除けるようにという、こういったものが置いてあります。この左側が実際の原子炉2号機の大物搬入庫と言われ、今回レンガが積んであってもその下に砂があったんですけれど、この部分に入った水が汚染されて、K排水路に流れ込むのがわかりましたので、最初はブルーシートで、ビニールシートみたいなもので養生して、まず雨水が直接触れないようにとやって、そのあともウレタンでしっかりとその表面を覆いました。これは3月14日ぐらいまでに終わらせたんですけれども、今月中にはここにある瓦礫をきちんと撤去して、ここを元にする汚染はなくなるようにします。それが1つ大きな対策としてやろうとしているところです」
吉村氏
「福島の年間降雨量はいくらかというと、1660mmです。1.6mです。それから、現在フェイシングが終わっているところが55万平方kmです。全体が145万平方kmです。そうすると、掛けあわせますと年間の雨量が出てきますので、232万tの雨量が出てくるんです。昨年10月26日に146mm降ったんです。この時の雨の量が7万7000tです。ですから、現在K排水路とおっしゃいましたけれども、それだけではなくて、先ほど、側溝の掃除をする。それからABC全部あわせて、本来は1日7万7000tの雨水がきても、貯めて、測定をして、ポンプで汲み上げるとか、そういうものがこの中に入っていないです。これは対策になっていません」
高木副大臣
「吉村さんのおっしゃる通りだと思います。と言うのは、先に申し上げましたように、これまでは地下水で、山側から来て、まさに建屋に触れたということに集中していた。それが現在こういう問題が起きて、すぐに私の方から、増田さんの方に、東京電力に対して、国として、総合点検をしましょうと。あらゆるリスク、これをしっかりと総点検して、そのうえで、それに対応できる手立てをやりましょうと。この間も現地調整会議というのを毎月1回、私が議長でやっているんですけれども、そこでも出ました。そして、できるだけはやく、4月には具体的なリスクを、現在、吉村さんがおっしゃった、床の排水路の問題。または側溝の問題。または瓦礫も、その爆発をした時に、本当に敷地内だけでもかなりいろんなところに飛んでいますから、そういう可能性。そこらへんを全部リストアップをきっちりしたうえで手を打つ。もちろん、一瞬に解決策は出ないかもしれません。ただ、そういうものをしっかりと認識したうえで、正直、これまでの2年間の汚染水対策というのは何かが起きて、それで対応するというパターンできたと思います。これはもうやめましょうと。そういう総点検をしたうえで、手を打つ」
反町キャスター
「2号機の屋上にこんな濃いのがあるなんて皆さん想像がつかなかったという、こういう前提になるわけですか?」
増田氏
「そんなことはないです」
反町キャスター
「濃いものがあるのはわかっていたのですか?」
増田氏
「わかっていたというとちょっと言い過ぎだと思うんですけれども、少なくとも爆発をしたわけですから、この周りにはいろんな放射性物質があると思っています。ただ、そこまでは手を出せなかったというのが正直あります。それは瓦礫がいっぱいあり、そこに近づくには被爆という問題があります。現在ようやくこういったところに手が伸ばせるようになったのは、周りの瓦礫をどかす作業がかなり進んできて福島第1の地面がかなり普通の現場に近づいてきたからできるようになったんです。でも、いまだに、たとえば、原子炉建屋とタービン建屋の間のところに、言ってみれば、谷間のようになっている建物があるのですが、ここの部分などというのはおそらく線量も高いというのもあって、まだまだ我々が近づいてきれいにするところまでは手が出せないということです」
反町キャスター
「と言うことは、高木さんが網羅的に、包括的に全てを受身になるのではなくて、事前に、いわば攻めの汚染水対策といわんが如きの話をもしするんだとすれば、他の部分、要するに、2号機の屋根にあたるようなものにも、現在線を引かれたように…」
高木副大臣
「あります」
反町キャスター
「それに対する対応はどうするのですか?」
増田氏
「それは、たとえば、まずビニールシートで覆い、そこには雨水が触れないようにする。あるいはそのあとは側溝として、いろいろ入ってきているわけですから」
反町キャスター
「それはもうやったのですか?これからやるのですか?」
増田氏
「これからやる方が多いです。きれいにするという掃除ですとか、除去するための側溝の中にいろいろ吸着剤を入れるとか、そういうできることはやっていますが、まだ、できていないこともありますので、それを徐々にやっていくことになります」
高木副大臣
「とにかく可能性としてあるものはリストアップしましょうと。可能性として、それについて現在すぐにできる問題。またはもう少し、たとえば、瓦礫を撤去しなければいけないから、1か月かかる問題だとか、そういうのもちゃんとスケジューリングしたうえでの、リスク対策という形をとっていきたいと思います」

なぜ公表が遅れたのか
佐々木キャスター
「もう1度振り返りますけれども、東電は、排水路の中の放射線量が、雨が降るごとに上昇していたのを昨年4月の時点で把握しておきながら、実際にその事実を公表したのは、今年2月になってからのことでした。この間、およそ10か月あるのですが、増田さん、なぜ10か月にわたり公表してこなかったのでしょうか?」
増田氏
「これは先ほどのお話にも戻りますけれども、まず1つは、我々は1月から3月にお示しして、1年間かけて清掃するという仕事に入りました。なかなか清掃をしても濃度が下がってこないというところから、本当に技術的な方に、ドッと入ってしまったというところがあります。それと、もう1つは、先ほど申し上げた、タンクエリアで汚染水漏洩を起こして、出ているものに対して、4桁から5桁小さいです、汚染の度合いというのは。そういう優先順位という考え方も我々の中には勝手にありました。そのへんが、私達が今回、情報を、特にK排水路で掃除をしていると言いながら、環境に向かって、まっすぐに放射性物質を出しているわけですから、そこに対する思いが至らなかったというのはあると思います」
高木副大臣
「実際問題、これまでの高濃度の汚染水ということで、いわゆるこれは人体に影響があるということで、集中的に対応をしたのと比べると、確かに桁は低いです。ただ、これは増田さんも原子力の専門家、技術者で、そういう方々の感覚から言うと、桁が違うということですぐに人的に影響はない。こういう感覚があるのではないかと思うんです」
吉村氏
「国民とか、地元の方々からすると、そのレベルというのは、私も理科系ですので数値が大好きですけれども、当然なぜここまで騒がれたかということを過去の歴史を繰り返して見ていますと。たとえば、2013年6月は護岸近くの井戸で、放射線が高濃度に上がったんです。井戸を閉めて6か月間まで公表しなかったと。それでその時、東電の釈明は、放射能の測定に不備があって念のために追加の分析をしたら出てきましたということで6月まで公表しなかった。これが前科一犯です。前科二犯は地下水へ、海へ流れているもののデータが3日間、社内で共有されていなくて、そのまま出てしまったと。その時、東電の説明は社内の情報共有が十分でなかったと。今度は積極的に社内で情報共有をしたいと。3番目、今度は2014年1月に港湾内の地下水のストロンチウムが上がりましたと。しかし、その測定値を半年分公表してこなかったと。その時、東電の釈明の会見は、他のデータとつじつまが合わなかったので公表はしなかったと。隠す意図はなかったと。最後は2月に起こったK排水路の。その時の釈明は、排水路の掃除に目を奪われて、情報公開の観点が欠けていた。原因を調べて、結果がわかってから公表するつもりだったと。こう言っているわけです。今後どうなるのかということで、地元の人、国民の目から見ると、こういうことがどんどん不信感をつくっていくのではないかと」

情報公開のあり方 どうあるべき
佐々木キャスター
「東京電力が、情報公開についてどんな方針を持っているのかを見ていきたいと思うんですけれども、震災前から全ての不適合な事象について、速やかに公開するということを方針として掲げてきました。震災後はそれに加えて明確な根拠を十分に示せない評価結果であっても、そのリスク及び最悪の事態について、その反響を、自ら、いたずらに恐れずに迅速に率直に言及するということを基本方針として徹底。今月6日には周辺環境に直接、影響を及ぼす水やダストに関する全ての放射線データを公表することを原則とし、国内外の専門家がチェックするという仕組みへ切り替えるということを発表しました」
反町キャスター
「官僚の作文を添削しているわけではないので、その言葉をやっても、たとえば、そんなことを言い出したら、僕らにしてみたら水とダストに関するということは他の部分はどうするとか、原則というのは例外があるだろうとか。上げ足はいくらでもとれちゃうんです。要するに、何をもってこの変化を我々は期待をもって見たらいいのか。たとえば、今月6日のこの言葉の表現によって、先ほどのBとか、Cに比べてここの部分というのが、Kという部分というのが、数字が低かったら発表しなかったのかというのが、あるような、ないような。新しい基準によるとどこが変わるのですか?」
増田氏
「新しい基準によると、放射線に関するデータというのは皆さんに全部出すことになります」
反町キャスター
「原因がわかっても、わからなくてもすぐに発表する?」
高木副大臣
「これは国の方の指示でもあるんですけれども、全部発表をしなさいと。たとえば、先ほどのお話はいわゆる、濃度がちょっと高かったですから清掃をしますと。その清掃をしている間に、雨がちょっと降ったら高かったということで、でも、これは清掃をしている段階だからまだ発表しない。違う、出た段階で発表していれば、それはなぜなんだと。現在はわかりませんけれど、こうやって調査をしていますと言う、また説明すれば、なるほどなと。ここのところは速やかに発表し、その原因についてこれは鋭意、すぐ調査をし、その結果、対策を発表する。当たり前の話を当たり前のようにやる。こういうことだと思うんです」
反町キャスター
「わかった時点で、やる時点で、原因はわからないんだけれど、しかも、B排水路なんかに比べると、3桁、4桁低い放射線量であるんだけれども、検出されましたと。原因は調査中ですと。現在、草刈とか、やっていますと。その時点で発表して。その後、逐次というか、わかった時点で少しずつ、毎日、毎日攻められることは覚悟のうえでやるのと、このような展開になって、何でやらなかったのかと。どちらが良かったと思いますか?」
増田氏
「今回のもちょっといいですか、2号機のここで高い線量のものが発見されましたという報告をしているんです。それは発見されましたというのを、みつけたから報告したわけです。その時に排水路のデータも出しているんです。よく見たら、その排水路、これまで出していなかったというのに気がついたと。本当にそのように思いが至らなかったと思って」
高木副大臣
「だから、増田さんがおっしゃったように原因が2月にわかった。そこで発表した時に、何でそんなのを調べていたんだと。それは実は高かったんです。これが問題なわけです。反町さんが言われたように、最初の段階でちょっと高いのが出ましたと。原因を探していますと追求されてもやって、それで2月の段階でようやく申し訳ありません。時間かかりましたけれど、わかりましたでは反応がだいぶ違ったと思いますし、情報公開しなかったという。信頼関係が崩れてしまったので」
反町キャスター
「そこですよね。企業として、危機管理の基本姿勢だと」
高木副大臣
「おっしゃる通りです」
反町キャスター
「吉村さん、ちょっと水と違うかもしれないんですけれども」
吉村氏
「確かにおっしゃる通りですけれど、私は毎月のように水の国際会議に出ているんです。来月も世界水フォーラムがありまして、出るんですけれども、そこで水の専門家が私に聞いてくるのは、東電、福島、その後はどうなったかと。簡単に言いますと、情報公開ということで、国内は高木副大臣ががんばっていただいて広げて。ただ、国際的には、現在福島で事故が起こって大変だと。それから、事故のことしか報告されていない。どうなっているのかと。これはきちんと、まず簡単に言うと、最初に外国人の記者クラブで、きちんと東電が(記者を)招いて、説明をすると。それから、国際的には非常に良い評価もあるんです。IAEAで、国際原子力機関で…」
反町キャスター
「要するに、IAEAは、日本の原発の対応について高く評価している?」
吉村氏
「ただし、私は国連にいましたので、国連で理事会に出す資料で注意しなくてはいけないのは必ず一次情報を読めと。これが一次情報です。日本語が二次情報です。これとの差があるんです。つまり、表現が、非常に日本の場合は、たとえば、高い評価をしているということですが、こちらは単なるエグザミンということで、一次調査、審査をしたということになっているんです」
佐々木キャスター
「『高く』は入っていない?」
吉村氏
「それから、多くとか、非常に形容詞が日本語には入っています。それではダメなので、一次情報をきちんと見なければならない。同時に、東電として今後オリンピックまで、あるいは海外にしっかりちゃんと英文で情報を発信しなければ、先ほど言ったように、世界で初めてのことをやっているんです。それから、工程も非常に、私から見ると、非常にラッシュです。その中で本当に日本は良くやっている。逆に言うと、こういうことをきちんと公表することが日本のステータスをあげることになりますが、現在、国内に目をとられて、まったくそれをやられていないということです」

汚染水処理問題 なぜ3月末から5月へ?
佐々木キャスター
「福島第1原発のタンクに保管している高濃度汚染水について、政府に対して今年度中に全て処理するという目標を掲げていましたが、なぜ当初の目標というのが到達できなかったのでしょうか?」
増田氏
「我々は、この汚染水を処理するというのはこれまで経験のないところの仕事としてやっているわけです。実験室でつくったシステムではかなりよく汚染水の処理ができそうだというところがあったわけですが、それを実験室のレベルから実機のレベルというのでしょうか。大きなものに変えた時にはそれなりに問題がありました。言ってみれば、汚染水を処理するというのはフィルターを使ってゴミを取るようなイメージがありますので、どういう流量を流したらどれくらいのゴミが取れるのだろう。取っているフィルターはどういうタイミングで取り替えればいいのだろうというようなことを考える必要があります。そこにどういう薬品を入れればいいのか、実験室レベルとは変わってきたと思います。そういうのもあって、当初の目論見通りの稼働率がなかなか出ないというのは正直なところありました。皆さんご記憶かもしれないのですが、昨年の頃は多核種除去設備、ALPSということを我々だいぶ名前で使わせていただきましたけれども、トラブりました、止まってしまいましたというのを続けていたわけですね。現在は稼働率かなり高くなっていますし、その後継の増設ALPSと言われる増設の多核種除去設備についてはもっと高い稼働率で動くようになってきました。そう改善はしているのですが、残念ながら最初の頃に目論んだ稼働率ほど出なかったというのが1つの問題にあります。それと、多核種除去設備も当初3月までに終わらすと言った時にはあまり多くのシステムを持っていなかったのですが、その後、ストロンチウムを取るということで、リスクを下げるシステムとか、いろんなシステムも重層的な形でつくってきました。それを使って、またきれいにしますというのも含めてやりますということを申し上げたわけです。それで何とか3月というのをクリアしようと思っていたわけですが、今回出てきた問題というのは、97%という数字になっていますが、3%残ってしまうというところにはカルシウムとマグネシウムというのが多く含まれている水の処理が非常に大変だというのがまた出てきました。これは言ってみれば、海水の成分になります。津波で最初に入った水が、汚染水になったわけですが、その頃の水、そのあと地下水が入ったのでだんだん薄まったわけですけれど、当時の水を抜き出したものにはかなり濃い濃度のカルシウム、マグネシウムがあります。これを我々の現在の多核種除去設備ですとか、あるいはストロンチウムを除去する設備に通すと、カルシウム、マグネシウムがすぐフィルターに詰まってしまうとか、なかなかうまく取れないというので、稼働率が伸びないという問題がまた出ています。これをクリアするのにまだ時間がかかりそうなので、稼働率が低い状況で運転を続けているがために、まだあと2か月ぐらいかかりそうですと申し上げているところです」
反町キャスター
「汚染水除去のやり方、取り組み、どんなふうに見ていますか?」
吉村氏
「これは最初のボタンの掛け違いですね。先ほど言ったように、これまで過去に例がない。瓦礫、油脂、海水が入っていると。このパーセントオーダーのものはこれまでの原子炉の技術、100万分の1を浄化するんですね。増田さんがおっしゃったように、過去の例をいろいろ見ていきますと、たとえば、フランスからアレバが来て、次はキュリオンが来て、次にサリーをつくって、それではダメだと、今度は新型だと、今度は高性能だとどんどんつくっていって、これが目詰まりとか、いろんなこと起こしているわけですね。それでその原因はおっしゃったようにカルシウム、マグネシウム。これは水処理の基本は、まずカルシウム、マグネシウムを最初に取る。それから、塩分を取るというのが基本ですね。それを精密な装置の中でやるからクロスフィルターとか、配管。わずか1か月で穴が空いてしまうと。こういうふうなことが起こっているわけですね」
反町キャスター
「汚染水に対する認識が、もともとのどういう水を処理するのかという認識が間違っているという話になるのですか?」
吉村氏
「そうです。つまり、原子力村の人が水を考えたからおかしくなっているということですね」
高木副大臣
「吉村さんのおっしゃられたような、その指摘というのも、また、今後大切に取り入れていきたいと思いますし、ただ、先ほど言ったアレバの問題。先日会計検査院が発表しまして、数日間でもう使えなくなったと。無駄遣いだったとずっと書かれて、指摘されました。2011年に発生してしばらくした、1年~2年の間のその問題だったんですね。それはそれで、国としては大変申し訳ない思いで、ただ、先ほどから申し上げているこれまでない経験の中で、特にあの時は民主党政権でしたから、いわゆるそこでどんどん投入していったのは確かです。現在高性能になりまして、とは言え、高性能も増設ALPSも、これは稼働率が高くなってきて、実際問題、回転し始めて、現在まさにこの処理が進んでいると。現在70%まできて、あと1か月から2か月で97%。ここまでは行くところに来たというところは、前進しているというところは確かだと思う」

高木副大臣にきく 凍土遮水壁の進捗状況
佐々木キャスター
「凍土壁に関してはどのぐらい進んでいると思っていいのですか?」
高木副大臣
「これは山側の方は、削坑と言いまして、そこの図でもありますけれど、いわゆる穴を掘っているわけですね。この穴を掘っているのは98%終わりました。あとは凍結管を入れて凍結をし始める準備まできました。ただ、規制庁、原子力規制委員会がさらに最後の穴を掘るところを認可しないと最後の100%にいかないというのが1つ。もう1つは、先日2日前ですか、原子力規制委員会が開かれまして、そこで一部凍結開始、4月から凍結開始ができるんですけれども、これについては試験的にスタートしようと。こういうところまで来ました。逆に規制庁の方、または規制委員会の方は、これは凍結をした場合に水位が建屋に流れてこなくなる。こなくなるのはそれはそれでいいけれども、一方で、そこに貯まっている水が、いわゆる水位が逆に高くなると、溢れる。逆転をして。現在外からの方が、水が多いわけですから。可能性があるのではないかということで、この認可が、最後の検討」

福島第1原発“汚染水対策” 処理した汚染水のその後は
佐々木キャスター
「懸念されるのは、ALPSで処理された汚染水を今後どうするかという問題ですが」
高木副大臣
「ALPS等で処理したものを、タンクの中に貯めていますけれど、トリチウムというのが含まれています。これはなかなか現在の技術では取り除くことができないということで、どうするかということは、IAEAのミッションでもサジェスチョンいただきましたし、あらゆる手段、これをしっかり検討しないと」
反町キャスター
「汚染水をALPSで処理すると、トリチウム水になる?」
高木副大臣
「トリチウムというものだけが残るんです。ストロンチウムとか、セシウムは全部取りますけれども、トリチウムだけが残るという」
反町キャスター
「その種類として、5つの方法がある?」
高木副大臣
「たとえば、スリーマイルの時は、これを水蒸気にして大気に放出しちゃった」
反町キャスター
「前提としてトリチウムが危険かどうかから聞いた方がいいと思います。トリチウムは危ないのですか?」
高木副大臣
「基本的に放射線を出すということで、放射線というのはどの種でも同じように人間のDNAを傷つけていくのは確かですから、ここは危険な部分。ただ、トリチウムは現在、この世の中、世界中に地球上にある部分においては大丈夫な部分で、スリーマイルの時は水蒸気として大気放出をしたと。一方で、海洋放出という選択肢、または地層中に注入して廃棄する。または個化、個体化して、地下に埋めちゃうという方法。いろいろな方法があると思うんです」
反町キャスター
「これは各国、他の国の例があるのですか?」
高木副大臣
「だから、海外の例はスリーマイルで…」
反町キャスター
「スリーマイルの場合は水蒸気。海洋放出をしている国もあるのですか?」
吉村氏
「たとえば、カナダですね。フランス、アメリカはトリチウム全部そのまま放出しています」
反町キャスター
「海に?」
吉村氏
「川と。フランスは、原子力は全部が川ですから。つまり、生態系に対しては大きな影響はないということで、やっているわけですね」
高木副大臣
「現在、タスクフォースをつくりまして、ずっと協議をしています。ある一定の段階になったら、どれかを選択して、処理をしないと溜まり続けますから」
反町キャスター
「吉村さんはどの方法がいいと思いますか?」
吉村氏
「私は、海洋放出ですね。これを出さないと持ちませんね。ただ、そのまま出すのではなくて、たとえば、アメリカのボストンでやっているように、海底下25km離れたところから、深海に出す。こういう出し方をしないとダメですね」

高木陽介 経済産業副大臣の提言:『リスクコミュニケーション』
高木副大臣
「今回2月の廃炉の情報公開、汚染水ですね。情報公開の問題もありましたが、被災者の皆様方、または福島県民、さらには国民、もっと言えば、世界の人達。いろんなことがなかなかわからない状況の中にあって、まず情報をしっかり公開していく。一方で、関心を持っている問題が違うと思うんですね。先ほどトリチウムの話がありました。漁協の方々にとってみれば、トリチウムが入った水を出してもらったらまた風評被害になる。その方々に対するコミュニケーションのあり方と、一般、または小さなお子さんをお持ちのお母さん方に対する放射線問題のリスクコミュニケーションと人それぞれ皆違うと思うんですね。こういうのを丁寧にやっていく。国をあげて、また東電にもがんばって貰って、できればメディアの皆様方にもお力添えをいただきながら正しく恐れていくということをやることかなと、こういうふうに思っています」

吉村和就 グローバルウォータ・ジャパン代表の提言:『水なくして原子力なし』
吉村氏
「つまり、今回のいろんな事象は全て水が絡んでいまして、それがどんどん複雑になっていますので、たとえば、津波が来る、次に冷却水が失われる、汚染水の問題と、それから、現在もいろいろ続いているんです。ただ、冒頭に申し上げた通り、これは世界で初めての事例でありますので、これは逆に言うと、日本は世界に発信できる最高の廃炉の技術、ノウハウを有しているわけですので、これは是非、これからまとめながら世界に発信していく。それから、高木副大臣のやられている、福島の国際研究都市ですね。ああいうイノベーションコースト。ああいうものの中に、ロボット、廃炉技術を入れることが、将来の日本がキチッと信頼を回復する。あるいはこれから信頼感が出てくるのではないかなと思いますので、是非これをやっていただきたいなと」

増田尚宏 東電廃炉カンパニープレジデントの提言:『信義を守る』
増田氏
「約束を守り、勤めを果たすのが我々のやるべきことだと思っています。今回、辞書を引いたら、欺かないという意味もここにはあるとわかりました。決してそういった信頼を裏切るようなことをやってしまってはもう2度とその地で仕事はできなくなります。現在、福島第1で働く7000人の人がいるわけですから、その人達と一緒に、1日もはやく福島の地を安定した部分に持っていきたいと思います。それをやるために決して欺かない、信義を守るということをモットーにやっていきたいと思います」