プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2015年3月26日(木)
政府と沖縄の対立激化 普天間移設暗雲の行方

ゲスト

西銘恒三郎
自由民主党前沖縄県連会長 衆議院議員
赤嶺政賢
日本共産党沖縄県委員長 衆議院議員
森本敏
元防衛大臣 拓殖大学特任教授

政府・沖縄県の対立先鋭化 問題の焦点と両者の主張
秋元キャスター
「今回の普天間基地の辺野古移設をめぐる政府と沖縄県の対立軸はどこなのかというところから見ていきたいと思うんですけれども、問題になっている辺野古沖の図ですが、日米は辺野古を埋め立てまして、新たな滑走路を建設し、普天間基地を移設。2022年度以降に普天間基地を返還するという方針ですが、沖縄防衛施設局は沿岸部の埋め立て工事実施に向けて調査のため、海上にブイを設置して、臨時制限区域を設定しました。このブイを固定するために大型のコンクリートブロックをアンカー、つまり、重石として海底に沈めているんですけれども、このアンカーの設置をめぐって、国と県が対立をしているということです。対立に至る政府と沖縄県の対応を整理していきたいと思うのですが、2013年12月、当時の仲井眞沖縄県知事が辺野古の埋め立て申請を承認しました。これに基づいて、2014年8月にはボーリング調査が開始されます。また、仲井眞知事は埋め立てに必要な岩礁破砕も許可しています。しかし、この年の11月に行われました沖縄知事選で、辺野古移設反対派の翁長氏が当選、新たな知事に就任します。政府は気象条件などの理由で停止していたボーリング調査を今年の3月から再開し、夏頃に埋め立て工事を開始する予定だったんですけれども、今週月曜日、翁長知事は、調査のため設置されたブイを固定するアンカーが臨時制限区域の岩礁を破砕している可能性が高いとして、調査実施のため、1週間以内に海上作業を停止するように指示しました。指示に従わなければ岩礁破砕許可を取り消す方針を示唆しています。それに対しまして、24日、菅官房長官はアンカー設置について事前に沖縄県と十分に調整をした結果、設置に岩礁破砕許可は不要とのことだったと。那覇空港の埋め立てなど、と同じような事案でも許可は不要だったと主張しています。同じ日、中谷防衛相は参議院外交防衛委員会で、指示の取り消しを求める執行停止申立書と審査請求書を農水相に提出したことを明らかにしています。こういった流れですけれども、まず今回の翁長知事の主張をどう見ているのか?まず赤嶺さんからいかがですか?」
赤嶺議員
「対立が激化しているという話がありましたが、翁長知事がとった措置というのは、対立するためにとった措置ではなくて、昨年の8月に先ほどの沖縄県と政府の対応の一覧にもありますように、2014年8月に仲井眞知事がボーリング調査をするための岩礁破砕の許可をしているんです。その許可の中に9つの条件がついていまして、沖縄県知事が公益上、必要と認めれば、政府はその調査に応えなければいけないと。そういう条件がついていたわけです。だから、行政上ついていた条件に基づき、特に、仲井眞知事が岩礁破砕の許可を与えた海域というのは、埋め立ての区域です。その得られていない区域で、大型のコンクリートブロックが投入されて、サンゴ礁が破壊をされているという。沖縄という島はサンゴ礁に囲まれた島で、沖縄の水産業の発展、衰退というのは、まさにサンゴの保護にかかっているんです。ですから、沖縄県の農林水産課から見れば、今後の沖縄の水産業の発展という点から見ても、サンゴ礁の破壊というのは見捨てておけないし、許可した覚えはないと…」
反町キャスター
「農林水産課が許可した覚えがないと?」
赤嶺議員
「農林水産課に基づいて知事が許可した覚えがないと」
反町キャスター
「知事に覚えがないんですね」
赤嶺議員
「はい。それでそこを調べさせてほしいと。ところが、臨時制限区域になっているので、米軍の許可がなければ調べられないと。それを調べることに協力してほしい。いつまでたっても協力しないものですから。それが停止という措置にまで至った。行政的な、単なる行政的な行政上の措置を粛々とやっただけで、それを対立激化させているのは政府側だと思います」
西銘議員
「報道を見ていますと、翁長知事はあらゆる手段を講じて、辺野古の埋め立てを阻止するという発言をされているんですね。前の知事が埋め立てを承認する時に、この臨時制限区域の方の岩礁破砕については、それは県と国がどういう話し合いをしたのか、私は詳細にはまだチェックしていませんけれども、国の側はそれを出そうとしたのですが、こちらの臨時制限区域の、この岩礁破砕の件は、いいですとなったと聞いているんです。今回、臨時制限区域の中には、私は今日、赤嶺議員の質問を聞いていましたら、ブロックの塊が49個ぐらいあると」
反町キャスター
「アンカーとして?」
西銘議員
「アンカーとして。それで新聞報道によると、アンカーのうちの1つがサンゴ礁の上に乗かっていると。これは岩礁という定義とは見ていないようですけれども、でも、1つがサンゴの上にあったので、翁長知事もそのへんを調べさせてくれと言ったのでしょうが、米軍の許可が下りないというのがあって、今日、この49個の臨時制限区域のアンカーがどうなっているか、写真を出しなさいと。これを知事にも全部見せて、粛々とどちらに違法性があるのかという視点もしっかりとしながら粛々とやっていきなさいと。ただ、大きなアンカーがサンゴ礁に乗っているのは、確かに新聞1紙に出ていました。そのへんのところは49個あるのだったら、それを乗らないように国だって、わざわざサンゴ礁の上に置こうという意図はないと思っていますし、こういう問題でしょうし、それも避けながらやってきたと、私は理解していたんですけれども、知事にそういう懸念があるのであれば、それはちゃんと応えるべきだと思うという言い方をしました。ただ、知事が出した文書を見てみますと蓋然性が高いと思慮されることから、区域の蓋然性が高いということならば、埋め立てを許可したあの部分の言葉で全部工事を止めなさいということは、翁長知事は、あらゆる手段を講じて、という形で発言しているので、支持団体、支持グループから行動せざるを得ないと言って、こういう文書の形になったのかと。私は長年、政治を共にしてきた友人の1人としては、そういう想いで見ていますし、その想いが文書で出たことで、国の方も予算がある程度、目途がつきましたので、そろそろこれで国との話しあい、接点が持ててくるのかなという感じて見ています」
反町キャスター
「今回の翁長さんの発言というのは、逆に言うと、グッと翁長さんが踏み込んだことによって、これまで活発にもたれてこなかった官邸との、政府との話しあいが少し進むかもしれない?」
西銘議員
「私の深読みかもしれませんけれども、私は、ある意味、予算も成立してきたし、話しあいの場が持てるのではないかなと思います」

普天間基地移設問題の行方は
反町キャスター
「ここから、今後の手続き上の流れをちょっと説明というか、予測ですけれども、指摘したいと思うのですが、23日に翁長知事が、1週間以内に海上作業を停止しなければ、岩礁破砕許可を取り消すという話があった。ここから始めていきます。それに対し、沖縄の防衛施設局は、先ほど申し上げたように、執行停止のを申立書と審査と請求書、これをは農水省の方に出して、我々としては粛々と工事を進めていきたいというような意向を政府として示しているということになるのですが、ここから先の話になりますと、沖縄の防衛局から提出された書類を受けた農水省が、いろいろ手続きが書いてありますが、要するに、工事をそのまま止めるべきなのか、進めていいのかという判断を、最終的には数か月後には出す。農水省がこのまま工事を続けていいと容認をした場合には作業が続行されるし、その場合、県が差し止めの裁判を起こすのではないかという見立ても出てきています。一方で、棄却の方、農水省の方から、これは沖縄防衛施設局の訴えがおかしいとなると、作業も進められなくなりまして、その場合は、国が行政訴訟を起こして、沖縄の辺野古の埋め立ては進めたいという意向を強く示している。裁判の場に持ち込まれるのではないかという、こういう手続き的なには見立ては、2つの流れにわかれていくんですけれど、森本さん、このポイントになるのは農水省の判断だと見ていますか?」
森本氏
「農水省に判断を委ねているわけですから、当然担当大臣のご判断になると思うのですが、執行停止の効力の停止というところまでは速やかにおやりになると思います。そこから先ですが、実際の審査請求というのを、水産庁の担当者にも意見を聞き、判断をする時間というのがかなりあります。それでどうも裁決採決が容認になるという雰囲気がだいたい自然にわかってきますから、そうなると本当に最後のところまでずっと行ってしまうということは、2つの理由でまずいと思います。知事がもうここからあとの県政が本当に難しくなるので、どうにもならなくなるし、何か不測の事態があったら、工事そのものにも大きな影響を与えるので、言い方は悪くなりますけれども、国としては知事の顔をどこかで立てるという必要があるので、最後のところまでいく前に赤嶺先生がおっしゃっているように、サンゴ礁を痛めているというのであれば、それを是正する措置をきちんととってください、工事を粛々とやらせてくださいというところで手を打って、最後のところまでいかないでおく」
反町キャスター
「自衛隊の基地とか、その他諸々の軍用施設の類似した、こういう裁判というのは、工事差し止め請求や裁判というのは、日本全国いろんなところで起きていると思うんですけれども、その裁判によって、たとえば、工事が中断、ないしは国が敗訴して工事が中断するケースというのは、過去にいくつも例があったのですか?」
森本氏
「聞いたことはありません」

どう展開? 普天間基地移設
反町キャスター
「そうすると、一方、裁判になった時に結果まで出ないにしても、この段階の、ないしはここの差し止め訴訟を出すとか、ないしはここの途中の段階で、工事を暫定的に止めるということもあり得るのですか?」
森本氏
「それは、暫定的に止めるというよりは最初の手続きに戻って、こういう手続きをとったんだけれども、しかし、国がきちんと誠意を示していただけるというのであれば、取り下げるというわけではありませんけれど、意見を変える、見方を変える。ということを、知事としてどこまでできるかというのは、これからそれは、政府は政府で考え、政府と言っても、これは官房長官1人ではありませんから、農林水産大臣も、外務も防衛も、沖縄担当大臣も、皆さんがお集まりになって、どうやってこの問題を円満に解決しながら、工事を間違いなく、計画通りに進捗させるのかと。これが1番大事なことですから。その最終目的に沿って解決する方法を県知事とお話になるというのはベストなやり方ではないかと思います。そういうことはあり得ると」
反町キャスター
「と言うことは、仮に、こういう裁判にもしなったとしても、裁判の間に埋め立て工事を暫定的に止めようというような話は当然、県側が求めるのでしょうけども、それによって工事が止まる。この一連の流れにおいて、強制的に工事が止まるという可能性は?」
森本氏
「ありません」
反町キャスター
「ここのところはいかがですか?工事は現在のここの流れの中ではなかなか止まらないだろうという手続き上のプロセスは?」
赤嶺議員
「民意を無視し、しかも、知事の手続きが合法的なものであるにもかかわらず、これに執行停止の申立書を政府が出した。審判は農水省が下しますと言っている。しかし、菅官房長官は審判を下す前に、沖縄のやり方を明白な違法だと言っているわけです。官房長官が明白な違法だと先に発言して、その中にある農水省が公平で公正な審判が、本当にできるのかというようなことが、1つ大きな問題です」
反町キャスター
「それが工事を止めることになりますか?」
赤嶺議員
「沖縄県民の大きな怒りが広がります。もう1つは、政府が1番考えるべきは、こういうことを強行していった先に何があるかと言えば、たとえば、土砂の採取を止める権限を、名護市長も持ち、沖縄県知事も持っているわけです。このままいって結局、暗礁に乗り上げることは、政府自身が1番良く知っていると思いますよ」
反町キャスター
「ここの一連の結果、名護市やら、沖縄県からのその後の工事が…」
赤嶺議員
「止まるような状況が沖縄で生まれるということです」

どう見る? 安倍政権の姿勢
秋元キャスター
「辺野古埋め立て工事をめぐって、政府と沖縄県の対立が深刻になっていますけれども、普天間基地の移設を巡って、安倍政権が沖縄とどう向きあってきたのかを確認していきたいと思います。まず仲井眞前知事の時代には、計42回会談をしているんです。内訳を見ていきますと、安倍政権の閣僚が、知事を訪問する形の会談が12回。逆に、知事が訪問する形で、安倍総理本人とか、菅官房長官、当時の小野寺防衛大臣など閣僚との会談。これは30回は行われています。それに対しまして、翁長知事になってからの会談はわずか1回です。未だ、安倍政権の閣僚が知事を訪問した回数というのはゼロで、一方、知事は7回上京しているものの、安倍政権の閣僚と会談できたのは山口沖縄北方担当大臣との1回のみとなっています。森本さん、翁長知事、まだ就任して100日ですけれども、安倍政権と仲井眞知事との距離感、安倍政権の翁長知事との距離感。どう見ていますか?」
森本氏
「今回の場合は、たぶん政府が新しい知事にどう向きあったらよいかということを、まだ1度も会話をしていないと思うんですけれど、問題を整理し、きちんと向きあう方針を立てて、それで、どうぞおいでくださいという手続きをきちんととるという必要があるんです。それを知事は要求されていいと思います、政府に。単に行って会うだけでは、何のために行くのか。関係大臣にきちんとした方針を立てて、日程を調整してくださいと言ったら、それはノーとおっしゃらないと思うんです。だから、私は、手続きが結構大事なので、これまで手続きを踏んでこられたので、仲井眞さんは結構、知事公室長を通じて。だから、現在の知事がどうやって、日程を組まれているのか。必ずしもよくわかりませんけれど、私は大臣ではないので。ちょっと手続きが最初からボタンのかけ違いが、ずっと起こって、今日に至っていると、この4か月。そういう感じです、私は」
赤嶺議員
「翁長さんがあらゆる手段を使って、基地を止めると言って、公約して当選をしたわけですから。その発言は誰にも咎められることのない翁長さんの政治信念だと思います。だから、現在、政府が知事にあわない(理由が)はっきりしているのは、手続きがちょっとまずかったなという程度の問題ではなくて、これまで進めてきた辺野古の新基地建設に反対をしている知事とは会わないという、ここに事柄の本質があると思うんですね」
反町キャスター
「そうすると永遠に会えないという感じですか?」
赤嶺議員
「永遠にと言うか、反対派の人とは会ってはいけないのかと。反対派の人は、総理に会って意見を言うこともできないのかと。それは違いますよ。あれだけの沖縄県民が(支持している)、自民党は1区から4区まで小選挙区(で出て)、皆、落選したんです」
西銘議員
「比例復活しているんだから…」
赤嶺議員
「知事は圧勝したんです。そういう強い民意が示されていると。強い民意に支えられている知事。それを総理が会わないとか、官房長官がいろいろ言うとか、また県民をかなり怒らせている1つの要因にもなっているんです」
反町キャスター
「赤嶺さんは、翁長さんと最近、いつ頃に会われました。ここ数か月は会っていないのですか?」
赤嶺議員
「国会が始まりましたから、私も予算委員会で、予算委員だったものですから、その直前に会っています」
反町キャスター
「翁長さんが現在の安倍官邸との関係があまりうまくいっていないことについては、赤嶺さんはしょうがないという感じですか?」
赤嶺議員
「ずっと我慢して、とにかく会うことを求め続けるとおっしゃっています」
反町キャスター
「そこの部分については、要するに、あくまでも県側としては手続き的には、特に、瑕疵はないと。やるべきことはちゃんとやっていると?」
赤嶺議員
「県の公室や秘書課や東京事務所に聞いても仲井眞県政時代と同じような手続きを同じようにとっています。行政の方はそうおしゃっています」
反町キャスター
「赤嶺さんから見て、辺野古の問題、普天間の移設問題について、これだけ沖縄県庁が、知事と官邸の間が、僕らの言葉でいうと俗っぽくなる、しこっているということは、沖縄県民の人達皆さんに感情的な面についてどういう影響をもたらしているのですか?」
赤嶺議員
「安倍さんは沖縄を無視している。菅さんも無視している。権力を持っているから、かつて70年ですよ、基地に苦しめられてきた歴史というのは。この70年というのは。普天間の移設問題は18年です。18年の経過の中で、県民は70年の基地の負担の重みの歴史を抱えて対処しているんです。そこの対処をまったく知らない安倍内閣というのは」
反町キャスター
「県民は6月23日でしたか、沖縄での式典ありますね。そういう日に向けての、たとえば、当然その日に向けては、通常、総理が行かれます。ああいう時に沖縄県民が総理を迎える感情というのはこれまでにない、非常に険悪な感情で総理を迎える形になるだろうという想定をされますか?」
赤嶺議員
「県民がどう思っているのかというのは、私は想像できます。小泉総理が来た時にも声を発した参加者がいましたので。私は、会わないで6月23日を迎えると、県民は何を言っても耳を傾けるようなことはしないと思います」
西銘議員
「まず普天間の飛行場の危険性の除去という原点を忘れてはいけません。私達は、現実的に縮小して、辺野古への移設、現実的なリアリストの立場ですけれども、ただ、辺野古(移設)をあらゆる手段を講じて、阻止すると言って、じゃあ、普天間はどうなるのかという視点が見えないですよね」
反町キャスター
「県民感情はどうですか。西銘さんから見ていて。現在の知事と官邸のよじれた感じというのは、沖縄県の皆さんはどう受け止めたらよろしいのですか?」
西銘議員
「これは時間が解決するしかないです」
反町キャスター
「そうすると、森本さん、先ほどの、6月23日の1つの日程的な節目でいうと、6月23日、ないし8月15日という日程が過ぎて、次の目途としてあると思うんですけれども、そういう日程的な、カレンダー上の節目に向けては、何か政府と沖縄県の間で動きがある可能性というのを感じますか?」
森本氏
「8月15日というよりは、むしろ6月23日の前に、政府としては沖縄に政府としてはどのように、たとえば、負担の軽減だとか、いろんな問題に努力をそれなりにしているわけですから、そこはきちんと、まず県知事にも理解をしていただく。知事の立場も聞く。双方がお互いに聞くという必要があると思うんですけれども、私は基本的に、西銘先生がおっしゃるように、何のためにこの工事を現在粛々として進めようとしているのか。1日もはやく、普天間の危険性を除去し、徐々に返してもらう。これを実現するんだというためにやっているわけですから、そこをまず原点にして、知事に理解をしてもらい、沖縄、日本の最も重要な一部なわけですから。日本なわけですから。日本国家全体の安全のために沖縄として努力していただくことを、閣僚の皆さんがどうやって地域に説明をしていくか。知事の意見を聞きながら、双方がお互いに理解しあうというチャンスが6月23日までに1回あるというのは必要でしょうね」

日本の安全保障への影響は
秋元キャスター
「日本の安全保障戦略、日本から見て沖縄と、そこに展開する在日米軍、これはどのような意味を持っているのでしょうか?」
森本氏
「これはその時の国際環境によって違うわけで、その時の国際環境だけではなく、言い間違えましたけれども、将来展望というのも当然ないといけないということですが、現在日本の置かれている北東アジアにおける安全保障環境は非常に厳しいものがあって、これから何が起こるかわからないが、常に対応できる能力を持っていないといけないので、日本だけで持てるものと、日米の同盟協力によって持つもの、2つがうまく組みあわさってないといけないということだと思うんです。アメリカとの関係で言うと、戦略的に言うと沖縄にある米軍基地というものの持っている抑止の機能。抑止の機能というのは、そこに存在し、機能していることで相手が手を出すことを思いとどまる。こちらから見ると思い留まらせるという役割を果たす、重要な役割を持っているわけで、常に即応性の高い戦力が沖縄に存在しているということはマスト的に必要なので、そういう意味では、沖縄の持っている戦略的重要性というのはこれからどんどん大きくなると思います。現在から減るということはたぶんないのだろうと思います」

安全保障で捉える沖縄 戦略上の意義と価値は
反町キャスター
「在日米軍の沖縄展開の重要性。海兵隊の意義。辺野古に移してでも、そこに海兵隊を置くことの、日本の安全保障上の重要性というのをどのように感じますか?」
赤嶺議員
「私は、安全保障戦略の面ではまず森本先生とは意見が違うということを申し上げたうえで、沖縄に米軍が存在する意味というのは海兵隊ですよ。戦後ずっと海兵隊による事件や事故や人権侵害が起こされてきているわけですよね。爆音も時の嘉手納基地の司令官が、爆音について、あれは平和を守るメロディだという具合に言って、平和を守るためなら我慢できるだろうという、安全保障のためなら我慢せよと言うことを70年言われ続けてきた県民の側から、抑止力に疑問を持つのは当然だと思います。また、沖縄に駐留しているのは海兵隊が中心ですから、海兵隊は抑止と、特定の地域に張りついて国を守る役割を持っているのではなくて、イラク戦争ではイラクに行き、アフガンの時はアフガンに行きというものですから、これは抑止力ではないと。アメリカの侵略のための軍事基地だと。そこで北東アジアの認識については、たとえば、中国の尖閣の問題や、北朝鮮の核ミサイルの問題があります。私達は尖閣の問題でも歴史的に国際法に照らして、しかし、解決するのは、最後は話しあいですよ。軍事力ではないです。それから、北朝鮮だって6か国協議が本当に中断したものでありますが、国際社会が北朝鮮を包囲して、核やミサイルを放棄させていく。ただ、日本の側には過去の侵略戦争に対する反省の意思表示をきちんと北東アジアの国々にもやらないと、真の友好親善は生まれてこない。不信感が拡大するばかりだと、そのように思っています」

元防衛相&沖縄選出議員に聞く 普天間基地移設問題
秋元キャスター
「今後、どのようなスケジュールで、この問題に取り組んでいくべきだと考えますか?」
森本氏
「いかにして、まず予定通りというか、計画通り、普天間基地の移設を実現するかというのがプライオリティの1だと思いますね。それだけではなくて、単に基地を返還するために新しい施設をつくるだけではなくて、沖縄にいる米軍のいわゆる再編というのはずっとon goingで進んでいるわけですね。それを実現しながら、先ほどから話がずっと進んでいるように、負担の軽減の中でも、特に嘉手納以南の基地の返還だとか、あるいはいろいろな負担を軽減するための移設という計画もありますし、米軍そのものがもう少しコンパクトで、しかし、非常に即応性の高い戦力になって、しかも、日本の自衛力と非常にアソシエイトするというかキチッと機能が役割分担され、この地域の安定が維持できるように、米軍だけではなくて、日本の自衛隊と一緒になって日米協力が強化できるようにするというのが、これからの安全保障の非常に重要な役割です。その意味では、2018年12月の次回の県知事選挙までの間に工事がどこまで進み、予定通り基地の移設が実現するかどうか。これが沖縄問題についての最大のプライオリティではないかと思いますね」
西銘議員
「接点がとれるとすれば、日米安保条約を認めるところ、長い間政治をやってきている政治家というところ、それ以外は、どちらも違法性がないように、法治国家ですから、法に基づいて政府は粛々と進めていく。翁長知事はこういう指示書を出す、それは法の世界でやりあうしかない。だけど、時間とともに必ずどこかで政治家としての接点が必ず出てくると、私は見ています」
赤嶺議員
「翁長さんは個人の政治家ではありません。オール沖縄の辺野古新基地反対の立場に立っているわけですから、その公約は守っていただけると思います。予定通り工事が終わるかということですが、たとえば、ボーリング調査は計画では昨年の11月に終わることになっていたんです。それが延びて3月になりました。現在起こった問題もありますから、3月は無理です。ですから、夏頃には埋め立てが始まるだろうということは、希望的観測であって、あらゆる難関が政府を待ち構えていますので。政府の答弁でもそのように認めています。私達は翁長知事を支え、私は沖縄の国会議員として何をやりたいかということですが、現在の知事があらためて法に則って、仲井眞知事が埋め立てを承認した過程に瑕疵があれば、埋め立て承認を取り消す、あるいは沖縄の将来の県益にとってまずいという判断になれば、埋め立て承認を撤回させると、夏までに。そういう結論は専門家が出していくことですが、私達はそういう結論をあと押しする意味でも、私は国会で辺野古新基地建設反対の議論を強めていきたいなと思います」

西銘恒三郎 自由民主党前沖縄県連会長の提言:『自然体』
西銘議員
「もうこれ以外ないと思っています、法律の世界では。知事があらゆる手段を講じて辺野古建設を阻止するということに準ずると、これはもうギリギリまで最高裁までいくのかなという思いで見ていますが、私はあくまで政治家としての政府と知事の接点が出てくるでしょうし、自然体で粛々と進めていく以外にはないなと思っています。どこかで接点は出てくると思っています」

赤嶺政賢 日本共産党沖縄県委員長の提言:『移設条件なしの基地問題の解決』
赤嶺議員
「移設条件なしの基地の返還ということを申し上げたいと思います。沖縄本島の20%が米軍基地です。これを減らすために現在、嘉手納以南の土地の返還がありますが、全部沖縄県内のどこかに、機能と施設を移設しないと認めないということですから、いつまで経っても返還されません。政府は移設条件をつけたら沖縄の基地問題は解決しないのだということを強く認識していただきたいなと思っています」

森本敏 元防衛大臣の提言:『双方の立場を十分理解しつつ努力』
森本氏
「沖縄問題は随分長く我々の目の前にある重大問題ですが、これは本当にガラス細工のように、これまで丁寧に丁寧に1つずつ積み上げて、政府と沖縄の間を取り持ってきたわけです。時の有力者が幾人も沖縄とのチャンネルをつくってこられたと。現在そういう役割を果たしていただける方がなかなかおいでにならないので、是非とも沖縄と政府の意見の疎通、意思の疎通をはかる政治家に、その役割を果たしていただきたいなと私は思います」