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2015年3月25日(水)
自民公明担当者に問う 新安保法制の与党合意

ゲスト

今津寛
自由民主党安全保障調査会長 衆議院議員
上田勇
公明党外交安全保障調査会顧問 衆議院議
柳澤協二
元内閣官房副長官補 安全保障・危機管理担当

変わる安全保障法制 なぜ今、新たな法整備
反町キャスター
「自公合意の5分野で法整備を行うという、大きな、網羅的な、恒久法を1つつくって、あとは時の政権の判断に委ねるというのがもっとあってもいいではないかという議論が自民党の中であったと僕は思っていたのですが、その認識は間違っていますか?」
今津議員
「それぞれ思いはあったと思いますが、自民党としては今おっしゃったような方向性でいければと思っていましたが、公明党さんのご意見をいただいてこういう方向性をつくったわけですね」
反町キャスター
「スタートラインでは妥協したと?」
今津議員
「私は、協議の中でも発言したのですが、公明党さんがいろいろおっしゃるのは平和の党として私は当然だと。しかも、国民の皆さんがいろいろ今度の安保法制の整備について、わからないこと、疑問に思っていること、どうしてするのか、そういう率直なことを公明党さんは受け止めて、正していると思いました。ですから、公明党さんに誠意をもってお答えするということは国民の皆さんに対してもわかりやすくお答えしているのだと私は受け止めました。どちらかと言うと、自民党は、我が国は国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う、憲法改正のため自主憲法制定のためにつくった政党ですから、これは当然ですよね。政権与党としてお互い寄って立つところは少し違うが、目指す方向は同じ与党がしっかり議論をして1つのものをつくりあげるということは、正しかったと思っています」
上田議員
「1つの法律にまとめる方がわかりやすいのではないかという意見もありました。ただよくよく考えてみると5つ並んでいますが、日本の防衛につながる部分、日本の平和と安全につながる部分、それと国際的な貢献の部分、両方あるんです。あるいは武力行使と直接関係のないPKOの部分がある。それぞれ目的が異なるので、自ずとやることが違うし、手続きも違うだろうと。そうすると現在これだけ法律も整備されているので、それを延長、修正した方がわかりやすいのではないか。我々も最初に自衛隊が海外に派遣されたのはPKOとして1992年でしたね。その時、我々は野党でしたが、賛成をして成立させたと。それ以来、いろいろな法律を制定し、改正する度に、憲法との関係、従来の解釈との関係については緻密な議論をしてきました。特に野党であれば、緻密な議論をするということもありましたので、それで賛成してきたという経緯もありますし、そういった経緯を踏まえてきた時に、目的ごとに整理した方がいいのではないかと、党としての考え方として整理したところです」
柳澤氏
「我々がやってきたのは、テロ特措法にしろ、イラク特措法にしろ、現に事態が目の前で起こってしまって、それに対して日本としては憲法の範囲内でどこまでやれるかということで、これまでつくってきたんですね。それは1つのやり方だと思うんです。今度は恒久法でやろうとすると自ずとやれる範囲を目いっぱい広げないと恒久法をつくる意味がないですね。そうなると、私も公明党さん、もちろん、自民党さんにもお願いしなくてはならないのですが、その時に広がった法律を何の基準もなく運用するということで政府がフリーハンドになってはいけないから、歯止めが議論になるわけですね。そこを詰めるだけ、詰めていただかないと、なかなか理解は得にくいのではないかと思います」

周辺事態法の改正
秋元キャスター
「支援の行う場所について今回、与党合意しました、安保法制の骨格によりますと、周辺事態法を改正し、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態の場合に自衛隊による後方支援が可能になります。地理的制約が外されることになります」
柳澤氏
「いわゆる、安保6条事態、朝鮮半島有事だったんですね。私がつくらせていただいた時のガイドラインはね。その時に何と書いてあるかと言うと、定義の方が私は問題だと思いますが、『そのまま放置すれば我が国に対する武力攻撃に至る可能性がある場合など、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態』が周辺事態です。そうすると、それは自ずと我が国周辺になってくるわけだし、基本的にこれは我が国を拠点に活動する米軍の支援を目的したものですから。日本の支援の力が働く範囲というのも、こちらの実力からしても周辺に事実上限られてきてしまうことはあるわけです。今後は重要影響事態とか、ネーミングはどうでもいいのだけれど、どういう事態がそうなるのかということを、これから是非今後詰めていっていただかなくてはいけないと思います」

重要影響事態とは
上田議員
「具体的な国名は出せないですね。基本的にはどういう重要な影響があるかについては日本からの距離もありますよね、1つの要素としては。それから相手の意図というのもあると思います。日本に対して非常に敵対的な言動がある場合には影響度が大きい。力というのもあると思います。これは日本を攻撃する能力があるところがそういう行動をとっていれば当然影響は大きいわけですから、そういったことをいろいろな要素を含めて考えないと、単にここまでとか、あの国とか、という考え方ではないのだろうと私達は考えています」
反町キャスター
「具体的なケースを念頭においての議論が自公の間であったのですか?」
今津議員
「それはまったくないですよ。議論がなかったということは間違いないですが、私は質問があったから、私の責任で話していますが、そこは政治家ですから、国民の皆様にわからないことを言ってはダメだと思います。たとえばという話をしっかりと言って、それがあるかないかはわかりませんが、しかし、あるかもしれない万が一のことに備えて国民を守る体制をちゃんと仕切ってやっていくということが政治の責任だと思います」

米軍以外の他国軍隊支援
秋元キャスター
「後方支援はこれまで米軍のみ限定されていたのですが、米軍とその他の他国軍隊へも検討対象とするということですが、自公ではこの部分は合意されているのですか?」
上田議員
「話を整理したいと思いますが、現在は周辺事態というところから日本の平和と安全に重要な影響を与える事態の話をしていまして、たとえば、イラクの特措法とかについては必ずしもそうではなかったわけですね。それはむしろ国際社会として国連決議をもって、国際社会で、皆で協力してやりましょう、それは日本が国際社会に対する責任を果たすという意味で参加したということもありますから。今度はそのままでは日本に重大な影響があるといった場合に、基本的に現実的に考えられるのは日米安保があるわけですから、アメリカしかあり得ないだろうと私達は考えています。過程の問題として、他の軍隊、他の国があるのかということ、それは自公協議の中でもいろいろ詰めてきました。そのうえで、もう少し具体的に、こういう場合の周辺事態に近いよねという状況で、こういう場合に、こういう時に他国の軍隊はあり得るかどうか、それはこれから議論を詰めていかなければならない部分だと考えています」
反町キャスター
「オーストラリアとか、南シナ海の周辺の国々は念頭に置かれているのかどうか?」
今津議員
「明快にこれだというものはおそらくないのだろうと思いますが、それはその都度変わると思いますが、たとえば、アクサ(物品役務相互提供協定)を結んでいる国々とか、常に共同訓練をして、お互いの役割を確認している国だとか。たとえば、70年談話で劇的に日本と韓国が変わって、信じられないかもしれませんが、日本と韓国がアクサの寸前までいったのですから。ドタキャンでダメになってしまいましたけれど。私も韓国に行ったら必ずアクサのことは言って帰ってくるのですが、そういう努力をしながら、関係改善をしながら、いろいろなことを共同でやっていけたらいいのではないかなと思います」
反町キャスター
「そうすると、日本が後方支援を行う対象国は、韓国は現状として想像しにくいところもあるのですが」
今津議員
「将来的にはわかりませんよ。イギリスとも2プラス2やろうとしていますし、この間はインドネシアとやると総理は言っていました。(後方支援の対象国に)なり得るということです」
柳澤氏
「日本周辺でやることを考えた場合、インドネシアやオーストラリアがここまでくるとは想定できないけれど、ただ、これらの枠組みは南シナ海での対中国の抑止力強化という思惑もあって、アメリカもそれを望んでいる部分があるのだろうと思います。ただ、それが集団的自衛行使だと主張していた、アーミテージさんの言い方だったんだけれども。結局これは集団的自衛権ではないですよね。後方支援と情報提供ですから。どういうものが真に求められているかというところ。それで中国を敵視するような形になることは政治的に避けながらやらなければいけないけれども、いったん何かあれば、日本が1番最前線ですから、それらの国々の中で。日本に反撃がくるところまでエスカレートしないということをどうやって担保するかも考えなければいけない」
今津議員
「安倍総理が提案しているのはオーストラリア、日本、インド、パールハーバー。菱形のセキュリティーダイアモンドと言われていました。安倍総理が提案しています、公式に発言していますよ」
反町キャスター
「総理はこういうエリアの中で地域の安定をはかりたいということですか?」
今津議員
「要するに、日本の周辺ですよね、だいたいは。こういう国々と力をあわせてやっていけたらなということを提案していますね」
反町キャスター
「今回の後方支援の対象国としてインドという国の名前も出てきましたが、インドが国境を接している、パキスタン、中国と戦争が起きた時に、日本はインドに対して後方支援をするという話になるのですか?」
今津議員
「それはその時その時ですが、それが日本国にとって存在そのものを否定する事態にならなければ、行かないでしょうけれど」
反町キャスター
「このへんの線引き、歯止めをどう感じていますか?」
上田議員
「実際に自衛隊が後方支援という行動をするのかどうかという問題ですよね。いろいろな国と外交や安全保障の協力をしていきましょうというのとは一段階違う。もう一段階上の話と私達は考えています。もちろん、インドという国を対象にすれば、インドとパキスタンは常に戦争状態みたいな状況にあるわけですよね。そのインドとパキスタンが紛争しているからと言って、日本の平和と安全に直接影響があるわけではないわけですから、だけど、インドとパキスタンの関係が改善されるということは、日本の安全保障に対しても有益であるから、それは協力することは協力しましょうという意味合いであって、実際に自衛隊が行動を起こすというのはもっとまさに日本の平和と安全に対する影響が明らかになってきているという…」
反町キャスター
「そこに政治判断が入ってくる…」
上田議員
「日本の平和と安全に対する重要な影響事態ですからね。応援するというのは中立を害するということですから、そういうのは入っていないですよ」
柳澤氏
「たとえばインド洋のシーレーン防衛のような話になると該当する可能性があるわけですよね。その時にやっているのはインド海軍であったりするわけ。そこで後方支援の可能性が出てくるわけですよね」
反町キャスター
「後方支援で、これまでの米軍のみを外しているということは、可能性として、インド、オースラリアを後方支援する可能性を法律のスキームに組み込んでいるということは認めますよね?」
上田議員
「はい。それは日本の平和と安全に影響があるということですよ…」
反町キャスター
「それは時の政権がこれは日本にとって重要な事態だから、これは自衛隊が後方支援をしなくてはいけないという、時の政権が決めるための法律と理解しているのですが、それでよろしいですよね?」
上田議員
「時の政権は当然法律の趣旨に基づいて行うわけですから、恣意的に判断することはできない。これまでは特措法では米軍以外にも行使していますよね」
柳澤氏
「だから、今回もそれと同じくらいの制度で、政府判断が恣意的にならないための判断基準を仕組まなければいけないということだと思うんですね」
今津議員
「地球の裏側に行くとか、行かないの議論ではなくて、たとえば、シーレーンとかも対象になる時があるかもしれませんね。それはその時、判断をしなければならない。国会がキチッと総理が相談をして了解をとって、行くとすれば、行くということになると思いますよ」
反町キャスター
「公明党は枠をつくってもこれまでと変わりないよと言っているように聞こえます」
上田議員
「現実問題で、たとえば、現在、日本の安全保障に重要な影響が起きる事態、そこに日本に対して協力してくるわけですからね。それは現実的に現在はアメリカしか考えられないでしょうと。ただ、今後そういう日本の周辺に、あるいは日本で緊張した事態が起きて他の国も日本に協力をするということがあり得るかもしれない。その時には後方支援ということも、現在の時点で法律的に排除していいのかどうかということはこれからの議論として残っていることだと思っています」

恒久法新設の真意
秋元キャスター
「新たに恒久法をつくる必要性というのは何なのでしょうか?」
今津議員
「自民党は選挙の度に、一般法、恒久法をつくっていくということを常に公約としてきたんですよ。ですから、私からしてみるとようやくこういう議論ができて、進みつつあるんだなという感慨深いものがありますよ。その都度その都度、時間をかけて議論をし、しかし、常に海外における自衛隊の皆さん方の行動規範というものをつくっておくことの方がせっかく努力する自衛隊の人達の努力の効果も出るし、報われると私は思ったんですね。自民党はそう思ったんです。そういうふうに一般法をつくらなければいけないということが今回の提案です」
反町キャスター
「公明党はこれまでこの件については特措法で対応すべきという話だったと思うんですけれども、今回、公明党は恒久法でいいと自民党側に理解を示したということでよろしいのですか?」
上田議員
「いや、この一般法という議論は今始まった話ではないんですね。柳澤さんはよくご存知だと思うのですが、2007年の頃の福田内閣の時ですか、議論がされてきました。議論が熟さなかったので、結果的には新しい法律にはなってきませんでしたけれど、その時にも何かこういう事態が起きたって、付け焼き刃で、慌てて何かやるということというのが良いのか、それとも基本的な考え方をまず示すということが良いのかという議論で、今回議論する中で、昨年の閣議決定の時にそれはだいたい方向性は出ていたわけですけど、1つは、一般的な考え方、一般法を制定しといた方が日本というのはこういう事態になった時にどういう対応をするのかという予見性が国際社会からあるだろうと。何か起きてからではないと日本がどうするかわからないというのでは、これはなかなか信用もされないということがある。2つ目は日頃から自衛隊もそういう事態に対応するということになれば、それなりの装備や訓練、準備、心の準備も含め、あるだろうと。ということから一般法としておいといて、ただ、今度一般法になると、特措法の場合にはこういうことが起きたからというのが特定しやすいですよね。だけど、一般法だと何が起きるかわからないわけだから、おっしゃった通り非常に大枠の法律にはなります。だから、その法律に基づいて、基本的な考え方が決められたうえで、今度は内閣で基本計画をつくり、実施計画をつくり、それで実習をするという手順になってくるのだと考えていますので、今度はだから、基本計画や実施計画が定まらないと実際にどこで何をやるのかがわからないということになりますから」
柳澤氏
「この法律がフリーハンドではないよと言うなら、むしろやらないことは何なのかということをちゃんと列挙して、あの周辺事態法だって、周辺事態とはどんなケースかと6つのケースを政府の統一見解として示しましたよね。そういう形で丁寧な説明をしていかなければいかんのだろう。後々の内閣も縛るような拘束力、少なくとも政治的な拘束力を持つような形で具体的な詰めをやらなければいかんのだろうと思いますね」
反町キャスター
「こういうようなことはやらないぞというのを恒久法に盛り込むかどうかについては?」
今津議員
「そういう方がわかりやすいし、いいかと思いますね」
反町キャスター
「派遣の前提条件に国連決議か、関連する国連決議ということになっていますよね。どう見たらいいのですか?」
上田議員
「国連決議というのは、武力行使容認決議。国連の安全保障理事会で、この国に対して国連として武力を行使していいですよという、あるいは行使しないという決議のことです。これまでのいろんなことを見てくると、明確でないものもあります。この国にあらゆる手段、そこまではいかないけれども国際社会でこの国に対しては制裁しましょうという決議もある。それも含めて、国連の場で、安全保障理事会における武力行使容認の決議でないにしても、国際法上、この国に対して行動を起こすことが正当化されるということを条件にすべきだろう。今回の進歩というのは、日本は武力を行使しません、だけど、どこかの国が武力を行使するというのが前提なわけですよね。後方支援ですから。そこは慎重に国際世論が、どこの国からも、この国、この事態に対して対処しなければいけないという合意が得られるという趣旨です」

自衛隊海外派遣拡大の歯止め
秋元キャスター
「恒久法に基づく支援活動実施の前提条件として、4つの条件があります。まずは他国の武力行使との一体化を防ぐための枠組みをつくること。国連決議または関連する国連決議があること。国会の事前承認を基本とすること。隊員の安全確保すること。このように前提条件があるということですが」
反町キャスター
「この4つの前提条件。これによって恒久法、大枠の法律をつくって、派遣をしやすくなるということに対する一定の歯止めがかかると思いますか?」
柳澤氏
「だから、その一体の枠組みのところは、戦闘の現場には行かないということで、むしろこれまでよりも行ける範囲が広くなっちゃうわけです。問題は先ほど話題になっていた国連安保理決議以外のもので国際法上の正統性というのをどう担保するかという時に安保理決議がない場合の武力行使の正統性は、自衛権行使の場合ですね、国連憲章51条の。ですから、その自衛権行使と称してやっている武力行使が正当なのかどうなのかというのは実はすごく難しいんです、判断がね。これまで日本政府は実はアメリカが行う武力行使について一度も反対したことは、非難したことはないですよね。これまでは自分には関係ないこと、だからですね。今度は自分が直接関係するわけですから、そこはきっちりと見なければいかんということですね。もう1つ国会の事前承認。どういう軍事作戦ですとは言わずに、だから、こういう後方支援までやるんですということを本当に説明するというのはかなり難しいことだろうと思うんですね。だから、これはなかなか本当に抽象的には歯止めかもしれないけれども、結局、それ自体の中で判断の余地がこの中でいろいろある。安全確保に至っては成立することがそもそも難しいという。そういう条件でこれを歯止めと言われても、もちろん、それは難しいと思います、それは。だから、先ほど申し上げたようにネガティブリストをはっきり詰めていくとか、そういう作業が別途ないとなかなか理解はされにくいのではないかなと思うんですね」
反町キャスター
「わかりやすく言っちゃうと、アメリカの戦争に日本が巻き込まれるのではないかという話だと思ったのですが、違いますか?」
柳澤氏
「だから、アメリカは自衛権行使と言っても、それを反対する国もあるわけですからね。そこをどう考えるのかということですね」
反町キャスター
「国会の事前承認、これはどの程度の事前承認をとろうとするか、この話はどういう感じだったのですか?」
今津議員
「だから、事前承認を基本とすると書いているんですよ。これはかなりきつい、やりなさいよという、やりますということだと、それを確認していると思いますよ」

新たな安保法制と国際社会 アメリカの見方と日米関係
秋元キャスター
「安倍総理の訪米で、新たな安保法制をオバマ大統領に説明することになると思うんですけれども、現時点でのアメリカの見方というのはどうなのでしょうか?」
柳澤氏
「アメリカは、日本がやってくれるなら、それはそれにこしたことはないので、ただ、歴史認識の問題も含めて、そのためにも近隣諸国と余計なトラブルは起こさないでくれという側面も、そういう評価も持っているはずなので、そこをどう整理していくかということですね。あとはアメリカにしてみれば、ここまでできますということをはっきりさせるというのは有意義だという話だけれど、ここまでできますということを相手に期待させちゃうと実際にできない時に大変なことになりますから、そこをどうこれから今回の総理の訪米だけでなくて、どうやって詰めていくか。ガイドラインの中でどこまでを想定して、どういう議論になるかなんですけれども、むしろそちらの方が法律上もう何も支障がないわけですから、法律上できるのに何でやらんのかという話を、むしろしっかり理解してもらう方が難しくなるなと思いますね」
今津議員
「私が知っているアメリカの友人は、日本のそういう重要なことは、日本が決めることで、我々は期待をするけれども、あれこれをすることはないよという殊勝な見方をされていましたね。今度は日本が十分ではないけれども、ある程度法の下でできることはやりましょうというような議論が現在進んでいるものですから、それに対しては、私は非常に大きな歓迎をしてくれていると思います。特に、宇宙の分野とか、海洋監視の分野とか、そういう安全保障だけではなくて、たとえば、災害が起きた時にお互いが協力して助けていこうと。そういう分野も私は広がっていくと思いますね」
上田議員
「日本の法整備についてどこまで緻密にアメリカの関係者が細かい議論をフォローしているのかはわかりません。と言うのは、逆に言ったらアメリカから見れば同じようなことではないかという面があります。昨年の閣議決定が行われる前にも、アメリカの政府関係者とは直接話をしませんけれども、元政府関係者とか、シンクタンクの方々と話をして私が感じたのは、今日ちょっとテーマにならなかったのですが、グレーゾーンの部分の米軍艦船と共同行動をしている時に防護してくれるとか、そういったことについては是非やってほしいという意見が多かったし、アメリカは同じ時に日本のことを守れるのだから日本も同じようなことはやってほしいという意見は多かった。また、日米安保の中で周辺自体の時にできるだけ日本として積極的に対応してもらいたいということは強くありました。なおかつそのうえで、たとえば、国際協力といったことについて日本が日本の判断で積極的な役割を果たすことについてアメリカとしては歓迎したい。だけど、それはあくまで日本の判断だと、今津先生おっしゃった通り、という言い方だったという受け止めています。ただ、アメリカも別に事を構えようとしているわけではないし、日本も別に事を構えようとしているわけではありませんから、近隣諸国とはできるだけ友好的にやってもらいたい。これは日本も同じ考えですから、そこはまったく関わりなく、ただ、この安全保障というのは万が一という抑止力という意味での話だと考えていますけどね」

柳澤協二 元内閣官房副長官補の提言:『リスクを語る』
柳澤氏
「私は、もうここまで来た以上は本当に最終段階ですから、安全保障というのは、これさえやっておけば100%安心なんてことはないですね。この政策をとったら、こういうリスクがあり、こういうコストが余計にかかるということをちゃんと議論したうえで選択をしていただく。それがないままにいってしまうことは、先ほどの政府のフリーハンドをどこまで許すか、認めるのかということと裏腹で、そこで安全保障政策としての合理性をちゃんと担保しなければいけないということだと思いますね」
今津議員
「7月1日の閣議決定。それから新3要件。3つの条件ありましたね、安全確保とか、国民の理解を得るとか。あくまでもそういう中で現在議論して、法の許される中での最小限のことを議論しているわけでありまして、それは法をこえることはないし、法の中でやれることをキチッとやっていくという最大限の努力をしているところであります」
上田議員
「今回の合意でも、いわゆる3つの方針ということを定めました。特に、この中でも自衛隊員の安全の確保ということをわざわざ入れました。こんなことは言うまでもないではないかと言われれば、その通りですけれど、それは当然、柳澤さんおっしゃった通り、リスクがあるんだ。だから、そのリスクを最小限にするような法整備をしましょうと。それでもたぶんゼロではないのだからきちんとしたリスクについて率直に言いなさいというのがお話だと思うんですね。だから、これは我々与党としても、また政府においては実際の実施を決めるわけですから、おっしゃった通りそういったことはきちんと説明をするというのが必要だろうと、私も考えています」