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2015年3月19日(木)
チュニジア日本人死傷 観光客銃撃背景と続報

ゲスト

山本一太
自由民主党参議院議員
ファラード・クリフ
駐日チュニジア共和国大使
畑中美樹
国際開発センター研究顧問
宮家邦彦
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

チュニジア観光客襲撃 事件の背景と波紋は
反町キャスター
「大使として、チュニジア政府として今回チュニスで起きたテロをどのように捉えていますか?」
クリフ大使
「チュニジアでは、ここのところ議会の、大統領選挙があるなど、しっかりとした民主主義の中で行われたということで、昨年のそうした動きを受けて民主化の動きが国の中で進んでいるところでありました。我々の独立59周年を祝うところでありましたので、この度のことは我々にとっても非常にショックとして伝わってきました。このテロ行為が我々の象徴的な場所で起きたということ、チュニジアをある意味、象徴する、また、チュニジアの歴史、それから、民主化への歩みを象徴する場所といってもよろしい場所で起きてしまったことに対して非常に残念に思っています。この現場となりましたバルドー博物館、観光として人気のある場所であります。この許すことのできないテロ行為ですが、この中で外国人の方々、観光客として来ていた方々が亡くなっています。直近の情報からすると20人規模だという話が私の耳には届いています。負傷が50人近くということで耳に届いています。先ほども話をしましたが、とにかくチュニジアの国民にとっても、国際社会にとっても、また我々の友人、友好国である国々にとっても大きなショックでした」
反町キャスター
「民主化以降非常に国の変革がうまくいっていたという話をされましたが、いわゆるアラブの春において政権交代が起きた以降はこうしたテロというのは初めてなのですか。チュニジアの中においては」
クリフ大使
「残念なことではありますけれども、いくらかテロ行為がチュニジア国内でも、2011年の革命以降起きています。ただ、これは山の方、あるいは国境近くということで、これまでのテロ行為は特に安全保障、あるいは国を守る枠組み、そういったところを対象としていたわけです。ですので、一般の人達を対象とすると、特に、外国から来た来訪者をターゲットとするのは初めてです」

過激派 アンサール・シャリア
秋元キャスター
「18日、昨日テロ事件の発生を受けまして、チュニジアのカイドセブシ大統領はこのように発言しています。首都チュニスの博物館で銃を乱射した2人は、イスラム過激派組織のアンサール・シャリアだと発言しているんですけれども、アンサール・シャリアはどういうグループなのかと言いますと、2013年8月にチュニジア政府がイスラム過激派のテロ組織に指定しています。アルジェリアの国境近くで治安部隊への襲撃や爆弾攻撃を繰り返していて、日本の外務省の渡航危険情報でもこのあたりは渡航の延期、観光では行かないようにということを促しています」
反町キャスター
「アンサール・シャリアは、私、初めて聞くテロリストグループですが、過激派集団ですけれども、これはチュニジアとしてはどういうグループと認識していたのか。彼らの危険性とはどの程度のものであると考えていますか?」
クリフ大使
「アンサール・シャリアはどういう組織なのかという質問をいただきましたけれども、我々の革命の後、アンサール・シャリアに関しても、イスラム教、イスラムを広げる組織であると認識されました。しかしながら、このメンバーの中には非常に過激な人達がいたということ、彼らの信念の中に本来のイスラム教の信念、つまり、忍耐と平和、安全といったような、本来の宗教的な意味合いを信じない人達がいたわけです。このグループ、アンサール・シャリアですけれど、アメリカ大使館に対する攻撃もしました。それ以降、チュニジア政府はアンサール・シャリアをテロ組織と認めたわけです。そのように指定したわけです。リーダーがいるわけですけれど、この指導者の下で非常に不穏な動きが起き、たくさんのテロリスト、あるいは過激派の人達がこの動きに便乗したわけです。地方の動きもありまして、山の中に、特にアルジェリアの国境近くの、これは国の西側にあたるんですけれども、そちらの方に位置する者も多くいまして、ここから、我々の治安、国の軍隊、ナショナルガードに対しても攻撃がなされました」
反町キャスター
「畑中さん、アンサール・シャリア、初めから武装闘争を志向していたということは明らかなのですか。たとえば、議会選挙に出て多数派を目指すとか、そんなレベルの人達ではない?」
畑中氏
「そうですね。チュニジアの場合には独裁政権が倒れたあと、その年の末に憲法制定議会選挙があって、その時、第一党はイスラム政党です。ただ、穏健派のアンナハダという政党で、彼らは要するに、話し合いによって、イスラムの国をつくろうということですけれど、このアンサール・シャリアは武闘闘争によって、力でもって、自分達の考えを実現していこうということを最初から標榜している組織です」
反町キャスター
「今回の、いわゆるイスラム国も含めて、いろんなところにある貧しさとか、失業というもの、それをイスラム教の衣の下に吸い上げるみたいな組織形態はここも同じことですか?」
畑中氏
「同じことです。現実が非常に厳しい。それに対して理想社会、理想国を提示して、これが実現すれば、皆さんが抱えている問題は解決するんだ、理想の社会をつくるんですということで関与しているわけです」
反町キャスター
「宮家さんはこのアンサール・シャリアというのは、どう見ていますか?」
宮家氏
「これはむしろ大使に伺いたいんですけれども、いわゆるイスラム国、ISとの関係をどう見ていますか?」
クリフ大使
「アンサール・シャリアはテロ組織であるのは間違いありません。関連性はあると思います。仮に、彼らがそれを表明しない、明示しなくても、我々の地域においては全てのテロリストグループ、これはアンサール・シャリアを含みます。その他にもテロリストグループはいろいろありますけれど、そうした組織は皆、何らかの形でつながっていると、イスラム国との関連性があると考えています。彼らは協力することもあります。また戦略面でも共有しているんです。行動は表面上異なるかもしれません。しかしながら、最終的に、彼らが目的としているところは地域の協調を目指すところです」
宮家氏
「結局これはチュニジアだけの問題ではなくて、基本的にこの数年間、いわゆる、アラブの春というものが起きて自由化が進んだ地域がある。チュニジアで成功した例ですね。皆、成功した、成功したとおっしゃるんですけど、私は失敗しているとは思いません。しかし、残念ながら、この種の破壊分子というか、極端な分子というのはある程度、力で抑えないといけない部分があるんです。しかしながら、実際に前の政権は独裁だったけども、そのような人達をある意味で隔離していたわけです。ところが、民主化が進み、自由化が進み、場合によっては、一部のそのような人達が釈放されて、野に放たれる、そして、その中で、昔ほど強権で物事を抑えることができなくなっている。そうするべきではないと。その通りですけれども、その結果、皮肉なことに、これはチュニジアだけの問題ではなくて、この地域全体の問題で、逆に、自由化をした、民主化をしたことによって、この種の問題が拡大したという、1つの側面の、氷山の一角かもしれない。そんな感じを持っています」
山本議員
「なかなか背景がわからないと言われたわけですけれど、今日ご紹介があったようにチュニジアの外務大臣が、射殺された2人はアンサール・シャリアのメンバーだったということをおっしゃいました。さらに、今の大使の話で言うと、アンサール・シャリアが公にISとの関係には言及しなくても、はっきりチュニジアのことを1番、国情をご存知の大使が、彼らはセイムストラテジーを持っている。つまり、同じ戦略の下で動いている。別々に動いているようだけれど、目的は同じだと。これはもちろん、大使がおっしゃっていることなので事実だと思うのですが、そういうことだとすると、かなり私は深刻だなと思うのは、今日、お二人の専門家がおられるわけですけれども、イスラム過激派の影響というのは中東から北アフリカ全体に広がりつつあるということになるわけであって、今回のテロは日本人を標的にしたものではもちろん、ないと思うんですけれども、でも、国際社会がいかに危険なものになっているのかということをあらためて示したわけです。大使のお話を聞きながら、特にアンサール・シャリアとISの関係がはっきりあるということをお聞きして、まさに、日本にとってのテロ対策への重要性というものを、あらためて痛感いたしました」
反町キャスター
「総理が、たとえば、中東訪問する。日本が、人道支援、民主化支援をするんだという時に、アラブの春に対しても、日本の世論とか、政治も含め、世論も歓迎ムードが非常に強かったと僕は勝手に思っています。たぶん国会の中においてもアラブの春、これはダメだと、けしからんと。それぞれ政情不安が起きるなんて言った方はあまりいなかったと思う。結果的に、宮家さんの話や畑中さんの話を踏まえて、これはいったい、何が結局、アラブの春だったのだろうかと、何か感じるものはありますか?」
山本議員
「フォーリンアフェアーズにもいろんな論文が出てきていますけれども、世界の有識者がアラブの春は幻想だったという論調を展開しているわけです。私は、そう思いたくないし、先ほど宮家さんの方から失敗をしていないという話があったんですけれども、民主主義のコストという話がありましたけれども、チュニジアはいろいろ紆余曲折がある中でも、相当苦しみながら、民主主義のプロセスを、ここまで進めてきたわけですね。先ほど畑中さんからお話がありましたけれども、新しい憲法まで制定して、苦しみながら。しかも、大統領もきちんと選挙をやり、そのいわゆる世俗が勝って、しかも、イスラム系のたぶん世俗派が30%で、イスラム系も20%ぐらい、たぶん確か票をとったわけですから、国民の対話を通じて民主主義のプロセスをやり遂げたわけです。これはもちろん、アラブの春についていろんなことを言う人がいると思うし、私も宮家さんがおっしゃったように、なかなか大変だったと思いますね。ただ、これはまさに国際社会で、チュニジアの試みを応援しなければいけないし、日本政府としても、このアラブの春の試み、ジャスミン革命が失敗に終わったということは受け入れられないので、これは国際社会全体で、そういうムードになったと思いますけれども、チュニジアの民主化、このプロセスはきちんといくように、これは日本政府としても応援するべきだと思います」
秋元キャスター
「2010年12月です。ジャスミン革命と呼ばれる民主化運動が起こりまして、独裁体制を続けてきたベン・アリ大統領が国外退去となりました。民主化運動の波は近隣の中東諸国に広がりまして、これがアラブの春と呼ばれる広がりを見せていったわけです。一方、チュニジアですけれども、2014年、憲法公布、民主的な選挙を経ましてカイドセプシ大統領が就任しています。今年の2月にはシド内閣が発足して、国際社会ではアラブの春唯一の成功例というふうにも評されてきたんです」
反町キャスター
「先ほど、宮家さんも唯一の成功例と言いましたけれども、アラブの春というのは、チュニジア以外は皆、失敗したということになるのですか?」
宮家氏
「チュニジアを除いて他でどんなことが起きたかというと、エジプトでは、ムスリム同胞団が政権をとったけれども、結局、統治に失敗して、結局は軍政に戻っちゃった。サウジアラビアのような国々は王政ですけれど、静かにして、一切変わらなかった。それどころか、バーレーンで何かあったら軍隊を送って抑えちゃったと。他ではリビアみたいに壊れちゃったケースもあるし、アルジェリアは1990年代に1回経験しているから、そこは賢く動かなかった。各国それぞれあるんですね。それでおそらくチュニジアは最も民度が高くて、イスラム政党でありながら、世俗主義的なバランスをうまくとることを知っている人達だと思うんです。そのチュニジアでこういう事件が起きたからこそ、私はすごくショックを受けているし、おそらくチュニジアに期待していた人にとって、これは欧米にもいっぱいいるんですけれども、かなりショックが大きいのではないかなと思っています」
反町キャスター
「畑中さんは、この唯一の成功例、チュニジアをどう見ていますか?」
畑中氏
「世界史で見ても近代民主国家をつくるというのはすごく時間がかかることです。日本を振り返って見ても明治維新が近代社会の移行期としますと、明治維新から帝国議会ができるまで20年かかっているんです、日本でも。まだアラブの春が起きて4年ですね。たった4年で、成功とか、失敗というのは時期尚早だろうと。特に中東アラブ社会の場合には、部族社会で、国民国家意識というのがないわけですね。そういう人に国民国家意識を持ってもらって多数決の原則。しかし、少数意見も尊重ですよということを教えていく。これはすごく長いプロセスがかかるわけですね。チュニジアは現在、本当にそれの最初の成功例になりそうな国になっていたわけですよね。従って、国際社会としてはそこで成功例をつくるために支援しなければならないと思うんです。今回のテロというのは、私は、むしろアンサール・シャリア、あるいはイスラムの過激派の人達が追い込まれたからこそ、反撃をしてきたということで、むしろここで怯んではいけない。相手が非常に弱体化してきているからこそ、反撃してきたわけですから、ここで国際社会がチュニジア政府と一体となって、チュニジアのテロを一掃するような支援をしていくのが、1番重要なのではないかと思います」
反町キャスター
「大使、外国人観光客が狙われました。この外国人観光客をテロリストグループのアンサール・シャリアが狙っていたという話というのは、チュニジア政府としては彼らのそういう狙いは事前にわかっていたのですか?」
クリフ大使
「難しいことです。申し上げたいのはこういった動きを事前に、しっかりと把握することは大変難しいと思います。特に、この場所がしっかりと警備されている場所であるということからしても、また標的とされたのが、外国人の旅行客、観光客であったということも。こうした事件が起きてしまったわけですけれども、たくさんの観光客が博物館を訪れる日でもありました。そのような日は毎日ではないです。昨日は、バスが6台、観光客を乗せ、このバルドー博物館にやってきました。200名ぐらいの観光客の数であったと思います。ですので、可能性としてですけれども、現在、政府としてはこのテロ組織、アンサール・シャリアがこうした情報を持っていたのではないのかと考えています。たくさんの観光客が来る日を選んで、彼らの存在感を示す。なるべく多くの殺害をすることで、外国人の死者ということで自分達の存在感を示そうとしたのではないかと思われます。1つの可能性、考え方として議会が実は標的だったという意見もあります。しかしながら、我々はこのテロ組織が議会、国会議事堂は非常に警備が厳しいということを認識していることを知っています。つまり、中に入ることは非常に厳しいですし、中の警備となればもっと厳しいわけです。ですから、我々は現段階の公式な見解として捉えている標的はバルドー博物館であったと同時に、隣接地に議会があるということで、テロリストがメッセージとして、議会にも手が届くという、そういう内容を伝えたかったのではないかと思います。つまり、議会というのは国の象徴であり、新しい民主主義の象徴であるからです」
畑中氏
「これまでの過去を振り返ってみても、たとえば、エジプトでルクソールの事件ありましたでしょう。サウジアラビアでも2003年から6年ぐらい、欧米人が狙われましたね。外国人をターゲットにして、攻撃するということがテロ組織から見ると、宣伝効果が非常に大きいということがあると思います。それが1つあったと。それから2つ目には、現在チュニジアが民主化の第2弾に入っていて、新しい憲法の下に、大統領も生まれて、新しい国づくりをしようとしている。そうなると当然、その国づくりの柱の1つが観光の振興策ですね」
反町キャスター
「チュニジアの主たる産業は、石油とか、天然資源とかは出ない?」
畑中氏
「はい。ヨーロッパの裏庭ですから、欧州の電機メーカーとか、機械メーカーの部品をつくるとか、そういうものの輸出と、それと同時に、観光というのが非常に大きな産業です。おそらく雇用の面からいうと、2割ぐらいが何らかの形で観光に依存しているんですね。そうしますと、これからのチュニジアの経済を再建しようとする新政権にとって、観光産業が狙われるというのは非常に痛手なわけです。外国人を狙って、観光産業を痛めるという狙いだったんだと思います。ただ、思うのは国会が隣にあるというところで、あれだけセキュリティが堅いところでというのは内部に手引きがいたのか、共犯者が必ずいるだろうと。でなければ、これだけのことは起こせないだろうというような気がします」
反町キャスター
「観光客を狙ったテロリストの狙い。これはどういうことだと思いますか?」
宮家氏
「これはテロリストというのは、1番強い人とは戦わないです。1番弱い人達を狙うんです。そうでなければ成功しませんから。そういう意味であまりチュニジアの悪口を言いたくないんだけれども、チュニジアの観光というものがチュニジアの国にとって大事であって、これから国づくりを本当にもう1回やろうという時にこれだけの脆弱性があったと。厳しい言い方かもしれないけれど、これはインテリジェンスの失敗、セキュリティの失敗です。その部分はちゃんと検証して、そうしないと結局、観光客はどんどん離れてしまうと。このジレンマがあるということを、敢えて、あまり言いたくないんですけれども、指摘させていただきたい」
畑中氏
「アラブの春の結果、独裁政権がとれましたけれど、独裁政権は安全保障、軍事、治安、内務、警察を頼って独裁政権になったんです。そこが倒れたわけですから、当然、支えていた柱が倒れているわけです。独裁政権の時に監視されていた人達が今度は政権側にまわったわけです。従って、柱がなくなっちゃっているんです。国際社会として本当にアラブの春の民主化を成功させるとすると、なくなった柱を、人権を守りながら、あるいは表現の自由を守りながら、どうやって再建していくかというところを日本も含めて、国際社会としてつくり直していくことも考えないといけないと思います」

観光客襲撃事件の背景と影響
反町キャスター
「観光業を大きな産業にしているチュニジアにとってショックであるという理解でよろしいですか?」
クリフ大使
「ご存知かもしれませんけれど、観光客が多く訪れる国としてよく知られています。600万人から700万人の人達が毎年訪れます。ヨーロッパから、日本から訪れていただいているわけです。ですので、観光業は我々の経済のカギを握るセクターの1つであります。革命後、我々は非常によく力を注いでこの観光を、セクターを育ててきました。テロ組織はこのことを良く知っていて、彼らは目標にして、これに対して悪いインパクトを与えるよう行動してきたと思うんです。非常に悪いタイミングできました。チュニジアとしてはちょうどこの観光を来年に向けて、しっかりと魅力的なものにつくり上げていこうという、矢先に起きたテロ事件だったからです。我々はこうした状況が次のシーズンにとって、非常に観光面ではダメージを受ける要因となったことはよく認識しています。一方で、多くの国からチュニジアを支援するというありがたい一体感のある声を伺っています。そういった声が私の耳に届いてきていて観光客をこれからも送りますよというメッセージをくださっているんですね。それは新しい民主主義に対する支援であるとも受け止めています。我々の観光拠点、昨年ですけれども、600万人以上が訪問してくれた。国が安心で、治安の良い国であると彼らは思って来てくれているわけです。パリでもテロ行為がありますよね。過去にはフランスではたくさんの、そうした事件が起きています。しかし、観光に対する打撃とはなりませんでした。と言うのは、フランスが国として安全な国であると人々は思っているからです。そうした期待値があるからですね。チュニジアの人達は非常にオープンでそして外交的でそして、人々を受け入れる気質を持っています。海岸線も非常に美しいですし、様々な文化的な、あるいはその他の視点で見ても魅力的な観光拠点がたくさんあります。ですので、国の中でもそれをしっかり守っていかなければいけないと考えています」

イスラム過激派テロ 日本がとるべき対応は?
山本議員
「日本政府が国際社会と協力してチュニジアの民主化をこれからもしっかりと支援をしていかなければいけないというのは当然だと思います。総理も国際社会との連携を一層深めてテロと戦っていくということも明言しているから、それは当然なのですが、今回、十分注意しろという危険情報の中で1番低かったのを、2段階目、渡航の是非を検討してくださいとここまで引き上げるというのは、それはやむを得ない措置だと思うんですね。ましてや今日はっきりしたのは、大使の分析によれば、アンサール・シャリアとISは確実に関係があるということですから、これは状況を見極めなければいけないと思います。もう1回言いますが、私は政府の代弁者ではないですが、これまでの政府の対応はかなりしっかりしているだろうと。これはよく宮家さんも言ってくれているのですが、危機管理という面ではこの内閣は本当に情報管理も含めて非常に慣れていると思っています。たとえば、応援派遣2人、おそらくフランス語の専門家を本省から派遣するのと領事の専門家をパリの大使館から派遣するんだと思うんですけど、あと警察がTRT-2国際テロリズム緊急展開班ですか、これもいわゆる分析官というか、捜査官を派遣すると。それと、現地対策本部も官邸の連絡室も相当はやく立ち上がったので、これは対応としてはがんばっていると思うんですね。ただ、問題は、先ほども話が出ていましたけれども、これからどうするかということだと思うんですね。この事件をさらに受けて、先ほど、畑中さんから、これからチュニジア政府の1つの課題としてセキュリティを強くしていく。つまり、警察組織を強くしていくと。それと民主主義のバランスをどうやってとっていくかということだったのですが、どうしても今日言いたかったことにもつながるのですが、つまり、反町さんのおっしゃったイラクのケースもあったんですけれども、たとえば、日本のインテリジェンスをどうするかと議論されている。自民党ではまだ正式に本格的に議論は始まっていないし、党の方針は決まっていません。決まっていませんが、私は日本独自の情報機関というのが何度も議論されて、形になっていないのですが、この際立ち上げるべきだと思っているんです。たとえば、日本は戦後、インテリジェンス機能を完全にシャットアウトされてまったく続かなかった。ドイツは良い意味でも、悪い意味があるかどうかはわかりませんけれども、ドイツは脈々と続いていって、現在の情報機関になっているんですよね。あまり細かいことを言いませんけれども、日本は国防費の2%、3%しかインテリジェンスに使っていないですね。たぶん千数百億だと思いますよ。外務省、警察庁、防衛省。アメリカはもちろん、国防費のたぶん13%ぐらいを使っていて、20万人、日本はたぶん四千数百人だと思うんですけれども、20万人、8兆円使っているんです。イギリスも今日調べてきたんですけれども10%、GDPの。イスラエルも10%。イスラエルのインテリジェンスの予算はたぶん6000億ぐらいある。イギリスもおそらく3000億を超えているので、なかなか日本にCIAとか、イスラエルのモサドとか、ああいうタイプの機関が本当にできるのかと。イギリスのMI6とか、同じようにできなくても、もっと人を割かないと。たとえば、分析官もなかなかいないと。分析する人材を増やしていかないと。ですから、もう1回言いますが、テロとの戦い。チュニジアともしっかり協力していくんですけれど、ここから学ぶことはあると思いますし、もう1回言いますが、これは個人の意見ですけれど、私は法律でつくるのは難しいとはわかっていますが、ここで日本独自の情報機関の立ち上げというものを検討していかないとこれから新しい次元に入るので、日本が本当にテロの標的になっていくという…これがどうしても今日言いたかったことです」

世界に拡散する脅威 どう対応?イスラム過激派テロ
秋元キャスター
「チュニジアは、イスラム国への戦闘員の供給国と言われていますが、この現状をどう見ていますか?」
畑中氏
「どこまで正しいかはわかりませんけれども、ある研究機関が推測したところによると、チュニジアから3000人ですか、ISに行っていると。サウジアラビアからも2500人ですから、世界で1番ISに外国人の戦闘員としては出ている国ですよね。1番怖いのはアフガン戦争が終わってアフガン帰りの人がテロを起こした。これがサウジにしろ、エジプトにしろ、IS帰りが現在テロを起こす可能性があるので、そういう意味ではチュニジアのテロ対策をどうするかというのが非常にこれから問題になってくると思います」
反町キャスター
「今後の見通しは?」
宮家氏
「ジハードをやって天国にいくつもりで死んでいく人もいるのでしょうが、多くの人達はおそらく逃げると思います。逃げるところは、どこに逃げるか、1番弱いところに逃げるんですよ。1番強いところに行ったら捕まっちゃいますから。従って、弱いところ、弱いところを探す。我々からすれば守るのはどうしても限界がありますよね。逆に言うと、弱点は無数にあるんですよ。と言うことは、1番弱いところに拡散をしていく。それは自分の故郷かもしれないし、見知らぬ国かもしれないけれど、彼らはその仕事を続けるだろうと思います、恐ろしいことです」
反町キャスター
「日本からISに行っているのが何人かいる。彼らがもしも帰ってくるとしたら、日本に帰ってくる可能性が?」
宮家氏
「それももちろん、あり得るでしょうね。日本の方が水際で押さえやすいというメリットがある。陸上でつながっているところはどこでも抜け道があるから」
山本議員
「どのぐらいの人が行っているのかはよくわからないので、ただ、チュニジアよりはたぶんかなり少ないと思う、日本の場合。宮家さんがおっしゃったように、水際で止めるということは税関を含めてすごく厳しくすればできると思うので、むしろイスラム過激派の思想に染まっていく人達が出てくるのをどうやって防ぐか。これはやっぱり日本でも起きたら大変なことになるのではないかと思うんですね。これも前に宮家さんとお話をしたことがあるんですけれども、基本的な人権を守るためにある程度基本的人権を制限しなければいけない世の中になっていくのではないかと。あまり脅かすようなことを言う必要はないとは思うんですけど、たとえば、新幹線に乗る時にまったく荷物検査とかはないですよね。万が一、そこでテロリストが爆弾を破裂させようと思ったらたぶん簡単にできる。日本はとにかく先進国の中でも圧倒的に安全な国だから、でも、そのコンセプトを変えていかなければいけない」
秋元キャスター
「テロを防ぐと言うことと、観光立国は両立するのですか?」
山本議員
「それは両立をさせなければいけないのではないでしょうか。ロンドンの監視カメラの例ではないですけれども、そこはいろんな知恵を使って、バランスをとっていくことだと思いますね。しかし、まず日本は非常に治安が良いというインフラがなければ、観光立国としては成り立たないと思うので、そこはしっかり安倍政権が対策を打っていくと信じていますし、それはできると思います」
宮家氏
「人の養成は10年はかかりますね。10年我慢して、それをやらなければいけないということです。もう1つはバランス。これは難しい、旅券を取り上げるとか、通信を傍受すると。これはある程度マイナスがあるので、そこは国民の理解を得ていくしかないですよ」
反町キャスター
「日本の人権と治安のバランスは崩れている?」
宮家氏
「それは理想に近い。このままでいくんだったらいいなと。欧米諸国はこのままでいっていないのだから、ある程度の私権の制限をせざるを得なくなってくる。その段階に日本も入っている可能性がある」
畑中氏
「私は山本元外務副大臣、あるいは宮家さんの意見にまったく賛成なのですが、日本が安全だという時代は終わったんだと思うんです。日本もテロリストのターゲットに入っていますから、そういう意識を国民が持って、自分達の安全を守るために、自分達が何かをしなければいけないわけですから、そこは丁寧に説明をしながら、時間はかかるでしょうけれども、1つずつ変えていく。それから、分析官も大事ですけれど、その前に情報がないとダメですよね。大量のデータをまず集める。そこのシステムから、もう少し日本はつくり直していかないと、本当の安全は確保できないのではないかなと思います」