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2015年3月12日(木)
“18歳成年”へ一歩? 少年事件・選挙・民法

ゲスト

鳩山邦夫
元法務大臣 自由民主党衆議院議員
義家弘介
自由民主党副幹事長 衆議院議員
水野紀子
東北大学大学院法学研究科教授

少年法適用年齢18歳論 その是非と課題は
秋元キャスター
「18歳の少年が逮捕されました神奈川県川崎市の男子中学生殺害事件をきっかけに議論が起きています少年法の適用年齢引き下げの問題からまず聞いていきたいと思うのですが、少年法の目的を確認していきたいんですけれども、目的は少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うという、つまり、罰を与えることではなくて、守るということを前提に考えられているということです。では、罪を犯した未成年者に対してどんな処分が行われるのかと言いますと、処分の内容や刑罰の対象というのは年齢によって制限があります。少年院に送られるのは概ね12歳以上ということになります。少年院で矯正や社会復帰に向けた教育などが行われます。14歳以上から刑罰の適用対象となりまして家庭裁判所から検察官への送致、つまり、逆送されたものには刑事罰が科せられて、少年刑務所に送られます。ただし、18歳未満の場合は、成人ならば死刑に値する罪は無期懲役に。無期懲役に値する罪は最大懲役20年と減刑されます。しかし、18歳以上の場合は成人と同じ刑罰は科され、最高で死刑もあるということです。制定以来、刑罰の適用年齢が引き下げられたり、その内容も厳しくなったりと、厳罰化の方向で見直されてきたんですけれども、今回は、現在20歳となっている少年法の適用年齢そのものを引き下げるべきとの声が自民党の稲田政調会長などからあがっているということですけれども、鳩山さん、20歳未満としている少年法の適用年齢を引き下げるべきかどうかについては?」
鳩山議員
「難しい問題ですけれども、私は結論から言えば、引き下げるべきだと思うんです。だけれども、今度の議論はちょっと変で、まず憲法改正の国民投票の関係があって、それを18歳から有権者にしてはどうかという議論が、民主党を中心に出たのかな最初は。それで合意をして、憲法改正は18歳から国民投票の投票権を与える。そうすると、選挙権とのバランスをどうするかというので、選挙権も18歳にしようと現在なって、それが成年年齢の問題になって、少年法の問題になっていると」
反町キャスター
「そういう順で見た方がいいのですか?」
鳩山議員
「そういう順ではないですか、実際。だから、本当はそういうことがまったくない状況で、憲法改正も、選挙権年齢も、あるいは成人年齢も関係ない段階で少年法だけ純粋に取り上げて、20歳がいいか、18歳がいいかという議論だったら、純粋な議論だったのだろうなと思います」
反町キャスター
「その流れの延長線上で20歳を18歳に下げるとなっている。その部分を除いたとした場合、たとえば、僕ら今日テーマであげているのは、前回の川崎の事件も含めて、そうした中で、与党自民党の中からは20歳を18歳に下げたらどうだという議論が出ているという、この点については周辺事態を除いた場合にはどう考えますか?」
鳩山議員
「これは本当に難しい。19歳、20歳をどう見るかという話だから。それは全ての問題で、19歳、20歳をどう見るかということだから、ただ、20歳以下だと原則、保護処分だと。保護すべき人間、要保護性があるというのが20歳までというと、もう大人なのではないかという感は持っています」
義家議員
「歴史上から見て、青少年の事件の質が変わっているんです。以前は反社会的行為で、だからこそ更生の余地があったんです。社会というものに抗って、目的をもって、憎しみをもって、怒りをもって、未熟な行為をしてしまう。しかし、現在は反社会的事件というよりも非社会的な事件。つまり、ただ殺したかった。殺すなら誰でもよかったとか、何かに抗って、何かをターゲットにして起こっている事件というよりはすごく現実と乖離した、行き当たりばったりの非社会性が蔓延しているわけです。少年法の議論をする時に、これまでの更生のプロセスで、本当に彼らを更生させることができるのか。私は、現在の仕組みではできないと思っています。だから、年齢云々を考える前に器をしっかり整える議論を総合的にしていかなければ大変なことになるだろうという危機感を持っています」
鳩山議員
「結局、私はコンピューター、パソコンであれ、携帯であれ、あれは人間の頭を悪くするわけです。バーチャルな世界ばかり知っちゃって、実社会とバーチャルの世界と区別がつかなくなると。だから、人間が車や電車に乗ることによって、足が退化する。メガネをかければ目が退化する。人間はどんどん文明の利器をつくり上げることによって、退化していくのだと。コンピューターをつくったことによって、ついに頭の脳の退化が始まった。その話を義家さんの話を聞いてふと思った。だから、情報だけは山のようにくる。しかし、自分でその情報を、数は多いのだけれど、うまく的確に頭の中で処理ができない。情報に頼る分だけ、パソコンに向きあっているだけ実体験は減る。だから、携帯のメールでは大胆なことを言えるけれども、実際には人と会うと話ができないという子供が増えているでしょう、実際に。大人にも多いのですがね。そんなことを考えると、18歳、19歳は昔より幼稚だよという話を聞くと、ちょっとドキッとする部分はあります」
反町キャスター
「そうすると、その部分においては、もしかしたら年齢を下げるということがどうなのだろうかという先ほどの選挙年齢や成人年齢と一緒という、いわゆる政策的な一致以外には積極的な理由はあまり感じられないということでもあるのですか?」
鳩山議員
「だから、すごく無責任な言い方をすれば、どこかで切らなければいけないのだったら、どちらでもいいですと。18歳でも、19歳でも、20歳でも、21歳でも。だけど、他を地均しするのだったら、18歳を超えたら、保護処分はなしで、全部刑事手続きに入るというので、問題はないんだろうなと思っているんですね」

少年法の実効性は
秋元キャスター
「ここから少年法の本来の目的としています、矯正や保護。これが機能しているかどうかということを聞いていきます。まずは少年犯罪の再犯率を見ていきたいと思うのですが、再犯率はこの10年で上がり続けています。少年法の矯正保護プログラムというのがあるにもかかわらずですけれども、まず義家さん、少年法の矯正保護プログラムはどういうことをやっていくところなのでしょうか?」
義家議員
「まず再犯率が増えている1つの理由に、薬物の蔓延があります。若者達の中で、薬物、ドラッグが蔓延していく中でどうしても習慣性、依存性がありますから、それが再犯増加の1つの原因になっていることは事実だと思います。そのうえで、まず事件を起こして補導をされた。すると、次に少年達は、どういうプロセスを辿るのかと言えば、家庭裁判所に呼ばれるまで待って、家庭裁判所の判断で、事件性、犯罪性が非常に強い場合は、鑑別所というところに、まず送致するんですね。よく鑑別所で更生できなかったという声を聞きますけれども、鑑別所というのは更生する場所ではありません。これは観察措置といって、少年法17条第2項で定められている観察措置で、この子の生活環境はどうなのか、あるいは家庭環境は、友人関係を含めて。あるいは学校に所属しているのか、していないのか等々を含めた、専門家達がトータルで矯正の可能性を分析し、また心理も分析し、期間としては2週間ですが、1回更新できますから、おおよそ事件を起こした子供達は約1か月間、この鑑別所というところで過ごすんです。鑑別所が家裁に鑑別結果通知というものを作成し、もう1度、家庭裁判所に送るわけです。その通知を受け、家庭裁判所が鑑別所のまま保護処分で帰すのか、あるいは少年院に行くのかということを分別するというんです。まずここの部分で、先ほど情報を歴史上1番持っているという話がありました。我々の子供の頃は、必ずアウトサイダーにいた子供達、先輩が鑑別所に入っていたり、先輩が少年院に入っていたりということで、聞くわけです。つまり、捕まったら何を言えばセーフなのか。どんなテストがあるのか。仮に鑑別所から保護観察ではなくて、少年院に行った場合はどういうことを言えば、特殊短期、つまり、短い期間で出てこられるかということまであったわけです。現在どうなのかと言ったら、もっと広範で情報が収集でき、行われる心理テストの内容までわかってしまうような状況ですから、その中でこれまでの観察措置、看護措置だけでは現在の子供達の実態についていけないというのが現状だと思います。特に、薬物も保護観察処分で地域に帰されても、保護司の方達が熱心にその子達に向き合っていくのですが、これは薬物の経験もなければ、つまり、薬物は愛情では治らないですから、対応しようもないという現状も起こっているわけです」
反町キャスター
「そうすると、鑑別所に入って、そこで様々な、いろいろなプロセスを経て、保護観察、つまり、少年院に行かなくていいよと、町に戻っていいですよと。その代わり、保護司と定期的に会ってくださいという、システムは事実上、何ら効果をあげていない?」
義家議員
「何ら効果がないという話ではないですけれども、少なくとも鑑別所に入った時、必ず言うべきこと、少年の中で。まず親には本当に感謝していて、申し訳なく思っている。もう1回、学校に行ってやり直したい。一切の言い訳をせずに、被害に遭った人達に謝りたい。これが3つの黄金原則。昔からそうです。つまり、家庭が受け入れる可能性があるかと言ったら、本人がこれで家庭に戻りたいと、感謝していると。親とともに、親孝行をしたいというものを理解してもらう必要がある。反省の気持ちがあるか、もう1回教育を受けるという気持ちがあるか。これを言うと結構、親が話を聞きますから、我々としては全力で進んでいきますと言ったら、保護処分になっちゃうんですね」
反町キャスター
「義家さんの言われた少年院、ないしは保護観察の効果については多少疑問符がつくという話は?」
鳩山議員
「疑問符がつきますよ。大いにつきますよ」

どう見る? 保護と罰
反町キャスター
「たとえば、少年犯罪が起きた時でも、それを少年院なり、保護観察にするのではなくて、もっと厳罰というより厳しいペナルティを科さないと、社会に戻った時に矯正ないしは復帰は難しいという前提に立たれるのですか?」
鳩山議員
「そう思います。それから、逆送はどんどんやればいいので、あの忌まわしい事件があった時に、あの時はまだ14歳まで下がっていなかったから、16歳までだったら、14歳は触法少年、法に触れた少年として扱うしかなかった。それが1つの契機となって、16歳を14歳に下げたのだと思うんだけれども、でも、治安は絶対に考えなければいけないから。犯罪を減らすということで」
義家議員
「私もこれは同感で、人の命を奪った人間は、それは更生では済まない話だと思うんです。つまり、更生で奪った命は帰らないですから。更生というよりは命を償うのは命でしかない。しかし、死刑だけではなくて、人生を含めて。つまり、自分の起こしてしまった、奪ってしまった命に対して、生涯をかけてどのように向き合っていくかということが私は科されると思っていて、少年だからどうするかこうするかではないと思います。一般の未熟な子供達が起こしてしまう社会行事としての少年犯罪と、凶悪な殺人とは次元が違う話で、現在の報道自体も少年が殊更守られて、被害者の詳細の方が殊更報道されてしまう状況というのは、被害側から見たら、非常に極めて歪んだ法律だと思います」

厳罰化進む少年法 少年犯罪の根源と抑止策は
水野教授
「死刑になるような、本当に凶悪な犯罪者、人非人と言われる犯罪者は100%、元被虐待児です。児童虐待は脳も変形させていきますので、できるだけ幼いうちに救出をしないと、大人になっちゃうと固まっちゃうと言って、児童相談所の人達は、非常に汗をかいていらっしゃるわけです。遅くとも小学校低学年までに救いたいと。それでも、児童相談所の体制は先進国の十数分の一ですし、プロではなくて素人がやっています。被虐待対応というのはプロでないとできないです。その親がどういう病理を持っているか。子共がどういう病理を持っているかというような。これは知識を持たないと対応できません。また、どんなに虐待していても、親子はむしろ虐待されている子の方が、親にしがみつきますので、それを引き離した時は精神的に血まみれ状態です。だから、普通の体だったら、まずICUに入れて、集中治療という状態にしなければいけない。だから、被虐待児を引き離した途端だと、他の先進国だとまともな大人がマンツーマンでついて、治療をするわけです。精神的な治療をすると。でも、日本は一時保護所に被虐待児が本当に…。昔の給費施設です。だから、健康に育っている子供達だけれど、お金が、親がなく、食事を与えてというような人員配置の時代の施設に引き離して入れるしかないので、そこで、そういう精神的に血まみれの被虐待児達はやられてきたことを周囲にやるという非常に悲惨な状態です。それに比べると、まだ児童自立支援施設は、昔の教護院ですけれども、見に行くと、ちょっと先に悪いことをやって、こちらに来た方が、あなた達に面倒を見てもらえたねという気がしてしまうぐらいで。本当に育てている家庭を助けてあげないといけないです。その時に、これまでも政治家の方が、児童虐待をするような親は町内引きまわしのうえ、獄門だと言っていまして、これは全然わかっていないと思ったのですが。むしろそういう親は支援を必要としているんです。助けを必要としている」
反町キャスター
「そういう親御さんに限って、相談員が行くと、うちは大丈夫だからと言って、電話には出ない。受け入れも視察も拒否するという」
水野教授
「そうです。ですから、そこを強制的に…」
反町キャスター
「警察力をもって、強制的にやっていくしかない?」
水野教授
「そうです」
反町キャスター
「ただ、水野さん、何と言ったらいいですか、話がエンドレスになってしまうんですよ、それだと。責任は?誰が悪いのかという、別に魔女狩りをしたいわけでも何でもないんだけれども、罪を犯した人は罰さなくてはいけない。罰するにしても矯正力、ちゃんとした矯正力、矯正するという、強制するではなくて。元に戻るというような、矯正する施設でちゃんと矯正しなくてはいけないけれど、矯正する機能がないのであれば、それをちゃんとどうするか。一方、被害者側の気持ちも考えたら、それなりのペナルティもやらなければならないだろうという、議論もある中で、やった人は、実はそんなにもともと悪い人ではなく、親がどうのこうのとやっていくと話がどんどんグルグルまわって、誰が悪いのか、どこで止めたらいいか。水野さんはいろんなところで問題を指摘される。僕は先ほどからずっと聞いていて思っているんですけれども、どこをまずいじるか。どこからまず問題を切っていったらいいか。具体的にはどこから止めていけばいいのですか?」
水野教授
「具体的には子供の育て方を、社会が介入して助けるということだと思います」
鳩山議員
「第一に親がしっかりしなければいけないということでしょう?」
水野教授
「でも…」
反町キャスター
「もう、そこで違うんですよ」
水野教授
「そうです。一定の割合で子供の育て方が下手な親がいるんです、どうしても。その育て方が下手な親にいくら説教をしても無理です」
反町キャスター
「民主党の社会が子供を育てる的な考え方と、自民党の自立自助みたいなところの、違いかもしれないですよね。社会がある程度、どこまで教育とかにコミットしていくのかという部分」
水野教授
「コストパフォーマンスだけでお考えになっても、そこで手を入れた方が遥かに社会にとって安くつく」
反町キャスター
「最終的に?」
水野教授
「最終的に安くつく」

選挙権年齢・成人年齢 18歳に与えるべき権利は
秋元キャスター
「選挙権年齢の引き下げについてはどのように考えていますか?」
鳩山議員
「これも私は20歳でいいとずっと思っていたけれども、憲法改正の国民投票は誰を当選させるとか落選させるという選挙ではないから、できるだけ幅広くしようというので18歳にしたらどうだという議論になっていったのだろうと思う。それを18歳にするんだったら、選挙権も18歳にしなければ整合性はとれないと、私はそう思っています」
.
反町キャスター
「横並びの理屈になっちゃうわけですか?」
鳩山議員
「だから、選挙権は18歳に引き下げるべきかどうですかと言われたら全然賛成していなかったですよね」
反町キャスター
「国民投票法をそもそも18歳にすること自体には反対だったのですか?」
鳩山議員
「20歳でいいんじゃないのと思ったんだけれど、皆が18歳と言うから合意してきたから。ならば18歳でもいいかと。非常に難しいですね、18歳というのは。現在3月ですけれど、現在の高校1年生が、来年参議院選挙があると4分1ぐらいが投票権を持つんですよね。すぐ2年になるでしょう。来年の参議院選挙は6月、7月、その時に3年生になるから、3年生になるということは18歳だから4分1ぐらいの人が選挙権を持つと」
反町キャスター
「党内で投票権、選挙権年齢の引き下げについてはどんな議論になっているのですか?」
義家議員
「この議論というのはポッと湧いた話ではなくて、第1安倍内閣で国民投票法がつくられて、その手続きの時から成人年齢は、少年法、そして投票年齢、これについての議論が行われたわけですけれども、その後、民主党政権がぱたっと閉じてしまい、いよいよ国民投票法が施行される段になって、さあ一緒にあわせるかと、あらためて出てきているのですが、民主主義国家において、政治に参画するということは極めて大きな責任だと思う。極めて大きい権利だし極めて大きな責任を負うと思っているんです。それが現在の18歳に負いきれるか。つまり、現在の幼児教育、初等教育、中等教育、高校までの教育では、主権者を育てるための教育が行われていないわけですね。つまり、主権者というのは責任を持って選択するということですが、与えられたものをこなすだけで高校3年生になるわけです。せいぜい選択できるのはアルバイト先か、あるいは進学する高校か、あるいは選択授業の履修かぐらいしか選択肢はないですよね。その中で、重要な選択を与えるならば、もう学生も含めてしっかりと変えて、18歳というものの線を決めるならば、そこに向けて主権者教育をしていく以外方法はないと思います」
水野教授
「フランスの本屋さんに行きますと、児童書の領域を見ると日本とすごく違うと思うところがあるんです。まず自然科学の絵本、人文科学の絵本があります、物語の。社会科学の絵本がいっぱいあるんです」
反町キャスター
「フランスには?」
水野教授
「それは私達の社会はどうできあがっているか、子供向けの絵本に民法の条文が出てくるんです」
反町キャスター
「子供は読むのですか、そんなの?」
水野教授
「だから、どう私達の社会は構築されているかということを教えている。それは…」
反町キャスター
「権利義務意識を子供に教える?」
水野教授
「権利義務と言いますよりも、むしろこういうことをしたいのだったら、こういうルートがあるとか、あるいはそれこそ裁判所の中で何が行われているのかとか、それからだいたい短い、高校生から上がってきた大学生達と法律の話をしますと、非常に単純なスローガンは覚えているんです。つまり、自由とか、平等とか、基本的人権というのはいいのですが、実際に我々の社会はすごくそれぞれ正統性を持っている、正義、矛盾する正義が複数あって、その間でどうやって複雑さに耐えて生きてくかというのが我々の社会の課題なわけですけれど、それを教えるのは他の法律なんですね。そういう法律で教わるような知識を子供のうちから教わって、絵本で、どういうふうにして対立する正義を協調させながら我々は共存していくか。どうやって権利を行使し、どうやって責任を果たしていくかということを、非常に具体的に法律が大きな法治国家ですから、法律が大きな力を持ちますけれども、そういう教育をする絵本がいっぱいあるんです」
反町キャスター
「有権者教育はこういうものでもあるのですか?」
義家議員
「フランスは移民政策をとってきましたから、様々な関心が高まっていると。一方、日本はどちらかというと牧歌的に過ごしてきて、現在、確実に過去のコミュニティ社会と現在の状況が違っている中で、どうするのか。厳密に言えば、投票所によっても違ってきますが、投票というのは自分が1票を投じるから、一緒に誰かがついてきてはいけない。身体的に動かないとか、特例の場合は認めると。私は通知だけでもできると思うんですけれど、本当にやるなら、投票所に子供達を連れて行くべきだと思います。親が主権者として1票を行使している姿を見せるんですよね。現在は入口で待っているわけです。親が本来、主権者ですけれど、親の世代の投票率が5割と言う中で、18歳にどんなことができるのだろうと」

権利・義務・責任 18歳成人で何が変わる?
秋元キャスター
「少年法の厳罰化の議論で、18歳を大人として扱って、厳罰化して責任を負うべきという意見もある一方で、18歳は責任を負えない。成熟していないという意見も多くなっています。18歳の若者に対する世論の矛盾、これはどう見ていますか?」
鳩山議員
「これは難しい、たとえば、成人年齢と考える場合に、いわゆる親の親権の元に守られている、自分だけでした契約は無効にできるというのが未成年の意味でしょう。これを18歳まで下げた場合にどうかと言うと、反対論の方が圧倒的に多いんですね。18歳、19歳はやっぱり親の親権の保護の元にあるべき、18歳、19歳は自分で契約なんかしたらインチキ商品買わされる、消費者として酷い目に遭うという意見が圧倒的ですね。社会はそう思っているのかなと思うと、ちょっと躊躇しちゃうんですね」
反町キャスター
「その意味で言うと、18歳という年齢をどう捉えるかという話で言うと、成熟していないけれど、責任を負わせるみたいな、このへんの整理というのをしないままで、たとえば、投票権、ないしは参政権、国民投票法でも結構ですし、刑罰でも結構です。安易に18という数字がもてあそばれているような、こんな印象を受けちゃうんですけれども、そこはどうですか?」
鳩山議員
「実際18歳にすると、世論も変わってくるのかなと思うんだよね。どこで線を引くのかは個人差があるわけだから、今回も妙なことやっているでしょう。これは18歳に成年年齢を下げたとしても、選挙権年齢を下げたとしても、裁判員は20歳からとか、それから、検察審査会の委員も20歳からだとか、何かいろいろ複雑なことを考えているんですね。だって、18歳で投票権を持ったら、裁判員も18歳からでいいと思うんだけれど、いろいろ考えていると。それで全部で法律が二百何十あるんですよね、青年が関係するのが。だいたい検討は済んでいるという感じ」
義家議員
「負えるわけがないと思いますよ、私。だって私も現実に18歳の教壇に立っていますけれども、彼らを大人としてというより、彼ら自身に大人としての自覚がそもそもないですね。そして人生に迷っている。この先、やりたいことも見つからない。どうしていいのかわからない。生活相談、進路相談を受けて向き合っているわけですね。つまり、未熟で教育を施してもらう側に存在しているわけです。ある意味で98%の進学はほぼ義務教育と同じような状況になっている中で、お前ら18歳になったから、大人だから、自分の責任だぞ、ということをリアルに接しているものとして、自信を持って言えるかと。私は言えないですね」
鳩山議員
「義家さんは、高校を卒業したら、大人と認めるわけ? 大学へ行くとか、仕事をするとか、選択するから?」
義家議員
「自分の判断ですよね。専門学校で学びたい。高等教育に、文系に行きたい、理系に行きたい。はやく就職し、自立したいというならば、19歳だと思いますし…」
反町キャスター
「勉強をしたいという人を受け入れる側として、この人達を見ていて、この人達を成人として認められるのかどうか?」
水野教授
「社会のフルメンバーシップを与えるということですよね。私は実質的な支援がどうあるかということが1番大事だと思っていて、言葉や観念というのはそれに比べると虚しいものだと思っています。でも、言葉も大切で、人間は言葉の奴隷で、観念の奴隷であると思います。元服したな、お前、と言われると大人になる。そういうところはあると思います」
反町キャスター
「18歳でも大丈夫?」
水野教授
「お前は大人になるんだと言われれば…」
鳩山議員
「多少は変わると思いますね。決めたら。ただ、義家さんの高校卒業というのも説得力があるよね。高校卒業したら、自分で進路を決めるから、19歳説というのはある」

鳩山邦夫 元法務大臣の提言:『18才にする すべての権利も義務も』
鳩山議員
「義家学説を聞いて19歳というのも1つの考え方だと思うけれども、18歳にすれば、どうせするのだったら全部揃えたらいいと。だから、裁判員だって、検察審査会の委員だって、18歳でいいんだと。酒もタバコも18歳でいいのかなという気もしないでもない」

義家弘介 自由民主党副幹事長の提言:『自覚と責任』
義家議員
「若者達を嘆くのではなくて、若者達と向き合っているものが、自分が主権者としての自覚があるのか。自分が次の世代への責任をしっかりと果たしているのか、だと思いますね。たとえば、18歳の子供達の声を政治に活かすとしたら、18歳の親達が子供の分まで想いを込めて一票を託していけばいいわけですけれども、親世代(の投票率)が50%という状況の中ではいかに年齢を切っても前には進んでいかないだろうなと。だからこそ自覚と責任を果たすという原点を、もう1回それぞれが考えるべきだと私は思います」

水野紀子 東北大学大学院法学研究科教授の提言:『次の次の人たちのために育児支援を』
水野教授
「明治民法を起草した穂積陳重の口癖だったらしいんです。『次の次の人たちのために』。そうして日本という国をつくった。次の次の人たちのために昔は社会の中に自然にあった育児支援が現在は失われています。育児支援を人工的に多量につくらないといけないと思います」