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2015年3月11日(水)
竹下復興相に聞く課題 被災者の本音と打開策

ゲスト

竹下亘
復興大臣 自由民主党衆議院議員(前半)
黄川田徹
元復興副大臣 民主党衆議院議員(後半)

東日本大震災から4年 なぜ進まない?住宅再建
秋元キャスター
「震災から4年を迎えた現在も、23万人が避難生活をおくっています。プレハブでつくられた応急仮設住宅に住んでいる方は8万0372人います。スピードが遅いと言われています住宅再建ですが、現状をどう見ていますか?」
竹下復興相
「被災地に行く度に遅いというお叱りを受けているのは事実です。23万人に近い方が避難生活をしている、8万人を超える方々が仮設住宅と。我々はこのことを真正面から受け止め、取り組まなければダメですと。これまでもともとの47万人が23万人まで減ったではないかというその理屈はダメです。4年間も避難生活をしている被災者の立場に立って物事を考えなければならない。ですから、遅いという意見は甘受したいと思います。しかし、それには我々も懸命にやっていますが、いろいろな理由があります。1つは、津波に浸かったところは危険地帯ですからもう住めないです。ですから、高台に新たな土地を見つけなければならない。しかし、リアス式で平地がないところは山を切らなければならない。そうなると、山の地主に許可を得ること、山を切ること、ようやく家が建ち始めるということで、阪神淡路の頃に比べますと、相当時間がかかっているということ。これが最大の理由です」
反町キャスター
「私権制限というものがありますが、現在になって思うと、私権制限をやればよかったという議論がありますが、どう思いますか?」
竹下復興相
「国会の中でもその議論はありまして、法律を一部変えまして、収用の仕方を変えて簡単にできるようにするとか、あるいは登記をするのに数か月かかるのに、2~3週間にするという事務手続きの簡素化によって何か月を稼ぐといったような、そういった対応もこれまでもやってきていますし、現実的に現在94%の高台の土地については工事が始まっております。間もなくできあがりますので家が建つピークになる。今年度いっぱいで1万戸くらいの災害公営住宅が建ちます。さらに、来年いっぱい、つまり、復興の最初の5年間ですよね。1万戸災害公営住宅が建ちます。さらに、1万個分の高台の土地が来年いっぱいで準備ができます。現在からまさに来年いっぱいで家が建つピークを今年、来年に迎えようとしているのが、現在の復興のステージであると思います」
反町キャスター
「私権制限をするべきかどうかは?」
竹下復興相
「だけど、憲法違反で訴えられたら国は勝てなかったでしょうね」

住宅再建 自治体の課題
秋元キャスター
「災害公営住宅の整備状況に地域によって差が出ていますが、どういうことでしょうか?」
竹下復興相
「三陸海岸みたいに山から急にリアス式でほとんど平地がないというところには山を切る、もしくは交渉から始めますので基本的に時間が掛かります。しかし、仙台平野のようにもともと丘陵地域のところは土地の手当が比較的はやくつく地域についてはスムーズにいくわけですので、そういう地理的な弊害が1つ大きくあります。それから、合意を形成するのに皆さん、苦労しているんですね。この地域は住宅街にしようと、あるいはこの地域は商業地域にしようという合意、どこの山を切るかという合意を住民の方々ができるだけ合意したうえで話を進めていかないといけませんので、その合意形成に時間がかかった。市町村によって合意の形成の手順なり、いろいろ政争の厳しい町もありますし、スムーズにいく町もありますし、そういった個々の事情、その違いが出てきたのではないかと思います」
反町キャスター
「地元の調整が最大のネックになっている。自分達の揉めごとが結果的に遅らせている要因になっているという見方になりますか?」
竹下復興相
「地元に全てを背負ってもらおうというつもりはありません。確かに、意見の集約に時間がかかった。これはたぶんどのような災害でも地元の合意なしにここを全部壊しますとか、ここに学校が建ちますよと市長や副市長の一存でできる話ではありませんから、地元と相談をしなければならない。それは一定の時間は必ずかかると言えると思います。それから、町そのものの機能が流された町も幾つかありますし、町の三役がいないとか、建設の作業に従事した人がいないとか、そういうところは被災直後どのように作業したらよいかわからないという状況ですから、現在トータルで言いますと、全国の市町村から応援部隊が2300人くらい入っています。それから、被災地の市町村も1300人くらい期限つきで、そういう特殊な技術をもった人を雇って、物事を消化しようとしていると。さらに、復興庁も何百人か支援を出しています。都市計画に長けたURという機構があるのですが、ここからも400人規模が現地に入って、家を建てたり、土地を区画整理したりする事業のお手伝いをしている。そうしなければ、1つの町で言いますと、50億円から100億円の小さな財政規模の町に500億円から1000億円の事業が毎年くるわけですから、消化しなければならない。それを現在の町の能力でやれと言われたらそれは無理ですね。ですから、外から応援体制を組んで一生懸命に支援をしながら進めているというのが実情です」

暮らし再建 不安と対策
秋元キャスター
「仮設住宅に住んでいる方達からは経済的な問題やコミュニティの問題、健康の問題なども高齢者には特に深刻だと思いますが」
竹下復興相
「生活が成り立つような環境をできるだけはやくつくらなければいけないというのが1つの側面ですね。もう1つは、コミュニティの側面ですが、4年も仮設に入っていますと、その中でお付きあいがあって良い人間関係ができているのでしょう。その人達がまとまって復興住宅に入るのであればわかりますが、復興住宅はまた市内何か所かに分かれていくと。仮設も幾つかに分かれて統合して、自分達の希望にできるだけあうところに応募して入ると。そうすると、また知らない人達と関わっていくと。田舎の強みは人と人との結びつきがしっかりとしていること。これはとても大事です。4年でできた人間関係をまた壊して新しいところに住むということは、特にお年寄りに抵抗感があることは事実だと思います。それから、経済的な理由ですが、復興住宅には家賃がかかります。現在の仮設は無料です。みなし仮設という、民間のアパートを借りて入っても無料なのですが、この家賃に対して、家賃がなぁという声もあります。ですから、相当安い、他のところでしたら、2万円くらいまでしかできないのですが、5000円くらいまで、所得の低い方には東日本大震災のエリアだけの特例を設けて対応しているところです」
秋元キャスター
「家賃の負担に対して、経済的な支援を行うことがあるのでしょうか?」
竹下復興相
「これ以上行うことはないと思いますね。ただし、本当に生活が厳しい方については相談員の方がついてまわっていまして、あなたの家庭では資産もない、生活保護を受けられたらどうですかという、今度は社会福祉の面での対応も考えなければならない課題だと思っています」
秋元キャスター
「支援の範囲、どこまで支援すればいいのか考えはありますか?」
竹下復興相
「1つは国が全て1つ1つの町村、あるいは1人1人の気持はわかりませんので、町村が元の場所に帰りたいと、この町に住み続けたいという人達の意向をしっかりと確認していただいて、それにあったように。たとえば、3000軒が必要だというのであれば3000軒をつくるお手伝いを国はします。だけど、それは動きますから。現在でもアンケートで聞きますと、帰りたいという人が3割、もう新しい場所で生活を始めたので帰らないという人が3割、まだ迷っている人が2割から3割。多くの町でそういう現象は起こっていますので、まず帰りたいという人達の数を確定し、迷っている人達1人1人に寄り添いながら、何人が帰っていただけるのかという。それによって何軒住宅を建てる用地を獲得するかということをやっていかなければならない。と言いますのも、我々のやっている復興支援は、原資は税金ですから、復興住宅をたくさんつくったけれども、空き家が出たというわけにはいかないですから、これは厳密にやってくれというように、各市町村に。これは復興庁、県ではわかりませんので、町村ごとにしっかりと被災された方の意向については把握し続けてくれと。それは動くから、その動きをしっかり把握してほしいとお願いしています」
反町キャスター
「結果的に過剰になる可能性もある、そのリスクについては?」
竹下復興相
「残念ながらリスクゼロとは言えません」

復興費一部地方負担の真意
秋元キャスター
「今後は復興への国の全額負担を見直すということですが」
竹下復興相
「基本的には極めて一部ではありますが、地方負担していただければいいなと思っています。ただし、被災地の皆様、地方の皆様に誤解のないようにお話しますと、復興の機関的な事業、たとえば、土地をつくる、復興住宅を建てるとか、防潮堤をつくるとか、これはこれまで通り全て国費で行います。それから、原子力事故に関係する地域の復興については、安倍総理も言っているように国が前面に立ってやるということになっていますので、この部分も全てこれまで通り国費でやるという、1番大きなほとんどの部分は国が直轄で行います。しかし、阪神淡路の時、あるいは中越地震の時も全ての事業に地方負担を入れて、つまり、私達の町は私達が考えて、つくるのだという自立の気持で物事をやってもらうのが地方の自治体の負担を入れるという大きな意味ですので、その心意気をどこかに示せれば良いなと思っているのが私の想いでありまして、議論を始める。総理も言っているように、丁寧に声を聞いたうえで議論をしようということでスタートしようと思っています」
反町キャスター
「皆さん、これについては反発しています。どうやって説得しますか?」
竹下復興相
「多くの方々から私自身も電話をいただきましたし、復興庁の方にも電話がかかってきたことも事実です。しかし、そこはしっかり議論をしなければいけない。全てを国費で持つとなると、財政の規律がゆるみかねない、現在ゆるんでいるとは言いませんが、ゆるみかねないという危惧がありますので、少しでも自己負担することによって財政の規律というものを各市町村にもってもらう。それと先ほどお話したように自立するんだと、各市町村が自分達のことは自分達が決めるのだということを、その気概を自己負担という形で、どこかで示してほしいと私は考えているのですが」
反町キャスター
「実質的な負担減を求めているのか? 心意気なのか?」
竹下復興相
「私の考えとしては心意気の方のウェイトが大きいです。それは議論をする中で数十億、数百億というものが救われるということが出てくるかもしれない、だけど、一千億という単位ではありえないという話ですから、どちらかと言うと気合、心意気を示してほしい。自分のことは自分が考えるから、その責任を俺たちも負わせてくれという気概を示していただきたい。ただ、我々復興庁の立場というのは2つありまして、1つは、安倍総理から指示を受けていますが、被災者の気持に寄り添う形で復興をしてくださいということと、国の財政状況を考えて原資は税金であると。だから、無駄にはできないんだよと、一見相反するようなことを両立させていかなければならないと。ですから、叱られても心意気を示してくれということは、私は言わざるを得ないと思っています」
秋元キャスター
「自治体によって多少バラつきが出てしまっても、それは心意気だと」
竹下復興相
「できない自治体もあるのではないかと思いますが、これからの議論ですので、それぞれの自治体と我々は丁寧に話しますし、安倍総理も丁寧に話してから検討してくださいと言っていますので、議論はこれからだと。しかし、何も議論しないでこれまでと同じようにやるということとは違います、ということは総理も匂わせていますし、私はもともとそうしないといけないと思っていた1人ですから、そういう方向で議論していきたいと思っています」

竹下亘 復興大臣の提言:『自立』
竹下復興相
「被災者1人1人の人生なので、自立していただくということが1番の目的であると我々は考えていますので、復興のステージは1人1人に自立していただくためには何ができるか、何をしなければならないか、これが復興庁の役割です。また、市町村についても先ほどお話したように自立するという強い気持をもっていただきたいと。いつも国に頼っているという状況から抜け出していただきたい。私も田舎者ですが、田舎は国が何もしてくれないからだと言いがちですが、そうでない町も日本中にたくさんあるんですよ。私の故郷にもあるのですが、そういう自立を是非していただく。町村も自立していく。もちろん、1人1人も自立していただくことが復興の目的であるというように考えています」

住宅再建の現状と課題
秋元キャスター
「復興住宅の遅れとか、この現状をどう見ていますか?」
黄川田議員
「発災直後に、まあ2か月ぐらいで全て整備するという話だったんですけども、いずれ建設しなければいけない戸数が、あまりにも多いと言いますか、そうすると、まず土地の確保となりますよね。そうすると、公有地でまとまった土地はどこにあるかとなると、学校の校庭であるとか、グランドであるとかということになりますよね。隣町の気仙沼では、自分達で公有地を調達できずに、私は陸前高田で、宮城と岩手の堺のところで、岩手の一関市というところに、気仙沼の応急仮設住宅をつくったということですよ。現在は応急仮設ではなくて、公営住宅の方ですよね。公営住宅の関係は、同じように土地を確保するというところ、この部分で、阪神淡路の場合は瓦礫を処理すれば、その場所にどんどん商店街もつくれたし、住宅も再現できたんだけれど、浸水区域には建てられないということになると、そうすると、土地を確保する、用地を取得するだけではなく、高台をつくらなければいけないと。そこに建設しなければいけない。発災直後は、皆、被災者一緒でしたよ。持ち家の人は住宅再建しなければいけないとか、あるいは家の山もあるし、それを利活用する中で復興していこうという話だったんだけれども、民間デベロッパーの方々の開発もあったりして、公共用地で売るよりも、民間の方が、土地が高いとか、用地の関係ではいろんな困難を極めたんですよね。だから、発災直後と建設段階になっていく現在、まさに復興公営住宅は2割ぐらいはできているんですけれども、今年、来年が1番建設ラッシュと言いますか、入居ラッシュになると思うんですけれどね。その部分で土地の確保が結果として長引いた原因ではないかと思うんですね」
反町キャスター
「言葉が悪いですけれど、それは現在の話だと、国に頼るのがいいのか、民間デベロッパーか、どちらがいいのかということで、皆、そこでお金の感覚出がてきたという理解になりますか?」
黄川田議員
「その部分もあるけれども、全てがそうではないですが、と言うのは、自らの住宅再建であるとか、資金とか、いろいろ関わるわけですよ。たとえば、防災集団移転で移る時も、前の土地を役所に買っていただいて、新しい土地を取得しなければいけないわけですよね。土地は取得できるけれども、住宅の部分はどうするんだ。ローンを組んで借りられればいいけれども、土地区画整理事業ありますよね。これは土地の価値が高まるということで、立派な道路ができる、上下水道ができるということで、前の100坪あったのが、たとえば、80坪になって関知されると、あなたの土地ですよと、でも、土地はもとあった土地がちょっと減るけれども、土地はあると。建てる資金はどうなのか。もちろん、生活再建支援金100万円、それから、加算金200万円と、取り崩し型の基金というものをつくりまして、それで市町村、あるいは県、だいたいどこも100万円ぐらいずつ支援するということで、100万円ずつで500万円ぐらいになると。ところが、現在、資材の高騰。だから、50坪の家を建てるとしますよね、たとえば、50万円で坪できたという時には2500万円になりますよね。これが50万円が70万円になったら、坪20万円でしょう。1000万円でしょう。だから、せっかくの支援の500万円が消えてしまうと。そういう状況もあるわけですよね」
反町キャスター
「仮設に住んでいる方々の間の格差というのが深刻になっている?」
黄川田議員
「そうですね。たとえば、復興に関する地域格差。岩手と宮城では、地震と津波は時間をかければ、解決する部分もある。では、福島はどうなのか。津波被害の岩手、宮城でも、三陸海岸の平場がないところ、土地の造成、高台をどこに確保するのかというのが難儀しているところ、たとえば、仙台であれば、名取であるとか、岩沼であるとか、平場のところは比較的に復興計画に基づいた進捗になっている。そこでも被災地の格差がある。被災者1人1人は避難が長引くにつれて、さらに、格差が拡大しまっているというところがありますよね。格差の縮図が仮設にあると」

新生活への不安と対応策
秋元キャスター
「今後、仮設住宅から復興住宅へ移り住む方が増えるかと思うのですが、新しい生活を始めるにあたって不安に思っていることにはどういうことがあるのすか?」
黄川田議員
「現在仮設の平均して4分の1ぐらい空き家が出たということだと思います。2割から3割退居できたということで、これから公営住宅なり、住宅再建の動き、本格的な動きが始まるわけですけれども、特に公営住宅に入る方々、残念ながら土地の確保が十分でないために高層の復興住宅になるわけですね。私の町で1番高いところは5階建の建物ですよね。結局7階、8階のマンション暮らし、アパート暮らしをしたことない人達ですよ。一軒家の方々ですから。在来工法だとドアではなくて、引き戸で皆入口ですよね。だから、入りやすいというか、自分のお新香ができたので食べないかとか、うちでとれたワカメがあるからどうだとか、この間、地元の親戚が山から山菜を採ってきたからどうだとか、皆やりとりあるわけですよね。ところが、鍵を預けられ、マンション暮らしになると隣近所の行ったり、来たりというのがなかなか物理的にしにくくなる。まして7階、6階、5階、4階とフロアが違うと、これがまた別の世界に見えてくるわけですよね。これまで住んでいた仮設、あるいはもともと住んでいた一戸建ての家のお付きあいの仕方と比較したらね。ですから、本当にこれまでのコミュニティが、発災直後に体育館とか、あるいはまた学校で、1週間、2週間、1か月ぐらい、皆で暮らして皆でがんばろうというコミュニティがあったと。応急仮設に移って、また新たなコミュニティをつくらなければいけないと。さらに、今度公営住宅でどうやってコミュニティをつくっていくのか。そうすると、風通しのいいコミュニティになっていたらいいんだけれども、もともと田舎ですから風通しがいいんだけれど、施設の中には集会所みたいなのもつくっているんだけれど、なかなか私からすると鍵があって、ドアがあるという生活は、孤立させるようなところがあるので、現在でもNPOの方々が支援相談員ということで応急仮設をまわっているのですが、この部分については本当に心が折れないようにせっかく新しい住まいを得たのであるから、そこで十分元気に暮らせるように自立をしっかりさせるための施策支援は引き続き必要だと思っています」
反町キャスター
「若い世代、子供がいるところは流出が止まらないと思っていいのですか?」
黄川田議員
「どちらかというと、住宅再建できるのは、若い人がいて、3世代で暮らせるとか、あるいは自己資金だけでは足ないのでローンを組むと。ローンを組むためには若い世代と一緒に住むであるとか。現在、公営住宅を待っている方々は年金生活者であったり、高齢者世帯であったり、経済的に大変な人達が多いわけですよね。経済的に大変でない人は1年後、2年後に独自で土地をみつけて、住宅再建していますからね」

被災地の産業と雇用
反町キャスター
「仕事はないのですか?雇用はどういう状況なのですか?」
黄川田議員
「これからワカメの刈り取り時期ですよね。ワカメの芯抜きと言って真ん中を抜く作業があるんです。そういう作業にお年を召していても仕事ができますから、それはそれであるのですが、本当の意味での雇用の場、たとえば、水産加工場の7割、8割は、復興したところもあるのですが、実は設備も十分な設備だけど、十二分に稼動していないという部分もあるわけですよね。それは働く人達が集まってくれないと。仕事がないのかというのではなくて、現在まさに復興の真っ只中で、建設関係の仕事がいいわけですよ。ですから、それは長くは続かないのははっきりしていますよね、復興特需ですから。持続的に何で飯を食ってきたかと言えば、三大漁場の1つの三陸沖で、海の恵みをいただいて食べてきたんですから、そこの部分の持続可能な産業をしっかりと確立していかないと、本当の意味での雇用の場にならないわけですよね」
反町キャラクター
「復興特需が続く限りは、魚をさばく仕事よりも、工事をやっていた方が給料はいい?」
黄川田議員
「ただし、復興特需は少なくともあと2年でしょう」
反町キャスター
「復興をやることによって地場産業が育たないという状況にあるということですか?」
黄川田議員
「もともと水産関係では外国人の労働者が来ていますし、被災している岩手、宮城、南三陸でも女川でも海の町ですから、そういう工場はたくさんありますので、それの、今後特別に枠を拡大するとか、いろいろな仕組みができているんですけれども、それがなかなかうまく進んでいないところもあるんですよね」

復興庁の取り組みと役割
秋元キャスター
「新しい東北の創造について、イメージ通りになっているのでしょうか?」
黄川田議員
「復興庁をつくったということは、20年前の阪神淡路大震災で各省庁が連携しながら復興しようということで始まったんだけれども、これは大変なことだと。とても阪神淡路の制度設計では復興を成し遂げられないということで、それで関東大震災の時に後藤新平が復興省をつくったと。私も岩手の人間なものですから、水沢出身の後藤新平に習って、司令塔と言いますか、まとめるところ、交通整理するところ、指導的立場を持つということで、1年遅れだったけれども、復興庁をつくったと。権限は、実は各省庁よりも、格が上なはずですよ。勧告権もある。しかしながら、個別具体の事業の進捗になってくると、個別具体は各省庁だということの中で、なかなかその力を発揮できずにきたところはまあまああるかと思います。しかしながら、この集中復興期間5年。その展開の中で、単なる復旧に終わった震災の後始末かと、こういうことではダメだと思うんですよね。そういう中での新しい東北の創造だと思うんですけれども、現状認識としての10年後、20年後を先取りしたと。日本全国の中山間地、辺地、過疎地の中ではこういう状況があるんだよと。その中でどうやって持続的な自治体を構築していくんだと。そこで政府の石破さんも、まち・ひと・しごとという形の中でやっているんでしょうけれども、花火は大きいのが上がっているんだけれども、一過性の花火でドンと終わるのかと。復興はこれからが本当の復興でありますので、花火をドンドン上げるのではなくて、この目的に、来年はここまでいった、次の年はここまでいったと被災地が復興を実感できる、新しい東北を実感できる、そういう、より具体的な政策を提示していかないと、かけ声倒れになるのではないかと心配しています」

黄川田徹 元復興副大臣の提言:『集中復興期間後の財源の制度設計』
黄川田議員
「住宅再建もこれからという時に、本当はこれから生業、それから商店街の振興、持続的にこの町をどうやって支えていくかという大事な仕事があるわけですよね。これまでは復興特別交付税であるとか、地方への負担はゼロだったんです、震災復旧復興に関わっては。ですから、このあとの5年をどうするのかという財源の制度設計が見えてこないと、本当の意味で復興の肝心な仕事ができなくなるのではないかという、そういう恐れがあるわけですよね。私の地元の陸前高田市は平時の時、普通の年であれば100億円ぐらいの予算ですよ。現在まさに今年もそうですが、昨年も一昨年も1000億円を超す予算ですよ。10倍の予算ですよ。自前の財源はどれぐらいかというと15億円から20億円です。市税、固定資産税も含めて。市民税等々で。ですから、100億円の時の20億円であれば、2割自治と言いますか、1000億円の20億円というのはどうなのか。たとえば、単純なことで、竹下さんにこんなことを言ったら怒られるかもしれないけれども、1000億円に対して1割負担となった時、100億円でしょう。100億円というのは、平時の予算でしょう。自前調達ですよという話になったら、とても本当の意味で、未来の東北をつくるんだという、そういう復興の仕事もできなくなるわけですよね。もちろん、体力のある政令指定都市の仙台市とか、これはまた別個というところは私も思っていますよ。しかしながら、被災地、過疎地とか、中山間地のところが多いですと。いわゆる役所言葉で言えば、財政力指数の0.18だとか、0.23とか、そういうところの部分の配慮は、絶対に必要だと。でなければ、本当の復興は終わらないということ。そういう意味で、この制度設計をしっかりやりなさいということ」
反町キャスター
「視聴者からの質問ですが、復興住宅に入るのは難しいのですか?」
黄川田議員
「連帯保証人をつけなさいとかね。一般の公営住宅の入居基準みたいな形でできているのですが、ただし、個別具体の部分では自治体も丁寧に相談を受けているはずでありますから、その部分は単なる通知1本でダメだということではなくて、ご相談していただければいいと思います。事情によってはそれなりの対応はありますし、それは政府も自治体にお示ししていますので」