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2015年2月6日(金)
人質殺害と日本と中東 駐日大使語るシナリオ

ゲスト

アフメド・ビュレント・メリチ
駐日トルコ共和国大使
ワリード・アリ・シアム
駐日パレスチナ常駐総代表部大使
佐藤正久
自由民主党国防部会長 参議院議員
元イラク復興業務支援初代隊長
飯島勲
内閣官房参与

トルコ・パレスチナ両大使に聞く トルコ政府の対応は
遠藤キャスター
「一昨日、共同通信の単独会見でトルコのチャヴショール外相が今回の日本人人質事件でのトルコ政府の対応として『信頼できる仲介者を通じ、“イスラム国”に繰り返しメッセージを送った。人質の日本人とヨルダン軍パイロットの解放に向けてできる限りの努力をし、あらゆる協力を行ったが実らなかった。トルコの情報機関は、日本人の人質の拘束場所を特定し、全て日本の政府に情報提供していた。“イスラム国”は残虐なテロ組織だ。話し合いができる正式な政府でもなければ、きちんとした指導者もいない』と。このように単独会見で語ったわけですけれども、メリチ大使、トルコ政府としては水面下で解放に向けていたということが事実であるということでよろしいのでしょうか?」
メリチ大使
「この組織ですけれども、トルコに対しても脅威です。この組織はトルコのすぐ傍にある組織です。ですので、トルコは押さえ込もうと、管理しようとしているわけです。対話のチャネルは置いています。対話のチャネルは残しておかなければなりません。このテロ組織との間でです。と言うのは、トルコ市民が“イスラム国”の武装する組織の管轄下にいます。トルコ人社会もありますし、またトルコの資産もある地域を管理しています。ですので、ご記憶かもしれませんが、6か月前のことですけれども、トルコ総領事、モスルに49人のトルコ人外交官がいて、この総領事館が押さえられて人質になったということがありました。ですから、トルコ政府は非常に一生懸命に、この外交団が人質になったのを解放する努力を重ねたのです。ですので、私達は対話を続けています、この組織との間で。一方においては、トルコは連帯を、国際社会と共に、有志連合と共にして、ダーイシュと私達が呼ぶところと対峙しています。トルコは国際社会の連帯と共にあります」
佐藤議員
「トルコとの関係では、最初に安倍総理が大統領に電話し、殺害ビデオが公開されたあともお礼の電話をしたとか、非常に良い関係で今回いろんなパイプを使いながらやっていただいたと思いますし、実際にヨルダンの方に本部は置いたものの、湯川さんのことがあってから、何人も出張するという形で、トルコ語ができる方をトルコの方に派遣してと。いろんな関係で調整をしていたという事実はあったと思います。ただ、非常に、トルコの外務大臣の発言の中で、情報について述べられていますよね。これは極めて異例で、私は本当かなという疑問を持つぐらい。私も中東にいて、情報関係に携わりましたが、自分がこういう情報を持っていたとか、場所を特定したと普通は言いませんから、言ってしまったら情報がきませんから」
反町キャスター
「それだけ(パイプが)太いということではないのですか?」
佐藤議員
「いや、わかりません。普通は言わないです。外務大臣が国会で聞かれましたけれども、一切答えない。これは答えてしまうと、パイプが切れてしまいますから、非常に、この発言というのは、単独会見ですから、どういうやりとりがあったのかというのはもう少し聞いてみないとわからないのかなと」
反町キャスター
「飯島さん、このトルコと“イスラム国”の関係をどう見ますか?」
飯島氏
「これはありがたかった。率直に言って。昨年から、トルコ政府は人質に対して協力的にやっていた。安倍総理は昨年、この関係の危機管理所を設置したと言って、信じない野党の議員もいますが、信じていただきたい。私の知っている範囲で、10月の10日頃に、イスタンブールにも行きました。既にその時に、人質に対する、あれを福田総領事が官邸、外務省次官からも指示があったのでしょう。相当、多面にわたって努力をしたことは事実。同時に、日本政府に報告したかどうかというのはわかりませんが、私のインテリジェンスでは、外務大臣が言ったことは事実だと、私は個人的に感じています」

中東社会から見た“イスラム国”
反町キャスター
「トルコの外務大臣が日本のメディアに対して、後藤さんがどこに拘束されているのかまで、ちゃんとトルコはわかっていて、場所まで日本政府に伝えていたという話が出ました。大使も細かいことは言えないけれども、そのような事実は本当ですと話をされました。たとえば、トルコが後藤さんをどこに隠して、拘束しているのかということを知っていたと現在大っぴらにすることは、国際的なインテリジェンスのルールにおいては許されることなのですか?」
飯島氏
「いや、佐藤先生が言う通り、言っちゃダメですよ」
反町キャスター
「どうしてトルコは今回それを言ったのか。トルコの心はどういうことなのですか?」
飯島氏
「これはもう簡単。全部、本部があったヨルダン、ヨルダン、ヨルダン。トルコも相当やったと思う。それに対して血がのぼったのでしょう。普通、単独の記者の会見で言わないでしょう。それはなぜかと言ったら、トルコもうんとやったということでざっと裏返しの、私の知っている範囲では公表していいのかアレなのですが、エルドアンさんの息子さんが、奥さんと子供2人を連れて、うんとやったと表わすんですよ、性格的に。それで、東京に来て、今日あたり関西かどこか行ったのではないですかね。口が堅い大使だから教えてくれないけれども。そういう状態。本当に残念ながら、結果がアレだけれど、それぞれの国のやったという思いがすごくあったと思うんです。だから、深い意味はないと思う」
反町キャスター
「それだけ一生懸命にやったということ。つまり、これぐらいの情報、これぐらいのことまでをリークしても、“イスラム国”に入っているトルコのネットワークというのは揺らぐものでは全然ないぐらいに、“イスラム国”とトルコは深くつながっている?深くとは悪い意味ではなくて」
飯島氏
「つながっている。ただ、私から言わせれば、外務大臣はただの政治家ですよ。情報長官、トルコのハカンが言ったら問題ですよ。情報長官はイエスもノーも言わないんだから」
反町キャスター
「これは外務大臣の言った話ですからね」
飯島氏
「外務大臣が言ったんですから」
反町キャスター
「トルコは国際社会の一員として、“イスラム国”と対峙する一方で、“イスラム国”と非常にある意味、近いチャンネルを持っている。ある方に言わせると、トルコは“イスラム国”に対して資金や武器や人員の供給の便宜をはかって、様々な意味において“イスラム国”をサポートする役割も果たしているという話もあります。そのトルコと“イスラム国”の関係というのは、敵でもあり、なおかつ利用すべき対象でもある。ここの部分は、どう説明していただけますか?」
メリチ大使
「私達はISILという組織そのものの存在にはまったく反対です。イデオロギーについて、また、政治的な思想、存在自体を私どもは認めていません。一方で、私達は対話のチャンネルは残していかなければいけないと考えています。なぜかというと、私達の市民がその地域にいるからです。そして、また、トルコ民族のコミュニティも国の中にあります。また、私どもが持っている資産もあり、それは守らなければいけないのです。ですから、こうしたコミュニケーションのチャンネルは残しておくということは重要です。しかし、政治的にそうした友好関係になるわけではもちろん、ありません。トルコもまた、国際的な、こうした空爆に積極的に参加をしているわけではありませんが、それでも、私どもはこうしたテロ行為を徹底的に糾弾しています。反対だという立場、非常に距離を持つことは言っておきたいと思います。今回も非常に悲劇的な事件に関して、日本の2名の市民の方々が貴重な命を落とされました。そのことに関しては、私どもは徹底的に糾弾したいと思います」
反町キャスター
「トルコのメリチ大使から、トルコは“イスラム国”を警戒しながらも何かあった時のためにチャンネルをつないでおかなくてはいけない、対話のチャンネルは絶対に必要だと。それはトルコの国民の安全とか、国益を守ることだと。けれども、国としては“イスラム国”を認めていないけれども、そういう立場もあるので、空爆には参加しない。トルコの“イスラム国”に対する微妙なスタンスというものを聞いていて、だからこそ今回、どこに後藤さんが拘束をされているのかまでわかって、それを日本政府に伝えられたという話だと思うんですけれども、非常にしたたかなトルコのスタンス、外交。佐藤さんはどう感じますか?」
佐藤議員
「トルコは歴史があり、オスマントルコの時代からずっとそういう地域で覇権を持ったり、いろんな関係を持ってきた国ですよね。そういうものについて、我々日本は島国ですから、なかなかピンとこないかもしれませんけれども、ヨルダンだって、まさに、いろんな全方位外交的な、アラブでありながら、イスラエルとの関係やアメリカの関係、いろんなことを皆したたかにやらないと、外交というのは生き残れないというのがあるんですよね。今回トルコがいろんなチャンネルを持っているというのは当然の話かと、私は思いますし、日本もいろんな面でこれから、在留邦人をいかに保護をするかという時に、真剣に情報チャンネルを、これから構築するというところにもしも一歩踏み出すならば、相当な資源が、人も含めて、必要になりますよ。そういう時はまさにこういうテーブルの上の世界と、アンダーテーブルの世界とか、いろんなことをやらないとそれは向こうへ、ある意味の、鍵括弧付きの信頼関係は無理だと思います」
反町キャスター
「シアムさんはトルコの“イスラム国”とチャンネルをつなぎながらも批判する。でも、空爆に参加しないという、こういうトルコの外交姿勢をどう見ていますか?トルコの国益を守るために機能していると思いますか?」
シアム大使
「トルコはイスラム教の国家ですね。トルコというのはこの地域の一部でもありますし、また、非常に重要なパートナーですね。この地域の中東において、トルコはやらなければならないことはやらねばならないということですね。非常に他のアラブ諸国、イスラム諸国から尊敬されています。それぞれの国にはそれぞれの政策があります。まず、第1には自分の国を守るということ。それから外交政策。どうやって他の国と協力をしていくのかということですね。ですから、トルコのこの立場、これまでの問題に対する態度は尊重します。トルコの政府、トルコの国民というのは、非常に現在、厳しい時代ですね。国境にはテロリストが迫っている。私達は皆で団結してトルコを助けなければなりませんし、他の国も助けねばなりません」
反町キャスター
「飯島さん、トルコのスタンスの取り方をどう見ていますか?」
飯島氏
「素晴らしいと思います。これはパレスチナも同じです。たとえば、クルド族と、国家が成立すれば、自治権を認めるという合意までしていながら、30年間戦争もしてきたんです。そして、いわゆるクルド族のトップの議長を、イスタンブールに近いマルマラ海という海がある。そこのところのイムラル島に刑務所があるんです、小さな島に。そこに、ずっと収監していながら、近頃は自由にクルド族やいろんな関係者が会えるようになっている。一方で、やるべきことはやっている。いろんなそういう、先ほど大使が言ったような状態で、チャンネルをいっぱい持って確か11の国と国境線がつながっている複雑な位置づけの地政学的な場所である。だから、私はまったくおかしくない。たとえば、一言飛び越えて言うと、パレスチナとイスラエル。ガザ地区で相当やりあっています。ところが、調べていくと、私のインテリジェンスだと、ガザ地区に4万人の公務員がいる。自治政府は給料が払えない。その給料はどこから払っているかと言ったら、ガザ地区に入る間接税とかを、イスラエルが徴収している。それでアッバス政府の方に渡して、それから、給料を払っている。にもかかわらず、喧嘩をしている。同時に、イスラエルの中で見るとパレスチナ人の国会議員がいるんです。私がパレスチナに行く時、イスラエルから入って、イスラエルから出る。ところが、新聞を見ると今日も戦っている。こういう複雑な表裏があるんですね。私はだからまったくこのアレというのは、一般人から見ると、どうなっているのだか、よくわからないというのが、イスラムのそれぞれの国の特徴だと言いたいんですよ」
反町キャスター
「こういうしたたかなスタンスを、日本はできるのか、できないのか。何か参考にできるのか。たとえば、“イスラム国”はけしからんと。じゃあ、空爆参加だと。とことん行くぞという、こういう選択肢ももちろんありますし、トルコのように、空爆には参加しない。国際社会とは連携し、“イスラム国”は批判するけれども、自国の国民の命や権益を守るためにパイプをつくるという、それはもちろん、地理的な関係もありますよ。けれども、たとえば、日本が様々な事象に対応する時に、白黒はっきりさせる立場をとるのか、敢えて中立のぼやかした、曖昧な立場をとることが、日本の国益や国民の命を守ることになるのかどうかという、このへんの議論はどうですか?」
佐藤議員
「非常に大事なポイントで、まさに現在の日本、中東において、今言われた、曖昧なスタンスをとってきた。私がイラクに行った時は、一部うがった見方をする人からはズルイと言われた。遅く来てきれいな仕事しかしないと、人道支援。実際、先に行って、歩兵部隊を展開した人間はイラクの方から疎まれ、攻撃をされ、また、犠牲も出ていると。それは彼らからすると、それはそれでいいんだと。そういう役割として。日本はそういうきれいな、汚れていない、そういう手でいろんな支援をしてもらえればいいという大きな面の役割分担もあったかもしれない。そういう面で、日本というのはそういう他と違って非軍事的な分野をずっと追求した、曖昧なところで生きてきたんですよね。そういう面においては現在トルコがとっている立ち位置というのは、まさに国際社会の中で、連帯するという中で、どこまで日本が汗をかくかという時には非常に参考になる分野だと思います。ある時は自衛隊が出た方がいい場合もあれば、ある時は国際機関を使った人道支援の方がいい場合もある。そこをうまく組み合わせていかないと日本の国益は守れないと思いますよ」

ヨルダン政府の対応は
遠藤キャスター
「アラブ地域は今回の人質事件に対するヨルダン政府の対応をどう見ていますか?」
シアム大使
「ビデオを見れば、パイロットに何が行われたか、ということを見た場合、これは断交です。イスラムの教えにまったく反しています。イスラムの教えにはこうあります、何かの戦争があって捕虜を捕らえたとしたら、捕虜に対してはイスラムの方針を教えなさい、釈放しなさいと言われています。つまりは許しを教えるということです。捕虜を燃やす、焼殺するなどという行為自体はイスラムでまったく受け入れることができないということです。この問題をもう少し見てみると、悪魔のようなテロリスト、中東で悪行を行ったというだけでなく、中東の多くの問題、過去100年にわたる問題というものの、ある意味パレスチナの占領などの問題を含めたいろいろな問題がそこに集結していると思うんです。パレスチナは独立する、また、イスラエルの聖地も占領してというような紛争がありました。そうした背景を理解しないと、中東におけるこの過激派の台頭というものを理解できないというのが実情です」
佐藤議員
「中東和平というのは世界的には外交の1丁目1番地と言われる。まさにそういう面では大使が言ったように、いろんな問題ありますけれども、中東和平問題というのが今回の問題の1つのコアであることは間違いないと思います。一方、アルカイダがこういう形で、オサマ・ビン・ラディンがアメリカに叩かれたあと細胞的に分散しましたよね。そういう時に今回、特に権力の空白地帯というところにそういう過激派が巣を食いやすい。たとえば、イラクであればイラク北部。シリアにおいてはシリアの北部というのはどちらかというと政権によっては権力の空白地帯が生まれやすい。これがイエメンとか、シナイ半島の一部にもあるのでしょう。そういう権力の空白地帯は、特にジャスミン革命以降、特にいろんな面で民主化の流れがきた時に、しっかり統治がうまくいかなかければ、空白地帯ができる。そこにそういうアルカイダ系、あるいは細胞がどんどん巣食い、1番大きく広がり、根を生やしたのが、まさに今回のISILが展開したイラク北部、シリア北部ということが言えると。私もイラクに行った時に感じていたのは、サマワという南にいました。このクルド人の近くというところはどちらかというとグレーゾーン的なところです。同様にシリアの北部もクルド人がいて、グレーゾーンがあると。そういうところに、クルド人とクルド―シリア中央政府、あるいはイラク中央政府との境目にうまく入り込んだというところも今回の1つの側面として忘れてはいけないところかなと思っています」

中東“報復”連鎖拡大の影響
反町キャスター
「報復、応酬が続いていくことしかないのか。力に対する力、憎しみに対する憎しみ、そういう形の決着しかないのか、どう見たらいいのですか?」
シアム大使
「イスラエル、パレスチナの間で起こっていることと、シリア、イラクで起きている事には違いがあると思うんです。ヨルダン1国で行っていることではありません。アメリカ、フランス、オーストラリア、英国、アラブの諸国が共同して行っていることです。ですから、これは各国が協調した報復です。テロリストに対して報復する権利を持っていると思います。協調し、同盟結んでいる諸国の間でそうしたことをする権利があるでしょう」
反町キャスター
「それで解決するのですか?」
シアム大使
「解決策は攻撃することだけではないと思います。考えなければいけない。問題の中核を捉えるということでしょう。たとえば、経済的な発展。日本には日本の役割があるでしょう。パレスチナの経済の発展を支える、これは中東諸国も感謝します。日本は非常に重要なパートナーだと考えています。これは何かの仕返しをしているのではないのだと考えます。純粋な善意から行っていることだということを皆が理解すれば、平和につながります。2番目は、破壊されたところの再興も必要です。シリアやイラクは破壊が相次いでいます。人々は、トルコの国境、レバノンや他の国の国境で難民となっています。もちろん、テロリストの掃討も必要ですが、破壊された地域を再興して、人々をそこに戻して再教育をすることも必要です。インフラの再構築も必要でしょう。ですから、これは各国と協調して行っていかなければいけない、1国ではできないと思います。日本の協力も必要でしょう。アメリカとか、イスラム圏の国の協力も必要だと思います」
メリチ大使
「中東は確かに紛争のるつぼのようだ。そういう地域です。第一次世界大戦でそれが解消されたかのように一時は見えた部分もあります。中東におけるコアの問題というのをもしこの地域に平和をもたらしたいと思ったら、解決しなければいけません。1つ必要なのはこの地域の民主化が必要だと思うんです。何よりも民主的な体制というのがそこになければいけないでしょう。アラブの春と呼ばれるプロセスがかつてありました。人々の意志を、この地域の政治とか、体制に活かそうというものですが、ただ残念なことにシリアではそれはまた別の方向に行ってしまいました。シリアはある意味で、委任状を通すような形で内戦に発展してしまったということがあげられます。シリアの将来というもの、こうした現在の民主主義の体制というのものを維持しなければ将来おぼつかないと思うんです。それをきちんと認めませんと、政治的な真空地帯をさらに悪化させてしまう。また、将来の不安定にしかならないと思います。お話にあった通り日本がこうしたグローバルなプレイヤーとしてここで活躍できる余地もたくさんあると思うんです。ここは日本の守備範囲ではないからアジア太平洋に集中しますということもできるかもしれないけども、そうは言わずに、日本は国際的コミュニティの重要な一員として重要な役割を果たすことができるのではないかと思うんです。日本は特に人道的な支援については中東諸国にはもっとやっていただきたいと思っています。これは日本だからこそできる責任感のある行動だと思うんです。私自身としてはもっともっと日本に積極的に外交で中東地域に関与していただきたいと思うんです。日本は特にテクノロジー、経済に関しては非常に知識を持っている国ですね。中東諸国はそうした日本の助けを本当に必要としているんです。確かにこの近隣諸国との関係は現在非常に複雑な状況です。たとえば、こうしたクルド人、いろいろな抱える課題というのも、先ほど飯島さんが言われた通り、いろんな課題の源泉にもなっています。この部分を排除して考えるということもできません。トルコの市民もいるわけです。それでもテロに長年こういう形で慣れっこになってしまうということは避けなければいけない。まったく罪のない4万人もの市民がテロの犠牲となっている。それが現在も続いているんです。こうしたイスラムの過激派というものが一方に…、一方ではクルド民族らが政治的な独立を叫んでいる。これはトルコの将来にとっても大きな課題でもあるんです。近隣諸国にとって大きな課題であるだけでなく、トルコにとっても大きな課題です。それから、もう1点申し上げておきたいことがあるのですが、トルコのクルド人が居住する地域というのはそういう問題とは違います。クルド人か、トルコ人かということでの差別はそこで行われていません。紛争もありません。これに関してはトルコの方が、先ほど飯島さんがうまく説明してくださったのですが、クルド人であってもトルコに居住していれば、平和のもとに生活できる、そういう地域もある。こうした地域というのはうまくいっている地域ということで世界に示すこともできるでしょう。これをしっかりと示していくことも必要だと思います」

中東安定化 日本が果たすべき役割
遠藤キャスター
「テロなどによって日本人の生命が危険にさらされた場合に、自衛隊を派遣すると。自衛隊の派遣に関してはどう考えますか?」
シアム大使
「私自身の考えですが、日本は中東において、和平を確立するということについてニュートラルな形で大きな役割を果たすことができるのではないかと思っていますし、その役割は非常に尊重すべきだと思っています。この点は中東諸国も非常に高く評価をしています。ただ、そこに部隊を派遣するということにおいてはそれはまた別の問題でしょう。しかしながら、イラクに2007年に派遣したということは、イラク再建に対して非常に重要な役割を果たしてくれたと思います。たとえば、ガザなどを含めて破壊された地域の再建に果たせる役割というのは大きいと思います。経済の件というのであれば大きな役割を演じてもらえるのではないでしょうか」
佐藤議員
「今回、総理が言われているのは、邦人救出と人質救出は一緒ではありませんから。邦人救出は幅広いですよ。その中で1番厳しいケースが今回のような人質の救出だと。昨年7月の閣議決定で想定しているのは、今回の“イスラム国”のような、ああいう人質救出にまでいっていなくて、その前のいろんな…。たとえば、急に情勢が不安になって、ある地域に日本人が取り残されたというような時に、受け入れ国の同意をとって警察的な範囲で行くとか、あるいは大規模災害で取り残されたとか、そういうことぐらいは想定をしていましたけれども、今回の人質救出のレベルについては自衛隊の能力も含めて、現在すぐというレベルではない」

アフメト・ビュレント・メリチ 駐日トルコ共和国大使の提言:『Having a new Middle East where democracy and tolerance will prevail; Peoples' wishes will be duly taken into consideration』
メリチ大使
「私は、新たな中東になってほしいと思います。民主主義と寛容が支配するような場所になってほしい。人々の望みが、それが正当に考えられて、そして紛争で解決をしないというようになってほしいと思います」

ワリード・アリ・シアム 駐日パレスチナ常駐総代表部大使の提言:『Plaese recognize Palestine State』
シアム大使
「私は非常に簡単、単純です。日本に対してこのパレスチナを認めてほしいと、国家として。イスラエルをこれまで認めたのと同じようにです。さらに追加したいのですが、武器の話が先ほどから出ていますけれども、私は中東の地域というのは武器を売ってはならない地域にするべきだ。ここを中立な地域にするべきだと思います。どういう国が売っているか見るべきだと思います。武器の産業というのは非常に大きな産業で大変大きな資金源になっているんです。ですから、インターネットでトップの10か国、世界の中で武器を売っている国というのが、どこに責任があるのか、こういった武器を供給しているのはどこなのかという、責任がどこにあるかがわかると思います」

飯島勲 内閣官房参与の提言:『多チャンネル』
飯島氏
「まず基本的に日本の場合、これからもあらゆる紛争に対して宗教が絡んでいる、1つ。その中で日本は、神様、仏様、キリスト、イスラム。全く日本民族は関係ない。問題は欠点が何か。外交関係のカードじゃダメだ。インテリジェンス、多チャンネルの体制をこれから急務でつくらなければいけないと私はそう思います」

佐藤正久 自由民主党国防部会長の提言:『継続・信』
佐藤議員
「日本がこれまで持っている信頼関係、信というものをさらに継続していくんだという部分が1番中東の安定に向けて大事だと思っています。現在イラクの中を見ても新しいアバディ政権がスンニ派も含めていかに公平に民主政治をやっているかを見せると。あるいは日本がISIL支配地域のスンニ派の方々をいかに離反をさせるかと。こちらの方がいいんだということに、日本の持っている財産を引き続き人道支援の面で強化することが大事だと思います」