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2015年1月26日(月)
日本人人質一人殺害か “イスラム国”急展開

ゲスト

礒崎陽輔
国家安全保障担当首相補佐官 自由民主党参議院議員
大野元裕
民主党参議院議員 中東調査会客員研究員
飯島勲
内閣官房参与
保坂修司
日本エネルギー経済研究所中東研究センター副センター長

“イスラム国”日本人人質事件 日本政府はどう対応すべきか
秋元キャスター
「今回の日本人人質事件の経緯ですが、まず20日に“イスラム国”を名乗るグループが身代金2億ドルを72時間以内に払わなければ、湯川遥菜氏、後藤健二氏を殺害すると予告する動画を公表しました。24日、“イスラム国”のものとみられる後藤氏の新たな動画が公開されます。25日、政府が緊急記者会見を開きまして、菅官房長官が“イスラム国”を強く非難。安倍総理も許しがたい暴挙だとし、後藤氏の即時解放を強く要求しています」
反町キャスター
「総理も官房長官も含め政府はテロに屈しない、人命最優先。この2つのこと言っています。テロには屈しない、けれども人命は最優先する。この2つのことというのは両立するのですか?それともどちらか1つに舵を切らなくてはいけない時がくるのではないかと、そこのバランスどう考えていますか?」
磯崎議員
「それは両立させなければなりません。人命第一ということとテロに屈しない。いずれも大事なことでありますから、両立するように解決をはかからなければなりません」
反町キャスター
「テロに屈しない形で人命を最優先すると、こういう言い方でもいいのですか?」
磯崎議員
「いろいろなとり方があると思いますが、今後の推移を見て、しっかりと判断をしていかなければいけないと思います」
反町キャスター
「それはほとんど交渉の手口になるので、答えてもらえないという前提で、敢えて聞きます。たとえば、身代金を支払うことによってテロに屈することになるのか。人質の交換に応じることはテロに屈することになるのかどうか。ここは政府部内では線引きはできているのですか?」
磯崎議員
「あらゆる手を尽くしてがんばっていますので、そのへんは見守っていただきたいと思います」

経緯から見るその狙いとは
反町キャスター
「大野さんはここまでの経緯を見て、“イスラム国”の狙い。どこにあると思いますか?」
大野議員
「“イスラム国”が今回、72時間で2億ドルという法外で、しかも、短期間で用意できないようなことをやった。狙いというものが、身代金よりも政治的なものかなと当時、感じていたんです。ところが、今回サジダ死刑囚との交換ということと、1人犠牲になった可能性が高いんですけれども、大変残念なことながら、さらにそれで脅しをかけてきたということから見ると、個人的に感じているのはもしかしたら、最初から人質を考えていた可能性はあるのではないかと。だからこそ、最初から安否確認をさせなかった、あるいは湯川さんも含めてですが喋らせなかった。ところが、あとから時間を限らない形で、後藤さんの音声が本物かどうか、私には判断する術はありませんが、その可能性が高いと言われていますけれど、彼に発言をさせて、ご自分の奥さんの名前や子供達のことまで言わせた。と言うのは、こちらの方にもしかしたら主眼があるのかもしれないという印象を持っています」
反町キャスター
「そうすると、現状は、大野さんの印象で言うと、明らかに“イスラム国”は人質の交換、サジダ死刑囚の奪還をメインターゲットに置いている?」
大野議員
「もちろん、身代金をとれれば、それに越したことはない。それはその通りだと思います。しかしながら、どうもあまりに無理で極端な話、官邸の中で機密費を持ってきて、やれという額では全然ないわけですから、そんなことは絶対できませんから。個人はなおのことですから。そうすると、どこでそれを工面し、しかも、72時間で判断するというのは相当…。仮に日本政府がそう決断をしたとしても難しいと思いますね」
反町キャスター
「保坂さんは“イスラム国”の狙いがどういったところにあると見ていますか?」
保坂氏
「一般論で言いますとこの種の過激組織はだいたいインターネット上、あるいはメディア上に常にプレゼンスを維持していく必要があります。目立つということが、そもそもリクルートに役立ちますし、様々な形で寄付を得るにも役に立つと。もちろん、大野先生がおっしゃられたように、身代金がとれれば、それに越したことはないと思いますし、同時に、捕虜交換で自分達の仲間が戻ってくれば、それはまたいいと。ただし、それらが全てダメでも、世界の注目を集め、自分達はこんなにすごいことをやっているんだということを世界に見せつけたと。これだけは一応残るわけですね。ちょうどパリで大きな事件があって、ライバルグループであるAUAPが注目を集めました。ライバルグループがああいう形で注目を集めると、しばしば、別のグループが似たようなことをやり出すというのもこれまでの傾向としてありますので、1つは注目を集める、プレゼンスを上げるということは必ずあるんだと思っています」
反町キャスター
「そうすると、金、人質、プレゼンス。その3つの目的。どれでも、1つでも当たればいいんだという動機がもともとにあるのではないかと」
保坂氏
「それは必ずあると思います。どのグループでも」
反町キャスター
「どれか絶対1つでもとりたいのではなく、結果的に事態の推移の中で、どこに重きを置くかというのが刻々と変化する。こういう見方の方がいいのですか?」
保坂氏
「そうです。本当に身代金をとるのであれば、わざわざこんなに大きくする必要はないですし、金額を下げても問題ないですから。ただし、これだけ大きく注目を集める確実な事件であれば、それだけ注目を集めることそのものが大きな意味を持ってくるのだと思っています」

ヨルダンとの連携は
秋元キャスター
「新たに公表された画像から拘束されている後藤健二さんを名乗る男性からの“イスラム国”の声明文をあらためて見ていきたいと思います。『私を捕えているもの達からの脅迫を真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった』などとしたうえで新たな要求を示しています。『彼らの要求はより簡単だ。彼らはもはや金を求めていない。だから、テロリストに資金を与えることになると心配する必要はない。彼らは、ただ、収監されているサジダ・リシャウィの釈放を要求している。簡単なことだ。あなた方がサジダをヨルダン政府から取り戻せば、私は即座に解放される。私と彼女が引き換えだ』となっているのですが、ここで出てくるサジダ・リシャウィ氏という人物。2005年11月、ヨルダンの首都アンマンにおいて起こった同時爆弾テロの実行犯の1人ですね。その時の自爆テロ事件の概要ですけれども、2005年にイラク聖戦アルカイダ組織が、ヨルダンの首都アンマンにある3か所のホテルで起こした同時爆弾テロで、50人以上が死亡し100人以上が負傷しています。この時の実行犯の1人がサジダ・リシャウィということで、死刑判決を受けて、現在収監中ということです」
反町キャスター
「飯島さん、日本とヨルダンの話しあいはどのように進んでいると見ていますか?」
飯島氏
「やるのはいいのですが、私は当初からヨルダンはヨルダンでいいんですけれど、1番距離が近い。上村中東局長と外務副大臣が飛んだ。これはリアルタイムに飛んで、陸路ですぐ着きますから、それで前線基地とか、そういうのをつくるのは…」
反町キャスター
「現地対策本部をヨルダンに置くということですね」
飯島氏
「ええ。あと1つは、櫻井さんは防衛省のまさにこういう危機管理や、いろんなプロの人間で、直前まで首相補佐官の下で、副長官補までやって、4か月前に着任をしたんですよ。年数として着任期間が短いのですが、まさにそこにつくるのは反対じゃない。ただ、それだけでは満足しないというのは私です」
反町キャスター
「満足しないというのは、別のところにも?」
飯島氏
「トルコ、はっきり言いますと」
反町キャスター
「トルコの話は後ほど聞きます。磯崎さんはヨルダンと日本の現状の話あい。さらに、現地対策本部をヨルダンに設けたことに対する異論というのは、様々出てきているんですけれども、それに対してはどう感じていますか?」
磯崎議員
「ヨルダン国王と安倍総理が現地で電話連絡をいたしまして、最大限の協力を取りつけて、これは非常に現在にとって良かったと思います。それがこれまでよく続いて、いろんな情報交換もしましたし、いろんな情勢分析も両国間で現在行われているところでありますが、これを引き続き、最大限活かしていく。その中で、現地対策本部が中山外務副大臣をトップとしておいたと。これも極めて迅速でありましたし、その組織の中でいろんな分析が現地でも行われている。我が国でも行われている。非常に両輪でうまく動いていると思います。大事なのは人質の解放ですから、結論をしっかりと出していかなければならないということで、現在努力をしているところです」
反町キャスター
「先ほど、話題になったサジダ死刑囚の問題ですけれども、日本政府としてはヨルダン政府に対してサジダ死刑囚を解放してほしいというような要請はしているのですか?」
磯崎議員
「そこは現在申し上げることはできません」
反町キャスター
「サジダ死刑囚を巡る日本とヨルダンの関係。日本はどう交渉しているだろうという想定でもいいですし、どうすべきか。ここはどう見ていますか?」
大野議員
「アブドラ国王はあの時、必ず犯人には法の裁きを受けさせると明確に言っているんです。つまり、そういった人を解放するというのは非常にハードルが高い。仮に、彼女と人質の交換、パイロットはありますけど、いずれにしても仮に成立したとします。日本側がそれを先走ってしまうと、ヨルダン国内の世論の問題があります。と言うことは、ヨルダン政府とうまく調整がはかれなければ、ヨルダン側から言い出せないし日本側からも言い出せないということになるので、単純に、後藤さんとサジダ死刑囚の間の問題ではない。ただし、ヨルダン側は、そうは言っても、現在内政上の危機が訪れていて、経済も問題です。油価も下がっていて。難民といいますけれども、実はUNHCRが認定している難民ではない、より多くの難民というか、入ってきちゃった人達。この人達が実は職を奪っちゃっているんですよ。この人達が実は経済をものすごく悪くしているんです。そうだとすると、仮に日本の支援が貰えるなら、ぐらいのことを彼らは考えている可能性はあります。従って、それは喉から手が出るほどほしいけれど、ないと内政が不安定化するかもしれない。しかしながら、サジダ死刑囚の扱い方を間違えると逆に政権がひっくり返されちゃう。そういう両方の間に立ちながら、日本と交渉をしていますから、ヨルダンとの交渉というのはあるとは思いますけれども、しかしながら、そう簡単に、そうですかと進むものでは決してないと思います」
反町キャスター
「サジダ死刑囚の釈放。ヨルダンにとって、どれほどの意味を持つのか。大野さんの話にもありましたけれども、保坂さんはどのように見ていますか?」
保坂氏
「ヨルダン人のパイロットが“イスラム国”に拘束されていると、実はサジダ死刑囚もそれほど戦闘能力があるわけではないですし、イデオロギーでもないですし、象徴的な意味しかないわけですよね。一方、ヨルダン人のパイロットの方も、彼の救出というのはヨルダン政府にとっては極めて象徴的な意味を持つわけですから、人質の価値としては、かなり両方とも高いと私自身は見ています。従って、そこに後藤さんをどう絡めるのか。後藤さんとサジダ死刑囚の1対1となると相当難しい、ハードルが高いと思いますけれども」
反町キャスター
「それは誰にとって?ヨルダン政府にとって?」
保坂氏
「ヨルダン政府にとってですね。しかし、1対1ではなくて、多数、2対2とか、言ってみれば、逃げ道かもしれませんが、こういう考え方というのは、1つありだとは思います」
反町キャスター
「規模を大きくすることによってサジダ死刑囚の釈放ということの色を薄めることができる?」
保坂氏
「いや。サジダ容疑者の役割はもちろん、象徴的なものに過ぎないわけですし、一方のパイロットも象徴的に非常に重要なわけですね。この2人だけだとある意味対等と見えるのですが、そこに後藤さんをもし仮に絡めるとするならば、“イスラム国”の捕まっている連中が後藤さん何人分に相当するのかという、これは非常に難しい問題ではありますが、それは可能性としては、私はあると思います」

日本の情報収集&交渉は
秋元キャスター
「今回の事件の人質の解放について昨日、安倍総理は『政府としても、関係各国などの協力を得て、あらゆるチャンネル、ルートを最大限に生かしながら全力を尽くす』と考えを示しました。飯島さん、日本の現状の情報収集、それから、交渉の状況。トルコの活用がまだ不十分だと考えていますか?」
飯島氏
「私は第2の前線基地をイスタンブールに置くべきだと言っています。どういうことか。ヨルダンは確かにイスラエルから陸路で近い。だから、たぶん副大臣と上村局長が行って前線基地をつくった。ここまではいいです。それで最大限の努力をやっていないわけではないですよ。国王に会ったり、いろんなことをやっているのでしょうが、実際に、殺害されたとする湯川さんにしても、あるいは後藤さんにしても、シリアの北部と言ったら、トルコに近い方。ラッカ近郊、あるいは北部のアレッポ郊外、こういう状態で移動をしているということが、CNNとか、いろんなアレで流れていることは事実。地政学的にトルコが重要だというのは、トルコ自身がトルコの外交官を含めた48人をまったく無傷で救出に成功しているということですね。これが1つ。それから、いわゆるトルコ軍人が、シリア領内で“イスラム国”に捕まったと。これも救出に成功をしている、無条件で。これは、裏のトルコとシリア、ISIL(“イスラム国”)など近隣諸国との関係を分析すれば、いかにトルコが最後のカードかということに自ずとなってくると思うんです。すぐかどうかわかりません。たぶん磯崎補佐官はそのあたり考えていると思います。“イスラム国”、過激派集団の生命線はトルコだということを私は言い続けています。たとえば、トルコ自身もジーハデストという戦闘員の流入ルートというのは義勇軍の含めて約1万5000人と言っていたのが、1万8000人はいるだろう。海外の義勇軍を含めて、全部イスタンブールに入って、トルコからシリアに侵入しているわけです。この流入ルート、あるいはその流出ルート。フランスでもテロがあり、カナダでもあったのですが、これはなぜかと言ったら、イスタンブールに入って募集事務所に行って、噂ですが、私は現認していませんが、私のインテリジェンスではトルコのアンカラとイスタンブールの間の山岳地帯に義勇軍や何やらの兵員の訓練をして…」
反町キャスター
「トルコ国内に“イスラム国”の訓練基地があるのですか?」
飯島氏
「基地というか、訓練施設。それから、シリアに入り込んだりしている。同時に、私が1番アレしているのは、資金のルートもトルコ。それから、武器の流入も、ある機関がトラック3台、個人名は私のインテリジェンスに入っていますが、武器をトラック3台でISにトルコから送っているんですね。ISに入ってくる石油の収入の50%はトルコ人がそれをやっているわけ。同時に、私は絶対にきちんとカードは安倍総理、菅さんを中心に、磯崎補佐官がやってくれると期待しているのは、昨日今日の情報で私のインテリジェンスに入っているのは、ISに、ヨルダンを含めた攻撃をしている国、空爆をしていますよね。こういう(空爆によるISの)負傷者をどうやって治療しているか。トルコの病院で治療をしているんですよ、信じられます?」
反町キャスター
「飯島さんの話を総合すると、トルコは“イスラム国”に対して兵士も資金も武器も提供し、訓練地域もトルコ国内にあり、有志国軍が爆撃した“イスラム国”軍の兵士の負傷者をトルコ国内で治療しているという、要するに、トルコが“イスラム国”のメインスポンサーみたいな意味ですか?」
飯島氏
「いや、メインスポンサーで、裏表があるわけです。これはなぜかと言ったら、旧シリアのほとんどは旧トルコ領だったんです。つまりアサド政権が潰れればうまくいく。どういうことかというと、あの地域の国境線というのは第一次世界大戦が終わったあとに、欧米が勝手に決めちゃった。これに起因しているわけですよ。ISも何も。こういう状態の中で、ともかくIS包囲網で相当叩いて効果が出ている中で、こういう人質が出たのですが、ISの最後の、いわゆる脱出ルートと言ったら、トルコしかないです、ほとんど。ヨルダンでも何でもない」
反町キャスター
「現地対策本部をヨルダンに設けていて、アンカラ、イスタンブールというところに副次的な対策本部的、ヘッドクオーター的なものは置いていないですよね、今回は。外交官の配置はあってもそれは点在している形であって、組織で動いているわけではないと聞いているんですけれど、飯島さんが先ほど言われたことで、たとえば、イスタンブールならイスタンブールにサブ的な対策本部をつくってもいいのではないかという話もあったのですが。そういう対応というのは、もうこの時期において、あと数時間か、数日か、数週間でどのぐらい猶予があるかわからない中での話ではありますが」
磯崎議員
「十分なご指摘だと思います。大使館が機能をしていまして、ちゃんと。現地の大使館が対応していると私は考えています」

日米連携の現状&あり方
秋元キャスター
「アメリカとの連携は具体的にどのように?」
礒崎議員
「これは、イスラム過激派の中でもテロリストによる犯罪であるということをきちんと押さえておかないといけない。それに対する日米間で言語道断の許すべからざる行為であることの認識の共有ですね。ここをまず両首脳間できちんと認識、表意をして、そのうえで日米間の連携、いろんな意味での連携。詳しいことは申し上げられませんけど、きちんと了承のうえで話をさせていただいたということであります」
大野議員
「現在はとにかく人命が最優先だということを政府も言っていますし、テロに対する立ち向かい方というのは、実は日本とアメリカは基本的には一緒なわけですよね、そこは連携をとる必要がある。そのうえで情報の共有にしても、アメリカは空爆を現実にシリアの北部でもやっていますし、情報収集もやっていると。シリアの部隊も現在引き受けているということで、様々な情報のオールグラウンドがもともとアメリカは決して強くはないですが、現在はそういったところに集中していますから、そこは協力すべき余地はたくさんあると思っています。もっと言うと、情報の共有の中で言うと、たとえば、UAV無人飛行機とか、そういったものも先ほどのトルコの人質がとられたやつで言うと、実は人質の動向を無人飛行機で上から見ていたということもありますので、そういう意味では日本が持っていない資源、資産、人のつながりというものをアメリカは現在持っていますので、それは日本としては活用できるところはさせていただきたいというのは当然の話だと思います」
飯島氏
「まずISへの爆撃は、もしかしたらこれは永遠に口に出さない、答えを言わないだろうけれども、エシュロン(通信傍受システム)の活用をしている可能性がある。飯島なら飯島の声をコンピューターにかけて補足したら、どうかってわかりますね。あと1つイスラエルの研究所、私は昨年3月にある研究所を見たのですが、これがさらにすごいんですよ。24時間態勢で全部わかるようになっているんですね、私の声だけで。エシュロンと同等です。ご存知のようにイスラエルの場合は、いわゆる無人偵察機、あるいは話題になっている沖縄でのオスプレイ。アレの関係は全部イスラエルの技術です。こういう状況から見ると、補足しているけれど、しているから爆撃をするというわけにはいかないですね。移動していても的確に攻撃しているわけですよ、ですから、もしかしたらそういうことがあるかもしれない。ただ、問題は裏表がありまして、対アフガンにしても、パキスタンにしても、今度のアサド政権に関しても攻めてきたのが今度は攻めない方が良いのではないかと。アサド政権の攻撃を。ISだけでという見方もあるかもしれない。じゃあ、その前に実態はどうかと言ったら、言ってもいいかどうか、勝手な見方で頭の体操ですがブラックウォーター(アメリカの民間軍事会社)の延長線上でアルカイダがあり、ISがあると私は見ているんです」

日本政府はどう対応すべきか
反町キャスター
「今回の事件は、“イスラム国”とのパイプがなかなかできない。情報収集するのがなかなか難しいという状況が続いていく中で、トルコに頼むか、ヨルダンに頼むかといろんなところで手を尽くしながらも話が進んでいないという部分もあるという時に、日本の外交における危機管理の脆弱性を強化していかなければいけないということをどう感じますか?」
礒崎議員
「もちろん、各国との連携関係をもっと強化していかなければなりませんが、ただ何度も繰り返しますが、これはあくまでテロリストによる犯罪です。だから、それを対等な交渉相手としていくのがいいのかどうか。このへんはいろいろ議論があるところだと思います。ただ、いずれにしてもインテリジェンスはより強化した方がいいのは間違いありませんので、それは政府としても努力する必要はあります」

過去の人質事件から学ぶべきこと
秋元キャスター
「過去にも様々な日本人人質事件があるのですが、飯島さんはイラクでの邦人人質事件で実際対応にあたられたわけですが、政府としてどのような交渉をされたのですか?」
飯島氏
「細かいことはアレですが、考えられることは全部手を打ちました。今回の安倍総理、菅官房長官とまではいきませんが、完全な一致でやっていませんが、それなりの手は打った。ただし、テロには屈しないというのは同じ。この時はいろんなメディアもそうですが、ちょっとしたある種、野党の政党から攻撃され、いろんな複雑な発表をマスコミに発信されたのはちょっと残念でした。しかしながら、冷静なアレで対応して、全員解放までこぎつけた。殺害の問題もありましたね。あの時は外務省の方も殺された人物を間違ってしまった。遺体を見てまたそれを全国紙が違った報道をしたとか、ちょっと先走った報道があったと。ちょっと残念でした。結果的にその後殺害されたというのがわかったんです」
反町キャスター
「当時の対応と現在の対応とでは違うかもしれませんが、部族長、宗教家、いろんなチャンネルがあると思いますが」
飯島氏
「今回どうかは私はわかりませんが、この種のアレもあくまでも部族長の世界です。サモアの時も最初外務省、防衛庁は、基地を借りられなかったです。私の判断である人間を通訳とし、日本の借地借家法も関係ないですから、部族長がいいよと言ったらもうこれで決まりです。確かあの時は7部族の長がいまして、全部了解をとってやった。この人質の問題も部族長というのがすごく大事だし、あと宗教家。これも大事ですね。フランスに、フセインに対抗してフランスに亡命した方。当時12の部族長がシリアに亡命していた。こういうアレまで手をまわして、私はいろいろな要請をしたことがあります。現在そこまで本当にやっているかどうかはわかりません」
反町キャスター
「部族長、宗教家からのアプローチの仕方は、“イスラム国”に対しても、その手法は通用する相手ですか?」
保坂氏
「通用の仕方は違うかと思いますけれど、ある程度のところまでは圧力はかかると思います。“イスラム国”にしても、部族的なバッググラウンドを持った人達が中核におりますし、様々な形で部族的な価値観を共有している部分はあります。従って、部族長ないしは有力な人達の意見というのはそれなりに効きます。ただし、イスラムの法学者達に関して言えば、大半が“イスラム国”に反対していますし、一方で、“イスラム国”側はイスラム法学者達を基本的にはバカにしきっていますので、その意味での影響というのはないですが、ただ、周辺の“イスラム国”ファンの人達に対して、“イスラム国”は間違っている、こうすべきだという圧力は十分かかると思います」
反町キャスター
「“イスラム国”というのは、サイクス・ピコ協定を否定して広がっているとすれば、現在の国境線に基づいて部族が展開しているのとは違うのですか?」
保坂氏
「部族は国境を越えて展開していますから」
反町キャスター
「部族長へのアプローチは“イスラム国”にとって不愉快なアプローチではないわけですか?」
保坂氏
「非常に重要だと思います」

今後の“イスラム国”の動きは
秋元キャスター
「“イスラム国”の、世界における今後をどのように見ていますか?」
保坂氏
「人質事件に関連して言えば、場合によっては新しいビデオ、新しい声明が出てくる可能性がある。それは次の一手につながっていくのだと思います。もう1つ重要なのは、この事件をきっかけに、たとえば、日本国内、あるいは世界的にもそうですけれども、“イスラム国”とイスラムを同一するような、いわゆるイスラムフォビアというイスラム嫌いの人が非常に多くなってきている。これは非常に危険極まりない状況ですので、これはきちんとした形で対応していただきたいと思います」
飯島氏
「シリア、パキスタン、アフガンの共通項は、イスラム教スンニ派が多い。こういう状態の中でISに対するのはいろんな過激派が合流していることは事実ですが、それを包囲網に大変な状態にISはなっているのではないかなと。そういう中でも、世界のアレ、マスコミの中では1万5000人と言っているのですが、私の知っている範囲では1万8000人の義勇軍が既に参加している。フランスだけでもう100名ぐらい帰国しているんですね、“イスラム国”。まず義勇軍に入って、出国して、本国のフランスに帰った人間だけでも100名を超している。これはまたテロ事件が起きるかどうかということで、大変な危機管理をやっている。こういう状態で1番心配なのはアジアでは日本は遠い国だと思っているかもしれないけれど、現在、現象面では2人とか。問題は中国のウイグル族。これはご存知のようにトルコ系民族ですね。私の知っている限りでは、マレーシアのクアラルンプールでトルコの偽造パスポートを持ったウイグル族が155名逮捕されて、拘留されているんです。さらに、中国政府は相当ウイグル人のトルコ偽造パシポートを持って出国しようとしたのを摘発もしているはずです。ISはここまで何で確保しようとしているかと言ったら、私の想像ではもしかしたら爆弾戦争。どういうことかと言うと、ウイグル人は火薬を使って、花火とか、相当技術が高いらしいですね。そういうところにまで、現在ISは手をまわしているのではないか、組織的に。そういう心配も1つあります。こういう状態で考えていくと、後藤さんの釈放、即殺害ということではなく、違ったカードをもう1回発信してくると思うんです。私がどうしても解せないのは、テロ集団であろうと何であろうと、日本国政府に外務省でもいい、いろんなチャンネルをやっているんですから、どこかでパイプをつくるサインがあってもおかしくないですね。こちらは発信しているのですから。これがないというのは、小泉内閣の時から見ても異常な状態ですね」

“イスラム国”新たな画像公開 その狙いは
飯島氏
「不思議なのは、夜中の1時くらいかな、(インターネット上の動画が)突然遮断されましたのよね。アレを日本政府側なのか、IS側が遮断したのか、クエスチョンマークを持っているんですよ。拡散するわけでしょう、ネットで。それを何で突然遮断したのか。どう思いますか?2通りあると思います」
反町キャスター
「ないしはYouTubeという動画配信サイトが自主的に規制をして落とす場合も、いくつかあるかと思うのですが…」
飯島氏
「もし遮断をISがやったと仮定すれば、ヨルダンの人質を解放しろというのはそんなのは重きを成さない。世界的に話題にしたというだけで、まだ他に次の目的があって、またもう1回違うカードで要求をしてくる可能性もある。即座に後藤さんを殺害する可能性はないと私は信じたい」