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2015年1月20日(火)
日本人拘束映像を公開 “イスラム国”と身代金

ゲスト

小野寺五典
元防衛相 自由民主党政調会長代理 衆議院議員
佐々木良昭
東京財団上席研究員

“イスラム国”日本人2人を人質 身代金2億ドルを要求
秋元キャスター
「今回、人質となった二人、湯川遥菜さん、後藤健二さんの足取りですが、後藤健二さんは2014年10月2日にシリアに入っています。8日には、日本で生放送の番組に出演とありますので、この時点では日本にいったん帰ってきていますね。23日のあと、8日から23日の間に再びシリアに入ったと見られていて、23日、ツイッターの更新が途絶えていて連絡がこれ以降とれない状態になっているということです。湯川遥菜さんについては2014年7月の下旬にシリアに入っています。8月17日に、イスラム国に拘束された動画がインターネット上に投稿されて、夏から拘束されていたと見られる状況です」
反町キャスター
「政治目的か身代金目的かという2つに分けた時に混ざっていると見た方がいいのですか。それとも犯行グループの目的はどこにあると思いますか?」
佐々木氏
「政治的な目的というのは、大義名分なわけですよ。ただ、現在イスラム国というのは、資金的に相当、苦しくなってきているというのは事実だと思うんです。だから、作戦も後退しているし、戦ってもあまり有利ではないし、それから、人質にとっていた、奴隷として売ったりしていた女性を最近までバーゲンセールをやっていたんですよ。それから、ヤズディーをね…」
反町キャスター
「異教徒を襲って、女性を奴隷として捉えたりしていましたですよね」
佐々木氏
「最初が何百ドルだったのが、それが何十ドルに下がったんですね。バーゲンセールになったということは、それを確保し、食料を与えて、ケアするだけの余裕がなくなってきた。昨日か、一昨日では、ヤズディーを350人、釈放をしている」
反町キャスター
「ヤズディーというのは?」
佐々木氏
「人質になっている人ですね。それを急に釈放しているわけです。特別な理由も何もなく。と言うことは大量の捕虜というか、人質を確保しておくことは、ISIL(イスラム国)にとっては極めて厳しい状況になってきているんだろうと、私は見ますよ」
秋元キャスター
「今回、2億ドルという身代金ですけれども、これと日本が行った支援金との関係というのをどう見ますか?」
佐々木氏
「要は、我々からすれば、ゼロが2つ増えたではないかと。だいたいこれまで百万ドル、1億円というのが相場だったんですね、人質の。あれが突然1億ドルになるわけでしょう、1人が。と言うことは、ゼロが2つ増えているわけですよ。それは日本がそんな金を平気で出せる国だという判断に基づいているんだろうと思いますよ」
反町キャスター
「まだ日本側は払うとも払わないとも何も言っていないではないですか。その相場感、ふっかける相場感という意味ですよね?」
佐々木氏
「だから、要するに、ああいう金は出てきて何らおかしくないんだというね」
反町キャスター
「2億ドルというものに対して、要するに、難民支援に対して2億ドルを出すことに対して…」
佐々木氏
「難民支援というのは引っかかってくるところがあるんだけれども、アラブ、あるいは外国のマスコミを見ていると、対ISとして2億ドルを出したということになっているんです。だから、難民支援のために、たとえば、1億ドルは難民支援のため、1億ドルはテロ対策のためというような言い方だけれども、どうも、私が見ている限りの報道では、2億ドルは言ってみれば、イスラム国を潰すような目的で出されたようなニュアンスで報道されているんですね。そうすると、それをイスラム国は当然まともに受けるわけですよ」
反町キャスター
「それをもう1度確認しましょう。つまり、そこの部分とういうのは、イスラム国教徒の家を破壊するのに得意気に1億ドルを提供した。自発的に十字軍に参加したと。このあたりの表現ですか?」
佐々木氏
「でしょうね」
反町キャスター
「小野寺さん、今回のイスラム国の声明。日本は自発的に十字軍に参加した。1億ドルを出したという、この日本政府に対する非難のやり方をどのように感じますか?」
小野寺議員
「まず身代金目的もありますが、政治的な目的もあわせてあるのではないかと私は思っています。タイミングはエジプトでの総理の発言のあと、奇しくも2億ドルという数字も同じ。この映像が出されたのがちょうどイスラエルを訪問しているところですので、言ってみれば、イスラム圏の皆さんにとってちょうど様々なタイミングが折りあう時期での今回の公開ということだと思っています。1億ドルという、その数字の積み上げは、ちょっと私どもも真意はよくわかりませんが、少なくともエジプトでの発言は今回の事案については少なからず影響があったということは、類推されるかなと思っています」
反町キャスター
「この地域におけるイスラム国の存在感を減らしていく方法をとることによって、日本の国益になるのだろうと、これはたぶんいいですよね?」
小野寺議員
「まずこれは決してイスラムとの問題ではなくて、テロ集団、過激派集団との対峙だと。ですから、実際イスラムの圏域の皆さんも、私達とイスラム国は違うんだと。彼らはテロリストだということを明確に言っていますので、日本政府はあくまでも、このような過激な行動をとることに関して、非人道的なことが行われていることに関して政府として支援をするということで表明をしていますので、イスラムではないです。あくまでも過激なグループ、非人道的な人達の被害に遭っている人達に支援をする。こういうことをしっかり伝える必要があると思います」
反町キャスター
「でも、このイスラム国の声明を見ると、日本は十字軍に参加したと。この十字軍という言葉の使い方は明らかに今回の日本の難民支援を十字軍とイスラム勢力の戦いに置き換えた。そうすると、アラブの人達、イスラム圏の人達に今回のことを宣伝しているようにも見えるではないですか。これは術中に落ちているようにも見えるのですが、そこはどうですか?」
小野寺議員
「先ほど来、お話しているように、今回の目的というのは、1つは確かに政治的な意図がありますが、もう1つは、佐々木さんがおっしゃるように身代金として資金の問題。これも決してないわけではないと思います。1つの口実にして日本政府が出すという、2億ドルを。用意しているのであれば、せしめたいという意図が決してないわけではないと思います」
反町キャスター
「佐々木さん、いかがですか。宣伝戦みたいにも見えるんですけれども」
佐々木氏
「最近、読んで愕然としたことがあるんですよ。それは世界のイスラムの最高権威であるエジプトのアズファル大学というのがあるんだけれど、アズファルのいわゆる学者連中がイスラム国についてどう言っているかというと、我々は彼らをイスラム教徒ではないとは言えない、と言うんですよ」
反町キャスター
「どういうことですか。彼らがやっていることは、イスラム教徒の観点からすると、是とするということですか?」
佐々木氏
「イスラム教徒ではないという否定はできないと。なぜかというと、イスラム教徒になるということは、アラーの他に神はなく、ムハンマドは予言者であるという、その2つのフレーズを唱えたものがイスラム教徒ですね。彼らはそれを唱えていると。これまで強硬派とか、いろんなのがあって、もめていると。しかし、それはイスラム教徒の学派であると。そうすると我々は否定できない。今回のイスラム国が進めている十字軍という言葉が出てきたのは、要するに、西洋列強によって分断されたイスラム世界を、サイクス・ピコ(協定)の分断したフランスとイギリスのあれが、分断した地図をブチ壊して新しい地図をイスラム世界の地図をつくるんだとしているわけです。そうすると、それを聞いているイスラム教徒の一般の人達、穏健派の人も必ずしも全面的にイスラム国を否定することにはならなくなってくるんですよね。そこがイスラムの面倒くさいところですよ」
反町キャスター
「たとえば、今回イスラム国によってもたらされたトラブルに、日本が積極的に関与すると。これは現在の安倍政権の方針としては当然その延長線上にあることだと思うんですけれども、これやるということはまさにこのレールに乗ってしまうということではないですか?」
佐々木氏
「だから、日本はどれだけの覚悟があって、それに乗っかるかということですよ」
反町キャスター
「ここまでトラブルが起きちゃうと、政府はここまでの覚悟を持って、中東に手を突っ込んでいるのですかという、当然疑問を持つわけですよ。そこはどういうふうに感じますか?」
小野寺議員
「たとえば、イスラム国が関与しているという疑いが強い人質事案ですが、こういう状況でなくても、かつていくつも、こういう人質事案がありました。その時、事案が、日本に何か、その、何か、例えば、イスラム圏に関しての、反発されるようなことをしたかというと、そんなことはないんだと思います。ですから、今回のことというのは、どうも政治的にメッセージを発すれば、確かに、私どもそういう受け取り方はするかもしれませんが、現実問題として、今までこういうことがなくても、実際、多くの日本人が人質ということになってしまいましたので、私どもとしては直接、それに結びつけるというよりも、特に、こういう危険な国に関しては、ますます行くことに関して注意を払う必要がある。そういう国際社会での通常の緊張感。こういうことを国民全員が持つ必要があります」
反町キャスター
「総理の発言について、官房長官の発言なんか聞いていると国際社会と手を携えていく。避難民に対する支援は高く評価されているので今後しっかりやっていくことには変わりはないと。2億ドルということを脅迫されてはいても、これは止めないよと。一方、過激主義とイスラム社会は別であると、現在やっていることを持続することを説明し、強調したうえで、なおかつイスラム過激派と、いわゆる穏健な人。その他のイスラム教徒とは違うんだよと、楔を入れようとしているようなニュアンスと受けるんですけれど、この総理なり、政府のメッセージ。きちんと伝わるかどうか。どう感じていますか?」
小野寺議員
「これは、2つのメッセージを出しているんだと思います。1つは、日本政府としてこのような事案、特に今回はイスラムというよりは、むしろ過激な、このような非人道的なことを行う集団に、これは毅然とした対応をするんだ。日本政府は人道的な支援にしっかりと支援を出すというメッセージが1つだと思っています。それから、もう1つは、日本として人命の尊重。人命が大切だと。この拘束されている方が、私どもとしては大切な存在だと。そのメッセージを今回はこの会見の中で伝えているんだなと思います」
反町キャスター
「身代金について、官房長官に払うのかという質問に対し、まさに現在確認中でありますので、ということで、払うとも払わないともはっきりと言わなかった。と言うことは、払う可能性もあるのかみたいに思っちゃうんですけれども、こういう時は、小野寺さん、過去の経験なんかもあるわけですけれども、払う、払わないというのは政府は、はっきり言わないものなのですか?」
小野寺議員
「現在、様々な情報を集めていると思います。私も、経験をしましたが、様々な国からいろんな情報が来て、正しい情報、正しくない情報、混乱した情報を整理、精査しています。ですから、そういう情報を収集している最中ですので、この時点で何かしらの1つの方向を決めることになると、それがすぐ相手側にメッセージで伝わりますので、現在はまず情報収集が大事ですので、政府としては確認中。そういうことで方針をすぐに出すというよりは、情報収集を懸命に行う。その情報の確度を高めていく。これが現在、やり方としては正しい方向だと思います」
佐々木氏
「大変な金額ですよ。2億ドルというのは」
反町キャスター
「240億円という天文学的数字ですよね。だって、これまでの人質事件で、だいたい先ほど言われた通り、(相場は)1人1億円ですよね」
佐々木氏
「ええ。結局いろんな友好組織に対して金をばら撒くんですよ。だから、たとえば、アルカイダもそうだし、アルカイダというのはできると、バクダットのアルカイダ。アラビア半島のアルカイダ。何とかのアルカイダとバラバラと金をばら撒いている。そのアルカイダというのは確固たる地位を得るわけでしょう。イスラム国というのは、現在、存在するんだけれども、イスラム国も同じですよ。そうすると、フィリピンのアブサヤフだとか、あるいはインドネシアとマレーシアのグループに対しても彼らは金を送る。そうすると、我々はISを支持する、従うということを宣誓するわけです。だから、軽々に金を出すと、それは、逆に世界中にISとつながる組織をつくり、助長することになるという危険性を持っているということ。それは頭の中にないとダメでしょうね」
反町キャスター
「それをちゃんとわかったうえで、身代金を支払わないとはっきり言うと、今度は人質の安全にかかわるという、ここの部分だと思ってよろしいですか?」
佐々木氏
「それもあるけれど、日本国政府としては日本国民に対してもそうは言いたくないでしょう。と言うことは、どういうことかというと、政府、あるいは安倍総理は2人の人質が殺されることをみすみす見逃すのですかという判断も出てくるわけだから、そのへんはもちろん、対ISの問題もあるけれども、同時に、国外向けの意味もあってなかなか明言はできかねるところでしょうね」
反町キャスター
「たとえば、佐々木さんが見ると、他の国、アメリカ、イギリスなど、比較的テロに対して厳しく対峙する国と比べた場合に…」
佐々木氏
「いや、彼らは最終手段を持っているんですよ。つまり、武力を持っている。もしそれで状況が悪化していった場合、彼らは、いわゆる空挺団でも何でも軍隊を送って、そこをめちゃくちゃにやっつけるという能力と意思を持っているわけです。日本はそんな能力も意思もないです。そうなってくると、結局はネゴをするしかない。場合によっては妥協するしかないということだと思います。だから、我々は、たとえば、アメリカは人質に払わないから、2人、3人、首を切られたけれども、我々も断固たる態度を取るべきだと言いたいところだけれども、アメリカとは全然、置かれている国の状態が違うということですよ」
反町キャスター
「そこはいかがですか?小野寺さん」
小野寺議員
「私達は人命の救助が第一だと思っています。もう1つは、もしこの犯人の方に仮に妥協するようなことがあったら、同じようにまた日本人が狙われる可能性が高い。そういう様々なことを総合的に考えながら対応することが必要だと思います。ですから、まず情報収集と、どういうルートで、もし犯人が明確だとすれば、その犯人側との接点を持てるか。私どもとしてやるべきことというのはあくまでも人道支援であると。そういうことのメッセージを繰り返し相手側に伝えるということだと思います。この問題も、今回の案件は、私はこれまで経験して、実際に人質を救出してきたこともありますが、それと比べてかなり困難な状況だなという印象は正直あります」
反町キャスター
「佐々木さん、こういう状態で情報収集に努めると、総理も官房長官も言っていますけれど、情報収集に努めるといっても、たとえば、人的なつながりにしても、政府間の情報にしてもなかなか難しいと思うんですけれど、どういう形で動いていく?」
佐々木氏
「1つだけその前に言っておくと、先ほど、要するに、身代金が取られたら、ISは世界中にばら撒くんです。それは東南アジアにもいるといったでしょう。つまり、中東だけが危険なのではなくて、東南アジアも危険になってくるということです。それが第一。第二に中東の地域の中で、どの国が情報を持っているのか、より多くの。1番簡単な言い方をすれば、エジプトとイスラエルが1番持っているわけですよ、情報は。では、その次にISとアンダーグラウンドのパイプを持っている国はどの国なのかとなってくるとアッバスなどは関係ないですよ。パレスチナ自治政府なんて全く関係ないし、ヨルダンもある意味ではそれだけの実力はない。ヨルダンは国内の治安状況について非常に厳しい国ですから、やつらは情報を持っているけれども、ISとのパイプは持っているかというとクエスチョンマークですよ。かつてはサウジアラビアが支援をしていただろうと言われている。サウジアラビアはある程度情報を持っている。もう1つは、トルコですよ。だから、ヨルダンに中山副大臣を送るより、私だったらトルコに送りますね。トルコ、イスラエル、あるいはサウジアラビアに派遣をして、そこで本当に協力してもらうということを考えますね」
反町キャスター
「トルコは何でイスラム国に強いのですか?」
佐々木氏
「何でかというと、イスラム国の戦闘員の、要するに、支援部隊のほとんどはトルコを経由してシリア、イラクに入っているんです」
反町キャスター
「こういう時に、中東のどの国と密接に連携するかどうかというのは、日本政府、外務省はそのへんの見極め、頼りにならない国にどんどん入れあげてもしょうがないではないですか。そういうところはきちんとできていると見てよろしいのですか?」
小野寺議員
「私の経験では通常、それぞれの国に密接な関係があり、大使、大使館を持っていますし、また、トルコとか、中東の国はいくつか日本とは友好な関係もあります。ですから、そういうルートから、いろんな確定情報を上げてくる努力を現在、一生懸命に全省を上げてやっていると思うので、その状況分析を待つことが最優先だと思います」
反町キャスター
「底辺というか、深層意識みたいなところで、獏として、イスラム社会の皆さんが持っているアメリカ的なものに対する敵意みたいなものが、もしあるとすれば、いわゆる国際社会と手を携えてという時に、日本が言っている国際社会というのは、アメリカ側だよねと彼らに思われることが本当に日本とってメリットなのかどうか。こういう話にはならないのですか?」
小野寺議員
「そこは1番注意をしなければならなくて総理をはじめ発言されています。日本が一貫してやってきているのは人道支援。これは今回の事案だけではなく、世界で様々、アフリカも含めて、様々な難民が発生し、内紛で紛争が起きた時には必ず日本はそういう支援をしていますので、ですから、その繰り返しの中、通常の活動の中で今回のイスラム国に関する様々な非人道の問題で被害を受けている方々に人道的な支援をするということ。これは他のレベルと変わらないことをしているわけです。それに関しては、逆にああいうレッテルを貼って、そういうことに日本を1つ追い込めようとするということは、決してあってはならない、許してはならないことだと思います」

“イスラム国”日本人人質事件 日本はどう対応すべきか
秋元キャスター
「今後の交渉はどうなっていくと思いますか?」
小野寺議員
「交渉と言ってもどこが窓口になるか、日本政府としてどういうメッセージを相手に伝えるか。その方針を決めないといけないと思います。今回、本当に映像に出ただけですから、一部メールで身代金の要求もあったということですので、そういうような細いラインでの交渉というのはとてもできる話ではありませんので、どこか直接つながるラインを見つける。そこから始めることになると思います」
反町キャスター
「こちらから接触していくべきなのか、待っていると向こうから何らかを通じてくるのか、どう進んでいくのかについては?」
小野寺議員
「両方あると思います。私もいろいろな経験で感じることは、1つは焦らないこと。これが本当に人質だとすれば、向こうにとっても大切な人質ですから、それを簡単に手放す、あるいは簡単に殺めてしまう。そういうことはするとは思えません。ですから、1つ、焦ってもこの話は良い方向に進まないというのが私の経験です。ただ、今回、意図がわかりません。もしかしたら政治的な意図がかなり強ければ、厳しい局面も想定されると思います」
反町キャスター
「そうすると、イスラム国は、お金目的なのか、政治目的なのかで全然展開が違ってくるわけではないですか。交渉する日本政府としては、外務省としては相手の狙いがどこにあるのかと。そこからですよね?」
小野寺議員
「そうです」
反町キャスター
「ただ、それに向けて、何らか相手と接触しなければ何もとれないではないですか。このへんの手探り感というのが、非常にわからないんですけれど、時間をかけて待っていれば、何か向こうから言ってくるものなのですか?」
小野寺議員
「当然、お金がほしいのであれば、お金がほしいという目的ですから、そのためには向こうからも何らかのメッセージを送ってこなければ、実際手にすることができないことになります。そういう意味では、お金目的であれば一定の時間の中で何らかの様々な情報が入ってくると思います。ただ、政治的な目的であれば、それは非常に厳しい局面に一定の時間になるということだと思います」
反町キャスター
「佐々木さんは最初からお金目的だという話をされていましたよね」
佐々木氏
「普通、ネゴシエイターが入るんですよね、プロの。ネゴをやる人間がいて、イギリス人やアメリカ人やフランス人のトラブルのネゴをやる専門のやつがいる。それが動いていくつもの問題が解決してきている部分があるんです。今回の場合には、そういう人が出てくるのか、そういう人に日本が依頼するのか、あるいは相手側がそういう人を使ってくるのかはわかりません」
反町キャスター
「240億円はふっかけているとしても、お金をとるために引き延ばす余地がある?」
佐々木氏
「ただ、ISというのは1枚岩ではないですよ。あるグループがこんなところで妥協しようよとか、もうちょっと引き延ばししようというと、お前冗談じゃないよ、というのが必ず出てくる。既にイスラム国家の幹部が汚職したとかでやられているんですよ。内部で粛清。そういう意味では72時間という時間的制約が必ずしも余裕があるとは(思えない)」
反町キャスター
「イスラム国が2人の身柄を押さえて、どのタイミングで発表しようか待っているところで、総理の発言が出た?」
佐々木氏
「有りうると思いますね。ご存知の通り、イスラム国というのは非常にうまいんです、PR作戦が。だから、義勇軍を大量に集めたり、宣伝したりしているけど、同じようにそういった意味での人質を金に換える、換金する方法についても、彼らは十分考えてやっていますよ」
小野寺議員
「過去の、人質事案。私が関係した事案でも実際初めの身柄拘束としては、たまたまタクシーに乗って、そのまま連れていかれ、転売されたという形でいくのが多いです。ですから、今回もどういう事案で最終的に捕まってしまったのかがわかりませんが、様々なルートでもしかしたら売られたかもしれません。私が感じていますのは、いろんな国のジャーナリストをイスラム国がもしかしたら持っていて、いろんなタイミングの時にいろいろ出てくるではないですか、英国だ、アメリカだと。そうすると、今回も一定期間あったということは、もしかして中で一応ストックをしていて、今回たまたま総理がああいう形でのカイロでの発言がある、中東歴訪する。そういうタイミングで今回出してきた。日本だけでなく様々な国に対して人質をストックしている。そういうことが背景にあるのではないかなと。今回のタイミングの良い、日本人の人質の映像というのはそういう印象は強いです」
秋元キャスター
「総理は17日、カイロで『イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノン、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します』と発言しています。この発言はイスラム国にチャンスを提供した、そんなイメージですか?」
佐々木氏
「避難民の支援という言葉が前提だけれど、実際に中東世界ではISと戦う周辺各国に援助するということ。別にISを明確に敵とするということの方が、印象が強いわけですよ。どう言い訳しても、そう捉えられてもしょうがないですよ」
反町キャスター
「このタイミングで総理にこの発言をさせるというのは日本政府として段取りがまずかったのではないかという印象を受けるのですが、いかがですか?」
佐々木氏
「外交に携わる人間でもなければ、政府の政策を決定する人間でもないから、何も言えないけれども、一般庶民としてはなぜこのタイミングで、総理が声を高らかに、IS と戦う周辺の国に2億ドルの援助をすると言う必要があったか。もし本当に彼が言うように難民や避難民を助けるためであれば、それだけを言えば良かったんです。となってくると、なぜISと闘う…と文言が入ってくるのか。本当はあなたが言いたいのはそこでしょう。私だったらそうとります」
秋元キャスター
「自己責任についてどのように考えますか?」
小野寺議員
「1番グレードの高い退避勧告が出ているということですので、当然入国することは大変危険を伴うということを前提で行かれたということですし、それは確かに自己責任はあると思います。と言っても、日本人ですから、日本国民としてできるだけ無事な解放、これを願うのが通常だと思います」
反町キャスター
「政府が自己責任をビシッと示すということは不可能なのですか?」
小野寺議員
「私の時には、今回の事案とは違いますが、たとえば、イランで拘束された学生でしたから、日本政府として、この学生というのはその紛争に入る目的ではなくて、たまたま行って拘束されたんだと。この学生をもし殺めることがあった時に全日本国民を皆さんは敵にするんですよと。そんなことで今後いいのですか。この国との関係、それでいいのですかと繰り返し繰り返し丁寧に交渉をする中で、最後向こうが開放した。身代金を払うわけではないです。あくまでも人質の価値と、日本との関係、どちらが大切ですかと繰り返し説明した中で、開放に結びつけることができました。ただ、今回の意図というのはまだはっきりわかりません。身代金なのか、それとも政治的意図か、いずれにしてもこれまで私が介入した案件に比べてはるかに難しい案件だと思います」
佐々木氏
「アラブ人というのは平均してイラン人もそうだけれども、外国人が来ることをおおいに歓迎するんです、それが誇りなんですよ。部族長に会うこと自体は難しくないです」
反町キャスター
「簡単に会えるのですか?」
佐々木氏
「もちろん。場合によっては仲介が必要だけれども、だいたいは部族長の家はどこだ、あそこだ、立派な家だなと。ポンポンとやればいいです、それは可能です。ただ、そのあとでネゴシエーションがスムーズに進むかどうかは別問題です」
反町キャスター
「そこはどういうコツがあるのですか?」
佐々木氏
「相手を褒め讃えることですよ、1つはね。明確にあなた方にとってこうすればこういうメリットがある、こうすればこういうデメリットが発生する。お互いにハッピーな状態になろうではないかというスタンスで話をすることでしょうね」
反町キャスター
「そういう形で部族長と関係をつくっていくと、今回の…」
佐々木氏
「それは別です。部族の跳ね返り者が何かバカをやったと。部族としては立場がねえぞというのがあったわけでしょう。何とかいい形で収めよう、そこではネゴの余地があった。この場合は、寄せ集めですよ。それぞれが俺が大将だと思っているわけしょう。小野寺さんが言う通り、極めて交渉しにくい」