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2015年1月6日(火)
経済団体次期トップに2015年日本経済を問う

ゲスト

甘利明
経済再生担当大臣 自由民主党衆議院議員
小林喜光
経済同友会次期代表幹事
三菱ケミカルホールディングス取締役社長

どう見る 今年の経済展望
秋元キャスター
「今日、昼間、経済3団体の新年祝賀パーティーが開かれまして、小林さんも出席されていたそうですが、周りの出席された社長さんの表情ですとか、雰囲気はどうなのでしょうか。明るいのですか?」
小林氏
「5、6年ぐらい出席していますけれど、明らかに、明るいですよね」
反町キャスター
「経済指標でいうと、昨年の暮れに(GDP)マイナス1.9%という数字をポンと見て最後の数字がマイナス1.9ではないですか。それで新年を迎えて、見通しが明るい感じなのですか?」
小林氏
「GDPという、あのパラメーターが、本当に何を表現しているのかと思うんですよ」
反町キャスター
「それを根拠に話しているのはダメですか?」
小林氏
「GDPというのは、まさに消費、あのあたりが6割とか、いろいろあるじゃないですか。政府の出費、あるいは輸出入がどうかなど。だから、そういう確かに、世界的に認められたパラメーターであることはあるんですけれど、今日集まった人達というのは、比較的大きな企業の、円安になって、非常に海外で稼いだお金の換算益が78円から120円というとその分だけ増えますよね。そういう人達がメインですから、そちらの収益というのは、大企業の円安になったというメリットがかなり大きいわけです。だから、そういう人達の集まりは当然、明るいんだけれども、今後、話題になるでしょうけれど、中小企業の一部、地方は明るくはないけれども、そういうところでちょっと明暗が…好循環で全てが幸せになるところまでいっていないと。こういう捉え方でいいのではないでしょうか。在庫の評価損を抱えているような事業体は比較的苦しんでいるけれども、一般的に言えば、今後、非常に原料が安く、電気代も安くなるとか、ガソリン代が現に安くなっているわけです。油というのは2ドルぐらいからずっと上がってきて、147ドルになって、三十何ドルまで落ちたんですが、最近ですと110ドルぐらい、1バレル平均で、ほとんど、高値にFIXしていたんですけれども、ここにきてグーッと下がってきた。原油価格は、突然の異常な現象には常に上がってきたんですよね。ですけど、ここにきて、うっかりすると、アメリカのシェールガス、シェールオイルが非常に安く、フィージブルに取りやすくなって、サウジもシェアを取られたくないから減産しないので、ヨーロッパ経済、あるいは中国も若干、そのリンクしている世の中で、間違いなく原油というのは、オーバーフローをしている、オーバーサプライをしている。と言うことは、今回も結構、過剰生産が続くのではないかというのが、これまでの我々のパラダイム、常に原油というのは高いところにあるんだというのとも違う。当然、先ほども言いましたように、金利も下がった。もう1つ、為替が常に360円からずっと下がってきているんですよね。それで、現在120円と言っても、昔から比べれば、360円が250円になり、78円の時もありましたけれど、本質的には円というのは強くなるというパラダイムの中で生きてきているんです。だから、3つともパラダイムが変わっているんですね。そういう意味で、2015年というのは、原油がこんなに下がったということを明確に認識をして、方向性が変わりつつあるんだというところを見ていかないと、うっかりすると間違った判断を、経営としてはやってしまうというのを若干感じますね」

加速する円安 どう見るか
秋元キャスター
「安倍政権発足直後の2013年1月4日の時点では、88円ほどだったのですが、今日の午後5時時点の東京外国為替市場では、119円となっているんですね。この円安の状況をどう見ますか?」
小林氏
「もう少し125円とか、130円近くまで行くという可能性は十分にあるでしょうね」
反町キャスター
「それは期待ですか?それともそこまでいくのは好ましいか、好ましくないかも含めてですか?」
小林氏
「アメリカがますます1人勝ちの世界ですからね。それに引きずられて、もう少し弱くなる。日銀がどういう形で緩和を考えるかにもよるかと思うのですが、この勢いでもう少しは弱くなるのではないでしょうか。本当は高値でも安値でもいいから比較的安定してくれることですよ。最近はマーケットでやたら動くではないですか。油にしても。あっという間に半値と。こういうことはほとんどこれまではなかったはずです。20年ぐらい前までは」
反町キャスター
「そういう意味で、企業が長期的戦略を立てにくい時代になっている?」
小林氏
「まさにそうだと思いますよ」

トリクルダウンは起きるのか
秋元キャスター
「中小企業の業績というのは良くなっていくのでしょうか?」
小林氏
「現在、政府も言われているように好循環という、だから、そういう円安になり、給料、賃上げをして、消費を喚起する。それが中小企業まで落ちていく。トリクルダウンという経済学の言葉を使う人もいますけれども」
反町キャスター
「民主党なんかはトリクルダウンなんか嘘だよと、できないと」
小林氏
「経済学にもそういうのはノーだと、あり得ないという人もいます。人によっては、例の21世紀の資本主義に書いてある、ピケティの本なんかはどんどん格差は広がるという、そういう人達ももちろん、論者もいるんだけれど、常識的に考えたら、同じ国内で強い企業が儲かって、給料が上がって、皆購買意欲をそそられて、中小企業も含め、あるいは仕事も戻ってきた産業は、仕事を中小企業に出すという形で、いい方向に行くことは事実ですけれども、どの程度、そういう形で急速に中小企業があたたまってくるかというのは、そう簡単ではないかなと」
反町キャスター
「そうかと言って、民主党政権の時みたいに、生活者を直接支援だと。要するに、円安で大企業にもとりあえず為替の利益をバンと与え、滲みてくるまでという自民党のやり方ではなく、生活者に特別のばら撒きと言われるような政策はいいのかどうか」
小林氏
「今回自民党も3.5兆円の経済政策をとるじゃないですか。だから、あれが1つの、そういう意味で、直接的に地方なり、中小企業支援に役立てるということで、必ずしも、その大企業だけではなくて、いろいろなところに目配せしているなと僕は思いますよね」

どう見る 企業の内部留保
秋元キャスター
「財務省の調査によりますと、安倍政権発足直後の2013年1月から3月期、およそ285兆円だった企業の内部留保ですけれども、昨年の7月期から9月期には、およそ324兆円となっていて、過去最大を更新しているんですね。内部留保についてですが、昨日、麻生財務大臣は『まだお金を貯めたいなんて単なる守銭奴に過ぎない』と発言されているんですけれども」
反町キャスター
「ここ1年ぐらいのいわゆるアベノミクスにおける円安がドンと進む中で、企業内部留保というのが20兆円増えている。もっと短期のスパンで、ここ1年ぐらいで見た時に20兆円は理屈で言うとですよ、円安で内部留保が増えているのであれば、円安の部分を還元したらどうですかというこの理屈は、なるほどと思うところもがあるのですが、その部分は企業の論理と、それは違うのですか?」
小林氏
「それはそこがまだ経営者のメンタルな、マインドセットが・・・。すぐそれが給料にボンと跳ね返すとか、やろうと思っているんだけれど、1年のタイムラグがあるじゃないですか。昨年の成績で、今年はという、そういうのもかなりありまして。まだ昨年のように7-9で328兆円ですか。その時はまだ安倍政権になって1年半でね。そうすると、すぐ、それをもって上げるという時ではない。たとえば、昨年も給料2%上がっているわけですよね。ですから、今年あたりは、昨年のパーフォーマンスは一昨年よりいいですから、昨年と言いますか、2014年度は、この3月まで。ですから、そういう意味では、麻生さんが言われているように、大企業というか、それなりに儲けた会社は上がるのではないでしょうか」

賃金は上昇するのか
反町キャスター
「たとえば、アベノミクスで結果的に円安誘導が起きて、こういう状況になって、株で、GPIFでテコ入れしているのですから、それをもって賃上げをするというのは何か政府の思惑と、企業との意思の疎通がはかられるわけでも何でもないですよね。強制性もなければ。これ何か不思議な感じがするのですが。それはそういうものですか?」
小林氏
「ですけれど、政府が思っているほど、そんなに上がっていないということではないですか。政府がもっと要求しているような気がしているんです。そうではなければ、守銭奴なんて言わないんじゃないですか。やることが遅いなと。そういう部分があるのではないでしょうか。でも、経営者だって、1年やそこら良いからすぐ上げるなんて単純明快過ぎますよね。1年というより、サステナブル、いかに長期的に持続性があるのか見ながらやるのが責任ある経営ではないでしょうか」
反町キャスター
「その意味では、いわゆるベースアップ、ベアと呼ばれるような、基準全体を底上げするのか、一時金でやるのかというのをよく言われますけれども、まだ安倍政権が発足して1年ちょっと。さらに言うと、選挙で勝って、安倍さんの政権があと3年、4年続くという、そのスパンの中でベアまで踏み込むのはなかなか勇気がいるものですか?」
小林氏
「ベースアップというのは固定して、1度上げると下がらないと。ベースダウンという言葉があるならベースアップもできますよ。だから、ベースダウンがない限りは非常にちょっと。たまたまのことで良かったなというのが一時金になりますね。従業員は1年ずつ年をとっていきますから、それは定期昇給で報いているわけですね。ベースアップというのは全体を上げるわけですから、これは相当責任ある重いことです、会社経営として。うっかりすると破産という可能性もある中で、どれが労働分配率として適正かということも考えながら。あるいは長期的にどうなるのか。財政の健全化とも関連して、日本があと10年は大丈夫だとしたら、ベースアップというのはより皆さん、やりやすくなるでしょうね。だけど、なぜベースダウンというのがないのかなと。ベースダウンというのがあれば、いくらでもベースアップしますよ」
反町キャスター
「硬直性があるんですね、ベースアップという言葉は」
小林氏
「だと思いますね」

安倍政権の経済政策
秋元キャスター
「昨日の年頭会見でも安倍総理は今年も経済最優先で取り組むと言っているんですけれども、小林さん、ここまでの安倍政権の経済政策をどう評価されていますか?」
小林氏
「1番感じるのは、第1の矢、第2の矢、第3の矢が、それを戦略的に、きちんと2年前の1月頃から、そういう形で、ダボスでも、そういう説明をするような形ですよね。クリアな戦略があったということ。もう1つは非常に時間的にはやい。これは間違いなく、政治なり、官僚の仕事は時間がかかる、遅いなと。民間ははやいなと思っていたのですが、現在は民間の方が追い上げられているのが一部ある。そういう意味では、安倍第2次政権というのは非常に、その第1次でいろいろなことをメモったものを具体的に非常にはやくアクションに出しているなと。経済政策が将来、これだけの金融緩和で、本当に正しいかどうかというのは、それは歴史が証明するのでしょうが。とりあえず皆さんが明るくなる、そういう状況をつくった、それもかなり短期的に。そこは評価すべきではないかと思いますよ」
反町キャスター
「1、2、3の矢ということで、スピード感と言いながらも、第3の矢は…」
小林氏
「1、2のスピード感。3は政策的に規制緩和をはやめにやった方がいいとは思うんだけれども、3はむしろ民の力が相当重要ですからね。これは時間がかかるんです、もともとが。企業体で、特にメーカーで新しいモノづくりに関わる時間は20年、30年なんですね。事業で本当に儲かるようになるのは」
反町キャスター
「第3の矢で、1年、2年で結果を出すみたいな」
小林氏
「それは一般的に言われているんだけれども、それは前々から言っていますように、新しいイノベーションというのは最低10年の軸ですよ。そこは若干、辛抱しないと、こんな打ち出の小槌みたいな、パッとやったら、こういうものができますとか、それは、農業だって規制緩和して、本当にそこが競争力のある、TPPももろともしない農業にまで持っていくというのには最低、5年、10年の話でしょう。我々の新規事業なんて10年が経っても、どれも儲からなくて、毎日いろいろイライラしているんですから。成長というのはそういうものだと思いますよ。子供だって、大人になって金を稼ぐまでに十何年かかるではないですか。まったく事業も同じだと思いますよ」
反町キャスター
「でも、財政の健全化を視野に入れ、金融緩和をして、財政出動をするというのは」
小林氏
「時間稼ぎね」
反町キャスター
「10年も、20年も時間が稼げるのですか?」
小林氏
「いや、だから、稼げない」
反町キャスター
「稼げないですよね。その薬が切れたあと、成長するまでの、7年、8年、10年、15年はどうするのですか?」
小林氏
「だから、その成長は本当のイノベーション。それまでは、先ほども言いましたように、円が安くなったとか、海外からの稼ぎを日本に持ってくるとか、イノベーションというほどでもなく、一般的な成長と言いますか。観光で人を連れてくるとか、こういうので時間稼ぎしているんだろうと思っています。だから、本当のイノベーションをベースにした成長と言うのは、明らかに10年以上のオーダーでしっかりと辛抱強く待たないと、全部死んじゃいますよ」
秋元キャスター
「安倍総理の消費税引き上げ先送りの判断はどのように」
小林氏
「2020年のプライマリーバランス黒字化。これはどう考えても算数的には難しいと僕は思っているんですよ。あり得ないというね。11兆円ぐらい足りない。マイナス1.8ぐらいでしょう、GDP比で。これは歳出、出す方を止めないとダメですね」
反町キャスター
「安倍さんはそのへんのところはどうですか。たとえば、選挙に勝って、3年ちょっとは政権が…」
小林氏
「とりあえずはデフレからの脱却、活性化しないと話にならないと。そこから始めてある程度、エンジンがかかり出したら、おそらく、そちらの財政健全化。痛みの話を敢然とやり出すと期待をしていますし、今回の国会、改革断行国会と言われていますから、そういう意味では、そろそろ前向きにそちらの部分、第4の矢あたりを」
反町キャスター
「小林さんの言う第4の矢とは何ですか?」
小林氏
「財政健全化ですね。それはまさに歳出の切り込み。ここだと思いますよ。僕は、規制改革もさることながら、そちらの方が難しいんだけれど、やってほしいなという気がしますね」

どう見る 今年の経済展望
反町キャスター
「最後のGDPはマイナス1.9%。非常に厳しい数字だと受け止めている中でも、今年の新春の経済3団体の祝賀パーティーでは、皆いいねと。そういう雰囲気に満ちているんですけれども、この直近の数字の悪さと今年の雰囲気の良さをどういうふうに受け止めたらいいのですか?」
甘利経済再生担当相
「底流の流れは良いまま続いていると。消費税の引き上げによる、短期的な影響が消費に出ていると。だから、これを克服できれば、基本はいいのだから、つまり、基本がいいというのは何かというと企業収益は相変わらず最高益を更新しているし、雇用情勢は絶好調。完全雇用に近いと。有効求人倍率は遂に1.12にまで上がってきたと。良い底流にいるんですね。だから、このいい動きを無にしないということですよね。好循環をまわしていけば、途中までまわりかけているんですから。動かし始めれば、それ自体が推進力になるというところの、ちょうど境目にいるところなのでしょうね。だから、見通しは明るいと」
反町キャスター
「その推進力を減らさないために、消費税の引き上げを先送りしたわけではないですか?」
甘利経済再生担当相
「そうです」
反町キャスター
「デフレからの脱却というのが、ずっと脱却したのかなと思っていたら、でも脱却しないというか、抜けかかっていた。現在どういう状況だというふうに思ったらいいのですか?」
甘利経済再生担当相
「私は前から言っているんですけれども、今日どうですかと、今日デフレですかというと、デフレではないです、脱却しましたかと。脱却したというのは、外的な要因があっても戻らないだけの足腰の強さになっているということで、ところが、消費税を引き上げて、あのインパクトは意外と大きかったわけですね。消費がドンと落ち込んだわけですよね。だから、ああいう衝撃があったとしても跳ね返せるだけの足腰の強さになっていないと。そういう意味で、脱却はまだしていませんというところだと思うんですね」
反町キャスター
「その意味でいうと、外的要因は、たとえば、原油が50ドル、瞬間割るところまできている。原油安というのは全てがプラス要因に働くのかどうかとか、円安というのも、現在120円、今日は割りましたけれども。この円安とか、原油安というのは、デフレ脱却に向けてはどういう作用をもたらすと見たらいいですか?」
甘利経済再生担当相
「まず原油安というのはピークが確か100ドルちょっとだったですね。それから、3割落ちると4兆円、日本経済にプラスと言われて、現在5割落ちていますから、だから、7兆円近くプラスになっているんでしょう。これはこれで日本経済にプラスです。円安については、私は今日もマスコミからどれぐらいと聞かれたんですけれども、それは、私は言っちゃいけないことになっていまして、言っちゃいけないのですが、世間ではそろそろいいかなという人が多いですね。これは世間の声ですから、世間の声はそうだというところですよね」
秋元キャスター
「GDPについて、昨年7月から9月期のGDPの改定値ですが、速報値の1.6%から、さらに下方修正されて1.9%減だったんですね。甘利さんはこの4月の増税以降、消費改善が遅れている。このことについてはどのように対処しようと考えていますか?」
甘利経済再生担当相
「動向調査をしてみると、実質賃金がマイナスであるという事実と、これから先も上がらないのではないかという悲観論が影響をしているんですね。だから、大事なことはこれから先は賃金が上がっていくんですと。上がれば、消費が伸びて、そうするともっと上がるんですよと。こういう明るい見通しを皆が持つということが1番大事ですから、だから、今春の春闘はすごく大事になってくると思うんですね」

賃上げはできるのか
反町キャスター
「物価上昇率を上まわる賃上げを期待する?」
甘利経済再生担当相
「一巡はしました、二巡目で、つまり、年内、あるいは年度内には物価上昇を超える賃上げを累積としてなって、実質賃金がプラスになるということを期待しています」
小林氏
「物価上昇率、これは難しいのでね。ROEを手頃に上げながら、なおかつ還元するというバランスをどうとるかという中で、結果として我々から見れば、超えたいなと…超えればいいなと。だけど、ひょっとして原油が下がって、もし長期化すれば物価は下がるのではないかなと。国民にとっては、実質賃金が上がるという部分もありますしね。原油をどう見るかというのは、非常に僕自身は頭の整理がついていないですよね」
反町キャスター
「原油安は、結果的に2%の物価上昇率が下がることになった時に、それにあわせた賃金ベースで構わないということになってくるのですか?」
甘利経済再生担当相
「原油が安くなるのは、それだけ支払う対価が減るわけですから、日本経済にとっては悪い話ではないんです。ただ、小林さんがおっしゃったように、日銀の物価目標2%にとってはここから逆に厳しくなるわけです。ですから、2年で2%という目標は日銀にとって、原油安というのは厳しく働くと思うんです。ただ、エネルギー価格というのは、石油だけではないですから、天然ガスは油価が何か月遅れてやってきますので、電気代というのは原発が再稼働できない限りはかなり上がり続けていますから、諸々勘案するとエネルギー価格は劇的に下がるということは考えにくいと思うんですね。そのうえで賃金を実質もプラスで、名目もプラスではないといけないんです。これは経済成長と同じ理屈で、名目はマイナスだけれど、実質はプラスだからいいというのでは、経済はシュリンクしちゃうわけですから。経済というのはもちろん、実質がプラスでないといけないんですけれど、名目もそれを超えてプラスになっているというのが健康な姿ですから、賃金もそういう姿に沿って実質が増えている、手取りは減ったけれど、それは政府としては理屈にならないわけですから。実際に手元にある手取りの現金は増えていると。物価を勘案した実質もプラスに超えている姿が健康的な姿だと思いますけど、それを目指したいですね」
反町キャスター
「政労使一体で」
甘利経済再生担当相
「政労使で掲げる目標に向かい、これは互いにとっていいことですねという認識のもとに、ここに向かうために、使側は何をするのですか、労側は何をするのですか、政府は何をするのですかというお互いができることを寄せ合い、これでいきましょうという認識を共有しているわけです。これは強制ではありません。自発的行為を寛容しているわけですよね。そこで事務方が根まわしをしましたけれど、ここまで皆で踏み込もうよということになったわけですよね。これが成功すると、私は良く言っているが、今日も賀詞交歓で言いました、内閣府の訓示でも言いましたけれども、資本主義の新しいページですよ。どこもやったことないんだから。政府は要請したけれど、基本的には民間の発意で動いている話ですよ。民間の発意で資金循環が動き出して、デフレ脱却できたというのは世界中やったことないですから。これは資本主義の新しいページに記されるわけですよ」
小林氏
「共有する、しないに関わらず、この競争社会ですと給料上げるといい人がくる。だから、賃金というのは、あるいは人というのはコストではなくて投資なんですね。この部分は共通というか、相当持っているんです。1つ、ちょっと違うかな、というのは日本の場合は、企業の場合、先ほどの内部留保も含めて、以前デフレの中、あるいは為替の異常なほどの円高、あるいはエネルギーコストの高い中では、海外の会社のM&Aでこういう形でお金を使っちゃっていたわけです。非常にボーダレスですから。だけど、政治というのは当然日本国というのがメインになります、単体損益がメインになる。このへんの違いは明らかにあると。だから、向こうから稼いだお金を配当金で持ってくるなり。GNPも良いですけれど、GNI的な感覚というのも当然政府がお持ちになってきている中で、ただ最後のところは選挙民をメインに考える政治と、本社はとりあえず東京にあるが、グローバルな中で稼げるところで稼ぎたい。要するに、イコールフィッティングというのは、法人税を下げてくれというのは、同じ競争条件で戦いたい、ここのところが一部は、まだまだこれから相当対応する方向に安倍政権なっていますが、そこのところの認識の違いは若干まだ残っていますね」

法人税減税の効果は
秋元キャスター
「法人税率引き下げの展望は20%台まで描けているのでしょうか?」
甘利経済再生担当相
「当初、財務省は、2.51%、3.29%引き下げよりもかなりシビアな数字だったんです。党税調でも野田会長が私と話をして総理の想いを伝えしまして、野田会長ができるだけやってみるという返事をいただいて、党税調をまとめていただいて、ここまでの数字になったんです。これは当初の財務省案とはだいぶ違います」
反町キャスター
「総理が新年パーティーでもさらに上乗せと言われているのは、ドイツの29.59%を凌駕するところまで踏み込んでいくということでいいのですか?」
甘利経済再生担当相
「総理がどういう想いでおっしゃったのか、私は確認していないのですが、まず20%台に突入する時間をできるだけ短い時間でやりたいという想いだと思うんですね。野田税調会長が初年度2.51%下げると。次年度はそれを含めて3.29%確かプラスαと言っているはずですよ。それは来年度の税制改正で税収動向も見ながら、プラスαができるかどうか考えるということだと思うんです。そこの部分も総理はおっしゃっているのかなと思いながら。そうすると期間が数年間というのを、6年なのか、5年なのか、4年なのか、そこの時間も縮まってくるのではないかと。そういう思いでおっしゃったのかなと」
小林氏
「よくぞはやくやってくれたなという印象ですし、中国、韓国が25%ですよね。グローバルに戦う企業は当然同じ土俵で、同じルールで戦わないと。エレクトロニクスはひと頃、非常に苦戦したのは、為替と同時に税体系の違い。台湾、韓国と非常に争いが厳しかったというのは、そういうところからきて、現在かなりプラスオンしたわけですけども、そういう反省を踏まえれば、法人税というのは25%ぐらいが最終形として、なるべくあと3年ぐらいで29.9%ぐらいの気持ちでやっていただければ、民間は当然ありがたいなということですね」
反町キャスター
「外形標準課税を強化するということついてはいかがですか?」
小林氏
「存在すること自体が社会に対してそれなりの負荷をかけているわけですから、それを払うのは、どのへんにするかという見積もりは重要かと思いますが、存在税みたいなものですから、赤字であろうが、黒字であろうが基本的には払うべきものではなかろうかと。これは経済界でも意見は分かれていますが」
甘利経済再生担当相
「地方から、地方の雇用の受け皿の中小企業がダメージを受けるという話がありましたから、資本金1億円できっていますから、中小企業に影響が及ばないようにはしてあります。そのうえで中堅以上については新陳代謝の効果は出てくると思います。それと合わせて、だからこそ労働移動が生産性の高いところに、労働資源がスキルアップして、あるいはスキルチェンジして移動できるような体制もとっているわけですね。雇用保険も、雇用を抱えることに対しての支援をするのから、雇用をスキルアップやスキルチェンジをして移動しやすい失業なき労働移動。生産性の低いところから生産性の高いところにスムーズに失業という経緯を経ずに移動できるような社会保障制度も同時に現在、完備しているというところです」

甘利明 経済再生担当大臣の提言:『好循環・イノベーション』
甘利経済再生担当相
「デフレを脱却するために好循環、つまり、事業環境を政府が整備をして、企業が業績を上げて、その上げた利益をどう社会に循環させていくか。賃金とか、下請け代金とか、あるいは競争力を高めるための自社への投資です。それに向かわせようと。それがさらに消費を拡大させて、それが企業業績を拡大させるという良い玉突き状態ですね。これを起こしていくことが大事。それから、イノベーションは企業が高付加価値化していくということが大事なんですね。アベノミクスが目指すものは日本を世界で1番イノベーティブな国にしていくというのが目標です。国全体も、地方も含めてね。つまり、世界に先がけて新規のモノやサービスや制度は日本から世界に向けて輩出させていくと。そういう国にしていくというのがアベノミクスの最終的な着地点です。この2つの要素は、デフレを脱却して、健康的な経済成長に日本を導いていく道だと思います」

小林喜光 経済同友会次期代表幹事の提言:『辛抱(成長)3→ と 覚悟(財政) 4→』
小林氏
「甘利大臣のイノベーションと関連するのですが、第3の矢、第4の矢ですが、第1の矢、第2の矢は見事に30年を振り返った歴史的評価は別として非常にうまくいったという総括ができると思うんですね。今年の課題というのは、第3の矢をどれだけ具体化するのか。それと財政の持続性、財政再建にどれだけ具体的にアクションに入っていくか。この2つかと思うのですが、イノベーションというのは、僕の感覚ですと、10年、20年のオーダーで本当のイノベートなことが出てくる。ちょっとした成長は、確かに1年、2年で一部はそれなりに手に入れることができると思うのですが、これは感覚的な言い方ですが、辛抱が大切。辛抱しないとせっかくのものがまた潰れてしまう。成長戦略というのは時間がかかるんだという認識をもっと国民が持つべきだと思います。それと政治は出を制するか。何でもある程度国民に優しくやるというのも良いのですが、そろそろ痛みを覚悟して…そういうことの計画をつくってもらう。最初の試金石は2020年度プライマリーバランス黒字化。これは相当高いターゲットと思うのですが、消費税17%というわけにいきませんから、出るのをどうとめるか、ここだと思うんです。これが今年の我々民間の課題と同時に政府の課題。第3は民間、第4は政府。こういう感じだと思っています」