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2014年12月17日(水)
生殖補助医療の光と影 受精卵検査は命選別か

ゲスト

古川俊治
自由民主党「生殖補助医療に関するPT」座長 参議院議員
吉村泰典
日本産婦人科学会前理事長
河合蘭
出産ジャーナリスト

生殖補助医療への期待と懸念 着床前スクリーニング
秋元キャスター
「着床前スクリーニングの全染色体検査とは」
吉村氏
「流産をされる方で1番多いのが、7 割以上が染色体異常ですね。何度も流産を繰り返している方とか、体外受精を何回やっても着床できない方、こういった方に対してこのPGSというスクリーニングをやるということが、医学的にどういう意味があるのかということを検証する。即ちこれをすることで本当に流産が減るのか、妊娠率が上がるのか、子供をクライアントが得ることができるのか、そういうようなことを調べると。医学的な検証であるということですね」
反町キャスター
「まだ実験段階の話なのですか?」
吉村氏
「そういうことです。これは決められた施設において、症例を限定し、同じ方法で、要するに、検査を評価する人も同じ人が。そういったデータというのは海外にもないです。現在、海外でもそれをやっているところです。ですから、日本でもこういった医学的な検証が必要なのではないかということで、学会が臨床研究としてやっていこうと」
反町キャスター
「健康に生まれる可能性がある胚をスクリーニングで異常があるとして除去してしまうというリスクはないのですか?」
吉村氏
「それはほとんどないと思います」
秋元キャスター
「これまで認められていなかった着床前スクリーニングですが、今回、なぜ認められたのですか?」
吉村氏
「新型の母体血による染色体異常に関する検査ができるようになってきました。これは21番目と18番目と13番目、生まれる可能性のある子供さん達の染色体異常、これらを母体の血液を調べて行うという検査が行われるようになりました。その状況の中で、たとえば、受精卵でこういった異常を調べることは許されないのかといったような考え方があります。クライアントの方も流産をどうしても避けたいと。そういう考え方もあって、こういうことは欧米でも行われていたわけです。欧米では、古い方法でスクリーニングをやっても、流産率は下がらなければ、生児獲得率も増えないというデータが2010年頃から出だしたんですね。ですから、新しい方法でもう1度検証し直そうということで、欧米でも研究が行われているところです。日本でもそれをやっていこうということですね」

命の選別につながらないか
秋元キャスター
「命の選別につながるという批判もあるわけですが」
吉村氏
「着床前診断を含めて、全般に言えることだと思うので、受精卵を廃棄するわけですから。海外では中絶ができないということがありまして、欧米では。ですから、始めからスクリーニングを行うと。現在、欧米では男女の産み分けまで普通に行われているんですね。そういった現状の中で、わが国では重篤な遺伝子疾患でしか、認めてこなかったという経緯があります。これは、10年以上も前に障害者団体の方とか、いろいろな方々とお話をしながら着床前診断PGCだけはスクリーニングだけではない。そういったものだけでは許容していただいたという経緯があるんですね。その中で、スクリーニングをやるということで、胚が生命の萌芽であるという考え方はもちろんあるわけですね。それを男女産み分けのために使っては、私はいけないと思うんですね。流産を避けたいという人に対して、こういったスクリーニングが本当に医学的に意味があるかどうかを検証するだけであって、倫理的、社会的な側面については、医学的な結果が出てからもう1度国民に問うという結果になると思います」
反町キャスター
「法的、倫理的なクリアが後まわしというのどうなのですか?」
吉村氏
「我々からすれば、医学的な検証がない以上は倫理的な側面を話すということはどうかと思いますね。そのような考え方を持っています」
河合氏
「私は、出生前診断の本に取り組んでいるんですね。高齢の方が妊娠したあとのアフター、出生前診断を受けようか迷うということがありまして。バランスということが大事だと思っていて、このPGSということを見ています。1番侵襲性の高い出生前診断は羊水検査、お腹に針を刺して、流産の可能性が、300人に1人可能性があるという検査があり、それを避けようという形で新型出生前診断というものを始めたと思うんですね。その時に起きた議論と言うのが、まったく安全ですよね、血液検査だけですから。そういう検査が受けやすくなってしまうので、命の選別はよくないのではないかと。今度は流れを見てみると、女性にとって負担が大きいものはOKで軽いものはダメだというそういう形になっている、そういう見方をすることもできるんですね。結局異常がわかった時にその命をどうしようというのか、私が話したいのは誰がそれを決めるのかということです。私は、女性が決めるんだという考え方で、その決める場を大事に社会が考えて、その方達にどういう情報提供をしていくべきか、その方達が妊娠をする前にどういう教育を受けて、障害に対してどういう考えを持つことができるか。そういう社会全体の考えとして、調べる技術をやっていけないというのは、私はおかしいと思います。陽性だった場合、準備をする方はいらっしゃる、私も取材をしています。それから、治療法というのも出てくるんです。たとえば、ダウン症の研究を一生懸命やっていらっしゃる海外の先生は実はLYP(新型生前診断)の開発に深く関係わっている。同じ先生がダウン症の胎児の治療に関わっているんです。ダウン症のお子さんが生まれて大人になった時のお薬の臨床研究というのも治験がもう始まっている。遺伝医学が進んでいくと、診断&治療というように、医療の形にセット化されていくんですね」
反町キャスター
「日本の状況はどのようになっているのですか?」
吉村氏
「ダウン症の方々が生まれて、十分社会に出てこられるようになってきましたよね。彼らが健やかに育ち、健やかに生きられるような社会を目指していくことは医学的な面からも、社会的な側面からも私は必要だと思いますね。そういった観点が抜けた形で、出生前の母体血の遺伝的検査だけが前面に出てくることが間違いではないかなと思いますね」
古川議員
「この考え方、我々の人間の尊厳についての前提なのですが、基本権があってそれをどう考えるかなんです。河合さんが先ほどおっしゃいましたが、女性の自由、これが1つの考え方です。アメリカやイギリスのコモンローの中ではこの考え方、生きている人間の自由というものが人間の尊厳の本質であると。男性も入ります。もう一方の考え方で、人間の尊厳というのは個人の選択を超えた人間の考え方で、主としてなので、尊厳があって、個人の判断と言ってもそれを超越したものであって、ドイツでやっているものは、伝統的に真ん中ですよ、だいたい。どちらかと言うと技術は利用するけども、英米ほどはリベラルではないと。アメリカでのずっと日本の立ち位置というのは日本の風土には、それはあっているんです。現在アメリカはもっと進んでいるよという話がありましたが、ここで慎重にただ技術は使っていくという方向で、私はこれまでの考え的にはいいのではないかと思いますね」
反町キャスター
「実験段階ですよね。政治はどのように関わっているのですか?」
古川議員
「遺伝子力研究の指針を我々は出しています。それに則ってやってくださいと申し上げているんですね。それは国側でつくっていますが。それに則っている限りは学問の自由ですから」
吉村氏
「おっしゃったことはよくわかるのですが、医学的に本当に意味があることなのかどうかわからないんですよ。しかし、これはクライアントが希望されることも多いし、そういった状況の中で我々としても、これは意味のないことだと言う根拠がないんですよ。ですから、これで本当に流産が減り、赤ちゃんを抱くことができるか。そうしたデータが出ない限り臨床応用といった形で進めていくことはできない。ですから、臨床研究として、させていただけないかということです」

体外受精…事実婚へ拡大
秋元キャスター
「体外受精を婚姻関係にない、事実婚の夫婦にも認めるということですが、どうして方針を変えたのですか?」
吉村氏
「まず昭和58年ですが、初めて体外受精の見解を出した時に、これは当時の夫婦関係の社会的情勢や、嫡出子と非嫡出子、それから、体外受精の社会的認知度ということもあって、婚姻関係の見直しをしたんですね。平成18年くらいになって、クライアントのプライバシーのことなどがありまして、これまでは戸籍謄本を持ってきてもらっていたんです。たとえば、体外受精を受けたいと思う男女が戸籍謄本をどうして持ってこなければならないのかというようなことも言われてきたんですね。そのようなことがあったがために婚姻しているという判断は文書、戸籍謄本を持ってくるというようなことは要求しない。私達は夫婦ですと言えば婚姻関係になくとも体外受精が行われていたという現実があったわけです。それで私達が思ったのは、昨年の最高裁における非嫡出子の法的な不利益が、これがなくなったという判決が出ましたね。それがなくなったから、非実子者は婚姻しておりというのをとって、夫婦という形にしたわけです。それをマスコミの方々が事実婚でもOKという形で捉えた。現実的にも現在は事実婚でも行われていると思います」
反町キャスター
「婚姻関係もなく、事実婚でもない。何らかの理由で子供をつくりたいということもあるんですよね」
吉村氏
「そういった御指摘もこの時は大変多く受けました。しかし、私達としては夫婦として来られれば、我々の医療を提供できるのであれば、体外受精を提供するというスタンスをとっているということです」
反町キャスター
「そこにはゲートキーパーは必要がないのですか?」
古川議員
「いろいろな夫婦の在り方というのが、現在の社会から出てきて、子供の福祉を考えた場合、婚姻関係のある夫婦から生まれたから幸せなのか、あるいは(婚姻関係が)ないから不幸せなのか、そんなことないですよね。現在いろいろな諸制度も、実態として夫婦関係があるかどうか、養育関係がどうかで、いろいろな補助なんかもいろいろ変わってきますので、現在の法律の婚姻関係に、親子についてはそれを要求しないことが極めて多いですね。私どもの考え方として事実婚に対しての差別というのはほとんどなくなってきましたよね。そういう意味では産婦人科学会の方も、現在の一般的な規制の流れに従っていただいていると私は思います」
反町キャスター
「婚姻という言葉にこだわらないことによって、出生率の上昇に期待をつなげるのか、どういう背景があるのですか?」
吉村氏
「それはまったくあたっていないと思うんですよ。日本で事実婚と言いますか、シングルマザーはたった2%しかないんです。これは海外の国々から比べると異例の少なさ。ヨーロッパの国々では50%以上の国がたくさんある中で、夫婦とは何かと国民がどのように考えていくかどうかは、政治の立場から考えていただくということがありますが、我々は非嫡出子の法的な不利益がなくなったということも鑑みて、カップルが体外受精を希望するなら、我々としては拒否できないのではないかなという考えです」

代理出産限定容認
秋元キャスター
「産婦人科学会が禁止している代理出産をなぜ限定容認するのですか?」
古川議員
「産婦人科学会もこれを禁止しているというのは、法律がないからですよ。それは子供がどうなってしまうかもわからないので、様々な問題もあるので、やっている人は海外に行ってやっているわけですね。利益を払ってやっていて。その斡旋業者もちゃんといるわけですね。そうすると、海外に出て行った場合はとても高齢な人にもやってしまう、それはお金ですから、管理も非常に不行き届きですから、自分の判断でしょうと話して、やられてしまうんですね。現にやるよりは安全にできる、倫理的にも許容されるレベルで、国内でできるようにすることが必要だという判断ですね」
吉村氏
「これは実態を見ようとしてもなかなか見られないんですね。なぜかと言うと、卵子の提供であれば、高齢者が多いとなれば、高齢になられた方が病院に来られますと、あなたは卵子の提供ですかということが聞けるんですよね。本当のことをおっしゃる方もおられます。しかし、代理出産は海外でほとんど出産されていますね。そうすると、出生届を日本に届ければ自分の実子として認められるわけですから、調べようがないですよね。ですから、カミングアウトしている人以外は実態がどのくらい行われているのかということはほとんどわからない」
河合氏
「代理出産だと本当にわからないんですよね。周産期系施設の大きいところに行きますと、卵子提供の方の多さというのは本当にすごくよく聞いています。それも、なかなかカミングアウトしてくださらないというのが問題にあります。とにかく高齢であるということが危険なところに、45歳以上、50歳以上、私は60代の出産の話も聞いたことがありますが、もとからの危険性のうえに、自分と遺伝的につながりのない卵子でお腹に宿している。そういう時に、胎盤ができる時の医学的なとても大きいトラブルがあり、ほとんどの方が帝王切開で出産し、かなりの方が胎盤トラブルで大出血なさって、命からがら何回も輸血しながら、難しいお産をなさるという、その背後に、海外での妊娠というのがあるわけですね。年齢の制限もない。日本の体外受精というのはすごく厳格に、胚は1個戻す、ほとんどの方が1個だけ戻していると思いますが、海外はたくさん戻して来られると。今言ったようなリスクのうえに双子、三つ子というリスクが重なっていくと」
吉村氏
「代理懐胎を日本でなぜ産婦人科学会が禁止していたのかと言うと、引き取りの拒否、引き渡しの拒否。それから、たとえば、異常があった場合に中絶を強要する。2体、3体、4体で産まれた時に減数を強要するなどがあったと。最悪なケースは代理懐胎をした女性が亡くなってしまうという、海外ではこのようなケースはたくさん報告があるんですよ。そういったことを考えると10年以上前ですが、日本産婦人科学会としては、代理懐胎は現時点では禁止だと。社会の要望があれば再考するということがあって、古川先生の案になっていったと」
古川議員
「産む方の女性の健康は大優先です。大優先したうえで、障害を持った子が生まれた場合必ず引き取れということにしますが、そういうことを明確に合意文章をつくり、それを履行するということですね。生まれた子を引き取る、引き取らないの問題については、依頼側の方を親にしてしまうということを考えていますが、責任をつけるということです。これまでとは違います。それは現在の特別養子縁組という制度を使っていますが、生まれた子がいて、養子にする側から申し出がないとダメなんですよ。そういう制度は使えないんです、実際は。そうではなく新しい制度をつくろうかということにして、その点は解決することができると思います。それと同時に、たとえば、産む側がかわいくなってしまうということがありますよね。妊娠中にお酒とか、煙草をどうするか、危険なリスクが増えますから。あるいは体の調子が悪くなったらどうするのかという問題が出るので、そこはしっかり合意の中で決めていくということで我々は対処しようと思っています」

第三者からの精子・卵子提供
秋元キャスター
「第三者の精子提供はこれまでも認められてきたわけですけれども…」
古川議員
「認められたというか、行われてきましたね。非常に多く行われてきた」
秋元キャスター
「これを現在法律で定めるというのはどういう理由でしょうか?」
古川議員
「実を言うと、父親と子の親子関係というものが実は裁判で現在争われていて、現に最高裁で大変揺れています。これは本来、子を持ちたいという夫婦が、特にその夫の精子がよくないために、子を持てない場合に借りてきて、自分達の子としてずっと育てていくわけですね。それが実態から考えれば、当然自分の精子ではないけれど、父親として育ててきた人が父親としてあっていいと思われるのですが、実はもともとの民法というのは、こうした体外受精等は、あるいは人工授精という技術はまったく想定してないんですよ。現在DNA鑑定ができましたので、これもまったく当時の民法はわかってないんですね。民法自体は完全に血縁主義ですね、もともとは。そうすると、自分の子として育ててきた男性は、自分の精子ではないために、父親でないという判断をせざるを得なくなってきているということがありまして、最高裁でも非常に揺れています。最高裁の判断でも3:2と裁判官でも違ったことを考える裁判官がかなりいるという状況になっていまして、だから、最高裁でも法律で決めてほしいということをずっと言ってきたわけですね。その親子法をいじる前提でデータの類型化の方をちゃんと定めないと、法律で定めることできないわけですね。ですから、この制度をしっかりと法に載せるということを現在検討しているわけです」
反町キャスター
「全体のコンセプトとしては、血縁でなくて、共に過ごした時間による親子関係を重視する方に舵を切っていく」
古川議員
「形はそうですね。親子というものは社会的に育てていたこと、自分が父親であると認識を持って育てられていて、自分の父と思って子供として育っていくということが1番の前提だと私は考えています」
吉村氏
「これまで行われていたのは非配偶者間の人工授精であって、非配偶者間の体外受精というのは一部を除いてまったく行われてこなかったと、これまでは」
反町キャスター
「今回、そこを法的な枠組みに取り込むことによって、それも進むことになる?」
吉村氏
「そういうことになる」
反町キャスター
「しかも、親子としてちゃんと認められるようになる」
吉村氏
「その通りですね」
秋元キャスター
「実際問題として、精子提供者というのは、これはどういう人が多いのでしょうか?」
吉村氏
「ドナーですね、他人です。匿名性の原則で、精子の提供者は選ばれますので、誰かということはわかりません」
反町キャスター
「でも、コーディネーターみたいな組織ができるわけですよね?」
吉村氏
「そうです」
反町キャスター
「誰でもいいというわけにもいかないですよね?」
吉村氏
「厳密に、たとえば、感染症をチェックし、凍結した精子しか使っていませんので、6か月間ダブルチェックをしまして、6か月前にとった精子がまったく問題がなかったといった精子を使っているということになります」
反町キャスター
「海外の卵子を使うケースですが、これまでなかったパターンなのですか?」
古川議員
「これも親子関係の話が出ますので、親子関係について国会がルールをつくるので、それまでは待ってくださいということを、実は厚生労働省が内々に学会にお願いに行っているんです」
吉村氏
「通達」
古川議員
「それが2003年。要するに、こういった倫理観に関わる法律は、省庁がつくるべきではなくて、省庁は倫理に忠実でなければいけない。だから、ここは国会で議員立法にしなくてはいけない。非常に難しい法案なので、なかなかできなかった。それで、この議論が終わっていたので、そろそろこれをやらなければならないねということで、動き出したという経緯があります」
反町キャスター
「通常国会に出したい?」
古川議員
「出したいですね」
反町キャスター
「最大の障害は、自民党内の保守派になるのですか?」
古川議員
「そういうことです」
反町キャスター
「議論が進まない間に妻以外の卵子による体外受精は海外で進んでいると」
古川議員
「現在は日本でできないので、海外で斡旋して、ハーフの子が生まれても困るので、日本人の女性が行くんです、お金をもらって。日本人同士が行って海外でやるわけです」
河合氏
「ドナーが搾取されていると言えますよね」
古川議員
「これはビジネスになっていて、斡旋業者がいるわけです。斡旋業者には年間1000例ぐらい問い合わせがくるみたいですね。そのうち少なくとも百数十例が毎年行っていると。この治療を必要としている人は、厚生労働省の研究班ではだいたい1000組ぐらいいます」
吉村氏
「我々が研究したのですが、データがだいたいわかっていまして、推定ができていまして、年間300例以上が卵子提供によって生まれている。そういうデータは現在あります」
反町キャスター
「ドナーは搾取されていると言いましたが、ドナーは旅行代も提供代も全部、いわゆるクライアントというのですか、からもらっているのかなと」
河合氏
「軽い気持ちでつい行ってしまう。ところが、心や体に傷を負う可能性は高いですよね」
反町キャスター
「それもクライアントが相応の対価を払い、いわゆるコーディネーターなる人達からの中間搾取、そこの部分の手間賃を除いた分というのは正当な報酬、それは既にビジネスになっているのではないですか?」
河合氏
「立派なビジネスです。たくさんそういう業者があって、ネットでザーッと出てきますね、いろんな業者が。そういうことをなさる方達はどこのエージェンシーがいいかというような情報交換も…」
反町キャスター
「法的に規制も安全性の基準も何もないわけですよね?」
古川議員
「日本で金を持ってやられたって、現在はとりあえず産婦人科学会がモノを言ってくれているので、日本でやりませんけれど、やるところがないから。ただそれをやり出したら、やってもいいんです。現にやっているところもありますし、法でしっかり国内でできるようにして、年間300例もやっているわけですから、できるようにし、そういう搾取がない状態をつくりたい」

親子関係への影響
秋元キャスター
「第三者が介在することによって、親子関係が複雑になります。法律で定めていれば、本当に問題が起きないと考えているのですか?」
古川議員
「法律上の親子関係が決まりますから、個別の細かい事情はありますが、何か出てきた場合には法律に従って裁判所は判断してくれると思います」
反町キャスター
「トラブルというのは…」
古川議員
「起きにくいと思います。問題なのは、夫の同意というところがありますから、どちらかというと精子提供の方は、同意があったか否かということで問題になる可能性があると思いますね」
反町キャスター
「いわゆる家族関係的な父親、母親、私のお父さんは誰みたいな話では済まなくて、たとえば、遺産相続とか、そういうケースも出てくると思うんですけれど」
古川議員
「そうですね」
吉村氏
「そういった意味で、たとえば、AIDとか、非配偶者からの人工授精で生まれた場合、精子提供者に、たとえば、出自を知る権利が認められてくるとなったなら、子供の父親は誰かということがわかってくるようになってきます。精子を提供した人が遺産相続のために介入してくるというようなことがあってはならないですね。そのために精子提供者は父になれないという項目を決めていく必要があるだろうと。これまではAIDというのは772条の第1項で同意した夫が父ですよと、それだけ言っていたのですけれど、しかし、そうなると、精子提供者が私は父ですよ、私が精子を提供したんですよということもあり得ると」
反町キャスター
「会いに行く権利を認める法律になっているのですか?」
古川議員
「そこをどうするかですよ。それは限定していません。ただ、会いに行ったとしても、それは法律上の父親に決してなりませんから、何も法律関係が生じないんですよ。遺産相続もまったく関係ないです。他人です、法律上は。それは遺伝でつながっているということだけで、子供の方からすると1度確認しておきたい、自分のアイデンティティーとして」
吉村氏
「子供の観点からすると、出自を知る権利、父親が誰であるかということを知りたいという権利です。これまでの非配偶者からの人工授精というのは、そういった出自を知る権利がまったく認められないで、テリングもまったくされない。テリングというのは、私がAIDをしたということを父親にも母親にも教えないで、生まれてきた子供が知れば、自分の父親は誰だったという、このアイデンティティークライシスが起こるということと、自分が父親だと思っていた人がどうして本当のことを言ってくれなかったのか。安定的な親子関係の確立にとって、これがもう1つのクライシスになってダブルクライシスになるといったことが起こってくるので、出自を知る権利を認めた方がいいのではないかというような方向性に世界がいってるんです」
河合氏
「出自がわからなくて、苦しんでいる方が現にたくさんいらっしゃるという現実は重いのではないかと思います」
吉村氏
「だから、認める方向性に行かざるを得ない、こういった医療を続けていくためにはですね」

古川俊治 自由民主党「生殖補助医療に関するPT」座長の提言:『希望する患者さんが、全て国内で安全な医療を受けられるようにする』『生まれてくる子が、一生健康でいられることの確認をする』
古川議員
「まずは第三者が関与したような医療についてですが、国内で全てを希望する患者さんが安全に治療を受けられるようにしたい。これが第1ですね。生殖医療は現在、夫婦間で行われている全てを含めてなんですけれども、まだ生殖医療は技術が始まって、日が浅いです。ですから、現在27人に1人生まれていますが、まだ半ばですね、人生の。ですから、彼らが最後一生を皆さん、それ以外の自然な妊娠で生まれた人と同じように、健康に育てられるかどうか。これを確認することが我々にまずは課された義務だと。現在、吉村先生も中間のところまでやっていただきますけれども、ここからは宿題が残っていると思っています」

吉村泰典 日本産婦人科学会前理事長の提言:『生まれてくる子どものために』
吉村氏
「生殖医療というのは子供をつくる医療ということなのですが、子供の同意がまったく得られない医療であると。非常に特殊な医療であるということになりますと、権利を主張できない、新しい命にどのように我々が責任をとるのかということが極めて大事だと思うんですね。そのへんをよく考えていくということです」

出産ジャーナリスト 河合蘭氏の提言:『進歩を深歩に』
河合氏
「造語にしてみたんですけれども、取材して、私は医師でもなく、一般人として驚いていることは技術の進歩がすさまじいということです。これはすごく加速しているんですね。なかなかついていけない。感情は違和感でいっぱいになってくる。これでは普通の人の感情だと思うんですけれど、医療に求めている方達、困っている方達がいて、その方のためのルールを思いやりも持って、考えてあげるということは大事なことと思いますし、私はいろいろな場面で、今度施設を認定するという文言が出てくるのですけれども、そこを私は特に期待しています。いろんなものが乱立していますので。本当に何が起きるかわからないような新しい技術がたくさんありますのでやってみて、たとえば、フランスでしたら5年で見直しというような決まりがついているんですけれども、そのような形でやっていく。そういうことで、途中で親子関係、親子とは何だろうとか、子供を持つことはどういうことだろうとかと、そういうことを考えていって、進歩、不安ですけれども、深い思考を伴い、親子に対する考え方を深められる歩みであってほしいなと思います」