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2014年12月15日(月)
師走総選挙結末の衝撃 与党幹部と内外有識者

ゲスト

山本一太
自由民主党参院議員 総裁ネット戦略アドバイザー
西田実仁
公明党参議院幹事長
ケント・カルダー
ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー東アジア研究センター所長
伊藤惇夫
政治アナリスト

自公“3分の2超”維持 衆院選総括
秋元キャスター
「ここで各党の獲得議席数を見ておきたいのですが、自民党は追加公認の1人を含めまして291議席で、公明党の35議席と合わせて、326議席と、衆議院定数の3分の2を上まわりました。野党第1党の民主党ですけれども、公示前の62議席から73議席に増加しました。維新の党は42議席から41議席に。次世代の党は19議席から2議席に減らした一方、共産党は8議席から21議席へと増加しています。生活の党、社民党は、2議席となりました。カルダーさんはこの選挙結果をどのように分析されますか?」
カルダー氏
「なぜこういう結果になるかというと、投票率が低いと。それも大きいような気がします」
反町キャスター
「アメリカでも小さいけれども、共産党がありますけれど、日本みたいに20議席も持っていないではないですか。共産党が8議席から21議席まで増えたというのをどのように感じていますか?」
カルダー氏
「沖縄の選挙区、第1選挙区で勝ったということ。ワシントンで注目されると思います。一般的に突然、このような変動があれば、注目されるような気がしますが、投票率が低いから当然、組織票でそうなったと。あまりびっくりしないです」
伊藤氏
「選挙結果をトータルで言えば、野党が弱かったからという一言だと思うのですが、安倍政権の作戦勝ちですよ。時期的な問題も含めて。それから、アベノミクスを争点の中心に据えた。それに野党が乗ってしまったというところでもう勝負ついたという感じですね。アベノミクスは、懐疑的な人も含めて、決してマイナスイメージで捉えていないんですよ、期待感も含めて。プラスイメージで多くの皆さんが抱いているところに、それが争点だと言われても、野党が失敗だと言っても、ほとんどの有権者の皆さんは失敗だと思っていない。まだこれからがあると思っているわけですから、与党が設定した争点に乗っかってしまったという時点で野党が埋没しちゃったということだろうと思います。それから、共産党についてはだいぶ前から、世論調査の傾向を見ていると拒否度がだんだん下がってきているんですよ。共産党に対する。かつては共産党というのは嫌いな政党、第1番でダーッと来ていたわけですが、最近の調査を見ているとそうでもなくなってきているんですね。拒否度が低下しているというのが1つ。カルダーさんがおっしゃったように組織政党ですから、投票率が下がれば、相対的に優位になるというのが1つ。もう1つは自民党と対極にいる、非常にわかりやすい野党だということです。と言うことは、逆に言うと、真ん中にいる野党がぼやけてしまっているのだと」
山本議員
「今回の与党の大勝はアジェンダセッティングが良かったと。アベノミクスにした瞬間に実は我々は勝っていたんだという話がありましたが、私なんかにすると、アベノミクスが争点というのは必然だと思うんですよね。なぜならば安倍内閣の最大の使命は、いろんなことをこの2年間やってきましたけれども、何と言っても、景気回復、日本経済の再生なのであって、総選挙をするのに、これ以上大事な争点はないと。私は最初から思っていました。それから、他党を批判するとか、そういうつもりはまったくないのですが、民主党敗北の最大の理由は295ある小選挙区に、過半数の候補者を立てられなかったことだと思うんですね。最初から295ある小選挙区の半分も立てないというのは、最大野党が単独で政権をとることを最初から諦めていた。そのことにすごく、さらに失望していたということもあると思うんですね。加えて、これもいちいち批判するつもりではないのですが、アベノミクスの他の選択肢というものを示されれば、少しまだ選挙は盛り上がったのかもしれませんが。私も何度も読んだのですけれども、その分厚い中間層をつくるというのは、前回の選挙公約とほとんど変わっていない。それならそれで、前回はもうちょっと具体的なことを言うことがあったんですけれども、たぶんそれが響かなくて、有権者の方から言うと別に自民党にすごい風が吹いていたわけではないんですけれど、暫くは自公にきちんとやらせてみようと。アベノミクスもまだ道半ばだから、本当に1人、1人の家庭に景気の実感を届けるというのであれば、もうちょっと猶予を与えて、やらせてみようと。こういう思いがきっと強くなったんだと思います」
反町キャスター
「中間世論調査で、各社が皆、自民党単独で300超えの勢いとか、多いところでは自民党単独で317いくのではないかという報道をしたところも、一部にあったようですけれども、結果的に291になりました。この減った理由はメディアが騒いだからと言われれば、それで終わっちゃうんですけれども、どう感じていますか?」
山本議員
「そうです。その通りです。選挙の直前、特に序盤で、自民党が単独で3分の2いくと言う報道をあれだけやられたら、揺り返しは必ず来るので。私は実際、西田さんもそうかもしれませんけれど、全国を飛びまわりましたけれども、最後の3日間、4日間は、巨大与党の暴走を許していいのかみたいな声が出てきていて、揺り返し、巻き返しというものを感じました」
反町キャスター
「そんなには勝たせないよという感じを受けました?」
山本議員
「はい。あれだけ、報道をされればもちろん、そういう反発もあるし、加えて、自民党支持者の人達は選挙に行かないですよ。どうせ行かなくても大丈夫だろうと。それも低投票率になった理由だと思います」
伊藤氏
「これはカルダーさんの専門だと思うんですけれども、報道に対する反応というのは、バンドワゴン効果とアンダードッグ効果といって、勝ち馬に乗る効果と、それから、判官贔屓効果ですね。今回は判官贔屓効果の方がある程度出た、終盤に来て、ということで、ほぼ間違いないだろうと思いますね、そこは」
反町キャスター
「敢えて言うとですよ、アベノミクスと言いながらも、実際に生活実感として良くなったとか、そんなに文句がないというのが、一番大きい理由ではないかと、言った側として勝手に言わせてもらっている、そういう部分があるのではないかと思うのですが」
伊藤氏
「大きいかどうかは別にして、先ほど、アベノミクスのアジェンダセッティングがうまくいったからと言ったのですが、ただ、一方で、アベノミクスを争点にしたことによって失敗だという野党の攻勢があって、具体的に数字がやりとりされて、どちらの数字が正しいかどうかは別にして、それで、あっそうか、あまりうまくいっていないんだなと思った人は多少増えたことは事実だと思うんですよ、それは」

安倍長期政権へ地固め 今後の課題は
秋元キャスター
「今後のスケジュールをちょっと見ていきたいと思います。12月の24日から26日の間に特別国会が召集されます。そこで総理大臣の指名選挙が行われ、第3次安倍内閣が発足するということになります。年が明けて4月、統一地方選。9月末には自民党総裁選。そして再来年の7月には参議院選挙と続いていきます。2018年12月に衆議院の任期が満了ということになるわけですけれど、順調にこのままいけば、安倍政権はここまで続くということになりますよね」
伊藤氏
「そうですね。統一地方選挙は、あまり明確に勝ち負けが出ない選挙ですから、そこで引っかかるということはまずないだろうと思いますね。ただ、ポイントはその次に来る自民党の総裁選ですよね。安倍総理としては盤石の体制で総裁選を乗り切るのが当面の目標だろうと思うのですが、ただ、そこでアベノミクスの話にまた戻っちゃうのですが、ここでも申し上げたかもしれませんけれども、かば焼き理論といいまして、安倍政権の、いわゆるアベノミクスというのはかなりの部分、まだ期待感で持っている部分があると思うんですね。実感をまだ感じていないけれども、いずれはよくなるだろうという期待感。要するに、安倍政権が発足してから、それまでの民主党政権というのは食べ物もなければ、匂いもしなかったところですが、かば焼きの匂いが漂ってきていると。すごくいい匂いだなと。そのうち鰻丼が食えるなと皆さん思っている。いや、一部は食べていますね、中には、鰻重を食べている人もいますけれども、ただ、かなりの人が香りの段階で。それが、たとえば、来年の自民党総裁選のあたりで、いつまで経っても香りだけという人が増えてきたとすると、これが政権に対する支持率に影響を与えてくると思いますね。もし支持率が、かなり下がるようなことがあると、それは対抗馬が出てくる可能性がある、自民党」
反町キャスター
「総裁選で?」
伊藤氏
「だって、多士済々ですから。そういう可能性もなくはないと」
反町キャスター
「来年9月までにかば焼きを皆に食べさせるというのは、これは、アベノミクスは大変ですよね?」
山本議員
「かば焼きの匂いがどこまで漂って、どのぐらいかば焼きの一部が食べられるのかどうかというのは、これはわかりませんけれども、これは必ずそうなっていくように、信じています。それから、あまり詳しくは言えませんけれども、かば焼きの匂いはとても大事だと思うんですね。カルダー先生がおられますけれども、かば焼きの匂いがすると、皆集まるんですよ。たとえば、おそらく半年間で来日したアメリカの下院議員の数は史上最高ですから。これまで全部、中国に行っている人も来るようになった。それから、私は、今年1月にダボス会議に総理に同行しました。6月のシャングリラ・ダイアローグ、アジア安全保障会議、シンガポール。行けなかったけど、2回、ご本人に行ってくださいとお願いしたんですけれども、そこでの日本の存在感はすごく大きかったですね。世界各国の大使が皆言っているのはここに来て日本の注目度が上がってきている。少なくとも過去2年間で2回エコノミストの表紙になった総理はいないと。アメリカのリーダーが、申し訳ないですけれども、大丈夫かと言われている。いろんなヨーロッパのリーダーも大丈夫かと言われている。その中で安倍総理がリーダーシップを発揮して、アベノミクスで日本の再興をやろうとしているイメージ、そのかば焼きの匂いはとても大事だと」
反町キャスター
「それわかりますよ。でも、来年9月になってもまだ匂いだけで引っ張れるものですか?」
西田議員
「かば焼きの匂いは大きな話、風が来ると吹き飛んでしまう。それが、消費税の引き上げがあったわけですよ。それはとりあえず無理だと。かば焼きの匂いをちゃんと食べられるようにやらなければいけない。それには障壁が、消費税を上げるということに相当あったんですよ。だけど、延期したことと言うのは、デフレ効果をもたらさないわけですから。相当かば焼きの匂いが、匂いから食べるというところにまで非常に近づけるということは間違いないですね。消費税はだいたい1%上げると、実質GDPですけれども、0・55ぐらい下げると言われているんです。3年間で、0・55は1.65ですから、それで財政調整が内閣府でだいたい0.6と言っているということは、だいたいトントンですよ。1年に1%ぐらいだったら、潜在成長率でこなせるのだけれども、それはさすがにこの間、3%をいきなり上げましたけれども、それがかなり重くのしかかって、なかなか匂いが、実際のところ。それが来年、消費税を上げるということをもしやっていれば、完全に嵐の中で、匂いが吹き飛んでなくなってしまうと思いますけれども、その意味でもちろん、9月までに、必ず全ての国民に食べさせて、食べられるというのは、それは難しいのは事実でね」
伊藤氏
「それは、匂いがしているのが悪いと言っているわけではないですよ。景気は、マインドで動きますから、匂いがしているのならば、元気になって、皆が走り始めたら、そこに鰻丼があるかもしれないから、それは決して全面否定しているわけではない。ただ、いつまでも匂いだけでは持たないということですよね」

米国の本音は
秋元キャスター
「今回の衆議院選挙の結果をアメリカはどのように見ていたのか。アメリカのホワイトハウス報道官が14日に『安倍総理と自民党の成功を祝福する。安全保障やガイドライン改定、TPP、海洋安全保障などで、緊密な協力関係がさらに深化することを期待する』と反応しているんですけれども、カルダーさんは安倍政権の長期化について、アメリカは歓迎していると見ていいのでしょうか?」
カルダー氏
「確かに、過去の1年でだいぶイメージが変わっていると思います。昨年の終り頃ちょっと複雑に見られて、そのあと、東京首脳会談、オバマ大統領の訪問をセットした時。それでだいたいの話が進んできて、TPPの話や、安倍政権の先行きの中で、おそらく過去の関連で、特に良くなっているような気がします。当然、アベノミクスが、対米マイナス傾向がだんだん進んできて、ちょっと国内の反発、国内業種、自動車でもキャンペーンでも出るかもしれませんけれど。安全保障もパズルになって昔のディビジョニストのイメージが少し変わっているような気がしますが」
反町キャスター
「それは、たとえば、ディビジョニスト、歴史修正主義者と、日本語で訳すのですが、安倍総理が、たとえば、靖国を参拝しました。ないしは日中関係において、これまでより踏み込んだことを言った部分もありました。日韓関係においても首脳会談、条件をつけてやるぐらいだったら、やらない方がいいと。比較的、原則を重視して、簡単に妥協しない姿勢を基本としてきた安倍さんの日韓関係とか、日中関係とか、靖国参拝の問題というのは、アメリカから見ると、その時に、この政権はちょっと大丈夫かなと見て心配していたというのがあったわけですか?」
カルダー氏
「そういう感じはしますけれども、突然靖国参拝などを要請しなかったこと。それと、日本の要因も言われているように、日本の同盟国で日本のことを優先しますけれども、だんだん緊張が他の隣の国、特に韓国との関係、だんだん盛り上がってきて、どこかでちゃんとしたし、それとワシントンの中でダイナミクス、韓国のPR、中国はPRよりも報道を積極的にしています。それで、ワシントンダイナミクスも影響したこともあると思っています。最近日本もワシントンで積極的になっているし、あとはアジア関係の問題、歴史問題が1つ。ホロコースト、ユダヤ人、アメリカで深刻に考えられています。ですから、その2つがつながってくると大変反発が出るような気がします。アメリカの世論で」
反町キャスター
「日本の政治家で、時々ナチス問題、ユダヤ問題に言及する人がいて、怒られたりする人がいるんですけれど、ワシントンはビシッと見ているということですね」
カルダー氏
「見ているような気がします。幸いに、過去1年間、安倍総理が、たとえば、オランダに行った時に、アンネ・フランクの家を訪問したりだとか、杉原(千畝)の話を強調した、そのようなことは日本のイメージ、安倍総理のイメージにとって、プラスになっていると思います」

沖縄・普天間基地問題 示された民意は
秋元キャスター
「ところで、今回の沖縄の選挙戦ですけれども、普天間基地移設問題が大きな争点となったんですね。選挙結果を見てみますと、1区から4区まで、非自民が当選という形になりました。この自民党の候補者はそれぞれ比例で復活しているんですけれども、小選挙区では自民党惨敗ということになりました」
反町キャスター
「今回の選挙結果で、それぞれ沖縄の4つの小選挙区で全部、基地反対が勝ったというのは、これはアメリカから見ると安心できる状況ではないですよね」
カルダー
「それについては当然、不安を感じます。地元の市町村、周辺の市町村長とか、そういう人達と、多少いい関係はあると思いますが、確か知事だけではなくて、それぞれの議員と連絡、協力がなければ難しい。それは確か。基地建設が遅れるのか、遅れないのか、ワシントンも真剣に見ていると思います」
反町キャスター
「遅れる可能性は否定できませんよね。翁長さんが言っていることは、当時のやり方を徹底的に精査して、そのうえで仲井眞さんが了承したことについて、その手続きが問題だったかどうだかを徹底的にやると言っていますね。要するに、止めるためには手段を選ばないとしか聞こえないわけですよ」
山本議員
「これは手続き的に言うと、たぶんいろんな可能性があって、いろんな展開があるかもしれませんが、日本政府の立場、安倍政権の立場としては、決めたことをきちんと粛々と進めていくというしかないです」
カルダー氏
「おそらく普天間問題の選択は日米同盟にとってすごく大事ですので、最終的に実現することしかないような気がします。ワシントンも、そういうふうに見ていると思います」

憲法改正への道筋 2016年参院選
秋元キャスター
「自民党は次の参議院選挙で3分の2を目指すのでしょうか?」
山本議員
「理論的に言うと確かにそうなのですが、実際にはなかなか参議院で3分の2をとるというのは難しいですね。当然、参議院選挙も過半数を与党で目指していくのだと思うのですが、たとえば、このぐらい増やすとなると複数区も、自民党が独占するとか、あるいは比例でもすごく伸ばすという状況が必要になってくるので、もちろん、3分の2があれば、それに越したことはないのですが、実際にはなかなか簡単ではないと思います。憲法改正はご存知の通り自民党結党以来の悲願なので、当然この旗を降ろすことはあり得ないですね。実際、超党派でも法改正の動きは進んできていて、釈迦に説法ですけれども、2007年に国民投票法ができて、2010年に衆参に憲法審査会ができて、今年の6月に国民投票法の例の改正案ですね。20歳から18歳に引き下げるのを4年後にやる。残念ながら公選法の改正はこの解散でできませんでしたが、改正国民投票法の時に自公の時に、確か共産と社民を除く8党が賛成しているので、国民的な議論を尽くして進めていくことだと思うんですね。それと公明党とのきちんとした議論、擦り合わせと言うのですか、ここはしっかりやっていかないといけないと思うので」
西田議員
「3分の2という意味は、つまり、与党だけではないということです。意味するところはですね。与党はもちろんとってくれるでしょうけど。ですから、総理も言われたみたいに国民的な議論を深めるという意味はまさに与党、あるいは野党の一部の方々も、現在、前回の国民投票法ではそういう形で賛成をする形で成立をしているわけですから。それがある意味で、なぜ3分の2にしているのかという意味合いになると思うんですね。その中で、私も憲法審査会で幹事をやっていますので、衆議院は衆議院で議論を具体的にこういうことでとやっています。参議院の議論は衆議院と違いまして二院制の在り方とか、二院制の意義とか、そういうことを幅広く参画できるようなテーマをなるべく選んで、皆で憲法の議論を深めていこうと、大変丁寧に自民党の皆さんも参議院においては、やっていただいていましてね。ですから、議論そのものを支持する考えはもちろん、あるのですが、しかし、そうは言っても皆参画して皆議論をしている。こういう熟成したプロセスが必要だと思うんです。国民投票法にかけても、半数以上とらないといけないわけですから。そういう国民の皆さんの議論ないし、支持というものが、議論すること自体の支持というものがない限りは、やってみたら半分いかなかったというのではもう次に進めなくなってしまいますから、そういう熟成のプロセスが必要だと思います」

与党に問う! 憲法改正への道筋
反町キャスター
「公明党のじっくり話し合おうというペースに自民党がどこまで、改憲派の人達はそのテンポにあわせられるものですか?」
山本議員
「自公は苦しい野党時代も一緒にやってきていますから、そこは信頼関係の中で道を見つけていけると私は思います。それで、総理も何度かおっしゃっていたと思うんですけども、やりやすいところから。3分の2が確保できるところから、手をつけるということもあると思うんですね。たとえば、10月だったと思いますが、自民党の方から各党に提案をした中に、1つは緊急事態条項でしょうか。たとえば、有事の時、大災害が起こった時に国民の権限をある程度制限しなければいけない…こういう話があった。あるいは財政再建の話を憲法に入れる。あるいは公明党がずっとおっしゃっていることですが、国民の環境権。国民の環境を守る、保護するという具体的なテーマについて、できるところからやっていけばいいのではないかと。もちろん、自民党の中にはご存知の通り1年7か月の参議院選挙前に発議して、国民投票法みたいなことを言う方もおられるので…それはそれでいろいろな意見があると思うのですが、何度も言いますけれども、それはきちんと与党の中で議論をして進めていくということが大事だと思います」
伊藤氏
「やりやすいところはいいんですけれど、96条の先行論みたいなはっきり言って姑息なやり方はしないでほしい。もし改正の発議をするような環境が整った場合はメニューまできちんと提示して、国民投票にかけてもらわないと、やりやすいところから、国民が反対しづらいところからだんだん入っていくというのは、手法としてはやりやすいかもしれませんけれど、全体図を提示したうえで国民の判断を仰ぐ。憲法改正はそれだけの大事業ですから、そういう姿勢でむしろ臨んでほしいなという気がします。改正するものに別に反対しているわけでも何でもないですよ」

憲法改正への道筋 米国は
反町キャスター
「アメリカから見た時に、自分の国が主導してつくった日本の憲法が、現在日本によって変えられようとしている。これは国際情勢の変化からしてしようがないと思うのか、別の複雑な思いがあるのか?」
カルダー氏
「常識的に考えて、当然自分の憲法を自分の手ですることは当たり前。そのような気持ちは個人的に理解できます。内容的にこれは何を意味するのか、アジア地域にとって何を意味するのか、日米同盟にとって…我々のはっきり見えるのは、集団的自衛権の場合、たとえば、シーレーン防衛にとって、それは大変大事。日本はその機雷を海からとる力はかなり進んでいます。ですから、日米同盟に集団的自衛権が大事。それは間違いない。あと憲法改正は何を意味するのか。反対しているわけではないけれども、まだ日本の対応のプロセスを興味深く見ています」

安倍長期政権へ地固め 中国・韓国は
秋元キャスター
「中国の反応をどのように見ていますか?」
カルダー氏
「いろんな流れはあると思いますが、安倍政権が安定すれば現在よりも良い関係をつくれるかもしれません。現実主義者であれば。あるか、どうかは当然まだわからないし、軍の関与とか、いろんな複雑な問題もありますけれど、王外相はもちろん、日本について詳しい、駐日大使でしたし、中国経済にとって日本の直接投資も大事だし、おそらく安倍政権は現在、長期政権になりそうですから、中国はもうちょっとその現実を見て、現在より良い関係を目指すような気がします」

安倍政権の外交課題 戦後70年の日中・日韓関係
反町キャスター
「来年、戦後70周年ですが、総理がどういう談話を出すのか。どういう内容にすればいいのか、何かありますか?」
西田議員
「昨年の1月に私も山口代表と一緒に同行させていただきましたけど、習近平、当時の中国共産党総書記と70分間ぐらい、総理の親書を携えて、関係修復ということに努めたわけですが、来年70年ということを見ますと、新しい第3次安倍内閣において日中、日韓関係の関係修復ということが、日本国民皆さんの心を明るくすることになると思っています。ですから、関係改善というのをしっかり内閣の優先課題にしていくということが大事だし、実際に中国にとってもそうですし、日本にとっても対中輸出というのは増え始めているんですよ。ですから、これは切っても切れない韓国も中国もいずれも引っ越せないお互いの関係にありますから。しかし、意見も立場も違うんですよ。違うものをしっかり話し合っていくというのが外交そのものです。7月1日の閣議決定も、最初に戦後日本の平和国家の歩みということが書いてあって、そのあとに、まずやるべきは外交であると。外交を強調して、しかし、抑止力も大事である。外交と抑止力、両方が相まって初めて真の安全保障になるということがきちんと閣議決定で、安倍総理のもとに出されているわけですから、まさに来年は日中、日韓、ロシアも含めれば近隣諸国との関係修復というものを本格的にやるんだということをメッセージとして伝えることが大事だと思います」

安倍政権の外交課題:『靖国参拝問題』
反町キャスター
「総理の靖国参拝について、どういう考えなのでしょうか?」
西田議員
「日中、日韓の関係修復を最優先にするということからすれば、自ずと結論は見えているのではないでしょうか」
反町キャスター
「行くべきではないということでよろしいのですね?」
西田議員
「そうです」
山本議員
「総理はリアリストですから、そこは日中関係、日韓関係を見たうえで、いろいろとご判断されるのではないかと。総理の70周年の談話。この番組でおっしゃったのを見たんです、何年かの談話を出されると。その中身は総理がお決めになることですが、1つ言えることは一貫して日中間に戦略的互恵関係を取り戻さないといけないとおっしゃっていた。それから、韓国についても、一貫して自由経済と民主主義の価値観を共有する重要な戦略的パートナーであると。少なくともこの2つを踏まえた未来志向の関係を発信する談話を出されるのではないかなと。ここまではそう言えるのではないかなと思います」
伊藤氏
「中国側、韓国側にもそれぞれ理由があったかと思いますが、現在の緊張関係というのは安倍総理の行動や言動にも一部原因があったと思っているんですね。それが現在、修正がかかってきているなという印象が非常に強いんですね。もっと言うと、第2次安倍政権スタート直後の安倍総理の外交姿勢の中には対中包囲外交というのがイメージとしてあった気がするんですよ、緩やかに中国を包み込んでいこうと。同盟関係を強化し、周りの。ただ、ここのところ対中包囲外交で実は1番大事な柱の1つだと、総理がたぶん想定されていたロシアが抜けた。つまり、ウクライナの問題で。そこでたぶん総理は方向転換というか、修正をかけてきたのかな。であるなら、中国あるいは韓国との関係を修復するということにかなり重点を置いて進めていかざるを得ないのかなと…ちょっと就任以来の流れを見ていると、少しずつ総理の外交姿勢も変わってきているような気がしています」

ケント・カルダー ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー東アジア研究センター所長の提言:『TPP SEZ』
カルダー氏
「TPPをまず実現する。これもおそらく来年になると思いますが、これは、日本の経済にとって資源的になるし、アジア太平洋全体にとって良いと思います。あとSEZ (Special Economic Zone)ですが、特別経済区。アベノミクスの第3の矢、いろんな説がありますが、その1つの現実的、特に東京オリンピックに向かって重要と思われるのが、特別経済区。要するに、全国にいろいろな規制緩和とか、アベノミクスの第3の矢を実現しなくても、部分的に東京をはじめ、それはできると思います」

政治アナリスト 伊藤惇夫氏の提言:『長期的視野に立った国家像提示を』
伊藤氏
「いろんなことを言いますけれど、安倍政権は安定政権でかなり長期化していく可能性が非常に高いと思うんですよ。安定政権だからこそできることがある。それは当面の課題をシェアすることももちろん、大事なことですけれど、同時に安定政権だからこそ20年、30年、50年の先を見据えた日本の国の在り方、いわゆるグランドデザインを描くということですかね。それは安定政権だからこそ、やらなければいけない仕事ではないかなと思っているんですね。そのグランドデザインの全体像を諸般の課題を処理する傍らで、たとえば、かつて大平さんは田園都市構想に真剣に取り組んで、現在で見ても壮大な国家プロジェクトですね。安定政権におそらくなっていくことは間違いないので、そういうものにぜひ取り組んでほしいという感じで書きました」