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2014年12月8日(月)
次世代・平沼党首登場 ▽ 何が問題エアバッグ

ゲスト

平沼赳夫
次世代の党党首(前半)
清水和夫
モータージャーナリスト(後半)
中村雅人
ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所長 弁護士(後半)

次世代・平沼党首に聞く 現在の選挙情勢
反町キャスター
「もともと次世代の党というのは、その誕生の経緯とか、流れとかを聞いていると、自民党よりも、いわゆる保守性の強い政党として立ち上げて、自民党が自公連立によって、公明党への配慮から安全保障や憲法感などで弱め、ハト派よりに行きそうな自民党をがっちり保守層の方に引き留める、ないしは引き寄せることが目的だと、僕は思っているのですが、それはそもそもそういう理解でよろしいですか?」
平沼党首
「そういう理解にはなると思いますけれど、我々は3つの理念で、1つは自立というのと、その次は真保守という形で、3つ目は党名になっていますけれども、次世代です。ですから、最初から保守を目指すという形であって、自由民主党を、特に意識したわけではなくて、この日本には保守がいいということで、真保守ということにしました」
反町キャスター
「その意味でいうと、次世代の党の皆さんから見ていて、現在の自民党は多少本来の思想、信条から離れた部分、浮いている部分があるのかなという、自民党の現状に対する不満もある。こういう理解でよろしいですか?」
平沼党首
「先の臨時国会で、首相の所信表明に関して、私は代表質問で、あれだけ憲法改正と言っていた安倍総理の所信表明に、憲法のけの字もなかったというのは甚だ残念だと。こういう指摘をしましたけれども、それは公明党に気兼ねしたかどうかわかりませんけれども、非常に私どもは憤懣やるかたないと、こういうことですね」

自公連立
反町キャスター
「次世代の党としても結構ですし、平沼さん自身の個人の考えでも結構ですけれども、自公連立をどう評価されているのですか?」
平沼党首
「自公連立というのは随分時間が経ってきましたけれど、公明党が常に政権にいたいという形で、それまで自民党は民主党に苦しめられていて非常に議席を獲得するのが難しかった。その陥穽に入り込んで、自公連立という形になったと思うんです。小選挙区で、たとえば、残念なことですけれど、候補者が小選挙区は自民に入れてくれ、比例は公明党に入れてくれということは、非常に象徴的におかしなことだと、私は思っています」
反町キャスター
「そういったものというのが、もう10年以上続いていますよね」
平沼党首
「その通りです」
反町キャスター
「その意味でいうと、既に、頭と体を分けていいのかわからないのですが、理想とか、政治信条が違っていても、選挙区におけるずぶずぶの関係は抜き差しならないものになっていると見ていますか?」
平沼党首
「自分の選挙で言うのもおかしいんですけれど、小選挙区になった時に、私の選挙(区)で、私の個人演説会場に、公明党のポスターを貼ろうとしたから、私は、それはダメだと言って全部撤去させました。そのぐらいの気概が保守になければダメだと思いますよ」

太陽の党出身候補者
秋元キャスター
「次世代の党は、今回の選挙に48人の候補者を立てているんですけれど、その中で特に注目される選挙区が東京12区と大阪16区。東京12区の方ですけれど、今年2月の都知事選でおよそ61万票を集め、太陽の党の代表幹事だった田母神俊雄さんが12区から次世代の党として出馬しています。その他に、公明党から太田昭宏さん。それから、共産党からは池内沙織さん。生活の党から青木愛さんが立候補しています。大阪16区ですが、次世代の党から立候補しているのは太陽の党の代表だった西村真悟さんです。こちらは公明党の副代表の北側一雄さん。民主党では森山浩行さん。共産党からは益修一さんが立候補しています。このようになっているんですけれども、この公明党の大物が出馬している選挙区に太陽の党出身の2人を立候補させる狙い。これはどこにあるのでしょうか?」
平沼党首
「これは支持者に、公明党に入れるのは嫌だという層があって、4万から5万は棄権する人達がいるんですよ。だから、そういう票をとってもらおうと。二人の個性から言って、公明党をやっつけるのは政治家の、我々の使命だと。こういうこともありましたから、立候補していただきました。だいたい4万から5万、自民党支持層は棄権していると、ここに目をつけました」
反町キャスター
「田母神さんは確か立候補の会見の時に、自民党と公明党の間にくさびを打ち込むことが、今回の立候補の目的だという話をされています。かなり象徴的な選挙区として、ここで田母神さん。田母神さんは都知事選で60万票をとった方ですよね」
平沼党首
「61万票とりましたよね」
反町キャスター
「その方を、要するに、ここに敢えてはめてくるというのは、勝ち負けももちろんですけれど、政治的な意味合いも含めた擁立、立候補だと見ていいのですか?」
平沼党首
「二人がそういう信条でがんばっていますから、そう見ていただいていいと思いますね」
反町キャスター
「それは党としても、要するに、ここは自公の間にくさびを打ち込む、たとえば、12区において今言われたみたいに、私は自民党支持だけれども、自民党候補はここにいない、公明党に入れたいという気持ちはないんだという、その人達をグッと掘り起こして、自公の間の亀裂をあぶり出すような。それを今回の選挙戦の狙いになっているのですか?」
平沼党首
「それは4万、5万、棄権する人達がありますから、それを取り込むということは1番大切だし、それから、自公政権というのは集団的自衛権の問題等々で、いろいろと問題があるから、ですから、敢えて立候補すると。こういうことだと思いますね」

自主憲法制定
秋元キャスター
「ここからは次世代の党のマニフェストについて聞いていきたいと思います。まず基本政策として8項目挙げています。その1番目と2番目に挙げているのが、憲法と安全保障ですね。1つ目、国民の手による新しい憲法、自主憲法の制定。2つ目には自立した外交及び防衛力強化による安全保障体制の確立。集団的自衛権に関する憲法解釈の適正化。全ての拉致被害者の早期救出とあるのですが、まず憲法に関してですけれども、次世代があくまで自主憲法にこだわる理由。まずこちらを聞かせてください」
平沼党首
「次世代の党は、開かれた政党なので、この8月1日にできた時から、連日、会議を開いて、23名の国会議員が全員参画して、侃々諤々、議論をしました。その中で、現行憲法の前文1つとっても、たとえば、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意したというお題目的な。こんなの現実にはないわけですよ。そういう形で戦後、憲法ができて67年経っているんだから。独立国にふさわしい、自主的な憲法をつくろうと。こういうことで、皆の意見が一致して、第1番になったわけですね」
反町キャスター
「その憲法の考え方で進んでいく先について、具体的にそういったものを進めていくためには、たぶん憲法改正、どこから手をつけるのかということになりますよね。次世代の党としてはいわゆる一括、3分の2でドーンというところを自民党と連携をしながら進めていくのか。ないしは俗に言われる96条憲法改正としてそこから手をつけていく。手順論とかは何かあるのですか?」
平沼党首
「石原慎太郎最高顧問は憲法破棄論ですね」
反町キャスター
「破棄?現行憲法ですか?」
平沼党首
「破棄ですよ。要は、あれは旧明治憲法の73条を使って、一応法理論上、それを使って改正したことになっているけれど、明治憲法の詔勅の中に根本的な改編はすべきではないということが書いてあるわけですよ。だから、あくまでも国際的に認められるというよこしまな心で、憲法を改正したということですから、これはもともと強権でもって押しつけられているのだから、石原最高顧問の考え方は、これは破棄すべきだと。そして、現代にふさわしい憲法をつくればいいじゃないかと。これが石原さんの考え方です。ただ、我々としては戦後67年間、あらゆる法律や条約というものがこの憲法を経て出てきたわけです。ですから、そういう意味で、石原最高顧問の言うことは正しいけれど、ただ、憲法96条というものを使いながら、3分の2を確保して、その中で、さらに国会の2分の1という形に変えていって、将来させていただきたいと。こういうことで、これをやるべきだと。こう思っているわけですね」
反町キャスター
「まずは憲法改正の発議要件である、衆参両院の3分の2を2分の1にハードルを下げる。そこから始めようと」
平沼党首
「うん。ただ、最初は3分の2を確保しなきゃいけないですよね」
反町キャスター
「確保をして、3分の2を2分の1に下げる?」
平沼党首
「そういうことです」
反町キャスター
「そこから、いろいろ個別にやっていくということですか?」
平沼党首
「そうですね」
反町キャスター
「そこのところで既に、たとえば、同じ憲法改正。ないしは公明党は、改正でも加憲、加える憲法と言っていますけれども、96 条を入口にするというところで、既に各党の足並み。憲法改正を言う人達でも、揃いませんよね」
平沼党首
「そうですね。憲法審査会というのが衆議院、参議院の国会の中にできましたけれども、あらゆることを審議するだけで終わってしまっていると。具体的に入ってきていないと。それは、象徴的な話だと思いますね」
反町キャスター
「それは、たとえば、平沼さんから見て、自民党の中でも自民党は憲法改正を党是にまだ掲げていますよね」
平沼党首
「はい」
反町キャスター
「掲げていて、自主憲法の草案までつくっていながら、96条からやっていくのかどうかということについて、全党的な一枚岩の感覚ではなく、ちょっと違うのではないかなと思うんですけれども、どうですか。どのように見ていますか?」
平沼党首
「昭和30年の11月15日、保守の大同団結で、自由党と民主党が一緒になって、新しい巨大政党ができました。その政策綱領の最右翼が自主憲法制定だったんです。初代の総裁は鳩山一郎さんがこれを掲げて戦ったわけですけれども、革新のマスコミや学者の世界だとか、労働組合がかわいい息子を戦場に送るのかという感情論に訴えて、その選挙で勝てなかった。(それ以降の)総理大臣というのは羹に懲りて膾を吹いてしまって、所得倍増だとか、列島改造だとか、そういうことで何もしてこなかったわけですね。私は苦労をして3度目の正直で衆議院に出ましたけれども、真っ先に、こういう考え方ですから、憲法調査会に入ったんですよ。そうしたら、憲法調査会に護憲論者がたくさんいるというのにビックリしましたね」
反町キャスター
「既に、平沼さんの初当選の頃から、自民党の中における、改憲の勢いというのはだいぶ少なくなって。いかがですか」
平沼党首
「そうですね」
反町キャスター
「いかがですか、その意味でいうと、その当時、現在になっても、平沼さんの憲法改正に対する想いというのは変わってきましたか。それとも多少変更しているのですか?」
平沼党首
「私は、若い時から自主憲法をつくらなければいかんというのが信念でもありましたから、それは変わらずにずっと持ち続けてきています。それがようやく今回、日の目を見そうだと。前の安倍内閣で国民投票法ができる。96条を援用し、そういう形で憲法改正ができそうだと。だから、私もそういう考え方を持ってきたから、協力をしなければいけないと。こう思ってやっていますね」
反町キャスター
「憲法改正のポイントとして、たとえば、9条とか、安全保障関係の問題をやりたいという人の他にも、たとえば、環境権とか、ないしは自民党の憲法草案にありましたけれども、家族とか、安全保障以外の家庭とか、文化とか、ないしは、環境というような社会政策とか、そういったものもいろいろ出ているんですけれども、憲法改正に向けた具体的な手続きの中で、順番はいいから、まずは96条で改正要件を緩和することだけで、とにかく各党が足並みを揃え、その次に順番をまた話し合っていこうみたいな。こういう、ある意味柔軟な、ある意味ずるいみたいな、先送りみたいな、こういう姿勢は次世代の党はとらないのですか?」
平沼党首
「ごまかしちゃいけないので、国民の皆さま方に、真実を伝えるというのが、私は政治家の務めだと思っていますから、はっきりとここがおかしいということは、明言すべきだと思いますね」
反町キャスター
「もう1点だけ。議院内閣型首相公選制を、次世代の党のマニフェストの中に見つけたんですけれども、議院内閣型首相公選制というのは、これは首相公選制というとほとんど大統領制に近い、国民が総理を直接、投票で選ぶんですよね。議院内閣型というと何をもって議院内閣型とするのか。そうすると、たとえば、第2党の党首が投票で選ばれたら、その人が総理になるのかとか、そのへんの具体的な何かイメージというのはあるのですか?」
平沼党首
「ですから、我々がそういうことを認めるんだったら、日本の天皇を憲法上、元首としてまず明記をするべきだと。そうじゃないと議院内閣制の大統領的なことが人気投票になって、日本でずっと続いてきた天皇制というものを維持していくことができなくなると思うんです。だから、それはしっかり私どもは、そこは元首として天皇陛下を位置づけると。そのうえで大統領制みたいなものをやってもいいと。そうやらないで、大統領(制)になったら、非常におかしいことになっちゃう。そういうことですね」

アベノミクスの軌道修正
秋元キャスター
「続いて、今回の選挙の大きな争点。アベノミクスについて聞いていきたいと思います。次世代の立場としましては、基本的方向性は是とするが軌道修正が必要ということですけれど、平沼さん、具体的にアベノミクスの何を修正していくということですか?」
平沼党首
「ご承知のように、アベノミクスというのは、1の矢、2の矢、3の矢でできているわけですね。長いデフレから脱却するために、1の矢、2の矢はそれなりに機能したと思うんです。そこで雇用が改善されるとか、有効求人倍率が上がるとか。あるいは賃金も上がるとか、そういうことができた。それまで15年間は何もできなかったと。それは評価すると。しかし、成長戦略の第3の矢は何の具体性もないんですね。たとえば、地方創生と言って何をするんだと。女性を活用していったい国民はどうなるんだと。だから、ここは責任を持って、しっかりやっていかなければならない。その具体論は、日本は財務省の主導によって、国と地方を合わせて1000兆円も借金があって、利払いだけで大変ですよ。しかし、これは、たとえば、スペインだとか、ポルトガルだとか、ギリシャだとか、アルゼンチンと比べて、日本はよその国にお金を借りていないんです。95%以上は国民のお金で賄っているんですね。個人の金融資産もたくさんあるし、共産党が言うように、企業にも内部留保がたくさん。資金がたくさんあるんですから、ですから、そういう意味では、たとえば、国が保証をして、国の借金ではなくて、自由に使える基金というものを100兆円、200兆円で、それを創立すると。それで何をやるかと言ったら、1995年に開発されたメガフロートという、海に大きな鉄の箱を浮かべて、そこに風力発電をつくって、そこで水素をつくるわけです。その水素を水素電池に利用する。それから、日本のロボット技術というのは世界に最たるものですから、そういうものをまず全国的に展開して、そういう(ことに)お金を使っていくということは非常に良いわけです。ですから、我々は、必要な公共投資というのはやるべきだと思う。だから、コンクリートから人へなんて言うのはナンセンスだと思うんですね。確かにアベノミクスというのは、東京を中心に都会はいいんですけれど、地方は疲弊しているわけですよ。ですから、そういう意味で、地方に経済が活性化されるようなことを、国を挙げて、基金をつくってやっていけば、地域の経済が活性化して、成長戦略もうまくいくのではないかと。こういうことを提案しているんです」
反町キャスター
「今日GDP7-9月期の確定値発表されまして、マイナス1.9%。先月のマイナス1.6%から上方修正されるかなと思ったら、また、0.3ポイント下がりました。非常に日本の経済状況が厳しい状況なんじゃないかという実感をさらに深めたような、今日の数値の変更、下方修正だったのですが、それでもアベノミクス。うまくいっていると感じますか?」
平沼党首
「これは、たとえば、設備投資なんかが滞っちゃって、マイナス1.9%になったわけですから。ですから、第3の矢がしっかり機能していないと。私はそう見ています」
反町キャスター
「そこはもう少し時間を持って見ていればということですか。それとも根本的に、民主党と一部の野党の中ではアベノミクスという、その金融緩和から始めて、財政出動していってという、これ自体にもう無理があるのだ。それはダメだというところまでは評価はされないわけですね?」
平沼党首
「それはしません、私達は。一定の評価はある。誰が手をつけてもデフレから脱却できなかったのが、ようやく脱却できて、株価も上がる。しかし、今回のGDPがマイナス1.9%になって、1万8000円を目指していた株が停滞をするという。だから、第3の矢をしっかりやっていかなければいけないと思っていますね」
反町キャスター
「先ほど、企業の内部留保の話をされましたけれども、確かにこの間、国会でも議論になりましたけれど、アベノミクスが動きだして1年半の間に大企業の内部留保が20兆円増えているわけですよ。20兆円のうちの1.5兆円だけでも、賃金にまわっていれば、実質賃金の上昇率がインフレを超えるのではないかという試算もある中で…」
平沼党首
「その通りですね」
反町キャスター
「大企業、中小企業を含めた全企業で20兆円貯めこんでいることになるのですが、これは政治として何かできることはないのですか?賃金にまわしてくださいと頼むしかないのですか?」
平沼党首
「だから、経済成長を維持するためには、3つの方法が私はあると思いますね。1つは増税ですよ。これはなかなか難しい。それから節約をすることですね。たとえば、国の一般会計と特別会計で39兆円もあるから無駄を省く。それで財源をつくる。これはいいです。しかし、そういうものは消極的だから、経済成長をやるわけですよ。だから、アメリカのクリントン大統領が非常に奇跡的な経済成長を、ITを中心にしてやって、アメリカは双子の赤字で呻吟していたのを解消したと、これは経済成長でやったわけです。だから、そういうことを何で日本ができないのかと。こういうことですね」
反町キャスター
「そうすると、第3の矢の工夫次第によってはまだまだ日本経済は伸びしろがあると?」
平沼党首
「それは、日本は余力があるのですから。それを信じてやれば、絶対できると思いますよ、私は」

検証!エアバッグ欠陥問題 タカタ製の問題点は?
秋元キャスター
「タカタ製のエアバックが原因の死亡事故が報告されていますが、世界シェア2位ということもあって問題が拡大しています。タカタ製エアバックのどこに問題があるのでしょうか?」
清水氏
「原理原則で言うと中に火薬が入っていまして、これがもともとタカタは、他のエアバッグメーカーもアジ化ナトリウムという物質を使っていたんです」
反町キャスター
「それは火薬ですか?」
清水氏
「火薬です。全部爆発させて膨らますから火薬なのですが、ところが、これが発がん性物質があるということで、1990年代に厚生省が毒物指定して、あとシュレッダーにかけて廃棄する時に土壌汚染の原因になるだろう。エアバッグがここまで急速に普及するとは関係者もあまり想定していなかったんですね。それで代替品に変えようということで1990年代中頃からいろんなものを研究していて、タカタが選んだのは硝酸アンモニウムという物質だったんですね。これが火薬としては非常に優秀ですけれど、扱い方を間違えると…と言うのが、現在になってわかってきたわけですね。たとえば、湿度。吸収性が高いので水を吸ってしまうとペレット状にプレスをかけて1つの錠剤みたいにするんですけど、それが崩れてパウダーみたいになる。そうすると、空気と触れる面積が増えて爆発力が増えてしまうという問題があるので、今回起きている問題は、1つは湿度の問題。もう1つは製造過程の問題。それと少し古くなったエアバッグは問題だろうということで非常に原因の特定がいろいろ考えられるんですけれど、モノが全部爆発したあとなので、何も証拠が残らない。これが結構難しいのは、日本では火薬に対する取締規制が厳しいので、日本では工場がほとんどないですね。1社だけ大阪に部品メーカーがあるんですけれど…ですから、タカタもこの部品を量産する時に、アメリカのワシントン州にあるモーゼス湖のところに工場をつくった経緯があるんですね」
反町キャスター
「他のメーカーは硝酸アンモニウムを使っていなかったのですか?」
清水氏
「使っていなかったんですね。タカタだけがチョイスした」
反町キャスター
「この問題というのは火薬の問題なのですか?それとも設計の問題なのですか?」
清水氏
「エアバッグの開発の影で、エアバッグメーカー、あるいは実験している自動車メーカーも時々火災や爆発があったんですね。ですから、火薬を使っていたということがあまり報道されていなくて、そういうリスクを経て、安全なエアバッグの開発を1990年代から2000年以降続けてきたと。タカタはとにかく硝酸アンモニウムというものを使って、これは非常に爆発力としては効率が高い、燃え残りがない。もともとアジ化ナトリウムの非毒性というところからきましたから、完全に燃えてしまえば無害であるということで、タカタは硝酸アンモニウムをチョイスしていたんですね。しかし、つくり方にいくつかの工夫がないとダメだと。それが工場品質ですけれども、エアバッグは日本的なモノづくりですから、なぜ日本のサプライヤー、日本の自動車メーカーがという思いがあったのですが、実は火薬工場を現在は日本にはつくれないので、タカタはアメリカのワシントン州のモーゼス湖にある元米軍系のロケットリサーチ社という会社の跡地につくったんですね。ですから、そこがインフレーターの一番の火薬を詰める工場。それをメキシコ工場とか、いろんなところに送ってエアバッグとしてアッセンブルして自動車メーカーに納めていたんですね」
反町キャスター
「メイド・イン・ジャパンではないわけですか?」
清水氏
「メイド・イン・ジャパンではないですね。特に火薬のところは日本でつくられていないわけですから、完全にメイド・イン・USA。中国と、ドイツ、メキシコにタカタの工場があるのですが、そこでアッセンブルしているんですね」
反町キャスター
「火薬をつくっている工場の問題なのですか、それとも組み上げている工場の問題なのですか?」
清水氏
「両方出てきたので、この問題が…。メキシコ工場でアッセンブルをする段階できたインフレーターの管理・保管の問題も出てきた。もともとの火薬をプレスする工程の問題も出てきた。両方問題が出てきた」

タカタの対応に問題は
秋元キャスター
「アメリカではタカタの対応に批判が高まっているわけですが、どこに問題があったと思いますか?」
清水氏
「トヨタのリコールの時にも感じたのですが、アメリカと日本では決定的にリコール制度とか、国の安全基準のあり方が違って、アメリカは、安全基準はあるのですが、許認可権はないですね。ですから、全てが情報公開とリコールとPL(製造者責任法)裁判と決まっています。ですから、バッドニュースファーストですね。これがアメリカの理念です、市場原理の。日本人はちょっとそこが苦手で悪いことはあまり言いたくないというメンタリティがあります。タカタも思い切ってバッドニュースファーストで全部グレーのところまでここまでだというところまで少し多めに言っておく方が後々楽ですけれども、そこが少しできていなかったのかなということ。もう1つは一般消費者あるいはユーザーから見た時に、トヨタの時はトヨタ自動車の豊田章男社長が自ら出ましたね。それで自分の製品には自分の名前がついているというお話をしたぐらいですから、それとどうしてもオーバーラップして比べられてしまうのではないかと。タカタもその創業家ですから、亡くなられたお父さんの息子さんが現在の会長ですが、タカタの名前が製品についていますから自ら率先して出てバッドニュースファーストの精神でいけば、アメリカとはそのあとやりやすいと思うんですけども」
中村氏
「タカタの今回の対応を見ていると、これは日本の会社だなという感じをすごく受けるんです。日本で自動車のリコールと言うと、自動車メーカーがリコールをし、それを国交省に届け出るという仕組みになっている。自動車メーカーのリコールですね、あくまでも。部品メーカーはというと、直接的には国交省には届け出るという説明にはなっていない。だから、自動車メーカーがやってくれたあとで、後ろで取り替える、良い部品をつくって提供をするとか、交換するとか、そちらはおそらくバックアップするという日本の法制度の中で慣らされた企業ですね。そのままの答えをしておられるような気がします」

調査リコールとは
秋元キャスター
「先週、国土交通省は初めて調査リコールを指示する方針を固めたと報じられています。調査リコールを行うと発表したのはトヨタが約18万5000台、ホンダが約13万5000台ということですが、調査リコールというのは、これまでのリコールとはどう違うのでしょうか?」
清水氏
「2次被害を出さないということが重要で、そのために原因追求。ところが、原因がなかなか見えていない。五里霧中のところがあったと思うんですね。現在答えにだいぶ近づいたと言うのですが、と言うことで世界中の自動車メーカーが協力し関連するタカタのエアバッグを全部調査のためにリコールしようということを米国と日本政府が積極的に行っているという段階だと思います」
反町キャスター
「トヨタとホンダだけではなくて全世界リコールなのですか?」
清水氏
「アメリカはトヨタが率先して、GMにも声をかけている。GMもリコールが100万台以上あるんですね。フォードもクライスラーもあるので、まさにグローバルに自動車産業がチームを組んで、原因追求しようという動きになっていますね」

今後の原因究明&収束は
反町キャスター
「業界の自主規制でやっていけるものなのかと、議論が分かれると思いますが、どう感じていますか?」
中村氏
「日本の場合はだいたいお上任せが伝統的にありまして、役所が基準を決めないとなかなか実行しない。逆に役所が決めていないことはやらなくてもいいと発想するのが日本のメーカー。そういう伝統でずっときてしまっているために現在いろいろな問題が起こってきているんですね。行政というのはどうしても後手後手になるんです。製品がどんどん新しいモノが出てくるのに先まわりして法律はつくれないですね」
清水氏
「エアバッグは、薬品を入れた火薬が入っていますから、最後のところに対する寿命に対する基準というか、ガイドラインを、自動車メーカー同士のチームジャパンで1つのガイドラインを考えていくというのも重要かなと思うんですね。しかし、日本は火薬の取締が厳しいですから規制が厳しいんですね。ですから、インフレーターという火薬のところを分析し、研究することが日本ではなかなかやりにくいですね」

清水和夫 モータージャーナリストの提言:『もっと日本のモノ作りを』
清水氏
「モノづくり日本と言われていますけれど、日本は何が得意かと言うと生真面目に同じものをお米みたいにたくさんつくることが得意ですね。ですから、そういう精神を持ってグローバル化で世界進出していけば、こういう問題は起きないだろう。今回の問題から学ぶべきことはチームジャパン、オールジャパンで日本のモノづくり精神をしっかりと海外の工場に植えつけていけば、この問題は防げるのではないかなと思います」

中村雅人 ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所長の提言:『消費者目線』
中村氏
「日本とアメリカのリコールの入り方を見ていますと、アメリカの場合は事故が3、4件起こった段階でもうリコールをかけます。これはまだ原因が本当にわかっていなくても、こういう現象が同じもので何件も起こったということで、次にまた被害者が増えてはいけないということで、とりあえず1回は止めておこうと。全部ストップをかけて、それから、原因究明をどんどんやっていけば良い。1回は止めるという発想でリコールをやっています。ところが、日本のリコールは何件かこういう事故がありました。原因調査を延々とやるんですね。本当に原因がわかりました。製造ラインはどの範囲で何年何月生産から何年何月生産までというところを、絞りをかけ、さらにその後にリコールした場合に不具合のない部品と取り替えないといけませんよね。その部品をあらかじめ全部つくって用意して、リコールということで、そこの段階で初めてオープンにするわけです。ですから、リコールまでの時間が非常にかかるのが日本のリコールの問題点ですね。そういうことは、内閣府の消費者委員会が4年前に建議をしていまして、日本のリコール制度をアメリカと比べるとそういうところが問題だよと出しているんです。ところが、なかなかこの制度が消費者目線で変わっていかない。先ほど言ったように部品の用意までしてやるということは企業のご都合で日本のリコール制度は運営されている。アメリカの場合は、消費者に被害を出してはいけないということで消費者目線で早めにストップをかけるということをやっているわけです。日本も消費者の安全、消費者の立場でいちはやく被害が拡大しないようにという対応に切り替えていかなければいけない。そういう意味ではメーカーも、規制する行政も消費者目線を持って臨むことが非常に重要なことだと思います」