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2014年12月4日(木)
公明・山口代表に問う ▽ アベノミクス光と影

ゲスト

山口那津男
公明党代表 参議院議員(前半)
桜井充
民主党前政策調査会長 参議院議員(後半)
本田悦朗
内閣官房参与 静岡県立大学教授(後半)

公明・山口代表に問う 争点の経済政策に込めた狙い
秋元キャスター
「公明党が今回の総選挙に向けた公約で打ち出した主な経済政策ですが、まず軽減税率の導入。中低所得世帯などへの家計支援。賃金上昇と若者の正規雇用の拡大。エネルギー等価格高騰対策。中小企業支援などとなっているわけですけれども、山口さん、これらの経済対策、施策の狙いはどこにあるのでしょうか?」
山口代表
「かなりの部分は緊急経済対策で提案したものが多いですね。と言いますのは、消費税を8%に上げました。円安が進み過ぎて、物価が上がりました。これらに大変困っている国民も、産業界もあるわけですね。ですから、これを手当てするのが緊急経済対策。たとえば、簡素な給付措置の対象拡大。これは消費税10%を、1年延期したことに伴う、その間を補う対策であり、また、賃金上昇の恩恵を受けられない人達にも、支援をすると。こういう対応策ですね。住宅の販売が落ち込んでいます。ですから、そこに力をつけるため、需要の回復のためのエコポイント。その他、ガソリン、灯油の購入に対する補助などもそうですね。そういう緊急経済対策の側面と、それから、先ほど言っていた延期に伴う、その間をどう補うかということと、それからもっと先々を見越した長い恒久性のある対策といろいろあると思います」
反町キャスター
「いわゆる川上、川下と言われる中で生活者支援とか、家計支援というものに対して、公明党は比較的重点を置いていると見えるんですけれども、その川上の方を元気づけようとする自民党と、川下への支援を重視する公明党というのは、結局やっていくと、どこかで股裂きになってしまないのかなという、これは自公連立も14年ですから…」
山口代表
「そうですね、長い経験ですけど、違和感はないですね」
反町キャスター
「もう、そんなことはないと」
山口代表
「そうですね。たとえば、賃金を上昇させる。これはもちろん、共にやろうと、アベノミクスの象徴といわれているところですね。だけど、働いて賃金が貰える人ばかりではありません、生活者は。しかし、その人達も物価高の影響というのを被っているわけですね。だから、そこをよく見て、きめ細かな支援策をやろうというのが、表われているわけですね。公明党らしい主張だと思います」

どう臨む 軽減税率導入
秋元キャスター
「軽減税率ですが、1つ目を詳しく説明させていただきたいと思います。公明党が主張する軽減税率というのは、消費税のうち日常的な飲食料品の税率を上げずに、家計の負担を軽くしようというものに基づいたものですが、そもそも消費税の税収のうち、飲料、食料品がどのぐらいの金額になっているのか。仮に消費税率を8%から10%に引き上げた場合、税収全体としては5.4兆円増えるという試算がされているんですね。このうち生鮮食品、加工食品、飲料、菓子類、外食、酒など、いわゆる飲食料品は2%の税率アップで1兆3200億円の税収に相当します。この軽減税率の導入に関して大きな論点と言われているのは、これらの飲食料品のうち、何を8%にして、何を10%に引き上げるかという、いわゆる線引きの問題だと思われますね。仮に、全ての飲食料品を8%に据え置いた場合、国としては1.3兆円の税収がなくなることになり、以下、これより下の軽減税率の対象項目が減るに従って国の税収は増えて、国民の負担も増えるということになるわけです。たとえば、精米だけを軽減税率の対象とした場合、税収としては400億円の減収にとどまるのですが、その分、精米以外の生鮮食品、それから、加工品、飲料、菓子類、酒など、消費者が買い物する時に10%の消費税を負担するということになるわけですね。さて、公明党としては、どこの品目までを対象にするかということですけれども、いかがでしょうか?」
山口代表
「与党で議論をする前は、我々の提案は、酒類、あるいは外食を除く飲食料品を対象にしようというのを1つのモデルにしていました。しかし、与党の協議会で、8つの選択肢がある、公約が出ているわけですね。これは線引きをなるべくわかりやすくしようという配慮と、税収がどれぐらいになるか。別な安定財源を考えていかなければならない。そういうこととのバランスですね。実際には納税事務を行う事業者の、いろいろな事務的な負担ということもあります。ですから、消費者に対するわかりやすさ、それから、事務負担をする事業者への配慮。また、全体の税収のバランス。それらを考えて、今後詰めていこうということになっています」
反町キャスター
「酒類を除くと、公明党は主張をしていたということですか?」
山口代表
「いや、酒と外食ですから」
反町キャスター
「9800億円?」
山口代表
「はい」
反町キャスター
「現在、簡素な給付措置としてやっているのは、4000億円ぐらいですか」
山口代表
「そうですね」
反町キャスター
「その簡素な給付措置でやっている4000億円プラス5000億円ぐらいの支出をしようと。何%にするかにもよるんですけれども」
山口代表
「もともと、線引きでわかりやすいところに重点を置いた案ですので、それにこだわっているのでは必ずしもありません。今後十分に総合的な検討が必要だと思います」
秋元キャスター
「視聴者からの質問です。『公明党は軽減税率を主張しているのですが、不足分の財源をどこから補おうとしているのでしょうか。具体的に述べてください』とのことですが」
山口代表
「消費税は安定的な財源ですから、これを狭めるということは社会保障を安定させるための財源ですから、他に安定的財源を求めていく必要がありますね。それに対応するものは、たとえば、歳出削減。制度的なもの。恒久的な財源を確保できそうな、歳出削減で努力をするというのが、1つあり得ると思いますね。あとは経済成長というのは波がありますから、経済成長による税収というのは、波のことを考慮すると、必ずしも安定的な財源とは言いにくい面があるんですね」
反町キャスター
「それはまだこれからということですか?」
山口代表
「これからですね。それから、別に恒久では必ずしもなくても、いろんなものを組みあわせて、当面の間、税収を確保できるというつくり方もあるかもしれませんね」
反町キャスター
「それもそういう形で、たとえば、社会保障の財源というのは恒久財源ではなくてはいけないという議論はずっとありましたよね?」
山口代表
「ありましたけれど、たとえば、年金のようなもの。恒久的な制度ですけれども、たとえば、子育てなどは現在ここに力を入れるべきだと。いやいや、次はこちらに力を入れる。動く要素があるんです。ですから、そういうものは流動的な財源で賄うという考え方もあり得ると思うので、ですから、現在断定しないで、そこは柔軟に検討していく」
反町キャスター
「必ずしも恒久財源にこだわる必要はないんじゃないか?」
山口代表
「と、私は思っています」
反町キャスター
「視聴者からの質問です。『軽減税率の数値目標。5%に戻すのか、8%のままにするのか。どちらにするのですか』とのことですが、これはどうですか?」
山口代表
「ここは税収との相関関係、安定財源との相関関係ですね。ですから、8%を超えることはありませんけれども、現実に8%で機能しているところは、8%が1つの基準になるのかなと、実務的に。そういう気がします。ここも今後の検討課題ですね」
反町キャスター
「基本的に据え置きを念頭に考えていくことになりそうだと?」
山口代表
「1つの有力な税収確保の手段だと思います」
反町キャスター
「よくこの手の話になると、かつての自民党の税調の話みたいになって、何を課税品目にして、何を非課税にするのかという、非課税とは言いません。現状の軽減税率を適用するのかというので、これは大変な業界団体の与党に対する陳情の対象になる。いわゆる利権の温床になるのではないか?ここはいかがですか?」
山口代表
「よくそういう批判はあります。物品税でモノによって税率が違うと。業界の陳情合戦。いろいろありました。その反省に、現在の単一税率というのがあるわけですね。ですから、今後の軽減税率についても、十分にそういう批判、懸念というのは国民が見ていますから、いたずらな、そういう業界の陳情合戦。それを政治的に利用する。そういうことは国民が許さないと思います。ですから、政治家の側には、固い決意が必要ですし、何を対象にするかというのは国民に合理的に説明のつくような国民の求めるもの。それをよく見極める。そういう決意が必要だと思います。それを怠って、政治の世界だけの道具にすれば、それは国民からたちまち厳しい批判にさらされると思います」
反町キャスター
「そのへんの心配はないと?」
山口代表
「はい」
反町キャスター
「もう1つ、視聴者からの質問です。『富裕層も貧困層と同じように恩恵を受ける軽減税率の導入には矛盾を感じる。消費税、そのものによる逆進性の問題を解決するには至らないのではありませんか』とのことですが、これはいかがですか?」
山口代表
「これは、逆進性というのはもともと所得の低い人ほど、負担感が重いというところにあるわけです。消費税そのものは富裕層と、そうでない人で多少違いはあるのでしょうけれども、必需品は、たとえば、買うわけですね。その意味で富裕層にもそれなりの効果は及ぶという点はありますけれど。ただ、所得と資産の関係で言えば、所得の低い人の方がその恩恵、負担感というのははるかに高い、倍以上高いという前提があります。軽減税率の良いところは、たとえば、現金給付で低所得者の方にやると、どこかで線引きをするわけですよ。そうすると、線を引いたその内側、外側で分かれるわけですね。それよりも軽減税率は、幅広い消費者が自分の選択によって負担が軽くなるということを実感できる。ここが大事です。現在、景気回復を実感できないから皆困っているわけ。だから、景気回復を実感できるように賃金の上昇をしていこうという。それと同時に10%に引き上がった時には、自分が必需品を買うために痛税感が和らぐ。負担感が和らいでいる。これを実感できる。そういう幅広い、消費者への恩恵が及ぶということが大事ですね。それが消費を冷やさない。そういう活動につながっていくわけです」
反町キャスター
「消費税は社会保障目的ではないですか。社会保障とは何かと言えば、もちろん、ご存じの通りで、弱者の救済ですよ。社会保障の目的税である消費税の5%、10%のあがりというものを、弱者の救済のために全額使うべきところを一部削って、高額所得者から低額所得者まで均等に恩恵を受けられる軽減税率にするというのは、社会保障目的で上げた消費税を、高額所得者へも利益を配っているように見える。この矛盾をどういうふうに見ますか」
山口代表
「それは配っているのではないですね。現金給付をやるのではないです。現金給付は、国民の皆さんからいただいたものを、わざわざそのいただいたものから、コストをかけて配るということになりますから。そうではないです。消費者が選ぶのです。それに応じた税収を得るんです。そもそも10%と決めたから、かける消費量で税収があると。そういう皮算用から出発することは国民を無視していることになるです。むしろ国民に、消費税の税率の引き上げを受け入れていただくためには、低所得者対策をとったうえで、いくら税収があるか。それに基づいて社会保障なり、次の施策に対応していこうと考えるのが政治的な判断だと思います。これまで何度も、国民の皆さんはしっぺ返しを受けたか。手痛い目にあったのかということを政治がよく知っています。だから、役所が皮算用で、そろばんを弾いていくら入るはずと。目減りするのは良くない。これは机上の空論です」
反町キャスター
「そういう意味でいうと、数字とか、理屈ではない、感情とか、情念、感覚、言葉が難しいのですが」
山口代表
「いやいや、それは安倍総理がおっしゃるように国民の理解をいただいて協力していただく。こういう姿勢がなければダメです」
反町キャスター
「そこの部分においては、この軽減税率というものは、その理屈、数字の世界とはまた違う効果があるんだよということを訴えたいように聞こえるのですが」
山口代表
「そうです。そこが大事です。理屈だけで、計算づくだけでやっているような考え方はダメです。今回の選挙でそういうことをガチッと国民の皆さんに示していただく。これが選挙をやっている1つの目的ですね」

安保法制整備の行方
秋元キャスター
「ここからは安全保障政策についてですが、公明党のマニフェストでは、今年与党で協議してきました集団的自衛権の行使や安全保障法制について、いわば公約であります『衆議院選の重点政策』の中には記載していなくて、最終ページの『当面する重要政治課題』という項目の1つとして、『安全保障法制の整備にあたっては、2014年7月1日の閣議決定を適確に反映した内容となるよう政府・与党で調整しつつ国民の命と平和な暮らしを守る法制の検討を進める』などとなっていまして、あまり踏み込んだ記述にはなっていないですね。今年、与党で随分協議をしました、この安全保障政策ですけれども、重点政策とせずに政治課題としてこの止めた。これはどういうことなのでしょうか?」
山口代表
「2つの点で申し上げますけれど、マニフェストというのは任期4年の中で推進していく政策を中心に書いてあります。当面する重要政治課題というのはそれより軽いという位置づけではありません。来年の通常国会で、安全保障に関する法的整備をやろうとしているわけですから、むしろそちらの方が、優先度が高いと言うこともできます。その法制ができれば、もう4年の中で1年以内に目標が達成できるわけです。そういう意味で当面する重要な政治課題に入れているということです。それから、政府で、与党で、閣議決定をしました。その解釈の指針になる予算委員会の集中審議。これを7月14日、15日とやりました。ここで基本的なものは出揃っていると我々は見ていますので、それを適確に反映した法律、法体系を出すということで、それ以上、現在言う必要はないと、こう考えているからですね」
反町キャスター
「具体的に通常国会、来年度ですよ、通常国会、予算成立後は安全保障法制が出てくると思うのですが、それに向けての自公の足並みというのは、もうちょっと調整した方がいい部分はあるのですか?それとも鉄板でぴちっとつながっているのですか?」
山口代表
「いやいや、これからかなりの法案の数があります。解散がなければもう少し、本来いろいろ議論が積み重ねられたしょうけれど、これがありましたので、ちょっと中断しましたけれど、しかし、来年の国会に出せるように精力的に政府、与党で議論を進めていきたいと思っています」

安保政策めぐる与党連携は
反町キャスター
「具体的なことを細かく詰めていくのもまだはやいんですけれど、たとえば、機雷掃海のタイミングも、自民党と公明党の間では事実上の停戦合意の、紛争当事国の停戦がカチッと文書できちんとできているのかどうかみたいな隙間を隙間とするのか、隙間としないのかはよくわかならいんですけれど、それをもって掃海艇を派遣できるのかを詰めていくと、微妙なところで出たり入ったりする部分があるんですけれど、こういうのは山口さんが見るとあまり火種にはならないと見ていますか?」
山口代表
「私はならないと思っていますね。政府与党で解釈が一致しているところは、自衛権、つまり、武力を使える。掃海をする。機雷を掃海すれば、相手が武力攻撃として、機雷を敷設した場合にまだ戦闘が続いている中でこれを掃海すると戦闘行為としての機雷掃海ですから、これは武力行使の、今度の新しい3要件に当てはまらないとできないことですね。どう決めたかというと国民の生命、自由、幸福の追求の権利が根底から覆るような明白な危険がある場合でないとダメですよと決めています。これだけでも遠いところで機雷が撒かれて、それで日本の国民の生命、自由、幸福の追求の権利が根底から覆されるというのは直ちにはなかなか言いにくいのではないかなと思います。安倍総理ご自身が、国会の答弁で、我が国に戦禍、被害が及ぶ蓋然性、高い可能性がある場合と。また、それによって国民の被る犠牲が重大で深刻な場合だと。これを客観的合理的に判断するんだと、こうおっしゃっていますからね。機雷が撒かれただけで直ちにそういう戦禍が及ぶ蓋然性が高いとか、国民の犠牲が深刻で重大だと、なかなか言いにくのではないかと思いますね。機雷を掃海するということは停戦の合意があれば国際協力でやっていいです。現にやったんですね、湾岸戦争の直後、クウェート沖でやりました。他の国は停戦合意を確認する前に、事実上の停戦状態が生じていましたから、その時から掃海活動をやって航路も開いたんですね。私はその現場に調査に行って、クウェートで直接、それを確かめましたから、その経過はよくわかっています。ですから、この停戦合意を確かめてやったという日本の当時のやり方というのは、オーソドックスで国際法に則った正しいやり方だと思います。これは基本だと思うんですね。ただ、攻撃される可能性は事実上ないんだということは、確かめられて効果が上げられると、自衛隊の掃海部隊が犠牲になることはもうないという状態があれば、それをどうするかというのは1つの判断の余地はあるのではないかとは思います」
反町キャスター
「先遣部隊が行って、当事国間の停戦合意がまだできていないにしても、事実上の停戦合意状態にあったと、安全だとわかれば…」
山口代表
「ただ、それは武力を使うという自衛権の話ではないですね。国際協力をどう安全に、効果的にやるかという、そういう判断の問題ですから、そこはぎりぎり議論して、理論的に詰めるという話ではないと思うんです。安倍さんも党首討論を聞いていますと、戦闘行為として機雷が敷設されて戦闘が続いている中で木造の掃海艇が行ってやるというのは考えにくいとおっしゃられていますので、本当にどういう場合が現実的に武力行使としての掃海活動が認められる余地があるのかというのは、私は判然としないところがありますけれども、ただ、起きたことがない事態ですから、過去に。経験のない事態ですから、実際どういう展開になるのかという状況になるということはよくわからないところがあります。だから、現在から断定的に一部の仮定ができると、これはできないとか、断定的に決めつけることではないと思います。大事なことは先ほど言った閣議決定と、その解釈の基本的な方針、これに基づいて客観的に、合理的に判断していく。こういう法律をつくるということが大事だと思います」
反町キャスター
「通常国会でいうところの、安全保障法制というのは、個別のケースについて、行ける、行けないを決めるということではないですよね」
山口代表
「はい」
反町キャスター
「そういう3条件みたいなものを踏まえて、時の政府が判断するというルールづくりをしていく、そんな法律をつくっていくという理解でよろしいですか?」
山口代表
「そうですね」
反町キャスター
「一方、ちょっと触れたいんですけれども、改憲、憲法改正の話、現在の自公で衆議院では320議席を超えていますけれども、この選挙の結果次第でどうなるかわからない部分もあるのですが、憲法改正の論議というものは安倍政権、自公政権が続くと、またそこでもう1度、頭をもたげてくる可能性もあるのですが、公明党は憲法改正の論議に対してはどういうスタンスで臨まれますか?」
山口代表
「前にも申し上げましたけれども、現在の憲法は基本的に良い憲法だと。それにもっと良いものを加えていこうというので、加憲という考え方を取っていますね。現在の憲法は悪いから、こういう良いものに変えるという考え方ではありません。ですから、憲法9条など基本的には現在のものを守っていく。憲法の改正の厳格な規定は変えるべきではない」
反町キャスター
「96条ですね」
山口代表
「はい。96条ですね。そういう考え方です。新しいものは何かと言えば、もう世界的なコンセンサスになっているような環境の価値。これを守っていこうというのを、人権として決めていく環境権。これは加えるというに値するものだと思っています。どういう中身になるか。これはもう少し詰めていく必要があると思っています」
反町キャスター
「仮に3分の2、衆参で、自公でとったとしても、やるべきところはそういったことであって、96条の手直しとか、そこではないというスタンスでいかれるのですか?」
山口代表
「基本は、そうです」

民主×安倍政権ブレーン “アベノミクス”中間評価と課題
秋元キャスター
「賃金以上に物価が上がっている現状について、家計にどのように影響していますか?」
桜井議員
「明らかに消費を抑えていると思います。消費を抑えるというのは、どうしているかと言うと無駄なものを買わなくなりましたね。これまでだったら、どうしようかなと悩みながら買っていたものをこれから先にまた物価が上がってくると予想したら、現在、買おうじゃないですよ。不必要なものはなるべく買わないようにする。将来に貯めておかないと何ともならないのではないかということで結果的に消費は落ちているし現在、物価が上がるから現在のうちに買っておこう。これは消費税の駆け込み需要の時はそうでしたが、今度はそうではなくて、それに対して、なるべく無駄なものは買わないで貯蓄をしておきましょうと。貯蓄できる人達です。そういう傾向になっていると思います」
反町キャスター
「アベノミクスは、消費税増税はビルトインされていなくて、景気回復のための1本道だったということですか?」
本田教授
「そうです。皆さん誤解されていますけれども、3党合意に基づく消費税増税はアベノミクスの一部と思っている方がたくさんいらっしゃいます。まったくの誤解であります。3党合意は2012年の8月に法律として成立したものでありまして、アベノミクスの影も形もないんです。そのあとアベノミクスが始まったんです。総理は12月に就任されて、実は私は総理が就任される前からこのことを議論していました。当時、総理になられる前に安倍さんは十分この矛盾に気がついておられました、この矛盾をどうしようか、つまり、アベノミクスは景気を上に引き上げる政策ですね。ところが、3党合意は景気を下げる効果を持っています。目的は財政再建ですけれど、経済の効果は下げる効果を持っています。つまり、これからアクセルを思いっきりふかそうという時に、2回時限爆弾が仕かけられているんですね。4月と来年10月。その時限爆弾をどうするか。安倍総理は十分気がついておられました。私が申し上げたのは附則18条を使いましょう。そのための附則18条です。景気判断条項。これがなかったらデフレの真っ最中に増税をするというとんでもないことを3党合意はやってしまったんですね。これは経済学から言えば初歩的なミスです。この初歩的なミスをいつまでも抱える必要はありません。必要があれば直せばいいです。私は昨年この番組に出させていただいて、3%は上げ過ぎである、まだまだ病み上がりと言うか、アベノミクスの道半ばで3%一気に上げた時に、非常に影響が大きい、従って1%ずつ慎重に上げましょうと申し上げましたけれど、理論的には私は現在でも正しいと思っていますけれども、なかなか政治情勢がそれを許さないということで、私は最後、総理にご助言申し上げました、予定通りやりましょうと。だけれど、それを相殺するために5.5兆円の補正予算。それと1兆円程度の減税ですね。賃金を上げた場合はその何%分の法人税税額控除をしましょうと。それから、黒田バズーカですね。思い切って金融緩和も続けましょうと。この3つの要素でもって、消費税増税のマイナス効果を乗り切りましょうということを申し上げました。ところが、いくつか誤算がありました。なかなか輸出が伸びてこないというのが少し誤算でした。私も認めざるを得ません。もう1つは、建設業、土木業の供給制約です。つまり、熟年労働者が非常に不足している。それから、建設資材の高騰が予想よりはやく始まってしまったということがありまして、契約はうまく進捗しているんですけど、工事がなかなか進捗しない。従ってGDPになかなか貢献してこないんです。従って4~6月ではまだマイナスです。7~9月でも、それほどまだ貢献していないというところが誤算でした。今後はそういうことも含めて10月に増税するのは次期尚早であると」
桜井議員
「今の中での疑問が2つあります。1つ目の疑問は、賃金が上がるんだ、いずれ物価が上がってくれば賃金が上がるとおっしゃるんですけれども、企業の利益率が落ちている中でどうやって賃金が上がるのか、私はそこがまったく理解できないです。私の知り合いのお惣菜屋さんは年商40億円の非常にでかいお惣菜屋さんですが、円安になった結果、商社が80円なら食材いくら、90円ならいくら、100円ならいくらと持ってこられました。それから、ガソリンが上がっているだけではないですから、調理用のガス料金も上がっています。それから良いか悪いかは別としてお弁当箱はプラスチックなので、石油化学製品も上がっているんですよ。2%の純利益があったのですが、出口のところで大型量販店からお弁当の値段は変えませんよと言われた結果、結局、価格転嫁できないので2%の純利益は全部吹っ飛んで、2%の純利益でボーナスを支給していたのですが、残念ながらボーナスは支給できなかったんです。こういう企業がどうやって、この先、賃金を上げていくのか。現在のように実際賃金は下がっているわけですよ。たとえば、トラック協会は1円、円が安くなったら160億円のコスト増ですよ。20円、30円、円が安くなっていますから、5000億円近いコスト増になっていて、価格転嫁できているところは、あの当時、太田大臣からお答えいただいたのは15%いくか、いかないかだと。残りの85%は価格転嫁できていないんです。価格転嫁できていないところがどうやって賃金を上げるのか、私はまったく理解できない。ですから、私は見ているところが違うと思っているんですよ。私の地元の仙台は大半が中小企業です。その大半の中小企業は内需型ですから、内需型から見てみれば、輸入でこれだけ原材料費から何から上がってしまったら、皆苦労しているんですよ。その中でどうやって賃金を上げていくのか。一部のところは賃金を上げたら減税します。それは内部留保を抱えているところは、今度は賃金を上げますよ、それで減税してもらえば、そのまま何もプラマイ変わらないかもしれないけれど、上げきれない人達のところは何も恩恵がないと言うか、上げられないですよ。だから、私はここのところがまず1つ不思議です。それから、もう1つ、前回と前々回の消費税増税の時と、4-6月、7-9月を調べてみると、財務省がよく言っていたのは、反動減は4-6月に限定されていて、7-9月はないですと。そういう説明だったんです。今回はずっと落ち続けているんです。財務省があの当時説明していたのは、前回は3%から5%で2%の増税だった。今回は5から8%の3%上がっているから、1.5倍付加がかかっているのだから、反動減がこれだけきつくなるのは当たり前です、と言うのですが、0%から3%に引き上げた時と、前回の3%から5%に引き上げた時は駆け込み需要も反動減もほとんど一緒です。何を申し上げたいのかと言うと、ある特殊要因があるから、今回は消費が落ちたままなんですよ。夏は気候が不安定だったとか、いろんなことを言いますけれど、私はそうではなくて、もともとのベースラインで物価が上がって、実質賃金が下がっていたということ、そのものがこれまでの消費税の時とは違うので、ここのところがまったく説明されないのだろうと…」
反町キャスター
「特殊要因とは何ですか?」
桜井議員
「ですから、円安に誘導してしまって、今言ったように、実質賃金がずっと下がってきている。実質賃金がこれだけきつく急激に下がった中で増税をすれば、こういうことになることは予想されることですよね。ですから、行き過ぎた金融緩和で円安を誘導し過ぎて…財界だって110円で勘弁してくれと言っているわけです。だから、株は上がるかもしれないけれども、ここのところをずっと金融緩和でやり続けることそのものが私は問題が大きいと思います」
本田教授
「増税をする前から実質賃金がマイナスだったというのは、今回が初めてですよ。1997年の時は増税の前は名目も実質も上がっていた。つまり、それまではデフレではなかった。だけど、今回不幸なことに15年間、20年間デフレをやってしまったんですよね。それを直そうとして思いっきりインフレ率を上げているんですよ。ですから、増税の前は実質賃金はマイナスです。ですけれど、これはあくまでも途中経過です。だから、道半ばと言っているんです。理論的に言えば、これはケインズも言っているんですけれど、実質賃金がマイナスにならないと景気転換は難しい。つまり、実質賃金がマイナスということは企業にとってコストが下がっているんです、人件費コスト。ところが、消費者にとってみると名目は上がっているんです。名目は上がっているから賃金のマネーイリュージョンが起こるんです。貨幣の錯覚で豊かになったような気分になる。ところが、企業からすると、実質賃金がマイナスなのでコストが下がっている。この矛盾を利用しないとなかなか景気転換は難しいとケインズも言っているんですね。ですから、私は、全てそれを正当化しようとは思いません。今回は特殊な状況なので…ただ、アベノミクスのでき上がりの姿としては、この実質賃金をプラスに持っていくのが目的です。桜井先生がなかなか賃金が上がる要因が見当たらないとおっしゃいましたけれど、名目賃金は上がっているんですね、プラスですから。総雇用者報酬であれば、もっと高いプラスです。ですから、労働市場がこれだけタイトになってきている、有効求人倍率においても失業率を見てもですね。それはあくまでも消費が増えているからですね。ところが、4月の増税でもってこのシナリオが実現してしまったので、ストーリーが見えにくくなっているということなので、再び消費が、実質賃金がプラスになるまでアベノミクスの効果を発揮させましょうと。それまでは増税してはいけませんというのが私の主張です」

いま必要な経済政策は
秋元キャスター
「民主党の総選挙のマニフェストでは経済政策3本柱を打ちだしているんです。柔軟な金融政策、人への投資、未来につながる成長戦略と書かれています。個人消費を増やして、景気回復して、増税する環境を整える。そのために具体的にどんな政策を考えているのですか?」
桜井議員
「いま、3つあったんですけれど、その前になぜ需要が落ちたのかということを申し上げると、簡単に言っておきますが、1番大きいのは生産年齢人口15~64歳が1995年をピークに落ち始めている。1番買い物をしてくれる世代、ここが落ち始めてきているので、1997年から個人消費が伸びない。若い人達は賃金が増えないので伸びない。高齢者の方々はお金を持っている方も随分いらっしゃるのですが、結果的に将来の不安があるからお金を使えない。これが、内需が落ちている最大の原因の3つだと思います。そのうえで経済はどうするのかという話ですね。これは企業の戦略だと思いますけど、その点で言うと金融政策は当然必要です。財政政策も必要です。これをどういう形で運用していくかというやり方の問題だと思っていて、現在のような金融緩和一辺倒でずっとやり続けていくこと自体については異論があるわけですね。金融緩和そのものは否定していません。ゼロ金利政策だって金融緩和政策ですよね。ですから、この手の政策について否定はしませんが、現在の黒田さんのやり過ぎている金融緩和政策については問題があるんじゃないか。ですから、さらに円安が進んでいく。繰り返しになりますが、我々は円安が社会を非常に苦しめていると思っていますから、そういった金融政策そのものは転換する必要性があると考えています。それから、もう1つ公共事業の話がありましたが、田舎に行って、道路とかという時代ではないですよね。今や医療や介護を整備してもらうとか。子育てで言うと、実は東京よりも田舎の方が子育てしやすいわけですよね。圧倒的に教育コストが安いですから。そういう点で言うと、田舎で子供達を育てることが可能になるためには、社会保障関連であるとか、そういったところにもっともっとお金を使ってこなければいけないだろうと。現在、雇用効果で言うと、たとえば、公共事業にお金を使う時と介護とどちらが雇用誘発係数として高いのかと言うと、圧倒的に介護の誘発ケースの方が高いですから、財政出動をしていくのであれば、もう少し公共事業から、そういったものに転換すべきではないか。ましてや東日本の大震災があって、現在、公共事業を本当にやり過ぎて、単価も上がっているし、建設作業員がいないですよ。そこの中でやるから難しいのであって、むしろこういったところ…人への投資です。もう1つ、研究にもっとお金を使うべきです。先ほど本田さんからイノベーションの話がありました。イノベーションさせていくというのは何かと言うと、本当の意味での基礎研究は大学でやらせるべきです。ところが、大学で研究者の数はある程度増えているんですけれど、研究補助員が増えるどころか、むしろ減る傾向にあるんですよ。研究を効率的にやっていくのであれば研究補助員のような人をもっと増やすべきですね。基礎勉強は大学でやる。民間にシフトしていくところで、民間が使えるようなところになってきた時には大学と共同研究をします。最後は民間が自分達でやってください。ここは減税で良いと思います。こういったところに段階を踏んでお金を投資していきましょうと。我々からしてみれば、税金の使い方とすると、一重の投資にしていく。しかも、これが成長戦略につながっていきますよね。グリーンライフというのは、環境産業や医療関連。特に医療関連で皆さんに知っておいていただきたいのは、外資系の薬は3兆円を超えているんです。医療機械は1兆円を超えていて、これだけで4兆円が海外にどんどん出ていると。貿易収支で言うと薬で1兆7000億円ぐらいでしょうか。医療機械で7000億円ぐらいですから、この2つで、2兆4000億円の貿易赤字ですよ。モノづくり国家であったとしたら、こういうところに力を入れて、むしろここでお金を稼げるようにしてこなければいけないでしょう」