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2014年12月1日(月)
石原慎太郎最高顧問と菅官房長官に聞く決断

ゲスト

菅義偉
内閣官房長官 前衆議院議員(前半)
石原慎太郎
次世代の党最高顧問 前衆議院議員(後半)

菅官房長官に聞く 解散・総選挙
秋元キャスター
「先月の22日から23日にFNNが行いました世論調査の結果ですが、衆議院解散を適切だと思うかで、『思う』と答えた人が22.8%。『思わない』が72.2%。わからない、どちらとも言えないが5.0%でした。消費税率引き上げの先送りという解散の理由に納得できるか。『納得できる』と答えた人が23.6%。『納得できない』が71.7%。解散を適切だと思っていなくて、さらに解散の理由にも納得できないという人が多い結果ですけれども、菅さん、この結果をどのように受け止めていますか?」
菅内閣官房長官
「それを見て私が思い浮かべますのは、かつて中曽根さんが死んだふり解散というのをやりました。また、小泉さんが郵政解散をやりました。当時も、たぶん、こんなような状況だったと思うんですよね。それはそれぞれの総理大臣が何をやりたいのかという強い意志だったと思うんですね。中曽根さんは行政改革。小泉さんは郵政改革。安倍総理はデフレ脱却。日本に15年間続いてきたデフレ脱却にかけるアベノミクス。そのことについて、消費税を来年10月からさらに2%引き上げることを、民主党政権の時ですが、私どもは野党でしたけれども、賛成をしていました。しかし、この4月、消費税3%を引き上げて、負担、国民の皆さんの生活への影響、そうしたことを考えた時に、ようやくデフレ脱却のチャンスを15年ぶりに掴んだ、このチャンスが、来年(消費税を)引き上げることによって、腰折れするおそれがある。そういう思いの中、1年半先延ばしの判断をしましたから、当然、これは法律改正になりますから。そういう意味で、是非国民の皆さんに信を問わなければならないと。そういう強い思いで総理は解散を決断したわけですから。いよいよ明日から、選挙戦が始まりますから、その選挙戦の中でなるほどなと。そういう形で、国民に絶対、理解をしてもらえると思っています」
反町キャスター
「現在解散しなくても、2年以内にしなくてはいけない。現在解散をして、もし勝てば最長4年のフリーハンドを得られる。間に参議院選挙、統一地方選挙をはさみますけれども。その2年間でやれることを、かつて4年間でやれることと比較した場合、ここで勝って、4年間の期間を経て、安定した政権基盤で取り組みたいという思いを持つというのは、官邸、政権与党は当たり前だと思うんです。その気持ちがあったか、なかったのか。そこはいかがですか?」
菅内閣官房長官
「気持ちというよりも、安倍総理は15年間続いてきたこのデフレを、何とかして脱却したいという、それは強い意志ですよ。だって私達が政権交代する前の経済状況を見てください。円は75円を超えるぐらいでした。デフレ、景気低迷で、日本を代表する自動車、電機という産業がことごとく競争力を失っていたではないですか。工場はどんどん海外につくられたでしょう。働きたくても、働く場所がなかったじゃないですか。そういう時に、私達は政権奪還をしたわけですから、ここはしっかりとデフレ脱却をしようという、その思いというのは想像を絶するほど強いということですよ」
反町キャスター
「4年間じっくりそれに取り組みたいという思いでもあるという理解でもよろしいですか、2年ではなくて、ここで勝って4年間やりたいという」
菅内閣官房長官
「それはたった2年間で一挙に経済が上がることは、難しいと思います。確かに現在、企業には内部留保がありますよ。たくさんできていますよね。しかし、それを日本に設備投資するかどうかというのは、現在の政策が続くかどうかと。ここは大きな判断だと思いますよ。だんだんと国内でそうした設備投資をやろうという数字もどんどん良くなってきていますから、そういう意味では、ここは総理がアベノミクス解散というのを明言しました。国民の皆さんにもう一度、ここについては任せてほしいと。国民の声を聞かなければいけないという意味で、解散に踏みきったと思います」

衆議院定数削減&一票の格差
反町キャスター
「選挙に関してなんですけれども、よく野党側、特に海江田さんは、3党合意があるでしょうと。定数削減の話を毎回、毎回、今日も言っていましたけれど、民自公の3党合意の時には定数削減を約束にしていた。民主党の言いぶりをそのまま伝えると、2年間、安倍総理は何もやらずに後向きだと毎回、毎回、批判をされているんですけれども、事実上、小選挙区を減らして、定数295で突入していくんですけれど、この定数削減に対する自民党の姿勢について、政府を批判する姿勢をどう思いますか?」
菅内閣官房長官
「野党の、特に民主党の批判はまったく当たらないと思いますね。まず私達は(一票の格差の)2倍の問題がありましたから、憲法の。そういうので、定数を5人減らしました。そこは自民党が一番強い誤解を受けているところでした。それで、自公の間で、比例を35削減すると。こういう提案をしました。残念ながら合意できなかったです、民主党との間で。それで総理は伊吹議長にお願いをしまして、議長の下で、有識者の会を開いてもらい、ここでも議院運営委員会で採決したわけですから。それは民主党も入っていますし、維新も入っているんですよ。自分達で採決をして、有識者の方にお願いをしたわけですから、その有識者の皆さんの結果を受けて、それは総理がその通りにしましょうと明言をしていますから、これ以上わかりやすいことはないではないですか。それぞれの会派、少数会派から大会派までありますから、そこでいくら話しても解決しなかったわけですから、皆それぞれ政党の思惑がありますから、それで第3者の、有識者の皆さんに、お願いをしているわけですから、そこから受けた結論については、従いますということで、自民党総裁は言っているわけですから、総理大臣が。ですから、これ以上のことはないのではないですか」

安部政権2年 経済政策
秋元キャスター
「アベノミクスについてですが、株価はおよそ7000円上昇し、為替も30円以上円安が進んだのですが、先月21日の解散後の記者会見で安倍総理が強調していたのは、政権発足以来、雇用は100万人以上増えました。今や有効求人倍率は22年ぶりの高水準です。この春、平均2%以上給料がアップしました。過去15年間で最高ですと成果を強調されていたんですけれども、一方で、FNNの行った世論調査によりますと、安倍政権の下で景気の回復を実感しているかという質問に対し、実感していると答えた人は16.6%。実感していないが79.7%と。アベノミクスは成功していると思うかは、思うと答えた人は27.2%。思わないと答えた人が60.7%という数字が出ています」
反町キャスター
「景気が上がってきている実感がない1つの原因として、実質賃金が15か月連続で落ちているという批判があります。政権主導の賃上げがずっと違和感がある中で、でも、賃上げをいかに実現するかというのが、安倍政権の1つの大きな課題になっていると思うのですが、来年の春闘、次の春闘、その次の春闘が、消費税2ポイント上げる直前になりますよね。どんなふうに取り組んでいきますか?」
菅内閣官房長官
「これまで賃上げという言葉が凍結されているぐらい賃上げがなかったわけでしょう。これも、確か十数年ぶりですよね、この賃上げ。ですから、今年1年間ではきかないと思うんですね。ですから、来年、その先も賃上げできるような状況になってくれば、それは自然に国民の皆さんも景気回復の実感というのを感じていただけると思うんですよね。現在は大企業とか、こう言っていますけれども、中小企業の方でも確か65.6%賃上げしていますよね、全体の調査の中で。だけど、実質賃金との結びつきを考えた時に、なかなか実感としてないと思いますので、今年だけでなくて、来年、その先という。そういう経済の好循環ができる環境というものを、アベノミクスを、国民の皆さんから審判をいただいたら必ず実現できると思っています」
秋元キャスター
「アベノミクスの効果を実感できるまでというのはだいたいどのぐらいの期間を考えていますか」
菅内閣官房長官
「そこは来年の賃上げができるようになってくれば少しは変わってくるだろうと思います」

消費増税延期&社会保障
反町キャスター
「社会保障の話ですが、消費税の引き上げを見送ることによって、本来、現在行われている8%時の社会保障から10%になった時には、社会保障がさらに充実するというプログラムがありました。たとえば、子供、子育て支援であれば、現状、3000億円のテコ入れだけれども、10%になった時には、7000億円、これにプラス4000億円足して、1兆1000億円になるのではないかという話もありましたよね。3つのジャンルに分かれていて、子供、子育て支援。医療、介護。年金生活者支援給付という、こういう3つの柱が、社会保障の充実に使われていたんですけれども、今回10%への消費税率の引き上げを1年半先送りすることによって子供・子育て支援、医療・介護、年金生活者支援制度、どれがどうなるのか、非常に心配するところなのですが、まず子供・子育て支援はどういうことになりそうですか?」
菅内閣官房長官
「来年4月からですよね。これは是非やりたいと思っています」
反町キャスター
「と言うことは、消費税引き上げによる歳入増がなくても、この7000億円、満額、実施する方向に?」
菅内閣官房長官
「そこはこれからですけれども、たぶん税の上振れも、予測がありますから、そういう税、あるいは歳出の見直し、そういう中でできることはやっていきたいと思います」
反町キャスター
「年金生活者支援給付金というのはもともと10%に消費税が上がった時に、さらに低所得者に対して消費税の負担が強まるので、月々5000円ずつとか、そういう形で、いろんな形での支援をする政策だったんですけれども、これは10%に上がることが先送りになった以上は、これはやらなくなるのではないかと。先送りになるのではないか、だいたいそんな感じでよろしいですか?」
菅内閣官房長官
「これからの予算編成の中で、優先順位というのはつけますよね。現実的に8%で、来年消費税は上げないわけですから、そういう中でそこは決めていきたいと思います」
反町キャスター
「総理もこの点に関しては、優先順位が低いというようなことでしたが、ここは自由になった時の対応である以上は…」
菅内閣官房長官
「基本的に、方向性というのはそういうことになるのだろうと思いますね。当初は10%ですから」
反町キャスター
「問題は、医療・介護ですけれど、1.5兆円の目標で予算が組まれている方向ではあったんですけれども、医療・介護に関するテコ入れ策は10%に上げられない中でどのぐらいの歩留まりになりそうなのですか?」
菅内閣官房長官
「優先順位をつけてやりたいと思います。だけど、税の上振れという話をさせていただきました。それと歳出の見直し等でできることはやっていきたいと思っています」

安部政権2年 外交・安保
秋元キャスター
「さて、ここからは第2次安倍政権の2年間の総括。近隣諸国との外交についてですが、まず日中について。先月10日、日中首脳会談が実現しましたけれども、これで日中関係が改善されると考えていますか?」
菅内閣官房長官
「確実に良くなっていくと思います」
秋元キャスター
「習近平さんとの2ショットの写真は、習近平さんはかなり表情が硬い?」
反町キャスター
「こんな無愛想な写真はない」
菅内閣官房長官
「非常に緊張したんじゃないですか、表情が」
反町キャスター
「結局、靖国問題にしても、尖閣問題にしても、詰めない形で首脳会談に臨んだというのが、手順だったのだろうと思うんですけれども、これは靖国参拝をどのように考えるのかというところはどのように思ったらよろしいのですか。総理は行かないのですか、これは」
菅内閣官房長官
「要は、まず日本と中国というのは、世界の2番、3番の経済大国ですよね。それで、この2国間だけではなくて、世界の平和と安定に責任のある大国ですから、そういう中で、首脳同士が会談するということは極めて大事だと思っています」
反町キャスター
「総理は靖国に行くとか、行かないとかも、はっきり言わないし、尖閣への中国の公船、ないしは漁船の海域への侵入というのもなくなったわけではありませんよね」
菅内閣官房長官
「はい」
反町キャスター
「あまり現象面で変わらないのかなと思うんですけれども、逆に言ってしまうと、ああいうものをそのままにしておきながら、トップ同士の話し合いのパイプをつなぎましょうというのが、今回の首脳会談だった。そう思った方がいいのですか?」
菅内閣官房長官
「いや、そこはお互いに、先ほど申し上げましたけれども、世界の平和と繁栄に責任を持つ大国、両国の首脳が会って、この2つのことを合意したという事実は大きいと思いますよ。サンゴの漁船でも、日本は、中国に厳しく抗議をしましたよ。そうしたら現在ゼロですよ。そういう面で改善はされてきているだろうと思います」
反町キャスター
「尖閣問題はこれから何年ぐらいかけて、どうなるのですか。これから、暫くこういう状況が続くと思ったうえで、話を進めると思ったらいいのでしょうか?」
菅内閣官房長官
「いや、日本の立場はまったく変わりませんし、それは当然のことです」
反町キャスター
「でも、来る船も変わりませんよね」
菅内閣官房長官
「そこは、よくわかりません」
反町キャスター
「そこは向こう都合で。でも、それでも対話のパイプは切れないというところは重要だと、こういう理解でよろしいですか?」
菅内閣官房長官
「そこは一番大事なところだと思いますね、対話というのは」

日朝関係&拉致問題
秋元キャスター
「一方、北朝鮮との関係についてですが、10月の28日、29日に北朝鮮で日本政府代表団が拉致問題などを協議しました。しかし、期待されているほど、大きな成果は得られないまま、11月の5日、朝鮮総連本部の土地・建物の売却が確定します。18日、国連で北朝鮮の人権侵害を非難する決議が採択されます。23日、北朝鮮が国連の決議に対し、超強硬対応戦を宣言しているんですけれども、北朝鮮との関係が悪化しているようにも見えるのですが、これで拉致問題というのは進展するのでしょうか?」
菅内閣官房長官
「これはこれまでは、対話のドアさえなかったんですよ。まさに、これは総理の大変な執念で、長年この固く閉ざされた扉、ドアをようやくこじ開けたわけですから、それで始まったわけですよね。それで、10月28日というのがあるんですけれども、拉致問題が最優先だと、北朝鮮の首脳部に対して。訪朝しない方がいいという意見もありました。しかし、行って、そこを突きつけてくるのを、私達も大事だと思って、代表団を派遣したんですけれども、拉致問題が主で、そこを解決しなければ、この交渉はダメですよということを、私達はきちんと北朝鮮側に投げかけたわけですから、常に、対話と圧力。行動対行動という、その原点に立ち返って現在交渉をしているということですね」

普天間基地移設問題
秋元キャスター
「もう1点、沖縄県の県知事選について。先月16日に行われました沖縄県の知事選挙ですけれど、普天間基地の辺野古移設に反対する翁長氏が大差で当選をしました。この沖縄の民意をどのように受け止めていますか?」
菅内閣官房長官
「地方の選挙。知事を決める選挙ですね。これは、1つではないと思うんですよ。振興策だとか、いろんな要素の中で、これは決められると思いますね。ですから、政府の立場で、そこはコメントはすべきじゃないと思います」
反町キャスター
「ただ、いわゆる官房長官も沖縄に入られて、仲井眞さんに対する思い、ないし普天間基地の固定化を避けるための辺野古移設というものを、政府としてこれまでずっとやってきたのを、民主党政権でこじれた糸をほぐして、もう1回、ここまでやってこられたわけではないですか。この結果というのは、横で見ている僕でもショックだったんですけれども」
菅内閣官房長官
「仲井眞知事に昨年の暮れに辺野古の埋め立ての許可をいただきました。その前に、今度の選挙で問題になったのは当時の民主党政権が最低でも県外と言っているわけですよ。そうでしょう。(当時の)政権与党の総理大臣は、最低でも県外と言っているわけですから、現地の知事が、それは県内ということにはいかないでしょう。ですから、変わったと言われているんですけれど、そこは本当に申し訳ないと思いますよね。それは、政府がそうだったんですから。そうして、学べば、学ぶほどという話まで言っているわけでしょう。いかに、この沖縄の米軍基地が抑止力になっているかと。そこを学べば、学ぶほどと言って、まったく無責任ですよね。ですから、ある意味で、沖縄の選挙について、19年前に合意したんです。16年前に知事も市長も賛成をしてくださった。それで決まったんですと。ですから、そういう中で、日本は民主的な中で手続きをして、昨年の暮れ、16年かかり、その許可をいただいたんですけれども、ただ、その間に普天間飛行場はまさに住宅地の真ん中に小学校もあって、そこの危険除去と、固定化を絶対避けるべきだというのは、ここは政府も、沖縄県民の皆さんも同じです。ですから、そういう中で政府としては、普天間移設をここは淡々と進めさせていただきたいと思います」
反町キャスター
「翁長知事、選挙の翌日、この番組に出ていただいた時、止め方が2つあるという話になりまして、工事のです。仲井眞さんの容認したプロセスに問題があったかどうかを検証しますと。もう1つは、要するに、地元の自治体が反対している取りつけ道路は工法の変更がありますと。工法の変更は、知事の許可がいるんだけれども、これは容認しない可能性がありますと。この2つの方法で、普天間基地の辺野古への移設、辺野古への基地建設を、止める手段があるというような話だったんですけれども、国としては、その県の抵抗をどのぐらいで見ていますか?」
菅内閣官房長官
「抵抗ということではなく、私どもは許可をいただきましたので、地元の皆さんに、これは粘り強く説明をさせていただきながら、淡々と、法律に基づいて進めさせていただきたいと思います」

次世代・石原最高顧問に聞く 出馬の背景&政治課題
秋元キャスター
「今回の解散総選挙を、石原さんはどのように受け止めていますか?」
石原最高顧問
「政権維持のために、非常にタクティカルに技術的にうまいことやったと思います」
反町キャスター
「石原さんから見ていると、与党はかなり有利に選挙戦を戦っているというわけですか?」
石原最高顧問
「だと思いますね」
反町キャスター
「当初、出馬はしないということでしたが、出馬するという、心の揺れ動きはどのようなものだったのですか?」
石原最高顧問
「これは討死に覚悟の出陣ですな。年齢的にも限界にきていると思いますしね、『武士道と云うは死ぬ事と見つけたり』だね」
反町キャスター
「何のために、今回、戦うことになるのですか?」
石原最高顧問
「次世代の党は苦しいところにあると思います。若い人達にバトンタッチをするために1人だけでも若い人に、しっかり苗を植えて育てたいと思います。明日公示になるようですけれども、比例ではとにかく若い人達を優先に立てて、戦おうと思いますしね、1人でもいいから若木を植えたいと思います」
反町キャスター
「石原さんは今回は比例だけで戦われるのですよね。比例順位は?」
石原最高顧問
「最後」
反町キャスター
「えっ!? 何人いるうちの?」
石原最高顧問
「十数人いるのでしょうけれども」
反町キャスター
「決まっているわけではないのですか?」
石原最高顧問
「そうしてくれと言いました。明日公示されると思います」
反町キャスター
「有権者にはどのように訴えるのですか?」
石原最高顧問
「今回の選挙の争点は、経済、経済と言うけれど、私は確かに株は2倍になったかもしれない、株価は。ただ、テレビを観ている人の中にも自分で株をやっている人は、国民の中に何%もいないと思いますよ。経済の動向をはかるために株の高値というものを物差しにすることを私は決して好まないし、私は株をやるつもりもないから。これは非常に浅薄な、要するに、表面的なことだと思います。特にこれから大人になっていく10代のハイティーン、それから、20代、30代の人達は、結婚する意欲もない。それから、可能性もない。人生がこれから花盛りの時に半分以上諦めざるを得ないのは、ギャップというのはできちゃったね。非常に大きな格差が日本の社会にできちゃった。これは、これから日本を背負っていく人達が埋めなかったら、いけないと思うし、そういう意味では次世代というのは、これからを対象にしてものを考えていかなければいけないと思います」
反町キャスター
「安倍総理は、アベノミクスが争点だと言われていますけれども、石原さんから見てアベノミクスなるものはどう見えているのですか?」
石原最高顧問
「かなりよくやってきたと思います。第3の矢だか、第4の矢だかは、知らないけれども。とにかく経済の動向をはかるために、株の高値みたいなものをメジャースティックにするというのは非常に浅薄だと思う。実際にある世代格差というものをどうやって埋めるかということ。次の世代の人間達が希望を持てる、そういうギャップをどうやって考えるかということを考えなかったら、あまり具体的な案がないじゃないですか」

次世代・石原最高顧問に聞く 日中関係
反町キャスター
「日中首脳会談を踏まえたうえで、今後の靖国参拝に対して安倍さんがとるべき対応をどのように見ていますか?」
石原最高顧問
「靖国問題とは何ですか。つまり、彼らが日本の総理大臣があそこに参拝することを禁止する理由というのは、A級戦犯が合祀されているということなのでしょう。A級とはいった何ですか。これは市ヶ谷の裁判でアメリカが勝手につくったことでしょう。A級というランキングはこれまでの国際法ではなかったわけですよ。それで結局、A級というノミネートされている十数人の人が処刑をされた、荒唐無稽な話ですよ。国際法から言っても、あり得ないことなのだから。そんなものはとにかく何をもってA級とするか、B級とするか。たまたまその内容というのは、平和を侵した罪。平和を侵した罪とは何ですか。戦争というのは皆、平和を侵して戦うわけでしょう。しかも、原爆で瞬間的に数十万人の人間を殺した。これをつくったオッペン・ハイマーというのは自責の念に耐えかねて、とにかくこれ以上原爆をつくるのは反対だということで、水爆に参加せずに非国民というランキングをされて、ケネディの国に復権しましたけれど…それから、東京の空襲にしたって、制空権をなくした国に超高度を飛んで高射砲も届かない、まさにB29を超低空で爆撃させて瞬間的に一晩で数十万の人を焼き殺した。こういったものがA級にランクされないわけがないじゃないですか。そんなものを根拠にして裁かれた、A級戦犯人が合祀された靖国そのものを否定するということは荒唐無稽な話ですよ」
反町キャスター
「尖閣諸島に関して、日中首脳会談のあとも中国の工船による領海侵犯がなくなっていません。どのように対処していけばいいと」
石原最高顧問
「知事時代にあれを東京都が購買しようと講演で言いました。たくさんの寄付が行われ、非常に嬉しい手紙も添えられていてね。当時の民主党政権が国有化ということで大きな反発を得た。さっさとモノをつくったらいいじゃありませんか、現在の政府は。灯台をつくったらいいんですよ。特に灯台は暗礁の多い地域ですから、あそこを通過する日本と中国に限らず万国の船舶のために灯台をつくったらいい。平和利用のために。それを中国が非難したら国際問題になりますよ。政府はそれが引き金になって大きな戦争が起こってはいけないと思っているのでしょうけど、中国にそんな力はないし、するつもりはありませんよ。大きな戦争が起こって困るのは中国ではないですか。中国があの大きな経済を維持するために広大なシーレーンを確保しなければいけない。できっこない。経済がもたないのだから。彼らはそれを維持するためのオーシャンネイビーを持っていますか、現在。持つ必要はないし、持ったらもっと物議を醸しますよ。日本はキチッとした態度を示したらいい」

次世代・石原最高顧問に聞く:『エゴの力』
秋元キャスター
「石原さんは10月に『エゴの力』を出版されました。なぜ現在、エゴに注目して書かれたのですか?」
石原最高顧問
「この頃、政治家もそうですが、経済人も含めて強い個性を持った人間はだんだん少なくなってきた気がする。これまで歴史を変えてきたというのは、皆強いエゴ、つまり、強い個性。個性というのは感性の表示ですから、鋭い感性を持った人間が新しい発想で新しい歴史をつくってきたんですよね。日本人にはそういうポテンシャルを持っている人がたくさんいると思うし、たとえば、村上春樹の本が流行るでしょう。あれは無国籍、無個性の人間が主人公だよね、これはとっても象徴的だと思いますよ。だけど、私はそれではいけないと思うんだよな。日本人が持っている感性の鋭さはいっぱいあるわけで、たとえば、アンドレ・マルローが日本に来た時に何日か付きあったことがあるんですけど、マルローがうまいことを言ったのは『永遠を瞬間に凝縮できる人間は日本人だけだ』と言った。俳句の話なのでしょうね。彼は宗派を超えて、たとえば、日本の仏像に感心したり、手を合わせたり、それから、神宮の神社に行った時に、それは私も一緒に行ったのですが、鳥居をくぐった時に、ちょっと待ってくれとスッと下がって、鳥居の後ろから、この神社のご神体はあの滝だろと言ったんですね、そういう感性を持った人です。それはマルローのように鋭い東西文化論を書いたような人が相対的に日本を評価していて、日本人の感性は独特なものがあるんですよ。フランス人は感性の民族ですから。ただ、日本の浮世絵がゴッホにも大きな影響を与えたみたいに、日本人の持っている感性、エゴはとっても大事だと思うんだけれど、それを最近表に出さなくなっちゃったね。私も芥川賞の選考委員をしたけれど、若い人の感性が摩滅しちゃったという気がしちゃってしょうがないですね。ショックを受ける作品になかなか出会わなかった。とても残念ですよ。文学は一番自由な世界で、何を書いたって構わない。そういう開かれた感性の世界で日本人はポテンシャルを持っているのに発露しないのか」
反町キャスター
「発露するための最大の力がエゴの力だということですか?」
石原最高顧問
「そう。それを許容しなければいけないですよ、周りがね。あいつは自我が強いやつだとか、自己主張が強いやつだとか、押さえずにどんどん勝手なことをさせたらいいではないですか」
反町キャスター
「失礼な質問になっちゃうかもしれませんけれど、石原さんのこれまでの政界におけるポジションとか、歩みを振り返られた時に、石原慎太郎というエゴを受け入れて、それを活用していくだけの社会というのは政界にあったのかどうなのか、そこはどう感じていますか?」
石原最高顧問
「それはなかったですな。だから、派閥には入らなかった。派閥は、結局のっぺりした人間しか育てないですよ。私は結局、一匹狼できましたけれどもね、それで良かったと思うし、また、そこに呼応する人間達がいて青嵐界ができました。あれを一番評価したのは皮肉な話で、日中航空協定に最後まで反対した私達を、日本の政界全体が疎んじたけれど、あれを一番評価したのは皮肉な話、周恩来だった。周恩来は『私は日本に長くいたけど、日本を良く知っている。この頃日本人はだいぶ変わったけど、でも、私は青嵐界を非常に評価する』と。それから、『私が日本の政治家でも同じことを言っただろう』と言ったんですって。私は本当に聞いて嬉しかったですね。人間の価値というのは、人間の持っている感性なんですよ。その感性の表れが個性なんですからね。それを尊重しない限り、その人間は自己中心だとか、あいつは他と変わっているとか、嫌なやつと言ったって、それを聞いていたら企業も組織も持たないと思う」