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2014年11月19日(水)
野田前首相が緊急出演 ▽ 小沢一郎と野党鳴動

ゲスト

野田佳彦
前内閣総理大臣 民主党最高顧問 衆議院議員(前半)
鈴木克昌
生活の党幹事長兼代表代行 衆議院議員(後半)
伊藤惇夫
政治アナリスト


前編

野田前首相に問う 衆院解散・総選挙
秋元キャスター
「昨日、安倍総理は記者会見で、21 日に衆議院を解散し、総選挙に踏み切ると明言されています。野田さんは昨日の総理の会見をどのように見ましたか」
野田前首相
「解散の大義がさっぱりわからないと思いました。全然わかりませんでした。まずは税のあり方。これは、議会制民主主義の根幹だから、その方針を大きく変えるわけだから、国民に信を問うと言っていました。民主党はそれをやらなかったから失敗したということも言っていました。私は、半分当たっていると思います。税は大事です。それをどう使うかということとセットで国民に信を問うということはわかるのですが、だけど、社会保障と税の一体改革は、3党で合意してつくって、現在も生きていますよね。その景気条項に基づいて、景気が悪いならば先延ばしできることは決まっているんです。だから、新たに大きな方針を変えたと言うけれども、新たに課税するわけではないです。もう増税が決まっていることを延ばすということですから、景気が悪いから、国民の皆さん、延期していいですかということは、『代表なくして課税なし』の理論とは違いますよ。拡大解釈していると。それはポピュリズムです、ただの。しかも、国民に信を問う前にやることがあると思います。3党合意です。その中身には景気条項があるんです。だけど、延期するとなると、それは法改正が必要ですね。こういう法改正をやりたいと思うけれども、共同で責任をとれますかと。3党合意は共同の責任ですから、社会保障と税の。その中身は変わるわけでしょう、少しね。景気条項とは言いながらも。だとすると法案を提出したいと思うけれども、共同で提出しますかとか、共同提出はしないけれど、賛成してくれますかとか、筋を通すのが先ではありませんか。何でいきなり国民に信を問うんでしょうか」
反町キャスター
「前総理なので当然のことながら、解散権を持つ人間がどのタイミングでいくか。当然のことながら、勝てる時にやると思うんですけれど、その勝てる時に抜くという意味において、今回の安倍さんの判断は、同じ総理経験者としてどう見ていますか」
野田前首相
「政略的に考える要素は当然政治家にはあります。内閣総理大臣であるけど、一方で党の代表者でありますから、それは当然のことながら、そういう判断もあると思います。さはさりながら、国民の税金を使い、政治空白をつくって、480の衆議院議員の首を切ってやるわけですから、大義というものをちゃんと明確に言いながらそれを持って勝つということが、これが必須だと私は思います。先ほど申し上げたように、これほど身勝手な解散は逆にないと思うんです。ない。だって、まさに中間の2年です。業績投票しろと言ったって、アベノミクスは、私どもは失敗だと思っていますが、迷う人が結構いると思いますよね。それをもって4年間の任期をまた獲得しようと。要するに、長期政権を狙うということしかない。それしかないじゃないですか。それが透けて見えすぎていますよ。それはまさに、党利党略というよりも。党利党略というのは党にとってはプラス。だけど、自民党の場合は現在ピークですから。増えることはないでしょう。党利党略ではないですよ。自民党の山梨県連だって大義がないから反対だと決議しているぐらいだから。これは総理自らの、まさに、身勝手としか言えない解散だと私は思いますよ」
反町キャスター
「それは、その意味でいうと、前総理として、自らの政権延命のベストタイミングをはかった解散であるということは、党利党略だか、公利公略だか別にして、その部分は理解するけれども、あまりにも利害があからさまに見え過ぎていて政治の品格がないと。そういう意味に聞こえるのですが」
野田前首相
「品格はないですよ。ただし、解散権は総理大臣の専権事項ですから、いつまでも、何のための解散と言っていられませんよ。ご質問があるから言っているわけで、解散をやる以上、それは堂々と受けてやるしかないんですよ。そうは言いながら、わかりにくい選挙を打つということは、もう1つ言いたいのは、国民がしらけて、投票率が低くなるということがとても心配です」
反町キャスター
「それは現在、想像されている状況ですよね?」
野田前首相
「それをもって勝ちに行こうというところのあざとさも、これは非常に品性に欠けると私は思います」
反町キャスター
「たとえば、今言ったような、あからさまなものとか、あざとさというものを民主党として指摘していくということが選挙戦としてはどうですか。それがプラスになるのかどうか。そこのところは皮膚感覚としては、どう感じていますか?」
野田前首相
「いや、それだけではダメですよ。それはこれからの議題。大義があるかというお話だったから、お答えします。大義はまったくないと。ただし、そのことは、安倍政治そのものが選挙で問われることに私はなると思います」

定数削減の約束
秋元キャスター
「思い起こせば、ちょうど2年前の2012年11月14日。党首討論で野田さんは当時、野党自民党の総裁だった安倍総理と党首討論を行っているんですね」
反町キャスター
「あの時の条件というのは定数削減。定数削減するまでは、歳費をある程度削減しようと。もう1つ社会保障の充実。この2つを大きな条件にして、3党合意で、合意したうえで選挙に入っていったという理解でよろしいですよね」
野田前首相
「3党合意は、社会保障の充実とある程度の財政健全化の同時達成をお互いに守っていこう。あわせて定数削減を協力して、次の国会までにやろうと。ここは合意事項です。その間は政党ですから、政策が違うから、競いあおうということです」
伊藤氏
「定数削減については、昨年の通常国会までにという、野田さんが安倍さんとの間で約束をしているわけですよね。それが実現できなかった原因というのは、もちろん、主に与党側にもあるのかもしれませんけれど、野党側にも責任がないですか?それは」
野田前首相
「それは、どの党にも主張がありますから、折り合えなかったことの一端の責任はどの党にもあると思います。ただ、定数削減をまとめるには、一番大きな党、与党が案を出して、根回しをして、初めて実現できる。そのリーダーシップを発揮した形跡がまったくありません」
反町キャスター
「コストダウンとかちょっと理解に苦しむ。いろいろ出ていたではないですか?」
野田前首相
「いろいろありましたけれども、途中から、自民党が小選挙区を削ることに合意するかどうかが最大のポイント。他の中小政党は比例を減らしてほしくないんですよ。だから、皆、党利党略かもしれません。そこを折り合わせて、特に、妥協をするのが与党ではないですか。小選挙区はあれだけバブルで議席が増えちゃった分、削りにくかったのでしょう。全然折れてこないんです。その結果、政党間協議で無理だから、衆議院の伊吹議長のもとで、第三者機関。その第三者機関の結論を受けて、それで解散をするんだったら、私はまだ筋が通ると思いますよ。随分時間がかかっているけれど、それも見切り発車です。しかも、昨日の会見で、定数削減については、安倍総理は一言も触れていません。忘れてしまったのか、敢えて言わないのか、これは信義にももとると思いました」

消費税増税の延期
秋元キャスター
「消費税の増税先送りについてですが、民主党は、安倍総理が明言するより前に、14日に先送りを容認されているんですけれども、そこはもともととちょっと変わったのかという感じがするのですが?」
野田前首相
「安倍総理もそんなことをおっしゃっていますよね。7-9月期GDPの数字も見ない前に民主党が決めたとか。でも、決めたのは、まず総理の方が先ではないですか。解散することは。シナリオ通りですからね。しかも、驚いたという言い方も、菅官房長官も言っていましたよね。委員会か何かで。増税前提と言った基本はどうしたのと。よく言うよと、私は思うんですよ。まさに、3党合意の精神を逸脱して、先送りをすることを決めておいて、民主党だけ遅れて増税させるという。これこそあざといと思います。悔しいんだけれども、私は3党合意は基本的に、本当に守っていきたいと思っていたんです。順守して」
反町キャスター
「それは、自分の政治生命とか、政権を賭けてまでやったものが、選挙のテーマだからと。そういう意味ですか?」
野田前首相
「そういうことです。まさに、私どもの大義が、あの時の解散の大義。定数削減をやらない、社会保障と税の一体改革も残念ながら延ばされると。延ばすということは、来年からの社会保障の充実と安定も財源に穴が開くということ。こんな悔しいことはないですよ。でも、経済が、政府が、本当に深刻な認識を持っていると。想像できている環境でしたよね。谷垣さんだって、公明党の山口さんだって、それを容認するということは、彼らは財政規律がわかっている、3党合意の精神を一番わかっている人達だと思います。その人達が羽交い絞めをしないという状況を、それを総合的に判断すると、よほど悪いとしか思えなかったんですよ。事実、9月に、山口代表は、消費税の引き上げを先延ばしするようだったら、アベノミクスがうまくいっていなかったということを、何か証明するようなものだというお話をしていったでしょう。まさに、その通りのことが起こっていることを政権与党が全部わかっているから、解散に向かっていくということが明らかにわかっています。その時に、我々だって判断せざるを得ませんよね」
反町キャスター
「その意味で、消費税を上げるという3党合意を、安倍さんの温度と、谷垣さんや野田さんや、麻生さんも含め、山口さんとの温度と、ちょっと安倍さんは3党合意に対する温度が違うのではないかと、感じる部分というのは、当初からあったのではないですか?それは、(安倍さんが3党合意の)当事者ではないから」
野田前首相
「それはあると思います。議論に直接、関わっていないし、直接交渉をしていないし、いろんなものを乗り越えて苦労したということを経験されていない分、温度差が相当あったのだろうと思います。とは言いながらも、3党合意を前提に、お互いに、選挙公約をやってきたし、国会での質疑も、3党合意でちゃんと守っていくということを、総理もおっしゃっていましたから、突然その精神から逸脱した動きをすると到底思えなかったんですけどね」

民主党政権3年間の意義
反町キャスター
「3年3か月の民主党政権の終わらせ方として、この3党合意というものを最後の形にしたということは、後悔になっていないですか?」
野田前首相
「私は、同志をいっぱい失いましたから。特に定数削減を期待していたから、増税を説いていこうと。本当に良い仲間達を失いました。責任は、私も生涯負わなければいけないと思います。そういう決断をしたことは私の責任です。一方、3党合意をまとめたこと自体は、私は評価を歴史に委ねたいと思っています。それは評価というのは、棺桶に入る頃に定まることですから、まだ、流動性はあると思いますけれど、やろうとしたこと自体については、それは胸を張って、現在は言えることだと思っています。従って、結果、負けたことは私の責任。やり遂げたことは、是非活かしていきたいという気持ちは強いということですね」

総選挙をどう戦う
秋元キャスター
「公示まで2週間を切っていますけれども、民主党としては、総選挙をどのように戦っていきますか?」
野田前首相
「マニフェストは当然、またつくって選挙公約をやります。短期間ですから、細かい技術論ではなくて、立ち位置をはっきりさせることが大事だと思います。先ほど、アベノミクスが大失敗と言いましたけれども、我々の立ち位置は、中間層解体ではなくて、中間層復活です。1億総中流として、かつて築いたことがありました。素晴らしいことだと思います。それこそが社会の安定と成長につながって少子化に歯止めをかけると思います。その理念のもとに、格差拡大に歯止めをかけていくための諸政策をしっかりと打ち出していくこと。社会保障に関わるもの、生活が厳しい人達に対する支援の仕方を含めて、トータルで打ち出していく。立ち位置の勝負になると私は思います」
反町キャスター
「アメリカを見ていても貧富の格差というのがもっと広がっているわけではないですか。いわゆる中流層が、貧富の差がより小さな国、たとえば、北欧のようなイメージ。ああいう国を目指しているとか、具体的なモデルというのを示すことはできるのですか?こんなふうに目指したいとかがあるのですか?」
野田前首相
「たとえば、アメリカ(オバマ政権)が中間選挙で負けたのは格差拡大です。ジニ係数0.477ですから、足元で。0.4を超えると騒乱が起きるという国、選挙をやれば政権は負けます。中国もっと高い数字。選挙がないから、外に出ない。日本は0.3程度で済むんです。0.4を超えない。曲がりなりにも社会保障があるからですね。それを持続可能なものにしていくことが再分配機能になりますから、社会は安定する。社会保障というのは、まさに、そういうテーマですよ。誰かが困った時に、弱った時に出てくるサービス。それはもちろん、無駄をやってはいけません。不正はやってはいけないけれど、持続可能な制度にしていくことは、社会が安定する、格差が広がらないように歯止めをかける。そのことを強調していくことだと私は思っています」
伊藤氏
「ただ、資本主義の歴史的な流れを見ていくと、かつて先進国が開発途上国から資源を持ってきて、安く買い叩いて、それを加工して、また高く売りつけるということで、先進国が成長してきたというケースがあるのですが、現在の時代というのは、開発途上国がどんどん底上げしていますから、結局その理論が通用しなくなってきている。そうすると、何が起きるかというと、それぞれの国の中で搾取する側とされる側が生まれてくるという状況。これはアメリカが典型だと思うんですけれども、それは資本主義をずっと継続していく限り、必然ではないかという気がするんですよね。そこで敢えて中産階級を分厚いものにするというのは極めて至難の業だし、かつてそういうことができた国というのは、あまりないと思うんです。ですから、そこをもうちょっと分厚くしますというのはいいのだけれども、具体的に、どういうことをやれば分厚くなるのか。そのへんをきちんと提示しないと、なるほどな、というところまでいかないと思うんですよね」
野田前首相
「まさに、日本でモデルをつくれるかどうかだと思うんですね。所得格差の拡大は新興国も、どこも現在大きくなっている。グローバルリスクになっています。日本もだんだんそうなっていく中で、日本は1度1億総中流の時代をつくった。異様です。億単位の国でできたというのは。それは高度経済成長で経済のパイがどんどん大きくなったから、トリクルダウンでも何でいいんですよ。上から水をこぼしたら、下に落ちた。皆に広がった。でも、現在は高度成長はできないでしょう。低成長の中での中流意識の確保、中産階級確保はもちろん、上から水をこぼすこともやらなければいけない。成長戦略です。一方、こぼれそうな人達を守って不安をなくしていくということを同時にやっていかないと維持できない。そのモデルの手順がまさに問われると思いますね」

野党協力の行方
反町キャスター
「民主党は野党第1党で、今回単独過半数をとれる選挙だとは、あまり誰も思っている人はいなくて、今回はその意味で言うと、民主党にとっては回復というか復活に向けた過渡的なプロセスの選挙だなと思うんですけれど、そうした中、野党の共闘というか、選挙区で候補者調整なのか、選挙協力なのか。統一名簿も、いろんな形を模索されていると思うのですが、この野党の進み具合、ないしはその意義。どう感じていますか?」
野田前首相
「一番強いのは自民党。小選挙区に溢れるほど候補者がいる。その中でまだ空白区もある中で、お互いに棲み分けをしながら、野党が野党同士で争わないで、自民党ときちんと対峙をしていくという構図をつくるために、現在、一生懸命に、選挙の候補者調整を執行部間でやっているはずですし、結構急ピッチで進んでいると思います」
伊藤氏
「今度の選挙というのは、非常に争点が見えにくい。投票に皆さんが行かないのではないかという心配もあるのですが、一方、これが争点ではないかなと。もうちょっと、現在のような強い与党のままでいてほしいと思う人はそうすればいい。逆にもうちょっと、政治に緊張感を持たせるためには野党が増えた方がいいと。政権与党が緊張感を持つような政権運営をできるぐらいの数の、与野党の差に持っていった方がいい。どちらがいいのか。その場合、野党各党、云々というよりは、与党対野党という大きな括りの中で、判断していくというのは、今度の選挙の争点の1つはそこではないかと思っているんです」
野田前首相
「そうでしょうね」
反町キャスター
「ある意味、民主党が野党第1党として、野党のリーダーとしての民主党の立場を確立することが、第1の目標なる。こういう理解でよろしいですか?」
野田前首相
「いや、それだけではないですね」
反町キャスター
「それは当面の目標は、ここはとりあえずということでね」
野田前首相
「それは、自分達の仲間ができるだけ多く戻ってくるようにするというのは当然ですし、それが野党で1番であり、与党を抜くような野党全体という、それを目指すのは当然だと思います」
反町キャスター
「ただ今回、たとえば、いきなり民主党が240取れるかというと、ここはなかなか難しいと、皆思うわけで、そうすると、まず現在まさに伊藤さんが言ったことを翻訳すると、一強他弱の、他弱の中のしっかりした芯になる。だって、ここまでは維新と民主がほぼ50ちょっとで衆議院では拮抗していたではないですか。その意味においては、民主党がきちんと、野党では民主が第1党だねと皆がわかるような情勢に持っていくことがまずは目標になる。こういう理解ではまずいですか?」
野田前首相
「結果として、そうなるように、我々はもちろん、がんばります。もちろん、維新だってがんばるわけです。お互いが野党である。お互いの持ち場で、がんばった中で、より高いレベルの、いわゆる結束ができるかということが、だんだん大事になってくると思います」
反町キャスター
「今回の選挙とその次の選挙というのは質が変わってきますよね?そうすると、たとえば、今回の選挙で、80議席だか、100議席だかは知りませんが、民主党がある程度数を増やすという前提に立った場合、その次の選挙というのは、今度、民主党が、他の野党との連携ではなくて、1党でどこまで伸びるかというのを希求していく選挙になりませんか?」
野田前首相
「議席の数が80とか、100とかを、私は申し上げる立場ではないわけです。ボーダーラインの話になりますから。それは言えませんけれども、できるだけ候補者を立てたところは全員当選を目指していくと。ただ、全員と言っても過半数まで我々はいっていないわけですから、比較第1党は目指せても、政権とりにはちょっと単独ではできないことは明らか。だとすると、他の野党と協調をしながら、野党もライバルであるわけです。その中で、自分達がちゃんと主導権をとっていける議席を確保して、当然、政権交代可能な国を目指す二大政党を我々は主張してきたわけですから、二大政党の一角として、政権とりについては、挑戦権を常に持っているという構図をつくっていくこと。これが緊張感のある政治につながると思います。
野田佳彦 前内閣総理大臣の提言:『格差是正(立ち位置)』
野田前首相
「ガバナンスの問題とかを含めて、あります、細かいことは。でも、最大のことは、自分達の立ち位置、原点をお互いがしっかりと共有しながら、外に向けて説明をしていくということで、今日的な最大の命題は、私は格差拡大に歯止めをかけていくこと。中間層がこぼれ落ちて二極分化していくような構図にしっかり是正策を講じながら、中間層を復活させていくことが自分達の使命だと思っています。その使命に基づいて、政策を訴え、結束しながら、それを広げていくということが原点ではないかなと思います」


後編

生活・鈴木幹事長に聞く 衆院解散・総選挙
秋元キャスター
「昨日の安倍総理の会見をどのように見ていますか?」
鈴木幹事長
「総理は、経済再生と財政再建ということをおっしゃったんですね。あれは実は2年前にも同じことを聞いた覚えがあるんですよ。そうすると、この2年間いったい全体何だったんだ。もちろん、経済再生も財政再建もそんなに簡単なことではありません。しかし、それがまったく自らの評価も何もなくて、同じことを同じフレーズで使われるというのは異常だなと思いました。もう1点、消費税のお話だったのですが、確か前に消費税を上げる時にいわゆる税率を上げれば税収が増える。そうすれば景気は良くなる、財政が良くなるという話だった。今回は消費税を上げると景気が悪くなるから、いわゆる補正で景気対策をしなければならない、こういう流れですね。いったい全体どうなっちゃっているのか。正直、私は総理のご発言を聞いていて、この2つのことを思いながら最後まで聞いていた、こういうことですね」

解散総選挙と消費税増税延期
反町キャスター
「解散のタイミングについてはどうですか?」
鈴木幹事長
「(一強)多弱のうちにやってしまえというのがあると思うんですね。課題が山積し、噴出してくることですから、安倍さんにとっても、自民党にとっても決していい状況ではない。だから、今回やってしまうということだと思います。私は首長の経験がありまして、選挙で公約を出して勝利、当選させていただくと、何者にも強い力をいただくんですよね。と言うことは問題がいろいろありますよね。そのことは、選挙で、公約で掲げて勝たせていただいたと。必ずそれでやられるわけです。私も自分の経験から言ってもそういうことを経験していますので、おそらく今回、選挙で結果はわかりませんけれども、政権が逆転するということは、そんなことを言っちゃいけないのかもしれませんけれど、それはない。だとするならば多少減ったぐらいのことなら、選挙の御旗を手にするというのは、あとの政策を進めていくうえで相当力強く、というか乱暴にやっていっても通ってしまうという可能性がある選挙だと私は思っています」
伊藤氏
「40年間、政治を見てきて、現在ぐらい野党が非力な時代というのは経験にないですよ。かつての55年体制の時に比べても非力ですよね。その原因は何かと言うと、軸になる党がないというのが非常に大きいと思う。それと、野党の中で政府との距離感がバラバラであるというのももちろんあるのですが、そうすると、軸になる野党を中心に与党に対峙していくというのは、1つの攻め方だとは思うんですけれども、前半の時も申し上げたのですが、一強多弱の状態を解消するという共通認識はたぶん野党の中にあるとは思うんですね。その共通認識をどう選挙に活かしいていくか。今度の選挙のポイントだと思うんですけれど。先まわりの話になってしまうかもしれないけれども、たとえば、候補者調整とか、選挙協力、もちろん、進めないと非力な野党から脱出できない。もう1つは、軸になる野党と言うと、現実論から言うと、民主党かなと…現状で言えばね。その民主党を軸にして共に攻めていくという状況の中で、民主党を何とかこう…軸になる野党として応援していこうという意識は生活の党にあるのですか?」
鈴木幹事長
「我々が結党した原点というのは、現在消費税を上げるべきではない。それから、消費税を上げる前にシロアリ退治も含めて、自らの改革も含めてやることがあると。この2つだったわけですね。ところが、ここにきて民主党さんも今の段階での増税というのはすべきではないというお考えになりましたので、そういう意味では、大きな壁がなくなったということで、これから協調、協力できる体制になっていくと私は思います」
反町キャスター
「小沢さんは、民主党との和解は考えているのですか?未だに民主党の中に小沢さんに対する抵抗感、警戒感が強いと思うんですけれど、小沢さんの方から民主党に対してはどういうアプローチをしていると見たらいいのですか?」
鈴木幹事長
「今度の選挙を通じて、ご覧になっていただければ、なるほどな、とご納得いただける状況というのは出てくると思っています」

アベノミクスの評価
秋元キャスター
「アベノミクスの評価は?」
鈴木幹事長
「私は昨日の総理のご発言を聞いて、賃金も上がり始めて、景気も回復し始めたということですけれども、結局それがまだ十分ではないということですよね。本当に賃金が上がり、景気が回復をしているならば、消費税の増税を先送りする必要はまったくないわけですからね。だから、そのところはきちんと検証しなければならないと思います。従って、アベノミクスをどう思うかということでありますけれども、非常に華々しく3本の矢ということでやりました。第1の矢、第2の矢、そして第3の矢ということでやっていますが、結論から言えば、私は第3の矢というのはまったく飛んでいないと申し上げてもいいのではないかと思っています。第1の矢というのは日銀の問題、財政の問題ということですから、ある意味で、力でやらせるという言い方は日銀に対して大変申し訳ない、独立した機関ですから、誤解があるかもしれませんけれども、1番大事なのは、国民の生活に直接あるのは第3の矢ですよ。その第3の矢が本当に飛んで的を射てれば、雇用も賃金も消費も全て良くなっていくわけですけれど、それができていないというのはまさに3本の矢がちゃんと的を射ていないということだと思います。ですから、アベノミクスは失敗。だから、今度の解散は敢えて言うなら、アベノミクスの失敗隠しの解散と言ってもいいのでないかなと思っています」
反町キャスター
「日本の経済を良くするために具体的にどうすればいいと思いますか?」
鈴木幹事長
「これは雇用と賃金、消費を高めると。やはり個人消費が起こるような状況をつくっていくということだと思います。たとえば、ワーキングプアの問題がありますよね。ここを正していくということだと思いますよ。雇用と同時に安心して、安定した生活をしていただける施策。安倍政権の1番の問題点というのはそこがないということだと思うんですね。安倍さんは、7年前にああいう形でお辞めになった。ある意味で、失意の中で7年間再起を狙ってみえたわけですよね。私は安倍政権の第2次政権ができた時に、あの時の苦労は安倍さんに必ず生きている、逆に言えば、弱い立場の方々に対して十分な目配りをしてくれる政権になるという、ある種期待をしていたんですけれど、結局まったくそうではなかったというところに私は大きな失望感を感じているんですけれど、そこをやっていくというのが我々の使命だと思っています」

総選挙をどう戦う?
秋元キャスター
「新党構想は進んでいるのですか?」
鈴木幹事長
「今日の段階で決して我々は諦めているわけではありませんけれども、現実の問題としてはそんなにうまく進んでいないということだと思います。ただ、多弱の状況を何としても脱しなければ、まさに選挙は戦えませんので、そこの段階でまさに選挙協力ということで、候補者調整を真剣に各党とも始めているということです。そういう中で、わかりませんけれども、最後まで努力を重ねる中で、ひょっとして統一的な名簿ができ、いろいろな状況が出てくる可能性はゼロではないと思っていますが、小沢さんも最後まで諦めずに努力をしていく、ということを言われています」
伊藤氏
「現実論としてそれはなかなか難しいと思うんです。こういう数字があるんですよ。2009年の総選挙と2010年の総選挙。2009年は自民党が惨敗した。2010年は自民党が圧勝した。この選挙で、小選挙区で自民党の票を比べてみると非常におもしろい傾向がわかるのですが、票数だけで言うと、得票数。惨敗した2009年が2730万票をとっていて、2012年が2564万票です。投票率が10%ぐらい下がっているから、それを差し引きしてもほぼ同じぐらい。得票率で見ても2009年が39%で2012年が43%で4%しか増えていないんですよね。にもかかわらず、議席は64と237ですよ。これは何だ。明らかに野党が乱立して、共倒れ状態を起こして足の引っ張り合いをやったという結果なので、野党が相対的に数を増やそうと思っても、答えは簡単な話ですよね。それがどこまでやれるかという話だと思いますよね」

野党協力の行方
反町キャスター
「候補者調整をやろうという流れになっているのですか?」
鈴木幹事長
「本当に進んでいると私は思っています」
反町キャスター
「民主、維新、生活、みんな、この4党でどこまでぎゅっと詰められるかどうか。4党から同じ選挙区から2人立ったり、3人に立ったりはないという期待感を持って見てもいいですか?」
鈴木幹事長
「全てそれがないかと言えば、それはなかなか言い切れないですが、各党とも真剣に現在、まさに多弱の状態を脱しなければダメだと、先ほどの数字でハッキリしているわけですから、本当に全力を傾けて傾注して努力をしています」

鈴木克昌 生活の党幹事長の提言:『生活者本位の国へ 転換 拡大 活力』
鈴木幹事長
「本当に国民の皆さんが安心して暮していける国を目指して、つくっていく。それは、各党皆思いは一緒だと思っています。個々の政策の違いはあっても、この点だけは私は統一できるのではないかと思っていますし、転換は、脱原発とか、資源エネルギーへの転換。拡大というのは、地方分権を拡大するとか、消費税増税を凍結するとか。活力というのは、非正規雇用の是正、少子化対策、そういうものをやっていくことについては、私は皆協力できるテーマではないのかなと思ってこうして書かせていただきました。我が党はこれを中心に考えていこうと思っています」