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2014年11月17日(月)
注目GDP指標の波紋 安倍首相帰国後の判断

ゲスト

西村康稔
内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員
若田部昌澄
早稲田大学政治経済学術院教授
中空麻奈
BNPパリバ証券投資調査本部長

7~9月期GDP 実質年率-1.6%の衝撃
秋元キャスター
「今日午前、安倍総理が消費税10%の引き上げへの判断材料としている7-9月期のGDP速報値が発表されました。あらためて数値を見ていきたいと思うのですが、物価の変動を除いた実質で、前期比-0.4%。同じ伸びが1年続いた場合の年率換算で-1.6%と2期連続のマイナスということになりました。この数字をどう受け止めましたか?」
西村議員
「驚きましたし、その意味で、非常に厳しい数字だなということを感じました」
秋元キャスター
「予想外の数字でしたか?」
西村議員
「2期連続マイナスですので、本来、駆け込み需要の反動で落ち込んだ、消費も含め、持ち直してくる段階にあったわけですけれど、それが思うように伸びずに長引いて、マイナスになっているということで、これは非常に厳しい数字と受け止めています」
若田部教授
「2期連続のマイナスということは、技術的に、これは景気後退と言われてもおかしくないと。リセッションに入ったと言われてもおかしくないですね。実際、非常に悪い数字で、ここまで悪くなるとはさすがに悲観的な人、消費税増税に慎重だった人も考えていなかったと思うんですけれども、非常に悪い数字が出てしまったというのが正直な感想です」
反町キャスター
「景気後退局面に入っていると若田部さんは見ていますか?」
若田部教授
「そこは、ちょっと、まだ判断すべきところがあると思いますね。確かに、反動減の影響などがまったくないとは言えないと思うんです。ただ、そのリカバリーが、回復が弱いというのは、その通りでして、この回復の弱さというのは消費税増税からきているのではないかと。そうしますと、まずは対策を打つ必要がありますよね」
中空氏
「数字的には本当に良くないですね。ただ、中身を見ますと、たとえば、ほんのちょっとですけれども、個人消費は少しプラスに出ていたりした。なので、全面的にダメだったかというと、そうでもないという見方もできなくはないと思っています。ですので、敢えて先に喋られたお二人よりは多少ましなところがあったと申し上げたいと思います」

日本経済の実態は
秋元キャスター
「今日発表のGDPの需要項目ですが、内需が2期連続でマイナス。それから、民間や家計の個人消費支出、財貨・サービスの輸出と輸入はプラスとなっているんですけれども、回復というには小さい幅で、民間住宅のマイナス幅が大きく、企業の設備投資とともに2期連続のマイナスとなっています。また、この民間在庫ですけれど、これはプラスからマイナスに転じているんですね。民間在庫の悪化はどのように見たらいいのでしょうか?」
西村議員
「在庫というのは増えたり、減ったり、当然します。これがマイナスになっているということは減っているということですね。この在庫が減っているということをどう評価するかなんですけれども、一方では、置いてあった在庫がどんどん売れて、はけて、好調になって減ってくるという面があります。一方で、生産活動が停滞をしているんですね。それで在庫が増えない。そんなにつくっていないという意味で減ってくるという両面がありますので、ここはよく分析をしないといけないと思っていまして、確かに、自動車とか、耐久消費財、家電製品は生産も落ちていますので、この部分、在庫が落ちているのだと思いますが、一方で、建設機械とか、こうしたものが出ていますので、工作機械も出ていますので、そういう意味でその分はどんどんはけて出ているという面もありますから、一概に全て悪いということではないのですが、ここが大きくマイナスになっていますので、寄与度としては、今回の-1.6%は非常に大きいところになっていますね。それから、住宅は確かに厳しい状況が続いているんです。これは大きな買い物ですから、消費税の反動減ということ。駆け込みが相当大きかったものですから、それもあって反動減がまだ続いている感じですけれども、その減り幅は徐々に小さくなってきていますので、少し引き合いも出てきているようですので、ここはこれから先どうなるか、じっくり見ていかないと思っています。それから、消費支出が民間の予想よりも半分以下でありまして、ここは我々が期待していたほどは伸びない。民間も思っていたほど伸びなかったということですね。この部分をどう分析するかなんですけれども、1つには、7月、8月、私も広島に滞在していましたけれども、土砂災害があった。土日がほとんど8月は雨。特に西日本は雨でしたので、この天候要因もそれなりに大きいものがあると思っています。それから、先ほど来、出ていますように賃金は上がってきているんですけれど、しかし、消費税増税も含めれば、そこまで追いついていないのでやや節約モード。消費者マインドのやや低下というものがあるのかなというところもありますので、今後はこの消費が戻ってくるのを、我々が是非あと押しをしたいと思いますし、特に、低所得者層中心に節約ムードもありますし、地方はガソリンとか、いろんなものが上がっているので、ここも、そちらにお金をとられて他の消費は減らすという傾向もありますので、このあたりの対策をいろいろ考えていかないといけないかなと思います。それから、注目すべきは設備投資も今回少し減ったのですが、計画は非常に根強いものがあります。これは、いろんな調査、日銀の調査、あるいは政策投資銀行の調査でも大きな計画が出ていますので、今後、特に円安が進んだことによって、海外への投資は少し減らし国内投資を増やそうという動きが出ていますので、このあたりがこれから増えてくることを期待したいと思っていますが、よく分析も行っていきたいと思っています」
秋元キャスター
「日本の景気の動向をちょっと見ていきたいんですけれども、9月の景気動向をまとめました。上向いていますのが鉱工業生産指数ですとか、機械受注総額。それから、輸出数量指数などです。一方、マイナスなのが街角景気、それから、実質消費支出。さらに、新設住宅着工戸数などです。この良い指数と悪い指数が混在しているような状況ですけれども、中空さん、現在の景気の状況を見るうえでどのように見てていますか?」
中空氏
「これをつくってくださった方が大変良い指標を混ぜてくださったなと思ったんですけれども、これ真意性とか、何とかというよりも、本当にこんな感じ、まだら模様になっているというのが現状だと思っているんですね。良いものもあれば、悪いものもあるという現在の状態ですと。アベノミクスという言葉でいくと、アベノミクスの成功のために現在途中にいるので、まだ良くなったものもあるけれども、悪くなったものもありますねという話だと思うんです。今日のGDPの話でいきますと、GDPの6割を占める消費が悪いので良くないですよねという話になっているだけであると思うんですね。ですので、ネガティブな方向に行くことなく、現在の日本の現状はまだら模様であるということが、端的に言うと、そんな感じだと」
反町キャスター
「中空さんから見た時に、ここから先の見通し、このまだら模様の次はどうなると見ていますか?」
中空氏
「実は怪しいところも若干あるんですね。たとえば、雇用のところ、完全失業率、有効求人倍率のあたりはずっと横ばいできています。完全失業率は現在、3.6%と、かなり低くなっているんですね。そうすると、完全雇用が近い状態。みんなハッピーかというと、そうでもないような感じがしている。そうなってくると、これは何が問題かというと簡単に景気が良い悪いじゃないんですよね。実は構造問題の方に行きます。ですので、足元の簡単な景気ということだけで話せない構造問題を解決しなければいけない話になってきているので、実はそこを改革していただくのだったら、このまま回復していく過程に入れると思っているし、それが失敗するのであれば残念ながら下向きに行く可能性があるということかと思っています。ネガティブ一辺倒にいくようなものではなく、良いところもあるということです」
西村議員
「まず良い面、この9月の景気動向の表から言うと、機械受注が増えていると。機械受注というのは受注してからつくって出荷しますので、先行指数と言われているわけですね。3か月とか、半年とか、先のことを占うには良い数字ですけれど、これが上向いているということで、先ほど出ていました設備投資は落ちていますけれども、企業の計画は非常に根強いものがありますし、国内にも立地しようと、設備投資しようという動きも少し広がってきていますので、その意味でも、機械受注が上向いてきている、全体として。多少デコボコはありますから、大きな受注があれば増えたりしますし、均したりしないといけないんですけれども、先行きはそれなりに期待ができるのではないかというのが1つですね。それから、輸出も、数量がそんなに日本でつくっているものは、海外で競合しているものではなくて、競合するような汎用品はもう海外に出ていますので、ある程度付加価値の高いものを出していますから、そんなにドーンとは増えなくて、むしろ価格を維持して円安によって円ベースで受け取りが増えるという意味で、輸出が良くなってきているという面があるのですが、今回、数量も若干増えて、アメリカ経済、非常に堅調ですので、そういったことを受けているのではないかと思いますが、そういった面で若干企業の活動にはプラス面が出ていると。中空さんおっしゃった雇用の面ですけれど、ここも有効求人倍率は1.09%とかで1を超えていますので、探している人よりも仕事の数の方が日本全国で見れば多いわけですね。ミスマッチがあって、東京から東北とか、あるいは建設業とか、特定の業種、特定の地域では1をはるかに超えて人は足らないといっている。一方で、1を下まわる地域もあり、業種もありますので、このへんのミスマッチがありますから、一般の地方ではなかなか厳しい状況がまだ続いていますので、このあたりのミスマッチをどう対応するかというのが、我々にとって課題だと思っています。それから、肝心の消費です。これは(GDPの)6割を占めますので、消費が落ち込んでいる限り、低迷している限りは、なかなか経済全体は伸びてきませんので、天候要因が一部あるとはいえ、賃金が今回、総報酬で見れば2.6%伸びたとはいえ、まだ追いついていませんから、物価の伸び、消費税3%分に追いついていませんから、ここの部分をこれからしっかりと賃金も上がってくる取り組みを、さらに強化をしなければならないということで、政労使の場を通じ、我々は引き続き働きかけたいと思います。大企業は良くなっていますので、円安もあり、輸出企業は良くなって収益が上がっています。収益が上がったお金を内部留保にまわすのではなくて、まず自分のところの、大企業の従業員の賃金ということで、今回2%以上上がっていますと。それから、設備投資ということで期待ができる。さらに言えば、プラス協力企業、下請け企業に対して、これまで調達価格を抑えてきて、上げないでくれとコストダウンを求めてきたわけですけれども、中小企業、下請け企業はエネルギーコストとか、原材料とか、上がって苦しんでいますので、その分の転嫁をしっかり認めてもらい、受け止めてもらって、調達価格を引き上げてもらうということであれば、中小企業の方々もその分転嫁できて、事業がやりやすくなる。従業員の給料も上げられるということで、次の段階で、しっかりやって、賃金が上がってくれば、全体として物価上昇に賃金が追いついてくる」

それでも消費税増税すべき?
反町キャスター
「中空さん、今の分析を聞いて、それでもという言い方も失礼ですが、どうですか。消費税増税は?」
中空氏
「まず1点。言い訳のようなことを言ってもいいですか。この流れでいくと私の主張は非常に不利であるということ。プラス、1つ前提にしたいのは、視聴者の方にも申し上げたいのですが、現在消費増税、イエスですか、ノーですかだけを言うと、皆ノーだと思うんです。それは皆です。ただ、私達だって皆払うのは嫌ですよねという話だと思っています。だけど、消費増税をやるのは、なぜかというのを考えていただかないといけない。景況感の良し悪しだけではなくて、日本には大きな問題、財政再建をしなければいけないという問題があります。日本は長期債務1000兆円を超しているわけです。現在からデフレ脱却で金利が上がっていくとなると、元利金の支払いだけでも大変なものになってしまう。日本は、仮に消費増税の先送りがあるとすると、国際公約的な消費造増税を先送りする代わりに、何を達すればいいかというと、もう1つコミットしてきた財政再建の道筋を確固としたものとして発表していくことだと思うんです。それをやらないで、とりあえず現在しんどいから、景況感が悪いから先送りしておこうよということであっては日本への信頼が落ちていくばかりだと思うんですね。ですので、ここは消費増税をきちんとやるべきだと考えています。現在の状況は、先ほど来、まだら模様だといろいろ話をしましたけれども、先ほど申し上げたように、アベノミクスが現在浮上しつつあるところで、落ちたわけではないわけですね。そうすると、落ちていないのだから、消費増税というのは、本当は導入できるはずでしょうと。たとえば、ここから先送りをして確実に景気が上がるという確証があるなら、見せてもらいたい。景気が上がるという、たとえば、3%成長するという経済政策があるんだったら、並べていただきたいと思うんですね。ここ20年間、私達は、日本は0.9%という成長できました。ここから先、3%成長に急浮上するならば、私も明日から急に宗旨替えして消費増税はやめましょうと。先送りしましょうと申し上げるのですが、できないと思うので、だったら、実効性のある選択肢を選んでいきましょう。その中でも、現在生まれていない世代も含めて、将来世代、子供の世代にツケをまわさないために、少しでもはやく借金を減らしていく、そのきっかけとしての消費増税で、あくまでもそういうことで、私は消費増税をやるべきだと思っています」
若田部教授
「まず実効性のある財政再建とおっしゃられたんですけれども、現状で消費税増税の悪影響がこれだけ出ていますので、財政再建の基本のプランである前提というのが、もはや成り立っていないですよね。政府がやっているのは、アベノミクスというのがデフレ脱却を最優先として、経済再生と財政再建を両立させるということなので、デフレ脱却、経済成長というのがなければ、この財政再建というのはできないという認識があるんですね。実際、中期財政フレームで使っている数字というのは、名目成長率が2014年度、つまり、2014年の4月から2015年の3月まで名目で3.3%必要だと書いてあったんですね。それがないと、財政再建はできませんというのが基本的な計画になっています。それで、2015年度に関しては2.8%。現状で、この数字が出まして、7-9月の数字が出て、名目の3.3%は達成できるのかというと、私は不可能だと。なので、現状で、この計画が失敗しているということを素直に認めて、そうしたならば何をすべきかというと、消費増税をそのままやるということではなく、名目成長率をいかに立て直すかというところに力点があるべきですよね。中空さんは、1000兆円の債務があると言ったんですけれども、この債務をどう返せばいいのかという時に、我々は無い袖は振れないわけです。国民が豊かになって、借金を返していくということが大事なのであって、借金を返すことによって国民が貧しくなるようであるならば、それは本末転倒なわけですよね。海外の投資家という人達も日本が現在、消費税増税をするのかどうか。再引き上げをするのかというのを非常に注目しています。その注目は、金利が上がるか、上がらないかという話ではなくて、アベノミクスは本当に経済成長率を上げられるのですかと。マクロの環境が良くなるのですかという話をしています。なので、私は前提として、経済成長がなければ、この財政再建はできないということを、率直に認めて、実はアベノミクスとはそういうものだったんですよ。ですから、その原点に戻ってもう1回考え直せばいいと。その時には、消費税増税というのは、この7-9月の数字、あるいは、4-6月で明らかなように、前提条件を崩すようなものなので、それは先送りするということが自然だし、そういうことをすることに対して、海外の投資家が、それに対してパニックを起こすということはあり得ないと思います」

消費増税と財政健全化
反町キャスター
「来年消費税を10%に上げた時に全体の景気が悪くなり、税収が下がる可能性をどう見ていますか?」
西村議員
「若田部先生は伸ばした方が良い、腰折れしてしまう。中空さんはそうは言いながらも基調は強いものがあるからやれないことはないという様々なご意見がありますので、我々は45人の方々の意見をいろいろ聞いて、明日最終回です、整理をして明日総理にご報告をする。あわせて先ほど来、議論している1つ1つの数字、それから7-9月までの数字ですけれども、10月の数字も週ベースでいろんな数字もできていますし、そういったものも分析しながら、総理も冷静に分析をして判断をしたいと言っているように1つ1つ消費はどうなのか、企業の設備投資はどうなのか、輸出はどうなのか。こういったものを分析したものを、総理に明日ご報告をして、総理が何らかの形で経済対策なり、ご判断をされるということだと思います」
若田部教授
「2013年度で税収がどれだけ上振れしたかと言うと景気が良くなったことによって、3.6 兆円ぐらい税収が上振れしています。これは非常に大事なことです。成功する道はまさに成長率を上げるしかないということだと思います」

消費増税&解散・総選挙の行方
中空氏
「結局、大事なのは歳出カットというところですよね。当然、増税をするからには歳出もカットしないと長期債務は1000兆円の借金ですから。友人がもし借金で苦しんでいたら、あなたは何と言いますかと聞いたら、まず借金を減らしましょうと言うと思うんですよね。その借金を減らすにはどうしたらいいかというところに、私達は立たされているので、基本的には歳出カット。これは当たり前でやらなければいけない。それがいささかちょっと西村副大臣にも言いたいんですけれど、少し弱い気がする。これをもっと全面に出していく必要があると思っていて、景気が良くなることがいいでしょうが、景気が確実に回復するなら、それもいいのですが、それができないのだったら確実にできる歳出のカットと、歳入を増やしていくべく増税もいいだろうと…増税も、必ずしも消費増税だけではなく、いろんな税金があると思うんですね。消費税もあれば、法人税もあれば、所得税もある、いろいろなものを考えたらいいと思うんです。ただ、消費増税というのは、1つ考える理由としては世代間格差を解消していきましょう、という問題もありますし、そういう意味でも今回の消費増税というのは検討されるにふさわしかったと私は思っています」

消費増税と低所得者対策
若田部教授
「世代間格差は非常に大事な問題だと思います。ただ、これを是正するために消費増税をすればいいのかと言うとそんなことは実はなくて、それによって何が起きているのかと言うと、一番所得の低いところに負担がいっている。これは消費税というのは逆進性がありますので、一番所得の低いところにしわ寄せがいっている。ですから、若者でそういうところにいる人というのは、世代間の格差がむしろ広がっている」
反町キャスター
「そうすると、若田部さんは将来的に消費税は引き上げるべきではないという意味でおっしゃっているのですか?」
若田部教授
「いえ、そうは言っていません。ただ、現在がその時期かと言うと、そうではない」
反町キャスター
「何をやったら経済成長できるのですか?」
中空氏
「経済成長がきちんとできるなら消費増税は先送りでいいと思っている。なので、経済成長をする策を並べてほしいと思うんです。よく消費増税先送りと言う時に必ず景気を良くするべきだと言うのですが、策はと聞くと、規制緩和とか、構造改革とか。それは中身は何という話ですよね。だから、中身をきちんと示してくれないとよくわからない。結果的に、出てきたものは、20年間0.9%という現実ですよ。今回見えてきたGDPの数字でも、もしかしたら日本は現在ゼロ成長ぐらいになっているかもしれないということが見えてきているわけですから、そういう無理なことを選択肢にするより、経済成長できればいいですけれども、そんな選択肢が本当はないのだとしたら、1000兆円の借金を少しでもはやく返すと」
反町キャスター
「(策は)ないと思っているんですね?」
中空氏
「私は、そうですね」
西村議員
「現在いくつかの議論があったので、できるだけ簡潔に3点申し上げたいと思います。1つは、歳出削減は相当思い切ってやります。もうやらないと待ったなしですから。これはやります。社会保障についても、一定の所得のある人には一定の負担を求めていきますし、お年寄りで何か所も病院に通ってお薬をたくさんもらっているような、同じような頻回受診されているような方は、しっかりチェックをし、何か所も行かなくても集約し、薬の量も減らしていく。さらに、ジェネリックで同じ効能があるものならジェネリックに変えていく等々。現在、相当なことをやろうとしていますので、さらにこれは進みます。それから、これは成長戦略にも絡みますけれど、マイナンバーが2016年から入りますから、これができるといろんなことができる。つまり、レセプトのチェックもしやすくなります。医療、社会保障関係、相当効率化ができるようになります。それから、住民票もいらなくなりますので、地方自治体の業務も相当変わってきます。この辺りのことを、ぜひIT化を進めたい。これは成長戦略で言えば、日本の生産性ですね。成長力は資本と労働と生産性ですので、資本はそれなりに設備投資をやってもらうとしても、労働は人口が減っていきますので、ここの確保。このためには、まだ子育て両立できていない、仕事したいけれど、できない女性にもっと活躍の場を提供していくこともそうですし、お年寄りも元気な高齢者が多いですから、60歳まで(ではなく)、69歳、70歳まで働いてもらう機会をつくっていく、こういったこともそうですし、外国人も単純移民は認めないですけれども、しかし、一定期間日本に来てもらって、日本で学んでもらうような形で管理をしながら、外国人を増やしていこうということでやっていますし、労働力もやる。しかし、最後生産性が日本はまだ低いので、ここをどう開けるかというところにITをもっと使う。ここのIT装備というか、これがすごく遅れていますので、逆に言えば、発射台が低い分、しっかりやればグッと上がる可能性はありますので、ここのところを特にサービス産業を中心に、生産性が低いと言われているところをぜひ進めていきたいと思っていますので、そういう意味では歳出削減もするし、成長戦略もやると。成長戦略はいっぱいあるので、言い切れないんですけれども、やります。最後に低所得者の方の対策も本当マイナンバーが入れば、所得の捕捉はしっかりできますので、その分キメ細かに対応はできるんですけれども、それがまだできていない状態では一律に今回も1万円とか、プラス5000円とか、という形で給付を行いました。低所得者の方への対策をどうするかというのは諮問会議でも提案をさせていただいていますので、現在いろいろ議論しています。それから、いっときやって、不評だった商品券の配布のようなものも、これも配っても他の消費が落ちるから効果がないのではないかとか、バラまきだと言われたりしましたけれども、たとえば、1万円で、地元で通用する商品券を買えば1万1000円(で1000円)分ついてくる。たとえば、1割増えてくる。その分を自治体が補填をしてやっているようなことを、場合によっては、国が一部補填をして、実際消費が増えるような形にできないかとか。いろいろなアイディアが提案されていますので、これもしっかり実行したいと思っています」

西村康稔 内閣府副大臣の提言:『アベノミクス第2幕 地方・中小企業対策』
西村議員
「アベノミクスの第1幕は、行き過ぎた円高を是正して企業収益を上げていくということで、特に大企業、輸出業を中心に収益は過去最高のようになってきていますので、それを現在のところ、大企業の方を中心に賃金は上がってきていますけれども、それをさらに広げていくために2つのこと。1つは、大企業がしっかりと下請け企業、中小企業に還元をしてもらって、燃料とか、原材料が上がっている中小企業の苦しみを受け止めてもらって中小企業の方々が良くなってくる、そうすると中小企業の方々の賃金も上がってきますので、好循環をさらに広げていくという第2幕。我々としては大企業の収益として上がってきたものは税収として増えてきますので、それをいわば政府が再分配する形で、中小企業対策、あるいは地方対策、所得の低い方々への対策を打って好循環をさらに強化していくということで、これから第2幕が始まると思いますが、ここで我々はしっかりとこの道しかないということで進んでいきたいと思います」

若田部昌澄 早稲田大学政治経済学術院教授の提言:『アベノミクス再起動』
若田部教授
「アベノミクスは方向的に非常に良かったし、消費増税するまでは良かったと思います。しかし、消費税増税によって、どうもアベノミクスが目指そうとするところに非常に陰りが出てきてしまったということだと思います。なので、私は、今回の解散総選挙というのは基本的には2012年に総選挙で公約として消費税を掲げた自民党が消費税というのを外すべきかということを国民に問うということだと思います。外すことによって、私はアベノミクスの良い方向がさらに良くなって、地方や中小企業にまで利益が均填していくと思っています。ただし、ここで大事なのは改訂も必要に応じて、それは西村大臣がおっしゃるように所得再分配のことであるとか、地方であるとか、中小企業にどうお金がまわっていくのかということを考えなければいけませんが、それにしてもアベノミクスの基本的なところが頓挫してしまうとそういうことはできません。なので、まずそこの基本ラインを再確認することが必要だと思います」

中空麻奈 BNPパリバ証券投資調査本部長の提言:『財政再建』
中空氏
「私は、短期的な今後ではなくて、中長期的な今後ということで財政再建ということをあげました。財政再建というのは確実にやらなければいけないこと。なぜかと言うと、短期的な景気が良いとか、悪いとか、そういうこととはまったく関係なく、これから生まれてくる子供達に日本があまりにも借金があるということにならないためにも、現在一番にやらなければいけない、取り組まなければいけない課題だと思っているので、消費税増税を考える段に国民の皆さんと一緒に財政再建は絶対必要でしょうということを強く認識したいと思い書きました。財政再建です」