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2014年11月12日(水)
永田町にもう一つの風 どこへ行く?女性活躍

ゲスト

赤澤亮正
内閣府副大臣(女性活躍担当) 衆議院議員
水無田気流
詩人・社会学者

実効性はあるのか 女性活躍推進法案
秋元キャスター
「アベノミクスを推進するうえで看板政策と言えるのが女性の活躍です。既に法案が本国会で審議入りしているのですが、どういうものかといいますと目的として掲げられているのが女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用。職業生活と家庭生活との両立をはかるために必要な環境の整備となっています。具体的な措置としましては国、地方公共団体、企業に対して女性の活躍に関する状態を把握し、目標や行動計画を策定、公表することを義務づけるとしています。ただし、従業員300人以下の企業は努力義務です。これには罰則はありません。どういう項目の状況を把握し、目標を立てるのかといいますと、例として挙げられているのが、女性採用比率、勤続年数の男女差、労働時間の状況、女性管理職比率などとなっているんですね。安倍政権が女性の活躍を最重要政策に掲げて、こういった法案を提出することになった根底にあります問題意識というのは、どこにあるのですか?」
赤澤内閣府副大臣
「私は、まず2点で説明したいと思います。1点目は、日本女性が外国の女性と比べて能力が劣っているはずもないのに、国会議員の比率も、よく言われます。あるいは会社の指導的立場、役員とか、課長以上とか。これは外国と比べると目に見えて率が少ないということがあります。と言うことは、何か社会的に、あるいは法律的に制度、税制、いろんなことで制約があるのではないかと考えるのが自然ですね。そういうこともあって、一言で言えば、人権の観点から女性の権利が何か侵害されていないかという意味で、現在男女共同参画法を1999年ですね。そういったもの、あるいは雇用機会均等法1985年。だいぶ歴史があって取り組んできたと。だけど、なかなかうまくいっていないという現状がある。そのうえで、経済的にも少子高齢化で生産年齢人口がどんどん減っていくぞと言うのだから、その時、働きたいのに働けない女性が314万人います。働きたい希望があるのに、現在働けていない314万人。この女性の力を借りるしかないという面もあって、二面です。ことの本質的には、女性が活躍できて然るべきと。その期待できるレベルまで、まったくいっていないということに加えて、経済的にも是非力をお借りしたいという状態になっている、2点だろうと思います」
反町キャスター
「そうすると、女性の活用というのは、いわゆるアベノミクスというのは経済成長前提になっていると思うのですが、女性の活躍、活用というものが、経済成長のメインエンジンになり得ると見ていると?」
赤澤内閣府副大臣
「まさに、そういうことになります。経済成長で正面から女性の活躍を柱に立てたというのは、私が承知している限り初めてだと思います。各党とも、女性の活躍について、ある意味では、人権の観点から、皆さん女性、1人、1人が幸せになろうと。幸福に人生を歩んでもらうためにどうしたらいいと考えてやってきているんですけれども、成長戦略に正面から位置づけ、その柱だと。これをやらないとアベノミクスは成功しないというまで成長戦略にきちんと位置づけたというものは初めてだと思います」
水無田氏
「赤澤さんが人権の観点及び経済的な観点と相互からおっしゃっていたのですが、どうも見ていると、経済成長のためと、あまりにも先走りし過ぎていないかなと思うんですね。あと活躍と言うんですけれど、日本の女性は既に私は十分活躍していると思うんです。たとえば、社会生活基本調査によりますと生活実感の区分などを調査してみますと、確かに、就労時間、賃金の発生する仕事の時間は、男性より女性の方が短いのですが、でも、家事、育児などアンペイドワーク、無償労働を含めると男性よりも女性の方が長いです。睡眠時間が短いですね。さらに地域の良好な人間関係を維持するソーシャルキャピタルの担い手として、たとえば、非営利活動とか、地域活動とか、NPOの成り手、これもだいたい女性のみ、ないしはほとんど女性のスタッフというのが一番人数的にも、構成的にも多いですね。なおかつ町内会とか、PTA活動とか、様々な地域活動に関しても、女性がほぼ担っている。そうすると、女性は活躍しているんだけれども、それが社会的、あるいは対価を得られないという形で、評価されていない方が問題なのではないのかなと。そこをもう少し検討していただきたいなと思っています」

アベノミクスと女性の活躍策
反町キャスター
「もっと原点に戻ると、いわゆる家庭の専業主婦がそこに対して対価を払われていないことがおかしいみたいな。そこを数値化して、賃金化とは言いませんが、それがどういうもので、いくらぐらいにあたるのかというところまでちゃんと計算をして、数値化して評価する。そのぐらいのところまでやるべきだという意味でもあるのですか?」
水無田氏
「確かに、年間40兆円規模ぐらいで、専業主婦が全部賄っているという数値は、あるにはあるんですけれども、あまり意味はないですよね。なぜかと言うと、その賃金を誰に払ってもらうのか、夫に払ってもらうのかと言うと、それはいくら家事をやったからといって夫の給料が上がるわけではない。ケアワークの当事者であるところの乳幼児とか、介護が必要なお年寄りからもらうかというと、これもそもそも市場で働く力がないから、ケアを必要とするわけですよね。国が払えばいいのかということで公助を与える、配偶者控除とか、三号被保険者制度が主婦の年金権確立の、そういった形になっていくわけですが、これも財政的に厳しいとなってくると。そうした経済的な評価、賃金が発生しないということ。それ以上に、社会的な意味や価値や評価というものが圧倒的に低く、かつそれらは、非労働時間で働く、非雇用市場にいる女性を雇用市場の方に押し出そうという方向性しか見えてこないから問題だと指摘しているわけです」
秋元キャスター
「アベノミクスで言う女性の活躍というのはどういうことなのですか?」
赤澤内閣府副大臣
「最終的に女性が、本当に幸福を感じられる。育児をやっても楽しいと。仕事をやっても楽しいと。夫も手伝ってくれるという状態がうまくまわって男女共に、幸せな状態で、その選択にもよるんですけれど、仕事も子供も持ちたいと思ったら、その夫婦が2人揃って幸せな気分でいられると。仕事を選んで、子供が要らないというご夫婦であれば、それも1つの選択ですし、一生独身という人もいて構わないんだけど、各人がそれぞれ幸福を感じられるというのが、最終ゴールになってくるということだと思います」

長時間労働の是正
秋元キャスター
「子育てしながら働く女性にとって大きな問題となっているのが、労働時間の長さですね。日本の労働時間は30年前の1980年代から比べますと、短くはなっているんですけれども、それでも年間1735時間と。アメリカ、イタリアに次いで、長い労働時間ですね。ドイツと比べますと年間300時間以上も長くなっているわけです。赤澤さん、女性が活躍するために労働時間をもっと短縮する必要があるということなのですか?」
赤澤内閣府副大臣
「そこは絶対的に大事なポイントだと思いますので、女性にとっては長いということもありますが、現在のちょっと統計の結果だけご紹介しますけれど、労働時間が長いということは、男性にとっても非常に大きなインパクトがあって、育児、それから、家事を夫が手伝う時間が長ければ長いほど、奥さんは第一子を出産する時に仕事を辞めない、継続割合が高いというのがあります。夫が家事、育児を手伝う時間が長ければ長いほど、第二子以降産んでくださる割合も高くなるんです。だから、少子化とか、いろんなことを言いますが、問題を解決するのにかなり大事なのは、夫が育児、家事を何とか時間を捻出して手伝うことですけれども、やりたいという人はいると思いますよ、私は。私の周りを見てもできるならやりたいし、現にやっている人もいるので。ところが、問題は現在の日本社会の中で、企業文化というか、風土とか、あるいは意識の問題で、長く残っているやつはやる気があるやつだみたいな感じで、ある意味、だらだら残っている状態で、長時間労働をやらざるを得ないとなると、男性の方にも結論、余裕がないということで、結果、自分も疲れ切って帰ってきて、甘えられるものなら奥さんが何かやってくれるから自分は寝ちゃおうかと。寝たあとで、奥さんが夜中にお皿を洗ってみたいな話になると奥さんの方もたまったものではないと。第一子持った時点でまっぴらだと。第二子までぐらいならがんばるけれど、第三子以降はとんでもないという感じになってしまうということだと思うんです。だから、長時間労働を何とか解決していくというのが、絶対必要なことで、メニューについては現在、政府の中でやっているのがいくつかあるので、もし、そこにご関心があれば、ご紹介をしたいと思います」
反町キャスター
「短く紹介ください。どうやって労働時間を短くするのですか?」
赤澤内閣府副大臣
「考えているのは、労働法制を変える必要があるので、私が担当している内閣府だけではどうにもならない部分があって、厚生労働省の労働政策審議会みたいなところでの議論を経ますけれども、たとえば、フレックスタイムについて言うと、これは精算期間が現在ひと月と限られていますけれども、短すぎて、もっとバラかせるとだいぶ就労が柔軟になるとか、あるいは月をまたげないとか、いろんなものがあります。そういうものを直していって、フレックスタイムを使いやすくするとか、あと現在これだけのICTの発達で、テレワークとか、ああいったもので相当いけると」
反町キャスター
「テレワークとは自宅勤務の意味?」
赤澤内閣府副大臣
「おっしゃる通り。結構大きいのは、だらだら何となく勤務時間を過ぎて残っているのは、あまり効率が良くないと、職場に位置づけること。結構、やる気がある人、他にやりたいことがある人にとって苦痛で、とにかく家にいったん帰る。その後、自分の済ませたいことは済ませて、やりたい時間で仕事をできるというのはかなり大きな効果があります。と言うことで、テレワークも普及させていく。それ以外にも、在宅就業のやり方であるとか、いろいろと考えられることはあって、それに応えて、一番大事なのは、最初に戻るんですけれど、意識改革です。なので、霞が関の官僚で幹部研修を初めて受けた方達がまとめた提言がニュースで出たのご存知ないですか。官僚が働き方について提言をしたんです。その中ではっきり言っているのが、しつこく、実際非常にエレガントに、聡明な女性達がきれいな資料にまとめているのですが、そこのトップにかかっているよというところだけは、突然、本当に活字でしつこく書いたんです。やってくれなければ、絶対できませんと。私が知っている限りでは、ちょっと個人名は出しませんが、厚生労働省でも、とある局長が本当に勤務が終わったら、皆帰れと。追い出すように、自分が責任を持って帰すようにやっているところが非常にうまく回った例があるし、そういう意味では、企業の風土、あるいはトップの意識が変わって本当にやろうと思えば、できる世界の話なので、この世界はどちらかというと労働時間法制というよりはトップの意識。だから、今風な言い方で言えば、イクボスがどれだけ出てくるかで、それを受けて、実際働いている人達がどれだけイクメンになれるかというあたりの意識改革ができなければ、器だけ変えても実態は変わらないと」
秋元キャスター
「水無田さん、長時間労働をどのように見ていますか?」
水無田氏
「ホワイトカラー、正社員に関しては1735時間と言いますけれども、既に2200時間超えているという調査結果もあるんですね。だから、男性の長期間継続雇用者が日常的に長時間労働であるという現状をまず変える必要がありますね。先ほどもおっしゃったように、若年層ほど男性の家事、育児への参加意欲が高いんですよ。意欲はあってもなぜ参加できないのか。それは日常的な長時間労働ですよね。何でこういうことが起きるのかというと、これは日本企業の雇用の在り方と職場の気風です。要するにジョブとメンバーシップの完全一体化型とも言えるんですけれども、仕事に人をつけていくのではなくて、人に仕事をつけていく。正社員の、特に男性は、ケアワークは妻に丸投げ前提でもって、ひたすら長時間労働を会社に捧げることによって、忠誠心ややる気がはかられるという、そういうやり方があるわけですね。ところが、単位時間あたりの生産性で見ると、日本の働き方というのは決して生産性高くないですよね。だいたい単位時間あたり40ドルぐらい。トップの方になってくる諸国というのは、80(ドル)を超えていますから、半分ぐらいになっちゃっているという、非常に低い数字になっちゃっているわけですね。先ほど言ったように生産性を高めるような形での労働をもっともっと推進すると、女性の就労率と少子化の改善に有為な関係がみられるんですね。GDPだけで見ると、そんなに差はないのですが、時間あたりの生産性の高い働き方をしている国だと女性も仕事に参加しやすくなって、なおかつ少子化も改善しやすいですね。良いこと尽くめですけれど、阻んでいるのは旧態依然とした日本の職場風土です」

働き方の多様化
反町キャスター
「赤澤さん、先ほど、時短の話が出ましたけれど、時短ということは給料の下がることを覚悟しろと?」
赤澤内閣府副大臣
「いや、そうではなく、生産性が上がって、要するに、短時間でこれまで以上に効率良く仕事をして、それで企業として売上げが変わらなければ、同じ人数でやっていれば、分け前は変わらないわけですね。だから、あくまで、それは理想論なので、そう簡単にいくかどうかはともかくですけれども、ただ、自分で役所勤めをしていた時の関係もあって、また、自分の現在の仕事に照らして感じなければいけないですけれども、悪名高い国会の質問ですよね、前日に100問きましたとかで、夜通し徹夜で答えを書いてみたいなことを私もやったことありますけれども、結局、ああいうようなことというのは、別に効率が良いのでも何でもないと。だから、きちんと仕事のやり方を変えていくことができれば、それは同じだけの成果物を、より時間を短くしてやることというのはできるし、そちらの方を当然追求すべきだと。逆に言えば、時短の方で生産性が上がれば、皆さん、給料が変わらないということが、まず現在の時点で理想論かもしれませんけれど、答え」
反町キャスター
「そこを目指していこうということですか?」
赤澤内閣府副大臣
「そうですね」
秋元キャスター
「そうすると、現在時給で働いているのをちょっとそこを変えなければいけなくなりますよね。時給いくらということではなくて、これを達成した対価という」
赤澤内閣府副大臣
「そういう仕事のやり方もありますし、あとは現在働いている方達の働き方の下で、これだけの売上げではこれだけの給料しか払えないというのが当然、企業にはあるんですけれども、短い時間でこれだけの成果をあげてくれるなら、もうちょっと差し上げてもということは、当然出てくるんだと思います、時間あたりね」

男性の意識は変わるか
水無田氏
「単位時間あたりの生産性をあげるということは、口で言うのはすごく優しいんですけれども、先ほども申し上げたように、働き方を変える以上に、働き方の評価を変えなければいけないわけですね。そういった評価の軸を握っている50代以上の男性に是非考えていただきたいです。ですから、女性の活躍は、むしろ中高年の男性にかかっているんですよね」
秋元キャスター
「評価する立場の人?」
水無田氏
「はい。トップの側にいる人間が変わらないと、結局のところ女性は、静かに職場から退職をしていくんです」
反町キャスター
「トップの意識を変えるためにはどうしたらいいのですか?」
水無田氏
「それは、企業は営利目的で営利を追求していきますから、自然に、文化的に、変化が起こるのを待っていたりしたら、これは変わらないですよね。たとえば、先頃発表された世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数、日本104位でしたよね。昨年105位だったんですけれど。微妙に1位上がったんですけれども、ただ、教育と、それから、経済と政治参加、健康の4つから見るんですけれど、教育水準は日本の女性は高いですし、健康水準も高いですけれども、要は、経済的に活躍していない、対価がもらえていない。それから、政治参加は低いです。国会議員、特に、衆議院の割合の低さ。これは世界でもずば抜けて低いです。そういった問題が非常に大きいです。あと経済の問題と管理職割合が非常に低いですよね。こういった問題は総じて評価体系を担っている男性の方に、女性は使えないとか、そういった思い込みがあるのではないのか。実際問題、たとえば、総合職採用の女性でも採用10年後の継続調査を見てみると7割が10年で離職しているんですね。2割が一般職などへの転換。出世して管理職になっているのは1割。でも、その1割は日常的には男性以上の長時間労働者だと言われています。だから、要は、男性以上に会社に忠誠を尽くす。会社人間にならないと出世もできない」
赤澤内閣府副大臣
「今の話は本当に大事なところで、その1割の人達を見て残り9割の人達がどう思うかというと、実はワークライフバランスの小室さんという社長から聞いた話ですけども、私の周りで女性が何と言っているかというと、要は、管理職というのは、残業代ももらえず責任だけ重くて家庭は完全に破綻していると。そういう人達だと、私の周りの女性は思っていますと。誰も成りたいとは思いません、みたいな話ですね。だから、そこは変えていかないといけないので、いくつかあるのは、トップ意識を変えて、きちんとやりがいのある、本当に幸福だなと思える管理職の女性にたくさん出てきてもらう必要があるんですけれど、そのためにやらなければいけないことがいくつかあって、まず人材がいないというのがあるんですよ。管理職になってもらえる層がない。訓練もある程度はしなければいけませんし、職歴も積んでいないと不安な場合もあるし、そういう意味で、本当に人材育成をある程度時間をかけてやらなければいけません。あと意識という意味で言うと、女性の採用比率と管理職比率をきちんと実態を把握したうえで目標数値を出してもらって、それを公表しますが、そうすると、マスコミがこぞって比較表をつくってくれて、女性に優しい企業特集、そうでない企業特集、皆さんどちらに行きますかという採用情報を流してもらえれば、トップは考えざるを得ないという。トップの意識が変わらないと何も変わらないというところに、安倍総理の意欲もあって、意識を変えるぞと。女性活躍と言いまくる中で、こういうものを出して、本気であることを伝えて、企業の側にも変わってほしい。当然のことながら、地方公共団体について言えば、隗より始めよ、ということで、特定事業主と呼んで、企業を一般事業主と呼んで、一般事業主については301人以上ということで、300人を超えるところできちんと義務づけをするということになります」

女性管理職3割の可能性
秋元キャスター
「政府は2020年までに指導的地位にある者に占める女性の割合を3割とすることを目指すとしているんですね。2020年、あと5年あまりしかないんですけれども、この目標は本当に達成できるものなのでしょうか?」
赤澤内閣府副大臣
「一言で言って、大変難しい状況だと思います。ただ、そうは言っていられないので、政策を総動員して達成を目指すというポジションも変えられないということです。3割ぐらいは達成しなければいけません。いろんな意味で全て絡んでいるんですね。女性が幸せを感じながら過度の負担なしに管理職になって良い労働モデルをつくってもらって、あとから女性にどんどん入ってきてもらうということがないと、国として本当に良くないと思います。1つの例を挙げれば、日産で女性チームが赤ちゃん、子供を抱っこしたままできる戸の開く広い角度をつくったら数か月連続で1位をとったとか、あるいは妊娠している時にもビールが飲みたいということで、ノンアルコールビールができているとか、とにかく女性のアイデアを取り入れると爆発的なヒット商品というのが現にできるんです。そういうことも含めて、国富の創造という大きな意味でも、女性にちゃんと管理職以上になってもらって意思決定に加わってもらうことは絶対的に必要なことです。ただ、それが現在のままだと、ワークライフバランスの小室さんの話ではないけれど、管理職というのは、家庭が破綻している人達なのよ、と多くの女性が思っているようだとあとが続きませんので、そこはきちんと変えてかなればいけないということがあると思いますが、なので、そこのところを急がなければいけなくて、特に仕事と育児を両立していただくという問題は、解決までにあまり時間がなくて、団塊ジュニアの世代がモタモタしていると、女性で言えば、出産適齢期を過ぎていってしまう。そうなると、出生率の大きな回復は、臨めないしということもあるのでタイミング的に、まさに小室さんがおっしゃった話ですが、本当に待ったなしで2020年、非常に厳しいけれども3割を目指して政策を総動員すると。このポジションは絶対に変えられない、優先度の高いものだと思っています」
反町キャスター
「数値目標が先にあることには問題はないのですか?」
水無田氏
「まず客観的に数値目標を定めるくらいしか、逆に言えば、即効性のある手段はとれないですよね。もちろん、やり方について賛否両論あるとは思うんですよ。先ほど、女性の管理職が非常に日常的に男性以上に長時間労働であるという話をしたんですけれども、正社員の女性と男性で比べてみますと、だいたい男性正社員が11年目~15年目ぐらいに達成してしまう昇進を、女性は職業生活を一生かけて定年退職まで勤めるぐらいまでにならないと、その位置までいけないという…」
反町キャスター
「出世が遅いということですか?」
水無田氏
「遅いですね。現在、女性は非常に優秀になってきていると言われますよね。たとえば、大卒の新卒者の内定率を見てみますと女子学生が男子学生を上まわっちゃっているんですよ。企業によってはペーパーテスト順に採る、あるいは面接のスキルから見ても…上から採ると女子学生ばかりになっちゃうけれども、現在採用の段階でむしろ男子学生に下駄を履かせてバランスをとっているとか、あと私も大学の教員ですけれど、ゼミ試験だと、論文とか、面接の上で採ると女子学生ばかりになっちゃう。だから、仕方がなく、下駄を履かせてバランスをとるために男子学生を採っているんだよと言うんですね。何で下駄を履かせる必要があるかと言うと、それは後の男子学生の伸びしろだと、企業の採用者はおっしゃるわけですよね。でも、何で伸びしろがあるのかと言うと、それはやっぱり男性のケアワークが、つまり…」
反町キャスター
「つまり、伸びしろというのは、女性の『伸びないしろ』に救われていると。そういう伸びですね?」
水無田氏
「そうです、『伸びないしろ』が男性の伸びしろになっているわけですよね。あと採用者側も上司側も女性はどうせ途中で辞めるかもしれないし、伸びないだろうと思って責任ある仕事を任せない傾向もありますね。責任ある仕事を任せられないと就業のスキルは伸びていかないし、ましてやリーダーシップなんて実際に任せないと身につかないですよ。その機会をずっと奪われてきたら、それは伸びない、女性は使えないになってしまうという、負のスパイラルに落ち込んでしまうわけですね。だから、上の改革が必要なわけです。自然のままに任せていたら、たとえば、ジェンダーギャップ指数の話をしましたが、これは自然の成り行きで改善されるのを待っていたら、きちんと政治や経済などが均等になる、平等になることを待っていたら、だいたい達成に81年かかるという報告があります。ハッキリ言うと団塊ジュニア世代の出生率回復を待つどころの騒ぎではないんです。本当に一刻の猶予もないわけですね」

育児・介護…国の支援は
秋元キャスター
「待機児童の問題について」
赤澤内閣府副大臣
「いくつか申し上げたいことがあるんですけれど、私どもの反省点は、私がこの役職になって女性の活躍、これまでは国土強靭化の仕事ばかりして、やってみて気づくことは、本当に厚生労働省のある意味、マンパワーが足りないのか、周知ができていないんです。2点ご紹介したいのは、1つは育児休業給付。これを今回引き上げました、4月から。これまで50%だったのを67%にした。これの給付は非課税です。それからその間、給付を受けている期間は、保険料の免除になります。社会保険料。実質手取りの8割をもらえる計算になるわけです。我々は声を大にして言いたくて、イクメンができるぞと。50%では無理でも、働いていた給料の8割を貰えるなら、男性が休みをとっても家計が大破綻でやっていられないという話にはならないので、これを宣伝すれば、旦那にイクメンになってもらおうと。育児休暇をという人が出てくるはずだし、男性の方が、そう思うはずだし、かなりの切り札のつもりでやっているんだけど、誰も知らない。秋元さんがおっしゃった話は、実は25年と26年だったと思うんですけれど、箱という意味では20万人分つくったんですね。これからさらに目標期間までかけて20万(人分)足す。全部で40万にプラスして、やっていこうということで、27年度も8万(人分)だったんです。箱をつくろうということでやっているわけです。そのへんも知られていないですよ。我々は、それだけのことを予算をかけてやったうえで解消を何とかできると。現在待機児童が出てきているという状態が、物事で変化する時にありがちな話ですが、手を挙げれば入れるのだったら、挙げようと殺到している状態ですけれど、それが何回転かしているうちに、きちんと待機児童がなくなるということまで持っていけると思って、一応計算はして、それだけの手当てはして、現在取り組んでいる最中だけれども、悲しいかな、本当に知られていないなというのが…」
反町キャスター
「結果的に2万1000人の待機児童が出ているということはまだ足りないということ?」
赤澤内閣府副大臣
「そういうことです。これからさらに20万人分をつくろうということ。手は打っているので、まずはそれを知っていただいて、少なくともそうやって待機児童が解消されて、預かってもらえるなら、子育て、出産を考えるかなと思ってもらえるところまでちょっと政策に信頼度が出てこないと、女性の出産とか、結婚とか、いろんなことを考える行動が変わってこないので、ここは諦めずに一歩一歩。この番組も大変ありがたいことで、今日観られた方が少しは待機児童解消に向かうのだったら、自分も考えようかと心が変わってくれれば大変ありがたいことだと思います。ですので、希望を持って待っていただきたいということであります」
水無田氏
「2万1000人の数字が出てきましたけれども、あくまでも希望する認可保育所に届けて、煩雑な書類ですよね、あれを届けて待っている保護者の方ですから。実際に、希望する近所の認可保育所に入れなくて諦めてしまったような人。認証保育所などの非常に保育料の高いところに預けているような人達も含めると、潜在的な待機児童は85万人と言われています。だいたい学童に入る子供達が85万人ぐらいで、ちょうどあうんですよね。だから、つくる端からとおっしゃるわけですけども、85万人分ぐらいは余裕で入れるようにしておかないと、さらに今後、共働き世代が増えますよね。既に日本では1997年以降にサラリーマン世帯であっても共働きの世代が、専業主婦のいる世帯を抜いて、現在200万世帯以上、共働きの方が多いですよね。そうなってくると、ますます若年層ほど共働きが増える可能性が高いとなると、ますますつくっていかないと追いつかない、という現状が見えてくる。だから、本当にいたちごっこではないですが、それでもつくっていくという姿勢を見せておかないと、おそらく超少子化というのは改善されていかないわけですよね」

詩人・社会学者 水無田気流氏の提言:『男性も含めた労働・家庭生活・余暇のあり方の再編』
水無田氏
「女性の活躍と言うのですが、当事者である女性にスーパーウーマンになってもらって、問題を解決してもらおうというのではなくて、男性も含めた労働・家庭生活・余暇のあり方の再編が必要なのではないのかなと。女性を評価する立場にいる人達はまだまだ男性が多いとなると、男性も巻き込んで変えていかなければいけない。さらに、育休や産休のとりやすさの話を考えても当事者の女性に、たとえば、3年間抱っこし放題という話もありましたけれども、それよりも、既婚、未婚、子供あり、なしを問わずに、今後、未婚率が上昇してくる中、たとえば、未婚のまま老人の介護を抱え込むような人達だって増えるわけですよね。そうなってくると、様々な事情から一時期短時間労働をしなくてはいけない人達も出てくるかもしれない。そうなった時に、ワークシェアリングしやすく、なおかつ短時間あたりの生産性を評価されるような就労環境であるといったようなこと。さらに、有給の取得率を上げること。現在、厚労省が検討に入っていますけれども、こういったことの方が男性、女性を問わず、協業しやすい社会になってくると思います」
赤澤内閣府副大臣
「まったく賛成です。今日番組の中で申し上げたことに非常に近いのですが、男性が育児、家事に時間を割けないという長時間労働に問題があって、その結果、育児、家事を手伝ってもらえないから、水無田さんがおっしゃったことですけれど、子供を育ててもまったく女性の側に幸福感がない、自分1人でやっていると。もし家事、育児に男性が時間をかけて、手伝ってもらえれば、2人でやっている感が出てくれば、幸福感は全然違って、そうなると先ほども申し上げたように、統計的には、明らかに女性は第一子を産む時にも仕事を続けようと意欲が湧いてくるし、加えて、第二子以降も産んでみよう、2人でやってみたら力をあわせて楽しかったからという感じに、もしなってくれば、仕事の場でも幸福感を感じる、育児や家事をやっていても幸福感を感じる。そういう感じで女性が幸せを感じられるようになってくれれば、これは決定的に事態は変わってくる。しかし、それをやるためには、戻るのですが、トップの意識です。要は、長時間労働を変えていくためには、制度的にいろいろいいものもできているが、意識、あるいは風土といったものが根強く残っているので、我々からすると1つの答えに、この法案がならないのかなと。フィンランドでも面白い話があったのですが、当時の総理のカレヴィ・ソルサさんが党とも相談せずに、スピーチの中で父親休暇を取り入れるというアイデアを出したと。かなり問題になったのですが、言っちゃった以上、やるぞとなって、非常に大きなインパクトがあって、その後フィンランドは男女が共同で子育てをしますし、どこかで意識が変わればガラッと変わると、やはり努力を続けて、安倍総理のように一生懸命、女性活躍を言い続けて、応援しますと言い続け、信じてもらえて、男女共に意識がどこかで変わったところでいい方向にいくのではないか。それもガラッと急に変われるのではないかと思います」