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2014年11月7日(金)
安倍首相&森元首相に外交と消費増税を問う

ゲスト

安倍晋三
内閣総理大臣 自由民主党衆議院議員
森喜朗
元内閣総理大臣

安倍首相に問う首脳会議 日中間の合意文書の意味
遠藤キャスター
「日中両国政府が同時に外交文書を発表しました」
反町キャスター
「『日中の改善に向けた話し合いについて』というタイトルの合意文書が発表されたのですが、まず話し合いについてという、このタイトルから、紙を貰った時点で、おーっと思ったんですけれども、話し合いについての合意文書ということはそもそもの話になるのですが、APECで日中首脳会談が行われると思ってよろしいのでしょうか?」
安倍首相
「私はずっと日中関係を改善したいと考えてきましたし、日本の対話のドアは開かれている。こう言い続けてきたわけでありますが、同時に、それを実現するためには、静かな努力が必要だと。その中において、NSCの谷内(正太郎)局長を派遣いたしまして、楊潔篪国務委員と協議をさせたわけですが、この首脳会談を行ううえにおいて、条件整備をしなければいけないと。条件整備を進めていく中において、この4項目について合意をすることができたと。この4項目、合意できたのですが、このうえに立って、首脳会談がAPECで行われるように最終的な調整を現在進めているところだと思います」

若干の認識の一致とは
反町キャスター
「2国間の外交文書にしては『若干の認識の一致』とか、『異なる見解を有していると認識』とか、『徐々に再開』とか、『静かな話し合い』もそもそもそうなのですけれど、非常に何と言ったらいいのですか、曖昧と言えば曖昧。文学的と言えば、文学的な表現が散りばめられていた文書ですけれども、歴史を直視、たぶん歴史認識に関する問題に関する表現の項目だと僕らは思っているんですけれども、歴史を直視し、未来に向かうという精神に従い、両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致、と言うことは、まだまだ一致していない部分がたくさんあるんだけれども、若干の認識が一致したんだなという表現だということでよろしいのですか?」
安倍首相
「この2つ目のパラグラフにおいてもこうした方向に向かっていく、未来に向かうという精神というのが、これは話し合いの中から生まれていく。これを途絶えさせてはならないだろうと思います」
反町キャスター
「率直に言うと、たとえば、靖国参拝問題を、もしここの部分が当たるとした場合に、靖国参拝をしないことを約束してほしいという中国側に対して、それに対して、日本側のきちんとした答えを出していくことで、その問題で日中双方に、考え方、認識のズレがあるということを確認して、今後の会談に臨む。今後の2国間の話し合いに臨む。こういう理解でよろしいですか?」
安倍首相
「これは個別の問題を含むのでは全くないです」

尖閣問題 異なる見解とは
反町キャスター
「こちらは個別の問題が入っている表現になっているんですけれども、尖閣諸島等、云々の話で異なる見解を有していると認識し、というこの部分ですけれども、これはいわゆる尖閣諸島が領土問題であるかどうかという話を、日中間の、中国側は首脳会談の条件としていたものについては、これは異なる見解を有していると認識し、というのはそれぞれ別の考えがあるということを前提して、今後話をしていきましょう。こういう理解でよろしいですか?」
安倍首相
「近年、残念ながら尖閣諸島等、東シナ海の海域において、緊張状態が生じています。近年ですね。そのことについて日本としてはまさに日本の領海、接続水域。ここに漁船が入ってきているということについて我々は中国側に再三抗議をしているところであります。我々はそうしたことが緊張状態となっているという見解となるわけでありますが、中国側はおそらく、また中国側の考え方があるわけでありますが、こういうファクトをここで書き込んでいくわけでありますが、ここで大切なことは『対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに』。ここですね。危機管理メカニズムを構築し不足の事態の発生を回避することで意見の一致を見たということで、私も何回かここで申し上げたかもしれませんが、偶発的な衝突を予防するために、コミュニケーションチャンネルである、海上連絡メカニズムですね。これを開始すべきであるということはもちろんありますし、首脳会談でもそんなことをできれば申し上げたいと思っています。いずれにせよ、日本と中国、両国は大国です。地域の経済だけではなく、安全保障関係においても大きな責任を持っているわけでありますから、平和と繁栄に責任を有していると両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻って、協力関係を発展させていくべきだと申し上げていきたいなと思っています」
反町キャスター
「危機管理メカニズムの前提として、実効支配しているのはどちらの国で、主権はどちらの国にあるのかという議論というのは、ここを1回おいて、先にそちらの連絡メカニズムの方を先にしていく。こういうイメージでよろしいのですか?」
安倍首相
「我々は尖閣についてもずっと従来から申し上げてきている通り、その姿勢が変わっているわけではありません。実効支配も確保しているところでありますが、しかし、現実にある課題、問題に対して対処する責任が私にもありますし、中国側にもある。そこにしっかりとお互いに向きあっていこうということだろうと思います」

2年半ぶり日中首脳会談へ
反町キャスター
「日中首脳会談が行われるであろう前提で、我々はこれまで話を聞く中で、ホスト国である中国が迎える国を、一国を儀礼的にお迎えする。10分か15分程度の、短時間の、よく来てくれました中国へ、という儀礼的な首脳会談の可能性もあるぞという情報を聞いていたんですけれど、正直申し上げてここまで煮詰めて、きちんと積み上げたうえで、儀礼的な会談では収まらない、中身がぎっしりと詰まったものになるんだろうなという、そういう期待感を持って、今回、我々は見守っていてよろしいのですか?」
安倍首相
「まだ首脳会談が決まったわけではありませんが、これまで残念ながら扉が閉じていた。この扉を開くための環境整備はこの文書によってなされたと思います。まさに、もし可能となれば、それは第一歩となるわけでありまして第一歩となるスタートにおいて、先ほど申し上げたようにまずは目の前にある課題、偶発的な事故が起こらないようにしていくということも含め、必要なことについて、お話ができればいいと思っています」
反町キャスター
「第一歩ということですよね?」
安倍首相
「はい」
反町キャスター
「それは継続性があるという意味ですよね」
安倍首相
「それは当然、そうでなければならないと思います」
反町キャスター
「アジアの主要国は日中韓です。日韓関係はおそらく、日中関係よりも、さらに冷え込んでいるのではないかという見方もあります。日中が今回こういう形で首脳会談を開くことによって、日韓関係に向けて、どういう影響をもたらすのか。日中首脳会談を韓国がどう見るのかということ、非常に興味深く既に構えてしまうんですけれども、どのように見たらよろしいですか?」
安倍首相
「明後日APECに向けて、私は北京に向かいますが、北京でAPECが行われ、その続きで、ミャンマーで東アジアサミットが開催され、さらに続きで、オーストラリアのブリスベーンでG20が行われます。それぞれのマルチの会議に、私も出ますし、朴槿恵大統領も出席されると思います。そうしたマルチの場を通じ自然な形でお目にかかれればいいなと思っています」

日ロ首脳会談の行方
遠藤キャスター
「北京で予定されているロシア、プーチン大統領との日露首脳会談は、予定を見ますと出発された翌日11月10日の首脳夕食会のあとに行われる予定ということですが、ここではどんなことをプーチン大統領と話し合われるのですか?」
安倍首相
「会談では、今後の日露関係、日露間の政治対話。今後の平和条約締結交渉の在り方や、あるいは経済や文化、様々な分野における協力について議論をしたいと考えていますし、また、ウクライナ情勢について、平和解決に向けて、ロシアが建設的な役割をしていくように、プーチン大統領のリーダーシップを求めたいと思います」
反町キャスター
「プーチン大統領と安倍総理はずっと何度も何度も5回、6回、首脳会談を重ねられて、非常にケミストリーがあうと、言葉でいうとそういう印象を受けていたのですが、ウクライナ問題が非常にもったいなく、これによるロスタイムが日露の話し合いがグーッと進むところにドンと入ってしまったせいで、この時間がどのくらいロスするだろうかとうのが気になるところでもあるんですけれども、ウクライナ問題のほとぼりというのも変ですけれども、そこを越えたうえでのさらなる日露の関係、スケジュール感としてはどう考えているのですか?」
安倍首相
「平和条約がまだ結ばれていないと。日本にとっては隣国であるという状況については、だからこそ話し合いをしなければいけないということは、G7の他の国々には、私は説明をしながら、首脳会談も先般、ASEMでも行いました。その中において、私は、プーチン大統領には率直に話ができるという関係は維持していきたいと思いますし、日露の関係も相当可能性を秘めた関係です。貿易も大変少ないです。ロシア側は日本の技術を必要としている。ロシアには日本の必要とする資源があります。そうしたことを考えると、平和条約の締結に向けて進んでいることによって日露関係は発展し、日本に大変良い影響を与えるのだろうなと思います。そうした道筋をまたしっかり見据えていきたいと思いますね」

拉致問題 横田めぐみさん報道をどうみる
反町キャスター
「北朝鮮について、今日、韓国の東亜日報が気になる記事を出しました。概略、こういう報道だったんですけれど、『横田めぐみさんは、北朝鮮の毒物や薬物の過剰投与で死亡したあとに棺もなく、他の遺体と入り混じって野山に埋葬された』。このような趣旨の報道が、韓国の東亜日報に出たのですが、これは、日本の拉致問題対策本部の関与した文書を載せたということになっているのですが、この情報の信ぴょう性を我々はどう受け止めたらよろしいですか?」
安倍首相
「私は、信ぴょう性についてはないと思っています。こうした様々な情報が寄せられてくるわけでありますが、果たして、それが本当なのかどうか、これはその多くがまったく信ぴょう性のないものである。この情報もその1つだろうと思います」
反町キャスター
「いわゆる現在の日朝間においては、先日、日本からの訪朝団も行って、調査チームとの意見交換もしました。特別調査委員会の調査も進んでいるという状況の中で、この問題について外務省ないしは官僚の人達のレベル、ないしは小泉さんのことを、すぐ我々は思い出したりするんですけれど、総理が直接行って、問題の最終決着にあたる。そのへんのタイミング、ないしは総理自ら、この問題に乗り込まれるタイミング、時期。どんなふうに設定されていますか?」
安倍首相
「ここからなんですが、まだ政治レベルで話をするという段階ではありません。我々は拉致問題が最優先ですよということを伝えました。今申し上げたようにまさに過去の調査結果ではなくて、特別調査委員がしっかり調査をして、その報告をなるべくはやく、大切なことは正直に日本に伝えてもらいたいと思います」

景気認識 実質賃金上昇はいつか
遠藤キャスター
「第2次安倍政権発足以降は、株価は上昇基調です。日銀追加金融緩和の影響も受けて、今週一時、1万7000円台の株価をつけまして、今日も1万6800円と高止まりの状態です。円安も進んで、今日19時時点で、1ドル115円18銭となっています。しかし、株価の伸びとは反対に実質賃金は昨年の夏以降0%よりも下でしたので、マイナスですね。昨年の夏以降、ずっと下がり続けている状況を、総理はどう捉えていますか?」
安倍首相
「実質賃金の平均値ですが、ここが景気回復期においてはまず下がってしまいます。それは、これまで働いてなかった人が働き始める。最初は、たとえば、パートからスタートする人がたくさんいます。経営者もまだ慎重ですから、正規より非正規から雇用を始める。残る人はどういう人かというと、短時間のパートです。当然収入は低いですね。そうしますと、たとえば、私が働いていて、所得が30万円ですね。反町さんは景気が良くなったからパートで働こうかと10万円。30万円と10万円足すと40万円だけれど、平均値は20万円に落ちちゃうんですね。これは経済として悪いのかと言えば、そうではないと思います。ですから、より国民の所得という意味において、実態に近い数値としては、総雇用者所得というものがあるんですね」
反町キャスター
「給料を全部足し上げたようなイメージ?」
安倍首相
「ええ、ですから、賃金に総雇用者数をかけたものですが、消費税の引き上げを除けば、プラスに転じつつあります。これは実質ですから、それに加えて消費税が3%上がれば、当然、物価は上がってきます。実質賃金においてはマイナスとなるのですが、それは伸びている社会保障費を皆で負担しましょうということですから、ここにはなかなか、すぐには賃金の上昇は追いつきません。そこで、私達は経済を良くしていく。そのうえにおいてデフレから脱却をしていかなければいけないという中において、2%の物価安定目標を設けました。それに向けて物価を安定していって物価は上がっていきます。少し遅れて賃金は上がっていくわけでですが、ここに我々は届きつつあります。しかし、3%分はなかなかまだ、皆で負担しようという問題ですから、そこにはまだ追いついてはいませんが、昨年から政府、労使の会合で賃金を引き上げてください、というお願いをした結果、年額ベースでは15年ぶりの上げ幅になりました。雇用市場も有効求人倍率も22年ぶりの高い水準になっています。こうしたことからだんだん賃金が上がっていく状況をつくっていく。実質賃金の上がっていく状況をつくっていきたいと思います。しかし、実際は、正規雇用の有効求人倍率が高い水準になってきているのも事実だと思っています」

消費増税 導入のメリットデメリットは
遠藤キャスター
「消費税の増税については、12月に判断が行われるということですが、引き上げた場合のデメリットとメリット、逆に、先送りした場合のメリット、デメリットをどのように考えていますか?」
安倍首相
「来年の10月に、さらに2%引き上げるかどうかということについては、こうしたトレンドが崩れるようなことがあってはならないと思うんですね。また、景気回復の実感を全国津々浦々にお届けしたいと。デフレスパイラルから脱却をして、経済を力強く成長させていくうえにおいてどうしていくべきかという判断はしなければならないと思います」

増税の判断材料は
反町キャスター
「増税の引き上げを先送りした場合、円に対する信任が毀損されるとか、日本政府の財政再建に向けた熱意に対してクエスチョンマークがついて、国債価格が暴落するとか、そういう脅し話がいろいろ出ているのですが、それを聞くとやらなくてはいけないのかなと思いますし、上げなくても大丈夫だという人もいれば、そうするといいのかなと。このへんのところはいろいろな情報が錯綜して迷うところなのですが、そこはどう見ていますか?」
安倍首相
「いろいろなことを言う人がいるのですが、そもそも3本の矢の政策を進めるうえで、覚えておられると思うんですけれども、2012年の総裁選挙に向けての発言をしている時に向こう見ずとも言われましたし、そのたびに円が暴落する、あるいは国債が暴落すると言われました。でも、結果はそうではないですね。しかし、我々は、大切なことは経済を成長させていくということと同時に財政の健全化をはかっていく。この2つを同時達成する。この道しかないと思います。我々は、財政の健全化。この目標、この考え方を捨てるという考えはありません。しかし、経済を成長させる、デフレからの脱却をしないと財政の健全化もはかれないという考え方で政策判断していくしかないだろうと思いますね。こういう中における判断については、しっかり国際社会に対して市場にも説明をしていくことも必要だろうと思いますね」
反町キャスター
「年内決定ということでよろしいですか?」
安倍首相
「年内に判断します」
反町キャスター
「そこの部分においては、先送りしない。結論は先送りをしないということですね」
安倍首相
「もちろん、判断を年内にいたします」
安倍晋三 内閣総理大臣の提言:『この道しかない』
安倍首相
「ちょうど現在、私が言ったことですね。これは経済の成長、財政の健全化。この2つを達成するには、現在、私達が行っている3本の矢を、次々にそれを放っていくしか道はないと思いますね。野党の皆さんもいろいろな数値を挙げて批判しますが、どうすればいいんだという道を示した人はいないです。私はこの道しかないと確信していますし、現在まで成果も出ています。しっかりとこの道を進んでいきたいと思います」

森元首相に問う 日中首脳会談実現をどうみる
反町キャスター
「日中首脳会談に向けての森さんの期待度、受け止めはいかがですか?」
森元首相
「これは先ほど安倍さんも言っておられたし、またそういう状況をつくるようにいろいろな人が努力をした。中国という偉大な国ですよね。その国と、また別の意味でアジアの大国であり、世界の責任ある国家と首脳がまったく会わないというおかしなことはあってはならんことです。よく言うじゃないですか、都合のいい時に使う言葉だけれど、小異を捨てて大同に就けと言うけどね。まさにこれは両首脳がいろいろなことあるだろうけれども、まず会って話そうと。大同に就くというのが大事なんじゃないですか」
反町キャスター
「その感覚で言うと、安倍総理よりも習近平さんの方が乗り越えている様子を国民に説明するのが苦しくないですか?」
森元首相
「私はそうは思わないな。現在は大事な直前だから、私は別に政治家じゃないし、政府の人間じゃないから何と言ってもどうってことないかもしれんが、現在は控えめにモノを言ってなきゃいかん立場だと思いますよ」
反町キャスター
「それだけ大切な時期ということですね?」
森元首相
「そういうことでしょうね」

日中首脳会談で韓国は
遠藤キャスター
「日韓関係の改善に何かしらの影響はありますでしょうか?」
森元首相
「大きく影響すると思いますよ。アジアの中、特に北東アジアの中で、中国、韓国、日本。北朝鮮はまた別の行き方をしていますが、当然その問題も絡んできますけども、この3つの大国は、大国と言いましょうか、1つの国だけ外れているというのはまずいでしょう。それは朴大統領が一番考えておられることだと思いますよ」
遠藤キャスター
「森さんは9月に安倍総理の親書を持って、韓国を訪れて、朴大統領と会談をされましたが、その時はどういった話をされたのでしょうか?」
森元首相
「この間、お会いしたばかりですから、まだどういうことを話したのかということは、マスコミに発表された以外のことはありませんが、私はこれだけは申し上げたんですよ。韓国と日本、長く古い歴史、お隣同士。反町さんと僕が隣近所で反町さんところは面倒なことばかりで、私の家にしてもけしからんから引っ越そうとして、引っ越すことは可能ですよね。だけど、国と国が隣同士だから引っ越すというわけにはいかないです。未来永劫にお付きあいしていかなければならんのは韓国と日本ですね。歴史的にいろんな意味で共通の問題もあるし、あるいは意見の合わなかったこともある。それは歴史が証明しているわけ。その中にあって、最近一番嬉しかったことは、その時に言ったんですよ。別所大使が韓国の外務大臣と日韓のお祭りに出られて、2人ともニコニコ笑って出られたのが日本のテレビにも、新聞にも出ましたよと。僕はそれを見て良かったなと。別所さんは日本を出て韓国に赴任する時から緊張の面持ちで、柔和な顔がいっぺんも見られなかった。ところが、あの時とてもいい顔で、おそらくあれを見て、韓国の国民も日本の国民もホッとしたんじゃないかなと、良かったなという感じだったと思う。もしあの写真に別所さんのところが安倍さんで、向こうの外務大臣のところが朴槿恵さんだったら、もっと両国の国民は喜ぶんじゃないですかねと申し上げた。『私もそう思います』とおっしゃいました」
反町キャスター
「そういう柔軟性が出てきそうな雰囲気は感じますか?」
森元首相
「何とかしたいな、してほしいなという気持ちがあるんじゃないでしょうか」

竹島と日韓関係
反町キャスター
「竹島と日韓関係、韓国の対日感情のブレを、どう感じますか?」
森元首相
「どの国もそうでしょうけど、1つのことを進めようという考え方の人があれば、それはやるべきではないという人もあってこその自由と民主主義ですよ。だからこそ議会制だと思いますよね。現在ここで日本と韓国と1つの問題を乗り越えて、何とか両方良い方向に行きましょうと皆いろいろな努力をしている時に、またそこに火に油を注ぐようなことはやめた方がいいと判断されることもこれは当然だし、また大変立派なことです。これはメディアというのはそういうことがあれば必ず騒ぎますよ。どちらにしても騒ぐ。だから、それは韓国の場合、特にこれまで日韓関係がこういう状況になっているのはメディアが煽った面はありますよ」

日韓関係の今後
遠藤キャスター
「司法の問題について、日本としてはどう対応すべきだと考えますか?」
森元首相
「日本もきちんとそのことは言うべき場面がくれば言わなきゃいけないことだと思いますね。ただ、おそらく政府も安倍総理もそうだろうと思いますが、ちょうど大事なところ、できれば朴大統領との会談も持ちたいというような時期に、本当はその問題は脱したけれど、むしろ表の舞台の中で出たら話していこうということの方が、話としては通じるのではないですか。一方的にそれを持ち上げて、よく言ったと言ったってまとまらなきゃ何にもならない。2、3日前の日韓協力委員会がそうでしょう。あそこで出すことはないと私は思うんです。言うべきタイミングが、外交上大事だと思いますよ」

プーチン大統領の真意は
遠藤キャスター
「森さんは9月にロシアを訪問して、プーチン大統領とも会談を行っていますが、どのような話をしたのでしょうか?」
森元首相
「いろいろありましたけどね。昨年の確か2月だったと思いますが、ロシアへ参りました時に大統領とお目にかかりました。私はその時の目的は何となく膠着していたので、安倍さんという人をむしろ紹介をして、どういう立場でどういうことをやってきたのか、お父さんの晋太郎さんがゴルバチョフを呼んで、いわゆるソ連からロシアになる、つまり、自由と民主主義というものを価値観として共有できるようになった。そこから話をつけて、僕と同じように安倍さんにもしっかりと話し合える関係になってほしいということで、まずそういうことをしに行ったんです」
反町キャスター
「お会いになった時、ウクライナの問題について、プーチン大統領からもっと我々のことを理解してほしいよ、日本は国際的な舞台でもっと我々を応援してくれと、そういう話になるのですか?」
森元首相
「そういうようなことも言って…私の言ったことだけ申しますと、大変残念なことだし、見ていると、ウクライナとロシアのことは深い昔からの関係があると言いますか、あそこはロシア人の保養地ですよね。勇退した人とか、兵役を終えた人はウクライナに住んでいるわけです。だから、反町さんで言えば、息子さんが行っていたり、お父さんが行っていたり、そういう関係でロシア人ばっかりの関係でしょう」
反町キャスター
「なるほど」
森元首相
「だから、あそこはもともとソビエトの領地だったのを、フルシチョフ首相が条件も何もつけずに差し上げたというか、だから、そういう意味でロシアの人が多いから当然そうなるということでしょうね。だから、そのへんの事情があるにしても現在あなたが世界から批判されている立場になっていると。僕は友人としてとても辛いし、寂しいよと。幸い現在は休戦状況になっている、あなたがイニシアチブを取って、できればこれを機会に、いろんなことがあるし、いろいろな言い分もあるが、ここは平和裏に収めなさいと。それは大統領のプーチンさんの責任だと思う、それは申し上げておきたいと思いますよということは言ってきました」
反町キャスター
「多少は効いていますか?」
森元首相
「それは少しずつ収めつつある…。安倍さんと積極的に話をしたいということだったんですよ。メルケルさんであろうと、オランドさんであろうと、電話をかけあっているんですよ。表と裏は違うのでしょうね。それが日本にはないということを…」
反町キャスター
「たとえば、日露電話会談がありましたと、外務省がリークした時に、その内容は言えないリークですよね」
森元首相
「もちろん、そうですし、日本政府や安倍さんを気にかけていたのは、どこの国とは言いませんよ、盗聴されている。私がメルケルと喋ることも、オランドと喋ることも全部盗聴されていますよと。そんなことを覚悟のうえで喋っていますと」
反町キャスター
「それぐらい覚悟を持ってプーチン大統領も動いているということですよね」
森元首相
「そうです。『9月21日は安倍の誕生日だろう』と言うから、電話かけるよと。お祝いだからと。そうしてあげてくださいと」
反町キャスター
「そういう関係を聞いていると、日ロ関係は安倍、プーチンの間で何かをやるべき」
森元首相
「もったいないですね。一方で日本はアメリカサイドに立たなければいけないのは、あなたもわかっているでしょうと。日本は無防備ですよ。中国も、あなたの国も、北朝鮮も皆核を持っていますと。これが日本に来た時に誰が守ってくれるのですか。アメリカしかないではないですか。だから、アメリカと強い協力関係がなかったら日本の国民全体が危険にさらされますよ。あなたはそれがいかんと言うのだったら、日露平和条約を結ぶことではないですか。平和条約を結び、同盟関係になればまた変わってくるでしょう。それには棘がありますよね、北方領土という。それをあなたも解決したいとおっしゃったわけですし、日本も解決したいと思っているのですから、それをはやくやりましょうと。安倍さんとプーチンさんとよく話し合っていきましょうと」

消費税増税の決断については
反町キャスター
「消費税を上げると思いますか?」
森元首相
「安倍総理とはどんなことを思っているのか議論したこともないですよ。ないが、政治家として法律に賛成したんでしょう。しかも、それは野田さんが野田政権で提起したんですよ。最もその前に言ったのが自民党ですよ。ずっと言ってきているわけ。自民党がやる勇気がなかったんですね。それは政局が不安定だったから。だから、野田さんがやったんでしょう、安住大臣と苦労して。僕は評価しているんですよ。だから、一生懸命余計なことかもしれませんけれども、野田さんと安住さんを一緒に応援する立場をとっていたんです。立派ですよ。やり遂げたではないですか。しかし、いろんな状況で国会運営に様々な意見があるから、とりあえず8%に上げましょう、3%上げましょうということにして、あとは次ということにしたんです。それをやめたら、それに対するリアクションが起きますよ。そのリアクションを解決する、あるいはその度に法律改正したら、その苦労もある。むしろこのままやっていくことの苦労と、どちらが良いのかというのをちょっと状況は見ていかなければいかんでしょう。叱られるかもしれませんけど。もうヨーロッパは20%台、25%台、特に北欧はもっと高負担ですね。ですから、それならば、それなりに文句が国民から出ないような措置をしていますよね、高福祉高負担国家は。今度の問題もあくまでもこれは福祉のためです。福祉のためですから、これをやって、そのことにもし弊害が出るというなら、即時いろいろなことの手当をすることによって、何ら中傷しちゃいかんと思います。いったん決めて、しかも、民主党政権がやって、提起をして、自民党が協力して…自民党が今度やっぱりやめたとなれば、国家国民のためなのか、自分達だけが生きようとする政党なのか、それこそ国民から批判を受けると思いますよ。」