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2014年11月6日(木)
断崖絶壁 日韓関係 許せぬ理由進める理屈

ゲスト

萩生田光一
自由民主党 総裁特別補佐 筆頭副幹事長 衆議院議員
秦郁彦
現代史家
金慶珠
東海大学教養学部国際学科准教授

戦時徴用訴訟から見える 韓国司法の課題
秋元キャスター
「日韓関係の懸案になっている問題、それぞれ見ていきたいと思います。まずは戦時中に、日本で強制的に労働をさせられたとして、韓国人の元労働者や元労働者の遺族が日本企業を相手に損害賠償を求めている戦時徴用の問題。ポイントを整理していきますと、戦時中に強制徴用されたとして、韓国人の元労働者らが新日鉄住金や三菱重工業に損害賠償を求めていた裁判で、2012年に韓国の最高裁にあたる大法院は個人の損害賠償請求権は消滅していないという判決を下し審理を差し戻しました。この判決を受けた差し戻し控訴審で、ソウル高裁や釜山高裁などは、日本企業に対して損害賠償の支払いを命じる判決を下しました。先月30日には、ソウル中央地裁は不二越に対して元労働者3人と亡くなった4人の遺族らに対し、合計およそ1億5800万円の損害賠償の支払いを命じる判決を下しました。韓国の通信社聯合ニュースによりますと、強制徴用を行ったとされる現存の日本企業は60社存在するとしています。日本企業に対する一連の判決をどのように見ていますか?」
萩生田議員
「これは、日本政府としては1965年の日韓基本条約、その時同時に結ばれた日韓請求権等々の協定によって、全て解決済みのことでありますから、今さら個人の請求権を、韓国の最高裁が認めるというのは違和感があるわけです。コメントのしようがないですね。これは韓国政府も認めている協定の中身ですから、これを、個別の問題だけを請求権があると判断をされても、どう対応をしていいかわからないというのが、正直なところですね」
反町キャスター
「簡単におさらいすると1965年、主に第2条のところで、両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認するとなっています。この部分の効力と現在の韓国における実態をどう理解したらいいのですか?」
金准教授
「一貫して、韓国が日韓請求権協定以降、日本に対して何らかの請求を行ったことはないですね。このことは事実として押さえる必要があると。今回の判決に対して、韓国政府はどう対応をするのかというのが実は非常に悩ましいところで、おそらく、この司法の判断では一部こういった判断が相次いで出てはいるのですが、実際それを、財産を強制的に差し押さえるとか、そういう執行となりますと、これは行政、政府の対応になりますので」
反町キャスター
「そこですけれど、差し押さえ、司法権ができるじゃないかという見解をいう韓国の立法関係者もいるんですよ。それは本当に大丈夫ですか?」
金准教授
「法律的にそこまで出るとしても、私は韓国政府がそこまでやることはたぶんないと思います」
反町キャスター
「司法の方に資産の差し押さえの権限があるという、これの見方は間違っていますか?」
金准教授
「そういう法律的な見解もあるんでしょうけれども」
反町キャスター
「つまり、朴大統領が、司法が勝手に差し押さえに行った場合に、それを止められないのではないか。そこはどうですか?」
金准教授
「そこは、日韓関係をそこまで無視するというか、それはいけないというか、政治としては韓国の国内でも相当な反発にならざるを得ないと思います」
反町キャスター
「政治のコントロールが効かない司法。気にしているのはここですよ。司法が差し押さえの権利を持っている。持っている時に、大統領はまずいから止めようよと思っていても政治が司法に対して差し押さえをやめろと命令できるのか、できないのか。これは三権分立の考え方に立ってもたぶんできないのではないのかなと」
金准教授
「まず司法の判断とおっしゃいますけれども、実は様々な判断が出ているわけですね。何もこれだけではなくて、他の請求権もあるけれども、賠償の必要はないという判例も随分あります。ですから、今回これに基づいて、本当に最高裁で、高裁よりもそれ以外の部分で、どこまで強制的な執行というものを主張するのか。その部分については、実はずっと棚上げにされているんです。なぜ韓国がこの問題に対して、特に政府が積極的に司法に迎合しない。ある意味、むしろ韓国の国内ではある程度警戒をしながら、ことの推移を若干遅延させていると見えるのは、慰安婦問題などとは違って、強制徴用に対する問題については日韓基本条約の中で、請求権協定の中で明確に話しあいがされている項目です。ですから、韓国国内でもこの司法の一連の判決については、これは韓国の中のまた違う司法の解釈、歴史に対する見方。憲法に対する価値という意味で、あり得る判決ではあると。韓国の裁判所ですから。しかしながら、これをもって国際的な関係までも、韓国の司法権外の問題に関してもこれでゴリ押しできる問題ではないと。それは妥当ではないという識者の見解が多数ですし、私自身もそういった見解に立っています」

産経前ソウル支局長起訴 韓国司法判断と日本の対応
秋元キャスター
「続いては、産経新聞前ソウル支局長の記事によって、朴槿恵大統領の名誉が傷つけられたとして、前ソウル支局長が在宅起訴された問題について」
反町キャスター
「その件に関連してつい先ほどですけれども、ソウルでまた別の新たな動きがありました。民主党の枝野幹事長や福山政調会長らも参加をした日本と韓国の政界、財界人による会議、日韓協力委員会があるのですが、今日ソウル市内で第50回の合同総会を開いたのですが、産経新聞前ソウル支局長の在宅起訴問題や従軍慰安婦問題を巡って、議論が紛糾しまして、50回続いている日韓協力会議において初めて共同声明の採択が見送られました。産経新聞前ソウル支局長の在宅起訴問題を巡っては、日本側からは、出国禁止措置の適用や刑事訴追という手続きについて、これはおかしいのではないかという声が出ていたのですけれど、韓国側からは、そういうことは内政干渉であると。外部から批判するのは控えるべきだという意見が出たそうです。一方、民主党の枝野幹事長らは、日韓協力委員会の代表団として、朴槿恵大統領への表敬訪問を調整していたんですけれども、大統領府側からは時間がとれないとの返事があり、これは見送りになりました。日韓協力委員会で代表団が大統領に表敬訪問できないのは異例のケースということだそうです」
萩生田議員
「紹介いただいた日韓協力委員会のことですが、視聴者の皆さんはああいうコメントだと、もしかすると政治家の会なのではないかと、誤解される方もいらっしゃると思うんですよね。たまたま枝野さん達は、我が党からも2人、参議院から参加しているんですけれど、そもそもこれは民間の交流機関ですよね。たまたま今年はホスト国が韓国で、ソウルで行っているわけですから、日本でもやっているわけですよ。これは慣例的に、50年もせっかく積み上げてきた、言うならば、民間交流で、ホスト国である韓国側、大統領が出てこなかったことは1度もないです。日本側ももちろん、きちんとした対応をしてきたので、そういう意味ではすごく残念だなと思いますね。韓国の国会議員の中からも、あるいは韓国メディアからも、この韓国の対応については批判の声を我々も聞いていますので、ここは良識に是非期待をしたいなと思っていたんですけれども。それで共同声明を出せなかったことは残念です。支局長の件は、私はまさにメディアの報道の自由を奪った事案だと思っていますので、その記事の内容云々というよりもこういう状況が続いているということは韓国自身が国際社会の中で誤解をされると思いますので、一刻もはやく解決をしてもらいたいなと思っていますし、日本政府も正しくメッセージを出していきたいと思っています」
金准教授
「今回を機に、昨今の日韓メディアの在り方というものに対してもあらためて自己反省という側面も必要じゃないかと思うんです。くしくも現在、産経新聞、朝日新聞に対して虚偽報道に対する責任を厳しく追及していらっしゃると。イエローペーパーの、そういった雑誌、週刊誌はさておくとしても新聞というものが裏づけや根拠、こういったものがないと本当に個人や何らかの団体を貶めることは、ある意味、容易でもあるので、それに対する十分な取材、それから、事実に基づく記述。これは産経のみならず、日本と韓国の報道を含め、現在日韓のお互いの報道がどうも感情的にヒートアップして、お互いの嫌な部分を突っつくような、そういった報道になっているのはとても残念だと思います」
秦氏
「この種の事件が起きますと国際的な1つの慣例があるんです。たとえば、スパイ行為が発覚したと。しかし、これが大使館の館員であったという場合は1日か2日の猶予をおいて出て行きなさいよと。そうすると、急いで飛行機を都合して出て行くわけですよ。ソ連時代の東京の大使館、これはKGBの派遣者もいましたし、それから、武官もいましたね。少なくとも4人か5人います。こういう形で即刻、帰っちゃうのは。ですから、普通は出国、退去ですね。それで格好つくわけですよ。お互いにそれほど傷つかなくて。ところが、今度の場合の特徴はまず出国を禁止しておいて、それから取り調べ、起訴と。これは非常にあくどいと思いますね」

すれ違う日韓の歴史問題
秋元キャスター
「ここからは日韓関係の大きな障害になっています従軍慰安婦問題に関する最新の動きについて。この問題のきっかけとなったともいえる、朝日新聞の記事ですが、1982年9月2日に、吉田清治氏の強制連行証言を朝日新聞が掲載をしました。これは、韓国の済州島で、200人の若い朝鮮人女性を狩り出したと書かれたものですけれど、これを今年の8月5日、この吉田証言の記事を朝日新聞が取り消しています。吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言が虚偽だと判断し、記事を取り消したという経緯ですが」
反町キャスター
「秦さんは、『和解のために』という、朴裕河という韓国の大学の先生が書いた本の抜粋を紹介されています」
秦氏
「女性です」
反町キャスター
「簡単に読み上げます。『日本軍兵士でもあった朝鮮人兵士が慰安婦施設を利用していた事実、さらに、朝鮮戦争当時、韓国軍が慰安婦隊をつくり経営していたという事実は韓国国民を困惑させる。娘を売った父母と、引っ張って行った人身売買業者と、傍観していた隣人と、少女を管理した女郎者の主人。日本軍よりお父さんがもっと憎いと語る慰安婦がいる以上、その憎しみに対する責任を負うべき者が他ならぬ韓国の内にいることは明らかである』という。これはどういう意味で、秦さんは紹介したいのですか?」
秦氏
「この吉田証言が嘘だと、虚偽だということがわかっても、なおかつ日本の内部の人権派、それから朝日新聞も依然としてそうですが、他にも人身売買、強制連行があったようだというのを書かないですよね。強制連行というのは軍や官憲による組織的な連行ということですね。強制連行。それはなかったと言っているわけです。そうすると、いや、個人の犯罪みたいなものだとか、命令違反だとか、これはどんな戦争の時にも必ずどこの戦場でもあるわけですよ。ですから、そういうものを落穂拾いみたいに、拾い集めてきて、吉田清治が否定されても、強制連行はあったという主張がある。そうすると、これは日本人の間でいくら言っても説得力がないから。それでは、韓国人の研究者がこう書いたものが一番説得力があるのではないかということで、私はこれを引っ張り出したんですけれど。つまり、もうわかっているんですよ。これは韓国外務省と日本外務省の電報のやり取りも、私は見ましたけれども、韓国外務省の人もほとんどの人が、要するに、親の身売りで慰安婦になったと認識をしているんです」
金准教授
「ここに書いてあることも基本は一義的な責任は日本にあると。しかしながら、その時代を同時に生きた韓国人には何ら責任はないんだということを問うているわけで、これ自体が強制連行や、あるいは慰安婦の存在そのものを、慰安婦の人達が受けた被害を否定しているものではないということが1つと。それから、もう1つは、現在の秦先生のご意見でも、いわゆる身売りであったということですが、当時の日本の法律でも、身売りをして、身売りされた人々を海外に移送するというのことは禁じているんですね、明確に。ですから、それが組織的に行われていたということが1つ問題なのと、何度も言いますが、これが仮に身売りであった、あるいは人身売買であったとしても、問題はそこではなくて、慰安所だと。慰安所は、仮に私が身売りされて、慰安所に連れていかれた。行ってみたら、1日数十人とらされたと。私はこれは我慢ならないと。怖いので」
秦氏
「それは誇張ですよ。平均は5人です」
金准教授
「5人にしましょう。5人だとしても、これは想像していたのと違うので、国に帰ると。だから、賃金はこれまで払って、帰してほしいと言った時に、それは、そういうところまで補償されていたのかどうかというと、実態としてそれはまったく違いますよね。そこはいろんな証言と、河野談話が出てから20年以上、様々な研究が進んでいるわけで、そこでは一貫しているわけですから。強制連行がなかったからと言って、全てが本人達の意思による人身売買であったと言うのは、私は論理の飛躍であると思います」
秦氏
「これはどうですか。韓国軍の慰安婦は、アメリカ軍の慰安婦もいたんです。これも同じ状態だったということですか?」
金准教授
「もしこれが事実であるならば、その点は個別事案できちんと明かされるべきだと思います。だからと言って、日本の慰安婦問題が帳消しになるという話ではないのではないでしょうか」
秦氏
「でも、なぜ韓国の人達は、韓国軍の慰安婦や米軍の慰安婦を問題にして、それを救済しようという話にならないわけですか。数はずっとそっちの方が多いですよ。だから、この前、彼女達、122人が米軍の慰安婦が訴訟を起こしたわけですね。その時の感想として、日本軍の慰安婦は皆、応援団体がたくさんついて、お金もたくさん貰っていると。我々は使い捨てだと。朴大統領は、お父さんの方ですけれど、我々に外貨獲得の英雄だと言っているんですね。握手もしてくれたと。それが今や見捨てられているという、そういう不満を言っているわけですよ。だから、それを解決する方にどうして向かないのでしょうか」
金准教授
「どこまで一般化できる話かというのはおいておき、お互いがナショナリズムというか、イデオロギー的に偏り過ぎているところに問題の本質が見えなくなっていると思うんですよね。歴史的事実は何だったのか。強制連行あったのか、なかったのかとか。補償はどのようにすべきか。日本と韓国、どちらが悪いんだという話ですけれども、それ以前に問題は実際、被害者の皆さんが存在する以上、今日的に見て、これは人権の問題であると。ですから、韓国側が一貫して要求しているのも別に具体的な補償だの、賠償などということではなく、本人達が納得する形で、名誉を挽回することをしてほしいと。これを現在も局長会談でやっているわけですね。日本側としてはそういった努力は、平和基金などでやってきたんだけれども、受け入れられなかった。だから、もし本当にこれを解決するのであれば、韓国側としてもこれを今回、本当に国内で一定の合意を達成できるのかというところに焦点が移っている問題です」

従軍慰安婦問題の行方は
秋元キャスター
「引き続き、従軍慰安婦問題について聞いていきたいと思います。日本政府がお詫びと反省と表明した、いわゆる河野談話についてですけれども、今日のゲストの萩生田さんと、それから、安倍総理はこのように発言をしているんですね。萩生田さんは10月6日のテレビ番組で『来年にこれまでの誤解の解消を包含した、新たな談話を出すことで、河野談話は結果的に骨抜きになる』と言っています。安倍総理は10月27日ですが、『河野官房長官談話を見直す考えはなく、慰安婦の皆さんがいかに大変な思いをされたかということへの思いは、歴代の総理大臣と同じだ』と述べているのですが、萩生田さんはこの発言の意図、それから、その時の考えを現在も同じようにされていますか?」
萩生田議員
「吉田証言が誤報、捏造と、私は思いますけれども、だったからということで、戦時中という極めて尋常ではない状況の中ではありましたけれども、慰安婦としての、運命を受け止めなくてはならなかった女性がいたという事実は将来に渡ってきちんと継承し、そういった人権が踏みにじられた時代があったということは、我々は深く心に刻んでいかなければいけない。日本がこのことで、慰安婦問題を揉み消すのではないかみたいな誤解があるとすれば、それはまったく違います。ですから、総理が主張されているのは、そういう意味での河野談話の有効性のことだと思います。しかし、私が秦先生と対談したのがちょうど7月の暑い時期でしたよね。あの時は、まだ朝日新聞の8月4日、5日の記事が出る前でしたから、現状を踏まえて、どうやって国際社会の中で、日本の正当性というものをきちんと主張していくべきかという議論をさせていただいたんですけど、この8月の4日と5日で、大きく変わったと思うんです。韓国政府がつくった報告書は、吉田証言をもとにつくられたものと言っても過言ではないと思うし、その後、1991年以降に続く、クマラスワミ報告、河野談話もそうだし、吉田証言によって、慰安婦というのは韓国の、特に済州島の表現を引用すれば、村々をまわって、うら若き乙女を縛り上げて、トラックの荷台に積み上げ、強制的に慰安婦に仕立てたという事実はまったくなかったということが明らかになったので、我々は慰安婦の問題を全て白紙に戻そうなんて気はまったくありません。要は、日本の名誉として、強制的にそういうことをしたことではないのだということだけはここできちんと修正をしなければいけない。そういう事実が出てきたわけですから。そこまでのことを、私は主張しているんです。そういう意味では、河野談話の発表時での根拠となった吉田証言。河野先生が根拠にしたのかどうかは、聞いてみないとわかりませんけれど、しかし、時代背景から言えば、吉田証言が非常に重たい位置にあった。そういう時代背景の中で出てきた談話ですから、その時の談話。しかも、談話の中には、強制性というのは何も書いていないですよね。記者会見とセットで世界に、強制性である慰安婦問題、そもそも従軍慰安婦とおっしゃるけれども、従軍慰安婦ということは日本にしかない言葉ですよ。従軍医師とか、従軍看護師、看護婦というのはありましたけれども、従軍慰安婦というのはもともとなかったのが、この二十数年で、どんどんつくられてきてしまって、国際社会の中でも誤解をされているとすれば、誤解の部分はきちんと骨抜きにしていかなければならない。事実は事実で重く受け止めて、これからも新たな補償の必要性があるのだとすれば、それは日本としても前向きに取り組むべきだと思っていますので、全部ゼロに戻そうという意味での新談話とか、骨抜きと言っているわけではありません」
反町キャスター
「来年、戦後70年で1つの節目ということで、安倍総理が何らかの談話を出すのではないかという観測が流れているのですが、談話が出されるとすればどういう方向性、どういう内容を目指していくことになるのですか?」
萩生田議員
「これは、政府が考えることなので、私がコメントするとアレなので、明日、ご本人も来るそうですけれど、まずこの32年間で、日本国内にどういう毀損が生じたかということを、我々冷静に精査しています。たとえば、感覚的なことではなくて、子供達が学校教育で使う辞書。よく広辞苑が代表的な例で出されますけれども、これはまさに朝日新聞の慰安婦年表と、辞書の改訂版というのはまったく中身が一緒です。すなわち、この吉田証言によって辞書の中身まで変わってきているんです。当時、慰安婦という言葉しかなかったものが、慰安婦を(辞書で)引くと従軍慰安婦のところを見てくれと飛ぶようになっています。強制性があったと。朝鮮の人達が無理やり、日本兵の相手をさせられたということがだんだん書かれるようになっているわけですよ。それが未だに辞書として存在しているわけですね。何回も改訂していますから、途中で記述が変わっているのですが、少なくとも、こういうところにまで国内に影響が及んでいるとすれば、これは是正をしていかなくてはならない問題だと私は思っています。そういうことを1度、きちんと整理をして、感情的に、朝日新聞を攻撃したりとか、非難をしたりとかではなくて、この32年間で毀損をした日本の国益、名誉、こういったものを、きちんと回復をしていくというのが目標なので、そういうことが包含された声明なり、あるいは談話であるなら、女性の人権が侵害された時代があったということを否定するのではなくて、それはそれとして継承をしながら、しかし、この32年間の時代の中で日本が誤解を世界にされてきたということについては、打ち消しをすることは決しておかしいことではないと思います」

窮地に立つ韓国経済 実情と日本への影響
秋元キャスター
「厳しい韓国経済の状況をどのように見ていますか?」
金准教授
「韓国経済と言うと、どうしても財閥、業績だけが気になりがちなのですが、実はそういった貿易外需の部分とは違って、現在非常に低迷しているのが、内需ですね。この内需がどうにも企業業績が…サムスンや現代は非常に苦労していますけれども、GDP全体では年率3.8%ぐらいの成長を続けていますので、消費もそれに従って増えるはずが、まったく増えないということで、韓国ではチョイノミックスという新しい言葉が韓国メディアで…アベノミクスをなじったものですけれども、いわゆる財政をどんどん出動させて、景気を底上げするということで、一時期不動産が若干値上がりして消費を取り戻せるのかと言っていたのですが、それも長続きしなかった。一方で、サムスンや現代自動車のように財閥の業績が軒並み悪化しているというのは、ご存知のように韓国の貿易依存度というのは日本の4倍以上。日本は全体の約2割ですけれども、韓国の場合は9割以上が貿易に依存していますので、中国をはじめとする世界市場の動向及びサムスン電子の場合は主に携帯事業で主に稼いでいた。これは携帯市場というものが一種の飽和状態に陥っているという中での一時的なものではあるのですが、いずれにしてもリーマンショック以降、企業業績も芳しくはないというところですよね」
反町キャスター
「円安に関しては」
金准教授
「円安の場合、105円を突破したあたりから影響が具体的に出てくるのではないかと。約2年間、101円ないし102円、ドルあたりで推移していたのが、ここ2、3か月で急激に105円を突破したということで、早速為替に対する介入というか、そういうこともやっているのですが、少なくとも今後2年ぐらいは円安が続いていくだろうと見ています。韓国がドルよりも日本の円に神経を尖らせるのは、輸出において品目が重なる部分が多いんですね。一方、日本からの部品や素材の輸入はある程度、安価に買い取ることができることもあって、具体的に円安がどのような影響を与えるかはもう少し慎重に見ていく必要があるのですが、輸出に大きく頼っている韓国経済にとって決していいニュースではなく、緊張を高めている状態ですよね」
萩生田議員
「韓国の経済界の皆さんが、圧倒的に日本からの観光客が減っていることが日韓関係の悪化ではなく、円安に依存するところが大きいというところを声高に表明していることにすごく違和感があるんですよ。全盛期より100万人以上、日本からの観光客が減っているわけですから。明洞の街の中に、日本のオバ様達がまったくなくなった現在の韓国を見れば深刻な状況だと思うんです。観光収入は大幅に減っていると思うので、確かに貿易の話の解説は金先生にご説明していただいた通りだと思うんですけれど、それよりも一国の総理大臣の写真を空港で焼いたりするような言動というのは謹んでもらわないと。多くの皆さんは韓国のことは親しみを持っている国で、隣人として仲良くしたいという気持ちがあるわけだから、どこかで韓国政府も、もう少し日本からの観光客というのを大事にしていただく、そういう姿勢を示していただく必要があると思いますね」

経済は突破口になるか 日韓関係改善の糸口は
秋元キャスター
「韓国にとって経済面で見た日本の重要性をどのように見ますか?」
金准教授
「貿易に占める割合を輸出にあわせると、韓国側が約19%、日本が占めている。日本からとってみれば韓国側が約12%占めているということで、経済規模に関わらず近隣諸国同士の貿易は非常に活発だという印象を持ちます。ただ、韓国経済の低迷、あるいは興亡というものが、日本経済とは無関係のように認識されることが多い。対岸の火を見るように思うんですけれど、そもそもサムスン、現代にしても先ほど申し上げたように素材や部品を日本から大量に輸入しているんですね。ですから、2010年、2011年と韓国の財閥が非常に調子が良かったところ、対日貿易赤字が過去最高を記録するという現象が起きています。一方で、韓国の財閥の勢いがいいと、海外からのファンディング、資金を借り入れる時に日本の大手メガバンクを大挙に利用するということがあって、確か昨年か一昨年だったと思うんですけれども、日本の3大メガグループから7.5億ドルの借り入れをしていて、これまでの合計を合わせると約1兆円以上、韓国企業に勢いがある分、日本からのファンディングに積極的に出ている。こういう意味ではお互い経済的には非常にWin-Winの関係というか、韓国企業の勢いがいいと日本企業が儲るし、サムスンの携帯が売れれば村田製作所が儲るというように。一方で、その反対も同じですね。ですから、いわゆる政経の分離、これは大原則ですけれども、いずにせよこれからも維持してほしいのですが、先ほどの観光客と同じで、大手は大手で、そのようにまわるんですけれども、一般の中小企業や本当に地元同士の交流や企業間の協力、あるいは新たな技術投資、先行投資である程度の関係の安定を見越した、そういった意味での不安が広がっているところには、私は政治の責任というのが非常に大きいと思うんですけど」

すれ違う日韓の国民感情
反町キャスター
「秦さんは、日韓それぞれの国に対する想いをどのように感じていますか?」
秦氏
「福沢諭吉の『脱亜』、これは評判悪かったんです。と言うのは、日本にはずっとアジア主義の伝統というのがありまして、無条件にアジアの国々とは仲良くしなければいかんと。あるいは盛り立てなければいかんと。それがこの前の戦争の時、むしろアジアは日本の八紘一宇のもとに征服するんだと行きましたけれども。福沢諭吉の『脱亜』のあとに『東方の悪友を謝絶する』という文句が入ってくるんですよ。東方の悪友は謝絶する、つまり、東方の悪友とは付きあいたくない、付きあうべきではないと」
反町キャスター
「現在でもその理屈が通じるという意味で言っているのですか?」
秦氏
「ちょっと反語の意味で申し上げた。つまり、現在も東アジア共同体というように、日本はアジアという地域の一部だから、従ってアジアに責任があるとか、何かしなければいけないとか。時にはそれがお節介になってくる。だから、もうちょっとクールでいいではないかということでありまして。その中に悪友がいましたら何も無理して付きあうことはない。福沢諭吉もおそらく、そういう心境で言ったのだと思いますけれど。あまりにも有名な話でいろんな解釈があるんだけれども」
金准教授
「秦先生の発言が危険な発想だと思うのは、福沢諭吉の脱亜論というのは当時の帝国主義時代にあった、文明化と文明化されていない国に優劣をつけて、支那人や朝鮮人というのは悪友であると、脱亜論を唱える前に我々によって文明化の道に導かなければという、アジアに対する序列的な認識があったわけです。ところが、21世紀になりまして、世界の異文化に対する見方というのは多様性を認めていくと。共存、共同体という概念がどんどん出ているわけですね。アジアというのは現在でも福沢諭吉の亡霊と言いましょうか、優劣論、序列論でお互いを見ているところにそれぞれの高飛車な態度が出てしまって、コミュニケーションを難しくしていると。もう1回、戦後の日本が追求してきた、アジアの国々も民主化されつつ追求している多様性の共存と平和と繁栄という価値観にもう1回立ち返れば、お互いに似ていて、話が通じて、信頼できる、特に、日本と韓国は長い交流の歴史があるわけで、発想を切り替えるだけでできそうな話も、お互いが自己主張だけを声高に叫んでいる」
萩生田議員
「国内統治をするために、反日を利用してきた政治に問題があったと思うんですよ。両国、それぞれ歴史観は違うんだけれども、私は戦勝記念館に行って、小学生や子供達がああいう展示を見て日本人を好きになるという方が無理だと思うんですよ。その場にいて本当に目を覆いたくなるような展示ですよね。事実は事実として子供達にお互い伝えていかなければいけないのだけれど、それを政治利用してきた、少なくともそういう人達が常にいたということ自体が、日韓関係を深刻にしてしまった要因の1つではないかなと思うので、来年、日韓国交正常化50年ですし、戦後70年という節目を迎えますから、もうここらでこれだけ日韓がいがみ合うとお互いに得じゃないというのがよくわかったと思うんですよ」
金准教授
「韓国の反日政治利用を否定するわけではないですが、現在こういう状況の中で、日本でも反韓、反中の政治利用というものがある。韓国の中でよく反日と言われるのですが、定義や実態は非常に多様です。もちろん、時の政権が国内世論をある程度、外交に利用するということはありますが、現在そういったことは韓国で起きているのではなく、日本でも、中国でも、同様にこの地域に蔓延っている。これがむしろお互いの自然な交流を妨げているというのが、私の認識です」

金慶珠 東海大学教養学部国際学科准教授の提言:『引き算』
金准教授
「日韓関係は来年、日韓基本条約50年を迎えますよね。それから2010年には、日韓併合100年という節目もあった。そこで現在見失われたお互いの存在をもう1回取り戻すために共同プロジェクトを立ち上げるとか、新しい交流をはかるとか、足し算の発想でどんどん何か言われるのですが、私は現在、戦後最悪と言われる、日韓のこの雰囲気がもたらした、最大の原因は両国の政治にある。安倍政権と朴槿恵政権にあると見ています。この政治問題が歴史認識や領土問題、そういったもの、靖国もそうですし、慰安婦もその側面があると思います。それぞれの国内における支持基盤として利用していると。それが初期はそうでもなかったものが、経済や文化交流、人的交流にもどんどん影響を及ぼしているということなので、むしろそういった悪い材料、政治の大衆迎合的な姿勢をある程度抑えるだけでも、私は日韓という近隣諸国間での交流は、ある程度回復すると思います。事実10年、20年の過去の歴史を見ると日韓の交流は様々、これまでもいろいろありましたにも関わらず、一貫して交流は高まってきているんですね。ですから、この流れを引き止めることはできない。ただ現在政治がそこに冷や水をかけている状況なので、そこを1歩後ろに引くことで、お互いの交流はさらに高まっていくのではないかと思います」

現代史家 秦郁彦氏の提言:『脱亜』
秦氏
「先ほども言いましたが、付け加えて言いますと、私は放っておけという立場ですね。と言うのは、なぜかと言いますと、ここのところ朴大統領に、何人も日本の政治家が面会をして、APECの時に何とか安倍首相との会談を実現してもらいたいということで、すり寄っているわけです。それに対して女帝の方は傲岸にして、要するに、慰安婦のことしか言っていない。この前、日韓議員連盟の額賀会長が会った時も首脳会談を何とか開くようにという安倍首相のメッセージを伝えたところ、朴さんはこれまで首脳会談をやったあとに関係がかえって悪くなったとにべもない言い方をしています。先方の要求としては慰安婦の名誉を回復し、納得できる措置を行うと、何を言っているのか意味がわからないわけですね。額賀さんも聞いてこなかったのでしょう、具体的に何をご要望なのかという…韓国は一貫して具体的なことは何も言わない。日本が考えろと、考えて何か持ってきたら、それに対してNOと言う、あるいはYESと言うかもしれませんけれど。そういうアプローチでして、すり寄ってもこれはしょうがない。朴大統領は女帝ですから、何度も嫌だ、嫌だと、会いたくないと言っているのに、次から次へすり寄って会ってくれませんかと。それこそモノのわからない人だと思って、気味悪がっているのではないかと私は思います。だから、少なくとも日本からのすり寄りはやめるというのが私の提言であります」

萩生田光一 自由民主党 総裁特別補佐の提言:『未来志向で新時代』
萩生田議員
「私が中央銀の時代に、李明博さんがまだソウル市長だったんですね。それで羽田と金浦のシャトル便を飛ばそうという会議を、お互いにソウルと行ったり、来たりしながら、ソウル市議会の皆さんとのやりとりをしたことを思い出すと、あの時のソウル市長だった李さんは通訳を入れないで我々とお話ができるぐらい日本に対して理解をしていた。まったく同じ人が、大統領になった途端に反日にふらないと大統領ではいられないという韓国の国内事情をすごく残念に思ったんですよ。最後は竹島に上陸して、天皇陛下に謝罪を要求すると、あれがあの時の市長と同じ人なのかなと、残念な気持ちがあって、先ほど反日を政治に利用しているのではないかという話の根拠ですけれども、私は日本と韓国というのは同じ価値観を擁する隣国であって、秦先生のようにお付きあいをしなくてもいいと、我々政治家はお付きあいをしていくべきだと思うので、いろんな問題があっても付きあっていくべきで…しかし、どこかで一線を引いて、リスタートをしなくてはいけない。幸いにして来年、お互い50年という節目を迎えるのですから、未来志向で日韓の新たなスタートが切れる年にしたいという意味で、新時代を築いていきたいと思っています」