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2014年11月4日(火)
橋下徹維新代表2時間 “火中の栗”と選挙戦

ゲスト

橋下徹
維新の党共同代表 大阪市長
片山善博
元総務大臣 慶応義塾大学教授
伊藤惇夫
政治アナリスト

安倍政権 政治とカネ
秋元キャスター
「国政の場では与野党問わず、政治とカネの問題が相次いでいますが、この状況をどのように見ていますか?」
橋下共同代表
「野党としてはしっかりと政権与党の問題点というものを指摘しなければいけないし、小渕前経済産業大臣もちょっと政治資金の問題というものは、これは大問題ですね。実際に収入と支出の差額がどこに行ったのかというところがわからない状況ですから、こういうことはしっかり正していくことは、当然だと思うんですけれども、単純な誤記載、ミスの問題と、許されない問題の区分けというか、区別をしっかりとすることは、ある意味、政治家の仕事であって、現在全部ごっちゃ混ぜになっていると思うんです。だから、野党も何でもかんでも追及をすればいいというわけではなくて、これは絶対に許されない問題と、それから、政治家といっても何もミスしない存在ではないですから、普通の人間ですから、これは皆ミスをし得る問題だと。ミスが許されるわけではないけれども、誤って、きちんと反省をすれば、次はがんばれよと言える問題だというところの区分けをしっかりしないと、この問題だけで国会が空転するのは国民のためにならないですよね」
伊藤氏
「1つ考えなければいけないのは、政党交付金という、国民の税金を政治家に投入されている部分ですね。ですから、逆に言うと、政治家はそれだけ厳しく、自分自身に、金銭の出し入れを律しなければいけないというのは1点あります。もう1つは少悪が巨悪に成長することもあって、小さなそういうミスならいいですが、つまり、法律、政治資金規正法なり、公選法なりを変な言い方ですけれども、抜け穴を見つけて、そこから抜け穴をうまく利用しようという発想があるのかないのかというところも、1つ大きな問題だと思いますね。それから、こういう問題が起きると、必ずスキャンダルよりも政策をという話が必ず出てくるんですけれども、それはそれで正論ですが、ただ、臭いものに蓋をして、そのまま、なしにしていいのですかという見方も、逆に言うとできると思うんですよね。だから、政治家だけではなくて、一般の方もミスをする、必ずすると思いますけど、政治家はできるだけミスをしない。一般の方に比べても厳しく律しられている存在ということを自覚しなければいけないと思うし、何か問題が起きた人については、それなりにきちんと説明をしてもらわなければならないなと思いますね」
反町キャスター
「ルール上の議論だけではないところが、国会の問題だと思うのだけども、野党が与党の政治と金の問題を追及するということは、それが弱点であり、そこを突けば支持率が下がると計算をしてしかけるわけじゃないですか。でも実際下がっていない。そこに何を感じますか?」
橋下共同代表
「国民は賢明ですよ。政権与党の肩を持つわけではないですから、問題点は問題点。これはあらためてもらわなければ困ると。でも、国民の皆さんは、そこだけを見ているわけではないですよね。国会議員ですから、自らルールをつくるのが議員の仕事なわけですから、この追及ばかりするのではなくて、この問題についてはこういうふうなルールをやっていきましょうよということを、それは野党側の方も、与党に対して政権に対して、提案をしていく、提示していく。これは許されないから責任をとって辞めてくれ、この問題は非常に問題だけれども、反省して、そういうふうに今後、気をつけるなら、辞めるところまでは求めないよと、そのルールをつくるのが国会議員の仕事だと思うんです」
片山氏
「この際、前向きに、橋本さんがおっしゃったようにルールを、点検をするのは重要だと思うんですよ。1つは、政治資金規正法で言いますと、たとえば、外国人の話で、現在、外国人からもらっているかわからないという話。個人の場合は、国籍は、日本人でなければいけませんよということは明示しますよね。それでも間違いはあるかもしれないけれど。でも、わかりにくいのは企業がわかりにくい。だけど、本来は企業献金というのは、政党しか受けとってはいけないですね。現在どうなっているかというと、政党の支部が受けとるわけですよ。支部が受けとりますから、個人後援会とあまり変わらないですね。この際、支部はダメで、企業団体献金は政党だけにして、政党できちんと管理をすると。現在、支部を便法で使っているのを見直しませんかというのが、ルールの見直しですね」
伊藤氏
「何で個別訪問を認めないのですかと。諸外国では認めているところはたくさんあります。ところが、日本の公選法というのは絶対に認めない。それは、人間性悪説で、個別訪問を認めたら買収が横行するからという発想ですが、本当に自由な選挙運動やるんだったら、個別訪問は認めるべきだと思っているんですよね」
橋下共同代表
「公職選挙法なんて、普通の人が選挙できない仕組みになっているんですよ、立候補なんかできません。ポスターに印紙というものを、証紙を貼るんです。これを何万枚もポスターにいちいち証紙を貼っていく。でも、今どきですよ、これだけいろんな情報通信機器が発達している段階で、いろんな機材がある中で、あんなの手貼りしなくても何かやりようがあるはずですよ。透かしを入れるとか、何か。それから、見てください、ポスター貼りもべニア板の掲示板を、毎回、毎回、選挙の度にあれを立てて、手でポスターを貼っていく。これは後援会組織がなかったら、または労働組合などの運動体の支援を受けなければ、こんなの選挙運動できませんよ。でも、普通に考えてみてくださいよ、大型の掲示板、デジタルサイネージか何かを全部行政がきちんと設置をしておいて、選挙の度にポンと押して、そのポスターを、パパッと掲示ができるようになれば、そのような組織がなくてもできるわけですよ。これを、またべニア板に手で毎回毎回ポスターを貼るなんて、本当にバカげている。こういうことを本当は国会議員自ら気づいて変えればいいのに、何でこんな何十年も国会議員が公選法のルールを変えないのか。ルールをつくる気がないのか。つくったことがないのか。それとも新規参入を拒んでいるか、いずれかですよ」

野党共闘の行方
秋元キャスター
「先ほど、ルールづくりというお話がありましたけれども、維新の党は、文書通信交通滞在費の使途の公開を義務づける法案を衆議院に提出しているんですね。そもそも文書通信交通滞在費というのは、公的文書の発送費や交通費などの名目で国会議員に支給される経費で、毎月100万円が支給されているのですが、非課税で使途を報告する義務はありません。橋下さん、この報告を義務づけることによって、透明性を担保することはできるのでしょうか?」
橋下共同代表
「報告だけでなく、領収書も全部ホームページで公開することにしました。10月分から維新の党でやります。そういう法案も出そうということで、今回出すのですが、他の党が応じてくれないですね。100万円のキャッシュを経費で渡し切るなんて今どきは、ありませんよ。普通どこの会社でも、経費を渡されたら、領収書を添付するか、報告書を出すわけでしょう。こんなことを国会議員がやって、自分達は100万円を貰っておいてですよ、給料とは別に。国民の皆さんに増税をお願いするなんて、ちゃんちゃらおかしいですよ。国民の皆さんは絶対納得しません」
片山氏
「よく言いだされたと思いますよ。私は若い頃、国税の税務署長をやっていたのですが、税を現場で、納税者の皆さんからいただくって大変なことですよ。皆払えなくて、払っている人もいるわけですよね。ところが、使う時になると、我らの国民の代表が全く領収書なしで、何に使っているかわからなくてもいいというようなことは、通りませんよ」

同一労働・同一賃金&雇用問題
秋元キャスター
「この秋の臨時国会で最大の焦点となっているのが労働者派遣法の改正案です。維新の党は、民主党、みんなの党と共に、同一労働、同一賃金推進法案というのを国会に提出するということですけれども、この法案は橋下さんから出てきたそうですが、どういう経緯だったのでしょうか?」
橋下共同代表
「僕から出したというよりも、派遣法について、どういうスタンスでいくかということをいろいろ党内で議論をした時に、これは政権与党に対して対決姿勢を示すと。民主党が対決法案として重要なところに位置づけていましたから、維新もちょっと、そういう状況になったんです。でも、それは違うでしょうと。維新としてはずっと言っていたように雇用市場を自由化していく。現在硬直的なので、もうちょっと自由化していかなきゃダメではないかということを、党の方針として決めていたわけですから、派遣法の改正について何がなんでも反対はおかしいですよと。ただ、前提条件として、同一労働、同一賃金というものがきちんと認められていれば、この非正規雇用も認めていかなければいけないわけですよね。国民全員を正規雇用にするなんて民主党が考えているのかわかりませんけれども、こんなの無理ですよ。だから、それは正規雇用、非正規雇用というものがあるものとして、ただ非正規雇用の人の賃金を不当に抑えつけているというのは、これはおかしな話ですから、同一労働、同一賃金。それに加えて、社会保険とかそういうことにもしっかり加入してもらわなければ、加入できるような仕組みにしなければいけない。非正規雇用の人が正規雇用に移っていくということであれば、正規雇用の既得権というものも崩していかなければいけないですね。解雇規制の緩和とか含めて、全体のパッケージで雇用市場の流動化ということを考えるにあたっては、同一労働、同一賃金というものが非常に重要なベースになるということを問題提起しましたら、維新の党は考え方がほぼ一致している人間が集まっていますから、ダーッと決まって、3日ぐらいで法案ができて、野党の中での呼びかけにつながっていったんですけれども」
反町キャスター
「大阪だけが、同一労働、同一賃金制度を導入した場合に、たとえば、同じ仕事をしていても、たとえば、教職でも、街中のパブリックサービスでも構いません。その他の自治体に比べて大阪の自治体で働く人の給料が下がる。いい人が集まらなくなる。そういう可能性はないのですか?」
片山氏
「そういうことがあるのであれば、全体の賃金水準を上げなければいけないですよね」
反町キャスター
「それは今度、固定費の増加になりますよね?」
片山氏
「だから、それは調整をされなければいけないですよね」
反町キャスター
「そこを橋下さんはどう考えていますか?」
橋下共同代表
「維新の党として、同一労働、同一賃金を提案しました。大阪市役所も、これをやります。ただ、この賃金が下がる話と、同一労働、同一賃金というものをごっちゃにしてはいけないと思うんです。官と民の給与比較をすると、これは公務員の方がすごく高い分野というのがあるんですよ。だから、ここはしっかりとベースを落とさせてもらっていますよと。民間に準拠しますよということで、落とします。ただ、たとえば、保育士とか、福祉職とか、非正規の職員を多数抱えているんです、大阪市は。でも保育士さんとか、福祉職は正規の職員の方と仕事内容は同じです。確認をしたら、ある程度のポジションにつけないとか、本当に不公性だったんです。これをちゃんとあらためますよと、同一にしますと、その部分は若干コストが上がったとしても、それは当然のことだと思うんです。これを全国の自治体でやらなければいけないのに、皆、正規と非正規で変えてしまっているんですよ」
伊藤氏
「たとえば、中小企業が、人件費倒産の可能性が出てくるとは思いませんか」
橋下共同代表
「人件費倒産?」
反町キャスター
「固定費が負担になり過ぎるという話です。最低賃金の引き上げと連動した話ですよね」
橋下共同代表
「それは必ず非正規の方が上がる話ではなく、これは民主党政権との違いで、正規職員の方の既得権を守っているのが現在の日本の労働組合、というのは正規職員の既得権を守っているところにすごくありますよ。だから、正規職員の方の給料が下がる場合もそれはありますよ。職務内容によっては。だから、それは中小企業の方でいろいろマネジメントする時、僕が言いたいのは正規と非正規を不当に差別するなということですから、それは伊藤さんが言ったように、賃金コストが上がるという話は全体を上げようとするからですよ。差別をなくせばいいわけですから、そうすると、企業の状況によっては、正規職員の方の給与水準を下げなければいけない事態も出てくるでしょうね」

社会保障制度と弱者への対応
秋元キャスター
「維新の党は、年金制度について『払い損がなく、世代間で公平な積立方式の年金制度へ移行』と基本政策を掲げているんですけれども、橋下さん、この年金では現在の年金制度は解体するということになるわけですか?」
橋下共同代表
「そうですね。年金はメッセージだと思うんですよ。ですから、若い人にとっては将来、本当にどれだけのお金が与えられるのかがわからない。給付が受けられるのかがわからない。先行きが本当に不透明な状況になっている。払い損なのではないかということも言われている。であれば、ちゃんと払ってもらおうと思えば、自己責任というところで、払った分はちゃんと戻しますよということを明確化すれば、それはかえって、そちらの方が皆払ってくれると思うんですよね。ただ、積立方式というところだけ取り上げられていますけれど、維新の党で言えば、きちんと出しているのですが、資産を持っている人は申し訳ないけれども年金を我慢してくださいねと。積立方式と言っていますが、ずっと積立てていって、老後うまくいって、ある程度資産を持った方は、積立てたお金は、それはお金のない人の方にまわさせてもらうとか。働く期間も、だいたい年金ができた時の平均寿命から現在15歳ぐらい(平均寿命が)延びているんですよ。そうしたら働く期間も70歳とか、70歳超えるところまではがんばって働いてくださいねという世の中にしないといけないですよね。それはある程度の年が経って、どんどん賃金が伸びるのではなくて、60歳か、それぐらいになった時には初任給ぐらいまではボンと落ちるかもわからないけど、でも、年金に頼らずに、まずは70歳ぐらいまで働けるような、そんな社会をつくりながら、そして、資産形成をした人には年金を我慢してもらう。ただ、そういう中で、基本原則としては払った分を老後に返してもらうという、そういう全体のパッケージで考えているんですけれども」
伊藤氏
「たとえば、資産の形成ができそうな人は、支払いを止めてしまうというケースもあるかもしれませんよね」
橋下共同代表
「いや、これはよく言われるんですけれど、保険料と名前はついていますが、ある意味、強制徴収にしたらいいんです」
反町キャスター
「税金化するようなものですね?」
橋下共同代表
「ええ、そうです。強制徴収にしたらいいです」
伊藤氏
「現在、安倍政権の基本方針というか、考え方というのは大きいもの、強いもの、富めるものをより大きく、強く、富ます。それによって、小さいもの、弱いもの、貧しいものをあとから、引っ張り上げるというんですね。そういう姿勢のような気がするんですね。そういう意味で言うと、大、強、富と、小、弱、貧という言い方を、私はするのですが、1つの例示ですけれども、安倍政権が大、強、富、重視型の政策を進めようとするのであれば、野党はむしろ小弱貧に焦点をあてたような、こういう施策の方向性もありますということを、国民に提示をしていくというのも1つの考え方だと思うのですが、橋下さんは、基本的に言うと大強富なのか、小弱貧なのかでどちらを優先するべきだとの考えですか?」
橋下共同代表
「対抗軸の設定の仕方が、そのような政策の実態面だとか、イデオロギー的なところで対抗軸をつくらなくていいですよ。維新の党の対抗軸は、既得権を守ろうとしている層を支持基盤とするかどうか。ここで自民党や民主党との対抗軸になると思うんです。自民党は業界団体を固定票にしている。民主党は労働組合です。でも、我々はそういう、いわゆる既得権を守ろうとする固定票には頼らないというところで対抗軸にすればいいわけで、政策面は、両方ともしっかりと手当をしなければいけない。だから、維新の党はまず自助努力。努力を求めます。国民の皆さんにがんばってもらう。がんばれる人にはがんばってもらうということを徹底的にやっていく。その代わりに、いろんな事情で、サポートをしなければいけないような弱者の皆さんにはしっかりとサポートをしていく。機会を平等に与える。公正ですよね。これを維新の党のある意味、政治哲学としていますので、伊藤さんが言われたような2つの対抗軸というのは考えていません」
反町キャスター
「何か政権公約みたいに、きれいごとを並べているように聞こえちゃうんですよ。どちらに軸を置くのか。それはどうなのですか?」
橋下共同代表
「ですから、自民党と民主党と違うというところは、たとえば、自民党の場合、教育の予算を増やしていこうと思えば、いわゆる業界団体、サービス、供給主体の方にお金を入れていくわけです。でも、違うんです。これからの時代はサービスを受ける側、いわゆる保護者だったり、子供だったり、そちらの方に税を入れていかなければいけないですね。これはバウチャー制度ということで、大阪市でやっています。民主党と違うのは、民主党は現金をばら撒いています。子ども手当とか、そういうことで。そうではなく、バウチャー制度というものは、バウチャーを貰う、一定の金額でバウチャー、金券ですよ」
反町キャスター
「目的が決まっているね」
橋下共同代表
「目的が決まっているんです。そういうものを果たして、政策的な効果を目指していくということなので、現在、大阪市でやっている教育バウチャーというのは、中学校1年、2年、3年生、月1万円の塾代助成をやっているのですが、塾の方もお金を入れません。子供達の方にバウチャーを渡して、あとは、子供達が自分の行きたいところを選んで行くというところで、事業主に切磋琢磨をさせるわけですね」

どうなる? 野党再編
秋元キャスター
「維新の党の江田共同代表と民主党の海江田代表は、自民党の一強体制に対抗するために、国会審議で野党共闘を進めることで合意しました。その先には、選挙協力も視野にあると考えられていますが、橋下さんは、民主党とは選挙協力はできないと明言されているんですけれども、橋下さん、その理由は何でしょうか?」
橋下共同代表
「それは、反町さんは、東京で取材ばかりされているので、大阪の状況はあまりご存知ないかもしれない…」
反町キャスター
「いや、この間やったんですよ。選挙区で維新ばかり立っているところに、民主党は候補者を立てずに済むかと、ここでしょう」
橋下共同代表
「いや、でも、民主党の辻元さんなんて、もうボコボコ、ボロカスですよ。大阪の民主党は維新と手を組むなということを、東京の方に出向いて行って、維新と手を組むな、なんてことを言っていますし、民主党の最大の支持母体である連合だって、労働組合の連合だって、あの会長はもう橋下とは手を組むなと。維新政治に終止符を打つのが我々の使命だなんてことを言っているのですから」
反町キャスター
「それは労組批判をするからですよ。官公労とは一緒に仕事はできないということでしょう」
橋下共同代表
「いや、それは一緒に仕事ができないというよりも、だって政治家なのに、公務員の労働組合と公務員改革をやるのに、そこと一緒にやろうなんてできないではないですか。普通の仕事、大阪市役所の仕事は、それは労働組合と適正な労使関係でやりますけれども、ただ、大きな日本の仕組みを変えていくような改革をやっていくのに、官公労とは一緒にできないですよ、それは」
反町キャスター
「それは、民主党との協力の在り方にも、国会においては政策の協力、いろいろすり合わせをやっていますけれども、先日、民主党の代表代行、選挙担当の岡田さんが来た時に、この言葉を使い分けされて帰られたんです。選挙協力というのは、たとえば、小選挙区で野党の統一候補をつくり、それに向けて、非自民の統一候補に向けて、各党がテコ入れをして、野党統一候補として押す。候補者調整というのはそうではないのだと。この選挙区は維新が立つ。その代わり、民主も生活も、他の党も、他の野党も候補者を立てずに、応援はしないけれども、それでも出馬を見送る。この候補者調整はできるのではないかという話を岡田さんがされて帰ったんですけれども、橋下さん、これはどうですか?」
橋下共同代表
「そんなの国民の皆さんに違いがわかるんですかね」
反町キャスター
「いや、私にはわからないから。難しいと思う」
橋下共同代表
「僕にもわからないですよ、そんなこと、国民の皆さんに対して失礼ですよ。だいたい野党が1つにまとまらなければ、自民党、仮に自民党から政権交代が起きて、野党に移るなんてことがあったとしても、これは国家の崩壊になります。そんなの現在の、こんなに政党が乱立しているような状況、考え方も野党間で、まだ整合性がとれていない状況の中で、自民党から野党の方に政権が来るなんて、そんなの嫌ですね」
反町キャスター
「巨大与党に対峙するために野党の連携が必要だと思いますよね。その違い。何が違うのか。そこはどうですか?」
橋下共同代表
「政権与党をチェックする役割は、野党にあるわけですが、チェックする役割。このチェックするところは一緒にその政党と一緒になって、いろいろな特定課題について一生懸命に攻めていったら、いいと思うんです。だから、こういう、いわゆる国会内での野党連携については、これはもう国会議員の皆さんにお任せしますよと。江田代表、お願いしますねということを言っていますけれども、野党はもう1つの重要な役割として、政権を担うというところが一番重要な目標だと思うんです。ただ、政権を担うというのが自己目的化したらダメでね。日本の国をどうするかということを考えて、それを実現する手段としての政権奪取ですけれども、政権を担うということになれば、これは現在の二大政党制を前提とした小選挙区制の下においては、野党は1つの塊にならないとダメですよ。政権を担えないです。だから、現在のまま、小党分立の状態で行くのであれば、政権与党をチェックする役割までですよ。かつての社会党みたいな形でね」
反町キャスター
「いや、橋下さん、現状分析はいいとしても橋下さんは評論家ではなくて共同代表だから、今の話だと、本音では政権を奪取する、政権奪取を目指したいけれども、国会にいる江田さんに任せているのは与党の話だけであって、政権奪取の手がないと聞こえる。それはどうなのですか?」
橋下共同代表
「いや、だから、政権奪取は、江田さんは目指しているわけです。だから、野党は1つにまとまらなきゃいけないということで、声をかけているわけです。キーポイントは民主党の閣僚経験者の皆さんですよ。それも考え方の近い人です。もう、全然違う社民党系の人は絶対あわないでしょうからね。だから、同じような考え方の(人は)民主党の中にたくさんいますから、その人達に旗を振ってもらえれば、維新の党もついていくし、みんなの党もいくし、皆でダーッと行くわけですよ。だから、あとは、ポイントは、民主党の閣僚経験者の皆さんがいつ旗を振ってくれるかということですが」
伊藤氏
「だから、言い方を変えると、民主党の分裂という意味ですよね、ある意味」
橋下共同代表
「いや、そうしてもらうしかないです」
伊藤氏
「労組系に支えられた人達と、それ以外の人達を分けるということですよね」
橋下共同代表
「そうだと思います。ただ、伊藤さん、私が労組を何か嫌っているように思います?」
伊藤氏
「いや、自治労、日教組でしょう?」
橋下共同代表
「官公労は、それはだいぶ難しいですよ。民間労組の中で電力会社も難しい」
伊藤氏
「それは十分わかっています」
橋下共同代表
「普通の民間会社の」
反町キャスター
「官公労と電力会社は、皆自分が対立しているところを外しているだけではないですか。そういう話ではなくて、どこと一緒に?」
橋下共同代表
「だけど、民間の労働組合に何かを求めているわけではなく。もう1つは、ただ…」
伊藤氏
「ただ、民主党の元事務局長と言わせていただくと、実態的に、民主党の地方の組織、あるいは選挙、足腰を支えているのは、官公労ですよ。自治労、日教組です。ですから、労組支持ではなくても、たとえば、基本的に言うと、保守系の政治家であっても、実は選挙の部分では、彼らに支えられているという部分が非常に大きいですね。それを分けろと言っても、現実論として、これはなかなか厳しいのではないでしょうかね」
橋下共同代表
「いや、だから、これを民主党の本当に政権を担う政権奪取を目的とする方々にそこをやってもらわなきゃいけない。と言うのは、自民党との対立軸というところは、既得権を持っている人達を、いわゆる我々の党を支えてもらっている人達の支持層にするのか、どうなのかというところが、大きな対立軸になってくるんです。既得権益層に支えられたら、改革なんかできないですから」

総選挙の戦略とは
反町キャスター
「次の選挙後にどういう政権をつくるかというのをきちんと示して選挙戦に入らなくちゃいけない。そう考えているということですよね」
橋下共同代表
「それこそ、だから、総選挙に臨む政党としては国民に対する礼儀が第一だと思うのですけれども、政権を担うことを目標としなければ、何のためにやっているのですか、それは単に議員をやりたいだけですかと。それが前の55年体制の時のような社会党のように、政権与党の追及、チェックの役割だけですかと。政党で国会議員になったという以上は、政権を担って自分の目指す国づくりをやっていくというのが本当の本筋ですからね。ですから、ただ、政権奪取するやり方として、上げ足をとった、スキャンダルで政権与党を追い落としていくということではなくて、国民の皆さんに選択肢をしっかり示して、政権与党との違いをしっかりと示し、国民の皆さんに選択できる環境を整えて政権を奪っていくという、ちょっと青臭いかもわからないですけれど、そういうやり方で政権奪取というものを目指していきたいですね」

消費税増税に対する見解
反町キャスター
「消費税凍結法案ですが、これに賛成ということですか?」
橋下共同代表
「そうです」
反町キャスター
「廃止ではなくて、凍結?」
橋下共同代表
「そうですよ」
反町キャスター
「2%の引き上げをいつまで延期するという…どのようなイメージですか?」
橋下共同代表
「これは状況を見てということですよ。これはある意味、神学論争みたいになってきて、増税をしないことのリスクですね。金利上昇、国債暴落とか。でも、逆に増税をするリスク。景気の腰折れになるとか、これはどちらがどうかは正直わかりません。いろんな有識者の話を聞いて1番ストーンと落ちたのが、消費税についてこのタイミングは見送るべきだという理屈にストーンと落ちましたので、そうすべきだと。だいたい2%の増税なんか、これで5兆円とか、それぐらいでしょう。歳出削減でできますよ。その具体案をどうするんだとよく言われるのですが、片山さんがいらっしゃるので反対されるのかもわかりませんけれども、地方交付税ですよ。地方交付税16兆円のうち、国と地方2%の増税分、たとえば、5兆円と設定した場合には地方2.5兆円削減、国2.5兆円削減とかね。地方交付税3兆円、4兆円も切ったらいいんですよ。そのぐらいは、地方の改革もまだまだできます。だいたい私は大阪市報酬審議会を開いて、大阪市長の退職金、首長の退職金はゼロと決まったんですけれども、全国の自治体で4年の任期で1000万円も、2000万円も、都道府県知事は4000万円ももらって、2期も3期もやれば1億円以上もらっていくんですよ。こんなのも全部ゼロにしていくとか、それから、議員の定数を削減していく、議会の報酬も削減していく、もっと言えば、先ほど言った現業職員の給与を官民給与比較をしたとすると、すごく公務員の給与の方が高い。こういうことも全部地方交付税があるから、皆改革をやらないですよ。だから、地方に改革を促すためにも地方交付税をバンと切ってしまえば、5兆円ぐらい簡単に浮きますよ。それからですよ、増税は」
反町キャスター
「状況を見てとは、無期限延期というニュアンスになりますか?」
橋下共同代表
「いや、まず1年半とか、それぐらいで、もう1回見ましょうとなるのでしょうね」

安倍政権との関係
伊藤氏
「直接現在の安倍政権のある首脳の方とお話をしていて、雑談の中ですが、橋下さん中心の野党再編が進んでくれればいいのになという話を聞いたことがあるんですよ。これは私なりの解釈ですけれども、もしそういう形で野党再編が進む。そうすると、当然次の総選挙では自民党とガチンコの勝負になるだろうと。しかし、選挙が終わったあと、憲法改正等では足並みを揃えられるようになるという、そういう思いが背景にあるのではと思うのですが。そういうことを政府首脳がおっしゃっているということについて、どういう感情をお持ちになりますか?」
橋下共同代表
「45歳のこんな年齢なのに一緒にということであれば、それは嬉しいですよ。それは何も自分が国会議員にずっとなりたい、政治家になりたいということではなく、国を変えるなんて大それた言い方かもわかりませんけれども、ここを変えたい、こういうふうにしたいという想いがあって政治家になっているわけですから、それが実現できるのだったら、一緒にやらせてもらいたいと思いますよ。だから、憲法改正も絶対やらなきゃいけない。ただ、優先順位は違うと思いますよ。国と地方の関係とか、行政機構の仕組みを変えていくというところをまず憲法改正でやりたいと思っています。そういうところは優先順位が違うかもわからないけれども、でも、自分達の手で憲法というものをしっかりつくっていくという想いは安倍総理と一緒だと思いますし、そういうところは一緒にやりたい。特に、規制改革では、安倍総理と自民党の距離の方が大きいと思います。農協改革だって自民党の方は抜本的な改革というものをやめようやめようとしていますけれども、私は、安倍総理がやろうとしていることをもっとあと押しして実現したいと思っていますからね」
反町キャスター
「政権奪取と政権参加の区別がつかなくなります。橋下さんが目指しているのは政権参加ですか?」
橋下共同代表
「違います。小選挙区制の場合には参加は無理です」
反町キャスター
「連立政権に参加するという選択肢は橋下さんの頭の中にはないのですか?」
橋下共同代表
「それは無理ですね。国民の皆さんに選択肢を示していくというのがある意味、政党の役割ですから」

大阪都構想の行方
秋元キャスター
「先月27日、大阪都構想の設計図にあたる協定書が大阪府議会と大阪市議会ともに否決されました。橋下さん、なぜ否決されたと考えますか?」
橋下共同代表
「それは大阪市議会も府議会も自民党以外のその他の政党は、議員の身分というものをずっと保持したいからでしょう。大阪都構想が成立したら、大阪市議会も、大阪市長もなくなっちゃうわけですから。それは身分闘争ですから、通常の冷静な議論ではなくて、要は大阪市議会丸ごとなくなっちゃいますよと突きつけられたら、現在の現職の大阪市議会議員は、維新の会以外は、それは困ると。自分達は議員であり続けたいんだと言うのは当たり前なことだと思いますよ」
片山氏
「もし有権者の市民の皆さん、府民の皆さんが圧倒的に構想を支持していれば、現在の現職の人達もそんなに自分の身分のことばかり言っていられなくなるわけですよね。それこそ市民の皆さんから次の選挙で追い出されますから。だから、私は市民、府民の皆さんの中に、必ずしも都構想の利点というものがそんなに浸透していないのではないかと…これは失礼な話ですけれど、そう見ています」
橋下共同代表
「現在の大阪府庁と大阪市役所について、住民の皆さんがどこまで詳しく知っていますかということです。財政調整制度だとか、税の配分とか、新聞も、テレビもそれを説明しろと言うのですが、現在の体制についてだって住民の皆さんはそこまで理解していません。だから、現在の体制と新しい大阪都構想のどちらの方がいいですかということの比較をしなくてはいけないです。この設計図の1つ1つの中身ではなくてね。そうしたら、振り返って考えたら、これまでの大阪府と市というものは、二重行政の結果です。莫大な無駄遣いをやってきたわけですよ。大阪市というものは260万人都市で、1人の首長が行政なんか全くできません。学校だって鳥取県では40校か50校かわかりませんけれど、私は学校だけで500校を所管しているんですよ。これは無理です。だから、これまで大阪府、大阪市で莫大な無駄遣いをやってきた。住民の声が届かない。市長との距離が非常に遠いという体制を知事と市長を1つにまとめ、二重行政はやめて、大阪市内に5人の選挙で選ばれた首長を置いて、住民ともうちょっと近い関係にしますよと。ここで比較をしてもらって、あとはどちらを選ぶのか。この新しい都構想でいくというのであれば、それに合うような行政的ないろんな整理をしたのがこの協定書です。こちらはある意味で、行政マンとか、学者が見るような話であって、大阪都構想というのは究極のところ市長をなくします、それから、大阪市内に新しい公選の区長を5人誕生させますと、こういう方向でいきますかというところで、ある意味、住民の皆さんに判断してもらえればいいと思うんですよ」
反町キャスター
「二元代表制の時のバランスで、住民投票という形にもっていっていいのか、悪いのかは?」
橋下共同代表
「言いたいのは、過去の民主的なルールに則って、過去の選挙、まず4年前に維新の会を立ち上げて府議会では過半数をとった。市議会では第1党になった。知事と市長選挙、ダブル選挙でも維新の会が勝った。国政選挙でも一定の議席をとりながら、現在に至ったわけです。ただ、時間とともに維新の会から去ったメンバーもいますけれど、現在議会は反対しています。現在世論調査をやっても賛成が53%という数字になっている。こういう状況の時にどうやってこの物ごとを決めるのかと言えば、最後は住民の皆さんに決めてもらうというのが、最後の民主主義の姿なのではないでしょうか」

橋下徹 維新の党共同代表の提言:『今までのやり方を変える』
橋下共同代表
「自民党や民主党でできるのであれば、そんなところに首を突っ込む必要はないと思うんです。ただ、自民党や民主党ではできないということをやるために、国政政党というものをつくって、現在活動しているわけですから、いろいろなしがらみでどうしても変えられない、変えられなかったというところを敢えて変えていくというところに維新の党の最大の存在意義があると思うんですよね」

片山善博 元総務大臣の提言:『足腰を鍛える』
片山氏
「これは、政党、維新の会だけではなくて全体的ですけれど、日本の政党というのは一部の政党を除いて足腰が弱い。すなわち党員がいないです。本来政党というのは、党員が形成するものです。ですから、日本の政党というのは、だいたい、たとえて言えば檀家のいないお寺みたいなもので非常に不安定です。是非それぞれの政党が党員をちゃんと確保し、そこから政策を練り上げていく。こういう党になっていただきたいと思います。維新も然りです」

政治アナリスト 伊藤惇夫氏の提言:『論破より説得を』
伊藤氏
「維新の党というよりは、橋下さんにかもしれませんが、橋下さんは弁護士だとおっしゃっていました。弁護士は論破でいいと思うのですが、政治の世界は論破していくと必ずあとで恨みを買って、後ろから刺されたり反対されたりします。これから橋下さん及び維新の党がより大きくなっていくのであれば、説得力をつける。相手を説得していく。説得すれば相手は納得しますから。リーダーとしてそういう形の政党に引っ張っていってもらいたいなと思いますよね」
橋下共同代表
「『論破より説得を』のところですが、これもよく言われるんですけれど、僕は7年間予算を否決されたことはないんですよ。自分が出したものは98%以上全部成立させているんです。僕は7年間少数与党でやっていますから、そこは修正妥協、修正妥協でずっとやっています。ただ、どうしても話し合いでは解決できないという、大阪都構想みたいな問題の時にバンと、こうやって政治的な対決をやるので、そこだけを見られて、もし僕がそんなやり方ばかりやってたら、7年間、大阪府も大阪市も予算は止まっちゃって動かないわけですよ。だから、修正妥協をして話し合いをする場面と、そうではなく徹底的に戦う場面と、政治家なので2つあると思うんですよね」