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2014年10月31日(金)
拉致進展は? 最新情報 幹部“顔出し”の思惑

ゲスト

古屋圭司
自由民主党拉致問題対策本部長 衆議院議員
平井久志
ジャーナリスト

政府代表団訪朝の成果と展望
遠藤キャスター
「今回の北朝鮮での日朝協議を受け、今日、菅官房長官が会見で協議の内容について言及をしました。会見で、拉致問題について新たな具体的な情報はなかったとしながらも、北朝鮮側と調査の方向性と進捗状況について確認したということですが、質疑も含めて、ここでポイントを整理したいと思います。過去の調査にこだわることなく、新しい角度で調査し、拉致被害者の入境の有無、生活環境、関連場所の調査。新たな物証、承認等を探す作業を並行して進める。特別調査委員会は国防委員会から特別な権限を付与されているなど、北朝鮮の方向性として示されたようですが、具体的な進展がなかったとされています。この再調査の状況と協議の内容についてどう受け止めていますか?」
古屋議員
「まず、その前に、ここに行き着くまでの流れを、もう1度、おさらいをして、しっかり押さえておく必要があるんです。安倍内閣が成立をした平成24年12月には、北朝鮮は拉致問題を何と言っていたか。臭いも香りもしないですと。この問題を言った途端、担当者はちゃぶ台をひっくり返して帰っていったんですよね。しかし、1年10か月、もちろん、国際社会に訴え、総理の取り組み、(政権が)安定している。いろんな要素があったから、5月のストックホルムで、従来の立場はあるもののという、従来の立場というのは、8人死亡、4人未入境ですよ。だから、これで全部解決だと言うことです。ゼロ回答。それは、まず従来の立場があるものの、というところになった。今回がこういう形で、過去の調査結果にこだわることなく、新しい角度からともうちょっと踏み込んだ。後退しているかというと決してそうではない。しかし、あの国はご承知の通り、譲歩するのはほんのちょっぴり、奪いとるものは山ほどという国ですから、だから、私は最初から、ここからが本当の正念場ですよ、胸突き八丁と言っているので、今回はあくまでも外務省の局長という事務局の責任者が行って、日本の立場をしっかりと徐大河(特別調査委員会委員長)に訴えた。徐大河氏は、韓国の情報筋も、あの人はそもそも表に出てくる人間ではないのに、こうやって表に出てきたということに対しちょっと驚きの報道もありましたよ。だから、そういう意味では、もともと顔を出す人間ではないわけですよ、彼は。それが(顔を)出してきたので、そこまで、やらざるを得ない状態になってきたということは、私は、そういう意味で、全く成果がなかったのか、後退したのかというと、そうではないと思います」
反町キャスター
「顔を出したこと。事実上テレビカメラが入って全員の顔を撮ったわけじゃないですか、向こう側の。あのこと自体がまず成果であると思うべきであると」
古屋議員
「後退じゃないということですよね」
反町キャスター
「拉致担当大臣の時から、ずっと1年8か月やられた、その感触の延長線上で、これを見ると、北朝鮮がここまで認めたということについては確実に進歩と受け止めていますか?それとも見直しで何か時間稼ぎをしているという」
古屋議員
「いや、そのリスクはないということはないと思います。しかし、これは日本が毅然たる態度でグングン押していくということが大切であって、今度、家族会の皆さん、あるいはその他の関係者の皆さんから、今度は訪朝すべきでないという議論が結構あったんです。でも、総理は最終的に行くリスクと行かないリスクを考えたら、行かないリスクよりも行くリスクの方が少ないと。だからこそせっかくドアをこじ開けたのだから、自らドアを閉ざす必要はないということをはっきりと明言をして、行かせたわけですね。私はその考えは間違っていないと思いますよ」
遠藤キャスター
「平井さんは今回のこの報告をどう見ていますか?」
平井氏
「私も、平壌に行くこと、行かないことの方のリスクを考えれば、行かない場合は、最悪の場合は行き詰る場合もありましたし、そこまで行かなくても、だからと言って、北朝鮮が新たな情報を出す可能性はなかったわけですし、核心的情報はありませんでしたが、一応の基本的な姿勢のようなものを引き出したということは意味がありました。それと、北朝鮮が7月4日に特別調査委員会を発足させた時、拉致の分科委員会は3番目ですね」
反町キャスター
「そこに既に、向こう側の…」
平井氏
「意図が反映されているわけですね。ところが、今回はちゃんと徐大河委員長が、分科会の責任者を紹介する時、拉致の担当者をトップに紹介しているんですね。それとか、今回の日本の政府代表団に対する説明の順番も拉致を最初に説明して、そのあと行方不明者。そういう意味では、日本側の姿勢というものを、北朝鮮側も配慮した交渉のスタイルをとったということは言えると思うんですね」

過去の調査にこだわらず調査
反町キャスター
「2002年、2004年との違いで言うと、現在2004年の時には、北朝鮮側は、古屋さんもよく御存じの、8人死亡、4人入境確認せずという説明。今回もし北朝鮮側がこれまでのその調査結果にこだわらずというのであれば、北朝鮮側は8人死亡、4人入境確認せずという、このベースを彼らはゼロ査定で見直すと期待していいのですか?」
古屋議員
「はい。全部解決ですよと言っていたのがこれまでのスタンス。今後はもちろん、協議の中において、政府の認定の被害者はどうなっているんだと、キリキリやっていますから。ただ、ちょっと個別論のことについては言えませんけれども、実際に個別に調査をする。実際、旧招待所にいたところとか、そういうところも調査をすると。客観的に、科学的な証拠で、承認とか、そういったものも出すということを、彼らは一応言ったんですよね。そういうことを言っているわけですよね。だから、そういう意味からすると、ここよりは間違いなく進んでいると、客観的に見てそうですよね」

北朝鮮の再調査方針は
遠藤キャスター
「菅官房長官の会見のポイントの2つ目と3つ目。拉致被害者の入境の有無、生活環境、関連場所等の調査、新たな物証、証人等を探す作業を並行して、北朝鮮側は進めるという方針ですけれど、拉致被害者の情報は北朝鮮側が既にわかっているはずだと思うのですが、これは引き延ばしというか、敢えてきちん調査を進めているように見せかけて、引き延ばしているのではないかなと捉えられるのですが」
古屋議員
「いや、これはそう言う人はいっぱいしるし、現実に拉致したのは北朝鮮だとわかっていますよ。逆に、こう言っているということは、後退ではないんですよ。だって、考えてみてください、拉致の8人が死亡、未入境で4人、それで終わっているのだから、前は。だから、これは本当に大変なこれからの協議ですよ。実際に、徐大河氏にしても、全部を自分で決める権限がありませんよ」
反町キャスター
「金正恩第一書記が決めるしかない?」
古屋議員
「そうです、そういうことです」

徐大河委員長の人物像
遠藤キャスター
「平井さん、特別調査委員会は国防委員会から特別な権限を付与されている。これはどういった意味があると解釈すればいいですか?」
平井氏
「今回の特別調査委員会で、日本ではこのメンバーが国家安全保衛部の所属だということが、非常に注目されているんですね。それはそうですけれども、徐大河氏という人は、国防委員会でもポストを持っている。このことは大きいと思いますね。と言うのは、実際に拉致をやった工作機関というのは、かつては党の作戦部であるとか、党の35号室であるとか、軍の偵察局であるとか、そういう組織にいたのですが、これが解体され、再編されているんです。現在は軍の偵察総局という組織になっていて、その組織は現在、国防委員会の下にあるんです。ですから、かつての工作機関は党が中心になるんですけれども、現在その人達がおそらく偵察総局の方に移行していると思われますので、所属している団体が国防委員会の下に入っていますから国防委員会から権限を付与されたということは、国防委員会が、調査をできるわけですよね。ですから、そこから権限を与えられたということは、私は意味のあることであり、なおかつ徐大河さんが、この委員長でありながらも、国防委員会にポストを持ったということはそこに意味があるのではないかと思うわけですね」
反町キャスター
「北朝鮮の権力構造を見た時に国防委員会が一番大切なものですか?」
平井氏
「そうとは限りません。党の組織指導部という大変な権力を持ったセクションもありますけれども、工作機関である、統廃合をしてできた偵察総局であるとか、人民武力部であるとか、現在話題になっている国家安全保衛部であるとか、こういう軍、公安機関というのが、内閣とか、党の所属ではなくて、国防委員会に所属しているということですね。ですから、そこにぶら下がっているわけですから国防委員会の権限を付与された特別調査委員会が調査をしやすいという、そういう意味があると思いますね」

拉致問題 北朝鮮の本気度
反町キャスター
「そうすると、国防委員会のメンバーでもある徐大河さんが特別委員長であるということは、今回日本側が申し入れた内容、ないしは日朝間で話し合われた内容はわかりやすく言っちゃうと、金正恩第一書記にどのぐらいの濃度を持って伝わるのか。どのぐらい上に上がっていくのか。ここがすごく肝心なところだと思うのですが、そこは、どう見ますか?」
平井氏
「それまでは制度的に裏づけられた証拠があるとか、こういうシステムになっているとかということはないと思います。ですけれども、現在の状況の中で、最高指導者の承諾なしに、こういう協議はできませんし、おそらくそれはかなりの報告がいくだろうと思いますね」
反町キャスター
「報告が上に上がるということは日本の真剣さとか、拉致へのこだわりがきちんと上まで伝わるという、そういうことですよね」
平井氏
「そうですね」
反町キャスター
「これを動かさないと、どうにもなりませんよという情報は上にあがるのだろうと」
平井氏
「ですから、私はもともとの日朝交渉に北が乗り出してきた1番の大きな原因というのは、彼らは国交正常化をしたいわけです。ところが、この10年間全く動かなかった。これを動かすためには拉致問題を動かさないと国交正常化であるとか、制裁の解除であるとか、そういうことが実現しないんだということを北朝鮮自身が学習した。そういう学習効果があったのだろうと思うんですね。現在北朝鮮の経済はそんなに悪くないです。ですけれども、この経済が、もう1つ次の段階に上がるとした時に、外資や技術というものが、どうしても必要になってくるわけですよね。そういう意味では、中国への依存度を低めるためにも、日本との関係を重視しているんだと思いますね」

被害者家族の反応は
遠藤キャスター
「今日、山谷拉致問題担当大臣と外務省の伊原アジア太平州局長らが、拉致被害者の家族らに今回の訪朝について説明を行いました。古屋さん、家族の皆さんは、目に見える成果が今回形としてなかったということで、不安の声や、切実な思いというのがあるのですが、気になりましたか?」
古屋議員
「私も長年、家族会の皆さんとは向き合っている人間の1人でありますので、気持ちはすごくわかります。痛いほどわかります。そのうえで、私も前回、行く前にいろいろお話を申し上げまして、行かないリスクと、行くリスクを考えたら、行かないといけない。今度は、実は具体的な協議とか、交渉をして、どうしようということではなくて、我が国の考え方をはっきり伝えるというのが一番の目的ですよ、と」
遠藤キャスター
「視聴者からメールです。『今頃になって、拉致被害者を、第一優先だと主張するのはおかしいのではないか』と。『そんなことは、ストックホルムで済ませておくべきだったのではないかと思います』という意見があるのですが」
古屋議員
「ストックホルムでもそれはやっています。徹底的にやっています。ですから、ストックホルムでああいう協議がペーパーででき上がった背景は、あの時も2日間ぐらい、ガリガリやっているんですよね、伊原局長は風貌が割と紳士っぽいですから、あまり大声を上げて話すタイプではないですけれども、でも、実際、協議をしている時、皆参加している仲間に聞いているとタフネゴシエーターですよ」
反町キャスター
「その意味でいうと、ストックホルムでも言った。ただし、同じことを平壌まで行って、徐大河氏に直接言う…」
古屋議員
「これは大きいですよ。前の宋日昊氏というのは全然、そういう当事者能力が全くないですからね。今度は少なくとも、徐大河氏というのは国防委員会のメンバーだし、今度はそういう特別な権限を与えられているわけですから。そういう人間が出てきた前で、しっかりそれを伝えたということは大きいですよね」

日朝協議はどう進めるべきか
遠藤キャスター
「今回の訪朝の前から、日本の政府は徐大河氏が出てくるということはわかっていたことですか?」
古屋議員
「いや、当初からはわかりません。私は万が一、徐大河氏が出てこなかったら、こんなものちゃぶ台をひっくり返して、北京に戻ってしまえばいいと、こういうことを申し上げています」
反町キャスター
「彼に直接、言うことが最大の眼目ですか?」
古屋議員
「そうです」
反町キャスター
「それを外したら意味がなかった?訪朝は」
古屋議員
「意味がなかった」
反町キャスター
「外務省に対する不信とか、家族会にしてみたら、頼れるのは拉致議連であり、自民党しかない。安倍さんしかいないと、これは正直、私の目からそれしかないというのはわかります。文句はあっても、不安であっても、不安感はあっても、頼れるのは拉致議連であり、自民党しかない、安倍政権しかないという、これはわかるのですが、でも、節々いろんなところに交渉の担当者、ないしは政府に対する漠とした不満感、不安感とか出てきているのですが、これを古屋さんはどう感じていますか?」
古屋議員
「これは長い歴史ですよ。20年間、こういう運動をされてきている中であって、外務省がこの拉致問題解決に非常に後ろ向きだったことが現にありますからね。これは、猛烈な不信感ですよ。かつてある局長が、拉致被害者10人のために日朝国交正常化が犠牲になっていいのかという発言をした。しかし、現在は斉木事務次官のもと拉致問題を解決するのが安倍内閣の最重要課題の1つであってということは、1番わかっていますよ。ですから、当然、拉致問題の解決なしで、まさか支援するとか、正常化していくなんてことはあり得ない話なので、これはもう十分に北朝鮮自身もわかっていますよね」
反町キャスター
「平井さん、今の意見はいかがですか。外務省に対する家族会の不信感や不満感、それと政治の受け止めみたいなものをどう見ていますか?」
平井氏
「僕は、役割分担があると思うんですね。要するに、この対話のパイプというのは現時点では外務省が持っているわけですよ。そうしたら、警察の方が行かれ、あるいは拉致の会の方が行かれて、水面下での交渉も含めて、現在の北朝鮮でこの対応を動かしている人達と従前にネゴシエーションができているかというと、それは残念ながら、非常に可能性は低いわけですね。それは、現在のところ、外務省を窓口にやってきたわけです。もう1つ、北朝鮮の側も宋日昊日本担当大使には調査とか、特別委員会の権限がないように、実際の細かい事案に入ってくると宋さんは横に除けたわけですよ。日本側もおそらく統括的な北朝鮮との外交交渉は外務省がやるのでしょうけれども、個別の拉致の問題とか、行方不明者の問題、あるいは日本人配偶者や在留日本人の問題もそうですけれども、個別の問題に入ってくると、窓口は外務省ではなくて、警察とか、遺骨の問題でしたら厚労省。そういうところ、実際の問題を担当している省庁の方が前面に出てきて、調査特別委員会とやりとりするという、当然そういう方向性は、私は出てくると思いますし、そこの日本の政府としての役割分担というものがあるのではないかと、私は思います」
反町キャスター
「国会議員が表に立つべきかどうかという議論というのは、どう感じていますか?」
古屋議員
「それはよく出ますよ。たとえば、今度の交渉の当局者は、政治家じゃないと。政治家がやるべきだというのは、たとえば、政府与野党連絡会等々でも出ていますよね。これはたぶん平沼(赳夫)先生が、先週の木曜日だったかな、夕方に会ったあと、ぶら下がりでも、そういう主旨のことを記者に言っておられたと思いますよ。それは、その場で出た話ですから。だから、我々はありとあらゆる手段を尽くすということですね。これは現時点でのお答えですね」

今後の調査報告どう求める
遠藤キャスター
「日本側はどのように調査報告を求めていくのでしょうか?」
古屋議員
「まず迅速に調査をするというのは、既にストックホルムの時にそういう中身になっていますから、あの協議、合意内容は生きていますから。ですから、だらだらやるものではないと。5月あるいは7月の時に官房長官がだらだらやるものではないと。むしろ1年をメドにというようなことを言っていましたけれど、だらだらやるものではないというのが主語だということだと思います。それから、もう1つ、現時点で決まってないというのは、そうですね、昨日の今日で終わったとこですから。少なくとも年内の報告というのは、官房長官の会見の原稿を全部見ますと、質問者の記者の方が年内報告をするのが常識的だと思いますが、という言い方をしたので、それをフォローする言い方をしてるんです。だから、自らの意思によって年内の報告が常識的と言ったわけではないので。それは事実です。ただできるだけ速やかに、迅速にやるということは北朝鮮もわかっているはずです」
反町キャスター
「1年とこだわらない方がいい?」
古屋議員
「だから、期限を区切ることにメリットがあるのか、デメリットなのかということもありますので、あまり無駄なことは言わない方がいい。できるだけはやくやると」
平井氏
「私は、第1回の報告とか、中間報告とか、そういう言葉にこだわる必要はないのではないかと思うんです。ある意味では、今回の訪朝によって得られたいろんな言説というのは、基本的な彼らの姿勢を我々が入手したわけですから、これは考え方によっては第1回の立場表明と受け止めることもできわけですから、その言葉尻で第1回とか、中間にこだわるのではなく、私がずっと思っているのは頻繁に会って、頻繁に情報を引き出すという努力がむしろ必要ではないかなと。平壌でやる場合もあるでしょうし、北京でやる場合もあるでしょうし、それは討議する案件によって、いろいろ場所は考えるべきだし、場合によっては東京でやってもいいわけですから」
遠藤キャスター
「会えば会うだけリスクがあるのではないのかなというのは?」
平井氏
「会わなければ、北朝鮮は動かないですよ。交渉しなければ、彼らの方が自主的に情報を出してくるというのはあまり期待できないと思います」

北朝鮮の拉致再調査 日本が切れるカードとは
遠藤キャスター
「日本の独自制裁の解除はどのくらいの効果があったと思いますか?」
平井氏
「ほとんど北朝鮮側に実利はなかったと思いますね。1つは、北朝鮮の船舶はまだ日本にはたぶん入港していませんし、在日朝鮮人の現在の状況で、送金の枠は拡大されたからといって、たくさんのお金を送る余裕のある方はそんなにいると思いませんし、人的往来に関しては朝鮮総連の議長が行ったという事実はありますけれども、総連の幹部以外の方はこれまでも往来はできたわけですから、現実的に、北朝鮮側はこの独自制裁の解除によって実利を得られたということは非常に限定的だと思いますね」
反町キャスター
「もともとの制裁そのものを含めて経済制裁、ないしは経済制裁解除。つまり、制裁というカードを出したり、引っ込めたりすることは北朝鮮との交渉において有効なカードたり得るのか、ここはいかがですか?」
平井氏
「それは有効だと思いますね。ですから、制裁解除といった場合に1番大きいのは貿易だと思います。日朝貿易を認めるという、ここが非常に大きなメリットになる部分ですよね。ですから、もし今回の独自制裁の解除に、北朝鮮が利益を見出すならば、それは日朝貿易の実現に対するプロセスとして、こういう実利はないものではあるけれども、こういうもの、解除しやすいものをまず解除して、現在の輸出入を禁止されている状況を解くことが、行き着くプロセスだと彼らは考えている可能性はあると思いますね」
反町キャスター
「これまで日本が北朝鮮に課してきた制裁は効果があったのか?」
平井氏
「私は今月、平壌を訪問したのですが、そこは否定的ですね。日本の経済制裁がそれほど北朝鮮に効果があったとは思えない。北朝鮮の経済は良くなっていますし、中国への依存度が高まっていますけど、中国は核問題などに対して制裁を加えたりしていますが、基本的に北朝鮮を支える姿勢には変わりはありませんし、向こうの食糧事情、電気の状況、物資の豊富さを考えると、日本の制裁が北朝鮮をそれほど追い込んだとは、私は感じることはできませんでした」
遠藤キャスター
「日本の交渉カードについて」
古屋議員
「平井さんはあまり効果がなかったとおっしゃっていますけれども、それは、オールマイティーではないですよね。でも、これは効いている部分はかなりある。我々がいろんな情報をとってくる中でこの制裁は効いているということは間違いないと思いますね」
反町キャスター
「国際世論に訴える、これはどうなのですか?」
古屋議員
「効きました。特に3月の国連の人権委員会、COIの報告書。あれは、北朝鮮は相当堪えていますね。北朝鮮と言え、国交している国はあるわけですよ。そういう国々が人権侵害としての拉致問題というものの存在があるということをはっきり認識したこと、だから、飯塚さんは、ジュネーブに行っていただいて、それで意見表明をしていただいた時に、北朝鮮の当局者はワーッと大声で騒いで、そのまま反対と言って、席を立ったわけですよ。ニューヨークでも同じようなことがありましたね。こうやって国連を通じて国際社会に訴えるというのは効いてるんです。効いていなかったのならそんなにギャーギャー大騒ぎしませんからね」
反町キャスター
「人権カードは北朝鮮に対して効果があると思いますか?」
平井氏
「効果があると思います。北朝鮮自体の人権問題に関する反応が非常にナーバスになっています」

古屋圭司 自由民主党拉致問題対策本部長の提言:『胸突き八丁の協議に勝つ!!』
古屋議員
「私は最初にこのストックホルムの合意があった時から、ここからがスタートだと、胸突き八丁の協議だということを申し上げたけれども、まさしく現在そういう段階になってきたんですね。北朝鮮はそういう国ですよ。情報はほんのちょっぴり、奪いとるものはたくさんという国だから、我々はしっかり勝ちとるものは、何と言っても拉致問題の完全解決ですから。そのために胸突き八丁の協議に絶対勝つと。この覚悟と決意が必要ですね、という意味でこう書きました」
遠藤キャスター
「完全解決というのは?」
古屋議員
「我々は拉致被害者の全員の帰国、実行犯の引き渡し、原因究明とか。今度の協議の中でも、実は実行犯のことについても、ちょっと具体的なことは言えませんが、話が出たみたいですよ」
反町キャスター
「実行犯は処刑されたみたいな話がありましたけれど…」
古屋議員
「そういうのはありますけれども、ちょっと中身は言えないですが、そういう10時間やっていますから。いろんな話ができるんですよ」
反町キャスター
「実行犯は日本側でも引き渡しを求めていますよね」
古屋議員
「もちろんです。それは、全員の帰国、原因究明、実行犯引き渡し」
反町キャスター
「日本側が実行犯の引き渡しという従来の要求を言ったのに対して、向こう側から何らかの説明があったと、こんな理解ぐらいまではいいですか?」
古屋議員
「その程度ぐらいにしておきましょう」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言:『これからが本番』
平井氏
「事実上、今回の平壌での協議というのが実際的な協議のスタートだったと思うんですね。ストックホルム合意を非常に評価はしますけれども、ここで1番僕が危惧したのは、拉致問題の解決とは何なのか。古屋さんがおっしゃった3つの原則についての認識の一致ができないまま再調査がスタートしたわけです。ですから、おそらく今後は、たとえば、全員というのはどこまでなのかとか、真相究明の範囲であるとか、犯人というのはどこまでなのかということを詰める、本当に厳しい協議がこれから始まっていくのだろうと思うんですね。もちろん、拉致が最重要ですけれども、私はずっと日本に帰りたがっている日本人妻とか、残留日本人の方達の問題も深刻な人道問題ですから、その方達の思いというのも切り捨ててはいけないと思うんですよね。そういう問題も含め、これから本当に胃の痛くなる交渉が続くのではないのかなと。これからが本番だという気がしますね」