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2014年10月28日(火)
エボラ熱と大都市感染 現地で見た脅威と日本

ゲスト

橋本岳
厚生労働大臣政務官 自由民主党衆議院議員
岡部信彦
川崎市健康安全研究所所長
大滝潤子
国境なき医師団看護師

日本 エボラ感染検査 水際対策は?隔離病棟は?
秋元キャスター
「エボラ出血熱が流行している、西アフリカのリベリアから羽田空港に到着した40代の男性が発熱していたために検査を行っていましたが、今朝、陰性だと発表されました。その男性ですけれども、今年8月から10月中旬までの2か月間、取材のため、リベリアに滞在していたカナダ人ジャーナリストで、リベリアと言いますと、被害が最も甚大な国の1つで、感染者は4655人、死者は2705人と、全体の半数以上にのぼっているという国です。男性はブリュッセル、ロンドンを経由して羽田空港に昨日午後、到着。羽田空港の検疫所で、西アフリカにいたと自己申告をしてきたため、検温すると、37.8度の発熱があったということです。エボラ出血熱に感染している可能性があったため、国立国際医療研究センターに搬送されました。男性の血液など検体を国立感染症研究所に送り、その結果を厚生労働省は、今日の朝に陰性だったと発表しました。現在、男性は平熱に戻ったものの、経過観察のために大事をとって入院をしているということです。今回、空港での検疫所の対応、それから、病院への搬送など、感染しているかどうかの検査などですが、事前の準備と比べて、どうだったのでしょうか?」
橋本議員
「厚生労働省としては、当然ながら、どんどんエボラ出血熱の危険が拡大しているということは認識をしていて、たとえば、地方自治体、保健所を持っていますから、そういったところに関しては、8月にこういうような手順でというようなことを、確認するような通知をし、あとは検疫とか、医療機関などにそういう様々な対応をするようにということは伝えていました。昨日の例についてはスムーズにその手順に沿って、だいたい物事が進んで、結果として、感染が疑われている方も陰性だったということで良かったなと思っています」
反町キャスター
「一緒に同じ飛行機に乗っていた他の乗客に対しては、空港での足止めだとか、禁足はかけていないですよね?」
橋本議員
「はい」
反町キャスター
「これについてはいかがですか。たとえば、そこで発熱の具合によって、その時点で空港のビルから何人か出ちゃっているかもしれないけれども、禁足と言うのは変かもしれないけれども、ちょっと待ってくださいと。現在機内でこういう状況なので、というような対応というのは、現在の政府の体制ではとれないものですか?」
橋本議員
「まずは1つ。これは岡部先生から教えていただいた方がいいかもしれませんが、仮に感染された方、多少熱があるなという方が同じ飛行機に乗っていたからと言って、皆リスクがすごく高かったということではないことは、まずご理解いただいた方がいいと思います。そのうえで、昨日の例について言えば、検疫で熱があるとか、そういうことがわかったということですから、当然、皆さん、飛行機を降りてそれぞればらばらと通っていたあととか、その時に発覚しているということがあります。昨日のことについて言えば、この人はそうかもしれないという疑いが出たという段階で、乗員、乗客の方々に、後ほど、連絡ができるようにという準備はその航空会社とかに連絡していました」
反町キャスター
「全便ということですか?その便ですか?」
橋本議員
「その便についてです。仮に、その方の要請であったということは、それこそ隣に乗っていた方、あるいは何らかの形で接触があったという可能性は否定できませんので、ご連絡をして、体調に異常がないかとか、あるいは連絡先を準備していたんですけれど、こちらの方で何かあったら連絡をしてくださいねとか、そういうようなことをご案内するという準備をしていました」
岡部氏
「飛行機の中で感染が広がるということが、これまでの病気で言えば、たとえば、結核とか、はしかであるとか、極めて限られている病気ですね。それから、新型インフルエンザの時も随分調査をしましたけれども、明らかに機内で罹ったと思われるのは、日本ではないですね。それは、ああいう飛沫感染が飛ぶような、インフルエンザのような感染ですら、飛行機の中ではあまりない。まして、血液とか、吐いたものとか、いわゆる血液、体液でうつるような感染がメインであるこの病気が、隣にいた人から何もなしにうつるということはないから、その分だけリスクは下がると思うんですね。なおかつ彼は発熱が出てすぐか、ちょっと経ってからぐらいで発熱はピークになっているという状態ではないということを考えれば、リスクは低い。そうすると、あれだけの多くの方に迷惑をかけるという必要はないので。ただし、万が一、もし症状があったら教えてくださいと。あるいはこちらから聞くというのは必要だろうと思いますね」

エボラ診療の看護師に聞く シエラレオネの凄惨な現実
秋元キャスター
「世界保健機関、WHOによりますと今月23日時点で、エボラ出血熱の感染者は疑い例を含め、西アフリカのリべリア、シオラレオネ、ギニアを中心に世界8か国で1万0141人となっていて、死者数は4922人となっています。致死率が高いのが特徴で、医療従事者も443人が感染し244人が亡くなっています。今日のゲストの大滝さんは、エボラ出血熱の感染者が集中する西アフリカのシエラレオネに国境なき医師団のメンバーとして8月3日から9月10日まで派遣されていました。この国境なき医師団というのは、中立、独立、公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間非営利の国際団体で、昨年は3万6000人以上のスタッフがおよそ70の国と地域で活動をしています。大滝さんは今回、なぜシエラレオネに行くことになったのでしょうか?」
大滝氏
「私は、4月から6月まで長崎大学の熱帯医学研究所の研修課程にいまして、それは国際保健ですとか、感染症、ウイルス性の感染症とか、そういうところは、3か月で研修するところですけれど、ちょうどそこに前の年から行くことが決まっていまして、3月からギニアの方でエボラ出血熱が流行り出したということで国境なき医師団も施設をつくって働いていたんです。4月から6月というのはそういうウイルス性の疾患ですとか、そういうものを習っていましたし、本当にエボラがいったん収束したかのように見えましたけれども、また感染が拡大してきたという、そういうリンクがありまして、勉強しながら、そのニュースをフォローしていました。私も国境なき医師団に2012年から参加していますので、どうにかして、その一員として、現在勉強もしていますし、正しい知識が得られたということで参加し、少しでも助けになればと思って、プロジェクトのマッチング、ミッションをマッチングするマネージャーがいるのですが、その人にこういう感染症とか、そういうプロジェクトがあれば行きたい。現在エボラがありますので、むしろ、そういうオファーがあれば、是非行かせてくださいと言っていました」
反町キャスター
「病院といっても、テントですよね?」
大滝氏
「はい」
反町キャスター
「隔離病棟というと、普通、イメージでいうと、非常に気密性が高くて、密封された中で、エアロックみたいなのがあって、そういうものがここに造れられるとは思いませんけれども、プラスチックだけの、ここから先は隔離だよという、あの隔離の状況というのは、どう受け止めたらいいのですか?」
大滝氏
「エボラ出血熱についての見解というか、知識ですけれども、空気感染はしないということと、必ず規則では2メートル離れれば、エボラのウイルスの伝播はない。もちろん、接触感染ですから、直接、患者さんに触ったり、体液に触ったりしなければ感染をしないということと…」
反町キャスター
「2メートルとは何ですか?」
大滝氏
「2メートルとは、たとえば、エボラウイルスに感染した患者さんがそこにいたとしたら、必ず防護服を着ていない状態では、必ず2メートル離れるという規則があります」
反町キャスター
「たとえば、ツバとか、いきなりあげてしまうとか、安全、セーフティーエリアというか、その距離がそのぐらいだという」
大滝氏
「そうです。たとえば、くしゃみをした場合、飛沫は、だいたい1メートルで、菌などが落下すると言いますので、これはもう2メートルという、1メートル、プラスまた1メートルという安全ですね。2メートルとって接するというか、患者さんに相対することで、本当に規則として決まっていました」
秋元キャスター
「実際に向こうに行かれて、日本で想像していたのとどうでした、違う部分というのはありましたか?」
大滝氏
「ある程度、研修課程でどう伝播して患者さんがどういう症状で亡くなっていくというのかというのは知識として身についていましたので、特にそんなに大きなイメージの差というのはなかったですね。ただ、亡くなった方が多かったので、そういう意味ではショックは大きかったですけれども」
反町キャスター
「実際、大滝さんがいたところは、1日に何人ぐらい患者が搬入されて、何人ぐらいが常に入院していて、何人ぐらいが1日に亡くなっていくという、ペースはどのぐらいですか?」
大滝氏
「施設自体、私がいた時は80床のキャパシティですね。現在、96床まで拡大したようですけれども、だいたい平均して、患者さんが5人ほど、1日に入院してくるとします。いっぱいだった時は80床の時もありましたけれども、だいたい平均で60床、多くて70床ぐらいで推移していまして、また、退院される方も、たとえば、5人とか、その日によって違うんですけれども、いらっしゃる時もあります。亡くなる方は、半数以上いますので、そういう意味で、入って来られた方と亡くなられた方、退院された方ということで、だいたい60人ぐらいで毎日推移しています」
反町キャスター
「隔離病棟といっても、たとえば、症状の軽い人、重い人、非常に危機的な状況の人で、レベルでわけたりするものですか?」
大滝氏
「レベルで分けられれば1番理想的ですけれど、ただその回転がはやい。毎日、患者さんがいらっしゃって、一番多い時は17名も来た時もあったんですね」
反町キャスター
「一度に?」
大滝氏
「ええ、1日に。たとえば、血液検査でエボラが確定しました。本当に確定遺伝に入ってきます。回転がすごく早いですので一番重症の方とか、軽傷の方とかを分けられれば、一番、本当に理想的ですけれども、それができない現実があった。どうしても制限があったというか」
反町キャスター
「そうすると、入ってきたばかりの人の隣にいる患者さんが亡くなってしまったようなケースも、しばしば起きる?」
大滝氏
「はい。それはありました。本当に残念なことですし、私達ももうちょっとそういうふうにコントロールできれば良いんですけれども、エボラ出血熱自体の進行がはやい。本当に元気で、少しは症状があっても比較的ご自分で歩けたとしても、本当に数時間後にすごく症状が劇的に重くなって」
反町キャスター
「数時間で変化するものですか?」
大滝氏
「数時間で変化する方もいらっしゃるんです。ですので、本当に予測ができないことと、先ほども言いましたけれども、回転がはやいということで、なかなか軽傷、重症のコントロールが難しかったですね」

エボラ出血熱 越境する感染リスクと対策
秋元キャスター
「エボラ出血熱というのがどういう病気かということですが、岡部先生、ちょっと説明してください」
岡部氏
「エボラ出血熱はエボラという場所で見つかったウイルスに名前をつけたのですが、紐型のエボラピロウイルスというのが元です。ウイルスが体の中に入ってくる。これが空気中にあるようなウイルスではなくて、おそらくは患者さんが持っている、たとえば、血液の中のものが、また違う人の血液の中に入り込む。そういうふうに感染をするのですが、感染をしてすぐに症状が出るわけではなくて、体の中でウイルスが増えるのに数日間いるんです。それがうんと早い人だと2日間ぐらいであり、長いと2、3週間。そのぐらいの、これは余裕を持つんですけれど、だいたいは1週間から10日前後ぐらい。ただ、感染症というのはあまりこれだという症状ではなくて、熱があるとか、だるいとか、それから、のどが痛いとか、これは全くインフルエンザと同じような症状なわけです。ただ、それが非常に激しくくると言われていますし、これに頭痛、筋肉痛が入れば、この間のデング熱と同じ症状になる。ただ、それがこのままで終わっちゃう人もいるんですけれど、聞いた話ですけれども、吐いたり、下痢をしたりという症状が加わってくる人が結構多く、それに出血が加わると、かなり重症化のサインであると。全員に出血症状が出るわけではないんですけれども。これがノロウイルスは書いてあるけれど、それよりはもっと出血ということでは激しい症状が、ここでは死亡と書いてありますけれども、根本的な治療がなくても指示的な療法、たとえば、点滴をきちんとやるとかですね」
反町キャスター
「その点滴内容というのは、補水ですか?」
岡部氏
「そうですね。ああいう瓶の中の成分ですね。そういうものをきちんとバランスよくやるとか、そういうようなことがあれば致死率はグッと下がるとは思いますけれども、しかし、ある一定のウイルスの方が勝ってしまうという意味では他のウイルスよりも強いので、これは一応、デンジャラスウイルスであるというような分類にはなっています」
反町キャスター
「大滝さんの話ですと、入院した患者さんが、たとえば、数時間で症状が劇的に悪化して、あっという間に亡くなっていくようなケースがあるという話、それはどう見たらいいのですか?」
岡部氏
「体の中に入ったウイルスと、それの増え方。あと体とウイルスの争いだと思うんですけど、非常に急速にウイルスが増える病気であって、私もだいぶ前の時のザイールとか、そういう時に、子供さんが元気で入ってきたように見えても、翌日は冷たくなっているというようなことは、私のスタッフからもそういう話が出ています。ただ、皆がそういうケースではないので、もちろん、スローにやって、その方が回復の率は高いですね」
秋元キャスター
「その違いは何ですか?」
岡部氏
「それはもうちょっと医学が進んでくると、ああいう病気が、仮に先進国であるならば、もっといろんな検査ができると思うんです。免疫反応であるとか、それに対する、サイトカインという抵抗力とかですね。でも、現在はそういう差がわからないと。それを調査する段階では現在はないと思っていますね」

防護服での過酷医療
秋元キャスター
「実際に、国境なき医師団で使用している防護服ですが、大滝さんはこれを着て活動されていたということですけれども、かなり暑いですよね」
大滝氏
「かなり暑いですね。中は本当に汗が吹き出していますので、しかも、外気温も高いですし、かなり湿度も高いので、現地では。かなり暑いですね」
秋元キャスター
「現地は30℃ぐらいですか?」
大滝氏
「そうですね。現在ちょうど雨季ですけれども、雨が降ると25℃程度ですが、晴れてくると30℃を超えていますね」
反町キャスター
「これは完全に皮膚を外に、全く出さない状態になるわけですか?」
大滝氏
「はい。もう全部カバーしていますね」
反町キャスター
「これは脱ぐ時とか、着る時とか、1人で脱いだり、着たりできるのですか?」
大滝氏
「着る時は介助をする者がいますが、脱ぐ時は基本的に1人で脱ぎます」
反町キャスター
「脱ぐ時が1番危ない時ですよね」
大滝氏
「1番危ないんですけれども、国境なき医師団のルールとしまして必ずスプレーをする者が1人います。その者が監視役となっているんですけれど、必ず出る時は首から下の全身を塩素水でスプレーします。全部濡らします。手も洗います。そこから、たとえば、グローブを脱いでいく。そして手を洗う。次はエプロンで手を洗うという、この作業ごとに必ず塩素水で消毒していますので、1人で脱いでいくという形になります」
反町キャスター
「医療行為というのは何時間ぐらいやるのですか?」
大滝氏
「ルールで決まっているのは、1時間以内と決まっています。もちろん、マスクの効果であるとか、あとは体力、集中力の問題もありますので必ず1時間以内に抑えなさいということにしています」
反町キャスター
「1時間経ったら脱いで、休憩をとって、また戻るという形ですか?」
大滝氏
「はい。かなり時間を空けます。本当に疲労しますので、脱水にもなってしまいますので、必ず十分な時間をとって自分の体調と相談しながら、必要があれば、もちろん、あまり時間を空けずに入ることもありますけれど、基本的には時間をおいて、体を休めて、必要があれば、また次入るという」
反町キャスター
「大滝さんは1日何セット?セットというとトレーニングみたいですが」
大滝氏
「これは基本的には3回と言われていましたので3回。2回の時もありましたし、3回の時もありましたが、本当に忙しく、本当にスタッフが減ってしまった時期は、自分の体調と相談しながら5回入ったこともあります。でも、これは数回しかないので、これは理想的ではないですけれども、必要があって入ったということですね」
反町キャスター
「脱いだり、着たりする時、患者に医療行為をする時、どういう時に、医療従事者が感染するのか?その経路はどういうものだと感じますか?」
大滝氏
「もし隔離病棟で感染してしまうリスクがある場合は、たとえば、何か肌が露出していた、たとえば、患者さんの体液が飛んでしまい、それが入っていってしまったとか、どこかの皮膚が露出していて、たとえば、そこに傷があった場合、そこに飛んでしまった場合というのは本当に感染の危険なリスクになりますけれども、本当にちゃんとカバーをして、2人1組で隔離施設に入って、チェックしあいますので、これはそういう危険性は、隔離病棟では、私達のケースではなかなかなかったのですが、本当に必ず1つ1つ注意をしてパートナーで監視しあっていますね」
反町キャスター
「たとえば、ローカルスタッフ、現地の病院で働いていた、その看護師、医者も病院の中ではなくて、地域のコミュニティで感染したという話がありました。これはどういうことが原因で地域において現地の社会において感染していくのか。それは何が要因になっていくのですか?」
大滝氏
「これは難しい質問だと思うんですけれども、現地の状況では、カイラフンの町自体で亡くなっていく方がいた。皆が集まるような場所で亡くなっている方が追跡の結果、この方が亡くなったんだけれども、本当にいろんな方がその方とコンタクトをとっていた。そういう調査もしているんですけれど、病人がいる地域、自分の生活圏にいる時に、本当にエボラの症状が進みますと、嘔吐をし、下痢とかしてしまいますので、そういう体液がどこに残っているかわからないとか、そういう本当に危ういですね、危ない環境ではあるんですよ」
反町キャスター
「葬儀の件を言う人もいたんですけれども、亡くなった人の埋葬の仕方。それも問題になったりするのですか?」
大滝氏
「これは初めから言われていたことですね。エボラ出血熱が本当に流行していた時には、これがかなり土着の文化である、お葬式の時に亡くなった方の体を洗う。その時に体液が付着してしまう」
反町キャスター
「洗うのですか?」
大滝氏
「そういう風習があったと聞いていますけれど。それでウイルスが体内に入ってしまう。感染が広がっていく。これが本当に1つの一因であったとは聞いています」
反町キャスター
「それは、リべリア、シエラレオネ、ギニア、そういう全ての国に共通の風習ですか?」
大滝氏
「これは共通の風習か、私もちょっとわからないのですが、少なくとも私がいたシエラレオネ、あとその周辺、私がいたカイラフンというのは本当に3国の国境のあたりにありましたから、少なくともそこに関してはそういう風習はあった」
反町キャスター
「たとえば、現地に展開する、国境なき医師団やら、他の皆さんから、それはやめなさいと言わないのですか?」
大滝氏
「国境なき医師団も啓発活動を行っていまして、現地に、村に出向いて行って、少し遠くの村に車で行って啓発活動を行っていましたので、少しずつ、少しずつ。また、赤十字も、たとえば、亡くなった方には触らない、赤十字が遺体を処理しますからという、そういう啓発活動も行っていましたので、徐々に、徐々に、そういう知識というか、それが広がっていったということですね」

感染する医療先進国 アメリカのエボラ対策
秋元キャスター
「アメリカの看護師の2次感染は、完全防護をしていたのになぜ起きたのですか?」
岡部氏
「先ほど、大滝さんがおっしゃったように、ちょっとしたところの隙間であるとか、あるいはふっと触ってしまうとか、おそらくそんなようなことは想像ができると思うんですね。ですから、詳しい状況がわかっていないので、その人がどういう行動をしたかというのはわからないので、あまり勝手なことは言えませんけど、医療側からすれば1人、1人の方が、患者さんに接する人はちゃんとしたトレーニングを受ける。それを事前に、慌ててやっても間にあわないので、普段から基本的な感染(対策)はそんなに難しいことではないので、きちんとやる。それに応用問題として防護服みたいなものが入ってくれば、功を奏するけれど、急にやってもなかなか身につかないわけで、そういうことを日本ならば、きちんとステップを踏んで教育したり、学んだりが必要ではないかと思うんですね」
橋本議員
「日本はそうした感染症に対応できる、特にエボラ出血熱をはじめとする怖い感染症に特に対応できるということで、特定感染症を指定している医療機関とか、第1種感染症をみる医療機関というものが、合計全部で45か所あります。そうしたところでは防護服を普段から備蓄しているとか、訓練をしているし、今回のことも受け、もう1度きちんと着たり、脱いだりの訓練をしようとか、全国で来月にもう1回研修会を開くということをさらに徹底しようとしているところです」
秋元キャスター
「国境なき医師団の方も感染しました」
大滝氏
「これは、私も非常に敏感に反応してしまったんですけれども、非常に残念だと思いますね。本当にこればかりは残念としか言いようがなかったです」
秋元キャスター
「日本に帰国されてからは、どう過ごされていたのですか?」
大滝氏
「帰国してからは、潜伏期間が2日から21日ということで、厚生労働省の指示もありますけれども、1日2回、体温を測り報告をする。これは厚労省の行動指針になりますが、あとはマラリアの治療を完了する。これはミッション後も最低7日間マラリアの予防薬を飲みます」

越境する感染リスクと対策
反町キャスター
「なぜマラリアとエボラ出血熱と関係あるのですか?」
大滝氏
「症状が似ているので、たとえば、発熱ですとか、微熱、初期症状として、同じような症状になります。マラリアだった場合、ややこしくなるので、リスクをとるということです。『自身に発熱などの症状がないか注意する』は基本的に自分の体調は自分が1番よくわかりますので、どういう症状かを注意するということです。あと『隔離施設のある指定病院に4時間以内に受診できる場所に滞在する』は、あまり遠くには行けないですね。国境なき医師団からも、あなたはここに住んでいるので、この指定病院に行きなさいと。ここが指定病院ですと指示されていますので、その周りにいるようにするということですね」
反町キャスター
「診療後の3週間の所得保障はどうなるのですか?」
大滝氏
「それは国境なき医師団から、この期間は支払いをしますとの契約のもと、していますので」
反町キャスター
「シオラレオネに行ったのは3か月?」
大滝氏
「6週間」
反町キャスター
「6週間のペイもあるのでしょうが、その後の3週間もある?」
大滝氏
「それはある」
反町キャスター
「これは命がけの仕事だと思っています。それの単価は?どのくらいの報酬をもらっているのですか?」
大滝氏
「国境なき医師団の初任給は14万7000円、15万円弱ですね。それと経験年数によって上がっていきますが、基本的には初任給は15万円弱」
反町キャスター
「6週間と3週間、2か月ぐらいですよね。その2か月間の国境なき医師団の対価というのは30万円プラスアルファぐらいなのですか?」
大滝氏
「(経験)年数によるので、その方によって違うのですが、私は1年を過ぎて、少し昇給したのですが、それでもなかなか…」
反町キャスター
「ミッションからミッションの間の給料は出ないんですよね?」
大滝氏
「そうです。たとえば、2か月の契約ですと2か月分の契約として契約していますので、次にミッションがあって行くとまた契約になるわけですから、そのミッションまでの間は契約という形ではないので、給与の支払いなどはないですね」
反町キャスター
「ぶっちゃけて言うと、命がけで15万円かい、とは思いませんか?」
大滝氏
「私はお金に関してはあまり考えていませんので、現地に行って、とにかく現場を見たい、何か助けになるのであれば行きたいという想いが強い。ただ、こうやって一生を過ごすわけにはいかないかなという気持ちもしていますから、自分の将来ももちろん、考えていますけれど、現在はこれが自分の生きがいとしてやっていますので、あまり給与の面は考えていません」

エボラ出血熱 水際の戦い 国内感染どう防ぐ
秋元キャスター
「陽性だった場合、どこで検査をすればいいのですか?」
橋本議員
「陽性だった場合、どこで検査するのかというのは、検査したら陽性だったということだと、もちろん、思うんですけれど、今回まさにそういうフローをたどったわけですが、その検疫で西アフリカの方から帰ってこられた方に熱があり、疑わしいですねということになり、その方は国立国際医療研究センターの方に搬送され、そちらで現在、入院をされている状況になっています。国立感染研究センターで、検体から検査をして、今回は陰性だったということですが、仮に陽性だったらそのまま国立感染研究センターにご入院をいただいて治療にあたることになると思います。エボラ出血熱が治療できる指定医療機関が全国に45か所ありますので、空港で見つかる場合もあるでしょうし、アフリカから帰ってきて熱が出た場合は、まず保健所に連絡をいただいて、そうすると、保健所は感染症対策のいろいろな訓練、トレーニングをしています。そこが搬送を適切なところにするということになるように現在フローとしてはなっています」
反町キャスター
「45か所の指定医療機関の体制をどう見たらいいのですか?」
岡部氏
「人口別で考えてあるので、ある程度は適切だとは思うんですけれど、なかなか県を超えて動くというのは、自治体で難しいので、できれば都道府県に1か所あった方がいいと思いますけれども、そこは連携をいろいろとる方法もあると思うんですよね。ただ、肝心なのは病院、あるいは病棟という箱があってもそこにちゃんと感染症を診られる医者と看護師と検査ができるスタッフがいる。つまり、ソフトです。ソフトの部分がちゃんと充実していないと。実際にそれだけの感染症の専門家というのは残念ながらいないですね。それは全体の医療の底上げというのが必要なので、そこはぜひお願いしたいところです」
反町キャスター
「昨日の対応で血液の検査をする機関の問題があると聞きました。現在、武蔵村山の研究施設が日本で唯一、エボラが発見された時の対症療法とか、発見ができる場所と聞いているのですが、施設はあるのだけれども、地域住民の賛成が得られなくて使えないという状況という理解でよろしいのですか?」
橋本議員
「はい、それで結構です」
反町キャスター
「それについて厚労省としてはどういう対応というか、姿勢で臨まれるのですか?」
橋本議員
「これは、昨日、今日のことと関係なく前からそういう状態というのは続いていましたし、今おっしゃっていただいたように私達もこれは稼働していた方が望ましいと思っています。せっかくつくったのだから当然ですよね。ですので、厚生労働省としてはきちんと粘り強く、今お話していただいたようなことを具体的にどんな対策をしているか、どういうことがリスクとして考えられるのか、それに対してどうするのか、そうしたことをきちんとご説明をして、ご理解をいただくように粘り強く取り組むという姿勢ですね」

大滝潤子 国境なき医師団看護師の提言:『冷静』
大滝氏
「私達にエボラ出血熱が本当にリアルなものとして捉えられてきて、ニュースでも多く報道されていますけれども、正しい知識を持つことです。どう感染するのか。たとえば、空気感染とか、エボラのウイルスは消毒薬、たとえば、石鹸で死滅するですとか、あとは日光でも死にますから、そういう正しい感染経路、どのように移るのかというのを正しく理解していただいて、たとえば、日本にエボラの疑わしい患者さんが入ってきても、だからと言って、いっぺんに感染するわけではありませんし、私達も45の医療施設がありますので、正しい知識を持って、冷静になり、パニックにならないという意味では非常に大切だと思いますので。この言葉をあげさせていただきました」

岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長の提言:『普段からいかに手の内を増やすか』
岡部氏
「これは、SARSの経験とか、新型インフルエンザの経験をいろいろ積んで、それがプラスになっていると思うんですね。エボラもたぶん幸いにピークを過ぎてきた時に、ああ良かったねと終わるのではなく、次の段階の手の内を増やしていく。それを1つ、1つやっていくのが大切だと思うんです。それでこの言葉を書いてみました」

橋本岳 厚生労働大臣政務官の提言:『正しい知識に基づいた国民・医療・行政 一丸の対応を!』
橋本議員
「正しい知識というのは大滝さんと被るんですけど、たとえば、国民の皆さんも1人、1人が恐がり過ぎてもあまりよくありませんし、医療関係者の方、あるいは行政にきちんとそれぞれの対応というのを意識しながら、あるいはトレーニングしながら、いざそういうのが発生した時に備えていくし、国民の皆さんも、たとえば、そういう時にどうすればいいのかなと言っても、アフリカ帰りの方でなければ、そんなに意識をすることはないということも含めて、きちんと頭に置いていただいて、報道等も見ていただくとか。報道の方にも同じようにご理解をいただければと思うんですけれど、下手に怖がり過ぎるということはアレなので、そういう意味では今日いろんなお話ができて良かったと思っています。正しい知識をできるだけ多くの方に伝えていただくということが大事です。厚生労働省もそういう意味で大変大事な役目だと思っています」