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2014年10月17日(金)
うどん&バスケで導く 香川発…地方活性化策

ゲスト

藤井薫
大和製作所代表取締役社長
星島郁洋
高松ファイブアローズ代表(ターキッシュエアラインズbjリーグ)
大山泰
フジテレビ解説委員

藤井薫氏 機械設計から麺の世界へ
大山解説委員
「まず藤井さんの紹介から簡単にさせていただきます。香川県の坂出市に生まれ、工業高等専門学校を卒業されて、川崎重工に入社されました。航空機の設計などの仕事をされていたのですが、辞められて、製麺機をつくる大和製作所を立ち上げました。今度は麺類をつくる会社や、直営のうどん店も経営しています。あとは麺学校。麺をどうやってつくるのかを指南し、指導するような、そういう事業もされているという方ですね。星島さんですが、岡山市生まれで、京都大学を卒業されたあと、経済産業省に入省しました。経済産業省では通商交渉のお仕事をし、原子力安全保安院にいらしたこともあって、アメリカ留学を経て、辞める前は、課長補佐として中小企業庁の金融の仕事をされていたと。そのあとですけれど、高松のbjリーグのバスケットボール、高松ファイブアローズの運営会社の社長に就任し、今日のゲストとして来ていただいているということです」
遠藤キャスター
「異色の経歴の持ち主なのですが、藤井さんは川崎重工という大企業に勤めていらして、そこから27歳で起業された。なぜ起業しようと思われたのですか?」
藤井氏
「最初、私も川重に入って、川重に長くいるつもりではなかったんです。だから、将来、何か自分でやりたいと。エンジニアだったものですから、設計技師だったものですから、設計の仕事をやりたかった。ちょうどその頃、工業用ロボット、自動機械に非常に興味を持ちまして、その分野を極めたいと独立したんです。ところが、オイルショックのあとで、そういう仕事がなかなかないんです。何かあるだろうと思って辞めたところが…」
反町キャスター
「何年に脱サラされたのですか?」
藤井氏
「1975年ですね。オイルショックの直後です。一番タイミングが厳しかった時代ですが、本当に仕事がなく、仕事をとっていこうとすれば、地元が讃岐うどんの本場ですから、麺関連の仕事がぼちぼち見つかってきて、食っていくためにだんだんとそういった方向に入っていったんです」
反町キャスター
「ロボットづくりが麺作りに行ってしまったと」
藤井氏
「そうです」
反町キャスター
「技術的にあまり違わないのですか?それとも、ロボットづくりのノウハウというのは、麺づくりに活かされるものなのですか?」
藤井氏
「当然活かされますけど、麺づくりにおいて、製麺機において一番大切なのは、いかにおいしい麺ができるかということです。機械の場合は、いかにスムーズに動くとか、効率的に動くとか、はやく動くとか、正確に動くとか、むしろ、そういうものが自動機械に要求されますね。ところが、製麺機の場合はそうではなく、いかにおいしい麺ができるかというのが大切だというのが、実際やってみてよくわかったんです」
反町キャスター
「スピードではない?」
藤井氏
「ええ、麺のおいしさです。と言うのは、これまで手打ちでやっていたのを機械に置き換えるわけですから、まずいうどんができたら、手打ちに勝てないですよ。だから、手打ちに勝てるような、おいしいうどんをいかに機械で簡単にできるか。パートの女性が、いかに簡単にできるか。これが非常に大事だったのです」

星島郁洋氏 官僚からバスケチーム再建へ
反町キャスター
「星島さんは官僚出身ですよね。官僚出身で、プロバスケットボール、まずこのつながりから聞きたいんですけれども、どういうことですか?」
星島氏
「直接ポーンとプロバスケにつながるわけではなくて、僕の場合、ベンチャーというのが先に来ていて、3年間中小企業庁の金融課で、ベンチャーを含む中小企業の金融の支援をやっていたんですけれども、自分でこの国でどんどんベンチャーが生まれていって、そのベンチャーが経済を牽引しているという、ちょっと、アメリカに似ているような形にしたいなということを、留学をきっかけに思うようになって、それで、中小企業庁金融課で仕事をしていたのですが、3年もやっているとだいたい人事異動というのがあって、それを機にキャリアについていろいろと考えていて、これだけ思い入れを持ってできるようになったことなので、できるだけ本当にベンチャーというものに集中したい、これからずっと仕事をしていきたいなと思って。ちょっと極端に聞こえるのですが、政策としてできることは実はほとんどやられているんです。残っていないんですよ。ベンチャーを支援するのに、国としての政策で足りていないということもなくて、資金もたくさんありますし、資金の出し手も、日本だけではなくて、たくさんいるんですよ。でも、出す先がないです。その出す先をつくるのは、役人の仕事ではないですよ。と言うのも、すごくハイリスク、ハイリターンだったり、ローリターンだったりの仕事ですけれども、リスクをとりなさいというのは人に言われていることではないので、それにチャレンジする人がどんどん生まれてくるような社会にならない限り、それを一生懸命に応援する人が増えていく社会にならない限り、変わらないなというのは、3年間の、自分の中での仮説的な結論です」
反町キャスター
「身をもって先鞭をつけようという意味だったのですか?」
星島氏
「そうです。ベンチャーの世界に行こうと決めたんです。そうしたらその1か月後に出会ったのが、bjリーグだったんですね、たまたま。面白いなというので、興味を持った。最初に興味を持ったのはプロバスケそのものだったんですけれど、実際に見に行くと、課員皆で見に行ったのですが、アリーナ入るまでは雨も降っているし…」
反町キャスター
「どちらへ行かれたのですか?」
星島氏
「代々木です。地下鉄の駅出て嫌々でした。入った瞬間にすごく惹かれて、その空間そのものがすごく力を持っているんですね。楽しくてしようがなくて、次の日も観に行って、次の週も観に行って、これ別の会場なんですけれども、次の月も近くの有明にファイナルを見に行って、その間もいろんな農業とか、ファンドとか、コンサルとか、いろんなところでどこに行こうかというのを考えていたのですが、一番端的に面白かったのがプロバスケだったんですね」
反町キャスター
「いろんな選択肢がある中で、惹かれたのがバスケットで、その中に入っていったという理解でよろしいですか?」
星島氏
「そうです」
反町キャスター
「でも、そこにビジネスチャンスがあるかどうかの確信は、別ですよね」
星島氏
「そうですね。それは徐々に、飛び込んで、ずっと毎日考えていく中で、それは確信に変わっていくんですけれども、その時はどちらかというと、これが楽しくてしようがない。この商品に惚れ込んだというのが最初ですね」

「うどん」と「バスケ」がコラボ 異色の経営者の地域活性化とは
遠藤キャスター
「香川のうどんとバスケをつなぐのが、高松ファイブアローズ、チームのキャラクターがパッケージにデザインされたうどんですよね。共同開発されています。今シーズンから販売を開始して、現在発売中ということですけれども、そもそもこの商品を共同開発しようと思ったきっかけというのは、星島さん、何だったのでしょうか?」
星島氏
「最初はご紹介をしてくださる方がいらっしゃって、スポンサーをしていただきたいなというのがあったんですけれど、ただお金を出してくださいというのは面白くないので、どういうことをすればお互いにその商売が伸びていったり、知名度が上がったりということができるのかというのを、社長も含め、何回かディスカッションさせていただいた中で、最初に形として出てきたのがこれだったんですね」
反町キャスター
「スタジアムと言うのですか、バスケットの場合はアリーナかな。そのアリーナの中で売っているのですか?それとも街中のコンビニとかでも売っているのですか?」
星島氏
「基本的にはアリーナだけにしています、現在は」
反町キャスター
「来場者しか買えない?」
星島氏
「はい」
反町キャスター
「これは300gうどんが入っているんですけれども、これでいくらですか?」
星島氏
「現在750円、税込みで。3食分が入っています」
反町キャスター
「中身はこのために新しくつくったものですか?」
星島氏
「もともとだいぶ賞をとられているような…」
反町キャスター
「裏側を見ると、何とかグルメ大賞を10回連続受賞と書いてあるのですが」
星島氏
「もともととてもおいしいやつに、私達が乗らせていただいたという感じです」

プロバスケで地域活性化 高松ファイブアローズとは
遠藤キャスター
「bjリーグは2005年に6チームからスタートしたプロバスケットボールリーグです。設立時の理念としましては、バスケットボールを通じた1つのコミュニティ社会の創造と拡大により社会に貢献すると掲げていて、一企業には依存せず地域密着を主旨としています。現在は22チーム、東西に分かれてリーグが行われていまして、昨シーズンは年間で95万人を超えた観客動員数がありました。理念としてコミュニティ社会の創造、つまり、地域に根づいていることと、その拡大により社会に貢献するということがあるわけですけれども、そのリーグは具体的に方向性としてはどういった方向に向かっているのですか?」
星島氏
「うちは非常に、まだそんなにうまくいっていないので、規模が小さいのですが、私達のお客さんだけを見ていても、本当にコミュニティというのがどんどんできていて、たとえば、ボランティアで毎回、20人ぐらいの人が来てくださるのですが、その人達は、普段は全く違う仕事をされているんですけれど、ファイブアローズというものをきっかけに集まってきて、設営をしたり、撤収をしたり、一緒に試合を見たりして。アウェーにも一緒に行かれたり、勝った、負けたで喜んだり、泣いたりとか、腹を立てたりしながら、酒を飲んだりという輪がそこにできているんですね。それが、たとえば、スポンサーさん同志だったり、あるいはスクールの親御さん同士だったり、どんどん広がっているのですが、これがチームごとにできていけば、当然各地域にこういうバスケットを、そのチームを中心にしたコミュニティというのがどんどん広がっていくのは間違いなく、たぶん私達には、たとえば、平均1100人ぐらいしか1試合にお客さんが来られていないんですけれど、たとえば、沖縄は3000人を超えたりするんですけれども、そうすると、もうコミュニティの規模も全く違ってきますよね。だから、私達が各地域で成長をしていくことで、確実に、プロバスケットボールチームをきっかけにした、新しい地域社会がどんどんできていくのだろうなと思います。それに10年目で成功してきているんだろうと思っています」
遠藤キャスター
「大山さん、高松ファイブアローズがどういうチームなのかですが」
大山解説委員
「2005年にリーグができたので、最初は成績見ていただくとわかるのですが、2位、2位、3位と、勝数の方が多い中でずっと推移してきました。この時には、高松ファイブアローズの事情としては地元の大手企業のスポンサーがあったのですけれども、その会社の経営がちょっと行き詰まったことで、そのスポンサーがなくなる方向になって、と言うことは、チームの存続も含めた相当厳しい状態。その時にチームを運営する運営会社の社長になったのが星島さんです」
遠藤キャスター
「一番苦しい時に星島さんが?」
星島氏
「阿呆ですよね」
反町キャスター
「どんな状況だったのですか。チームに入った時は」
星島氏
「よく受けたなと自分でも思ったぐらい、数字で言うとまず決算の前だったので、全部はわからなかったのですが、借金とキャッシュはゼロという状態からスタートするので、社長になったのが7月23日です。1週間後、給料日だったのですが、まずどうしようというところからスタートして…」
反町キャスター
「選手の給料が払えない状況だったのですか?」
星島氏
「一応、スポンサーを決めていただいたところがあったので、そこと交渉をして、なるべくはやめに前倒していただいたりして、そこは凌いだのですが、それと似た状況がずっと続きますよね、資金繰り的には」
反町キャスター
「資金繰り、要するに、金集めが当面の仕事になってしまったという感じなのですか?」
星島氏
「そればっかりですよね、頭の中は。霞が関のノーリスクのところで仕事をしていて、資金繰りに困ったという企業さんの話をいっぱい聞いていたんですけれども、これだったのかみたいな感じです」
反町キャスター
「非常に苦しい時代に自分を支えたものは何ですか?」
星島氏
「何が支えていたかというと、最初にこれを選んだ時は、何て面白いんだろうと。お祭りだなと。これを日本中に広げたいというところからスタートしたのですが、毎日、いろいろ考えながら自分の中ではっきり意識をしているのが、ちょうど21年前にJリーグができて、日本のサッカーが劇的に、この20年で変わったように、絶対にプロバスケが、日本と地域の景色を変えるというのは、自分の中ではっきりと見えているもので、それを、このチームをちゃんと建て直していくことを通して、実現をしたいなというのがはっきりと自分の中では明確にどんどんなっていったので、がんばろうという感じです」
反町キャスター
「何年経ってもダメだったら辞めようとか、最初、思いませんでした?」
星島氏
「それは決めてはなかったです。ただ、成功するまで、自分ができる限りは絶対にやろうと思ってやっていますね」
遠藤キャスター
「星島さんが代表を務める高松ファイブアローズの収益の3割を占めるのがスポンサー収入ですが、大山さん、具体的にはどういった支援があるのでしょうか?」
大山解説委員
「スポンサーというと、とりあえずお金を出すからやってというイメージを抱きがちですけれど、私も高松に行って取材して話を聞いて、いろんな形のスポンサー支援の仕方があるなと。もちろん、普通にスポンサーで、パートナーを組んでやったり、ゲームをスポンサーしたり、個人が1万円でサポーターになったり、それから、道具、場所の提供。選手の育成にかかわることを一緒にやっている方だとか。あと、商品の共同開発とか、本当に高松の商店街の地域のパン屋さんとか、喫茶店さんとかが一緒にチラシなんかにも名前を入れて、一緒に盛り上げるような形の支援というのもあって、非常に、様々な多岐に渡る支援が、まさに地域のいろんな店とか、企業とかとくっついているなというのがよくわかりました」
遠藤キャスター
「この様々な支援を募るうえで一番苦労された点はどこですか?」
星島氏
「最初は助けてくださいという寄付みたいな感覚でお願いすることが多かったんですけれども、それでは大きな支援というのがなかなか得られないんですね。お互いに、今回のうどんのように、メリットになるものをちゃんとつくれれば、もう少し支援しようかという形になるので、現在だんだん、そういう形の支援をできるだけ集めていきたいということも考えるようになっています」

プロスポーツで地域活性化 地元企業を結びつけられるのか
遠藤キャスター
「先ほど紹介したうどんのコラボレーションは、こちらで言うビジネスパートナーですよね?」
藤井氏
「ええ」
遠藤キャスター
「そういった商品の開発、さらには、実は藤井さんは資金提供をされているオフィシャルパートナー&スポンサーでもあるということですが、地域活性化のためには地域の企業同士がタッグを組んでというのは大事ですか?」
大山解説委員
「大事だと思います。地域活性化、現在新しい政権が新しい施策で、これを進めなければ日本はダメになると言っています。お金は地域でまわらないとたぶん地域が活発にならないと思うんですよね。だから、たとえば、本当に巨大資本のスポンサーが、高松で自分の商品を売るためにちょっといろいろやってあげると。そこでその商品を売るパターンもあるかもしれないですよ。その本社が東京や、違うところだったら、イメージ的には、その上がったお金は東京の社員のお給料になって、そちらが増えるかもしれないですよね。そうすると、高松でも、雇用が仮に増えるというのにつながるかもしれませんが、1つのビジネスを活気づけて、誇りを持って自分達のやっていることに集まってくれる人が喜んで、他の企業さんも、地域の企業さんも、それで自分達の宣伝にもなっていけば、おそらくそれまで動いていなかったお金が地産地消のように、地域の中で動き出すという観点もおそらく地方活性化、地方創生の中では大事な1つのパターンかなと思いますよ」
反町キャスター
「星島さん、そういうのを意識されました?スポンサーの」
星島氏
「しますね。面白くしたいなというのを考えて、たとえば、うどんもそうですが、岡山の方にも私達は進出しているのですが、岡山はジーンズが有名ですけれども、そこのジーンズの老舗の会社さんといろんな商品を開発して、4つぐらい置かせていただいているんですけれども、地域の資源というか、うどんだったり、ジーンズだったりと、世界でも通用するようなものをできるだけ、私達がかかわることで、県外、あるいは世界にできるだけ発信をしていくというのが、1つの、僕らのミッションかなと思っています」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、スポンサー探しをする時に、その対象となるのは、たとえば、高松にそういう企業があるかどうかは知りませんけれども、高松にある大きなパーツメーカーのパーツは全てが、たとえば、日本を代表する自動車会社に部品を提供しているだけ。そこではなく、中小で、規模がそんなに大きくないかもしれないけど、そこで完成品の商売までして、そこで明らかに知名度を立脚し、商売まで、ちゃんと売るところまで完璧にやっているところ。そういうところに焦点を絞ると、藤井さんのところのうどんとか、先ほどのジーンズとか、その中で、地域内でちゃんと完結している企業を相手に売り込みをはかっている。そういうのはありますか?」
星島氏
「一番面白いのはこういう地域を本当に世界に押し出していくようなものが、取り組みとしては地域に対する貢献度が高いのかなと思います」

日本の麺文化を全国に なぜ“麺学校”なのか
遠藤キャスター
「藤井さんはなぜこの麺学校を始めようと思われたのですか?」
藤井氏
「最初当社は製麺機を製造販売する会社だったんです。ところが、20年前ぐらいに、同じように製麺機を販売しても非常に成功するお客さんとダメになっていくお客さんがあったんですね。ダメになったらその方の人生が狂ってしまいますから、製麺機だけを売っていていいんだろうかと思ったんです。ある時、そうではないのではないかと。我々が本当にやらなければいけないのは麺専門店繁盛支援会社ではないかなと思ったんです。それで当社の使命を、麺専門店繁盛支援会社として切り替えたんです。そうしたら最初、それを社内で言い始めると、社内のスタッフ達が一生懸命製麺機をつくってきたものですから、社長はちょっとおかしくなったのではないかというような感じだったですね。それをずっと言い始めて、気がついたのは、麺専門店繁盛支援会社であれば、うどん、蕎麦、ラーメン店は平日より土日祭日の方が忙しいですから、365日メンテナンスをやらなければいけないのではないかなと思ったんです。365日メンテナンスをやろうということで、皆に呼びかけたんです。そうしたら全員反対で誰も賛成してくれない。ところが、それを言い続けたんです、社内でやろうと言って。そうしたら反対する何人かは辞めていきまして、最終的に残った人達がやってくれたんです。それをずっとやりきったんですね。お客さんの信頼がずっと増していって、現在から10年前ぐらいにやっと業界シェアトップになれたんです」
反町キャスター
「結果的に製麺機の世界でも1位に押し上げる力になった?」
藤井氏
「そうです。お客さんの信頼が増したんです。同時に20年前から15年前ぐらいに、気がついたのは最初製麺機を買ってくれるお客様方はプロだったんです。それで最初、機械を納品した時に、うどんの打ち方教えましょうかと言ったらバカにするな、機械より我々の方がプロだよと言われた時代だったんです。ところが、だんだん時代が経ってくるとそうではなくして、麺の打ち方はもちろん、出汁の取り方とか、天ぷらの揚げ方、盛りつけの仕方、経営の仕方まで教えてあげなかったら成功しなくなったというのがわかっていったんです。それで15年前に学校を始めたんです、うどん学校。10年前にラーメン学校と蕎麦学校がスタートしたんですね。学校の特徴は全てデジタルクッキングで指導をしています。防腐剤を一切入れない。非常に健康的な製法ですね。ですから、たとえば、ヨーロッパから当社の学校に来たって、南米から来たって、世界中どこから来たってきちっとマスターして帰れるのです」

“カリスマ経営者”の地域活性 人材をどう活かすべきか
反町キャスター
「藤井さんのところで勉強し、店を開くと言っても、それが地域の経済に効果をもたらすのかどうかというと、そこから先はその人のプロ意識にかかってくる?」
藤井氏
「もちろんです」
反町キャスター
「卒業生を出して、経済をぐっと押しあげているという実感を感じない部分はありませんか?」
藤井氏
「それよりも、当社の学校に来ていても開業するのは3割です。全員が開業するわけではないです。私どもの学校はむしろ止める方です。『あなた、やめた方がいい』と、当社は製麺機のメーカーが学校をやっているわけですから、情熱のない生徒は止めます。当社の場合は、製麺機を販売しても、もしその生徒が破綻したら、全部買い取るんです。それが一番つらいです。失敗する人達は入らない方が業界は活性化するんです」

香川発 異色コラボが導く未来
遠藤キャスター
「地方ではそういう情熱を持った方が多いのか?外から呼ぶべきなのか。どう考えますか?」
星島氏
「東京が長かったので比べると、起業家が多いかというと決して香川はそんなことはないだろうなと思います。外から呼ぶと言っても別に呼ぶべき人がそのへんにいるわけではないので、そういう人をつくろうと言ってもつくれるわけではないので、突然変異のようにそういう人が生まれるのを待つようなことになるんです、呼んでこようとしたって。だから、大事だなと思っているのは、そういう人は時々生まれるわけですけれども、そうではない限りにおいては、普通の人でもチャレンジをして、どんどん情熱を高めていって、結果を出せるような具体的なコンテンツというか、モノをできるだけ多くつくることだと思うんですね。たとえば、僕らの世界で言うとプロチームだったりするわけですね。プロチームというものがあれば、バスケをやっていたやつがここで挑戦したいと言って、現在でも僕らのところに全国から働きたいと来てくれるやつらがいますし、あるいは麺学校で勉強して止められるかもしれないけれど、見せつけたいという人も出てくるわけですね。それはプロチームが、麺学校があるから生まれることで、たとえば、観光所のコンテンツとかがあれば、それを目がけて来る人もいるでしょうし、そういう具体的なコンテンツというか、モノというか、仕組み、そういう魅力的なものをできるだけ、多くつくっていくことが、そういう人を惹きつけて、育てていくことになるのではないかと思いますね」
反町キャスター
「地方活性化にはどういう人間が地方に必要だと感じますか?」
藤井氏
「いろんなバラエティのある方がいればいるほどいいと思いますね。ですから、ワンパターンではなしに、いろんな特徴のある方ですね。場合によったらネットにすごく強い人とか、たとえば、当社でも、製麺機メーカーですけれど、ネットの方も非常に力を入れていますし、当然麺の研究開発とか、食品研究とか、そういったところにも非常に力を入れています。また、機械工学の肝心な専門分野とか、あるいは電子、エレクトロニクスですね。特にヨーロッパへ輸出とか、そうなってくると…」
反町キャスター
「うどんづくりの機械をヨーロッパに輸出するのですか?」
藤井氏
「アメリカもそうですし、ヨーロッパもそうですし、ヨーロッパなんかCE規格という非常にハードルの高い規格がありますから、我々みたいな小規模のメーカーにとっては非常にハードルが高いんです。そこは電子、エレクトロニクスの知識が十分ないとクリアできないようなハードルの高いところがあるわけなんですね。あるいは当社の場合だと、一部いろんなコンテンツを提供して、本の出版も力を入れてやっていますので、出版会社という側面もありますし、同時に学校です。インストラクターで、学校という側面もあります。だから、1つの企業の中でいろんな分野の人達が必要になってくるわけですよ。機械メーカーだから機械だけとか、営業だけとか、そんなことはないです。バラエティ豊かで、ですから、当社の場合は特に女性を非常に活用していますので女性比率が57%です。役員も女性が3名いますから、だから、そういういろんな人達で、特に情熱のある人達」
星島氏
「いつもそういう議論の時に、違和感があるのは、地方に人がいないとどうしたらいいというのを、誰に向けて誰が言っているのだろうと思いますね。自分の会社にどうしても人材が必要なのだという時には経営者がどうやって連れてくるかというのを必死に考えて、来てくれるまでは現在の自分達のリソースでがんばるしかないわけですけれども、ずっと発信し続けて、自分達の事業を、ちょっとずつ価値を上げて、いい人が来てくれるまでがんばるしかないと思うんですよ。結局、地方には人がいないんだと言っている人は人のせいにしているだけなので、そうではなくて自分達でどうやっていい会社をつくって、来たくなるような事業にするかということに尽きると思うんですね。それは政策とかでも一緒で、県庁の人がこの県に人を呼びたいということになったら、本気でこの人が考えたらいいんですよ、その県の実情にあわせて。最後は本気かどうかというところ、その人が。経営者であっても、役人であっても。ということに戻っていくだけだろうと思っています」

藤井薫 大和製作所代表取締役社長の提言:『情熱 世界一 アライアンス』
藤井氏
「まず一番は情熱です。それで世界一を目指しているかどうか。世界一になれるビジネスであるかどうかです。それから、アライアンスですね。自分1人でできる力は限られていますから、自分の持ち味と他の方の持ち味をくっつけあうというアライアンス。これが大事だと思います」

星島郁洋 高松ファイブアローズ代表の提言:『お上に頼らず一人一人がくにづくり』
星島氏
「政府が何かしてくれるということではなく、私達1人1人が身近なところからしっかりいい社会を、いい国をつくっていくという気持ちと、情熱と責任感を持って毎日戦っていたら絶対地域は元気になりますから、それが1番大事かなと思います」