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2014年10月8日(水)
石破茂が語る“使命” 地方創生司令塔と現場

ゲスト

石破茂
地方創生担当大臣 自由民主党衆議院議員
田中進
「まち・ひと・しごと創生会議」委員

石破担当相に問う 地方創生の効果はいつ
秋元キャスター
「まち・ひと・しごと創生本部の基本方針では今後の進め方を、およそ50年後に1億人程度の人口を維持するための長期ビジョン、そして、来年度から2020年までの施策を盛り込んだ総合戦略を年内に決定するとしていて、政策の企画、立案、実行にあたっては、地方創生担当大臣において調整し、一元的、効果的、効率的に政策を実施するとあるわけですけれども、まずは年内に長期ビジョンと、総合戦略をとりまとめるということなのですが、石破さんはこの地方創生の結果が見えるまでに、どのぐらいの時間をみたらいいのでしょうか?」
石破担当相
「方向性が見えるまでに2、3年。それが確定するのに5年。実際に効果が表れるのには30年、40年、見ることはないかもしれないでしょうね。ですけれども、とにかくこういう方向性だよねというものが、現在(平成)26年度でしょう。27年度、28年度ぐらいまでにはっきりしてきますよね。それが不可逆的な、変わらないよという流れが確立するまでには5年ぐらいかかるでしょう。人口1億人なんぞということが、実際に、実現をする。1億人がキープできれば、それで良しということではなくて、1億人の中身がどうなのですかねという話ですよね。もちろん、皆、健康で長生きをする。それは、実現しなければいかんことだ。しかし、これからだんだん出生率を上げていく。口で言うほど簡単な話ではないが、そういう人達が地方においてどれだけ現在、地方の高齢化が進んでいますが、地方においてそういう若い人口というものが構成のかなりの部分を占めていく。それが持続可能性をきちんと持つというのを見るまでに何十年とかかりますね」

中央からの人材派遣
秋元キャスター
「石破さんは地方自治体への支援の在り方としまして、中央官僚の地方への派遣について言及されています。これが日本版シティーマネージャー制度ということになるわけですけれど、人口減少克服に向けた地域活性化をあと押しするため、自治体の要望に応じ、若手の中央官僚らを自治体に派遣する制度で、政策立案や予算編成における首長の補佐のための官僚を、人口5万人程度の自治体を対象に、全国に20人から30人を派遣するとし、派遣期間は2年程度を想定するのですが、首長補佐とは具体的にどういうことをする人なのでしょうか?」
石破担当相
「私は、地方創生の主体というのは、市町村だと思っているんですね。国ではない、都道府県ではない、市町村だと。なぜならば市町村というのは合併して、随分サイズが大きくなっちゃいましたけれど、一応どこで何が起こっているのか、目に見える範囲というのは市町村であって、目に見えないところは何を言ってみても本当に有効な政策にはならないんです。目に見える範囲は市町村ですよね。市町村と言っても、人口が100万人単位のところから1000人単位のところまで、千差万別、いろいろありますよねと。百万単位、何十万単位になると、それなりにスタッフは見ますですよ、ですけれど、人口が5万人だの、3万人だの、5000人だとなれば、仕事はいっぱい、スタッフは少ない、1人が何役もやっているということになると、やる気はあるんだけど、もうひと知恵ほしいよねということがあるではないですか。中央官僚だけが知恵を持っているとはいいません、ですけれど、日本全体を見て、こんなやり方があるよ、こんなアイデアがあるよというのは中央官僚でやる気のある人は持っていることがありますよ。中央も人が余っているわけではないのだけれども、地方に行って、町を立て直してみないか、新しくつくってみないかということに応募する若い30代を中心とした人達がいる。地方も、何でもいいから人を頂戴ではない。こんなことをやるために、こんな人がほしいなという、その要求と供給がうまくマッチングする。中央官僚だけではなくて、たとえば、民間の人、あるいは全国にいっぱい大学がありますけれども、地域何とか学部とか、地域何とか学科とかいうのは、百何十あるんですって。確かにそう言われてみると、今日、文科大臣から聞いて思ったのですが、そういう地方大学において、地域学というのが現在、すごく広まっている。学者の先生方もそれぞれの実地を見て、ここはこうすべきだ、ああすべきだと論文をいっぱい書いていらっしゃるけれど、それを現場で活かしてみませんかと。ですから、中央官僚、民間の方、あるいは学者、そういう人達がそういう首長の補佐役になって、いろんなアイデアを出す、横のネットワークを結んでいくという役割でシティーマネージャーというのをやってみたいなと思っています」
反町キャスター
「これまでも、いろんなところに中央官僚がいくケースありましたよね。何が違ってくるのですか?」
石破担当相
「それは調べてみたのですけれども、ほとんど指定席になっている。何々市の建設部長さんは国土交通省から。何々県の総務部長さんは総務省から。何々市の福祉部長さんは厚労省からというので指定席になっているわけですね。それも調べて見ると人口5万人以下の市町村にほとんど行っていない。だから、そこで修業してきなさいと。そうすると、中央に帰ってきて1つポストが上がります。また地方に行きますということで、それは地方を良くするということももちろん、目的の中にないわけではないし、官僚達のステップの中の1つに組み込まれていたという、人材の派遣だった部分がありますね。今度はそれと発想を変え、本当にほしいところはどこですか。その人に何をやらせたいのですかというのは地方で考えていただく。こちらも、はい、反町君は何々県に行きなさいとか。はい、秋元さんは何々市に行きなさいということではなく、あなた、何をやるためにどこに行きたいですかということを聞く」
反町キャスター
「何かマッチングする組織もつくらなければいけないわけですかね」
石破担当相
「マッチングしないのに行ったってしようがないではないですか」
反町キャスター
「仲介業者みたいな」
石破担当相
「仲介システムね。そういうものはつくらないといけないでしょう」
反町キャスター
「でも、官僚の、行く人達の気持ちを考えた時に、たとえば、先ほど言われた指定席だと、行って帰ってくると、それなりに昇進する約束があったわけではないですか、人事評価が。たとえば、海外青年協力隊の人達のことをよく思うんですけれども、大きな志を持って帰ってきたあとで結構苦労している皆さんもいる。この日本版シティーマネージャーが同じケースになると申しませんが、そこの人事評価の部分もちゃんと計算してあげないと、ケアしてあげないとという、そこはいかがですか?」
石破担当相
「帰ってきたら机がなかったとか、帰ってきたら同期と昇進が遅れちゃいましたとか、そういうことになると行かないですよね。でも、やって、それなりの成果を上げた人はそれなりに評価をしてあげないと。よくやったよねということであれば、これは人事管理上、いろんな問題があるのでしょうけど、それを人事評価に加えてあげることは大事なことではないでしょうかね」
反町キャスター
「各省に対して、石破さんの立場からシティーマネージャー制度でいく人間に対しては戻ったところで本件においてはちゃんと見てやってねと。この要請はこれからですか。それとも約束ができているのですか?」
石破担当相
「それはこれから、この、まち・ひと・しごと創生というか、地方創生というか、その事務方のトップ、事務次官ですね。そういう人達による幹事会というのがあるわけですよ。そこにおいて、私からシティーマネージャー制度をつくった。だいたい皆知っていますけれど。実際そういう場において、こういうのをやると。ついては、人事面において不利になることがないようにというのは当たり前のことですよね」

自治体支援と農業復活策
秋元キャスター
「先ほどは、日本版シティーマネージャー制度について聞きましたが、霞が関版コンシェルジュというのもあるそうなのですが、これはどういうものですか?」
石破担当相
「納税者って、大切なお客様ですよね。霞が関というのは、最大のサービス産業であって、お客様あってなんぼの世界ですよ。皆さんに納税してもらわないと、国家は成り立たないのであって。市町村長さんが霞が関に来るじゃないですか。なりたての市町村長さん。天下りでなったわけでも何でもなくて、地方でがんばっている市町村長さんが、たとえば、農林水産省に来ました。まずいらっしゃいませと言ってくれませんね。何のご用ですかとも言ってくれませんね。一所懸命に説明して、ああ、うちじゃないよ、他を当たってくれ、みたいなことになると、何だったんだ、俺の今日1日は、みたいな話になっちゃうじゃないですか。たとえば、中央官庁で、農水省でもいい、厚労省でもいい、経産省でもいい。たとえば、鳥取県に出向していました。私は出身が鳥取県です。私の奥さんは(出身が)鳥取県ですという人は、私の一番小さな鳥取県でも何百人といますよね。宮崎県であれ、北海道であれ、青森県であれ、どこでもいいんだけれども、そういう人達がそれぞれの自治体の親切な相談役になりますよというのは、やろうと思えばすぐできる話ですね」
反町キャスター
「霞が関版県人会?」
石破担当相
「県人会というかな、地域相談員みたいな。農水省に行って、何でも農水省で申し訳ないんですけれども、反町課長、こんなことをやりたいんですけれど、と言ったら、うーん、農水省では無理かもしれないけれども、あんたの島根県には、このコンシュルジュで見ると、経産省にこういう人がいるよと。農水省のこの事業だと難しいけれども、経産省のこの事業だとできるかもとかですね」
反町キャスター
「それはこれまで国会議員や秘書さんがやっていた仕事と違います?」
石破担当相
「です」
反町キャスター
「ですよね。それはあまりに、その地方自治体からの陳情が多すぎて、捌ききれないから、そういう人達もやろうという意味なのか。何か国会議員や国会議員の秘書さんにそれを頼んでいるよりも、直接、官僚、霞が関に窓口を開けた方がいいことがある。それはどう見たらいいですか?」
石破担当相
「それは国会議員でも秘書さんは政策、筆頭、第二の3人でしょう。いろんな市町村から、いろいろなことを、お話を聞くではないですか。それでその全部、特に、当選期数の若い方って、10年…30年近く前を思い出すと、どこに何の役所があるのかって、誰に頼んだらいいでしょうみたいなところから始まるわけですよね。だけれど、どの地域であったって同じ納税者ですよね、同じお客様ですよね。そうしたら、もちろん、国会議員もそれはやるけれど、でも、本来は霞が関で、国会議員がそういういろんなコネとかを使わなくても、本来霞が関でもっと親切に、もっと使いよくできる余地があるのではないですか」
反町キャスター
「これはたぶん小っちゃな自治体の長にしてみたら、良いアイデアだと思うのですが、どうですか?」
田中氏
「とても素晴らしいと思いますね。最終的にそれを本当に有効に活用できるのかどうかは最終的に制度ではなくて、私達は、地方にいる人間の力だと思いますので、こういった取り組みがもし起こるのであれば、本当に田舎が変わってくるのではないかという期待はとてもありますね」

地方創生と新たな地域産業
秋元キャスター
「地方創生のために生活の基盤となるのは、仕事ということで、仕事をどうつくるのか。まさに田中さんは仕事をつくる取り組みをなさっているんですね。田中さんは大手商社と共同で、山梨県北杜市に来年2月の完成をめどにトマトの巨大生産施設の建設を進めているんです。この施設の取り組みの背景にはどのようなビジネスの戦略があるのでしょうか?」
田中氏
「現在農業がいろいろと注目をされていますけれど、農業だけで成り立つのではないと思うんです。社会の仕組みの中でも一部でしかなくて、社会的要請の中で、私達は農業という役割を果たしているのですが、その中でプロダクトアウトと言われる時代からマーケットが必要なものをつくり出さなければいけない。その中で働き手側のやりがい、また働いていけるような環境をまずつくり出したい。そこから世界でも最先端の、今回は仕組みを使いますけれど、あくまでもそれはツールでしかなく、農業の新しい形をつくり、既存の、現在の私達がやっているような田舎のこれまでの農業にもフィートバックさせて、波及をさせて、新しい地域での農業の形をつくっていきたいという思いがあります」
反町キャスター
「トマトというと、たとえば、ジュースにするのかとか、ないしはブランドものとして販売している。もっとわかりやすく言うと低価格で大量に販売するトマトをつくるのか、ないしは1個1個が比較的高い値段で、無農薬でプレミアムが付いていて、高く売れるトマトを狙うのか。どういうビジネス戦略ですか?」
田中氏
「商品のいろいろな構成があるとすると、芸術品のようなものでもなければ、決して安いものでもない。多くの人がこれはおいしいねというものであって、私達は食べるものをつくりますので、安心や安全はウリではなく当たり前のものであるということです。もう1つは、現在マーケットが必要としている、よく『4定』と言われていますけれども、定時、定量、定質、定価格と言われるような、きちんと約束したものを、約束した通りに、約束した品質で、できるだけ届けていくというようなことに取り組んでいく予定です」
反町キャスター
「そういうところでいうと、たとえば、巷で無農薬で、ちょっと高めに売っている野菜とか。あれは別に形が揃っているわけでもなくて、形よりも無農薬であるとか、有機であるところをウリにしている野菜が多いではないですか。そういうのでなくて、『4定』と言われるもの。大手のスーパーの要求に応えるようなものを生産していく。そういう生産ラインを想定しているのですか?」
田中氏
「実際のマーケットはもう少し複雑だと思います。たとえば、有機野菜の形が揃っていないとか、そういうことはないですね。これは全て技術ですね。人によってつくり出されるものですので、たとえば、有機野菜であっても非常に発がん性の高い成分が含まれていることもあれば、逆に、化学肥料を使っても有機の循環、命の循環を通して、非常においしいものもつくることができる。これは、人の技術と想いによってつくられているものですので、その地域によってつくられていく農産物を、自分達が、どんなお客様に、どんなものとして届けたいかというのはスペックではないですね。そこで働く人達の想いや技術やお客様との関係によって決まってきますので、この施設をつくってもどのようにも展開ができてきます。私達は、その中で、時代の背景の中で、社会が望むこと。皆が、食べる人もつくる人も地域の人達も一番喜ぶような形のものを常に選定していくと。たとえば、強いものが生き残るわけでも、賢いものが生き残るわけでもなく、環境に適応したものが生き残る。これはどの業界でも言われていることだと思いますけれども、私達農業者も全く一緒だと思います」
反町キャスター
「石破さん、田中さんの取り組みというのは日本の農業にどういう刺激を与える、日本の地域社会にどういう刺激を与えるという期待感を持っているのですか?」
石破担当相
「農業というのは、私は政務次官も副大臣も大臣もやりましたが、マニュアルがないんです。体で覚えろとか、匠の技というのが、それが悪いとは言わないが、今後はきちんとしたマニュアルがあって、それに従ってやれば、当たり外れがないというか、当たり外れがないこと自体が目的ではないけれど、外ればかりよりは、きちんとマニュアル通りに従ってやれば、ちゃんとしたものができますよというものも必要だけども、匠の技っぽいところがあるわけです。新しく農業に就業する人、したい人はいっぱいいるんだけれど、何年かけて、結局ダメでしたと夢破れちゃう人が大勢いるわけですよ。できれば、そうじゃない方がいい。それがまた消費者の方にも喜ばれるということですよね。これは農業に限らず、漁業でも、林業でもそうですし、あるいは技能労働者の皆さん方の世界もそうですけれども、現在人手が足りないわけですよね。親方の技を見て、いわゆる修行20年という世界で、10年経ったら、本当に人がいなくなっちゃうおそれがあるのであって、マニュアル化が悪いことでも何でもなくて、本当にきちんと真面目に努力さえすれば、お客様が喜ぶものができますよという、そういう世界を農業に入れてもらえる。それが田中さんのやっていらっしゃる事業の一番素晴らしいところかなと私は思っているんです」

地方創生・人材の育成
秋元キャスター
「全国でも田中さんのような新たな農業の取り組みをするためには何が必要だと思いますか?」
田中氏
「私達は施設をつくりましたけれど、仕事はまだつくり出していない。これから人づくりをして、1人1人が仕事を見出していかなければ地方では仕事が続いていかないと思っています。仕事を与えて、たとえば、補助金でもいいです。自分達で仕事をつくってもいいです。そこに人が来ても、その人が力を発揮して価値を見出さない限り、その人を雇用し続けるとか、仕事をし続けるということが非常に難しいと思っているんです。人を育て、人が育ち、その人が仕事をつくり出していくということがすごく重要だと実感しています」
反町キャスター
「石破さんは、地方創生担当大臣として、国として、地方の人づくりをどう支えて、支援していこうとしているのですか?」
石破担当相
「地方で14歳~18歳まで、幼稚園、小学校、中学校、高等学校と出して、東京の大学に行っちゃいました。帰ってきませんということになると、地方の都市が循環しないわけですよね。地方で教育を受けて、その投資が地方にもある程度戻って来ないと、高い確率で戻って来ないと、循環が動かないわけですよね。もともと日本はそういうシステムだったのだけど、最近それが強くなってきた。女性の方々の高学歴が進んで、女性の方々も4年制の大学に行く、東京へ行く、戻って来ないと。女性は戻って来ない、男性は戻って来ないということで、地方の投資がうまく反映されていないと、循環されていないということがもともとあったのだけれど、これまではメーカーの工場がドンとくるということで、それを補っていたところがあるんですよ。でも、それはなくなってしまいましたと言うと、人が出て行くということに、さらにドライブがかかってきちゃったわけですよね。地方で学んだ人が、地方に帰ってきて、そこで仕事をつくる。あるいは東京の人が…私は移住という言葉を何でもかんでもジョーカーみたいに振りまわすつもりはないんだけど、50代の男性だと半分ぐらいが地方に行きたいと思っている。50代だともう1回俺の人生、再設計というか、もうひと花というのがあるのでしょう。あとは10代、20代の若い人が地方に行きたいという人が4割ぐらい男女でもいるわけです。地方の人達で地方を活性化するということと、東京の人達が地方に行って仕事をつくる。まさしく人が仕事をつくる、仕事がまた人をつくっていくという流れをつくることは、可能なはずだ。これまでは大企業の工場が立地していたから、あまりそれを一生懸命考えなくてもよかったが、それがなくなってみると、さあどうするんだということが問われている。その時に、農業というのは、農業に限らず第1次産業というのは大きなウエイトを持つようになるんですよね」
反町キャスター
「これから地方で1次産業を軸として、選択肢があるような魅力ある1次産業をつくっていくためにはどういう人材が求められているのですか?」
田中氏
「自立型の人材だと思います。農業が他の産業と何ら変わらないというのが実感ですね。目の前にある問題、毎日の日々の小さな問題、大きな問題が出てきます。これは皆さんと変わらないと思うんです。それを自分以外の違う人のせいにするのではなく自らの課題として捉え、それを自ら解決できるような自立型の人になっていくというのは何ら他の産業と変わらないのだと思います」
反町キャスター
「これは自民党農政の責任ではないのですか?」
石破担当相
「自民党農政が間違っていたと、私も長く自民党農政をやっているから私の責任でもあるんです、もちろん。だけど、時代にあわなくなってきて、ある意味コメ政策というのは、100%自給を達成した時に変えなくてはいけなかったものですよね。それは農政のやり方も、あるいはJAのあり方も、時代にあわせたように変わっていけば、潜在力を十分発揮できる。それは我々の責任です」

魅力ある地方のかたち
秋元キャスター
「田中さんはUターン経験者ですけれども、地方に人が行くことに何が障壁になっているのでしょうか?」
田中氏
「地方に行くかどうかというのは決して不便さだとか、たとえば、何かが整っていないということではなく、そこに仕事そのもののやりがいや、達成感、承認、自分自身の成長、そういったものが見えるかどうかといったことが大きなその地域の魅力になるのではないかと感じますね」
反町キャスター
「収入はどうですか?正直言って」
田中氏
「収入は(障壁として)当然ながらありますけれど、収入は絶対的な壁ではないと思っています。当然大きな要因ではあると思いますけれども。たとえば、私達の会社になぜこれだけ多くの人が、若者達が来るかと言うと、そこに夢があり、自分がそこでがんばっていくことで収入をつくり出せると夢を見ることができるから。また、そういうことを実践している先輩がいるからだと思うんです。自分のやりたいことをうまく積み上げていけるかというのは他の仕事と同じように問題点を見つけだして、悪い結果が出るまでに先手先手で取り除いていくという、皆さんがやっている仕事と何ら変わらないと思います」
反町キャスター
「これからチャレンジする人達にはある程度の保険というか、安心感が必要だと思うのですが、なかなか踏み出せない人もいると思うんです。その人達の背中を押してあげるのが政治の仕事になっていくのではないですか?」
石破担当相
「先ほど、ご紹介があったように願望はあるんですよね。東京で、片道1時間何十分も電車乗って、これは結構ツライですね。往復だと3時間ぐらいだったりして、自然もないし、残業はキツイ、できれば地方行きたいなという人が多いのはある意味当たり前のこと。願望がある、だけど、実際の行動に移すためには皆が皆チャレンジスピリットに満ちあふれているわけではない。だから、どこへ行けばいいんだろう、そこに住むところがあるのだろうか、どんな仕事があるのだろう、あるいは医療や介護はどうなっているのかというのは当然誰でも思うわけですよ。行ってみたけれども、全然自分が思うのとは違う、人の人生をどうしてくれるという話になるので、それは自己責任です、以上お終いというわけにもならない。2週間前ぐらいに東京国際フォーラムで、1年に1回やっている移住フェアみたいなものがあって、全国300ぐらいの市町村がブースを出していたんです。そこで一生懸命いろんな、ここへ来るとこんなことやあんなことがありますよとやっていますが、300(のブース)全部をまわることはできないですよね。そうすると、あなたはどんなところでどんな暮らしをしたいですか、あなたはいったい何ができますかみたいなことをパソコンに打ち込むとダーッと候補が出てくる。そういうシステムは現在ないですね。それぞれの町村が単体でホームページを見てくださいという話で、こういうことがやりたいです、私はこんなことができます、こんなことが希望ですとバーッと出てくるようなシステムはやろうと思えばできるのではないですかと。現在、地方でどんどん空き家が出ていますね。人に貸すにも朽ち果てちゃうというので、そのまま放っておいて本当に朽ち果ててしまう。その空き家をどうやって維持、管理しますかと。ここに来ると、こんなお家をこれぐらいで貸しますよというのが、不動産流通業界のご理解を得て、市場化されているかと言うと、まずされていない。住むところからして不安だよね、何の仕事があるんだろうなというところまで行政で応援できるところはあるし、それぞれの市町村の努力をつなげる、そういうことって国がやれることってあるんじゃないですか。だから、いろいろなやる気はある、行く気はある、意欲はあるし、能力もある、だけど、そういう人達の思いに応えるシステムは行政がつくってあげる部分が…つくらせいただくと言った方がいいか、あるんだと思いますよ」
反町キャスター
「ワンストップサービスの情報データバンクシステムみたいなものは、今度の法案に入ってくるのですか?」
石破担当相
「別に法案に書くものではなく、予算化して、事業にすることなのですが、言うほど簡単なことではなくて、でも、そこはやる気になればできることです。民間だったら、やっていることではないですか。システムとしてできないことではないでしょう。そういうものがあることで、たとえば、地方の空き家というものがマーケットとして乗るようになれば、随分また変わってくる。どこに何があるかわかりません、行ってみてびっくりと。そういうことだと意欲を実現する、夢を形にするとはならないでしょう」

田中進 「まち・ひと・しごと創生会議」委員の提言:『ひとづくり』
田中氏
「私達は農業しかわかりませんけれど、農業というのはモノづくりであり、ひとづくり。ひとづくりができることで仕事づくりにつながり、そこに仕事があることで地域がつくられていく。地域づくりという中で、たとえば、都市農村交流、加工品をつくると、いろいろなことが言われますけれども、もっともっとそういうことではなくて、そこに暮らし、そこで働き、家族を育て、現在よりも少しだけ良くして次の時代に引き継いで行く。そんなことを僕らがやらなければいけないことかなと感じています。1人1人が力をつけていくことで、その地域が力をつけていくことにつながっていくのではないか。そんなことを、農業を通してやってみたいなと考えています」

石破茂 地方創生担当大臣の提言:『知恵は地方に在り』
石破担当相
「困ったから国が何とかしてちょうだいという時代ではない。自分の町はどういう状況にあるのか。それを把握し、だから、これをやりたいという話をしてもらって、それに応えて、国はサポートをしますし、それで人も出します。でも、うまくいかなかった時は、それはそれで権限のあるところに責任在りで、地方分権と言うからには、それは責任も地方にありますということですよね。そういうものだと思います。でも、知恵はあくまでも地方にあるのであって、国はあくまでもそれをサポートするということです。サポートを惜しむことは一切いたしません」