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2014年10月2日(木)
“無風国会”波乱の芽 カギは経済?野党政策

ゲスト

福山哲郎
民主党政策調査会長 参議院議員(前半)
柿沢未途
維新の党政務調査会長 衆議院議員
長妻昭
民主党政策調査会長代理 衆議院議員(後半)
伊藤惇夫
政治アナリスト

民主党&維新の政策キーマン アベノミクスは失敗か
秋元キャスター
「安倍政権が優先課題と位置づけている経済再生、アベノミクスの評価について、民主党、維新の党の基本的なスタンスをまとめました。民主党のアベノミクスの評価、実質賃金の低下と消費の低迷、度を過ぎた円安によるコスト増などから中小企業や家計は悲鳴をあげていると批判をしています。維新の党については第1の矢、金融緩和は確かに飛んだ。第2の矢、財政出動バラマキで財政肥大化。第3の矢、成長戦略の規制改革は骨抜きだと厳しい評価をしているわけですけれども、福山さん、民主党の基本的なスタンスとしては、アベノミクスは失敗しているということでいいですか?」
福山議員
「失敗しているというか、法律で消費税を上げると決めてあるものを、総理が12月までニュートラルだという表現をなぜしているのかと。消費税を上げることを凍結するような状況は、2年近いアベノミクスのある意味でいうと失敗を意味するわけです。そこで凍結という結論が出るなら、それはアベノミクスが失敗をしたということを自らお認めいただかなければいけないし、その時アベノミクスの何が悪かったのかの説明をしないと、あとの日本経済の治療ができないわけですね。そこは、我々としては、安倍政権がどういう対応をするのかをしっかり見ていきたいと思いますし、一番重要なのは、14か月連続賃金が低下しているということです。実質賃金が低下しているのを、国民は肌で感じているから、消費につながらないので、消費税を上げた時に、想定としては大丈夫だと、すぐ戻るはずだという話が戻らないわけです。ここが賃上げ率は15年間で最高だったとばかり言っているんですけれど、それは賃上げ率の話ですから、実際の財布の中身は実質低下をしているわけでこのことを直視しなければいけないと私は思っているし、もう1つ、実は、大きな読み間違いがあって、昨年4月に安倍政権は、アベノミクスが非常に評価が高かった時に輸出が必ず増えると、この円安で。実は昨年4月の時点で、1年後には、4.6兆円貿易収支は改善すると。プラス4.6兆円になると。2年後に8兆円の貿易黒字になるんだと言っていたのですが、あれから1年半が経って、現在は、今年の上半期、何と7兆円の貿易赤字です。上下でザクッと言うと、10兆円以上の読み間違いがあるわけですね。これは、根本的に、読み間違いにしても、10兆円の読み間違いというのは大きな問題なので、こういったものに対してきちんと説明をしてもらうことと、放っておくだけではダメですよ。それに対して、何か手当をしないことには、アベノミクス、いつかは第3の矢は飛ぶだろうと思っているうちに、日本経済全体が失速することになるので、そこについて我々は本当にしっかりと注視していかなくてはいけないと思っています」
秋元キャスター
「柿沢さんは、維新の党は厳しい評価をしていますけれど、これはどうですか?」
柿沢議員
「現在の第1の矢は、金融緩和のところで言えば、我々はデフレ脱却、金融の量的緩和をやれということを、かつての所属政党時代からずっと言ってきた立場ですから、安倍総理がそれを断行して、それを明確に示すような日銀総裁を選ばれて、実際に異次元緩和をされたということは効果を上げたと思います。ただ、株価の上昇、1万5000円までいったのは、政権のスタートダッシュ時で、そこから、ずっと横ばいですよね。そういう意味では、金融緩和でスタートダッシュはしたけれども、その次に何があるのかというのをマーケットは注視をしてきた。しかし、見ていると、それは単なる、ひたすら公共事業のバラマキで下支えをしながら、第3の矢は、一向に飛ばないという状況になっていると思います。それにこの4月の消費税8%の増税が、さらに冷や水を浴びせかけるという結果になっている。我々は先日、結党にあたって、消費税10%に、このタイミングで上げるのは賛成できないと。こういう見解をまとめて公表しましたけれども、この消費税10%への引き上げの12月の判断がアベノミクス失敗の決定的な引き金を引く可能性があると。こう見ています」

消費増税10%の決断は
秋元キャスター
「消費税についても見ていきたいと思います。まず民主党の方ですが、衆院における定数削減は、国会解散における当時の野田総理と安倍自民党総裁の固い約束だったはずだと。次の総選挙には必ず間に合うように改革の実施をあらためて約束をしてほしいとしています。維新の党は、4月の増税後の経済指標を見ると、とてもさらなる増税を行える経済力にないと。議員や公務員の身を切る改革や歳出削減で必要な財源は消費税を上げなくても賄えるのではないかとしているわけですけれど、福山さん、民主党としてはこの約束が果たされなければ賛成はできない?」
福山議員
「いやいや、定数削減は当時の野田総理と安倍自民党総裁の約束なので、これはこの2年近く反故にされていることについてははやくやってほしいと思います。先ほど申し上げたように、私達は、法律を3党合意の中でやった責任がありますから、ましてや、それを社会保障にまわすと。そのことによって将来の安心を担保したいというのは、我々の強い思いだったので、現在の状況では、私は法律通りに(上げるべきと)。しかし、そこで現在政権を担っている責任のある安倍総理がニュートラルだとか、12月に考えを決めるみたいなことを、自分で設定されたわけです。そこで凍結するとなれば、先ほど申し上げたように、アベノミクスの失敗を認めることになるわけだから、それはそのことをちゃんとしてくださいというのが、私の考え方で、先ほど、柿沢先生が言われた、消費税を上げることによって、アベノミクスの決定的な失敗になる可能性があるとおっしゃったことも一理あるとは思います。一方、消費税を上げることを凍結することによって、逆に日本の財政規律の問題やマーケットにおける国債の問題についてのリスクの引き金も引く可能性もあるので、このことは、現在アベノミクスをあれだけ声高に宣伝をし、素晴らしいといってきた安倍総理としてはどちらの選択をするにせよ、しっかり国民に説明をしてもらわなければいけないと思います」
反町キャスター
「福山さんの話は、要するに民主党としてはかつて賛成をしたのだから、その通りだけれども、消費税をもし上げるという決定をすれば、そこから先は景気がどうなるかわからないよ。上げなければ、上げなかったで、アベノミクスの失敗だと追及する。要するに、自民党の安倍総理のふんどしで相撲をとるという前提で、現状の景気の状況下においての消費税引き上げが是か非かという議論を避けているように聞こえる」
福山議員
「いや、避けているんではないんです。現在の政権の判断がまず、第一。我々は現実問題として、政権を、申し訳ないですけれども、残念ながら手放しているわけですよ」
反町キャスター
「いやいや、そういう問題ではないでしょう。だって、野党とはいえ、ちゃんと国会に議席を持っているんだから、たとえば、維新の党さんみたいに現在の経済状況を見た限りにおいては、あと2%の引き上げは、日本にとってプラスか、マイナスか。正しいか、是か非か。ここは?」
福山議員
「それは、先ほど申し上げたように、この国会においてアベノミクスの検証と評価をしなければいけないと申し上げたのは、その通りで、そのことに対しては経済指標に安倍総理がどういう国会答弁で、この状況について判断されることについて、しっかりと見ながら、我々としてはもちろん、議論はします。しかし、現在の時点で、我々3党合意の中で法律を一緒に通したわけですから、そのことについてはちゃんとやれるように運営をするのが、まずは安倍政権の責任ですよというのが、我々のスタンスです」
反町キャスター
「そうすると、11月17日の一次速報、7-9月期のGDPです。それが11月17日に出た時点で、民主党としてもこの数字を踏まえたうえで、2%上げが正しい、2%上げに反対だという姿勢を民主党が示すのですか?」
福山議員
「現在の時点で期限を区切るのは、私は適切ではないと思いますし」
反町キャスター
「自民党の決定に、それに対して是非を…」
福山議員
「違います。いや、それなら逆に、12月の確定値が出る時まで、国会を開いておくべきですね。国会を閉じて、逆に国会の議論を避けて、消費税の決定について確定値が出て、そこで消費税を上げるか、上げないかを決めるというのは国会の議論を待たないといけないと思います」
伊藤氏
「福山さんがちらっとおっしゃったのですが、仮に消費税を上げなかった場合、アベノミクスが失敗だという烙印を押されるのが1つあるけれども、それは国内政治的な話であって、むしろ国債の暴落の引き金を引くのではないかとか、財政再建を放棄したということで海外からの目が厳しくなるのではないかという、そういうリスクの部分をどうお考えなのですか?」
柿沢議員
「そんなことを言っても、そもそも消費税を増税して、増税で上がった税収を全部、バラまいているわけですから。今度の概算要求だって、100兆円を突破しちゃって、かつてリーマンショック以前の自民党政権だったら80兆円で予算を組んでいたのが、現在、100兆円ですからね。これでまた補正をやれなんて言っているわけですから、自公は。そういうと、どんどん財政膨張が進んでいるわけです。本来であれば、この2%分の消費税増税分の税収というのは、歳出カットで5兆円捻出すれば賄えるはずだと思いますし、むしろ、そういう財政規律という意味では歳出削減に向けてのコミットメントを出すことが、現在、私達は非常に大事だと思っています」
反町キャスター
「維新の党さん、柿沢さんは、歳出削減すれば、5兆円やそこらはすぐ出せると言いましたが」
柿沢議員
「いや、すぐにとは言っていません」
反町キャスター
「ただ、民主党は仕分けで、散々あれだけやって、3兆4000億円でしたか」
福山議員
「3兆4000億円は出ましたね」
反町キャスター
「でも、5兆円を出すというのがどれだけ大変か。よくわかっているのは、たぶん民主党だと思いますよ。でも、維新がああいうふうな言い方をした時に、民主党としては、あっ、そうですね、行政改革しましょうよ。歳出削減すれば、消費税2%分、5兆円なんてすぐ出せますよと、これは言えますか?」
福山議員
「いや、維新の党さんがどういう形で財政削減をすると考えておられるのかをちゃんと聞くことによって、政策というのは具体的に詰まってくるわけですから、それはその内容を聞いたうえで、我々が経験したものも含めて、1年目は、我々はそうは言っても、剰余金ですとか、積立金とかを崩して、9.9兆円を出したんですね、1年目に。これは現実問題として恒常的な財源確保としては反町さん言われたように3兆円ちょっとでしたが、一過性のものとしては9.9兆円を出しているわけです」
反町キャスター
「また、それをやるのですか?」
福山議員
「いや、ですから、そのことも含めて、いったい現在、どの程度のものなのか。それから、復興です、基金化して使われていないものがいっぱいあるわけですよね。現在使われていないことが問題になっていますが、そういったことも含めて、それは、まさに、政調会長同士の、お互いの政策のすり合わせの中で、議論を詰めていけばいいことだと思います」
伊藤氏
「おそらく8日に確定値が出たら、1日か2日のうちには決断すると思うんですよ。それは予算編成との絡みがありますから。だから、即決断ということになるんでしょうね。おそらく。ただ、中身については、私もよくわからないですけれども、たとえば、自民党の幹部の中には、絶対に予定通りにやるべきだとはっきりと明言されている方も、何人もいらっしゃいます。幹事長だけではなくて。ですが、総理と官房長官は極めて慎重な姿勢のようですね、どうやら。慎重というか悩み苦しんでいるというのかな。どちらに行ってもリスクがあるという意味ということなのでしょうけれども、だから、会期延長というのはまずないと思っています」
福山議員
「もし凍結するとなると、法律の改正が要りますから、ですから、これはどこで法律の改正をやるんだと。たぶん通常国会ですけれど、その時には、逆に言うと、予算編成する時に、8%を前提に、凍結を前提にやると、たぶんこれまで前提としてきた、社会保障だとか、子供支援だとか、こういったものが全部崩れますね」
反町キャスター
「5兆円分の収入が欠損するわけですからね」
福山議員
「それで、予算編成を新たにして、なおかつ補正を組んで、なおかつ通常国会で、この法律改正を通さなければいけないわけでしょう。この法律改正は国会の頭になるのですかね」
反町キャスター
「補正かもしれないですけれど。消費税上げなければ、補正をやらなくてもいいのか」
福山議員
「でも、消費税を上げなくても、補正をやると言いだすと思うんですよ」
反町キャスター
「それは統一地方選挙があるから。補正はたぶん組むと思うんですよ。でも、福山さん、たとえば、国会が12月8日、9日で会期延長。伊藤さんはしないだろうと言われましたけれども、ここまで延長された場合、民主党は国会において消費税の引き上げについて、どういう姿勢をとるのですか?」
福山議員
「いや、それはその時の状況ですよ。それはあくまでね。だって国会延長するか、しないかもわからない」
反町キャスター
「しないだろうと信じて、そういうふうに言っているとか、そんなことは?」
福山議員
「そんなことはないですよ。私達はたぶん国会延長を求めると思います。ですから、そこは本当に、その時の経済状況を見ながらだと思いますけれども。なかなか政治的には、与党の心配をする必要は全くないですけれど、いろいろな形で難しいと思いますよ。その時に財政がどういう形で振れるかですよ。だって、補正も組んで凍結するなんて言ったら、日本の財政規律はがたがたですから。マーケットの信頼がもたないと思いますよ」
反町キャスター
「柿沢さん、この民主党の姿勢について、維新としては上げるべきではないと言っているわけではないですか。同じ政策に同調してほしいという気持ちをもって、反対してくれよという働きかけは、民主党にはしない?」
柿沢議員
「いや、別々の政党で、別々の歴史を持っているわけですから」
反町キャスター
「いや、だって、政策すりあわせるわけでしょう、これから」
柿沢議員
「もちろん、政策をすりあわせる中で申し上げるに決まっています。そういう意味で、ただ、それぞれの政党がいろんな事情を勘案して、最終的に決定をするわけですから、全てが全てあえば、これは同じ政党になれるわけですけれども、現状そうではないわけですから、協調できるところは協調して、まずは友好的な雰囲気をつくり出していくというところから始めると」
反町キャスター
「非常に融和的で、未来志向なのですか。そこのところは」
柿沢議員
「融和的未来志向です」
反町キャスター
「伊藤さん、消費税を巡る、民主と維新のこの立場の違いって、どんなふうに見ていますか」
伊藤氏
「別にいいではないですか、それは。政党なのだから。一致できる点で一致していけばいいし、協調できる点で協調していけばいいし。ただ、3党合意は、民主党が反故にしたって世論は反発しないと思いますよ、そこのところは。いざとなった場合。政策判断は別ですよ。政策的な判断は別だけれども、3党合意自身はどう考えたって、自民党が反故にしているんですから、それはひっくり返したって、たいして民主党に批判がくるとは思っていません」
秋元キャスター
「厚労大臣も務められました。年金制度にも詳しいということで、長妻さんご自身としては、消費税増税はどのように考えていますか?」

長妻政調会長代理に聞く消費税増税
長妻議員
「やはり、たとえば、消費税率を上げたけれど、税収が減っちゃったと。景気が悪くなって。これでは元も子もないんで、こういう事態は当然避けるわけですが、ただ、だからと言って、現在の経済状況がそういう事態なのかというと、現在の時点でそうではないのではないかと。ただ、12月8日に確定値、7月から9月のGDPの成長率が出ますから、それもよく見ながら判断するのですが、基本的には消費税は上げて社会保障の充実にまわしていくということをあくまで追及すると。もう1つ、仮に上げないという判断になった時に、先ほど伊藤さんもおっしゃったと思いますが、マーケットなり、世間がどう判断をするかと。たとえば、格付けの機関というのもいっぱいあるわけですね、世界に。それが日本の国債の格下げをする、しないとかですね。長期金利が跳ね上がるとか、非常に大きなリスクを抱えながら、政策運営をしなければいけないと。そういうリスクもあるので、私は基本的には国民の皆さんには大変申し訳ないことですけれど、上げていかざるを得ないと思っています」

巨大与党に挑む民主&維新
長妻議員
「安倍総理が解散を打った場合、これは野党が本当にバラバラになって、大変な事態になりかねないという危機感は、我々にはある。私は、安倍政権が目指している社会の方向性は絶対に間違っている。長期的には日本にとって良くないと確信していますから。そうであれば、阻止するために選挙協力は、これはいろいろお互い言いたいことを言ったらまとまらないので、選挙協力はまずできる限り前に進めていくということ、それは、進めやすい地域と進めにくい地域というのはあるんですけれども、バランスをとりながら、できることを進めていくと。政策については、たとえば、行政改革は、これはほとんど、言っていることは、似ている部分はあるので、そういう共闘できるところから、共闘して、選挙協力も早急に進めないと。安倍総理がはやく解散をすれば、野党がバラバラだから、それは有利だと思う可能性もありますから、これは急がないといけないと思います」
反町キャスター
「現在の、今日の民主、維新の党首会談もはっきり言っちゃうと、選挙、解散が怖いという、その前にきちんと選挙協力、できる協力からやっておかないとまずいだろうというその延長戦上。野合とか、数合わせとか、理念なき選挙協力という批判に対しては、どう答えますか?」
長妻議員
「当然、選挙協力するとすれば、ちゃんと紙を交わして、こういう政策でこうですよということがないですと、おっしゃる批判は受けるのですが、ただ、これから十分に政調会長同士で話があると思うのですが、先ほど申し上げたように、安倍内閣の進める社会の方向性というのは、非常に強いものがより強くなって、格差が拡大をして、それは、年収400万円のご家庭だと大学進学率は3割ですから、優秀な人が上の学校に行けないというような、長期的に、成長の基盤を崩すような、そういう土俵をこれから日本でつくりあげていくのは良くないと。成長の基盤は固めなければいけないという思いが一致して、それで共闘できるものを文書でまとめることができるか否か。だから、現在からすぐ共闘できますということではないですよ」
反町キャスター
「今の話乗れます?維新がやっていたことは、現在の長妻さんが言っていた話ではなくて、成長できるところに規制緩和をかけてグーッと伸ばし、そこから日本を強くしようという理念かと思っていました。違いますか?」
柿沢議員
「それは地域に委ねるとか、民間の活力をもっともっと花を開かせる点では、これは民主党政権も新しい公共みたいな考え方でやってきたところはあるんですよ、実は。基本的にイギリスでよく言われる、ブレア氏、あるいはキャメロン氏という現在の政権の小さな政府、大きな社会。ビッグソサエティですね。こういう考え方に立って政府の歳出はなるべくコンパクトにすると。社会主義ではないのですから。しかし、中間団体、NPOとか、地域社会を含め、民間企業にも公的な役割を担っていただいて、そこでセーフティネットを厚く張ると。これは我々も変わらないですよ。そこは結構、共通点はあるのではないかと思いますし、議論を深めていけば、お互いがお互いの影響を受けあいますから、どんどん共通項ができあがってくると、私はかなり楽観的です」
反町キャスター
「伊藤さん、どうですか?ここまで楽観的になれるものなのかどうか」
伊藤氏
「将来像が一致すればいいんです。先ほど長妻さんがおっしゃったように安倍政権が進めている方向が良くない。維新も、概ね良くないと思うのであれば、どういう方向に進めばいいのか。大まかな道筋だけでもいいから、そこで一致すれば、個別の政策で多少齟齬があったって、選挙協力をしても、別にそんなに批判を受けるとは思いませんよ。最終的な方向性が一緒であればいいんだもの」
長妻議員
「柿沢さんがおっしゃったことと、我々が重なるところはあるのですが、安倍内閣の国会で議論をしていると分配なのか、成長なのか、どちらですかと。民主党は分配だけだと、我々は成長ですと。どちらですかという論を立てているのですが。パターンなのですけれども、世界ではこれはピケティ氏とか、いろんな学者が出てきて、その論証もできているのですが、持続的な成長を実現するのは、適切な分配がないと成長が止まってしまうと。その格差によって、成長が抑圧されてしまうというようなことで、教育も含め、あるいは親の介護のために会社を辞める人が10万人いる、1年間に。ですから、そういうようなところをきちんと差配することで、経済成長を否定していません。経済成長の基盤を、むしろそちらの方がつくれるのだという考え方でありますから、目指す方向は成長をして、分配をしていく。それが、両方がバランスをとるということですね」

与野党論戦と連携の行方
秋元キャスター
「安全保障を巡る意見の違いをどのように見ていますか?」
伊藤氏
「そもそも民主党の中の、集団的自衛権の解釈変更の問題についてどこまで意思が統一されているのかというのが、我々外から見ていると見えないですよね。少なくとも中でかなり意見の相違があることは間違いないと思うので、党内の相違がこういう言い方に反映されているのかなという気もするのですが、立憲政治云々ではなくて集団的自衛権の行使を容認することを是とするのか、非とするのか。是とするのであれば、どこまでを是とするのか。そのあたりについて民主党自身がまず考え方を統一させないと、ちょっと迫力が欠けるなという感じがする部分があるんですね。それから、維新の党の場合、日本を守るためなら限定的に自衛権を行使する、その限定的というのがどういう意味なのか、もう1つ良く理解できないこともあるのですけれども、どちらにしても民主党が現在野党第1党ですから、この問題というのは与野党で一番対決の明確な構図になってくるだろうと思うので、まず民主党自身の考え方というのがどうまとまっているのかを世論にきちっと提示してもらいたいなというのが素朴な感情です」
長妻議員
「まず我々の見解というのは7月1日の閣議決定。これはもう撤回せよ、問題ありという見解で、基本的には立憲主義という憲法は国家権力を縛るものなのだと、国民を縛っちゃダメだということに反していて、それは憲法解釈を全部解釈でやっちゃダメだとは言いませんが、限度をやっぱり超えている解釈改憲であると考えていますので、まずはそういうスタンスがあると。その次の段階としては集団的自衛権をどう考えるのかと、そのものを。集団的自衛権という権利は、その性質上、歯止めを本当にかけられるのかと。どうやってかけたらいいかということで、党内では基本法を出して歯止めをかける必要があるという議論も含めて、現在そこは議論をしている途中ですが、いずれにしても歯止めがきちっとかけられないような地球の裏側まで野放図にアメリカとどこまでもいくようなものになりかねないという、我々は現在のままだと危機感を持っていますので、歯止めをどうかけていくかということについて現在いろいろな議論をしているというところです」
伊藤氏
「歯止めをかけられれば、民主党は集団的自衛権を容認するという姿勢になるのですか?」
長妻議員
「それが集団的自衛権と位置づける権利かどうかは別にして、それはこれから日本を取り巻く環境というのも前と全然違ってきていますので、ですから、そこは歯止めをどうかけるのかというようなことを、確認し、党内で合意ができれば、そういう考え方もあると思いますが、ただ繰り返しですけれど、集団的自衛権というものが、日本が全く攻撃されてないのに日本の自衛隊が反撃できる。こういう基本的な考え方なものですから、ですから、歯止めがそもそも効くものなのかどうかというのが、政府にいろんな事例が15事例出ましたけれども、それぞれの事例が非常に曖昧なので、そこについて我々としては、議論を深めていくということです」
柿沢議員
「安倍総理はもともと憲法改正を掲げておられて、自分の著書で日米同盟は血の同盟だとまで書かれていて、なおかつ安保法制懇という有識者会議を置いて今回の閣議決定よりはるかに急進的な集団的自衛権、いわば全面容認に近いような報告書を出させたうえで閣議決定をやっていますから、本当に歯止めがかけられるのか、ここが我々もまだまだ議論を深めていかなければいけない。安倍内閣が、自公政権が、何をこの閣議決定でやろうとしているのかがまだまだ明らかでないと思うんですね。ここを国会で詰めていかなければいけない。おそらく民主党さんも同じ考えではないかと思います」

一強多弱から反転攻勢 与野党論戦の戦略と焦点
反町キャスター
「民主党が与党の政策に理解を示すことの意味、ないしは理想を掲げることによって、かつて与党時代の政策に決別することの意義、これをどう見ていますか?」
伊藤氏
「現在の政権に協力する必要は全然ないので、野党は野党としての責任があるわけですね。野党の責任で一番大きいのは何かと言えば、与党に対する抑止力であり、チェック能力だと思うんですよね。ただ、数のうえで抑止力がなかなか発揮できないとすれば、チェック機能をより一層強化してくというのが第一だと思うんですね。現在の政権がやっていることのどこに問題があるのかというのを、とにかく徹底的にチェックしていく。それをアピールしていくというのが1番大きなポイントだろうと思いますね。それから、野党は、野党だから理想を言えるんです。政権についたら理想なんか言っていられないですよ、現実主義ですから。民主党がなぜ政権の時に失敗したかというと、いつも言っていたのは、理想を掲げて政権の座に着きました。実際政権の座に着いたら、現実に直面しなければいけないと。できないこともわかってきている。わかってきているのにやります、やりますと言い続けたことが国民の信頼を失った部分だと思うんですよ。理想は理想で掲げる、でも、万が一政権の座に着いたら、やってみたら現実はこうでしたと。ですから、理想の中で、これとこれだけは必ずやりますが、こちらの方はちょっとごめんなさいねとはっきり国民に言えば、国民は理解すると思うんですね。その意味で理想を掲げることと、現在の状況を数のバランスから言って、抑止力になり得ないとすれば、徹底してチェックをしていく。政策面、あるいは考え方、理念も含めて。それをやっていく以外ないのではないかなという気がします」
反町キャスター
「その考え方から言うと、責任野党はないですよね?」
伊藤氏
「ないですよ。安倍さんのおっしゃる責任野党なんてないですよ」
柿沢議員
「国民の幅広い声を多方面から、あらゆる角度から受け止めるというのが国会の役割だと思うんです。だからこそ与党があり、野党があって、野党の立場からチェックがあるわけですよ。そういう意味で言うと、安倍政権の支持率は高いです。高いですが、今回維新の党が結党の時に見解をまとめた消費税増税10%、原発再稼働、集団的自衛権の問題、この3つの見解まとめましたけれど、この3つについて国民に世論調査すれば5割、6割、過半数以上が反対ですよね。だから、安倍政権の政策的な方向性については必ずしも国民が賛同しているわけではないんです。そういう意味では我々きちんとチェックすると。しかし、安倍政権の後ろを見て、反対側を見てみたら、ばらんばらんで仲間割ればっかりしていると言えば、国民は全く期待しないわけですから、やっぱり55の民主さんと、42になります、維新とがまとまっていって100人の勢力をつくり出し、向こうが、自公政権、安倍政権が振り向かざるを得ない、我々の言っていることを聞き入れざるを得ないような状況をつくり出すということが課題だと思うんです」

長妻昭 民主党政策調査会長代理の提言:『あるべき社会像を示す』
長妻議員
「伊藤さんが先ほどおっしゃったように安倍内閣の問題点を徹底的にチェックする。官僚政治の問題点、いろいろな歪みをチェックして、表に出して是正するというのも重要ですけれど、それと同時に、どういう社会を我々が目指しているのかと。たとえば、民主党が政権をとったらこういう社会になるんですと。ただ言っているだけではなくて、具体的にどういう手順でそういう社会が実現できるか、税制、社会保障、安全保障、そういうあらゆるところを組み合わせて、そのイメージをきちっと我々も持って、それで国民の皆さんにわかりやすく発信をしていくと。これに私は尽きるのではないかと思います」

柿沢未途 維新の党政務調査会長の提言:『大同団結』
柿沢議員
「平成の大同団結運動と、ずっと私も言ってきましたので、ようやく第一歩を維新の党の結党で踏み出すことができたと思います。これから民主党と政策協議をやって、まさに目指すべき社会像、長妻さんがボードに書かれているような、そこの理念の共通化をなるべくさせていきたいと思います。別々の政党ですから、違うところがあるのは当然です。当然ですけれども、しかし、当面何をやっていくかという共通課題を持って、政権を担当させていただけるように、私達は安倍政権に対する別の選択肢をつくりあげていく。そのために100%の一致というのは不可能ですから。大きな目指すべき目標、主要な3つの政策。こういうところで大同団結していくというのが、現在野党に求められていることだと思います」

政治アナリスト 伊藤惇夫氏の提言:『対抗軸の構築を』
伊藤氏
「政権与党がつくった土俵に乗っていっても、現在数の力で勝てっこないので、野党は野党で別の土俵を、野党全部とは言いませんよ、心ある野党とか、志ある野党かもしれませんけれど、別の土俵を自分達でつくる。つまり、対立軸ではなく対抗軸をつくるという発想が必要だと思うんです。対立軸というのは向こうの土俵に乗っちゃうことなのです。対抗軸というのは、長妻さんも、柿沢さんもおっしゃったように現在の自民党政権、安倍政権が目指している方向性と違う方向があるんだよと。こういう社会をつくる選択肢もあるんだよ、皆さんどちらを選びますかという、そういう意味での対抗軸みたいなものをきちっと野党の中で、個別の政策であまり喧嘩していないで、大枠での対抗軸をつくりあげるというのかな。それが大事なのではないかという気がします」