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2014年10月1日(水)
経営者と元大臣が問う 地方にあり?第3の矢

ゲスト

坂根正弘
コマツ相談役
増田寛也
元総務大臣

安倍政権の地方創生 何を目指していくのか
秋元キャスター
「安倍政権は、地方創生実現のために、安倍総理を本部長とする、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げました。9 月19 日に有識者会議の、まち・ひと・しごと創生会議の1回目が開かれたわけですけれど、基本方針を打ち出しているんですね。まず地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服するというのが基本目標で、これを達成するために、東京一極集中の歯止め、さらには、若い世代の就労、結婚、子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決というのがあります。確認された基本姿勢が、脱バラマキ型の投資、各府省庁の縦割りを排除。地方の自主的な取り組みを基本とするということですけれども、坂根さん、これまでの地方活性化策とどこが違うと思いますか?」
坂根氏
「たぶんバラマキ、縦割り、自主性的な取り組み。これまで地方の活性化というのは、何回か取り組み、特区もやりましたよね。構造改革特区。共通して言えることは、国の方がテーマを指定して、こういうことをやりなさい。それに対して、手を挙げた人を指定するという形だと思うんです。それが現在、この3つが何を言っているかというと、国が細かくこれということは言わないから、地方が自分で独自にこの町の、この市の成長をどうやってやるのか。その中で、ここはどうも規制が邪魔しているというような話が出てきたら、それに対して規制緩和とか、それから、お金がどうしても国から必要という時にはお金をつける。あくまでもベースは、地方自治体ごとの成長戦略を描いてくださいよということを言っているんだと思います」
秋元キャスター
「石破地方創生担当大臣の発言ですけれども、『地方から言ってくれれば、人も出すし、お金も支援する。だが、やる気も知恵もないところはごめんなさいだ』とのことですが」
坂根氏
「実はあのことは私が言ってきたので。基礎自治体が勝負だと思います。いくつか多くの基礎自治体がかたまった市、県になると、なかなか県が一斉にというか、また、バラマキとか、縦割りになりますから、とにかく、基礎自治体がキーだと思います」
増田氏
「現在、坂根さんがおっしゃった、縦割りを排除したりというところ。それから、バラマキをやめる。これは総理の石破大臣に対する指示文書に入っている文句、言葉なのですが、これはとっても大事なことで、実は先ほど出ていた、基本方針がありますよね。そういう主な基本姿勢にそういうことが入っていた。あと基本的視点で一極集中に歯止めと書いてあるのですが、あの中で、私が注目したのは、ここには入っていないのですが、地方創生担当大臣において調整をし、という文言が入っているんですよ。要するに、政策の企画、立案、実行にあたっては、地方創生担当大臣、石破大臣のところで調整をして、それで効果的に政策を実施しろと。だから、これまでは全部縦割りで、観光をどうすると言っても、全部省庁が自分のところの観光はこういうものだと言って細切れにやっていたので。今回も下手すると、十数省が自分のものだといって名乗り上げて、ほとんどの省庁が全部、金をとろうと思って虎視眈々と狙っている中で、それをどう調整するか、縦割りを排除してどう調整するのか、すごく問題ですよね。石破大臣は考えてみると、内閣府の特命担当大臣で、母体がきちんとしているわけではなくて、ご本人は能力がすごく実力はおありだけれども、組織的にはそこをどうするのかなと思って、私は随分心配していたのですが、石破地方創生担当大臣において調整し、ということが基本方針の中にきちんと入っているということは各省の一段上で調整すると。それは石破さんにとってみれば、大変な難題を背負ってはいるけれども、それでやらないと、またバラマキになっちゃう」

東京一極集中の是正策 石川回帰…コマツの取り組み
秋元キャスター
「まち・ひと・しごと創生会議が、大きな課題の1つとしているのが、東京への一極集中にどう歯止めをかけるかということですが、そのために、企業がどんな役割を果たしていけるのか。実は、坂根さんが相談役を務めていますコマツでは既に取り組みを始めているということですね。コマツは建設用の重機などグループでおよそ2兆円の売上げを誇る世界的なメーカーですけれど、2002年に東京にありました本社の購買部門をコマツの操業の地であります石川県小松市に移転しました。2007年と2010年に金沢港に隣接する工場を完成させていて、現地での大卒採用も始めているんです。さらに、2011年には本社の教育部門も小松市に移転していて、その他、グローバル研修センターを小松市に開設するなど、石川県に本社機能の一部を移転し、工場を新設するということをしているわけですが、坂根さん、この取り組みの狙いというのはどこにあるのでしょうか?」
坂根氏
「私は産業競争力会議でも、地方創生でも、コマツが日本の縮図だと言っているので、その話をまずしたいと思います。コマツは、石川県の小松市という名前から来ているのですが、1950年代に、既に東京に本社を移しているわけです。それは中央集権で、業界の集まりも皆東京にあって、東京でないと不便だということで、人の採用も東京で集めないと、良い人が来ない。その次は、輸出が結構多い会社ですから、神戸港と横浜港に近いところに工場をつくろうというので、大阪、兵庫、北関東に工場をつくってきたわけです。石川の比重がどんどん下がっていくわけです。それが1970年代までです。1980年代、1990年代は海外展開だけです。国内に新工場を全くつくっていません。2001年、私が社長になった時は赤字で、日本でモノづくりはとてもダメだというのが、共通した認識だった。ですが、私はアメリカに8年いて4年間はアメリカの会社を買収したし、社長をやって、そんなことはないはずだと。アメリカより絶対にモノづくりコストでも、負けることがないという確信があって、そこをどう説明するのかというので、そこが出発点です。結局、一言で言いますと、日本が工場の、現場の人の雇用もなかなか調整できませんよね。現在、少し柔軟になってきましたけれども。そうすると、モノづくりコストといった時に、変動費と固定費を上げないです。アメリカでは工場にある現場とか、材料費は変動費なので仕事がなくなったら、調整できるんだと。本社は固定費だと。だから、できるだけ固定費を少なくして、変動費は調整をするという考えです。変動費だけで、国際比較すると、2001年当時110円ぐらいだったと思うのですが、アメリカ、ヨーロッパに比べると、25%ぐらい日本が安い。だから、日本は決してモノづくりのコストで失ったわけではなくて、雇用が大事だというのでいろんな事業に手を出し、子会社をいっぱいつくってこうなってきた。だから、そこを取り除けばいいというので、自信を取り戻した。21世紀に入って、新しく工場をつくったのは、ロシアと中国の新工場はあるんですけれども、あとは全部、日本工場です。これから数年間は日本だけです、新規投資は。だから、日本の多くの企業がはやくそこに気づいていくというか、やれば、日本は結構、まだいけるぞというところが出発点です。それがなかったら、私はとても石川回帰みたいなことをやっていません。だから、日本には力を失っていないというのが大前提にあって、どこに工場をつくろうかと考えた時に、生活コストの安い、石川の方にやっておいた方が将来、国際競争力がなくなってきた時に、生活コストの安いところの方が、たくさん人がいた方がいいだろうと。あとでお話をしますけれど、少子化問題があります。圧倒的に石川の、うちの人達は子供がたくさん(いる)。子供の数を調べました。東京本社で30歳以上にしたんですね、0.7人。大阪や北関東は1.2人から1.5人ですから日本の平均ですね。石川、北陸は1.9人。しかも、管理職の女性が5人おられて、この5人の平均は2.8人です。もっと細かく言えば、4月に入社した人は2.2人。途中で入られた人はいろんな生活不安定なことがあって、少ないですね。結婚率があるんですよ。東京本社50%。石川90%。と言うことは、0.7かける50%、1.9かける90%というと、5倍の差があるわけではないですか。これはたぶん極端な例ですよ。うちなんか、企業内組合ですから、賃金体系が基本的に東京も石川も一緒ですから。ある意味、石川の中では給与レベルが高い会社ですね。雇用も比較的安定しているというので、そういう要素で出ていますから、他の大企業が皆そうだとはいいませんが、少なくとも長年、ある地で工場経営をされている企業は調べてみたら、そういう似たような数値が出ると思いますね」
反町キャスター
「その理由は何ですか?」
坂根氏
「結局小松市はこの前、小松市の市長から聞いた話ですが、小松市の市民の中で、15%の人が3世代同居、もしくは同じ敷地内に住んでいる。市内でいいとなれば、離れていても、おそらく二十数パーセントになるというんですよ。要するに、3世代で住んでいる比率がむちゃくちゃ高いんです。うちが現在90年経っていますから。そうすると、3世代でうちで働いた人がいますよね。そういう人がずっと、たぶん核になっているんだと思うんですよ。それはある意味、理想的な社会になるのではないのですか。そういう3世代が近くに住んで仕事もあってというのは」
反町キャスター
「社内の婚姻率というか、そういうののために何かイベントをいろいろ考えているという話はどういうことですか?」
坂根氏
「現在の管理職5人に、私が直接いろいろ聞いたんです。まずは結婚がどういう機会だったのと聞いたら、会社の中で社内結婚の方が多いですが、会社では結構話をしたりする機会があるんだけれども、年に1回、工場のお祭りがあるんですね。工場を地元に開放する開放デーというのがあるんです。出店をつくる。その時に機会ができたと言うんですよ」
反町キャスター
「社内で知り合うのですか?」
坂根氏
「要するに、仕事だけではなくて、そういうお祭りみたいな、昔はあるではないですか」
反町キャスター
「それは村のお祭りの時に男女が出会うパターンですよね」
坂根氏
「そうですね。それはそうは言いませんけれども、結婚するきっかけは、その時がきっかけですと言った子が何人かいますね」

企業が果たす役割
反町キャスター
「コマツの工場に来ると、工場祭という話があるんですね。たぶん工場祭とか、社員旅行とか、運動会とか。昔よくいろいろ楽しかったねという噂話とか、皆でいろんな話を先輩から聞いたりするので。そういうのというのは、日本のある意味、企業文化としてすごく意味があったのか。何しろ、それは東京においてはかなり難しいものになっているのか。そこはどのように感じますか?」
坂根氏
「だから、私は、良い意味でも悪い意味でも企業中心、特に、大企業中心できた国ですよ、この国は。ならば、企業がやることがいっぱいあるんですよ。だから、ちょっとしたことなら移転もできるし、お祭りみたいなことだって、地方はまずそういうことを復活してみようかと。それは余分なことだとおっしゃる社会かもしれません。ですけれども、この国は大企業が結構、やってきたというならば、そこは決して悪いことではないですから。私は割り切ってやるべきだと思いますね」
反町キャスター
「現在の若者文化とは言いませんけれども、そこに介入しないことが、たとえば、会社の中に文化として上司の1つの理想像として、そこには立ち入らないことだと。お前、どうだよ、いい人いるのか、と聞かない方がいい上司みたいな部分。そこはちょっと違うのではないかみたいな。そういう感じになりますか?」
坂根氏
「ですけれど、工場のお祭りは行きたくない人は来なくていいんですから。別に、強制をしているわけではないです。だから、私は古いタイプの人間でしょう。ですけど、この国の企業が果たしてきた役割は大きいということを申し上げたいんですよ」

企業の意識改革の必要性
秋元キャスター
「東証一部に上場しています企業の本社がある都府県のトップ5ですが、一番多いのは、東京で958社、全体のおそよ52%が集中しているという状況です。続いて、大阪、愛知、神奈川、兵庫となっているんですけれど、ほとんどが大都市に集中しているということがわかります。なぜ大企業は大都市に集中してしまうのでしょうか?」
坂根氏
「それは中央集権でずっと来て、特にかつてはお役所に顔を出すことは多かったではないですか。いろいろ規制問題とか。あるいは民間問題。もう1つは、日本独特ですが、業界団体とか、経済団体というのが、すごい頻度で集まる国なんですよ。アメリカは、業界団体でトップが集まるなんていうことは疑われちゃうから、まずトップは出ないですね」
反町キャスター
「談合を疑われるのですか?」
坂根氏
「だから、アメリカでは絶対にそういう業界団体に出る時は、専門部長がいて、出るんですね。年1回ぐらいは総会みたいなのがあって、トップが出ることはありますけれども、極力業界団体の集まりというのは、そう言うのですけれども、日本ではあらゆる業界に団体があって、それが大半、東京にあるわけではないですか。だから、東京にいないと不便だというのと、かつては圧倒的に人材採用は東京で採用をしないといい人が来てくれなかったという要素が大きいですよね」
反町キャスター
「それを考えると、これまではこれはやむを得なかった」
坂根コマツ相談役
「そう思いますね」
秋元キャスター
「企業の地方への移転については、石破地方創生担当大臣が9月16日の閣議後の会見で、このような発言をしているんですね。『これから先、政府が民間企業に、会社の機能を地方に分散させるようお願いしていくべきではないか』ということで、政府が民間企業にそうしてくれとお願いをするということですけれども」
反町キャスター
「地方創生というのは、地方を元気にすることではなく、日本全体をいかに底上げするかというパートではないですか。政府が民間企業に地方に散ってくれとお願いして、いろんな形で散っていくことが。日本経済全体の、その行った先の地方はそこで雇用が生まれるかもしれないですけれども、日本経済全体の底上げにつながるかどうか。そこはいかがですか?」
坂根氏
「コマツの例は、私どもが自分でやる範疇だけ申しましたけれども、実は、農業、林業のお手伝いをしているんですね。どういうことかと言うと、工場で働く人の約1割は兼業農家の人達です。そうすると、農業が衰退したら将来そういう若い人を採用する母数が減るわけですよね。だから、我々も農業で何かできないかというのでお手伝いを始めたんですね。2年ぐらい前からですけれど。そうすると、やることがいっぱいあるわけですよ。たとえば、農業というのを多くのケース、大規模にやっている果物関係は違うと思いますけれども、米はコスト把握もできていないわけです。いくらのコストでできているのか。そういうことは、我々すぐそこから入るわけではないですか。コストがこんなにかかっているんですけれど、内訳はどうですかという話を聞きながら、どうして米はこんなに品質にばらつきができるのですかと入っていくと、それならこういうやり方をしたら米は均一のものが採れるのではないですかとやりますよね。我々がお手伝いをしてみると貢献することがいっぱいあるわけですよ」
反町キャスター
「米つくりにアドバイスをするのですか、コマツは」
坂根氏
「そうです。やり始めたら、いくらでもあることがわかりましたよ」
反町キャスター
「それは社員の農業に対するアドバイス。コマツが、たとえば、大規模耕作、土地を借りて、大規模米づくりに入るとか、そういう可能性もこれから先にあるのですか?」
坂根氏
「いや、米づくりで現在、大規模化する前の段階で、現状の中でも米づくりを、もっと良い品質のものを、たくさん。それから、コストを安くということで我々が知恵を働かせられるし、何しろ現在の日本は守り、守りで来ましたから、農業にITを使うということが遅れているわけですね。畑とか、そういうものにはITを使うという部分と、できた作物を流通させたりするうえでITを使うという、いろんな面があるのですが、あまりにも遅れているわけです。だから、そういったところで我々が知恵をお貸しする部分があって。結構、日本の大企業が農業をお手伝いしているケース多いですよ。皆さん、御存知ないんですけれど、だから、先ほどの話に戻ると、大企業が農業も林業もお手伝いできて、それが核になって自分達がやってみようとなってくれれば、いいですよね。それをやっていく中で、小松市がどうも規制の問題がここにあって、これを何とかしてほしいなというのが出てきたら、先ほどの安倍総理と石破大臣の話ですよ。これだけ小松市を活性化しようと思って取り組んできたけれど、ここが規制だ、これを何とかしてくれと言ったら、最優先で、たぶんそこに目を向けるのではないですか。そうならないと本物ではないとうことを、私はずっと言っているんですよね」

地方自治体の企業誘致策
秋元キャスター
「増田さんは岩手県知事の時、企業誘致にどういうことをされたのですか?」
増田氏
「県内で、一番製造業で大きかったのは自動車工場ですけど、そこで取り組んだのは人材の育成を自治体サイドでどこまでお手伝いができるのか。具体的にはピカピカの大学院みたいな、高度人材という部分もあると思うのですが、自治体の場合には工業高校から企業に行かれるような、そのレベルの層をできるだけ上げる。企業の要求するレベルはもう少し高いですからね。それをできるだけ企業の要望に沿った形でできるのかどうか。一般論ですけれども、工業高校なり、農業高校なり、専門高校が普通科より下に置かれている。本来そちらの方が大事だと思うんですよね。ところが、普通科に行かない人達が入るみたいに実際になっているのですが。一方で、企業は企業で、高卒の人を採用したと。かなりのニーズがあるのですが、企業内で一生懸命研修するのですが、工業高校を可能な限りレベルを高くする。たとえば、3年の自動車専門科に2年つけて5年間でカリキュラムから相談をして徹底的に変えて、結果的に生産台数は、愛知、福岡の次に、現在、第3になっています。相当増やしていただけました。末長く企業で大事にするのは、必須科目であると思うのですが、それにプラス応用科目を自治体の方でどれだけ提供できるか。特に、私は自らの経験から言うと、人材面の、人材育成でどれだけ自治体がきちんと対応できるかにかかっていると思います」
反町キャスター
「自治体の兼ね合いの中で難しい問題にはどういうことがあるのですか?」
坂根氏
「私どもが実際に本社機能を一部移す時には自治体の何かの支援をあてにしてはやりませんでした。実際に自分達でとれる程度のリスクですし、ただ全世界から年間3万人が研修センターに集まってくるわけですね。要するに、小松空港というのがあって韓国の仁川につながって、成田にもつながっているんですけれども、韓国の仁川の方が便数も多くて世界中から来るのにトランスポーテーションでは全く困らないという条件があったんですよ。だから、研修センターつくっているんですね。小松空港が単なるローカル空港で便がなかったら、その決心ができなかったと思います。だから、あれは結構、地方空港では、これまでも相当な便数が飛んでいて、活発な空港なんですけれど、そういう要件は大事ですよね」
反町キャスター
「企業と自治体の間のコミュニケーションで何がポイントなのですか?やっぱり首長なのですか?議会なのですか?全体の総意ですか?」
坂根氏
「首長ですね。首長と始めて具体化して、市民がこれはなかなかいい動きだなと。市を挙げて応援しようではないかとなったら、議会は反対できませんよね。最初の段階で、まだ動いてもいない段階だと、各地方自治体共通の課題だと思いますが、なかなか首長が本当に改革を取り込もうとしても、改革するということは必ず利害に反する人がいると。そうすると、地方議会との軋轢が高まる。それが選挙に有利に働かない。これの繰り返しですよね、はっきり言って。だから、よっぽど意志の強い人だったら、その首長がやった成果を、市民がわかればいいわけです。議会が反対したって市民が納得しているわけですから、問題は見える化をしてあげていないから、首長ががんばった成果も見えない。私はそこがポイントだと思うんです。だから、そこをやってあげたら、首長が隣の町がやっていて、何でここが負けているのかなと取り組む。それで数値がよくなる。市民は納得するではないですか。特に、来年から再来年にかけて、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)が導入されます。マイナンバー制度の導入ということは、見える化をするツールができるということです、本来。本当に、現在からマイナンバー制度を導入するにあたって構想力のある人が考えれば。だから、私はマイナンバー制度を導入するということはこの国を大きく変える1つのチャンスですよと言っているんですね。ですから、それを使ってとにかく見える化してあげれば、首長もやる気が出るし、やった成果も評価されるということになると思います」

異次元の大胆な政策とは 地方創生とアベノミクス
秋元キャスター
「安倍総理は『政府としてこれまでとは次元の異なる大胆な政策を取りまとめ、実行してまいります』と発言しています。これはどのようなものであるべきだと思いますか?」
増田氏
「過去の政策をきちんと検証することがまず必要で、それを明日から、私も出席しますけれど、毎日、石破さんの下でやられるということで、これが非常に大事ですよね。それから『次元の異なる大胆な政策』ですが、何が大胆なのか、次元が異なるのか、政策目標。たとえば、できるだけ見える化ではないけれど、数字化して、どういうことを期待しているかをきちっと出していくこと。それによって大胆なものかどうかがわかりますし、これまでの政策はほとんど検証するということはなかったんですよね。ですから、PDCAサイクルをまわしますが、きちんとやって1つ、1つ、第三者を入れた検証の仕組みを決めていくということが必要ではないですか。有識者会議で、私の出したペーパーは、これまでのダメなところは縦横先単と言ったのですが、縦割り、それから、横並びで一律、先端で浅い。要するに、行政ぐらい住民や金融機関を巻き込んでない。それから、単というのは、モデル事業ですぐやっておしまい。だから、名前だけ変えてずっとやる。そんなことは10も20もやっていてもしょうがいないので、縦横先単にならないような、きちんとPCDAサイクルをまわすということで、大胆なのかどうなのかが決まってくると思います」

安倍政権の地方創生 アベノミクスとの関係
反町キャスター
「地方創生の言葉の裏にある選択とか、選別の部分は、我々はどう覚悟していけばいいのですか?」
坂根氏
「これまでと何が違うんだという話があっておそらく今回は地方創生と国家戦略特区と規制改革。この3つをいかに有機的にやるかどうかですよ。地方創生と特区は石破大臣が両方見られている。規制については、実は今日から各地方都市が自分達の成長戦略、創生プランをつくった中で、これはどうしても規制と言われたら、ホットラインにあげてくださいと。それを優先的に取り扱いますというのをスタートするんです。だから、私は、地方創生と特区と規制がいかにこう有機的に結びつくかということをやることがこれまでの地方活性化と違う取り組みだと思います。それから、もう1つ、よく地方集権と、道州制だと言う人がいるではないですか。これは実は見える化のことですね。スウェーデンの例を話しますと、本当に見える化をしてみたら、国民はそんな甘いものではないですよということを申し上げたいのですが、我々はなぜ各地方都市が見える化しにくくなっているかと言ったら地方集権だからです。ドイツやスウェーデンは地方集権です、スウェーデンの社会保障の例を挙げますと現金給付に相当する年金と児童手当は国が全部税金をとって出す。健康医療は名前が違いますけれども、県が税金をとって使う。市は高齢者と子育てみたいに、各市によって違うものに税金をとって使う。そうなっていれば、見える化を言わなくたってできるわけですよ。市の自分の税金がいくらで、高齢者と子育てにいくら使っている、県はいくらということになりますから、見える化をしてみますとスウェーデンの社会保障は皆が思っているほど甘いものではないです。本当に皆さん我慢しています。だから、日本がそれをできるかどうかはともかく、まず中央でデーターを持っているものを見える化するべきということも含めて言っているわけです」

坂根正弘 コマツ相談役の提言:『攻めの戦略で先ず隗より始めよ』
坂根氏
「私どもの会社の話をしましたが、それは自分達の強さにあらためて自信を少し取り戻したというところがスタートですよね。この国は農業もそうですけれど、いろんなところで自信を失って守り守りに入るわけです。攻めと守りは何が違うかと言うと、攻めは強さをベースにするわけです。前向きな指向でいくわけですね。守りというのは、弱さばっかり見るわけです。だから、もう1度攻めに戻らないと農業、林業、企業ももちろん、そうですけれど。地方は何をやってもダメだ、少子化も食い止められないという一言で、諦めていたら、何も始まらないということを申し上げたいです」

増田寛也 元総務大臣の提言:『人材を共に育てる』
増田氏
「切り口や見方は違うと思うのですが、たとえば、先ほどのコマツの林業の話、それによって、企業サイドが林業の分野にどんどん入って行くことによって、一番の林業人材が企業によって鍛えられる、育てられるわけですよね。逆に、モノづくりのところで、企業が企業として人材育成をしている部分。自治体の方できちんと仕組みを整えて、企業に優秀な人材をどんどん出していく。お互いにそれぞれのテリトリーでやれる範囲というのは、まだまだ私はいっぱいあるような気がするんですね。確かに、人の頭数はこれから減ります、これから。それから、財政制約もあるけれど、1人1人の人材を鍛えれば、日本はこれだけ素晴らしい国ですから、その中でこれだけ優秀な人がいるわけですから、まだまだ地方ももちろん、東京ももっともっと強く栄えていくことになると思います」