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2014年9月29日(月)
国会開幕…与野党争点 自民国対&民主幹事長

ゲスト

佐藤勉
自由民主党国会対策委員長 衆議院議員(前半)
枝野幸男
民主党幹事長 衆議院議員(後半)

自民・佐藤国対委員長に聞く 臨時国会“地方創生”
島田キャスター
「今日、臨時国会がスタートしましたけれども、安倍総理の所信表明で、このような発言がありました。『この国会に求められているのは、若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生に向けて力強いスタートを切ることです』。今国会最大のテーマの1つに地方創生を掲げているんですけれども、どうしてこれが焦点の1つなのでしょうか?」
佐藤国対委員長
「アベノミクスと言われる経済対策が、まだ、地方まで届いていないという意識がありまして、それをいかに、地方の活力によって届けるかということと、これまでのいろんな政策はどちらかというと国が押しつけるような政策が多かったと思います。今度の大臣、石破大臣は、地方から発信をしなさいというメッセージを出していまして、まったく総理の意向に沿ったやり方をしようとしています。従って、良いものもあれば、悪いものもあるわけですから、そういうものをしっかりと晒して良いものは伸ばす、悪いものは改善すると。全くやらないということではなくて、従って、地方の意見を、いかに引き出すかというところに主眼があるのではないかと思っています」

労働者派遣法改正
島田キャスター
「今国会への提出が予定されている主な法案はまず話にありました地方創生に関する基本法案ですね。女性活躍推進法案などがありまして、労働者派遣法改正案も予定されています。土砂災害防止法改正案だとか、統合型リゾート整備推進法案、また、東京オリンピック・パラリンピックの特措法案、こういったものがあるのですが、労働者派遣法については改正案ですけれども、民主党がこれで戦っていこうというような方針を示しています。どういったものかと言いますと、現行では製造業などと書いてありますが、26業務を除く、製造業などで、派遣業務の受け入れ期間というものは最長で3年でして、制限をされていて、人を代えたとしても、同じ業務で派遣の受け入れはできないとされています。それを改正案では業務に制限をなくしましょうと。Aという人が3年を終わったあと、人を代えたならば、受け入れを継続することも可能にしましょうと。こういうような法案ですが、これが雇用が不安定な派遣労働を助長するおそれがあるのではないかと。こういったような批判が予想されるんですけれども、この点については、いかがでしょうか?」
佐藤国対委員長
「もちろん、そういう懸念はあるかもしれません。ただその懸念を払拭しようとして、この法案をつくったということだと思います。私どもは新しい法案だとは思っていません、私自身は。前回、出させていただいて廃案になってしまったという経緯がありますので、そういう党内の議論等々も、全て済んでいまして、この労働者派遣法については何とかご理解をいただいて、良い方向で通したいという思いで、がんばっていきたいと思いますが、先ほど言われたような懸念を払拭するような議論はしっかりと国会でさせていただくという方向ではないのかなと」

集団的自衛権審議
島田キャスター
「集団的自衛権の関連法案については、通常国会に先送りにしたということで、ただ、野党はその審議を要求してくるのではないかと。この点についてはどう扱っていくのでしょうか?」
佐藤国対委員長
「正直、法律になっていないものを国会で議論をするというのは、なかなかできる話ではありません。従って、言い方は悪いですけれど、国対委員長として申し上げれば、法案がないですから、議論は当然できないということになりますが、とは言え、これだけの注目を浴びている法案。私個人の考え方とすれば、何らかの形で、政党間で話しあえる場を設けられないのかなということを、ちょっと提案をしていこうかなと…」
島田キャスター
「何らかの形と言いますと」
佐藤国対委員長
「何らかと言いますと、昨年、特定秘密保護法案というのがありました。大変、皆さんに誤解をされるような、法案ではありましたが、やってみれば、当然のことだったというふうに、私は皆さんに理解をいただいているんだと思います。その時に、各野党の皆さんと、これは法案がありましたから、当然そういう意味で、正式な議論ができたんですけれども、現時点では確たる法案がないわけで、どんなにはやくても、来年の4月以降の話になりますので、議論はできないわけでありますけれども、骨格は各政党、だいたいわかっているわけでありますから、その政党間の代表が出て来て、政党間の協議をするというのは決して悪いことではないのかなということは自分なりには考えています。ただ、国対の仕事ではないので、政調等に話をいただいて、まったく触らないということではなく、少しでもご理解をいただけるような方向。当然反対だという方もいらっしゃるわけですから、そこはそことして、賛成していただけるのでしたら、賛成していただけるところをどう伸ばせるのかとか、そういう政党間の話は当然あるべきことなのかなと個人的には思っています」

民主党への対応
島田キャスター
「自民党は各党とどう向き合っていくのかという話ですが、今国会では、新体制となった野党第1党の民主党、維新の会と結いの党が合併した維新の党が、初めて国会に臨むことになるんですけれども、民主党の新体制をもう1回、確認しておきます。国対ですから、委員長になった方を見てみますとベテランの川端さんがいます。国対委員長の代理が、元国対委員長の安住さん。この二人ということになっていますけれど、佐藤さんはこの布陣をどう見ていますか?」
佐藤国対委員長
「非常に重い布陣を敷かれたのかなと思います。私の相手と言えば大変恐縮ですけれども、なっていただいたということを私は全く後ろ向きに考えていませんで、非常に素晴らしい布陣を敷いていただいたかなと思います。それだけ重厚な布陣を敷いたという民主党さんの意思の表れかと、高く評価させていただいています」
反町キャスター
「今回の国会の日程を見ていても、最終的に、野党の取りまとめとして、川端さんが出てきて、川端さんと佐藤国対委員長の間で話をつけるという、これまで野党の誰と話をしたらいいかと、僕らも野党の誰を取材していいのかわからない。皆バラバラで、誰も民主党に任せる人なんかいないよという人達ばかり、わさわさしていたではないですか。今回初めてそういう意味でいうと、民主党でまとまってきた。これは野党のまとまりに手応えみたいに感じる部分はありますか?」
佐藤国対委員長
「なかなかそれは大変なのだろうと思います。とは言え、今回の国会の日程について決めていただいたことについては、間違いなく民主党さんがキャスティングボートを握っていたという意味では、非常に大きい出来事だったかなと思いますし、それは、私どもとしては歓迎をしたいと思っていますし、私どもの交渉が多岐に渡らないで済むというところもありますが、それでもちゃんとやるのですが、そういう意味では、非常に布陣というか、川端委員長の力量というものが、今回はっきり表れたのかなと。それを補佐する安住さんが、それをしっかりと前に出ないでいろいろなことをやっている表れではないのかなと、私は思います」

維新の党への対応
反町キャスター
「一方、民主党が浮上することによって、これまで民主党の反対側で、野党の覇権を争っていたように見える維新ですけれど、松野(頼久)さんがこの間、最強野党を目指しますということを話しています。この前の前の国会あたりだと、責任野党ということで、賛成するものは賛成する、ただ、全部反対するのが野党ではないということを言っていた維新が、最強野党を目指しますと。反対意見を、ビシッという方向だと、そこを売り物にしつつあるんですけれども、維新の変質というか、もしかしたらこの国会あたりから、もしかして責任野党というのがいなくなるのではないか。そのへんの感触はいかがですか?」
佐藤国対委員長
「責任野党ですか」
反町キャスター
「それは安倍総理が言った言葉なので責任野党とは何だろうかと思っている部分があるのですが、一部重要法案について、話し合う共通の土壌を持つ野党。そういう野党が比較的、今回の松野さんの話で見ても、最強野党を目指すという言い方で対決姿勢を強めてきている印象を持っているのですが」
佐藤国対委員長
「対決姿勢というのは当然のことだと思います。ただ、全ての意見が、全ての野党が一致してということなんてちょっと考えられませんし、それはそれなりに、まとまってくる法案はまとまって反対してくるかもしれません。ただ、全てがそれでまとまるということは、各野党あり得ませんので、そこは、まとめていただく民主党さんが、どうそこをとりまとめていただくかというのが大きな問題だと思います。最強野党というのはどういう意味で最強野党とおっしゃっているかちょっと理解できませんが、いずれにしても、野党として自民党に対峙する厳しめの意見を出していく意味でおっしゃっているのではないかなと、私どもは覚悟しているつもりです」

みんなの党への対応
反町キャスター
「みんなの党は、与党との連携を進めるのか、野党の再編を主に目標とするのかという一見、前代表と現代表の路線対立のように見えたんですけれど、結局両院議員総会では両方を目指すというような玉虫色の決着で、しゃんしゃんになってしまったんですけれども、みんなの党のような状況が野党の中にあるということは、自民党にとっては与しやすい状況ではないかと、そう思うのですが、それはいかがですか?」
佐藤国対委員長
「それは決してそうではないと思います。私どもの理想としてはですよ、野党の取りまとめ役は民主党さんということが今回の出来事で何となく見えてきたということ等々ありますので、そこをどうこれから民主党さんが担っていくかというところに尽きるんだと思います。従って、みんなの党さんが何を言っていくか、言ってくるか、それは、我々ここでまた当たってはいきますけれども、そこを全面的に取り込んで何かをやるというわけにもなかなかいかないということもありまして、国対の役割というのは、だいたい見えてきた時には終わっていますので、いずれにしても、そんなことを少しずつ一歩一歩、皆さんとお話をさせていただいて。まだ始まったばかりですので、これをこうだという結論を着けるにはちょっとまだ、はやいのではないのかなと思います」

消費税増税問題
島田キャスター
「秋の臨時国会が始まりましたけれども、今年の終わりまでに安倍内閣で重大な判断が待っているんです。ちょっとスケジュールを見ていただきたいのですが、消費税の引き上げの判断に関するスケジュールです。2014年11月17日に、7月から9月期のGDPの1次速報値が発表されます。この時、まだ国会がやっている最中で、30日に閉会する予定ですけれども、この閉会後ですけれども、12月の8日に、GDPの2次速報値というものが発表されます。実際に判断するのは年末であると。しかし、既に11月30日には国会が終わっている、閉会後に実際の判断をするということに対し、野党は反発してくると思うのですが、この件についてはいかがでしょうか?」
佐藤国対委員長
「11月17日以前にもそういう議論はできるわけです。たとえば、17日に出ないにしても、いろんなエコノミストの話等々も聞けるでしょうし、そういう方々の判断を1つの指標として国会で戦わすということは十分に可能であります。17日に出るというだけの話であって、その前から十分に議論はできるのではないかという感覚でいれば決して、その後13日しかないという話ではないと思います」
反町キャスター
「11.17、12.8という、この2回の数字をもってして決めるだろうと想像するわけで、その間、野党側も今回の会期を決めるにあたっては、11月30日ということに関しては少なくとも、我々に対して、これは短いよと。ただし、自民党側が延長をしないとは言っていないようなこともあるので、我々は飲んだんだという説明をした人達もいるんですよ。そのへん約束したとは言えないでしょうけれども」
佐藤国対委員長
「いやいや、言えないでしょう。これは約束する、最初から延長する話なんていうのは、する話ではありません。その時点でどうなっているかということが大事であって、その時点でそんな状況になっているということになれば、それは延長もあるかもしれませんが、現実論としては、63日が短いとおっしゃいますが、昨年、国会は55日しかありませんでした。あれだけの法案を通そうとしていた。そういう意味で、短い、長いの話ではなくて、いかに濃密な議論ができるのかというのが大事なことであって、決して、我々は逃げているというようなことではありませんし、そういうものを大事にしたうえで、会期は決めさせていただいたということでありますので、決して慎重審議を逃げるなんてことは全く考えていませんが、最初から、何回も申し上げますが、延長の話なんてあり得ないんですよ、我々としてみればですね」
反町キャスター
「では、会期延長はしないのかと言えば、その可能性を否定はされないわけですよね?」
佐藤国対委員長
「それは法律でですね」
反町キャスター
「やる可能性はあるわけですか?」
佐藤国対委員長
「当然、認められている話でありますから、可能性があるかと言ったら、おそらくないと、私は言わざるを得ないですよ」
反町キャスター
「要するに、消費税を上げるか、上げないか。上げるか、現状のままでいくのかというのは、3%上げたことによる景気の減速ぶりを見れば大変重要な問題であるということは、皆さん、おわかりの問題であるわけで、それを国会の審議、それを決める時に国会が開いているか、開いていないかというのは、少なくとも与党間の議論ではなく、与野党間の議論をそこで見たいと思うわけですよ。その場を提供するか、しないか。そこは国対委員長の判断が大きな部分だと思うんですけれども、そこはいかがですか?」
佐藤国対委員長
「先ほどから申し上げているように、17日に速報値が出るわけですから、ある程度の指標で判断はできるということになりますね。その前にも、議論をできないという話ではありませんので、その議論を重ねるためで、17日を待つというのも1つの議論の仕方ということと受け止めますので、それは延長する、しないという話を、私がここで言えるような立場ではありませんので、何度も言いますが、十分にその議論ができると思っています」
反町キャスター
「閉会中審査という手もありますよね?」
佐藤国対委員長
「そうですね、それは十分に」
反町キャスター
「それは、たとえば、11月30日に1回閉じておいて、12月8日の数字が出たあと、予算委員会なら予算委員会を開くというのも、スケジュール感が頭の中にまわっていると思うのですが、衆参、2日、2日ぐらいやるという手もなきにしもあらず、ですよね」
佐藤国対委員長
「それは場合によってはということもありますが、手法はどんなことでもあるのではないかなというのはあると思います」

臨時国会の焦点&国会戦略
反町キャスター
「特定機密保護法案の時にも、終わったあとに総理自身の言葉で、今回、国民に対する説明が足りなかったと思っていますという話がありました。集団的自衛権の議論のあと、高村副総裁が国民に対する説明が足りなかったと、高村さんも平場で話しています。重要法案の節目節目において、やや安倍政権は説明が足りなかったと、事後に話になるケースが多いのかなという」
佐藤国対委員長
「いや、集団的自衛権の話は、ちょっと違うと思いますよ。と言うのは、まだ法律ができていません。私が申し上げたいのは何のための閣議決定かと言うと、これだけの大きい法案をやりますよという閣議決定を、例のない閣議決定をしているわけです。それにおいてこれから法案をつくりましょうというのが現状でありますから、非常に丁寧に、いろんな場を踏んで、これをやってきていると。現在、法案づくりに向かっているという状況があって、先ほど、私が申し上げたようなこと、たとえば、政党間で話し合いができないかどうかということも模索をしていくというようなことになれば、一層深まるということになりますので、集団的自衛権のことに関しては決してそうでないと申し上げておきたいと思います。ただ、そのあと、それが足りなかったか、足りたかということは、消費税のことに関してもうわかっているわけですから、10%に上げるということが。その議論ができないという話ではないとは思いますので、十分に、この国会で、68日間の中で、議論をしていただくということはできるのではないかと、私は思っています」

民主・枝野幹事長に聞く 消費税増税問題
島田キャスター
「消費税増税についてですが」
枝野幹事長
「少なくとも11月17日の1次速報値が出ませんと、我々が地元をまわっている実感としては、かなり悪そうだとは思っていますけれど、まさにそれは数字の裏づけが必要だと。そこから初めて本格的な議論になっていく。しかも、政府自体が2次速報を見たうえで判断するというわけですから、その2次速報の捉え方ということを十分に国会で審議する時間がなければ、これまで繰り返されていたように、国民に説明がなく、どういう判断がなされることになるかと。これは我々の立場からというよりも国民的立場からもあまり良いことではないだろうと。従って、12月8日の数字を見たうえでの議論、もちろん、その前の11月の速報値に対しては、国会で会期中に時間をとってやってもらうように求めていきますけれども、12月に何らかの形で十分な時間を取る必要があると思います」
反町キャスター
「閉会中審査でも構わない?」
枝野幹事長
「形式よりも、閉会中審査で衆議院1日、参議院1日、予算委員会やりますというレベルではとてもない」
反町キャスター
「現在の現状を踏まえたうえでの消費税引き上げ。これについて民主党はどういう立場なのですか?」
枝野幹事長
「我々はまさに3党合意で社会保障の持続性と、それから、充実に向けては国民の皆さんにお願いせざるを得ないという苦渋の選択をしました。その基本は変わっていません。ただ、あの時に党首討論で、党首の安倍総裁が約束された、議員定数の削減であるとか、あるいは消費税を社会保障の充実にまわしていくとか、ここがまだまだ不十分であるということ。これはいずれにしろ、しっかりと指摘をしていかなければならないと思っています。そのうえで景気条項を突いています。先ほど申し上げました通り、実感としては悪いのではないか。アベノミクスの限界が露呈しているのではないかと思いますが、明確な数字の裏づけを見たうえで、それに対して、消費税をどうするかという前に、それをどう受け止めているのかということをしっかりと問いたださなければいけないと。そのうえでの判断だと思います」

日本に必要な漢方薬とは
島田キャスター
「枝野さんは幹事長就任会見でアベノミクスに対して『安倍さんは即効性のあるカンフル剤に頼るが、それが不要とは言わないが、時間はかかるかもしれないが、病気を根っこから治す漢方薬や体質改善といった部分こそが本当に大切』と発言しました。漢方薬や体質改善というのは具体的にはどういうことを意味しているのですか?」
枝野幹事長
「これは2つの側面があるのですが、まず対外的な輸出関連で言うと、大量生産分野というのは、大量生産を可能にするというのは、誰にでもできるように近づけていくことですから、新興国が参加しやすいんですね。日本の高度成長は大量生産分野で伸びたわけですが、ここで新興国と価格競争をやり続けていけば、どんどん国内のコストを引き下げていく。つまり、国民の賃金を下げていくということにならざるを得ないんです。そういう分野も暫くがんばってもらわなければいけないのですが、新興国とぶつからない、むしろ少量多品種の高付加価値分野を育てていく、強くしていく。これは大企業の規模の利益があまり働かない。むしろ中小企業の持っている潜在力を引き出す。ここが大事だということです。国内的にはモノの豊かさがそれなりにいきわたってしまっている日本社会で、人口が減っていくんです。その中で需要が伸びる分野があるとすれば、暫くは高齢者が増えます。その高齢者の皆さんは医療や介護の保険の世界までいかなくても、年をとるに従って、快適な生活をしようと思えば、サービス分野の需要がたくさんあるのですが、年金や医療や介護の、まさに将来不安が大きく、貯蓄や年金がそこそこある人でも、そういうところにお金が使えない。それから何と言っても、子育て支援ですよね。子供を育てたくてもなかなかそれがかなわない。ここには潜在的需要があるので、そのためには若い人達の非正規とか、ワーキングプアを減らさなければいけないし、あるいは、たとえば、正社員になれたとしても所得水準が高くないですから、ここに民間のサービス分野を育てようと思えば、この人達の所得の底上げをするしかないです。こういった形で資金の流れを従来の資金の流れから、むしろ中小零細企業、あるいは高齢者の将来の安心、あるいは子育て世代の所得の底上げ、こういったところへとシフトしていく。このことによって、内需も外需も維持、場合によっては伸びる部分がつくれるかもしれない。そこがなくて、まさに株価は上がったかもしれないけれど、あるいは輸出企業は潤ったかもしれないけど、結局従来と同じように新興国にどんどん食われている大量生産分野のコスト引き下げ競争をやっているわけですよ。また今度も派遣法の改悪という労働コストをいかに引き下げるかと。労働コストを引き下げていけば、1人あたりの生産性を下げていくと。1人あたりの生産性を高めるためには、若い人達の、たとえば、教育であるとか、オン・ザ・ジョブ・トレーニングであるとか、こういう部分を個々の企業はやりません。なぜかと言えば、個々の企業の利益のためにはコスト削減が合理的ですから。政治が、社会がしっかりとそこをバックアップしていく。そこが決定的に欠けていると思います」
反町キャスター
「アベノミクスの1の矢、2の矢の評価についてはいかがですか?」
枝野幹事長
「カンフル剤としては一定の成果があったことを否定しません。カンフル剤ですから、株価が上がったことで、高額商品は一時売れ行きが良くなったという話がありましたが、トータルとしての消費は伸びているのですか。格差とか、中間層が1人あたりの実所得が減っているという中で、全体消費は冷え込んでいるではないですか。つまり、カンフル剤として、一時の効果以上のものは少なくとも現在のところ感じられないということです。我々は、アベノミクスのような副作用の大きなカンフル剤はやらなかったわけです。確かに株価を上げた方が選挙の時に得かもしれない。でも、株を無理やり上げる時の副作用を考えるならば、即効性はないかもしれないけれども、子育て支援を充実させるとか、年金・介護を充実させるとか、あるいは介護で働いている人達の賃金を上げていくことをじわじわやってきた延長戦でなければ、本当の意味での国力を高めていくことにはならないと思っています」

野党共闘・野党再編は
島田キャスター
「野党が乱立したことで、得票が分散した。今後の国政選挙に向けては、野党が一致して戦っていかなければ、この二の舞になってしまうのではないか、このへんについてはいかがでしょう?」
枝野幹事長
「だから、野党が一致してということに、私は与しません。なぜなら、石原慎太郎さんと志位和夫さんが一緒にやるべきだと皆さんはお思いですか。野党がまとまるべきだというのはそういうことです。ただし、私は、石原慎太郎さんはよくわかりませんが、共産党さんだって自民党がこんなにたくさんの議席を持っている政治状況は良くないという点ではたぶん一致できるのではないか。だとすれば少なくとも他の野党よりも自分の党の議席が増えることが最優先だとしても、セカンドベストとして自民党に漁夫の利を得させることがこの国にとっていいことなのだろうかという判断の中で、消極的選挙協力で漁夫の利を得させないということについては、これはかなり共通認識を持ち得るのではないか。そういったことをできるだけ幅広い野党の皆さんに声をかけて努力していきたいと思います。ただ、現在の日本の政治が一強多弱という状況は、他の野党にとってもそれぞれ政策が違っていても、その状況を変える。つまり、自民党が本来の得票の形に下がるためには漁夫の利を得させない、このことについては共有できるのではないかと。それについては必ずしもあらゆる政策が一致していなくても、別に選挙に勝ったなら、政権を組もうということではないから、その限りにおいては協力できることだと思っています」

枝野幸男 民主党幹事長の提言:『一歩一歩』
枝野幹事長
「確かに、一強多弱を打破するためには、結論としてこうすればいいという話はたくさんあるんです。でも、現実政治というのはそういうものではありません。目の前のできること、やりやすいことから一歩ずつ積み重ねていくことが、遠まわりのようで近道だと思っています。民主党に対する支持率を上げていくことについても、何か1つのことをやったから急に支持率が上がるはずがありません。地道な一歩一歩の積み重ねの中でやっていくしかないと。そのことを肝に銘じてやっていかなければいけないと思います」