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2014年9月8日(月)
福島『中間貯蔵施設』 汚染土処理の課題とは

ゲスト

井上信治
前環境副大臣 新内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員
木村英雄
日本原子力研究開発機構研究嘱託
丹波史紀
福島大学行政政策類准教授

中間貯蔵施設建設 福島県知事が容認
島田キャスター
「震災によって原発事故が発生したのは2011年。その時から最重要課題とされてきました汚染土などを保管する中間貯蔵施設。この問題ですが、今回の建設容認に至るまでの経緯をもう1度確認しておきたいと思います。2011年、震災の起きた年の10月に国が中間貯蔵施設などの基本的な考え方を公表しました。2013年になりまして12月、国が福島県及び双葉町、大熊町、楢葉町に対して中間貯蔵施設の受け入れを要請しました。2014年2月、福島県知事が国に対して施設の配置計画案の見直しなどを申し入れ。3月には、国が双葉町、大熊町に集約することなどを回答しました。4月になりますと、国が生活の再建、地域振興策などについて追加の回答を行うとともに、この町村が説明会の開催を要請して、説明会が何度か行われたということです。8月30日になって、福島県知事と双葉町、大熊町町長が建設の受け入れを容認するというような流れになっているのですが、井上さんはこれまでずっと中間貯蔵施設などに関わってきて、今回、福島県知事、両町長が受け入れを容認したこの件についてはどのような思いで聞いていたのですか?」
井上議員
「おかげ様で、知事としては苦渋の決断だということではありしたけれども、本当に受け入れの判断をしていただいて我々としては大変ありがたく思っています。ただ、それを受けて、これからやらなければいけないことがたくさんありますので、引き続き、しっかり取り組んでいくということが重要だと思います」
反町キャスター
「そもそも、放射性廃棄物の処理の様々な段階の中で、中間貯蔵施設はどういう役割を持っていると理解したらよろしいのですか?」
木村氏
「基本的に、福島では非常に危険な、濃度の高いものが仮置きの状態で存在しているんですよね。ですので、そういう状態というのは、一般公衆に対して非常に危険ですよね。と言うのは、たとえば、洪水とか、自然災害が起きた場合にそういったものは簡単に流出してしまう可能性がある。そういう意味で危険なものが多いというのは、望ましくないので、中間貯蔵施設にちゃんと保管しましょうというのが、1つ大事なことです。もう1つは除染とか、何とかいろいろやって、復興していくうえで、除染をさらに進めるために現在、仮置き場がかなり満杯なっているということもありますし、そういうところがありますので、さらに、除染を進めて市民生活を元に戻すという行動をするためにはどうしても中間貯蔵施設が必要ではないかと思っています」
島田キャスター
「丹波さんは両町に携わっているんですけれども、この町は今回の受け入れについて、皆さんどういう受け止めをしているのでしょうか?」
丹波准教授
「大熊町にも、双葉町にも、それぞれ関わっていますけれど、この前、大熊町の復興の検討委員会がちょうどありまして、知事の受け入れ表明がありました。最初に言っておかなければいけないのは、両町の町長とも正式に受け入れ表明したわけでは必ずしもないですね。それは住民の、地権者の意見を、丁寧に聞いてほしいと言っているだけであって、受け入れをしたわけでは必ずしもないんですね」
島田キャスター
「報道では、両町長が受け入れを容認となっているのですが、どういうふうに?」
丹波准教授
「これは県知事が自分の政治生命を賭けて、受け入れの態度表明をされた。政治的な苦渋の決断と言われていましたけれども、その決断は非常に重いということを、両町の町長は受け止めているということなので、両町は受け入れを表明しましたと言っているわけでも何でもなく、あくまでも地権者の方々への丁寧な説明と理解を求めてほしいと一貫して言っていると思います」
反町キャスター
「そうすると、いわゆる県が受け入れを、建設容認をしても地元というより、たぶん、この場合で言うと個別の地権者ですよね。地権者が反対する可能性はまだ、十分残っているという理解でよろしいですか?」
丹波准教授
「もちろん、そうだと思います」
井上議員
「その点は、受け入れについて合意したか、していないか。ここを○×で硬直的に考えることではないと私は思っています。知事はご判断をいただいて、それを両町長は重く受け止めていただいたわけです。これから個別の地権者に対する交渉が始まります。地権者の意見をよく聞いてくれということでありますから、これは極端な話、全ての地権者が売らない、貸さないということになれば、これはできないわけです。ですから、そういう意味で、地権者の方々のこれからの対応というものが焦点になると。そういう思いを述べられたと思っています。さらには、建設受け入れ合意と別途、これから平成27年1月に搬入開始ということで、この搬入の合意というものもいただかないといけません。ですから、これからのそういう過程の中で、総合的に判断をし、事業を進めていくということになるんだと思います」
反町キャスター
「建設の合意と搬入の合意は、また別なのですか?」
井上議員
「はい」
反町キャスター
「佐藤知事は、建設は容認したけど、搬入の条件はこれから、またお話くださいというふうに聞こえるのですが、そうすると何か合意が進んだように見せかけて、実は進んでいないのではないかみたいな印象もあって、搬入合意したあと、また別の何か合意があるのかとかですね。次から次から、時の地方自治体の長の感覚によって、新たなハードルがどんどんできてくる可能性もあるのかなと。そこはどう見たらいいのですか。搬入の合意以降にも、さらに何とかの合意がまた出てくる可能性はあるのですか?」
井上議員
「そういうことではないと思っています。建設の受け入れ合意というのは非常に大きなことであって、それをしていただいたと。他方で、実際、搬入するとなりますと、当然その用地交渉が成立していなければいけないし、搬入をどのようにやっていくのか。搬入ルートとか、それから、安全性をどう担保していくのか。地元としては安全性の確保というのは一番重要だと思いますから、それが、具体的、現実的に見えないと、搬入するということは、いわば具体的な安全性に関わる行動になってきますから。ですから、そこをよく精査をしていくという話だと思います」
島田キャスター
「前回、井上さんは7月に出演しました。その時、まさに住民説明会をやっている最中の時だったのですが、その時は建設と受け入れを分けて話をしていることはなかったと思うんですけれど、どの段階でこのように分けて、受け入れ容認みたいな話になってきたのですか?」
井上議員
「建設の話と搬入ということで、そういう意味では、別に何か方針が変わったということではなく、当然のことながら、1つの手続きがありますから、そういう中で実際に搬入をお受けになるかどうかと。要は、これまで建設の受け入れ合意に向かって、様々な交渉をして、合意をしてきたことがあります。しかし、他方で、これは建設の合意まで、必ずしも必要ではないと。むしろ、そのあと敷地交渉などいろんなことが進んでから合意ができれば、それでいいのではないかと。たとえば、国や県が町で協定を結ぼうという話があります。それは何も建設受け入れの時に協定がなくてもいいわけです。ただ、搬入の時には搬入の仕方などをそこで定めるわけですから、その時には合意できていないといけないねと」
反町キャスター
「もしかしたら、佐藤知事が、次に出ないことから、搬入が始まるのが、来年の1月以降ですよね。その時は、僕は知事ではないから、その時は別の知事にやってもらうことだから、僕では決められないよという、佐藤知事なりの次の知事に対する配慮というか、そんな政治的な単なる段取り論。そんなことを思ってはいけない話ですか?」
井上議員
「そういうことではありません。それは佐藤知事も、つい最近、そういうことをおっしゃったわけではなくて、これは1年前ぐらいから、そういう議論はありましたから、その時に具体的にどういう項目をどこまでいつまでに整理するという話と思っています」
反町キャスター
「そうすると、特に、次の知事への配慮から、搬入は搬入で別の話だよと、そこで一定の区切りを見せたのは、そういう理由ではないわけですね」
井上議員
「そういうことではないと思います」

福島除染&復興加速化への課題
島田キャスター
「今回の貯蔵施設受け入れの要請について、国と福島県、町などで話しあいが進んだのですが、この話し合いは何がポイントになったのでしょうか?」
井上議員
「ポイントたくさんありますけれども、まずは必要性ですね、中間貯蔵施設の。しかも、そこの立地になぜするのかという話。それから、住民の方々の関心は安全性だと思います。それをきちんと確保できているのかと。そういったこと。それから、その土地の取り扱いですとか」
反町キャスター
「取り扱いとは、買収なのか、借り上げなのかですか?」
井上議員
「そうですね。そこは大きなポイントなりました」
反町キャスター
「それは結局、どういう形になるのですか?」
井上議員
「用地買収という所有権を移転するとか、あるいは地上権を設定するか」
反町キャスター
「地上権はどういう権利なのですか。借地権とは違うのですか?」
井上議員
「これは物権ですが、借地権とは違いまして、物権ですので、そういう意味では、いわば強い権利でして、第三者に対抗できるという強い権利ですね。我々としては、一番大事なのは安定的に安全に管理をすることだと思っているんですね。そのためには、第三者に対抗できる所有権が一番いいわけですよ。しかし、住民の方々が先祖伝来の土地を手放したくないとか、あるいは一度手放してしまうと本当に戻ってくるんだろうか、30年後。最終処分所になってしまうと。そういうものがあったものですから、住民の方々からは賃借権を認めてもらえないかという話がありました。そこで、中間の案として、地上権というものをご提案をして、ご理解をいただいたということになります」
反町キャスター
「つまり、土地を借りるよりも、地上権を確保するというのは、より国としてはより安定、安心できる状態だということですよね。わかりやすく言うと何が違うのですか?」
井上議員
「第三者に対して対抗できないということになりますと、たとえば、地権者が譲渡をしたり、あるいは相続が起きたりということになって、新しい地権者が貸さないということになると、それは返さなければいけないという話になっても困るものですから、そこを地上権だと、そこは対抗できるということになります」
島田キャスター
「それは30年間、地上権を維持できるということですよね?」
井上議員
「そうです」
反町キャスター
「一方、その30年ということでいうと、今回、中間貯蔵施設ですから、30年経った後の話も、当然出ていたと思うんですけれど、住民の皆さんは当然30年経ってもここに残るのではないかと心配になりますよね。そのへんのところはどう話を落としたというか、丸めたのですか?」
井上議員
「1つは、30年以内で、県外で最終処分をするという法律をつくりますということで、この法律をつくれば、それは非常に確度が高くなっていくという…」
反町キャスター
「それはこの秋の臨時国会を念頭においての話ですか?」
井上議員
「そうです。それから、あとはその土地の取り扱いで、地上権を設定した場合には30年後にはお返しをしますよと。そういう契約になるものですから、そこでも担保ができるということになります」
島田キャスター
「1000人もの地権者と、今後どう合意形成を進めていくのかなと思うのですが、この点はいかがですか?」
井上議員
「用地交渉は、非常に難しいと考えています。確かに売りたいという方、あるいは地上権の設定は構わないよという方は、あとは価格交渉のような話になりますけれども、絶対に売りたくないと、あるいは地上権もダメだと、貸したくないという人に対してはなかなかこれは厳しいと思っています。ですから、そういう意味では、地権者の方々に丁寧に説明をし、お願いをしていく、これに尽きると思っています」

施設の概要は
島田キャスター
「建設が容認された中間貯蔵施設。その建設が予定されているところを、ちょっと説明したいと思います。福島第一原発ですけれど、双葉町と大熊町にまたがった、地域に建設が予定されています。どういったものかといいますと、環境省がつくっている資料によりますと、広大な施設でおよそ16平方kmという感じだそうです。土壌貯蔵施設と廃棄物貯蔵施設とありますが、これはどう違うのかを教えていただけますか?」
井上議員
「土壌と廃棄物では貯蔵をするものが違うということになります。あと、Ⅰ型、Ⅱ型というのは放射能濃度の違いよって、低いものと、それより少し高いものということで、放射能濃度によって、施設のスペックも変えていくということですね」
島田キャスター
「Ⅰ型というのは、放射能濃度はどれぐらいのものでしょうか?」
井上議員
「8000ベクレル以下ということです」
反町キャスター
「上の部分に放射性廃棄物を積んでいくわけですか。8000ベクレル以下の放射性廃棄物を?」
井上議員
「ちょっと低いところに、土壌を積んでいくということになりますね」
島田キャスター
「いろいろな種類があって、これが、Ⅰ型が8000ベクレル/キログラム以下の土壌。Ⅱ型というのもありますね」
反町キャスター
「先ほどと違うところ。8000ベクレル/キログラム超となっていますが、これは放射線の濃度がより高いもの?」
井上議員
「そうです」
反町キャスター
「そうすると、先ほどと違って、やや深みが出ているんですけれども」
井上議員
「そうですね。少し、それで設備のスペックが高くなっているということですね」
島田キャスター
「上に何か被さっているのが?」
反町キャスター
「覆土?」
井上議員
「そうですね。これはとにかく、いかに水を遮断させるかというのが大事ですから、水が浸透してしまうと、それによって流れてしまったりするものですから」
反町キャスター
「そういう形で、現在、福島県内、津々浦々に、何百か所あるのですか、仮置き場は」
井上議員
「仮置き場は、5万ぐらいでしたかね」
反町キャスター
「県内に?」
丹波准教授
「現場で、住宅だとか、そういったところが5万」
反町キャスター
「その5万か所から、全部ここにグッと集めよう。集めたうえで、現在言われたように分類をして、濃度によって分けていこう。そういう場所になるという理解でよろしいのですか?」
井上議員
「そうですね。集め方も5万か所もあるものですから、それを、一時中継地点を設けて、そこからまとめて運ぶというような方向で現在議論をしています」

安全性の確保は
島田キャスター
「これで放射能というのは漏れないのでしょうか?」
反町キャスター
「安全性はどうですか?
木村氏
「基本的にセシウムというのは、吸着性が強く、土壌にかなり強く吸着しているんですね。そうは言いつつも、降雨がどんどん滲み込むと、降雨の量に応じて少なからず下に浸透していくわけですね。移行していくわけですね。全く移行しないわけではなくて、浸透の度合いによって少なからず移行する。だから、なるべく濃度の高い土壌が埋まっているところは、浸透性が低くなるような覆土を設ける。濃度が低ければ、覆土の浸透性を、そんなに強くする必要がないという、そういう判断」
反町キャスター
「その浸透性は、雨によって表面、土壌、土の中にあるセシウムが下に降りてくるということになりますよね」
木村氏
「そうです」
反町キャスター
「降りていった結果、下にたまったセシウムは、先ほどの、たとえば、貯蔵施設のⅠ型、Ⅱ型とかを見ていると、一番下の方までいくと、排水管でまとめられることになっていますよね」
木村氏
「そうです」
反町キャスター
「排水管でまとめられる・雨水が滲み透っていた、セシウムを大量に含んだ排水管を通って集められた水はどうなるのですか?」
木村氏
「だから、それはモニタリングし、計って、十分出していいということであれば放出すると。濃度上限というか、排出基準値がありますので、それをもってモニタリングをして、安全か否かを判断するということになります。大多数は、数メートル移行するのに何十年もかかってしまうので、セシウムの吸着性が高いものですから、だから、その間に減衰してしまうんですね。そういう意味でなくなってしまいますから。その高浸透率を下げてやるということをしてやれば、その中で消滅していくということになるので、そういう意味で安全性が確保できるということになります」
島田キャスター
「一方で、廃棄物貯蔵施設。これは全然違う構造ですけれど、どういうことでしょうか?」
木村氏
「これは、まさに、ここにしか持ってこられないような廃棄物ですね」
反町キャスター
「高濃度という意味ですか?」
木村氏
「そうですね。たとえば、汚泥とか、下水の汚泥とかありますよね。あれは当然、不安定なものですから、焼却処分しなければいけないし、腐敗とかいろいろありますから。焼却すると、たとえば、汚泥の状態で1倍だとすると焼却すると10倍以上になりますから、濃度的に10倍以上のものは、指定廃棄物の処分場として考えられていますエコテックとか、そういうところにも持って行けないです、(濃度が)高いから。だから、ここに持ってきてということにするということだと思います。なおかつ草木類がありますよね、除染で出てきたもの。それも焼却します。それも焼却しますから、当然濃度が高まって、それもある程度の濃度になりますから、数万ベクレルとか。と言うことも十分に考えられますから、それは当然、別個な扱いをしなければいけない。焼却灰は当然、灰ですから、非常に不安定ですよね。そのままにしておけないから、何らか固形化して安定な形にしないと、取り扱えないということで、それを固形化して貯蔵するというのが、この施設になると考えたらよろしいかと思います」
島田キャスター
「現在、見ている施設で、安全性を保てると思いますか?」
木村氏
「はい、思います。と言うのは、これはずっと処分という形でなくて、人間が、たとえば、固化し、ドラム缶か何かに詰めて、容器に詰めて保管するということになって、それは人間が管理する。だから、何かあった時に、もしヒビ割れが発生したとか、何かという時には、そこにいる人が対応できますので、人間が管理を外してしまうわけではないので」
井上議員
「これは、木村先生にも委員として入っていただいていた専門家の検討会で考えていただいた。このままの状態でも十分に安全性は確保できているんです。ただ、原発事故の経験をしましたから、安全神話ではいけないということで、万一のことがないように、これにあわせ、しっかり人間が管理もするし、モニタリングも常時するし、そういう二重三重の措置をとっていくということです」

福島中間貯蔵施設 輸送の安全確保は?
島田キャスター
「輸送の安全の確保にはどういうことが危惧されているのでしょうか?」
木村氏
「今回の特徴は、極めて多量な土壌や廃棄物を輸送するということで、ある意味この物量の輸送というのは歴史上なかったことです。そこが一番大きな課題で、当然輸送ということで、交通事故とか、いろいろ起こり得る」
島田キャスター
「かなり大型のトラックがずっと運び続けることになるわけですか?」
木村氏
「そうです。当然事故が起こる可能性は否定できないですよね。いかに事故を起こさないよう、安全に運ぶかというシステムをつくらないといけないということで、まだ最終的な結論が出ているわけではないのですが、検討をしている。事故が起こった時に、どういう形で、素早く対応して、被曝を最小限にとどめられるかという検討をしている」
島田キャスター
「交通事故にならなくても、輸送する段階で被曝しないのですか?」
木村氏
「当然被曝します。どういうふうにルートを設定するかというのも重要な課題になります。人口密集地域を避けて輸送ルートを設定するのが極めて重要になります」
井上議員
「これから搬入を始めるにあたって、いろいろ整理して、決めていかなければいけないことがたくさんあるんです。いくつかの論点についてお話がありましたけれども、これをとりまとめて、既に、輸送に関する検討会というものを専門家の方に委員に入っていただいて現在議論を進めています。正直言いまして、受け入れ合意の関係で少し遅れてしまいまして、この夏までにと言っていたのですが、何とか今月までに、そういうものをとりまとめた基本計画というものを作成して発表したいと思っています。その中に、いろいろ議論になっているような論点をなるべく詰め込んでいく。ただ、他方で難しいのは、搬入ルート、それから、土壌をどういう順番で運ぶかというのがあるんですね。こういうことになってきますと当然、大熊町、双葉町という立地だけではなく、土壌がある市町村、通過する市町村、それぞれに関係します。これは自治体と丁寧に調整をしていかなければならないんですね。ですから、基本計画を作成したうえでさらなる詳細な計画をつくっていこうと考えています」
島田キャスター
「福島県には何か所あるのですか?」
丹波准教授
「仮置き場だけで言うと、六百数か所。現場保管で、学校だとか、住宅とか、それぞれの場所に置いているのが確か5万3000ぐらい」
島田キャスター
「それだけのところから大型トラックで運び出して、当然住民の方々の不安は大きいと想いますが」
丹波准教授
「建設する大熊町や双葉町だけの問題ではなくて、搬入するルートをどこに設定するのかという問題もあって、搬入するルートの自治体の理解、住民の方々の理解を当然得なければならないと思います。1日2000台のトラックが想定されていて、数年間に渡って搬入するとなれば、周辺住民の方々は生活道路としても使っているわけですから、そこが大渋滞になって立ちゆかなくなってしまうとどうしようもないということになります。道路を拡張し、場合によっては新設する。安全性の確保をしながらやっていかないといけないのではないかなと思います」

福島中間貯蔵施設 地元への交付金&復興
島田キャスター
「政府が提示した交付金は30年間で3010億円です。交付金は、どこにどのように配分されることになるのでしょうか?」
井上議員
「(中間貯蔵施設交付金の)1500億円の内訳としましては、850億円が大熊町、双葉町の両町に配分されます。残り650億円が県に配分されます。(原子力災害からの福島復興交付金の)1000億円は県にいきます。(電源立地地域対策交付金の)510億についても同様に県にいくということで、県の方にいった後、さらに個別の市町村などに配分されることがあり得るということを県の方で考えています」
反町キャスター
「大熊町、双葉町で850億円。これはいかがですか?」
丹波准教授
「元の暮らしをできるだけ取り戻したいと。大熊のある方が、7人家族が一緒に生活していたのに、現在は6か所でバラバラに生活している。あとはお墓に納骨ができないとか、お祭りもきちんと再開もできないというような声もあります。地域の中で慣れ親しんだ生活をできるだけ取り戻したいということですから、それについてはこれまでと違う発想で新たなコミュニティの再建をしていかなければいけないのだろうと思うので、やはり一定の費用はかかるのだろうなと思います」

福島中間貯蔵施設 帰還希望者は
島田キャスター
「両町の住民へのアンケートでは、住民の半数以上が帰還を断念しているという結果が出たのですが」
丹波准教授
「例え、戻るか、戻らないは別として双葉町や大熊町といったような、もともとあった地域を維持したいという思いはあると思うんですね。それは別の場所であってもいいと思うんですね。長期避難をされている方々の生活の拠点をこれから災害公営住宅も含めてつくろうとしています。それだけではなく、医療や介護、生活のインフラ、学校も含めて、そういった環境をできるだけ改善していくということが大事だと思いますね。帰らないと多くの方々が判断されているのは、1つは原発が未だに収束しているとは誰も思っていないということが1点。それから、もう1つは両町にとってみると放射線量が相対的に高いわけですから、すぐには戻ることができないと思っている方も少なからずいる。なおかつ大熊町も双葉町も、帰還困難区域、5年以上にわたって帰ることができないと言われている地域は95%、96%となっていますので、そういった地域はかなり長期に渡って、ふるさとに戻ることができなくなっている。まして中間貯蔵施設ができるということが前提になる。そうなると、できるだけ生活の再建をどこの地域でもあったとしても、まずはしたいと思う方がたくさんいらっしゃると思うんですね。その生活再建をしたいと思う人達の気持ちをきちんと汲んでいくことが大事だろうと思うんです」

福島中間貯蔵施設 地元への交付金&復興
島田キャスター
「戻れるのかどうか、不安だということですが」
井上議員
「世論調査をよく見ると、現時点で戻らない、あるいは戻れないと思っているわけですよね。こういう中で、戻れるなら戻りたい、あるいは放射線量が下がりインフラが整備されて、もと通りの町ができるなら戻りたいという方を含めると戻りたいと思う方がだいぶ増えると思うんですね。ですから、そう言う意味では、そこが非常に重要だと思っています。ですから、今回、中間貯蔵施設受け入れ合意というものも、苦渋の決断で受け入れていただきました。これも我々から見ると1つずつ進めていくということだと思うんですね。すぐには帰れないかもしれないけれども、いわば目に見える成果を住民の方に示すことによって、いつかは戻れるかもしれないという希望を捨てないで、しっかり持っていただければありがたいと思います」

井上信治 前環境副大臣の提言:『希望』
井上議員
「原発事故から3年半が経ちまして、どうしても住民の方々に戻れない、戻りたくないと思ってしまっている方々がだんだんと増えてしまっています。もちろん、それは個人の判断だとは思いますけれど、きちんと戻りたい人には戻っていただこうと。そのためには希望が大切。希望を持っていただくというのは国の責任でもあると思っています。目に見える成果を1つずつ着実に示していって、ぜひ希望を持ってもらいたい」
島田キャスター
「ここまでの取り組み、スピード感をどのように感じていますか?」
井上議員
「そういう意味では当初想定していたよりだいぶ遅れてしまっているのは事実だと思います。放射能に対する嫌悪感がハードルになっているのは事実ですが、住民の方々の安全というものを1番に考えて、なるべくはやくやっていかなければいけませんから、そこは全力で取り組んでいただければと思います」

木村英雄 日本原子力研究開発機構研究嘱託の提言:『避難地区の最少化』
木村氏
「避難地域をどこまで最少化できるかというのが技術的な観点で、それを最少化できれば当然帰還できる人も増えるということで、これを1番重要なものにしたいと思っています」

丹波史紀 福島大学行政政策類准教授の提言:『福島だけの問題にしない』
丹波准教授
「2つのことを言いたいんですけれども、先ほど交付金をどう使うかという時に選択肢を狭めないということが大事だと思うんです。帰りたいと思っている人もたくさんいます。できるだけもとの暮らしを取り戻したいと思ってい方もたくさんいる。大熊町の場合は線量の低い大川原地区というところに郷土の復興をするための拠点をつくっていこうと。そういったことで、帰りたいと思っている人達の選択の機会を奪わないようにしよう。そういったことにもきちんと使っていく。あるいは生活再建を別の地域でされる方がコミュニティを維持しながら安心して生活できる環境を整備していく。これは、賠償とは別に、きちんと国の措置としてやっていかなければいけないと思います。あと、今日はお話できなかったんですけれども、ここにきて石原前大臣のように失言してはいけないからと思って、言わなかったのですが、中間貯蔵施設は別にこのフジテレビのあるお台場に持ってきてもいいんですよね。福島の皆さんが決断して覚悟を決める。その重い決断をしたということ、これは知事だけではないと思う。福島県民全体がその決断をしたということを全国の方々にも理解してほしいと思っています」