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2014年8月22日(金)
企業革命『イクボス』 男性育休で業績UP?

ゲスト

森雅子
少子化対策担当大臣 自由民主党参議院議員
川島高之
NPO法人コヂカラ・ニッポン代表
廣川明子
大和総研主任コンサルタント
山本周
フジテレビ解説副委員長

新しい上司の姿“イクボス” これからの職場・働き方改革は
佐々木キャスター
「イクメンという言葉が定着しましたよね。イクジイあたりも言葉としてはなじんでいるのですが、イクボスはまだまだ耳馴れないです。そもそもイクボスとはどういう定義であると」
川島氏
「部下の子育てのみならず、私生活を応援し、部下のキャリアを応援する。その2つを応援しながら、かつ組織の長として業績責任、あるいは組織としてやるべきコミットメントをしっかりと実行すると、両建てで部下のワークライスバランスを支援しながら、でも、組織の長として責務を果たすというのをイクボスと呼ぼうではないかというふうに定めました」
佐々木キャスター
「私生活もキャリアも両方応援しながらチームとして率いていく仕事を束ねるということですね」
川島氏
「はい」
佐々木キャスター
「内閣府でもイクボスに注目されているそうですが、どういうことをなさっているのですか?」
森少子化対策担当相
「もう1年以上前になりますけれど、安倍内閣で若者女性活躍推進フォーラムという行事で、全国キャラバンしていまして、私が群馬県に行った時に、県を挙げてイクボスしていますよと聞いて、イクボスとは何かと聞いたら、イクメンをする従業員だけでなく、上司がイクメンやその他の従業員を応援するように上司を育てていこうという試みをしていますということで各企業の中間管理職を集めて、部下のマネージメントのトレーニングをしていたんです。これは良いと。制度はあるけど風土が変わっていないということで制度があっても利用できない雰囲気がある。これを変えるのはボスですから、ボス達にこれからは出番ですよということで、やってもらおうということで、イクボスのことを予算化して進めています」
佐々木キャスター
「予算化とは具体的にどういうことをされるのですか?」
森少子化対策担当相
「イクボスは、各地方自治体の方で様々な取り組み方あると思うんですけれど、現在の上司の意識改革をするような研修をしたりする場合に、支援をするということをしています」
佐々木キャスター
「既に何か変化が起きていますか?」
森少子化対策担当相
「変化は起きていると思いますよ。私の省庁でもやっていまして、イクボス研修をやっています。ファザーリング・ジャパンの安藤さんに来ていただいて、内閣府の課長、部長級を集めまして、育児休業をとるような従業員であるとか、その他の様々な場合に、上司がどうやってマネージメントをしていくかということを、研修をしていただきましたので、変わっていくと思います」
佐々木キャスター
「企業で研修に組み込まれた場合は、渋々、受けなければならない人とか、しょうがない、会社がこの研修を組んだから受けようというモチベーションで参加される方も多いと思うのですが、受けたあとどんな変化が起きるのですか。リアクションはどういうものですか?」
川島氏
「おっしゃる通りで、企業研修の場合は、何だよ、この忙しいのにやめてくれよとか、多いですね、正直言って。ただ、私どもが努めているのは、子育てだけではなく、たとえば、介護ということがありますよね。それは管理職の方は、目先に介護、あるいは既にそれでご苦労されている方もいらっしゃる。あるいは趣味、勉強、あるいはある程度の年齢になってくると社会貢献とか、そういうことに関心がより高まってくる。そういうことは全部いいんだよということで、そういうのを含めた私生活だよということで、私事にまず落としてから、腹の中に落としてから、イクボス研修をやるんですね。そうすると、非常に研修前と研修後で目つきとか、発言が変わってきたなという実感があります」

育休をとれない要因は
山本解説副委員長
「女性の方は、育休の取得率は現在80%前後。まあまあ普及しているなというところはあるのですが、男性はどうかと言いますと遠目に見るとちょっと増えてきているなと見えますが、目盛がすごく大きくて、2.03%と」
佐々木キャスター
「現状はいかがでしょうか、2.03%…」
廣川氏
「なぜ取得が進まないかというところですが、企業として男性が育児休業を取得するということに、メリットを見出していないというところが大きくあると感じています。企業としてメリットを感じていなければ、育児休業を取得、何日かいなくなる。ちょっと正直迷惑だなというのが、休まれてしまうと困るなというのが本音だと感じます」
佐々木キャスター
「他に阻害する要因は何でしょう。休まれては困るという、そういうこと以外に人事評価として出世に響くとか、そういうことを気にする空気というのは正直あるのでしょうかね」
廣川氏
「そこはあると思います。それは30代ぐらいの男性、育児のちょうど、子供さんが小さく、手がかかって、男性がもっとより育児に関わっていかないと大変というような時期は30代というところが大きいと思うのですが、その世代はまだまだ管理職になりたてとか、これから管理職になりそうというところで、まだまだ男性としても、これから自分は出世の可能性があると感じている世代ですので、そこで育児なのか、仕事なのかという時に、あいつは仕事ではなく、家庭をとるんだというところを思われてしまうと、正直、出世競争に響いてしまうのではないかということを、会社としてメッセージとして出していなくても、妙に男性が穿って見てしまうということはあるかと思います」
森少子化対策担当相
「ですから、企業の側と本人の側に、どちらにも阻害要因があるので、これを取り除いていくことが必要で、まず企業の側で言えば、男性の育児休暇取得率が高いほど企業の利益が高いということを、しっかり認識をするということです。これはデータ上もワークライフバランスに取り組む企業、育児、介護支援とか、男性の育児休業、こういった数値が高い方が、粗利益率が2倍高いというデータが出ているわけですから、これをしっかりボス、社長が理解をし、それを社員に浸透をさせるということが必要ですよね。また、個人の従業員の方も育児休業を取ったからといって将来の出世に響くということがないんだということを理解することです。それにはイクボスが、自分の直属の上司が言ってあげるのが一番ですね。私のところではなかなか言葉で言っても、納得できないかなと思って、消費者庁の人事規則は育児休業を取ったら人事評価をプラスにするというふうに変えたんですよ」
佐々木キャスター
「それはとった人がですか?」
森少子化対策担当相
「ええ、将来の出世に響かないと書いたらと言ったら、大臣、それはもうあるんですと。育児休業をとっても不利になりませんと書いてあった。それでも、皆とらないから、じゃあ、不利にならないように一歩越えて利益になると書こうと。そうしたら、それは子供がいない人と不公平ですと言うから、では、子供がいない人もとっていいと。つまり、育児休業だけではなくて、様々な研修がありますね、留学でもいいですし、また民間企業に研修に行く。そういう時は行って戻ってきたら、自分はこういうことを仕事に活かしますと書いたら、プラスになりますよね。それと同じように、育児休業も、それをどうやって業務に活かすかということを、自分でちゃんとレポートに書けば、これはプラスになる。そうすると出世に響くということもなくなってくるんです」
佐々木キャスター
「理由は何であれ、休んだ時には、それをむしろプラスに評価するということを実際になさっているんですね」
森少子化対策担当相
「そうですね」

どうやって企業に導入したのか
佐々木キャスター
「これまでワークライフバランス、仕事とそれ以外の生活を、両方とも充実させるというのは、どちらかというと、女性側の問題として考えられてくることが多かったですので、たとえば、現在私も2人子供がいて、保育園から『熱が出たから迎えに来てください』と言われることがあります。そうすると本来、行ける方が行けばいいのですが、遂に自分自身でもまず母親が行かねばというか、何かマインドセットがあったりしてというのは自分自身の方が夫よりも言いだしやすい空気だろうなと。自分でそういうことを思い込んでいるところがあるのですけど、男性側にもワークライフバランス的な考え方というのは、森大臣、これからどんどん導入されていくのですか?」
森少子化対策担当相
「若い男性のその意識は高いです。今年の男女共同参画白書ですが、家事場のパパヂカラということで、キャッチフレーズもつくり、男性の変わりゆく、男性の仕事と暮らしというのを出していただいていますが、男女共同参画白書で、男性を特集したのは初めてです。これまで女性とか、制度について特集をしてきた。だけど、制度はできてきて、女性もがんばるだけ、がんばりました。あとは殿方の出番よということで、男性の意識を調べて見たら、現在の答えですけれど、若い30代の男性は、女性と全く同じぐらいの意識があるんです。自分も一緒に育児しよう、家事をしようということ。だから、あとはそれをどうマネージメントするか。ボス達は、自分達が若い頃やってなかったので、やってあげたいのだけれど、どういうふうにマネージメントしたらいいかわからないですよね。だから、それをイクボス研修していただくことで変わっていけばと思っています」
廣川氏
「先ほど、大臣おっしゃられていたように、ワークライフバランスを充実させていた企業の業績がすごくいいというようなお話も結構、卵が先か鶏が先かの議論はあって、業績がいいからワークライフバランスの充実ができるのでしょうというような議論もあって、結構企業さんによっては、本当にそれに取り組んだところで業績が良くなるかという、確信が持てないというところが実際ではないかと思います。手間と時間のかかることですので、その手間と時間をかけても本当にそういったメリットがあるのかと、数字で見ていきたいということが経営者の方におありになると思うので、ここはまだなかなか見えてこないところかなと感じます」
佐々木キャスター
「ここまでの話を聞いていかがですか?」
森少子化対策担当相
「データのことで言えば、様々なデータがあって、現在値をとっているデータだと業績が良い会社だからワークライフバランスができるみたいな反論をしてくる人もいるのですが、1つの会社を追いかけたデータも、いくつか私は持っていますので、1つの会社のビフォーアンドアフターで、業績がビフォーの場合は悪かったんだけれども、ワークライフバランスに取り組んだ、また女性が活躍したから粗利が上がった、株式資本利益(率)が上がったということがいくらでもあるんですよ。ですから、経営者の方は、たぶん理論では、皆さん、理解をしているんです。あとは踏み出す勇気がなかなか、ない。リスクをとらないといけませんから、だから、見ていない世界に踏み出すのって人間はすごく勇気が必要なので、見せてあげること、プチ体験をさせてあげることということが大切だと思っていて、政府ではモデル事例集もつくって、お見せしていますし、たとえば、私の役所でやっていることは、うちの幹部に全部テレワークさせたんですよ。iPadを与えてね」
佐々木キャスター
「在宅勤務ですね」
森少子化対策担当相
「そうそう。しました。1週間に2回。役所には24時間、役所に住んでいるのではないかという官僚がうようよいます。そうして、そういう参事官が右奥に座っていると、右奥だけ真っ白に白髪になってしまうというような噂話がされるぐらい、幹部が夜中までいることにメリットはないんです。部下だって仕事しにくいし、帰れないし、しかし、そこで週1回、まず幹部を帰らせたら、最初は苦痛のような顔をしてやっていましたけれど、だんだんニコニコしてきて、これはできますねと」

大企業・中小企業での問題点
佐々木キャスター
「視聴者からですが、『長く続くデフレの中で、企業は徹底的なコスト削減をしてきました。以前の半分の人数で倍の仕事をこなすのが実態です。休暇をとれば、その負担は同僚にまわります。それぞれ限界ギリギリで働いているのがわかっているので、育児だけではなく、休暇をとることを言いだすこと自体無理です』とのことですが、こういうところにはどういう支援、ケアを、国として応援できることがあるのでしょうか?」
森少子化対策担当相
「国としてはワークライフバランスを進める、特に中小企業に向け、インセンティブを与えるために助成金や補助金の制度をより厚く手当をしています。法律も変えまして、次世代育成支援対策推進法というのをできるだけ前倒しで拡充しました。そういう企業をさらに応援するように法律も通って、これから予算もついていくわけです。先日、高知県に行きまして、それこそ中小企業の社長さんが発表していましたけれども、うまく育児休業をまわしていく制度を使っていまして、女性の社員も多く雇い、ママさん支店長なども登用しているのですが、その社長がおっしゃったのは、育児休業をとったあと戻ってきた社員というのは確実に仕事のクオリティが高いと。2人子供を育ててきた我々はわかると思うのですが、子育てというのは、本当に生もの相手ですから、いつ熱を出すかわからない。危機管理は徹底しなければいけませんから、短い時間でいつもきちんと仕事を終わらせる。効率が良くなり、マネージメント能力も高まります。コミュニケーション力も高まると思います。戻ってきてから、仕事のクオリティは高くなると思います。そういう人材をずっと使っていくのか、それとも失って新たに社員を入れて、コストをかけて育てるのかといったなら、使い続ける方が圧倒的に良いと、その社長さんはおっしゃっていました。ただ、それは最初に制度を変える時、ボスの決断とちょっとの投資が必要だと。そのシステムに変わるまで。ところが、それがいったん回り始めれば、常時育児や介護で社員が休むことがあるという想定の中で、全員で仕事をまわしていく。お互い様だと。そこの会社では妊娠をして、育休に入る者は、育休プレゼンテーションというのをして、全社員を集めて、全社員と言っても中小企業で少ないです。そこで私は何日から何日まで育休に入ります。子供もしっかり育てたい。だけど、自分のやってきた仕事も心配だと。残される数少なくなる仲間も心配。だから、どうしようと言って、皆がわかったと。ここからここまでいないんだね、その部署はその分きつくなるから他の部署で現在ここの部は、育児休業、介護に入っている者がいないから、うちが仕事を手伝うよとか、こういうふうに分担しようとか、皆でアイデアを出しあって育休中を乗り切るということを毎回やっていると言うんですよ」
佐々木キャスター
「でも、助けあうことが風土として根づいていくところがあるのか」
森少子化対策担当相
「そこまでいくまで、政府はお手伝いをしたいと思いますし、良い事例集も横展開をしていきたいと思います」

普及への課題
佐々木キャスター
「人数の少ないチームだったりすると、たとえば、休暇をとれる人はそれでもいいと。でも、それがとれていない、制約があまりない人に負荷がかかっていたとすると、人事評価をどうするかというところで結構課題があると思うんですよね。何か、同じような業績を上げている時に、時間が短い人と、あるいはフルタイムで働いている人だと、心情としては、人事評価は、フルタイムの人を評価をしてあげたいみたいなことがあると思うのですが、そのあたりはどうクリアされているのですか?」
川島氏
「当然、私生活を投げ売って一生懸命やっている社員とそうではない人では心情的にはがんばっている人を評価したいというのは当然ありますよね。そういう私生活を投げ売ってということをしなくても、業績やチーム力は上がるから、ちゃんと子育て以外の、必ず何かライフがあるでしょう、絶対あるよというのを1対1で話しあって、飲みながらでもいいのですが、なかなか飲む時間が皆ないと思うので、ランチをしながらでもいいし、そこで気づいてもらうと。そうすると今、大臣もおっしゃった通り、結局、この人は子育てで早く帰ります。あるいは週1回休みます。この人は介護があります。この人は趣味です。あるいはある人は2か月間エベレストに行ってきますと。そういう人もOK。2か月間、育休もOK。お互いがお互いにカバーしあうようになる。そういうふうに持っていくことが時間はかかるかもしれないけれど、必要かなと思う」
佐々キャスター
「イクボスには何が必要ですか?何が求められているのですか?」
川島氏
「大切なことは、仕事は甘いものではないので、当然ですよね。ですから、成果をしっかりと出すという強い意志、もっと言えば、イクボス自身もそうですけれど、イクメンなり、女性もそうですよね。要は、仕事をやっているメンバー全員が、9回裏2アウト満塁のマウンドに立つぐらいの緊張感を持って仕事に取り組むということが何よりも重要かなと」
佐々木キャスター
「かなりぎりぎりに追い込まれているぐらいの緊張感ですね」
川島氏
「そうです。何となく、先ほどの討議も含めて、緩い、休んでもいいんだとか、自由でいい、権利を主張してればいいんだと、どうしてもこういうトーンが伝わりやすいんですよね、イクメンとか、イクボスだと。でも、そうではなく逆ですよ。これまで延長線12回、13回までやった。あるいはサッカーだったら同じような延長戦があって、45分のあとにもあった。これがないわけです、時間内に終わらせなければいけない。しかも、成果はこれまで以上に出さなければいけない。となると、常に緊張感を持ってマウンドに立つぐらいでないと出てこないですよね。だから、楽なものではなく、逆に厳しいものだというぐらいの意識をイクメンなり、若い世代の人はもちろんのこと、ボス自身も持って、そういう意識を持って仕事に取り組む。これが重要かなと思います」
佐々木キャスター
「こういうことを企業に導入しようとすると、おそらくトップに立つ方などは、導入するのはいいんだけれど、権利を主張してきて、職務を若干緩めるのではないか、権利ばかり主張してくる人がいるのではないかと危惧をされる方もいると思うんですよね。そこはどうマネージメントされていくのですか?」
川島氏
「まさにフリーライダーという言い方をするんですけど、いわゆるタダ乗りですよね。実際にそういう人が、たとえば、イクメンの中で増えて、そういうイクメンの啓蒙をやめてくれと言っている企業も多くいらっしゃいます。ですから、そうならないようにしなければならないということが当然ですが、そこは繰り返しになりますけれども、イクメンが子育てしたい、いいじゃない、やれよと。その代わりこれまで以上の仕事の成果を出そうぜということを、これは常に言い続けなきければ、それは我々セミナーでも言いますし、それからボスなり、企業の方も、いろんな制度を入れるから、入れる分、競争に勝ち抜かないと会社が潰れちゃうよと。潰れたら制度も何もないよねと。制度を入れて時短になる分、これまで以上に集中してやろうぜということをトップは言い続けるという。ここは大切ですよね」
佐々木キャスター
「企業にとってこういう制度を導入するというためのインセンティブ、動機づけというのはどういうものが考えられますか?」
廣川氏
「私は、男性のイクメンということではないんですけれど、女性の活用を結構熱心にされている会社のトップの方にお話をお聞きしたことがあるのですが、どうして女性に活躍いただくことをされているのですかという話をお聞きしたところ、儲けさせてくれるからと、はっきりおっしゃっていました。女性は、これまで比較的男性中心の会社だったのだけれど、新しい発想を持ってきてくれる。だから、儲けさせてくれる。商売の種を見つけてきてくれる。だから、女性に活躍してほしいんだとはっきりおっしゃっていました。なので、効率的というところだけではなく、企業の変革と言いますか、イノベーションをいかに起こせるかといった視点でイクメンやイクボスが必要だということを、本人達が訴えていく。フリーライドするのではなくて、自分達が外でこういう経験をしてくることで、こういうメリットを会社に提供できるということを言っていくことは必要だと思います。イクメンとか、イクボスではないのですが、ある広告代理店では副業がOKとされている会社もありまして、自分の現在のメインの仕事では得られない副業で得られた知識、経験というものを本業に活かしてもらう。だから、副業を認めるという会社も出てきていますので、副業ではないですけれど、自分のライフのところを活かして、実際に企業の業績に貢献できるんだということを本人もきちんと伝えていくという努力が必要だと思います」

日本型経営になじむのか
佐々木キャスター
「ワークライフバランスを重視するという、もともと欧米にあった考え方が日本型の経営になじむものなのでしょうか?」
川島氏
「気をつけなければいけないと思いますのが、以前成果主義というのを、欧米式をそのまま日本に導入して大失敗したんです。同じように欧米式のワークライフバランスの考え方をそのまま日本に輸入すると、日本の良さが逆に失われてしまうかなと思いますよね。だから、日本らしいワークライフバランスというものは必ずあるはずなので、そこを追求し、ただ輸入するのはやめた方がいいと思います」
佐々木キャスター
「ワークライフバランスを取り入れてくださいと言った場合に経団連のような伝統的な日本の企業が集まっているところからはどういう受け止めがあるのですか?」
森少子化対策担当相
「最近とっても協力していただいて大変ありがたいのですが、女性の活躍も、ワークライフバランスも、経団連は大賛成しますということで」
佐々木キャスター
「劇的な変化ですか?」
森少子化対策担当相
「はい。劇的な変化です。先ほどの、企業利益にも結びつくということの、浸透がされてきたのではないかと思いますし、今おっしゃったように転換しないとこの先がないと。労働力が先細りしてきまして、まず目先の労働力としては女性。その先は少子化を反転させていかなければ、経済の発展など望めないわけですので、ここまで来てからやっと協力してくれた。ありがとうということで一緒にがんばっていきたいと思いますけれど、なかなか難しい、現在のすり合わせの話ですが、ビジネスモデルが、たとえば、24時間オープンですと言ったとして、そこはワークシェアリングで乗り切ればいいのであって、1人の個人が朝から晩までずっと働かなければならないということではないので、長時間労働を抑制して、時間外労働を減らしていくと。正規の時間でしっかり成果を出して、複数の人数でまわしていこうよということを言っていくことによって時間外労働の方が、コストがかさむわけですから。そういう意味では発想の転換をしていただきたいですし、中小企業の皆さんも、先ほどのように人材獲得に非常に苦労なさっている中で、優秀な人材を獲得して定着させるのに、最も良い経営戦略だと、ワークライフバランスが。と思っていただいて、単にコストが増すというよりは将来への投資だと。そう捉えていただいてチャレンジしていただきたいです。チャレンジするところには政府も税制、補助金も含めて精一杯ご支援をしていきたいと思います」

森雅子 少子化対策担当大臣の提言:『早く帰る』
森少子化対策担当相
「ボスがいつまでもいると、イクメンも帰れない、女性も帰れないんです。思い切ってボスははやく帰る。と言うことをまずは実践していただきたいと思います」

川島高之 NPO法人コヂカラ・ニッポン代表の提言:『任せる』
川島氏
「ボスは部下の力を信じて、裁量型、エンパワーメント、仕事を任せる。事細かにマイクロマネージと言うんですけれど、ああだこうだ言わなくて、ある程度任せると、結果的に成果も上がるし、部下も上司自身も、ライフの時間を自分でコントロールできるようになるということで、上司は部下に任せると、ある程度。これが大事かなと」

廣川明子 大和総研主任コンサルタントの提言:『十年先を見る』
廣川氏
「これはイクメンかくあるべしというよりは企業の方に対してのメッセージですが、人を育てる、働き方を変えるということは一朝一夕でできる話ではありませんので、10年先を見てどうなんだという視点で検討していただきたいと思います。現状無理だから思考停止してしまうのではなく、さらに先を見てどうだということを考えていただきたいと思います。雇用機会均等法も、施行されたのが1980年代でしたが、その頃に採用された一期生の方が現在やっと50歳前後になられて、重役のポジションに就かれ、これから経営陣という時期にきていますが、それでも10年、20年、30年といった期間を経て、初めて成果としてあらわれる話ですので、先を見ていただきたいということを申し上げたいと思います」