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2014年8月21日(木)
『攻めの農業』海外へ 先駆者にきく成功の鍵

ゲスト

山野豊
山野りんご株式会社代表取締役
松本武
松本農園プロジェクトマネージャー
三輪泰史
日本総研創発戦略センター主任研究員
大山泰
フジテレビ解説委員

どう挑む海外市場 野菜&果物の輸出戦略
大山解説委員
「農林水産物の額で言いますと輸出額は5500億円。日本の輸出は70兆円だから、5000億円は1%にはちょっとまだ満たない感じです」
島田キャスター
「具体的にどのような野菜や果物が輸出されているのですか?」
三輪氏
「3000億円の中に実は生のまま、いわゆる青果物のまま輸出されているものは、非常に少ないんですね。輸出というと果物とか、生野菜がそのまま段ボールに積まれて出ているようなイメージですが、実は加工品が中心で、生のままというのは限られているというのがまず1つです」
島田キャスター
「どのくらいが生のまま輸出されているのですか?」
三輪氏
「だいたい現在150億円くらいだということになりますので、果物と野菜の生のモノは極めて少ないです」
山野氏
「非常に小さい会社ですので、輸出専用でやっておられるところから見ると微々たる量ですが、それでも現在の日本の国と同じでだいたいうちの売上げの5~10%は輸出で構成されています」
島田キャスター
「国内向けと海外向けは品質が違うのですか?」
山野氏
「品質というよりは品種とサイズが違うというような言い方になるかと思います。売り先によって変えています」
島田キャスター
「痛みやすいのではないですか?」
松本氏
「果物と違って野菜は距離が長くなると輸出しづらいというのは間違いなくあります。軽いもの、たとえば、葉物とかになるとエアーで運んで、重量物で日持ちするものは船で運ぶとか、それは使い分けが必要ですが、ただ相手の国でも競争力のある品目と、そうではない品目が必ずありますので、これをつくったから必ず輸出できるというわけではなくて、当然マーケットのニーズを見ながら向き、不向きというのはあります」

青森のRINGOを世界へ 現場に聞く輸出戦略
島田キャスター
「海外でどう受け止められていると分析していますか?」
三輪氏
「日本産の食品、食材に対して重視しているのは味の良さということで単に日本のものだから良いというだけではなくて、おいしいから買ったという非常に日本にとっては良い傾向かなと。実際に食べてみた方がおいしいと言って買ってくれているのは、単に日本だからというブランドイメージではなくて、農産物そのものを評価してくれているということかと思います。あともう1つは安全性や、健康にいい。実はこの辺りは海外では苦手な部分ですね。中国にしろ、アジアにしろ、特に新興国では自国の農産物に危険なものが混じっているのではないかと、そういう事件、事故もたくさん起きているので、味に加えて、これは絶対に安全安心で体にいいよねということを現地の消費者の方々が納得して買われているということで、味の良さ、安全性、健康というこの3本柱が日本の農産物の強みになっているというように感じますね」
山野氏
「日本の農業の強みというのは、リンゴも同じだと思いますけれど、品種の多様性、それから、非常に工夫して、改善だと思うのですが、病気と戦い、虫と闘い、気候と戦って一生懸命つくってきたということで、それが品種の多様性や味につながっている、これは絶対に外国では真似できないというか。私が外国に行く時に、リンゴとアップルの違いを説明するために使う資料ですが、左側は『大紅栄』という品種ですが、非常に大きい品種ではあるのですが、大き過ぎて、枝と実が喧嘩するんですよ。そこの部分に枝と擦れないようにパットが入っています。そういう工夫をしながら、我が子を育てるように青森の人達が大事にやっています」
島田キャスター
「パットを入れてというのは他の国ではありますか?」
山野氏
「私の知る限りではないですね。これは『ふじ』ですが、これは葉をとっているんです。下を見ますと、これはシルバーシートと言いますが、反射材が入っていまして、下から光が反射して、お尻の方まで赤く色づくように工夫しているんです。リンゴが満遍なく赤くなるようにリンゴをまわすんですね。日本の消費者の方もそこまで正確に知っている人はあまりいない。一生懸命まわしているのですが、当然、まわしただけでは戻ってしまうので、まわり止めとして輪ゴムをかけています。これを手にかけてやっていますので、ここも全部コストだと。だから、日本はあなた方にアップルではなくてリンゴを提供するためにこれだけ人間が手をかけてやっているんだと、だから、きちんとした良い値段で買ってくれという話をします」

熊本の野菜を世界へ 現場に聞く輸出戦略
島田キャスター
「日本の野菜と海外の野菜は違うものですか?」
松本氏
「味も微妙に違いますし、日本人の味覚と言うのが、非常に鋭いので、たとえば、臭みが強いやつとかでも、海外のものと比較すると日本のは非常に食べやすいとか、そういうものもありますね。私達が香港に輸出しているニンジンですが、通常日本と同じようなパッケージのデザインでやっています。イギリスの大手スーパーで買ってきたものですね。見ていただくとわかりますが、外観が日本は非常に揃っているわけです。海外のものはでこぼこ。日本の消費者というのは非常に外観品質に厳しいので、我々からすると日本という厳しいマーケットで戦える人は、基本的には海外では十分野菜は戦えるということです」
島田キャスター
「ここまで揃える必要があるのかという声もありますが」
松本氏
「私もつくり手側からするとここまで規格基準を、特に外観基準を揃えるというのは実は農家にとっては非常に歩留まりが悪くなっているんですね。たとえば、果物では特に外観品質が厳しいので歩留まりが収穫量の半分しか商品価値がないということになります。我々は野菜でも、当然野菜は期間が後ろにいけばいくほど肥大化していきますので、規格外ということで安い値段で捌かなければいけないという問題はあります。ざっくりとした感覚ですが、たとえば、イギリスとか、アメリカのスーパーの店頭を見るとあの外観基準でやるのだったら、我々はあと20%ぐらい歩留まりが上がるかなという感じはもっています」
島田キャスター
「たとえば、アメリカなどできれいなものが割高で、売れるのですか?」
松本氏
「売れる可能性は確かにありますが、それを消費者が選択肢の基準に持ってくるかはわからないです。ただ、香港は非常に外観品質は厳しくなっていますね」
島田キャスター
「経営面で海外に進出するメリットはどこにあるのでしょうか?」
松本氏
「基本的に日本の国内のマーケットは、すごく厳しくなってきているというのはありますね。日本の場合は市場相場が乱高下して、野菜は非常に高いと言われていますが、高い時は農家の手取りも少ないわけですよ。海外に輸出する時は基本的に量と値段をある程度コミットして出しますので、計画的な売上げの計算ができるということになります。ですから、値段も全然ブレがないと。ところが、日本国内は市場の相場が非常に変化するので高い時に売れればいいですが、安い時に当たってしまったら全然収入につながらないと。だから、我々としては生産物の何割かを海外に輸出することによって、売上げをある程度安定化させる部分をつくれるのではないかなというように考えています」

日本産の強みと課題は
島田キャスター
「ヨーロッパにも日本にはないルールがある?」
山野氏
「逆に、私がリンゴ業界に入ってくるきっかけにもなったのですが、イギリスにリンゴを輸出して販売していたんですね。ある日、イギリスの商社からユーレップギャップという規格をとらないと、2005年以降は取引きしないよと。これはヨーロッパの小売業の組合が狂牛病問題以来、自分のところの仕入れ商品に自信がなくなってしまって、安全規格から認められた農場からしか買わないという体制ができてしまって。それで私が思いついたのが、これは農業のISOだろうと。工業はISOなしでは成り立たない業界ですから。ISOが工業に入ってきた時と同じようなコンフリクトも農業界でも起きるだろうと、そういう予想が立ちました。当時は誰もそういうことを考えた人がいなかったから、ユーレップギャップの翻訳から始めて、えらい苦労しました。審査官で、ちゃんと通訳もいるんです。いろいろな項目、農薬の使い方や肥料の使い方、環境に至るまでいろいろな審査項目がありますが、それを1つ1つチェックして初めてこの認証書がもらえるんです。これがないとテスコとかに売れないと、こういうことだったんですね。ただ、審査項目の内容というのは、実は日本の農家にとってそんなにレベルの高いものではないです。ごくごく当たり前のことをきちんとやっていれば、とれない方がおかしいという印象です」
松本氏
「現在グローバルギャップという名前に変わりました。うちは2007年に取得しまして、山野さん達に地均しをしていただいたき、我々は非常に楽をさせていただきましたが、最初は250項目程チェックされる。それを1個1個クリアすることだけに執着をしていたんですよ。更新を何回かやっていくうちに3回目くらいにだんだん癖がわかってきて、実はカテゴリーとしては3つですね。1つはいわゆる衛生管理のような手法を求める。2つ目が労働安全、労働者保護。3つ目が環境保全ですね。環境保全というのは、ヨーロッパは特に水資源の保全に非常に熱心なので。日本の場合は、水資源はあまり難しくないです。労働者保護も労働基準法に則っていれば問題ない。だから、あとは衛生管理だけだったんですよ。それも先ほど山野さんがおっしゃったように、背景と哲学を理解できると本当に簡単にとれます」
島田キャスター
「トレーサビリティが重要になってくると?」
山野氏
「現在の日本の農業や食品関連の仕事レベルを考えた時に、早急には必要というふうにはならないと思いますが、現在、私が一番心配しているのはTPPが入ってくることによって、アメリカ流のルールが入り込んで、主導権をとられてしまって、やらなくてはならないことになってしまうことです。日本にそういうシステムがなかった、これは日本が遅れているからだという見方をする人がいますが、私は決してそうは思っていなくて、日本はもともとレベルが高かったからそういうものが必要なかったのであって、劣っているから、なかったわけではないんです。そんなにコンプレックスに感じることもないし、卑下することもないと思いますが、あとからそういうものが入ってきて、ISOの時と同じように何でこんなことをしなくてはならないのだと、そういう声がおそらく巻き起こる」
三輪氏
「そこで低い水準にあわせられると怖いなと思います。たとえば、日本は海外に比べると非常に高い品質があります。それを打ち出して、日本のこういう地域でつくっていますとか、無農薬でつくっていますとか、遺伝子組み換えを使っていますとか。それがアメリカのスタンダードにあわせると、日本を水準にするのは逆にやめようというように」
島田キャスター
「アメリカのスタンダードは、グローバルキャップではないのですか?」
三輪氏
「その中で、たとえば、遺伝子組み換えとかを例にとるとアメリカが言っているのは、遺伝子組み換えであっても、そうでないものであっても、安全性は一緒だからわざわざ遺伝子組み換えでないと謳うのは、逆差別ではないのかというような議論が生まれるので、ある意味で、低いところにあわせて日本の表示ができないとか、PRできなくなってしまうということがあるので、そういう意味で日本のモノを卑下しすぎるのではなくて、外から入ってくるモノからもうまく守らないと、ここは難しい問題になってしまいます。たとえば、ギャップの仕組み、先程お二方がお話されていましたように、日本の農家からするとまったく難しくない。実は私もグローバルギャップの本部に先月行っていましたが、そこのスタッフの方がおっしゃっていましたが、日本はいろいろな小売店とか、農協からいろいろな要請があって、その要請にそれぞれ対応していて、よくそんなに複雑なことができるねと感心されました。このギャップというのはある意味統一された仕組みですので、逆に乗っかってしまえば、小売店はそれをもとに買ってくれるという形なので、ある意味シンプルです。先ほど、山本さんがおっしゃっていたように最初は慣れない部分があると思いますが、1回乗ってしまえば、日本のようなしっかり管理された農家の方々はそのあとすぐに更新できるというようなこともありますので、そのギャップというものに対して、海外から入ってきたというように身構え過ぎないということも1つポイントかと思います」
島田キャスター
「日本の農家の中でグローバルキャップを取得している農家は少ないのですか?」
三輪氏
「まだ少ないですね。どちらかというと小売店ごとにまだ基準が定められているところですので、ヨーロッパのように今後、小売店の寡占化が進んでくると、ヨーロッパで起きたのと同じように小売店ごとの基準ではなくて、それを合理化して、1つの統一基準にしようという流れが日本でも進んでくる可能性があると。その時に日本の良さをきちんと表現できるような形で、この仕組みづくりに積極的に関わっていかないといつの間にか不自由な仕組みを押しつけられてしまう」

農産物めぐる国際競争 どう守り、どう攻める”日本産”
島田キャスター
「自給率の低さが課題になっているのですが」
三輪氏
「自給率というのは日本の農業政策の中で重要なテーマです。実は輸出した部分についても自給率は生産枠ベースといった生産のカロリーベースで見ていきますので、中で食べても、外で食べても自給率のアップにはつながるんですね。なので、自給率の向上というところで見ますと、外の海外のニーズに対して、どんどん増産してつくっていくというのは実は自給率アップになっているんです。ただ、今後日本と言えば狭い農地の中で、どんどん海外から引き合いがあると日本国内にまわすものが海外に買われてしまうというのも一方で、遠い将来だと懸念が出てくる」
松本氏
「まだまだ国内の供給が細ってしまうということはないと思うのですが、1つ懸念材料とすれば、農家が高齢化しているということですね。いろいろ農業政策が議論されるんですけれど、規制改革会議の中でもいろいろ議論をしました。やはり待ったなしですよ。私ども本当にローカルにいると、私は現在48歳ですけれども、未だにケツが青いみたいな感じで使われる。5、6年経つと日本に農家がだんだんいなくなる。だから、我々からすれば、現在やるべきは若い農家に規模を拡大促すような形をして、きれいに経過をうまくリレーをつくっていかないと大変なことになるとは思っています」
島田キャスター
「たとえば、政府なんかもクールジャパンとか、いろいろな戦略で海外に日本の農産物を売ろうというふうにこれまでやってはきたんですけれど、この点はどう評価されますか?」
山野氏
「非常に難しい質問で答えに困るんですけども、私の目から見ますとじゃあどういった戦略?確かに1兆円という大きな目標はわかるんだけれど、その1兆円に至るまでに細かい戦略というものを本当に煮詰めて、あるいは日本の農業の強みや特質というものを十分に理解して、攻め込むためにはどういう道具立てでいかないといけないのか。そういうのを理解していかないと…そこまで、現場の細かいところまで降りてきて汲み上げているのかなという疑問は常につきまとっています」
松本氏
「私は国内に輸入されている農産物、たとえば、加工食品の原料として使われたりしているわけですね、外食とかも含めて。昨今いろんな食品事件の問題がありましたが、私は消費者にきっちり選択できるような体制を国内につくるべき。原産地をきっちり表示をして、消費者が日本のモノを選ぶのか、輸入モノを選ぶのか。そういうことの中でバランスというのは徐々にとれていくのではないか。輸入モノばかりでつくられているものを選びたくない。農業を国内にちゃんと保全していきたいという思う方は、国内のモノを食べていただくと思いますし、現在の日本の食品の表示というのは選択肢を十分提示できていないということはあります」
三輪氏
「日本は攻められていく一方というところなのですが、他国を見ると得意な品目を輸出して自分達が苦手なところを輸入する、難しい言葉でいうと比較優位論に基づいて貿易構造が成り立っているんです。日本は得意な部分がないからこそ負け続けていると。現在はいろいろな部分が海外で評価されていると言っても、それが実際の金額に見合った形になっていないので、そこに力をもっと入れていかないとTPPは負ける一方の仕組みになってしまう。リンゴであったり、長芋だったり、コメだったり、加工食品だったりと、可能性のあるところについてもっと現地のマーケットに対して勇気を持っていく。TPPだとより一層求められてくる。守るだけだとルールが変わってしまった時には厳しくなってしまうと感じます」

海外進出と国内農業 日本が進むべき道は
山野氏
「後継者の問題に通じるのですが、私どもが中国に輸出して販売した時に、藤崎園芸高校の先生から学生を販売実習に中国に連れて行きたいと。実際売場に立って売ってもらったんです。中国の人と初歩的な注文会話をやりながら。2年目になると今度は逆提案でドイツに連れて行きましょうと。ドイツの世界的な見本市に連れて行けば、今度は世界と日本の関係が見える。リンゴを世界商品として売るためにグローバルキャップを含めて、他の国の人がどういうことをやっているのか、どういうことをやらなければいけないのか、行けばわかります。そういうことで勉強する。私がこの業界に入って一番嬉しかったのは、何年かあとに藤崎園芸高校の学生が卒業し農業大学に進学してくれた。その時に確か4人いたんだけれど、3人が一緒に中国に行った人達で、将来は青森に戻ってきてリンゴの指導者になりたいというのもあった。これが一番実は嬉しかった」
島田キャスター
「どういう形態の農業にするかというのも大切ですが、若い人材育成は本当に大切ですよね」
松本氏
「そうですね。私どもも若い、特に就農して10年ぐらい、いわゆる技術はある。ただ成功体験がない。そういう人達を世界と戦えるという状態にまで認識できれば、経験に勝るものはないので、先ほど高校生の話もありましたけれども、たとえば、農業高校で海外の実体験、海外との競争を少し経験させることによって日本の農業に突破口が見えるかなと。だから、相対的なポジションがわからないと、日本国内だけで見ていると、そのあたりが見えないということですね」
三輪氏
「海外へのマーケットは非常に大きな魅力があるのですが、その海外への攻め方が輸出だけで良いのかなということを少しお話をしたいと思います。海外のマーケットに対して、日本国内でつくったモノを輸出している、Made in Japanである。これだけだと、日本の優れた農家が持っているノウハウ、宝の持ち腐れで、日本は農地が狭いので、海外の広い農地で現地の人達と協力して日本の技術を海外で展開して、海外でつくって、海外で売っていく、Made with Japanとか、Made by Japanという言葉が使われていますが、そういうところを含めて、輸出で最高級品、日本の技術を活かした現地生産のもので、次のセカンドブランドでという形になれば、日本の農産物のアピールがもっとできますし、日本の農家の収入源が海外からももっと入ってきやすくなります。ただ、この時に海外でつくったモノが日本に逆流してくるとなると、まさにブーメラン効果で自分の首を絞めてしまうので、そこはモラルだけではなくて、実際の仕組みづくり、技術移転のルール整備などが求められていると思います」

山野豊 山野りんご株式会社代表取締役の提言:『Think³ GLOBAL Act GLOBAL』
山野氏
「考えるのもグローバル的に考えて、行動もグローバル的にやれ、ということであります。反対に田舎臭いとはどういうことか。考える方はずっと話をしましたからもう必要ないと思うんですけれども、行動の方で田舎臭いというのは、今日議論になりましたギャップの方で新しい制度が出る時にいろんな問題が生じてしまう。たとえば、ギャップのマークを表示するだとか、資格ビジネスをするだとか、自分のところの商流にギャップのついたものをとり込むだとか、そういうことはやってはいけない。そういうのは田舎臭いんです。よく考えてキチッとやるということが必要になってくると思います」

松本武 松本農園プロジェクトマネージャーの提言:『イメージだけでは世界は戦えない』
松本氏
「日本は非常に安全な農産物、味が良いという評価はいいのですが、この状態で突っ走ると必ず足下を救われる。特に安全管理については、世界的に内部品質というのを非常に求めるという国際的なトレンドがあります。特にそういったものに対応する準備を現在からやらなければいけない。だから、グローバルギャップみたいなものは避けて通るのではなくて現在から準備をしていくことが重要だと思います」

三輪泰史 日本総研創発戦略センター主任研究員の提言:『現地ニーズ』
三輪氏
「敢えて1つ厳しいことを書かせていただきますと、現在、日本の農産物輸出は日本人が売りたいものを売っているのではないのかなと海外に行くとしばしば感じます。海外の方がどういうモノがほしいのか。こういうモノをつくってほしいという声に(耳を)傾けて、日本の技術、日本の優れた農産物のニーズをマッチさせると、もっと良いモノがつくれるのではないか。なので、日本人がほしいモノと我々がほしいモノが違うと何度も言われたことがありますので、それは新しいヒントだと思いますし、それを是非活かしてほしいなと思いますね」