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2014年8月20日(水)
虐待・自殺・育児放棄 現代の親子関係を問う

ゲスト

碓井真史
心理学者 新潟青陵大学大学院教授
瀬川文子
親業シニアインストラクター
岩村暢子
キユーピー「200Xファミリーデザイン室」室長
平松秀敏
フジテレビ社会部デスク

現代の親子関係を考える なぜ虐待は増え続ける
島田キャスター
「現代の親子関係を広く考えていきたいと思うのですが、最近よく耳にするニュースは虐待。しかも、親から子へ非常に悲惨な虐待が増えているという印象ですが、このあたりの現状というのを、どうなっているのか教えてくれますか?」
平松氏
「最近の深刻なケースを挙げてみます。今年5月、神奈川県厚木市のアパートの一室で男の子の白骨化した遺体が見つかるんですね。本当に白骨化していたようですが、この男の子というのは実は7年前にこのアパートの部屋で食事もろくに与えられずに衰弱死したと。そのまま死体が放置されて、やっと7年後に遺体が見つかったという痛ましい事件あったんですけれども。この事件では36歳の父親が逮捕されました。結局、その父親の供述から最後の瞬間といいますか、自分の息子が最後は衰弱しきって、おにぎりやパンの袋も開けられずに、パパ、パパと叫んでいたと。そのまま放置したまま家を出て、その後戻らなかったと。そういう供述まで出ていますので、最近の児童虐待としては、かなり深刻な事例だろう。先月、東京西東京市の中学2年生の少年が自殺する事件がありました。実は自殺した部屋で母親が見つけたんですけれども、どうも遺体を見分したところ、顔に無数のあざがあったと。虐待が疑われたと。その父親が逮捕されたんですけれど、どうも日常的に暴行が繰り返されていたと。さらに、その前日の暴行の際に、24時間以内に首を吊って死んでくれと。要は、自殺を強要するような文言を吐いていたということがわかりまして、今日、結局、この父親は傷害罪で起訴されたんですけれども、今後、東京地検と警視庁は自殺教唆、自殺を唆した罪になるのではないかというのまで視野に含めて、捜査を今後、進めていくと」
島田キャスター
「私達はよく虐待のニュースを耳にするんですけれども、実際の件数としてはどうなのでしょうか?」
平松氏
「児童相談所での児童虐待の相談対応件数、昨年の数字が出ているんですけれども、これが7万3765件と。言っちゃなんですけれども、右肩上がりですね。23年連続で件数が増えています。この件数というのも、児童相談所に相談が来ました。相談が来て、冷やかしと言ってはなんですけれども、そうではないケースもあると思うんですよ。ただ、虐待が疑われるとして、親と面談をし、実際に指導するケースですから、児童虐待のほぼ実数と言ってもいいと思います。それが7万3765件と。23年連続で増加をしている」
島田キャスター
「説明にあったように、表面化した部分はあるということですが、児童虐待の件数が減っていない。私達も非常に悲惨な結果になるというケースをよく耳にするようになってしまった。これはなぜでしょうか?」
碓井氏
「私は思うんですけど、児童虐待で事件化して、メディアが報道をして、こんな鬼のような母、鬼のような父というような扱い方をするのですが、私はちょっと違うかなという気がして、親御さんは愛がなかったのではなくて、力が足りなかったかなって」
島田キャスター
「力といいますと?」
碓井氏
「こんな鬼のような家ですというが、そこにかわいい三輪車とかが写るんですよね。かわいい子供の靴とか。だから、ある時期は愛して、お金もかけて、でも、どこかで力が足りなくなって。たとえは悪いですけれども、ペットを飼ってかわいがっていたけども、子供が面倒見きれなくなって放ったらかしにするような、そんな感覚に近いかなとは思うんですけれどもね」
島田キャスター
「その力というのは言葉で表すとどういうものでしょうか。忍耐力ですか。何力なのでしょうか?」
碓井氏
「自己犠牲的に子供を守る力ですかね」
島田キャスター
「自己犠牲的な力。これがなぜ虐待につながるかということですけれども、自己犠牲と虐待。すぐさま暴力だけとは限りませんけれども、暴力による虐待だとか、なぜそこにつながっていくのかですか」
碓井氏
「子供は役立たないし、面倒だし、時間もお金もかかるし、でも、かわいいから自己犠牲的に自分は我慢をして、この子のためにとやるのが、普通の子育てと思うのですが、その力がなくなってくると、一番多いのはネグレクト(育児放棄)で放ったらかしというのが一番多いですが、そうこうしているうちに、自分の思い通りに、自分の都合良く動いてくれない子供に対して怒りが湧いてくると、暴力ということになってくるかなと思いますし、継父とか、継母とか、再婚が絡んでいるケースは子供が明らかに邪魔者である。結婚はしたけれども、親になる気はなかったというようなケースもあるかもしれませんね」
島田キャスター
「瀬川さんは今の話ですと力が不足してくると、虐待につながっていくという話でしたけれども、この点についてはいかがでしょうか?」
瀬川氏
「もちろん、あると思いますけれどもね。自分が子供の頃に大切に育てられたという経験がないと、自分の子供も大切にできないというようなことも一理あるかなという気がしています」
島田キャスター
「現在親になっている人達は大切に育てられなかった人が増えているということでしょうか?」
瀬川氏
「そうですね。そういう感じがしないではないですね」
島田キャスター
「そうすると、前の世代も大きく影響をするということですよね」
瀬川氏
「はい」
島田キャスター
「前の世代というと現在、たとえば、20代、30代ぐらいの親の50代、60代ぐらいの親の育て方にも問題があったかもしれないと」
瀬川氏
「はい。それは感じます。親の思い通りに子供をコントロールするというような形で、子育ては行なわれやすいと思うんですよね。そうすると、過剰期待みたいなものがあって、その期待に応えられないと親から愛されない、評価されない、大切にされないというような悪循環みたいなものもあるのではないかなという気がしています」
島田キャスター
「岩村さんは数多くの親に対して調査、インタビューをなさっているということですけれども」
岩村氏
「私も17年間に渡って350世帯以上の食卓を通して家族の関係、親子の関係を見てきました。その調査に表れたデータから申し上げますと、大人が自分の思い通りにならない、自分の都合や予定通りにならない、不合理な事象、あるいは不合理な存在に対して、非常に耐性を低めているというか、低くなっている。非常に、それに対応することにストレスを感じるようになってしまっているというのが1つ子供の教育に限らずありますね。それから、もう1つ、ご自分のことを非常に大切にする社会、尊重される社会に育った方々が現在、親御さんです。そういう方々が他者へある意味、無関心になってきている。今、碓井先生の方からネグレクトという言葉が出ましたけれども、私は悪意なきネグレクトという言葉を使いますけれども、悪意があって、かわいくなくていじめてやろうということではなくて、無関心であるために子供に食事を与え忘れてしまう。それはデータでちょくちょく見ます。日記にも、写真にも、毎日毎日撮っていただくんですけれど、出てこないので、このお子さん、今日どうされたのでしょうということを細かに聞くと、食べてないんですかねというようなお答えが」
島田キャスター
「それはごく普通のご家庭で見える形ですね」
岩村氏
「そうです。はい。1週間、ずっと食卓の記録をつけていただくと、あっ、食べてないですかねとか、何食べたのかわからないですとか、夜ひょっこり起きて何か食べたいと言い始めたのですが、そう言えば、午後何も食べていないかもしれませんと、聞かれて、日記をつけていても関心がなく、私どもの直接インタビューの席上で、結構食べていないかもしれませんねというようなことで、お母さんご自身がびっくりしておっしゃるという。それを私は悪意なきネグレクトと言うんですけれども」
島田キャスター
「お母さんとか、お父さんが忙しくて忘れちゃったではないのですか?」
岩村氏
「ではなく、個を尊重された社会の中にあっては無理させない、押しつけないというのは鉄則ですから、食べたいと言わない子はどんどん落ちていって、見失われていく。だから、子供さんの方で強く食べたいと言わないと、たとえば、具合が悪くなっているお子さんなんかは食欲を失いますので、その間食べ物を与えられずに放置されるというようなことも散見されるようになってきています。それを、私は悪意なきというような無関心さというもの、それから、不合理な存在に対する耐性のなさというものも、そういう氷山の一角としてあらわれてくる大きな事件の底辺には広がってきているのではないかなと。先ほどのお二方のお話も伺いながら、同感に思いました」

多様化する親子のカタチ
島田キャスター
「西東京市の中学2年生が自殺した事件では虐待をしていたのが、実の父親ではなくて、母親の再婚相手だったということですが、様々な事情があって、家族の形が多様化していると考えていいのでしょうか?」
平松氏
「こういうことを言ってはなんですけれども、連れ子に対する暴行、虐待というのは確かに多いですよね。しかも、父親が再婚相手の子供、息子、娘に手をあげるというケースが間違いなく増えているんです、それは。なので、それは否定しないんですけれども、またよくあるケースとしては新しく子供ができたので、そちらの方に愛情が向かって、連れ子の方に暴力を振ってしまうというケースもよく目につくのですが、ただ、先ほどの厚木のケースは実の子ですし、それを一概に血がつながっている、血がつながっていないというのはなかなか言えないと思うんですね」
島田キャスター
「血がつながっていなくても、すごくいい形の家族なんていうのもありますものね。ただ以前は、どこを以前の起点とするというかも問題ですけれど、そういうケースは日本国内においてはまだまだ少なかった。つまり、再婚をして相手に子供がいても、とても少ないケース中での出来事だったような気がするんですけれども、最近はそういうケースも増えてきているんですよね」
平松氏
「厚労省のデータですけれども、離婚件数と再婚の件数、これは子供がいるか、いないか。子供が離婚や再婚の言ってはなんですけれども障害、踏みとどまる理由になるかどうかというケースですけれども、最近の件数を見てみますと、子供を持つ夫婦の離婚の件数というのは13万件もあるんですね。一方で、子供がいても再婚をするようなケースが17万4120件ある。これは1950年代と比べると、格段に数字が増加しているんですよね。なので、子はかすがいではないですけれども、一昔前までは子供が離婚とか、再婚の1つの踏みとどまる結果になっていたのでしょうが、現在は一概にそうは言えないというのが、このデータからわかる」

瀬川氏 継母の経験談
島田キャスター
「瀬川さんは、プライベートで申し訳ないのですが、前に結婚をされていた時、瀬川さんは初めての結婚で、お相手の旦那様は再婚でお子さんがおありになったんですよね。その苦労をされたということですけれども」
瀬川氏
「そうですね、結婚をした時に、長女がもう小学生6年生というか、次女が小学校1年生になっている、多感な時期に、私は初婚で、親の経験が全くない中で結婚し、その日から親の役割を果たさなければいけなかったということで、大変でした。私自身が気負っちゃったんです。良いお母さんにならなければいけない。いわゆる血がつながっていないわけですから、継母と呼ばれる人になるわけですよね。私の中に、継母という言葉に前向きで、肯定的なイメージがあまりなかったんですね、シンデレラとか」
島田キャスター
「確かに昔は、継母はいじめる人みたいな感じですけれども」
瀬川氏
「そうなんですよ。だから、私はこれから、世間の人にそういうふうに見られるのではないかというのがすごく怖くて、だから、良いお母さんにならなければいけない。良い子が育たないと、良いお母さんの証明ができないと何か思い込んだところがあったんですね」
島田キャスター
「自分のせいだと思われちゃうところがありますよね」
瀬川氏
「だから、一生懸命やりました。でも、一生懸命やっているんですけれど、私の目は世間に向いているわけですよね。子供にとってどういうお母さんが良いお母さんかというよりは世間が私をどう見るかというような視点で一生懸命にやっているわけですよ」
島田キャスター
「その頃には、それは気づいていないわけですよね、一生懸命にやっているというのはもちろん、子供のためと思ってやっているわけですよね」
瀬川氏
「はい。でも、それは継母だけではないと思います。実母でも、そういうところがあると思います。でも、子供はわかるわけですよね。親の目は、世間体を考えて何かをやっているのだろうというのは見抜くわけですよね。最初の頃は、それでも子供がすごく良い子だったと思います。2人ともね。だから、ついてきてくれたんですけれど、思春期に入って親の庇護がなくても生きていけるぞというぐらい成長した頃に、すごく抵抗や反発が出てきちゃったんですね」
島田キャスター
「普通の親子でも、実母と娘も、私もそうでしたけれど、反抗期はあるではないですか。何を言われても、本当に嫌だという、それと同じですよね」
瀬川氏
「そうですね。でも、私は勝手に自分のことを攻めるんですよ。私が、本当の母ではないから、こういう抵抗や反発をするのではないかというような、私が至らないからではないかと自分を責めちゃう」
島田キャスター
「そういう時に、結婚された旦那様はどうしていたのですか?」
瀬川氏
「そうですね、夫は割とちゃんと話を聞ける人だったんですね、ありがたいことに。のろけるようですが。なので、割と正直に現在、自分が何に悩んでいるか、苦しんでいるかというようなことは話すことができたんですね。だからやってこられた。夫はとにかく、夫婦の関係がしっかりしていれば、子供がやがて自立して出て行くのだから大丈夫だと。ここの関係ができていればというのをずっと言ってくれていましたね」
島田キャスター
「今の話を聞いていると、普通の実母、実父でもいいのですが、自分のせいでとか、自分がこうだからというのはなかなか思わないかもしれない。だけれども、再婚相手だったりとかすると、余計な、そこの部分の悩みまで抱えてしまう。そういった悩みというのは実際あるのでしょうか。私が実の親ではないから、子供は思っていないかもしれないけれども、抱えてしまっていてトラブルになってしまう」
碓井氏
「実父母以上に力んじゃうというのはあると思うんです。実父母もあるわけですが、愛が空まわりするんですよね。いいことしよう、いいことしようと愛が空まわりすると、相手に届かなくてますます自分がいらいらする」
島田キャスター
「そういう時に、どんなアドバイスをされるのですか?」
碓井氏
「十分やっていますよと、十分やっていますよと、スクールカウンセラーとかに来るような親は、大抵やらない親ではなくてやりすぎる親なので、そのままで十分ですよというお話をしますけどね」

イクメン増加の背景
島田キャスター
「親子関係、家族関係の環境が変化していく中、最近の特徴と言われるものの1つにイクメンという、男性の子育てがあるんですけれども、男性の子育ての現状はどうなっていますか?」
平松氏
「民間企業で働く男性の育児休業取得率はちょっと微妙な数字ですが、実は1日以上でも育児休業をとった人の割合というのが、それが2.03%」
島田キャスター
「2.03%というのは100%のうちの2%と」
平松氏
「ただ、過去2番目に高いというので、画期的ではないのですが、上出来な数字ではないかと言われているのですが、片や女性は昨年で83%かな」
島田キャスター
「圧倒的に女性が多い」
平松氏
「ただ、政府では2020年までに、これ(男性育児休暇取得率)を13%までに、何とか上げようという目標を掲げているですが、とても困難な状況であるのは間違いないです」
島田キャスター
「育児休業がとれる状況になってからも長いですけど、岩村さんは男性の育児参加というのはどう捉えていますか?」
岩村氏
「データからも明らかになっていると見ていますね。たくさんのお休みも、たとえば、子供服のバーゲンだとか、何歳児検診だとか、予防注射だとか、参観日だとか、様々な時にお父さんが休まれている。お母さんが疲れたら休んで、ご飯をつくったりしているというような家庭は増えています。間違いなく増えてきていると私は見ています。少ないですけれども、随分変わってきたなと思います」
島田キャスター
「そもそも日本の近代というのは、男の人が外で働いて、女の人が家で育てて、子供のことの面倒を見るというような感じですよね。そういうことがだんだん変わってきて、意識で変わってきていると捉えていいのでしょうか?」
岩村氏
「現実が変わってきているような気がします」
島田キャスター
「それは大きく変わってきているのですか」
岩村氏
「少なくとも、この7年間に、私は目に見えて変わってきているなと。特に30代の若いお父さんは随分変わられたなと思っていますね」

父親の役割・母親の役割
島田キャスター
「そもそも男の人、女の人、結婚した時は2人ですよね、単位が。子供ができた時にどういう役割でいけばいいのかというのは、これについて何か、碓井さんは意見がありますか?」
碓井氏
「心理理学的に言えばお母さんの役割はつなぐ役割。お父さんの役割は切る役割かなと、ああかわいいと抱きしめる人がいてくれて、自分でやんなさい、がんばって立てという人の役割があって、男女逆転してもいいですけれど。誰かがよしよしとやってくれていた。誰かがしっかりしろ、手を出すなと言ってくれて、バランスがとれるような気がしますけれどもね」
島田キャスター
「瀬川さんはどう見ますか?役割分担というのでしょうかね」
瀬川氏
「今おっしゃることは確かにそうだなと思います。女性だから、男性だからだというより1人の人間として、父性も自分の中にあるし、母性もあるだろう、それがきちんと表現できればいいのではないですかね」
島田キャスター
「ただし、育児休業をとりづらい、とる人が少ない、その点はどういうふうに?行政的に何かしていくというのはあり得ますか?」
瀬川氏
「どうでしょうね。制度というか、空気みたいなものもあるのでしょうか。何かイクメンではないとちょっと乗り遅れちゃうみたいな、派生利用をお持ちの方も現在は出てきているような気がします」
島田キャスター
「現在はファッション的に、俺もイクメンだよという人が結構いますが」
瀬川氏
「いますよね。でも、そこからでもいいと思うんですよね。そういうことが社会の空気を変えていくような気もしますけれども」

女性の社会進出の影響は
島田キャスター
「今後、女性の社会進出がさらに進んでいくことで、親子関係に変化があると思いますか?」
岩村氏
「そうですね。絶対的な時間の使い方は変わりますので、家庭にこれまでのような専業主婦を前提としたような形はうまくいかなくなるというのは当然だと思いますね」
島田キャスター
「どういった変化があると思いますか?」
岩村氏
「社会的な支援というものに大きく依存してくるというか、助けを乞うようにはなってくるでしょうね。保育園や学童保育の問題など様々、あるいは近隣地域社会も含めて、企業も協力的にならざるを得ませんし、それは当然変わってくるし、またそれが有効な力を持ってくるだろうと思います。私自身0歳から保育園に子供を預けた人間ですけれども、大きくお力をいただいて、おかげ様で育ちましたという感じですからね」
島田キャスター
「親子関係の時間がなくなってきてしまう。そうするとどうなっていくのかなというのがあるのですが…」
瀬川氏
「だから、量より質が求められるようにますますなるのではないかなと思います。一緒にいる時間がどうしてもないと、業務連絡みたいな会話しかしないではないですか。明日の用意はできているの、早く寝なさいとか、提出物は出したの、宿題はやったのとか、まさに業務連絡の会話しかなくなっちゃうと関係も育たないですよね。だから、やはり質」
島田キャスター
「それと量もあった方がいいのかどうか?それでも質が良ければ、量もあればあるに越したことないのかなと思っちゃうんですけれど、いかがですか?」
瀬川氏
「そうですね。それはそうだと思います。ですから、お母さん達の中には企業で働くということの束縛を離れ、ご自分で起業する方が増えてきているのかなというのも感じますね。そうすると、自分のペースで仕事ができる。ちょっとした小さな企業、サロンをやってみるとか、自宅でお料理教室をやってみるというような形で仕事を開発している女性が最近すごく増えているなというのも感じます」
島田キャスター
「心理学的に3年間抱っこし放題についてはどうなのですか?」
碓井氏
「未だにいらっしゃるんですけど、子供を0歳、1歳、2歳から保育園に預けるとおかしくなると言う人が。言われて心配する人。あるわけないじゃないと思いますけど、そういう意味では3歳までは親が育てろは嘘」
島田キャスター
「嘘と言い切っていい?神話であると?」
碓井氏
「はい」
島田キャスター
「何でこんなに広く、こんなに信じられているのですか?」
碓井氏
「今度はそれを嘘と言っちゃうと、じゃあ別にどうでもいいのねと。それもそうではなくて、特定の人が愛を込めて育てるというのが必要ですよね。でも、それは保育園云々の問題ではなくて、たとえば、専業主婦が10時間子供と一緒にいても、ほとんど関心を持たなければ、一緒にいたことになりません。忙しいお母さんが帰ってきて、かわいい、かわいいとやってあげると中味の濃い時間を過ごすんですよ。たとえば、たまのお休みに、今日はお休みだから、お母さん、お父さんと公園に行こうといった良い時間の過ごし方ができれば、私は物理的な時間が短くなったとしても、一切問題はなしだと思います」
島田キャスター
「平松さんは男性が外に出て働くと決めたわけですよね」
平松氏
「実は現在、妻が長期の育児休業中なものですから、来年職場に復帰する予定で、それから負担をどうしようかと、これからの話になるのでしょうけれども、現状だと妻の負担が大きくなるのは間違いないのですが、私ができる部分は何があるのかというのは、これから検討していきたいと思います」
島田キャスター
「そうなっていくためにはどういうことが必要だと思いますか?」
平松氏
「男性の意識というよりは、託児所とか、ハード面が充実しないと。まずは、預けられるところ、絶対数がないければ踏み出せないと。ハード面は必須だと思います」

子を産み育てる意義
島田キャスター
「現在、私達が子供を持って育てる意味が問われている時代ではないかと思うのですが、現在の日本人は子供を持つことにある意味ネガティブな思いも持っているということも考えられるのでしょうか?」
碓井氏
「お金や時間を自分のために使いたいというのがあると思いますし、子供を持つからには完璧にやりたい。『子供をつくる』という言葉がありますけど、他の国にはあまりない言葉ですよね。子供は産まれるとか、授かるというもので、つくるものではないと。その言葉に文句を言いたいわけではないんですが、工業製品のような感じがしますよね。つくるからにはちゃんと計画を立てないとダメです。計画を立てて完璧にして事前にお金や場所も用意しておいて、計画的につくり、計画的に育てなければダメだと思ってしまうと、それが整わなければ産んではいけないと思っちゃうんでしょうね」
島田キャスター
「子供を持たない主な理由についてのアンケートで子育てや教育にお金がかかるとありますが」
瀬川氏
「子供を育てるのは本当にお金がかかりますよね、実感です。うちは3人子供を育ててきましたので、3人は贅沢だなと思います」
島田キャスター
「お金がかかるということで踏み止まるというところまではいきましたか?」
瀬川氏
「うちの場合はなかったですけれども、現実問題としてあるでしょうね。ほしいけれど、経済的に立ちゆかない。想像しただけでも何にお金が要ると計算できちゃいますよね。無理だなと諦める方もいるのではないでしょうか?」
碓井氏
「家を買うとか、車を買うとか、大きな冷蔵庫を買うとか、それを買わない理由は何ですかと聞いている理由が並んでいるみたいですね。日本みたいに豊かな国でお金がないと。どんどん収入が増えたら増えた分だけお金をかけようと思うとそんなに産めないよねという発想」

心理学者 碓井真史氏の提言:『思いのままに』
碓井氏
「どんな子育てをしたらいいでしょうとよく聞かれるのですが、お母さん、お父さんの思いのままにと。ごちゃごちゃ理屈が入ると不安になってかえってうまくいかなくなるんですね。私は親の直感を信じています。抱きしめたい時に抱きしめ、叱りつけたい時に叱り、お父さん、お母さんの心が健康なら適切にできると。だから、自分を守るのはすごく大切です。自分の心を守り、自分の心が健康であれば思いのままにやるとちょうどいい、程よい子育てができると思います。そうなれるように周りもお父さん、お母さんを支えることなのでしょうね」

瀬川文子 親業シニアインストラクターの提言:『相互理解 相互尊重』
瀬川氏
「先ほど、子供をつくるというお話がありましたが、つくると言うと、どうしても自分のモノ、自分の好きなようにしていいというニュアンスが含まれている気がするんですね。でも、子供と言えども、私とは違う1人の人格を持った人間だということを尊重する必要があると思うんですね。関係性はお互いを理解しようという努力がないと親子の関係だってできないと思うんです。それは自分がすごく実感しているんです。自分のことも理解してもらうと同時に、相手もどのようなことを考えたり、思ったりしているのかなというのを理解していく努力をしていく」

岩村暢子 キユーピー「200Xファミリーデザイン室」室長の提言:『小さな波風 平和のもと』
岩村氏
「表面的で当たり障りのない平和を維持しようとするあまりコミュニケーションがうまくいっていないような、遠慮し過ぎているなというのが私の印象です。ですから、小さな波風が普段立つというのは、逆に未来の平和と幸せのもとだよと。ちょっとぐらいのことはお互いに突っ込みあっていいのではないですかと。そこでその場の表面的平和にこだわり過ぎると明るく楽しくにこだわりすぎて、将来楽しくなくなっちゃうのではいけません。小さな波風はウエルカムというぐらいの勇気をお持ちになったらいかがでしょうか?」