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2014年8月13日(水)
成長と安全性の両立は 羽田発着枠拡大と世界

ゲスト

松原忠義
大田区長
竹内健蔵
東京女子大学教授
轟朝幸
日本大学教授

首都圏空港の現状 機能強化の必要性は
島田キャスター
「なぜ羽田空港などの機能強化が必要なのかということですけれども、安倍政権の成長戦略では、羽田空港は首都圏の玄関口としてまだまだ強化の必要性があるとお考えでしょうか?」
松原区長
「今日、私の発言は一応、大田区長としての発言ということでお考えいただきたいと思います。これはアジアの中間所得層が20年ぐらいで増えてきていますよね。そういう中で、シンガポールのリ・クワンユーという公共政策の大学の学長の話ですけれども、アジアの中間所得層が2013年、5億人だと言うんですね。それが2020年には17億5000万人に増えると、3倍半に増える。すごくアジアの勢いが伸びていますよね。だから、そういったものを取り込んでいくということはこれから必要だと思いますね。特に日本の国際性がちょっと他の国から比べると遅れていると思うんですね。だから、そういった意味では、国際競争力と訪日外国人とか、それを利用して地域への空港との連携をはかっていくべきと。そういった意味で、こういう考え方で空港処理能力の検討がなされるということは理解できることだと思っています」
島田キャスター
「羽田空港の機能強化と経済活性化との関係をどう考えていますか?」
竹内教授
「日本というのは周りが海に囲まれていますので、外国のお客さんを呼ぼうと思ってもどうしても海を渡るか空を飛んでくるしか、しようがないわけですよね。他の国ですとそういうことはなくて、陸路で圧倒的に多くの方々がいらっしゃることもあるんですけれども、となると、そういう多くの方々に来ていただくためには船もある程度ありますけれども、皆さんに親しみの多いのが空の方ですので、そちらから来ていただくと。現在でもそうですけれども、多くの方々、外国の方々がいらっしゃって、たくさんお金を落としてくださっていると。日本自身の持っている活力が停滞していますので、そういう意味から言うとそういう方々に対する期待が強い。その方々の期待に応えるためには立派な空港で、たくさんのお客さんに来ていただくためのツールを確保すると。そういうことが大事だということになるわけですよね」
島田キャスター
「羽田空港は首都東京の玄関口と、私達は認識しているんですけれども、世界の主要空港と比べてみますと、就航都市数で比べるとかなり残念な感じということがわかりました。ロンドンは5つ空港がある、351都市と結ばれているんですね。パリが2つあるうち255都市と結ばれている。北京は2つ空港があって97都市。ニューヨークは3つの空港で132都市。上海は2つの空港で83都市。ソウルは2つ空港がありますけれども143都市。東京が2つの空港で、成田と羽田で88都市としかつながっていないということですが、国際線だけで見ると、ロンドンの4分の1ということになりますね。なぜ東京は少ないのでしょうか?」
竹内教授
「まずロンドンとか、ニューヨークというのは100万回の回数の発着枠があるわけですよね。まずそこからして違うということがあるのですが、それに加えてなかなか他の都市に比べても見劣りがしている理由というのは、特に、羽田がそうですけれども、もう一杯ですよね。これ以上なかなか入れない状態になっている。従って、他の航空会社がここに路線を張りたいので、是非入れてくださいということがあっても、すいません、もう一杯で入れないんですということになっているということが、なかなか都市が増えない理由の1つだと思います。それから、あと1つ考えられるのは、日本国内の航空会社も複数ありますけれど、会社が同じ路線、同じ都市間で張っていることもあるわけですね。そうすると、そのためにそちらにその枠を取られてしまう結果、他のところに張れない。もちろん、それぞれの航空会社はなるべく、利益の上がるところを一生懸命模索していらっしゃいますけれども、現実そういう状態ですから、それがもう1つ、なかなか都市数が増えない原因の1つではないかと思います」
反町キャスター
「申し入れがあっても対応ができないというのは、もったいない話に聞こえるのですが、つまり、他の外国のキャリア、航空会社からすると、日本に行きたいという需要があるにもかかわらず、日本が受けられていないという状況がずっと続いているのですか?それともここのところ急に増えているんですか?」
竹内教授
「もちろん、航空需要の伸びというのも最近著しい。とりわけ、アジアが特にそうですけれども、そういう意味から言うと、昔からあった話ですけれども、最近は特に圧力は強いのではないかと思いますね」

都心上空がラッシュに 羽田発着枠拡大ルート案
島田キャスター
「6月に国交省がまとめた羽田空港の機能強化に関する案があるのですが、この中で新ルートを使った発着枠の拡大というのが取り上げられています。その中には、南風の場合と北風の場合、それぞれ2つのルート案が示されているんですけれども、南風ルート案の1つに注目が集まっているんですけれども、羽田空港ですが、羽田空港にはA、B、C、Dと滑走路が4つありまして発着する飛行機が基本的に東京湾の上空を飛ぶルートとなっているんですね。飛び立つ時も東京湾の上空を飛んでいきます。そのため発着枠の拡大には限界があったわけです。しかし、現在飛行が禁止されている部分の上空を飛ぶことができれば、この4本ある滑走路を有効に使えそうだと。このようなことができるようになれば、1時間の発着回数というのが、現行は1時間の80回ですが、これを90回に増やせるといった案で、この案は午後4時から7時の3時間を軸に飛行を解禁するということですけれども、たった3時間といいますか、これまでは飛べなかったわけですけれども、この3時間でも随分違うのですか?」
轟教授
「午後の3時間にたくさんの乗り入れをしたいという要望があるわけです。そこに合わせ、このような案で90回発着できれば非常に効果が大きいということです」
島田キャスター
「ちなみに、基本的な質問ですが、なぜこれまでこのルート、つまり、都心部上空を飛ぶことができなかったのですか?」
轟教授
「これは基本的には騒音問題ですね。羽田空港はもともと沖合展開をして、海側に埋め立てをして伸ばしています。その前はもっと内陸にあったわけです。この時は騒音がすごく大変な問題になって、地元との問題がありまして、沖合展開しても、そういった騒音の問題というものがありまして、東京の上空を飛ばないということになっていました」
島田キャスター
「羽田と言えば、私達の頭の中にちょっと浮かぶのは横田の基地の問題がありますよね。その上空の管制があって飛べない、民間機が飛べないところがありますよね。それというのもこれまでのルートに関係があったのですか?」
轟教授
「はい。あります。ただ、まっすぐ降りてくるルートが示されていますけれど、ここに関してはほとんど影響がございません。ですので、むしろそれから西へまっすぐ飛んでいこうとした時に影響があるという形になります」
反町キャスター
「たとえば、先ほどいろんなところの都市の国際空港を比較しましたが、羽田というのがそれほど住宅地に近いというのは特徴ですか。それとも、他の国にも都市部に近い、住宅地に近い空港があると思うのですが、その違い、羽田の特殊性というのはどう見たらいいのですか?」
轟教授
「むしろ、羽田は海に面していますので、まだ住宅地に囲まれていないという点では良い方だと思います」
反町キャスター
「たとえば、大阪の伊丹みたいなこと?」
轟教授
「はい。おっしゃる通りですね」
反町キャスター
「あそこは本当に住宅地というか、真ん中にぽつんと空港がありますよね。ああいうところに比べれば、本当は羽田の方がそういう対策は組みやすいはず」
轟教授
「ですので、現在本当に東京湾の上をうまく使って随分対策をして、苦労をして、運用をしているというのが実態だと思います」
島田キャスター
「これでもすごく増やした方だということですか」
轟教授
「増やすとおっしゃいますと?」
反町キャスター
「離発着回数」
轟教授
「これは、もう、かなり増えて…」
島田キャスター
「この結果になっていると」
轟教授
「そうですね」
島田キャスター
「80回が90回になる。私達は10回増えるということの意味がちょっとわからないのですが、これは大きなことなのでしょうか、経済的にも」
竹内教授
「塵も積もればと言いますか、割と数字から見ると、小さいですけれど、全体とすれば、年間で3.9万回、およそそのぐらい増えるということになります。羽田の昼間の時間帯の国際線発着枠のだいたい70%にあたるわけですね。だから、数字としてはかなり大きなものになってくる。ですから、そういう意味では空港から見ると魅力的な計画になると思いますね」
島田キャスター
「新ルートは新宿だとか、渋谷、港区、目黒、品川、大田区も、真上を通ってくると。ここは東京の中でも住宅が密集する地区ですがちょっと怖いなという気もするのですが、安全上の問題というのはありますか?」
轟教授
「そうですね、着陸、あるいは離陸の時が一番、航空機では事故が多い。これは過去の経験からもわかっています。最近、飛行機の安全性はかなり向上をしていますので、昔のように事故がそんなに頻繁に起きること、昔もそれほど事故が航空機は車の事故に比べれば少なかったわけですけれど、一度事故が起きると大きな事故になるので、結構、ハイライトされたりしますので問題になってきているのですが、そういった中で安全対策の技術もかなり進んでいますし、それから、安全管理ですね。これも随分進んでいます。航空会社の安全管理もそうですし、これは指導をしている国交省からの指導もありますし、こういったものでかなり安全になってきています。ただ、現行の案というのは、西へ向かってきて滑走路の向きにあわせて舵を切るんですね。これはパイロットとしても、あるいは管制している管制官にしても直線で来た方が安全性は高いんですよね」

安全性への懸念と課題
反町キャスター
「新ルートの方が住宅地の上は飛ぶけれども、航空管制上の安全性は高まる?」
轟教授
「はい。まっすぐ見えている方が、まっすぐ降りていった方が安全。特に、視界の悪い時というのはそうですよね」
島田キャスター
「安全性というか、太田区としてこういった案が出ていることについてはいかがでしょうか?」
松原区長
「これは羽田の歴史を少しお話させていただきたいと思いますが、GHQですね、日本の戦後の時に48時間の強制退去で住民の方3000人ぐらいに出ていきなさいとのことで、退去した例があるわけですね。町そのものが退去、撤去して空港をつくってきたと。高度成長になってきて航空機騒音がすごくあったんです。それで住民の方とか、議会とか、行政が話し合って、それで騒音対策として沖合展開を求めていって、少しでも軽減してくださいという長い歴史があったわけです。とにかく騒音を内陸部へ出さないようにということで、ずっと今日まできたわけです。今回の案は、たとえば、新宿、渋谷とか、港区とか、都心上空を飛ぶわけです。これまでに1本も飛んだことのないところに飛んでいくわけです。それも港区とか、品川区とか、そういうのは1500フィートと言いますが、メートルに直せば、450mですよ。450mというのはすごいですよ」

安全・騒音への対応策
反町キャスター
「450mというのはすごいです。東京タワーの一番てっぺんが300mですものね。そこのすぐ上をかすめていく感じ」
松原区長
「東京タワーよりもちょっと高くて、(東京)スカイツリーよりは低いわけですよね。そこをいくわけですよ。そういう不安というのがすごくあると思うんです。だから、これはしっかりと自治体に対して情報提供をして、この騒音の度合、どこどこの高さだと、どのぐらいのものが出てくるかとか、あるいは騒音の範囲ですね。これはかなり、今回の場合には、東京中ともいっていいぐらい、大きくその音というのはずっと広がりますから、すごくいくわけですよね。使用機材はどういう機材を使うのか、大型なのか、中型なのか、それもわかっていないわけです。それから、対策がありますね。それに対する。そういう諸々のことを自治体にしっかり情報を説明してほしいですね」
反町キャスター
「騒音の問題はいかがですか?」
轟教授
「騒音の問題はもちろん、あります。これは区長さんがおっしゃるように、丁寧に、どのぐらいしっかりと説明をして、地元の理解を得ながらやれるか。場合によっては、試行というような形で。」
反町キャスター
「試しに飛ばすんですね」
轟教授
「と言うようなことを繰り返しながら、丁寧に、丁寧に、住民の理解を得ながらということが必要になってくると思います」
島田キャスター
「先ほど、区長からお話があったのですが、たとえば、1500フィート、四百何十メートルのところで飛ぶということを説明した方がいいということでしたが?」
松原区長
「そうそう、住民は説明をしてくれないとわからないですよね。どのぐらいの音が出てくるのか、大型機なのか、小型機とは違うでしょうし」
島田キャスター
「それが怖いということで、もうちょっと高いところを飛んでほしいと言ったら飛べるものなのですか?」
轟教授
「着陸に関しては基本的に、角度は3度で降りてきますので、こういうルートをとってきますので、いきなり(高度を)上げると、急降下することになりますので、なかなか上げにくい」
島田キャスター
「それを飲み込むしかないということになるのですか。技術的に」
轟教授
「飲み込む…技術的にはそうですね」
反町キャスター
「大田区としては、ずっと騒音のことで大変だ、危険だということを話している。でも、騒音の対策というのはこれまでもちゃんととられてきているわけですよね」
松原区長
「そうですね」
反町キャスター
「それはそれでちゃんと住民の方々はそれで一応納得されているということでよろしいのですか?」
松原区長
「いや、納得というか、やらなければしょうがないということですよね。必然的にやらせていただいているという、そういうことです」
島田キャスター
「大田区としては、羽田空港というのは迷惑施設なわけですか?」
松原区長
「迷惑施設…基本的には、共存共栄していこうということでやってきました。だから、飛行機が飛んでいるんだと思います。全く反対ではないですからね。お互いに、欠点はあるけれども、それを話し合いで聞きましょうということで、過去ずっとやってきたという経緯があります。航空機騒音の問題とか、これは測定の問題とかありますよね、音度測定とか、それから、民家防音壁を処理しなければいけない、直していかなくてはいけないとか、あるいは空調機器で、音が閉めたままだと、あれですから、そういうことも直していきましょうとか、そういう形でやっています。それから、空港の苦情処理、そういったこともやっていて、私どもは、他の自治体にはありませんけれども、空港専門の職員を10人以上つくって、それでそれに対応しているという、独特のやり方をやっていると」

ハブ化にむけた課題
島田キャスター
「羽田空港と成田空港、両方とも機能強化をしようとしているのですが、ハブになるのはどちらなのでしょうか?」
轟教授
「両方ともハブを目指していいのではないかと思います。ただ、特徴が違いますので、それぞれの特徴に合ったハブを目指すべきかと思います。成田は4000mの滑走路がある。これは大型機でも長距離を飛べる余裕がある滑走路を持っています。と言うことは、これまでもそうですけれど、国際線中心のハブを目指すべき方向だと思っています。もちろん、成田でも国内が増えてきています。それから、LCCも国内がかなり飛んでいます。成田の特徴としては貨物が非常に多いです。これを活かしたハブが考えられると思うんですね。それに対して羽田の方は都心に近いということで都心に行きたいという地方からの需要が非常に大きいわけですね。ですから、国内中心のハブ。現在もそうですね、国内線がたくさん飛んでいて国内の拠点空港なわけですから、これを維持しつつ、さらに間に国際線を入れていくということで、国内の中心的なハブ+国内と国際をつなぐハブを中心にやっていく。つまり、2つは違った方向性でやっていく」
島田キャスター
「国内線は羽田にという話はいかがですか?」
松原区長
「それを基本としながら。羽田と成田のどちらにメリットがあるのかと言うと、どちらもメリットもあるしデメリットもある。先ほど言われたように補完しあい、お互いが連携をすることで持ち味を活かしてやっていくのが大事。そう言った意味では、成田と羽田のアクセスをしっかりともっと良くした方がいいと思いますね」
轟教授
「成田のデメリットはやはり遠い。都心から60km離れておりますので、これをどうにかしないといけないということは重要な問題です」
反町キャスター
「何をもって役割を分けたらいいのか。どう感じていますか?」
竹内教授
「現在の話から言うと成田は不便。最近はかなり交通のアクセスが良くなったので、外国の都市に比べてそれほど遜色はなくなってきたのですが、羽田に比べれば不便である。不便である代わりに、安く飛行機に乗れるということでLCC等がそこでビジネスチャンスを見つけることができる。その代わり、羽田は高級路線。多少お金を払ってでも便利な方がいいという方はそこを使うということもあると思うんですよね。そういう棲み分けをするという点が1つありますけれども、ただそれを誰がやるのか。つまり、誰かが計画をして、ここはこうしなさいというやり方もあるかもしれませんし、あるいは羽田と成田を全く別物として競走させておいて、お互いが切磋琢磨しながら、一番良いサービスを提供するようにすれば自動的にお互いの持ち味が発揮できるようなそういう航空サービスを提供できるのではないかということもあるわけですよね。ですから、ある意味で言う、前者は計画経済系で、後者の方は市場原理的な競争環境を使うということで、2つの方法のどちらがいいのかはなかなか言えませんけれども、そういう政策のやり方と言うのですか、2つの選択肢があります」
反町キャスター
「実際に航空券を買うにしても羽田発着の方がちょっと高かったりするではないですか。成田にLCCがたくさん入っているという現実を考えると距離と反比例する形でより低価格のエアラインが成田に入ってしまう。高くてもいいという人が羽田に来るというのは市場原理によって既に分別が始まっているような…」
轟教授
「ある程度それはあると思いますよね。ですから、成田空港も自ら生きていこうと思うならば羽田と一緒の戦略をとっていってはダメだということで、LCCの誘致や貨物を誘致する。ハブというのは一種類ではありませんから、貨物のハブとか、LCCに適したハブとかいろいろあるわけですね。それにハブというのは我々が決めることではなくて、選ぶのはあくまで航空会社が決めることであって、たとえば、羽田がハブになると言っても航空会社から選ばれなければ無理な話ですから、そういう選んでもらえる魅力のある空港をつくるということですね。それを真っ先に考えないといけないですよね」

羽田空港の機能強化 成長戦略と空港の役割
島田キャスター
「羽田空港の拡大計画ですが」
松原区長
「羽田空港の跡地は53ヘクタールあるのですが、そのうち1、2、3と分かれていまして、第1ゾーンの方が20ヘクタール近くあるのですが、そこに大田区と東京都と国の方で成長戦略拠点をつくっていこうと考えています。大田区はモノづくりの集積地ですから、大田区はもちろん、東京のモノづくり、日本中のモノづくりをそこで取引できると、外国ともできたらすごくいいという考え方を持っています。それと同時に、もう1つ大事なのは地方には人口の少子化と高齢化で人口が減っています。だけど、素晴らしい農産物がたくさんありますよね。ですから、地方の農産物をそういうところで商取引ができる形にすれば、日本の経済が盛り上がってくると思うんです。ですから、私は産業小売り施設と言っているのですが、それはある程度東京都と国の方で合意している案ですね。ここを何とか実現していくことが日本の経済の再生になるな。自分の言葉で言えば、平成の長崎の出島をつくり出して、そこに国内外の商取引も、最先端のモノも情報交換できる場所ができればいいなと。これも1つの大きな起爆剤になるのではないかと思っています」
竹内教授
「なるべく多くのお客様に来ていただくことが一番必要なことですよね。もちろん、数も大事で、2000万人というのもありましたけれども、それも大事である。それに加えてその中には書かれていないですが、1つあり得るのは、非常に日本が心配しているのが、国際会議を開くのは、昔は日本が多かったのが、どんどん現在は日本から遠ざかっていってしまっているんですね。中国や他の国に行ってしまっている。それはなぜかと言うと1つの理由は空港がなかなか使いにくいということがあるわけです。つまり、国際会議をする方々は結構お金を持ってらっしゃるので、来てもらうと結構お金を落としてくれるわけです。でも、それは長い間入国手続きを待たされるということもありますし、それは空港側もちゃんと理解していまして、いわゆるビジネスジェットという飛行機がありますが、エグゼクティブな方が自らジェット機に乗って、プライベートジェットのようなものですね。その時にそういう人達のための設備をつくって極めて短時間で手続きもできて、すぐに中に入れてすぐに出られる。そういう形で国際会議や様々なことを日本にまた呼び戻そうと、便利にして、そこでモノを買っていただこうということもよく言われています」

首都圏空港でのハブ化 羽田空港の課題
島田キャスター
「なぜ日本の着陸料は高いのか?」
轟教授
「羽田の場合は埋め立てで沖合展開してきました。これは大変な費用がかかっているわけですね。こういったものを利用者負担、受益者負担ということで考えれば、着陸料をある程度高くとらないと回収できないという現実もあります。ただし、これは着陸料だけで比較をしていますが、他にもいろんな費用が実はかかっているんです。そういったものを全て含めると、国交省等の試算ですけれども、決して羽田はトータルで考えれば、旅客の通行税みたいなものがあるのですが、そういったものも含めると、ヨーロッパと、それほど差はないのではないかという結果もありますね」
島田キャスター
「もっと安くはならないのですか?」
轟教授
「これは政策だと思います。費用がかかっているので、それをどうするか。政策で安くしてもっと(人を)呼び込んで、経済の循環に結びつけようという政策があれば、下がるのでは」

松原忠義 大田区長の提言:『共存共栄』
松原区長
「将来、国内の空港と国外の空港が共存共栄できるようなことができるといいなと思います。特に羽田はそういった意味では日本の大きな中心的な空港ですから、特に地方と交流し、世界との交流が結べて、共存共栄できるところができてくれば、世の中が平和になるし、いいなと思っています」

竹内健蔵 東京女子大学教授の提言:『公・共・民』
竹中教授
「間に中黒があるのが、特色だと思うのですが、公共と民ではなくて、公と共と民。たとえば、成田と羽田の棲み分けですけれども、なかなか競争だけではうまいかないところもたくさんある。そこは公共部門が介入して調整する必要もあります。ただ、そればかりをやるとお役所仕事になってしまうところがありますから、ですから、民の力を借りる。まさに運営権、厚生省の話も今日出てきましたけれども、そういう意味から言うと民間もがんばる。民間と公共が協力する、その連携をする。そこでうまくバランスをとりながら良い日本の空をつくるということを期待したいと思っています」

轟朝幸 日本大学教授の提言:『ステークホルダー 理解と協力』
轟教授
「関係者が正確な理解をしっかりとしないといけない。利用者が大田区に迷惑をかけているということも理解し、大田区の住民の方も共存共栄とおっしゃいましたけれど、アドバンテージもあるわけですね。そういうこともきちんと理解し、皆が理解をしたうえで常に改善をしながらより良い空港を目指していく。これしかないと思っています」