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2014年8月11日(月)
アジア外相会合を検証 二国間会談は

ゲスト

城内実
自由民主党外交部会長 衆議院議員
木宮正史
東京大学大学院情報学教授
金玄基
中央日報東京総局長
朱建榮
東洋学園大学教授

日韓外相会談が実現 韓国側の思惑は
島田キャスター
「困難だという見方もありました日韓外相会談でしたが実現しました。実に11か月ぶりということですが、韓国が外相会談に応じた思惑をどのように見ていますか」
城内議員
「北朝鮮との拉致問題の再調査などの動きも出ていますし、また、日中関係もどうなるかわからない状況の中で、首脳会談が安倍政権になって一度も開かれていない、異常な状況になっているわけですね。既に安倍政権の方は、対話のドアはいつもオープンですよと。両者の立場の違いを乗り越えて、胸襟を開いて、率直にお話しましょうと何度も呼びかけているんです。本当は外相会談というのはもっと頻繁に、隣の国ですよ。昨年のニューヨーク以来、11か月ぶり。これも異常な状態ですよ。お互いが会って、私もそうですけれども、会ってみるといろんな誤解が解けて、こちらの立場も表立って理解はしてくれないと思いますけれども、そうかなと思わせることもできますので。まずは会うこと。立場の違いを乗り越えて会うことが大事。今回ある意味、一歩前進。ただ、会ったからと言って、我々が譲れないものは譲れない。ただ、しっかりと話し合っていくということが大事だと」
島田キャスター
「具体的にどういったことが話し合われたのかと言いますと、岸田外務大臣は『良好な日韓関係は相互の利益であり、アジア太平洋の平和と安定にとって不可欠だ』と。このようなことですが、尹炳世外相の方は、安倍総理の靖国神社参拝や河野談話継承に言及したうえで『両国関係は、大きく損傷された。日本は歴史問題に真摯な態度で取り組むべきだ』と相変わらずのことを、同じことの繰り返しかなと思うんですけれども、本当に同じことを繰り返し言う。どうしたらいいのかと思ってしまうのですが、いかがでしょうか。会うことに意味があったと、木宮さんも思いますか。今回は評価に値すると」
木宮教授
「お互い、いわゆる会わない場合の日韓関係の悪化の責任を自分は負いたくはないと。そういうことだと思うんです。ただ、本来、外交というのは、たとえば、大統領はこうだけれども、大統領の意向を汲んで、外相はある種の役割分担を果たすということも、私は考えた方がいいと思うんですけれど、とかく現在の、私は個人的には直接、存じ上げないのですが、現在の韓国の外相は非常に真面目だと。大統領の意向に非常に忠実だと。従って、役割分担ということがなかなかしにくいと。そういう側面があって、首脳同士の関係が悪いのが、たとえば、外交レベルの関係の悪化にもちょっとつながってきていると。そういう状況が現在あるのかなと」
反町キャスター
「日本側、政府側からすると、それなりにやっているではないかという話もある中で、尹炳世外務大臣は歴史問題に真摯な態度で取り組むべきだという話をしている。金さん、韓国側は何をしてほしいのかなと。何をしたら、条件をクリアしたことになるのかなと。俗に首脳会談に向けての条件として、靖国に行かないことを約束しろとか、河野談話を認めろとか、慰安婦問題についての局長級会談をレールに乗せろと言われるのですが、そういったことをクリアにしてくれということを、あらためて求めているということでよろしいのですか?」
金氏
「そうですよね。いろんな歴史認識とか、それは両国間で違いはあると思うし、そういう中で一番懸案になっている問題というのは慰安婦の問題ですので。慰安婦問題として韓国が主張している、求めているものがありますよね。それを日本側が全部飲めるのか、飲めないかは別として、それに向けてお互い少し譲り合う、そういう姿勢を見せることが、私は大事だと思いますし、また、日本の政治指導家といいますか、リーダーが、河野談話、村山談話がありますけれども、もちろん、安倍政権は、河野談話を継承するという立場を公に言っていますけれども、私から見れば、韓国国民から見れば、話が少しずつ変わるんですよね、時期によって。ですから、本当にこれが誠実な姿勢なのか、本当の考えなのか、それに対して疑う。そういう国民もあるという現実の話なので、日本の政府として、安倍政権として、それははっきり違うということを、もっと韓国の国民が理解しやすい方向で、目に見える政策として見せてほしいということです」

北朝鮮問題 日米韓の連携は
島田キャスター
「北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)外相ですが、岸田外務大臣とARF(東南アジア諸国連合地域フォーラム)の会議の合間に意見交換をしました。この方ですが、今年4月に、北朝鮮の外相に就任をして、金正恩第一書記に近い実力者の1人と見られているんですね。その彼が事実上の国際社会デビューでどんなことをするのか。岸田さんと会うのかどうか、行動が注目されていたわけですけれど、実際に会ったと。北朝鮮はどうしてこういうことをしたのか?」
木宮教授
「接触自体は何も新しいことではないんですね。ブルネイですけれども、たとえば、川口外相と白南淳(ペク・ナムスン)外相。それから、確か、昨年も、岸田外相と朴宜春(パク・ウィチュン)外相と立ち話をしたということがあるので。ただ今回は5月末に、いわゆる日朝合意があって日朝関係が何らかの形で進展するのではないかと。そういうことのあとだっただけに、非常に意味があったと思います。中国とか、韓国に対して、日朝関係が進展する可能性があるんだよと。北朝鮮に対する日本のプレゼンスというものは無視できないんだよということを示す。そういう意味はあったのではないかと思います」
島田キャスター
「岸田外務大臣は、李洙墉氏と拉致被害者の再調査、核ミサイル問題で意見交換をしたと明かしたのですが、昨日行われた日韓外相会談でも北朝鮮の核ミサイル問題には緊密に連携する方針で一致しました。拉致問題を巡る日朝協議について岸田外務大臣が説明をして、米韓の理解が得られたとしているんですけれど、安倍政権は対北朝鮮外交で日米韓の連携と拉致問題解決で非常に困難なというか、バランスをとるような感じの外交が求められていると思うのですが、このあたりはどう評価されていますか?」
城内議員
「日本の外務省も、アメリカ、韓国には北朝鮮とのいろんな接触、拉致の問題の再調査、私が聞いている限りではかなり緊密に事前に連絡をしてやっているということでありますし、安倍政権は、特に拉致問題、まさに安倍政権の一丁目一番地ですから。古屋拉致問題担当大臣、岸田外相と、この3者が連携しながら前進させているわけでありまして、民主党政権の頃と比べますと、拉致担当大臣がころころ変わってほとんど成果がなかったというのと比べたら、相当な前進が見られていると思います」

日朝外相が意見交換 中韓の反応は
反町キャスター
「日朝が拉致問題をテーマに接近していることについて、中国は日朝の接近をどう見ているのですか?」
朱教授
「拉致問題については、中国は、私の記憶では十数年前に、当時の朱鎔基(シュ・ヨウキ)、中国の首相が北朝鮮に行って、金正日さんに対してそのような問題ははやく解決した方がいいと。頑なにするより、そういうような重荷を背負うより、はやくやった方がいいよと。それが小泉さんとの合意の、その前に説得をしたんですね。その後はそのような日本による拉致被害者の調査とか、北がもっと真摯に対応するよと。そういうところは、裏でメッセージを伝え、してきたと思うんです。ただ、現在の、最近、日本と中国の関係が悪い中で、一方、中国と北朝鮮の関係も悪いんですね。もちろん、それは核の問題で、中国も相当、北に厳しく対応して、数か月、石油の供給をストップしているとも言われているし、北の中では既にほぼ確実に伝えられているのは北の中でも、軍の幹部の中でも、党の幹部の中でも中国の修正主義批判、中国が西側にあまりにも歩み寄り過ぎたと。そのような批判が公然と行われているんですね。それは1990年代の末に、一時期、そういうのがありました。それ以後はどうも消えたんですけれども、最近また行われていると。そういう中で日本と北朝鮮の接近に中国は少し神経を尖らせているのかなというところはあるかと思うんですね」
島田キャスター
「韓国は、日朝の接近というのは、どう見ているのですか?」
金氏
「今回の日朝会談も接触という表現を使っているみたいですけれども、実際、私の同僚の記者が現場でずっと張り込んで見たところによると、1時間弱も続いたという話も聞こえて、現地の午後5時半から6時半までそういう協議が長引いて、6時半に会議場と廊下を挟んで向い側のドアのところに(中国外相)王毅(オウ・キ)さんが待っているところに、李洙墉さんが入ったという、それを見ているのでそれが本当だとしたら、かなり突っ込んだ、詳しい話をしているのではないかなという気はしているんですね。既に前に接触するという話はずっと前から流れていましたので、かなりそれに対しての準備も行われていたのではないかという考えをするんですけれども、韓国から見れば、日朝の蜜月というのは嫌なことでですね。接近というのは肯定的な部分と否定的な部分、両方あると思うんです。まず否定的な部分から言いますと、日米韓の3か国間が北の核やミサイルに対する連携、それが少し乱れるようなサインに見られるかもしれないということですよね。もちろん、日本が制裁、国連の制裁ではなく日本の独自制裁の一部だけを解除したわけですが、方向性自体がそちらの方に移ったと見られるかもしれない。北朝鮮に違ったメッセージを送るかもしれないというのが1つ。肯定的な面から見ると、現在先ほどおっしゃいましたが中国と北朝鮮の関係が本当に望ましくない、本当に悪い状況になってということで、6者協議、6者会談というので、実際に中国が影響力を発することができない状況になっているんですよね。また、アメリカ側から見ても、アメリカも北朝鮮の問題というのは、あまり関心がない状況ですよ。関心があるのは中東やウクライナ問題とか。ですから、北朝鮮の問題というのは、アメリカから見れば、何か生じれば、それに対応するかという次元の、対応になっていて、先に先にこういうようにと企画していく段階ではないんですよね。と言うことで見ると、日本が北朝鮮と、そういうような拉致の問題から始まると思うんですけれども、そういう窓口をつくってくれることが韓国にとっては北朝鮮に対してのもう1つの裏の窓口ができるということで、活用もできるということで、そういうような見方も最近は広がっているんですよ」

日中“非公式”外相会談 中国側の思惑は
島田キャスター
「では、日中関係について、岸田外務大臣は今回ミャンマーで、非公式的ながら、中国の王毅外相との会談も行いました。第二次安倍政権発足後の日中外相会談が初めて行われたということですが、これもどうなるかと言われていたんですけれども、結果的には会った。これは中国側はどのような思惑だったと思いますか?」
城内議員
「11月にAPECがありますよね。その時に日中首脳会談をやるか、やらないかというのが大きく注目されるわけですが、やる、やらないにしても、その前に日中外相会談をやらなくていいのかというと、まずは公式ではなくて、非公式というね」
島田キャスター
「そこですよね。どう違うのですか?」
城内議員
「公式の一歩手前という意味で、非公式は。まず非公式に会って、お互いの、たとえば、日朝でも非公式接触とか、お互いが会って話をすると。公式の前の段階の非公式会談ということでやったということではないですかね」
島田キャスター
「王毅さん側は、日本が要請したから非公式に会ったんだという話が伝わっているのですが、そういうものですか?」
城内議員
「いや、それはどちらかが合意して非公式ということにとりあえずしましょうねと。ある意味、中国の立場で言うとね。もちろん、朱先生が説明されるかもしれませんが、公式会談をやってあまり成果が出なかったら批判を浴びますから、とりあえず非公式会談でやったということで保険をかけたということではないですか」
反町キャスター
「朱さんはどうですか。今回の非公式会談」
朱教授
「非公式という表現については、城内さんがおっしゃるように、私は互いに中身を重視したと。形というのは、日中がここまで対立してきていきなり何も成果がないまま正式会談を行ったというところまでスムーズになかなかちょっと行けないというところで、非公式というクッションを置いたんですけど、しかし、会談が行われたこと自体、しかも、外相同士でですね、これからのAPECに向けて一歩の前進があったと思います、中身がね」
反町キャスター
「その最近の中国、北京の反応としては先日、福田元総理が行って、習首席とも会ったという話もある中で、この形というのは、中国側からのこの間、福田さんに対する対応、今回の外務大臣会談。非公式とは言いながらも、いろんな形でシグナルが出てきている。これをどう見たらいいのですか?」
朱教授
「私はもっと広く言えば、日中両国の首脳共、それぞれ国内の、一番中心に取り組んできたテーマをある程度、一括りでクリアをして、次にいよいよ取り残された課題に、外交の課題に、取り組んでいると感じる部分はあります。中国は周永康事件でわずか1年半前までの中国の公安警察担当のトップが現在、汚職腐敗の問題で摘発されたわけですね。これで中国の汚職腐敗の対策ということでほぼ一段落し、現在はどうも中国で北戴河会議が開かれて、10月には党中央の四中全会が開かれ、おそらくこれからは個人の摘発から、制度づくり、法治国家づくりというところにして国内経済重視というところを再強調する。それで外交問題に取り組むというところに、ここ数か月、1か月、2か月でそういうところに傾いてきたと。日本側についてもある中国の学者の解説で、集団的自衛権の問題で閣議決定まではおそらく外交のことはあまり考える余裕もなかったし、場合によっては中国の脅威を強調して、それが閣議決定にとって追い風、プラスだったわけですね。でも、それは一段落、これが実現した。次には中国、韓国との周辺諸国、近隣諸国との関係、特に、11月のAPEC。中国にとっても日本をあまり冷遇すると、これが主催国として問題。一方、日本も行っていて、何もそれができないということがまた問題。そういうところで双方が、いよいよ首脳同士に、少しそれに向けて真剣さが出てきた。その表れが今回の外相会談ではないかなと思います」

首脳会談実現の可能性
島田キャスター
「岸田外務大臣が、王毅外相に、11月北京で開かれるAPEC首脳会議にあわせて日中首脳会談を行うことが望ましいというふうに伝えたと見られているのですが、それに対して、王毅外相は『我々は、ただ、第一段階の意見交換をしただけなのであると。肝心なのは、日本側が誠意をもって、実際の措置を取れるかどうかだ』と。首脳会談実現の可能性、これだけ見ているとあまり変わっていないのかなと思うのですが」
城内議員
「日本側が誠意をもって措置をとるかどうかというのは、1つは尖閣の問題ですけれども、我々は立場を絶対変えられませんので、それをもって、日本は誠意がないと言われたら、それまでですが。ただ、中国との関係、韓国との関係もそれぞれの立場で絶対譲れないものがあることを前提に首脳が胸襟を開いて会談を行って何がいけないのかという感じですね。中国側の大人の対応で、こちらは対話しましょうねと言っているんだから、テーブルに着いて、お互いがお互いの立場で言うと。誤解があったら、それを解くということをしない限りはお互いが常に不幸ですし」
朱教授
「日中韓の一番懸案になっているのが、2つの問題で、首相による靖国参拝と島の問題ですけれども、島はそれぞれの主張があってでも現場で、まずそこで衝突が起きないように、そういうような国同士でそれぞれの立場が変えられないとしても、現場でルールをつくっていくと。そういうところも、1つ互いに誠意を示すことですけれども、それよりも、私から見れば、今回の王毅さんの発言から見ていても、靖国の問題を重視していると思うんですね。中曽根政権の時に参拝後、日中で、日本の主要三役は在職中に靖国参拝をしないと。首相、官房長官、外相と。それが小泉時代にこじれていて、その次に安倍政権になる直前に、日中でまず裏で話して、その後、公式な発言で、安倍首相が行くとも行かないとも言わないと。しかし、実際は行かないというところで、第一次内閣で良い関係を持ったんですね。ですから、そういうようなことを見れば、中国は、今回の安倍さんの、昨年の末の参拝というのは明らかにこれまでの合意、あるいは互いに1つの信頼を壊したと。それについて、5月に高村さんが訪中して、私の理解では首相はもう行かないんだろうと。そういうようなことで、しかし、首脳会談後、また行っちゃったと。だったら、本当に、習近平さんの快い立場も悪くなるわけですね。そういう意味では、そういうところで、互いに、国内事情を抱えているけれど、そういうところを巡って、11月のAPECに向けてでも、双方が何らかの、裏でこれからの信頼を再構築するための話。それが一切ないまま、11月に入って、またこれから話をすると、これは外交ではないと思いますね」

南シナ海問題 ASEANの対応は
島田キャスター
「ASEAN外相会議が行われましたが、ASEANの中国への対応の印象をどう評価していますか?」
城内議員
「妥当な線で落ち着いたと思うんですね。当然ベトナム、フィリピン等は中国に対して厳しいわけです。それに対して中国も当然根回ししていると思いますけれども、親中派と言われているカンボジア、ラオスは、こういった南シナ海に関する声明については、やるべきではないと主張しているはずですね。そういった中で、妥当な表現ぶりだったのではないか。ただ、重要なのは力による現状変更は許さないという雰囲気が中国、親中の国を除いて、全体的になんとなくコンセンサスができたということは大事ですし、また、岸田外務大臣がARF閣僚会合で、安倍総理がシンガポールのシャングリラ・ダイアローグで基調講演をした。海における法の支配、3つの原則。1つ目は、国家は法に基づいて主張すべきである。2つ目は、自分の主張を通すために力や威圧を用いない、3つ目は紛争解決には平和的収拾で解決しなさいという3つの基本ルールを提唱したんですね。そういった安倍総理の提案を岸田外相も紹介しながら、何となく全体的にそういった雰囲気だった、ということは一歩前進ではないかと思いますね」
反町キャスター
「中国は、アジア各国の中国に対する見方を気にしているのですか?」
朱教授
「当然、気にしながら、外交を調整している一面もあるかと思うんですね。5月のシャングリラ会議のところで、おそらく中国の予想以上にいろいろ批判が出ました。それ以降で今回のARFにあわせて当然いろんなことで対応してきた。中国とASEAN諸国と、その関係のもっと一番重要なものを大事にしようと。それは来年RCEPでアメリカを除く、地域全体での経済圏の構築を含めて、中国は、最近タイの政府が許可して、中国雲南から大動脈でラオス、タイ、マレーシア経由で高速鉄道をシンガポールまでつくるということで、そういう経済面でASEAN諸国との一体化というところをPRして、1か月前に中国の国務院副首相がハノイに行ってベトナムともいろいろと話をしてきたわけです。そういう意味で、今回の対立軸というのが、強いて南シナ海のことであるとすれば、フィリピン対中国というような部分で、フィリピンが単独でそれをやると正直言っても、ASEANの中では声が現在弱いんですね。一方、中国はむしろ現在の批判は…フィリピンよりフィリピンの背後にはアメリカ。アメリカと現在いろいろとメッセージを互いにやっているわけです。そこの部分は今後もAPECでオバマさんも北京に行って、もしかすると中国を正式に訪問する。それに向けての米中のいろんな違いを巡っての駆け引きというのも現在、南シナ海を含めて行われている」

米中外相会談で中国は
反町キャスター
「米中のせめぎ合いを見ていますか?」
木宮教授
「その中にいる日本とか、韓国とか、フィリピンとか、もちろんいろんな国によって利害が異なるということは言えると思うんですけれども。我々にとって必要なのは一方で米中がある種手打ちをして、いわゆる中小国の発言が封鎖されるような事態というのは避けるべきだと。しかし、他方で米中が非常に対立を激化させているということは、東アジア、東南アジア含めてですけれども、平和や繁栄にとって非常に重大な脅威になるわけです。従って、重要なのは米中関係をもちろん、日本とか、韓国とか、それこそ東南アジアの国々が1国だけで米中関係を何とかできるという力はないと思います。しかし、私は日韓、ASEAN諸国も含んで、要するに米中関係。特に現在問題になっているのは中国の現状変更に対してどういうふうな発言、影響力を行使できるか。そういうことがやはり必要なのではないか。そのためにASEANということもあるし、私が言いたいのは、日本と韓国が中国を巡ってかなりそっぽを向いているんですね。そういう状況というのは何としても避ける必要があると思いますね」

今後の東アジア情勢 中韓の思惑は
島田キャスター
「今後、韓国は、アメリカ、中国の2つの大国の間でどうしようとしているのか、このことについてどうでしょうか?」
木宮教授
「とかく日本では、韓国はどうも中国に傾斜していると見られがちですが、私は韓国にとって中国がなぜ重要なのかということをもう少し理解する必要があると思うんですね。1つ目は経済です。経済の環境は非常に大事だと思います。それから、2つ目は北朝鮮に対して中国の影響力というものを韓国は期待しているという側面があるんです。3つ目は、韓国は何としてでも韓国主導で統一ということで道を開きたいわけですけれども、ここにも中国の支持が必要。その3つの理由で韓国からすると、中韓関係は重要だということになるわけですね。しかしながら、韓国の人に聞いてみると、そうは言っても韓国にとって一番重要なのはアメリカとの同盟関係。安全保障は米韓同盟だと、誰もが言うわけですね。そういう意味で言うと、米中関係の中で韓国は生きていかないといけない。ただ、問題なのはもしその米中関係が対立、葛藤を深めて行くと股裂き状況になるわけです。韓国は米中関係を仲介して米中関係を良くするような方法に、持っていく力があるかと言うと、それはない。そこに韓国外交の致命的な問題があると思うんです。ただ、私は逆に、日本ではとかく米中は対立していた方がいいんだ。むしろアメリカは日本の味方をしてくれるはずだと、私から見ると非常に楽観的な見方があると思うんですね。私はそうではなくて、先ほど言ったように米中があまりにも牛耳るような東アジアの秩序でもないし、それから、米中が非常に対立的な葛藤的な秩序でもないような、そういう秩序を、たとえば、日韓、それからASEAN諸国がいかに協力をして構築していくことができるのか。そういう方向性というのを日本外交というのは考えていく必要があると思うんですね。その意味でも、日韓の間の歴史問題というのをなぜ克服しないといけないのかと。もちろん、日本の国内でなぜ妥協しなければいけないんだという見方はあると思うんですけれども、ただ、日本にとって韓国との関係というのはそうした米中関係、特に対中関係を考えた場合に重要だと思うんですね。そういう意味で歴史問題の克服はやはり必要だと」

木宮正史 東京大学大学院情報学教授の提言:『Win Win』
木宮教授
「意味するところは、東アジアは一方、世界で最もダイナミックで経済成長を達成している。ある意味では非常に繁栄を謳歌しているわけですね。他方でこれは朴槿恵大統領の口癖ですけれども、アジアンパラドックスという表現を彼女はよく使うのですが、実際にそういうところはある。一方で繁栄を謳歌していながらも他方でいろいろな対立、葛藤がある。領土問題、歴史問題等あるわけですね。ただ、私はそういうものを克服してお互いが協力をして、より大きな利益を得られる。そういう関係に現在、東アジアは可能性としてあると思うんです。それをいかに克服できるか。お互いの間の問題だけに目を向けるのではなくて、もう少し目を外に向けて、お互いの利害が利益がどう共有しているのかというところに目を向ければ、この間の問題をいかに克服して協力を達成できるのか。それが国民レベルでもそういう議論は必要だと思います。特に外交、政府はそういう姿勢で取り組むべきではないかと思います」

金玄基 中央日報東京総局長の提言:『脱観念主義』
金氏
「3国とも観念主義に基づいて、あるべき姿を自国が設定をして、都合良くそれに合わせていっている流れに現在なっているのではないかなという気がするんですね。日本で言えば、戦後レジームからの脱却というフレーズ。中国は大国主義、韓国は歴史への拘り、そういうのがあるのですが、もっとそれより実用的アプローチをするべきだと思うんです。もう1つ書きたかったのが、日中韓首脳会談をやろうということです。韓国と日本、日本と中国、お互いにやりにくい状況であるということでしたが、日中韓で3か国首脳会談をやればどうかなと。これは新しいことではなくて、2008年から毎年やっている。だから、安倍政権が発足して昨年できなかっただけでこれをやれば安倍総理は2対1の戦いだからちょっと困るという考えを持っているかもしれないけれども、逆発想すれば、やりにくい2国を一緒にできるということもあるので、これは是非やってもらいたいことです」

朱建榮 東洋学園大学教授の提言:『上向きの気運を大切に』
朱教授
「今回のARFで日中、日韓、外相会談等が行われた。久しぶりに上向きの気運が出てきた。これを関係諸国は大事にして、1つ1つを積み重ねていくことが大事だと思うんですね。私の知っている限り、中国国内でも一種の戦略論争が行われていて、米中、いわゆるG2のようなことだけでいいのか。それに対して中国と韓国、ASEAN 等でそのような関係は一方、米中の影響は受けますけれど、もっと自主的にやるべきだと。そういう意味で重層的に日本も全て中国のことを歴史問題で叩くだけのようなことではなくて、もっと自信を持って大国らしく。中国は自信過剰にならないように。日本も大国であるところを忘れているようなところ(がある)。もっと堂々と中国と対等にやると。そのようなことを本当に11月に向けてできれば、金さんが提案するように日中韓の首脳会談ができれば良いなと思います」

城内実 自由民主党外交部会長の提言:『○法とルール ×力と威圧 →対話による平和的解決』
城内議員
「東アジアの安全保障の環境が厳しくなっているわけですから、そういう時にこそ原理原則に則って法と国際法に則るルールは○、決してすべきではないのが力、あるいは武力による威圧、現状変更。好きだから、あるいは嫌いだからという主観的な判断をするのではなく、客観的なルールに基づいて問題を解決していくということであります。結果として対話による平和的な構築。これは安倍総理がシャングリラ・ダイアローグで申し上げたことです。ここの原則を守って行くのが大事だと思います」