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2014年7月31日(木)
首相が中南米で狙う的 今求められる国連像は

ゲスト

岸信夫
外務副大臣 自由民主党衆議院議員
明石康
元国連事務次長
星野俊也
大阪大学副学長

中東最新情勢と紛争の現実
反町キャスター
「イスラエル、パレスチナの両方の言い分はどうなのですか?」
岸議員
「両者が呼びかけたのは現在のいわゆる暴力の連鎖によって市民が犠牲になっている、そのような状況を一刻も早く止めなければいけない。そのためにはエジプトからの停戦提案がありました。そうした国際社会の呼びかけに対してキチッと対応して、双方に最大限の自制をしてもらって持続的な停戦につなげていくと。この努力をしてくださいと、こういうことを両者にも呼びかけてきたわけです。それに対していろいろな反応がありました。現実的にはそれぞれの言い分があります。パレスチナの方は、ハマスとは違うわけですが、彼らはハマスのやっていることを100%認めているわけではないんです。ただ現在のような事態になっていること、これはそもそも宗教や民族の対立というところに起因するわけですが、非常に根の深い話ですね。その中で現在の事態が起こっている。停戦をした時に、前回停戦をした時からこれまで何が変わったか、ガザ地区が解放されたのか、自由が得られたのか、権利を得られたのか、何も変わっていないではないかというような言い分が一方である。イスラエルにあたっては、ロケット弾を打ってきたと、こういうような状況が続いている中で我慢したんだ、だけど、これ以上我慢できない。だから、ロケット弾を発射しているところをピンポイントで攻撃をするのだというわけです。ただ、それが結局犠牲者を生み、パレスチナ側の恨みを買い、ロケット弾の発射が続くと。こういうような事態が続いてしまっているわけですから、これはなかなか難しい話です。すぐに停戦をすべきということは、これは皆の意見です。だけど、当事者にとってはそのあとの展望がわからない限りできないということだと思います」
星野氏
「1つの土地を双方が、ユダヤ人にとって大切な土地だと思っているし、一方は、イスラム教アラブにとって大事なところだと思っている。取り合いをしている部分がありますよね。しかし、どこかで折り合いをつけなければいけないというのが常識です。そういうところに戻るしかないと思うんですよ。暴力の連鎖から生まれるものは結局なくて、命が失われるだけですから、オスロ合意、あの時はノルウェーが仲介をしましたね。そういう仲介者を立てるなりして、できるだけ対話の方向にもっていくという圧力を国際社会としてはかけていくということだと思います。この時期に岸副大臣が行かれてイスラエルにそういうメッセージを直接伝えたと思います、パレスチナ側にも伝えたと思いますし、仲介しているエジプトにも話をして側面支援をするという、こういう役割が日本としても非常に重要だと思います」
明石氏
「これは、国連にとっては一番古い、一番根の深い問題ですね。1945年に国連ができましたが、1947年に第1回の国連の特別総会がありました。それはまさにこの中東の問題があったわけですね。イギリスが委任統治みたいな形でパレスチナの地域を統治していたんですけれど、イギリスは第一次世界大戦中にもアラブの人達にも、ユダヤ人の人達にも、この中東地域で独立国をつくることができそうな約束をしたんですね。そのようなことで期待が幻滅に変わるということで、1947年にはイスラエルがかなり突然独立を宣言したんですね。アラブ諸国はそれに怒って攻め込んできて、第一次中東戦争というものが始まったわけですが、とにかくイギリスにとっては手に余るということで、国連に問題を持ってきて、国連はそのための特別委員会をつくって、イスラエルという国とパレスチナという国を2つつくる。その2つの間には経済的な同盟みたいなものを設けるということを決めたのですが、お互いに国境線はどこにあるべきかということでずっと喧嘩を続けて現在に至っていますね」

イスラエル・ハマスの対立 国連の対応と存在感は
島田キャスター
「スピード感に欠けると思うのですが、こうした国連の動きをどう見ていますか?」
岸議員
「一番の問題は当事者同士ですね、解決するのは当事者同士ですから、当事者間の解決への道筋が見えない段階で国連に何ができるのか、これはなかなか難しいことだと思います。おっしゃったように、たとえば、12日に声明を発表したというようなことがあるわけですが、事態は徐々にエスカレートしてきているわけですね。国連が仲介に入る、そういうことはある意味難しい問題だと思います。一方で、エジプトの停戦提案というのが14日にありました。前回の紛争の時にエジプトはハマスとチャンネルを持っていました。前政権の時はハマスに対しても影響力がある。イスラエルともエジプトは話ができる。そういう両方に影響力をもつエジプトの停戦というのが機能したわけです。今回もエジプトが停戦提案をしたわけです。残念ながら、今回は政権が代わっていました。むしろエジプトとハマスは敵対関係。国境封鎖もされているような状況ですから、仮に同じような提案であってもなかなかハマスとして受けにくい環境になっていた中でのことだったと。一方で他に何がオプションとしてあるか、しばらくエジプトの停戦提案に皆さんがそこにかけるしかなかったと思いますね。ですから、国際社会としてもこの停戦提案を受けていく方針だと」
島田キャスター
「打つ手がないという状況にきているのでしょうか?」
岸議員
「そういうことではないと思います。潘基文が実際に現地に入り、様々な方と会談をしていますね。そうしたことは国連がどのように考えているか、それぞれの当事者にその意思を伝えるということは意味があると思います。そうした動きがなければ、まずいんだ、いけないんだと思いますね。そういう意味で国連の機能を果たしていないということはないと思います」
島田キャスター
「この地域に国連の影響力はどのくらいあるのでしょうか?」
星野氏
「先ほど明石先生から歴史的なお話がありましたが、実は結論はある程度明確で1947年の段階でパレスチナを分割して2つの国にすべきだというふうになっているのですが、最近の政治交渉の中でも、最終的には2つの国をつくるという形で決着させるという道筋があるわけですよ。だけど、そこのところで政治決着ができないというわけで、現在は、イスラエルは加盟国ですが、パレスチナ側はまだオブザーバーということです。国連としては着地点、ゴール地点を見せているんだと思うんですよ。2つの国が国連の加盟国になったというような状況で共存するというようなことです。そのような形で対話のための環境づくりというものを国連の場で、安保理もそうだし、総会もそうだし、つくっていくというようなことが必要なのではないかなと思いますね」
明石氏
「星野先生がおっしゃった通り、国際社会として、1つの解決に向けてのシナリオをつくっているわけなので、徐々にそれに向かって進んでいるとは思いますが、力のアンバランスがあるんですね。軍事力においてはイスラエルが圧倒的に強いと。しかし、人口を見るとパレスチナを含むアラブ諸国の方がはるかに多いわけですし。長期的に見ると、イスラエルにとって不利な情勢になり得るので、しかし、当面イスラエルの方が強いですから。そのようなことで国連としては正直な仲介者としてできるだけのことはやっているのだと思いますね。国連の平和維持活動も行われています。これが1956年、国連として初めての国連緊急軍というものを、これは国連安保理ではなくて、国連総会がつくって現地に派遣したんです。そういうこともやってきているので、いずれは解決に向かっていくと思いますが、国連の抱える最大の難しい問題が中東問題であるということは間違いないと思います」

国連の存在感が低下? 変容する紛争に国連は
島田キャスター
「国連が現在の国際情勢に対応できなくなっているという部分はあると思いますか?」
明石氏
「国連は国と国、政府と政府との問題を解決するためにつくられた機関ですね。国連が国内問題、民族問題に介入しなくてはいけないとは国連憲章のどこにも書いてないです。ところが、冷戦が終わってからは、1990年代になって国家ではないいろいろな民族集団、宗教が違うグループの問題が、国連の最大の頭痛の種として浮上してくるんですね。ですから、2000年にミレニアム特別総会というのがありまして、ミレニアム宣言というのが採択されたのですが、それには国連は国際問題だけではなく、国内問題、各国における民主化の問題とか、人権の問題に関係しなければいけないということを書いているんですね。これは国連の基本的な問題意識が変わらなくてはいけないということなので、国連は基本的には国と国が加盟国としてつくっている組織です。それにも関わらず、新しい国内問題を抱えることになったので、1990年代以来、国連は国際問題以外に国内問題も抱えることになった。どちらかと言えば最近の戦争の半分以上が国内の紛争です」
反町キャスター
「国単位の対応ではなく、個別対応できるように組織改編が進んでいるのですか?」
明石氏
「いろいろな形で国連の、たとえば、PKOに関する局は、かなり拡大強化されています。それから2000年にブラヒミという私の友人で非常に優れた仲介者、この人はアフガニスタンとか、イラクに、国連に事務総長代表として行って、現地で指揮をしたのですが、シリアでは匙を投げざるを得なかったわけですよね。ですから、いろいろな人が、いろいろな機構が取り組んでいますし、またいろいろな国がこれを支えるという働きをとっているんですね。問題によって支えている国が違う場合もありますけれども、アメリカ、ロシアなどの常任理事国はいろいろな紛争を同時に抱えている。しかしながら、大きな影響力の国々の中にコンセンサスがあれば、国連はいろいろなことをはっきりとした形でできるんです。私は1990年代、1992年、1993年にカンボジアに行って、PKOの指揮をしましたが、安保理は非常に強固な団結をしていまして、私が成功することができたのは、まさに国際社会の一致団結したスクラムを組んだ姿勢があったからです。私がカンボジアの次に派遣されたユーゴスラビアでは残念ながらそういう団結がなくて、アメリカはボスニアの肩をもつ、ロシアの方はセルビア教徒の味方、イギリス、フランスはクロアチアの味方という非常に複雑な図式がありまして、国連は一生懸命課題に取り組んだのですが、結局、1995年の暮れにNATOが出てきて、アメリカを中心とした力によってとって代わられたんですね」
反町キャスター
「P5、常任理事国の利害が一致すれば力を発揮するけれども、どこかの国が拒否権を発動した場合は機能不全に陥る危険がある?」
星野氏
「それは確かにそうですね。特に国連安全保障理事会で取り上げる大きな紛争の関係の問題ですよね。紛争は現在議論になっているように国家間のものからどんどん国内のものになってきているということです。その場合に、たとえば、シリアだって、ロシアの問題が関わりますし、中国のいろいろな国内問題はなかなか中国に手を出せないとなりますよね。大国がもちろん一致する場合もありますが、そういう時は非常にうまく進むということになります」
反町キャスター
「超えられない壁ですか?弾力性、柔軟性はないのですか?」
星野氏
「2つありますね。1つは、国連自体、安保理自体を改革しようというような形で動いていくパターン。もう1つは、国連は基本的には国家間の問題だけれど、国内で甚大な人道的な危機が発生している場合は、国際社会としては見捨てられないので、あらゆる形で介入するということに関しては合意しようではないかという新しい原則、規範というものができ始めているんですね」

安保理改革と日本の役割
島田キャスター
「今回の中南米の訪問でも安倍総理大臣は国連の改革が必要だと訴えているということなのですが」
岸議員
「国連ができてから加盟国の数だけで言えば4倍近くになっているにも関わらず、その一番肝心な安保理については15か国ですね、これは変わっていない。その変わらない体制の中で様々な課題に取り組んでいかなければいけないというところだと思うんです。それぞれの国、あるいは部族とか、宗教とか、様々な要因はあると思うんですけど、基本的にはその地域の代表として安保理の理事国に入っていくということになるわけですが、その理事国に対して、その地域の他の国々がきちんと彼はこの地域を代表してくれているんだ、あるいはそこで決めたことは我々も従うべきだと、こういうふうに信頼関係というものは醸成されてこなければいけないんだと思いますね」
島田キャスター
「安倍政権の姿勢についてはどのような評価をされていますか?」
星野氏
「安倍総理は、安保理に日本が入ったことによるメリット、日本のメリットだけではなく、世界に対して日本が果たしうる役割、これは積極的平和主義という言葉に凝縮されていると思うのですが、それを進めるために安保理に入るのが不可欠だと考えて、首相が非常に力を入れてがんばっているというところは、これまでなかなかなかったので、来年が本当に山場な年なものですから、期待しているところですね」
反町キャスター
「世界各国が、アジアの代表は中国に加えて日本だねと、平場で激論ができなければ、話が進まないのではないか?」
星野氏
「安保理の中では激論していますよ。だいたいメディアで出るのは馬蹄形の議会の最後に手を挙げるところ、フォーマルな公開の会合なわけですよね。そこに至るまでにはインフォーマルな会合、事務レベルから、大使レベルか、場合によっては大臣もその場に出てきて議論をしますよね。そんな形でかなり激しいやり取りをやってということですので。日本が常任理事国に入るということは、そういうことを常時できるということですよね。これまで日本はなかなか主張できない。日本は国際社会ではかなり良識的な意見を言う、誠実な国というふうに思われています。日本はリスペクトされているんです。途上国への支援もやりますし、途上国の実態を理解した上で援助の手を差し伸べる。思いやりをすごく感じられると思うんですね。政治的意見に対しては、どうしてもアメリカに追随をするのではないかということもありますが、イランの問題に対しても随分立場が違ったりするんですよね。そういうことを正々堂々と言うことはこれからも期待されるし、その場所がほしいというのが安倍総理の考えではないかなと」
明石氏
「安保理が効率的に迅速に行動するためにはある程度コンパクトに、小さい装置でなければいけないわけで、そういう意味では、アメリカは日本に入ってほしいんだけど、インドは嫌だとか、ブラジルは嫌だとか言うわけです。しかし、日本にとってはインドやブラジルと一緒でないと票を十分に獲れませんので、そういう矛盾に悩むことになるわけです。非常任理事国も本当に小さい、マイクロステートと言われる国でさえも非常任理事国に往々として選ばれるわけですけれど、国連憲章を精密に読むとそれが正しいのかどうか多少疑問があるんです。そういう意味でも改革が必要です。安保理の改革は急務ですが、至難の業である。日本としては引き続き懸命に味方を増やしながらやっていくということを続けるべきだと思います。わが国は、安保理の作業手続きの改善とか、安保理と総会の間の風通しをよくしようというような、非常に地味ながら、重要な仕事を手がけ、また、それがある程度成功してきているんです。そういう意味でも、わが国は地味ながらも尊敬される存在であるということは言えると思います」

日本の常任理事国入り その可能性と意義は
島田キャスター
「日本が常任理事国に入ることによりどのようなメリットがあるのか?」
岸議員
「我が国のメリットと言うよりも、我が国が国際社会に対してより積極的に平和と安定に寄与する、これはまさに安倍政権の目指す積極的平和主義でありますけれども、安倍政権はそれを前面に押し出した外交をしています。その1つの形として国連の場というのがあります。これまで日本が安保理改革、あるいはその安保理の選挙でも負けたこともあるわけですね。なぜそのような状況が起こってきたか、安保理改革ができなかったか、そうしたことがあると思うんです。1つは、日本が敗戦国だったというのがもともとはあると思うのですが、最近で言えば、日本がいろいろ言っているけれど、本当にやってくれるのかいというのがあったと思うんです。ただ、現在多様化した課題を抱えている国際社会に対し、日本というのはそれにきちんと対処できることができる国の1つなのではないかということだと思います。イスラエルとパレスチナの問題にしても、アメリカは大国ですがイスラエル寄りになっている。日本はどうか。イスラエルとも良い関係を持っています。パレスチナとも長年にわたって彼らを支援してきている。他の紛争の場でも同じようなことが言えるわけです。どこかに偏ってきたというわけではないわけですね。ですから、そういう意味では普遍性と言いますか、そういうものを持った国だと思うんですね。そうした国が安保理にまず入ることで、安保理の中から改革の必要性を訴えていく。そのことがまず必要だと思います」
反町キャスター
「政治的な中立性とか、バランス感覚とか、地政学的な場所と言っても、日本は常任理事国になるのは非常に条件的には良い国だと思うんですけど、軍事的な側面、この間の集団的自衛権の議論、それが今度、来年の通常国会において具体的な法制が議論されますけれど、そのレベルで常任理事国としてのPKOやPKF、平和維持活動に対する軍事的な貢献。現在の日本のレベルというか、軍事的なコミットメントのレベルで、常任理事国の要件を満たすことができるのですか?」
岸議員
「これまで日本は常任理事国でなかった時も含め、PKO活動にしても、あるいは援助にしても、積極的にやってきました。そのことはそうした紛争地域、あるいは困難を抱えた地域の皆さんからは大変高く評価をされてきています。それはその日本がそうしたところを支援することで、その地域の人達が自助努力によってその後地位を改善していく、そういった形につなげることができるんだと、日本はそういうことを助けてくれるんだと、こういうことを随分理解されて来ているのではないかと思うんですね。ですから、今回の集団的自衛権の話等もあって、そこには不十分ではないかという一方の意見もあるというのは十分分かっていますけれども、ただ、これまでの環境の中でも、これを続けることによって日本の評価というのは維持されますし、さらに高めることもできるのではないかと思うんです。国によってできることとできないことがあります。できないことはできないと、言わなければいけないわけですけれども、これは日本の考え方としてそういうものをきちんと説明をして、理解をしてもらう。これはもうまさに日本の国の在り方ですから。ただ、そういう国に我々の戦後一貫した姿勢が評価されてきたわけです。ですから、そこの部分だけもっとやれ、常任理事国になるのだからもっとやらなければいけないと。こういうことに対し、我々はきちんと説明できるような状況でなければいけないと思うんですね。それは政権からきちんとしたメッセージを出していく。我々は武力という形ではなく、この地域の平和とか、安定をつくってきた。そういうことは今後の貢献の姿勢として示すことができる。こういうことを訴えていくことができると」
反町キャスター
「国連決議に基づく多国籍軍に参加しない国が常任理事国になれると思いますか?」
星野氏
「まったく問題はないと思います、得意なことをすればいいと思います。得意な部分が何かと言えば、震災のあとの復興とか、人道的な支援も非常に強いですよね。輸送支援も得意ではないですか、医療も得意ではないですか。そういうところを日本がリードして進めていくとなると、日本のイメージがそういうふうにかたまってくると思うんですね。私は、日本の日の丸が単独で国外にでかけるのは反対です。しかしながら、国連旗と一緒に、また他の多くの国々と他の国を助けるために行くならば、それは日本の平和主義に100%合致しているのではないかと考えています」
明石氏
「日本の戦後の平和主義というのは本物であって、誇りにしていいものだと思うのですが、内向きな平和主義であって、行動する平和主義、より積極的な平和主義になるべきだと考えています。たとえば、国連総会決議によって、あるいは安保理決議によって、つくられたとしても、必ずしもそれに参加する義務はないかもしれませんが、できるだけ多くのPKO活動に参加して、国連協力の姿勢を示すということは大事なことである」

岸信夫 外務副大臣の提言:『汗』
岸議員
「とにかく汗をかくこと。これは大変重要だと思いますし、これまでも日本は様々な活動の中で汗をかいてきました。PKO活動もそうですし、様々な国際援助も汗をかいてきた。それは日本が、あるいは日本人だけが汗を流すのではなくて、当事者に汗を流してもらう。そのことで彼らに寄り添う中で、彼らを自立させる道筋を示していきたい。そのことが、この番組の中でもお話がありましたが、国際社会から評価をされてきたわけです。その姿勢をこれからも続けていくことが何よりも大切だと思います。よくインクルーシブという言葉が使われます。排他的ではなくて、たとえば、様々な紛争の中で、一方が一方を非難するだけではなくて、両方を取り込んでいく。その姿勢で行動できるのは、ある意味では日本だと思いますね。そこを評価してもらうためにも、日本が積極的に汗をかく。PKOにしてもいろいろと自衛隊が出て行く場面は今後増えるかもしれない。そこには危険も伴うかもしれない。でも、自衛隊というのは危険を覚悟していると思うんです。その中で本当に国際社会に安定をもたらすための活動に対してはより積極的に汗を流していこうと。こういう姿勢が一番重要だと思います」

明石康 元国連事務次長の提言:『他国と語り合う姿勢を!』
明石氏
「日本は善意をたっぷり持っている国だと思うんです。島国ですから、他の国々の悩みとか、希望とか、恐れていること、特に小さい国や、貧しい国のハートをきちんと理解してあげる。そのうえで共感をつくりあげると。そういう姿勢をもっと持ってほしいと思うんですね。日本語というものに守られた、世界の中のユニークだと言えばちょっと皮肉にも聞こえるかもしれませんけど、ちょっと変わった国ですよね。もちろん、日本のアイデンティティ、文化を我々は誇りとして当然のことですが、貧しい国、紛争に悩んでいる国、災害に困っている国、そういう国々に対して救いの手を暖かく差し伸べて、汗も流して、がんばるということをもっとやるべきだと思いますし、特に若い人達にそういう気持ちを持ってほしいと思うんですね。つまり、共感する、語り合う姿勢がもっと必要だと思います」

星野俊也 大阪大学副学長の提言:『復興・人道支援のリード国に』
星野氏
「明石先生が他国に手を差し伸べると、岸副大臣も汗とおっしゃっていましたね。ですから、私は、その汗というのは特に復興支援、人道支援という日本の経験を踏まえたうえで、それをさらに他の国々と一緒にリードしていく。そういう国になるのが日本にはふさわしいのではないかと思います。これはチームでやる仕事ですからね」