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2014年7月28日(月)
都知事大統領異例会談 日韓関係と政府の思惑

ゲスト

中谷元
自由民主党副幹事長(特命担当) 衆議院議員
浅羽祐樹
新潟県立大学政策研究センター准教授
李泳采
恵泉学園大学人間社会学部准教授

舛添都知事・朴大統領会談 朴大統領の思惑は
島田キャスター
「舛添都知事と朴大統領の会談が実現したわけですけれど、今回の会談はそもそも韓国船の沈没事故の弔意を韓国人全体にお伝えしたいとして、知事側から申し入れ、それを朴大統領が応じたということですが、朴大統領は『一部の政治家達の不適切な言動によって、両国関係は厳しさを増している。お互い正しい歴史認識を共有しながら、両国が安定的に発展していけるように、知事には力を尽くしていただきたい』と言ったと。韓国国内で、朴大統領はどうかわからないのですが、そろそろ改善したいという機運が出てきている割には何も変わらないと言いますか、こういう表現をなさるにとどまったと。朴大統領はいったいどういうことを言いたいのか、何をしたいのか?」
中谷議員
「大統領というのはトップでありますので、相手に対して、言葉をよく選んで、発言をしないとダメですね。日本にお客さんが来て、こんな厳しい言葉でお返しをするというのは、日本ではあり得ません。日本に来られたら、おもてなしをするし、相手のいいところ、また関係を良くする未来志向で発言をするのが普通ですね。私も、官房長官とか、総理がこんなつっけんどんなことを、来たお客さんにしたというのは聞いたことがないですね。ですから、大統領ですから、国を代表して言う言葉の内容もよく考えてしていただきたいと。今回、弔意を示しに行ったわけですから、それなりの礼をもって発言をしていただきたいなと思いますよね」
反町キャスター
「非礼だと思います?」
中谷議員
「そうですね。こういうことは政治メッセージとして、我々十分知っていますから、ことさら、こういうことを言われなくても、これ日本側が考えるべきことであって、韓国側から言われてどうこうという話ではないと思いますよ」
島田キャスター
「浅羽さんは今回の舛添さんと朴大統領との会談をどう見ていますか?」
浅羽准教授
「現在、中谷先生がおっしゃったように非礼な側面、外交的なプロトコル、エチケットに従っていないと思われることがあるんです。わざわざ別に言わなくてもいいということを言ったと。他方、昨年2月の就任時に麻生副総理と、そのあと福田元総理と会って以来、一年数か月、日本の要人と韓国の大統領府で会っていない中で、東京都知事と会ったという意味では、それもシグナルですね。そのアンビバレントなシグナル。最初の歴史認識の部分は、釘を刺すというか、わざわざカメラを入れている冒頭のところで、そういうことをやったと。しかも、韓国内の報道のされ方は、事実上の総理の特使という報道のされ方ですね。知事そのものの思い入れとか、本当に、安倍総理から、そのようなオフィシャルな認知があったのかどうかという部分とは無関係にそのように伝えられたと。それは逆利用されているかもしれません」
反町キャスター
「知事から直接ご挨拶したいというリクエストがあったにせよ、敢えて会ったということ。会うことのシグナルだということですが、これはどういう意味のシグナルで、会わないことよりも、会ってこれまでと同じことを、歴史問題をくどくどとは申し上げませんと言うことというのは、敵意を上塗りしているように見えるのですが、その狙いはどこにあったと思いますか?」
浅羽准教授
「日本からするとそうです。首脳会談は無条件でしましょうと。入口の部分で条件をつけずに会って、そこから解決に向けて探りましょうというのが日本のスタンスで、韓国は入口の部分、首脳会談に応じるか、応じないかの部分で、日本側に先に行動をせよというスタンスです。ここが根本的に食い違っていますので、これまで表明してきた立場をもう一度表明したと。ですから、菅官房長官がいつもおっしゃっていることをまたおっしゃいましたので、そういうことだろうと思います」
島田キャスター
「李さんは、今回の会談をどう見ていますか?」
李准教授
「朴槿恵大統領が、問題提起してきたのは、必ずしも日本国民全体ではない。あるいは都知事とか。要するに、政府の一部の政治家達の右傾化を懸念することであって、必ずしも日本国民全体ではないという、民と官をある程度区別をしたいというメッセージが言葉に入っていたんだと思うんです。舛添知事に対しての、日本に対してのメッセージはもっと政治家達も、地方自治体の協力のような動きをぜひしてほしいと。ただ、朴槿恵大統領の先ほどの歴史的な発言ですが、日本のメディアでは、朴槿恵大統領の反日意識、あるいは朴槿恵大統領の教訓政策が、現在の日韓関係の問題だというような認識もされているのですが、でも、この経緯をもっと辿ってみますと、実際、朴槿恵大統領は当選する前から、李明博大統領の竹島訪問、あるいは日本の安倍首相のいわゆる植民地問題の否定、あるいは慰安婦に対する発言。また、橋下知事の慰安婦発言などが重なって、結局朴槿恵大統領の動きが非常に狭まってしまっている時ですね。まさに、韓国から見れば、日本の歴史問題の挑発が現在の日韓問題の一番根源にあるというような認識をされている中で、国民の視線のうえでの発言だと思います。少しでも、歴史問題だけではなく、たとえば、経済協力とか、新たな発言をなさっていただけたら少し変化の兆しが見えたと思うのですが、歴史一極ということになっているのは確かで、これは、まさに、日韓の改善の中には、歴史問題が大切であることをあらためて伝えたということになると思います」

日韓間の懸案“歴史認識問題” 河野談話検証
島田キャスター
「先月20日、安倍政権が河野談話の検証結果を公表したのですが、このポイントをちょっとまとめておきました。河野談話については、文言調整については発表前日まで日韓両政府が表現内容を調整したこと。そして、強制連行について日本側は確認できないとの認識で対応していたこと。元慰安婦への聞き取り調査については裏付け調査は実施しなかったこと。また、談話の原案は聞き取り調査終了前に作成されたと。さらに、アジア女性基金については、韓国側も設立前に一定の評価をしていたこと。こういうことが検証されたわけですけれど、菅官房長官はこの談話を継承する方針に何ら変わりはないと。しかしながら、韓国の外務省の報道官は6月20日時点で、この検証をすること自体が矛盾した行為で無意味だと言っています。感情がちょっとマイナスの方向に向かったのではないのかなという気がするのですが、今後、議員連合会、幹事会で、どうやって相手側に説明を、理解を得ていくか、どうするのですか?」
中谷議員
「しばらく、この問題は2国間の問題になっていなかったわけですから、急に、韓国の裁判所が判決を出したことによって、この2、3年に出てきた話でありまして、解決済みであったのを、何ででしょうかということで。我々としては、韓国側の議員さんに経緯も含めて、これは2国間での話し合いの結果ですよという話をしますが、それでも何か解決をしなければならないのが、我々政治家の務めですから、手段の1つとしては、アジアの女性基金というのがあります。これは50名の方が貰いました。しかし、まだ貰っていない方がいますので、そういう方々に対しては誠意として、基金使い切っていますので、もう一度そういった基金を準備するような手段があるのではないかというような提案を、議員間でしていくのは解決の道の1つかなと」
反町キャスター
「それは日本側からの提案ですか?」
中谷議員
「そうですね、向こう側から求めてきたら、日本側としてはこういう解決手段もあるのではないかということで、議員同士で、これは提案をしてみてもいいのではないかと。いつまでたっても、これを解決しないと、両国の関係にとってはよくなくて、河野談話に基づいてアジア女性基金というのを設けたのですが、ちゃんと貰われた方もいます。しかし、貰っていない方もいるんですけれど、これは国の誠意として、国費を使って基金を設けたわけですから、そういったことを、こちら側の姿勢としては示していますということで、もう1度まだ貰えていない方にそういった機会を与えるというのは解決策の1つになるのではないかなと」
反町キャスター
「それは、アジア女性基金を変えるのですか、それともアジア女性基金は終わっちゃたんですよね。あれをもう一度、組織としてあらためて再生して、立ち上げて、それで貰っていない人に対しての給付活動をあらためて始めるという理解でよろしいですか?」
中谷議員
「そうですね。その当時きちんと説明できたら良かったのですが、あまり理解が十分ではなかった方もいらっしゃいますので、日本側としてこういう誠意を示しましたと。お望みでれば、同じような内容で救済をすることができることも、1つの解決策としてあるのではないかなと」
李准教授
「確かに、アジア女性基金ということで、当時の日本政府として、最大の、我々ができるものはこのレベルですよという、時代情勢もあったと思うんですけれど、しかし、その結果、河野談話の中だけ見ても国の関与を認めると。そして、また教科書にちゃんと掲載をして、これを教育していきますよという、その中身をどういう形で実行していくのか。これ非常に大事だと思うのですが、最近、現状を見てみますと、国の関与とか、あるいは教科書に関しても、基本であるところはほとんどなくなっている傾向が強まっているわけですね。掲載されているところがほとんどないです。まさに、そういう動きを見て、日本社会が河野談話を継承しているということを、韓国社会が信頼できるのかというと、これは安倍首相だけの責任ではないのですが、河野談話だけでない、慰安婦問題に関しても、日本社会のもっと真摯な姿勢を望まざるを得ないようなところがあるんです。先ほどアジア女性基金で、また同じ形になった時に当事者達がこれを受けとるかというと、それはアジア女性基金の限界だったと思うんです。当事者達は補償金であれば、既に韓国は93年に生活安定支援金を出しています。また、受けとる人には失礼ですが、そんなには長くない方々が、お金がほしいかというとそうではないです。2度とそういうような被害者が出ないように、この慰安婦問題に関してはちゃんと政権として責任を認めてほしいという。この一言さえないです、実際に」
反町キャスター
「官房長官が継承する方針に変わりはないと。これだけでは足りない?」
李准教授
「いや、だから、そこのあとに実行措置が必要ですね。民主党末期にいくつかの議論がありましたよね。アジア女性基金ではない、別の日本の公的資金を含めた。また、たとえば、責任のある方の謝罪、そして個人的な手紙を含めて。だから、もう1つ、現在は朴槿恵大統領さえもなぜ慰安婦問題を取り上げているかと言いますと、政権が何らかの妥協策をやってきたことはもう限界になっていると。まさに、当事者達の心を動かすような、何らかの行為がない限り、朴槿恵政権の権力さえも実際、慰安婦問題も形にならない。この矛盾をどういう形で解決をしていくのか。それで、日本に別のメッセージと言えば、慰安婦問題に関しては、日韓問題だけではないですよと。これはまさに、冷戦終結のあとに、世界的な女性の人権は普遍的な問題だろうと。今回、舛添知事の前でも言っていますね。普遍的な人権問題ですと。それはオランダでも、カナダでも、アメリカでも、議会でさえ決議案を出しているほど。当初は、国連人権委員会が勧告措置まで出していますよね。そういうような時代の中で、まさに、慰安婦問題に対して日本がもう一歩踏み込んだ措置さえとってくれれば、それ以外の問題に関しては、韓国はほとんど、日韓問題に関しては前向きになる。まさに、それは朴槿恵政権の立場をもう少し動きやすい環境にさせるためにも、慰安婦問題をこれ以上棚上げにできない状況になっていることは、日本社会にもっと真剣に受け止めてほしいというメッセージだったと思うんですね」
中谷議員
「真剣に受け止めていますよ。河野談話の内容を読んでみますと、慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設営、管理、輸送については、旧日本軍が直接、あるいは間接に関与をしたということを認めて、この問題を長く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという決意をかためて表明するという形で、表現していますから、これ以上の表現もないし、きちんとその事実も表明をしていますので、これ以上、何をすればよろしいのでしょうか?」
李准教授
「一応、河野談話はもちろん、前向きな姿勢になっているのは確かです。河野談話の中に、国の関与は書いてありますが、政府が関与したという言葉は入っていません。そして、実際、河野談話は、韓国に対してのメッセージであることは確かですが、当時、慰安婦は、韓国だけではありませんでした。オランダの女性もいます。東南アジアの女性もいます。普遍的なメッセージの形にはなっていない。限界もあります。私は河野談話の検証には別の意味で賛成です。河野談話でどういう慰安婦の証言があったのか、どういう議論があったのか。全部、公開する必要があると思います。逆に、国民自らに判断をしていただくためにも別の意味での検証が必要だと思うんです。本当に93年の河野談話はどういう経緯でつくられ、アジアの人々にどういう事実があったのかを。現在はあまり資料も公開されていないではないですか。河野談話があったからと言っても、人々が受けとるのは別の問題ですね。日本の国民も慰安婦がどういう実態だったかをいろんな形で、ネットで知ってしまうのですが、もっと検証するならば、あらゆる資料を全部公開して、それで検証を韓国、日本を含めて一緒にやってみましょうということの方が正しいと思うんです。それが検証です。しかし、今回は検証というよりは1つの対話を位置づけることでした。この段階で受けざるを得ないような圧力でもう一歩行きましたというようなレベルで、検証の意味がどこにあったのか。国内の中ではそれがあったんですね」
中谷議員
「でも、このままならいつまで経ったら終わるのですか?これは当時の政府がこれを良しとして、これから未来志向でということで前向きに、2国間を良い方向にしようということで一応決着させています。違う政権ができて、また持ち出すというのはルール違反ではないのですか?」
李准教授
「今回の結果として河野談話を継承しますという結論は非常に良かったと思います。それを継続してほしいですし、それにあわせる。もう1つ、あらためて確認されたあとに、どういうような実践ができるのか。これは日韓の現在の政治家達が知恵を出して、女性基金だけで本当に良いのかを、お互いに議員連盟で議論をしていただきたいですね」
中谷議員
「それで終わるのかということです。今回、何か手段をして、終わったとしても、数年後にまた出てくるのかということですよね」
李准教授
「中谷さん、歴史問題には終わりがあるのでしょうか?」
中谷議員
「ないでしょう」
李准教授
「ええ、そうです」
中谷議員
「いつまで謝り続けるのですか?」
李准教授
「誤り続けるわけではないですよ。日本が謝った初めての、公式での文書は93年の河野談話が初めてです。それを政権でやったのは村山談話が初めてです。それを否定してしまうと。日韓はやっていけません」
中谷議員
「否定はしてないですよ。正式に日本政府はこれを継承すると言っています」
李准教授
「だから、歴史問題は我々が本当にどういう歴史なのかを本当に確認しながら、お互いに、時代ごとに考え続ける必要があるんです。この談話で片づけるとか、終わるというような発想では、いつまで日本は謝り続けますかという論争だけでは解決できません」
中谷議員
「では、新しい談話を発表したらいいのですか?」
李准教授
「新しい談話は必要です、これは政府の首相も含めた、まさに、来年が2015年、50周年。私は世界第一の日韓関係になるためには必要です」
中谷議員
「新しい談話を発表するためにはまた調査しなければいけないのでしょう」
李准教授
「それは河野談話になるのか、包括的な日韓関係の第2の会談宣言になるのか。これは政権ごとの距離感が必要ですが、現在の段階のままでは、50周年を超えてしまうと。日韓関係は徐々に悪化する道しかないと思いますね」
中谷議員
「でも、もう当時の国と国がこれで解決しましょうと約束したわけですから、それを数年後にまた問題があると言うのはルール違反だと思いますよ」
李准教授
「でも、国際人権法でも、最近は当時の権力によって、合意されたもののあとに新たな人権問題が出てきた時、それをアメリカでは、一般、地方、連邦裁判でできないものを州裁判で訴えていますし、最近ドイツとポーランド、イタリアなどでも当時の戦争の国交正常化の時にできなかった人権問題はあらためて、現在の裁判の中でも、国際人権法でも認められる傾向になっています。本当に国家権力が個人の財産権、請求権まで消滅させる権利があるのかは、最近の国際人権法精神になっています」
島田キャスター
「歴史認識の問題というのはなかなか理解し得ないような感じなのかなと。国際人権法で現在新たな動きがあって、人権に関して、新たな動きが出てきた時には、またそれをもう1回検証し直すということもあるんですね」
浅羽准教授
「先ほどの検証は、河野談話の検証だけではなく、アジア女性基金も含めて、トータルな検証で、韓国側が強く反発しているのは、アジア女性基金の部分が出ちゃったからですね。日韓で何をやったかというと、河野談話を出して、アジア女性基金で、この問題を決着させるんだということを言っていたんですよ。韓国側は金泳三大統領就任の時に金銭的な補償は求めないと、河野談話を評価し、アジア女性基金も現在、政府の公金で、お詫びのお金、お見舞金を払わなかったという部分を現在、韓国は問題にしていますが、当時は福祉事業、医療事業などは公金でやっていますし、評価をしている。当事者も一定程度評価をしているというふうに、これで片づけることができると踏んでいたんですね。ところが、そのあと、金泳三大統領がひっくり返している。日本側からすると非常に裏切られた感があると。アジア女性基金でさえそれがあったのに、その支援団体が、慰安婦にハラスメントという表現を使っていますけれども、ハラスメントをして受けとるなというような形をずっとしてきたわけですね。未だ変わらないわけですよ。なおさら、その支援団体の力が強くなっているわけですね。アジア女性基金のパート2みたいなものでの決着は果たしてできるのかと。当時でさえダメだったのにというのが大きいですね」
反町キャスター
「その流れで言うと、先ほど言われたアジア女性基金をもう1回つくり直してという形では、その先の部分は見えてこないと感じますか?」
浅羽准教授
「そうですね。韓国側から裏切られた部分が1つと、もう1つは、日本側の読みの甘さというのを指摘せざるを得ないんですね。河野談話の、その文言を調整して、合作の過程の中で、国内にうるさ方がいる、挺体協のことですね、突き上げを食らうと抑えきれないかもしれませんと、はっきり匂わせていたんですね。日本がそれを聞いて、なお河野談話に進んで、さらに、アジア女性基金に進んでいるんですね。抑えてほしかったとは思うのですが、抑えきれなかったということに読みの甘さもあったのは、これは指摘せざるを得ないと」

日韓首脳会談 実現への下地づくり
島田キャスター
「様々な動きがあるのですが、これらは日韓首脳会談実現に向けて、様々なレベルで動いていると見てよろしいのでしょうか?」
中谷議員
「はい、何とかしなければならないとは思っているのですが、首脳会談はやるべきです。ただ、前提(条件)抜きでやらないと会えないと思いますので、とにかく会うことですよね」
島田キャスター
「韓国側も会えたらいいねという雰囲気は共有している?」
中谷議員
「そうですね。何とかそういう場を設定できると思います」

日韓首脳会談 条件付きか?無条件か?
島田キャスター
「首脳会談に前提条件をつけていますが」
中谷議員
「マナー違反というか、ルール違反で、会って話せばいいのではないですか。3つ(条件)の中の1つは、もう既に談話を継承すると言っていますので、残り2つですが、会って話し合いをするところから始めたらいいと思います」
反町キャスター
「日本側が無条件で話し合いをしましょうと言っているにもかかわらず、条件を突きつけている。この入口における違いは乗り越えられないのではないかなという気がしますが、いかがですか?」
中谷議員
「日本は別に困らないんですよ、会わなくても。条件をつけられて会うことはないと思います。率直に会ってから話をすればいいわけであって、むしろ韓国の方が困るのではないでしょうかね」
李准教授
「実際に、朴槿恵大統領も首脳会談を一番望んでいると思います。ただ、首脳会談というものは日韓関係で大事なトップのレベルのものですので、それには環境が必要だということですね。最低限の条件として、もちろん、歴史問題を取り上げているのですが、私としては、現在の東アジアの情勢が必ずしも歴史問題だけで日韓関係がとどまってしまうような現実は、国の長期的な利益から見た時に、お互いに好ましい環境ではない。まさに中国の台頭、アメリカの弱化。その中で日本の安全保障。特に韓国にとっても安全保障の問題が非常に大事になるわけです。だから、歴史問題一極の時代とはちょっと違う環境をお互い認識しないといけないので、これは必ずしも入口だけではなくて協議を進行させながら、たとえば、歴史問題は民間問題と共に、日韓歴史共同委員会等をあらためて提案する。そして、経済問題に関しては、日韓のFTA協定も進めていく。いくつかの多面的な案をお互いに提案しながら…最初は私も韓国のいろんなメディアに現在は日韓首脳会談で積極的に日本との会談に応じる必要があるということを提案しています。外交的な圧力だけでは現在の日本の右傾化に歯止めをかけるようなことができない時代であると。別の意味で大統領がちゃんと言葉で日本のメディアを通じて言いたいことをちゃんと伝える新しい外交が、これからの時代には必要。そこが現実ですね。だから、歴史問題がハードルが高いという問題ではなく、河野談話、村山談話の継承問題に関してはクリアですよね。もちろん、安倍首相が靖国をどうするのか。実は日本国内でも側近も知らないことが問題ですよね。それは最低限、行かない時代にある程度、日韓会談のことを進めていくようお互いが感じてくれば、安倍首相も靖国のことをまた考えざるを得ない環境になるわけですね。実際お互いに会話もない状況が続いていることがお互い不幸だと思うんです。ちょうど来年の2015年の50周年を考えれば、今年8月にあらためて日韓の歴史問題が台頭してしまうと、これはまた葛藤が走る可能性があるんですね。一番大事なのは日本の政治家の中でも、この日韓関係を本当に日韓問題だけではなくて、東アジアにとって大事な関係修復という認識から見れば、非常に政治的な発言も慎重にしていくべきですし、ちょうど現在も舛添知事のことも本当に影響があるかどうかは別として前向きにお互い考えながら、1つの火種を何とか乗り越えられるように…先ほどの慰安婦問題に関しても、必ずしももちろん、韓国が全て慰安婦問題に一極になってはいません。慰安婦問題は憲法裁判の圧力の中で政府としては対応せざるを得ない側面を理解したうえで、これを何とか積極的な姿勢を別の側面でつくりながら、日韓会談のもっと包括的な様々なテーマに取り組む知恵を出すべきで、今回の日韓議員連盟の総会は昨年に比べれば非常に良い環境だと思うんです。もう少し前向きに出て行く必要があると思うんです。是非積極的にやっていただきたいですね」
浅羽准教授
「日韓の問題を見る時に、日韓だけで考えてはダメですね。一番大きいのは、中韓首脳会談が今月にあって韓国がいったい日米韓の側なのか、それとも中国が主張している新アジア安保観と言われる新しい秩序観の側につくのかという部分が突きつけられているわけですね。裏を返すと日米韓の中で一番弱い日韓の部分に付け込まれているらしいですし、中国からすると取り込みターゲットとして韓国がふさわしいものになっているということなので、歴史問題が仮に解決されたとしても、中国を見る認識の差、米中関係の行方に対する認識の差は日韓の間で歴然とあるので、そこの部分から来ている摩擦対立が大きいのではないかと。歴史問題解決するなど一定の解決を見たあとはっきりすると思いますが、実は現在水面下に隠れているので見えないんです。果たしてそちらの部分が日韓の対立を持続させている大きな原因ではないかと見ています」

今後の日韓関係 どうする世論の悪化
島田キャスター
「韓国の世論がいい方に傾いているという結果があります」
中谷議員
「双方の努力が要ると思うんです。日韓関係が良好であるということがお互いの国のためにもなるし、いろいろ問題があるのですが、同じ自由権の国として日韓関係が一番アジアにおいて大事だと。現在中国は何とか日韓の間に楔を打とうとしている。また日米関係にも楔を入れようとしていますが、そういう方向にならないように日韓がそれを理解したうえで中国も大事な国なのですが、ことさら日韓関係が一番大事だという認識に立ってほしいです」
浅羽准教授
「日韓は確かに悪いと。悪いんだけれども日韓関係は重要だと、両国の3分の2ぐらいは放っといていいのかと非常に心配していて、改善の必要性を認識している。国民レベルは非常にバランスがとれている。バランスが悪いのは韓国の政府首脳の方で。どこから来ているのかという部分で、同じ調査の中に中国に対する認識が決定的に違うんですよね。日本は軍事的な脅威として7割以上の人が北朝鮮に次いでほとんど同じレベルで(中国を)脅威として認識している。韓国にとっても最大の脅威は北朝鮮ですけれども、次いでの脅威が日本で、中国に対しては4割弱ですね。日本は7割強、韓国は4割弱と。中国に対する認識のズレが日韓の関係に大きな影響を及ぼしている。この世論調査からもわかるんですね。ですので、日韓関係の悪化は本当に歴史(問題)なのか、それとも米中関係の行方を見る戦略的な認識にギャップが広がっているのかと。ここを歴史共闘という部分で見落とさないよう、見誤らないようにしないといけないと思います」

中谷元 自由民主党副幹事長の提言:『外交・条約を守って未来に向けて考えていく』
中谷議員
「約束を破ってしまえば話になりません。いろいろなことがあるでしょうが、これは寛容と忍耐と和の精神を持って、未来志向で双方が良好な関係になるように努めるということに尽きると思います」

浅羽祐樹 新潟県立大学政策研究センター准教授の提言:『普く通じる』
浅羽准教授
「約束を守る、合意は拘束すると。これは日韓が基本条約とか、請求権協定とかのレベルではなく、もう1つより上位のレベル、規範に、日韓どちらの方が見合った行動をしているのかというのを第三者に示して、普通の関係になっていくということです」

李泳采 恵泉学園大学人間社会学部准教授の提言:『痛みの共有』
李准教授
「3.11が福島の住民を含めて非常に生きるための痛みを感じています。韓国がこの間のセウォル号の沈没事件で痛みを持っています。日本と韓国の社会に関して、市民達はいろんな痛みが存在している時代です。その痛みを政治家が解決できず、お互いの国を憎み、お互いも慰めの条件にはできません。現在のこの状況を止めるべきだと思います。政治家に止めてほしいです。日本と韓国の間は、永遠の美しいライバルであり、友達の国であります。そういうことにするためにはお互いの痛みを市民達が共有しあうところから始めるべきではないでしょうか。現在は自分の痛みだけを強調して相手の痛みを無視している日韓関係。これは私達がつくってきた日韓関係ではありません」