プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2014年7月25日(金)
米国産業界の本音は? 日本市場の魅力と課題

ゲスト

ジェイ・ポナゼッキ
在日米国商工会議所(ACCJ)会頭
山際大志郎
自由民主党経済産業部会長 衆議院議員

米国産業界の本音は 日本市場の魅力と課題
佐々木キャスター
「投資と言っても大きく分けて2つの方法があります。まず事業投資です。たとえば、海外企業と日本企業のM&A、工場やショップ経営などを行うもの。それに対して、金融投資は証券類の売買などマネーが動くものですけれども、今夜取り上げるのは主に事業投資。まずACCJ、在日アメリカ商工会議所がどんな組織なのか。アメリカ系の企業を中心におよそ1000社が加盟しています。60以上の業界別委員会を設置しているのですが、たとえば、金融、保険、ヘルスケア、エネルギー、ITビジネス、自動車、航空、食品などに分かれています。活動の目的としましては、日米の経済関係の、さらなる発展、会員企業の日本における活動を支援。日本のビジネス環境を国際的に強化していくことが目的として掲げられています。主に、新規参入してくる会社のハードルを下げていくことなのか。あるいは、既に日本にやってきている会社のより働きやすい環境をつくるのか。活動の主眼はどちらにおいていのですか?」
ポナゼッキ氏
「多くの会員企業というのは日本に来ているということですね。ですから、解決策にもとづく勧告をしていく、事業機会を増やしていくようなことを考えています。外国企業だけではなくて日本企業にとっての解決策ですね。また、両方がwin-winになるようにとか、また経験にもとづいてナレッジベース、新規参入の人達もメンバーになっていただくようにということを、また情報共有できるようにと考えています」

米国産業界の評価は コーポレートガバナンス改革
佐々木キャスター
「ポナゼッキさんは、今年2月に安倍政権が立ち上げた対日投資に関する有識者懇談会にオブザーバーとして参加をされています。この会合でアメリカの産業界を代表して4つの改革が対日投資の促進には欠かせないと提言されています。その中身が、企業経営の仕組み、コーポレートガバナンスの強化ということですね。あとは、労働流動性、税制改革、M&A。この4つの項目を提言としてあげました。企業経営の仕組み、コーポレートガバナンスの強化について見ていきたいと思いますが、昨年4月の成長戦略第1弾のあと具体的に進んだ部分としましては、社外取締役の導入促進、事業再編の促進などが進んでいることです。今後の新たな取り組みとしましては、企業経営の基本原則をまとめたコーポレートガバナンス・コードを策定していくと。さらに、金融機関の支援によって融資先企業の経営改善、生産性の向上を促進するということをやっていこうというふうになっているんですが、これはACCJとしてはどう評価されますか」
ポナゼッキ氏
「我々は非常に満足しています。安倍総理が、コーポレートガバナンスの強化ということをおっしゃってくれたことを歓迎しています。それに加えて東京証券取引所、さらに、金融庁ですが、コーポレートガバナンス・コードの策定にかかるということで歓迎をしています。しかし、まだ多くのことをすべきだと考えています。特に、今後、上場企業ですが、4つのことをする必要があると考えています。まず少なくとも3分の1の取締役ですが、いわゆる社外取締役にすべきと考えています。社外取締役ということですが独立性が担保されることが必要だと思います。それに加えて、今後のいわゆる利益相反に関してどのような形で社外取締役が対応するかということです。この2つの提言ですが、状況の改善につながると考えています。そうすることにより、いわゆるノンコアの資産の売却につながると考えています。それに加えて、利益相反ということで、今後、いわゆる経営陣ですが、現状維持をするのか、さらに、長期的な企業の利益というのを考えるべきだと思います。その他の2つの勧告としては、上場企業ですが、いわゆる情報開示が必要だと思います。社外取締役の情報開示についてです。それに加え、今後の、いわゆる訓練、つまり、職業訓練も必要だと考えています。日本側ですが、ROEの改善が必要だと言っていました。グローバルな競争力を高めるためです。コーポレートガバナンスの強化というのは必要だと考えています」
反町キャスター
「社外取締役が3分の1必要である。その人達の独立性を担保することによって、利益相反に対しての社外取締役が対応するところが出てくるとおっしゃったんですけれども、社外取締役を3分の1導入することによって、日本企業にどういう変化がもたらされるのか、どういうところを変えていくべきか。独立性を強く持った社外取締役の果たす役割についてもう少し説明いただけませんか?」
ポナゼッキ氏
「社外取締役としての経験を反映することができます。それに加えて、いわゆる多様性を持った発言ができると考えています。経営陣はこれまでにやってきたことを踏襲することが多いと思います。つまり、現状維持しようとしていますが、しかし、それは利益相反ということになると思います。つまり、長期的には企業のメリットにはならないかもしれません。さらに、ROEの改善にもつながらないこともあります。そういう意味で、3分の1の独立取締役がいるということにより質問できますし、勧告もできると思いますし、違うアプローチをとることができます。さらに、ビジネスソリューションも違うことができると考えています。そういったことが企業の今後の経営、さらに、ROEの改善につながるのではないかと思います。これは投資家の観点から、非常に重要だと思います。利益相反ですが、それを減少させることにつながると思います。また、実際にこれは長期的な企業のメリットになると考えています。新たな観点、新たな経験を持ち込むということです。それにより、グローバル化が促進できると考えています」
山際議員
「いきなり3分の1入れろと言うことに、私はそのまま同意を致しませんが、しかし、会社法改正をして、既に社外取締役は、少なくと1人は入れなければいけないとなっていますし、また、もし入れないなら、その理由をきちんと述べなければいけないと、これも一応オープンになっていく方向でいる。それに加えて、先ほど説明していただいたように、外側からの意見を取り入れるという仕組みは何も社内だけの話ではなくて、たとえば、直接金融という形で、株主がモノを言う株主として、いろいろなことが言えるような、それが会社の経営に反映されるような仕組みを導入しようという話。そのためには、コーポレートガバナンス・コードのような原則もつくっていこうという話もありますし、また、伝統的に金融機関ときちんと企業は付きあってきたわけですね。しかし、金融機関はこれまではどうしても不良債権処理をしなければいけないという役割を担ってきたものですから、なかなか会社に前向きな提言をしてもっと利益率を上げていきましょう、事業展開をしましょうと、これまではなかなか言えなかった事実があります。これも、先ほどから言っているように次元の違うことをやろうというところで、金融機関も外側から利益率を上げるための提言をきちんとできる仕組みをつくろうというのが、今回の提言というよりは成長戦略の中に盛り込んだメニューです。ですから、社外取締役を入れ、社内だけで物事を進めるのではなくて、我々はもっとプレーヤーを増やして、3方向から企業の利益率を上げようという話ですので、3分の1というのに直接は同意しませんけれども、しかし、その方向で外側からのアイデアを入れて、ROEを上げていくことは賛成ですね」
佐々木キャスター
「海外から対日投資を呼び込む具体的な対策を考えていますが、その中でコーポレートガバナンスの強化について新たな施策としてコーポレートガバナンス・コードの策定というのがあるのですが、日本版としてはどういうことが想定されますか?」
山際議員
「いかに利益率を上げていくかということが、改革を行わなければならないということの大元にある問題意識なわけです。しかし、どうやったらいいかという会社が出すべき基本的な振る舞いが、どういうものかすら、実は決まっていないという状況で、そこはしっかり決めていくべきではないだろうかと。特に金融庁も入りますし、証券取引所も入りますので、当然、証券を買ってもらうことはできるような、オープンに、他から株を買う形で調達できるような、そういう会社ですから、余計にそこの部分は、基本的なルールはきちんと定められていないといかんだろうねと」
反町キャスター
「ROEというのは株価あたりの利益。そこを上げて、株に対する魅力を増やそうという話。どうも金融投資の方の話になっているような。でも、現在、日本に必要なのは金融投資なのか、事業投資なんですかという話も含めて、いかがですか?」
山際議員
「両方必要なのですが、しかし、今回は事業投資の方をやってもらいたいと思っているわけです。これは先ほど申し上げませんでしたけれども、たとえば、アメリカの経済、アメリカの企業経営を見ていて、これは真似するべきではないという部分も、当然あるわけです。たとえば、それはあまりに短期の利益を求めすぎるというアメリカの株式会社の経営方式。だいぶあらたまってきてはいますけれども、しかし、あれを真似したら、私達の日本のやり方はたいぶ齟齬が生じるなということがあるわけです。そういう話からすると、長期にきちんと投資してもらいたい、それは世界中、どなたに投資してもらっていいわけです。しかし、投資をする時の、この会社は本当にちゃんとしているのかどうかというのはある程度のきちんとしたルールがなければ、判断ができないではないですか。そういう意味で、その判断ができる材料としても、まずはその環境をつくっておくということは重要だよねと。そういう文脈だと思っていただければいいと思います」
反町キャスター
「ポナゼッキさん、コーポレートガバナンス・コードの話は、先ほどの社外取締役の3分の1を外部からという話。それが短期的な企業利益の極大化につながるのか。長期的な企業にとっての利益の拡大につながるのかどうか。短期が目的になるのか、長期が目的になるのかという、非常に重要だと思うのですが、日本の中には、アメリカのビジネススタンダードを導入することによって、短期的な利益ばかり追求するような企業風土が日本にくるのではないかという懸念があります。そこはいかがですか?」
ポナゼッキ氏
「中間があり得ると思います。ですから、両方で歩み寄れるところがあると思います。つまり、見方としては、日本の主張の中では、外国の投資家というのは短期的な、直接的な利益を求めるという見方があると思います。しかし、ACCJの企業の多くは、投資を日本で長期的な目的で行っています。ですから、ここでの企業というのは何十年も日本に常にいるというところがありますので、常に長期的な投資をしたいと思っています。新規参入してくるところには長期的な見方をしていると思います。ですので、それは正確な言い方ではなかったと思いますね。全ての外国投資家は短期を求めると、自分達の投資に対するリターンを求めるという言い方ではなくて、長期的なフォーカスを当てるというのは、長いことROEが非常に低いということも考えられますね。しかし、それは良いことではないです。ですから、両方の調整をしていく、外国の投資家をおそれてはならないと思います。長期的なビジネスの環境を築きたいと考えているところもあるわけですから」
反町キャスター
「日本としては、この人は短期の利益を狙っている投資家であったり、企業だったり、ファンドだったり、長期的なものを狙っているかどうかわかりませんよね」
山際議員
「わかりません」
反町キャスター
「その線引きもできないし、区別もできないし、そこは我々受け入れる側としてはどう対応したらいいのですか?」
山際議員
「たとえば、コーポレートガバナンスの話を1つとっても、1つのことをやるということはやりたくないんです、私達としては。環境を整えたいということを先ほどから申し上げているんです。それで投資も金融投資というのは短期の投資に偏りがちになっているんですよ。しかし、事業投資というのはそうはいかないですね。その事業をする拠点を日本に持ってくるということになりますから、当然今日来て、明日帰りますということはあり得ないわけです。ですから、そういう意味で事業投資を我々は望んでいるという話を先ほど申し上げたわけです」
反町キャスター
「株主に対して高い配当をしなさいという要求も、そこに含まれているということでよろしいのですか?」
ポナゼッキ氏
「それはしばしば投資家が求めていることだと思います。配当も高めるということですね」
山際議員
「もう1つだけ付言させていただくと、株主と言っても、短期の利益を求める株主から、長期で見ていく本当の意味での投資家もいるわけで、そういう意味で言うと、本当の意味での投資家にもっと会社の経営に口出ししてもらうようにというスチュアードシップコードという名前で我々は呼んでいますけれども、そういう仕組みを入れなければいけないねと言っていることは、先ほどの質問のとおり長期的な投資として見ている株主に対して、あまり意識を持っていなかったのではないですかと言われれば、その通りかなという気はします」
反町キャスター
「要するに、社外取締役とは別の形で一定の株を長期で持っている人達が会社の経営に対してちゃんと意見を言う場を設けるべきだということですか?」
山際議員
「そういうことですね」
反町キャスター
「社外取締役についてなのですが、社外取締役がいることによって彼らは広い視野で社内のしがらみに関わらないようなビジネスに関する提案ができるという話だったのですが、ある日本の経営者に言わせると、企業で金儲けを一番真剣に考えているのは、社内でそれまでずっと叩き上げでやってきた人だと。叩き上げの経営者がこの企業はいかに利益を生むのか、いかに企業が今後利益を拡大していくのかというのを、誰よりも真剣に考えているのは中の人だという人もいるのですが、この日本人の経営者の考え方は間違っていますか?」
ポナゼッキ氏
「それは一緒にしていくということです。つまり、経験がある人、社内で経験があって、キャリア全体を通じて社内から見ていた人は、おそらく他の企業がやったことは見てこなかった。同じような問題にどうアプローチしたかということ。どのようにして事業の価値を上げるかということを考えてこなかった人もいるかもしれません。ですから、50%、51%といった取締役が外から来るということであって、3分の1ということを言っているのは、重要な対話ができる、議論ができる。何が一番の利益に叶うことなのか議論ができる、その事業を成長させていくことができるということを考えているんです。そして、グローバル化する中で、とにかく非常に早く展開する世界の中で、私達は生きているわけですから、多くの人がテーブルの席に着いて、様々な経験、会社の中だけでなく外からも経験を反映させていくことが、両方の意見を兼ね備えていけば、解決策がベストインタレストとして短期的、または長期的にもできると考えているからです。また、これまでの見方としては日本の企業は時には躊躇してしまうと。つまり、うまくいっていないところ、ノンコアな事業を売却するのに躊躇するという考え方がありますけれども、これまでずっとやってきた人達であるとすると、そういった利益の上がっていない資産を売るのは難しいですよ。家族の一員であると考えてしまって。ですので、なかなか売りたがらない。外からの人にこの疑問をぶつけてみるといいと思いますよ。つまり、利益を上げていないことを持っている、ノンコアなことを会社で持っているのが、一番良いのかどうかということです。こういった対話が必要です。社外からの意見を反映させるということが大事です」

安倍政権の働き方改革
佐々木キャスター
「続いて、労働流動性というところを見ていきたいと思うのですが、安倍政権の成長戦略の中では働き方改革について職務などを限定した働き方や時間でなく、成果で評価される働き方など、柔軟で、多様な働き方の実現。透明でグローバルにも通用する紛争解決システムを構築するということを、方針として掲げているわけですけれども。この一番の狙い、意図というのはどこにあるのでしょうか?」
山極議員
「これだけ世の中がはやく動いて、どんどんビジネス環境が変わっていくと、これまでこの産業が成長産業だったのが、どんどん違う産業が成長産業になっていくわけですね。そうなると、これまでの成長産業から、次の成長産業に当然、人材というものは移っていかなければ、人材は有限なものですから経済そのものは成長できないわけです。経済が成長できなければ、当然、日本国民の生活の水準も維持できないし、それをレベルアップさせることもできないですね。ですから、ある程度経済を元気にしていくためには、元気になる力を持っている部分に人材が移動していくということが必要。しかし、現在のシステムではなかなか移動ができないというのは事実です。ですから、ルールを変えて、成長分野に人材がスムーズに移動できるようにしていきましょうというのが基本的な考え方です。そういう文脈で見ていただければと思っています」
反町キャスター
「移動には痛みが伴いますよね」
山極議員
「痛みも伴いますし、また、失敗することもあると思うんですよね。それを、確かにおそれてきたのは我が国であったというのも事実ですね」
反町キャスター
「終身雇用制というのはおしまいですか?政府として終身雇用制はダメ。そういうことですか?」
山極議員
「そんなことはないと思いますね。それも選択肢の1つとして、きちんと残ると思います。それはあっていいと思うんです。しかし、そうではない働き方がこれまではスタンダードではないとされてきたわけです。しかし、これからは多様な働き方があっていいのではないでしょうかと。終身雇用制を全部なくす必要はないですね。それができるならそうすればいいわけで。それが先ほど言った企業の利益率を上げ、企業を成長させ、ひいては社会に貢献する企業として残っていくなら、それでいいわけですね。その選択肢をもっと広げましょうということですね」
反町キャスター
「ポナゼッキさん、ACCJとしては多様な働き方が日本の労働界において広がるということについてはどういう期待感を持っているのですか?」
ポナゼッキ氏
「私達の考えでは、労働が柔軟になれば、日本の企業が変化をグローバルな市場で受け入れていくことがたやすくできると思います。もっと日本で投資がしやすくなると。また、公平な雇用環境を労働者に対して提供していくことができると思います。現在のところ、2つに分かれていますよ。つまり、雇用が定期的な正社員の人、非正規の人達ということですね。全く柔軟な選択肢がありません。ですので、私達がこれまで勧告しているということはアンフェアなやり方に対して、また、経済を成長させて生産性を上げて、女性の雇用を促進していくためには、私達が言うところの、新しい種類のコントラクト、契約をするということで労働契約を無期限に行っていき、報酬が得られる。雇用が、犯罪がない限りは続くということですよね。そして、契約があって、退職金がもらえるということですよね。それで、これまで何年契約した中で仕事をしてきたのかということに基づいて、賃金が支払われる。それは、ただ退職金がもらえるだけではなくて、雇用の恩恵を受けられるというやり方ということで、新しいタイプの契約の仕方ということで、より柔軟性があるやり方を推奨したいと思います」
佐々木キャスター
「紛争解決システムとは?」
山際議員
「これはだいぶ政府として表現を工夫されたんだと思いますが、金銭解雇がどうしてもこれにあたってくるんだと思うんです。それ以外もありますが、概ね我々日本がこれまで伝統的に戦後持ってきた雇用システムを金銭でクリアできるようなルールをつくりましょうというのは、これはそれこそアメリカとの話し合いとか、そういうレベルのものではなくて、日本の先ほど言った成長分野に人を移動させていくということを考えて、もう少し雇用の流動性を確保できる方法はないだろうかというものの1つとして検討をしてきたんです。しかし、結果としてまだそこまでスパッと割り切れるものではないと」
佐々木キャスター
「企業にとっては解雇がしやすくなるということですか?」
山際議員
「そういうふうにとられやすいわけですね。だけど、僕らがやろうとしていることは、それが目的ではないんですと。むしろ先ほどポナゼッキさんがおっしゃったように、企業ですから、利益を出すということは至上命題だけれども、どうしても内側だけでずっとやっていると、利益が出ないけど、なかなかというのもあるわけですね。それを、もう少しルールを明確にして利益を上げるところに人が動きやすいようにしましょうねというのが本旨です。しかし、企業の側からすれば、利益が出なくなったら、そこの部分はカットして、人件費は固定費ではなくて流動費にできるのではないかという議論にどうしてもなるんです。そうならないよう、それは我々1人1人がそうではないんだよねと納得できるところまで丁寧にやっていかないと難しいということです」
反町キャスター
「金銭解雇とは言いませんけれど、解雇における日本のルール、現在の状況ではかなりきつすぎる。その意味においてはグローバルスタンダードに少しあわせてほしいという理解でよろしいですか?」
ポナゼッキ氏
「そうですね。今後、新しいこの労働契約ということで新たな雇用体系をつくるということが我々の提言ということです。そうすることによって、企業にとっても、また社員にとってもより要件性が高まると思います。加えて、先ほども申し上げましたが、日本の企業は現在そうした急激な変化に対応しなければなりません。ですので、柔軟性が必要だと思います。その意味で、我々の提言としては新たなこうした雇用形態というのが必要だと思います。つまり、より予見性が高まるということです。さらに、その他の前向きな提言が我々からあります。たとえば、こうした柔軟性というもの、こうした流動性というのを担保することが必要だと思います。日本政府に対して、さらに日本企業に対して、企業側に対して、より柔軟な雇用というものを求めています。つまり、こうした新規雇用というのを1回、大卒だけで行うのではなく、年を通じての採用というのを求めています。そうすることによって、日本人学生ですが、海外で勉強することができると思いますし、そうした技能を海外から持ち込むことができると思います。そうすることにより、さらに流動性のある人材の雇用というのができると考えています。そうすることによって変化が起きると考えています」

安倍政権の法人税改革
佐々木キャスター
「法人税が下がれば、対日投資が促進されると思いますか?」
ポナゼッキ氏
「成長戦略ということで、法人税率が39%ということで、これはその他の先進国と比べても非常に高い税率だなと思います。そういう意味では、前向きな改革だと考えています。今後、法人実効税率を20%ぐらいまで引き下げることを歓迎しています。それに加えて、この法人税の減税だけではなく、我々は欠損金の繰越期間延長というのを求めています。9年となっていますが、しかし、我々は、無期限の欠損金の繰越期間延長というのを求めています。シンガポール、イギリス、フランス、オーストラリアなど、そうした国では無期限の欠損金の繰り越しというのがあります。非常に企業にとってもプラスになると考えています。それにより、さらにこうした資本集約型の産業に対しての投資というのが増えていくと考えています。」

米国産業界の本音は? 日本企業とのM&A戦略
佐々木キャスター
「改革が進んでいけば、合併・買収、M&Aがよりよい形で進められると思っていいのですか?」
ポナゼッキ氏
「私達の考えでは、4つの分野です。M&A、またジョイントベンチャー、合弁企業を増やすということ、この3つはこれまで話してきたところと関係していると思います。コーポレートガバナンスというのは、市場参入を許しますね。適切なタイミングで、より労働流動性を高めるということは効率性が高まるということにつながります。税制改革はハードルが下がると、産業収益のハードルが下がるということになり、効率的な産業の運営ができます。セーフティーネットを与えるということにもなりますね。もし何か問題があった場合にはということでこれは全部関連しています」

ジェイ・ポナゼッキ 在日米国商工会議所会頭の提言:『協力・連携』
ポナゼッキ氏
「私が選んだのは協力と連携ということです。これはACCJが行っていることの大半だと考えています。ACCJの会員企業、それに加えて日本政府、さらにアメリカ政府、日本のカウンターパート、経済同友会、経団連、さらにJCCIとも協力しています。さらに我々職員、ビジネスパートナー、友人らと協力しています。多くの人達が協力することによって、今後、適切なベストプラクティスというのを採用できると考えています。それに加えて、提言をすることにより、より持続可能な経済成長を行うような政策が出てくると考えています。そのためには協力というのが不可欠だと考えています。今年ACCJは協力・連携ということを考えています。アメリカと日本のこうした関係です。そのためにこの2つの言葉を選びました」

山際大志郎 自由民主党経済産業部会長の提言:『公平なビジネス環境』
山際議員
「公平なビジネス環境というのが本当に大事だろうと思います。我々が今回改革をしなければならないと思っている時、一番念頭に置いてることはこれです。先ほどから申し上げているように、ビジネスの世界では国境がないですから、国際社会の中で同じ土俵で、同じ環境でどこの国の企業もビジネスの競争ができるようにしていかないと日本も発展しない。そういう意味で言うと、私達の国というのはそこそこ国内のマーケットもあっただけに、なかなか国際社会の中で、同じような環境でということに慣れてこなかったというのもあるので、次元の違った改革を行っていくという文脈では、国際社会の中での公平なビジネス環境をきちっと確保してくということが重要だと思っているんです。今日はアメリカと日本との関係を言わせていただきました。TPPの話も随分させてもらっています。おそらくアメリカがバイで、TPPでアジアの他の国と交渉してもうまくいかないと思います。アメリカは強いです。そうすると、アメリカのルールをアジアの小さな国がそのまま飲むということになりかねない。私達日本がそこに入ることによって、まさにこの公平なルールをつくっていく役割を、私達は担えると確信しています。何度も言いますけれども、納得しなければいけないわけです。どこの国もどこの人も納得できるルールでなければ、いくらこれは公平だと言っても、強いものだけが勝って、弱いものは負けるというのでは、これは公平なルールにならないんです。それをつくっていくのは私達日本の本当に大事な役割だと思っています」