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2014年7月24日(木)
期限切れ肉問題 ▽ 外食産業の人材不足

ゲスト

横川竟
すかいらーく創業者
海老原嗣生
独立行政法人経済産業研究所コア研究員

使用期限切れ鶏肉問題 外食産業への影響は
島田キャスター
「期限切れ肉の問題ですが、外食産業とか、低コストをもとめる産業では起きてしまうものなのですか?」
横川氏
「別に外食産業ばかりではなくて日本のメーカーも含めて、過去いろいろな歴史があったわけですね。僕が長い間、海外に25か国くらい買いつけに行っていたのですが、国によって食に対する価値観も違うんです。それを日本の人がきちんと理解をして、買いつけをしないと、日本の安全という前提で、外国へ行って外国でモノを買うから事故が起きるんですね。今回、わかった人がチェックしているのではなく、見えない人がチェックに行ったのではないのかというくらいお粗末な部分もあるのかなと。従って、工場を見ていますと、落ちるじゃないですか。あれは工場設計ミスですよね。ラインを練るのですが、落ちた時には受けの皿がありましたよね。落ちないようにちゃんと設計ができるんです。落ちたということは設計ラインすら間違っている。あれが良い工場と言われたのは、設備が良くて、マニュアルがしっかりしていたから。マニュアルというのはレシピが何を何g、どういう手順でつくるかというのが決まっているんです。でも、その通りやっている保障はないではないですか。今回はそのミスですよ。設備がしっかりしている、マニュアルもできているけれども、従業員教育ができていなかったし、工場長の思想が金儲けに走っていた気配があって、売値に対して利益を上げるためにやむを得ずやったのか、計画的に儲けるためにやったのかはわかりませんが、よく起きる話ですね」
反町キャスター
「日本で海外から安く調達しようと考えている人達はつくっている現場まで見に行くべきなのか?」
横川氏
「他人任せで、リスクを商社に任せる、現地のバイヤーに任せる、現地メーカーに任せているから問題が起きるんですよね。信用してもいいのですが、裏づけをちゃんととらないといけないのではないですか。食べ物ですからそのくらいの裏づけをとってから売るべきだと思います。問題は安全性とおいしさと健康というものをどう捉えたうえで、価格を決めるかという価格構成の裏側がないんですよ。安ければ良い、売れれば良い、儲かれば良いという考え方が、この20年間のデフレで日本の中に定着したんですよ。それが出てきていて、問題を起こすのは大きな会社ではないですか。小さいところでは起こしていませんよ。これもちょっと反省しなければいけないのではないですか」
反町キャスター
「小さい会社の人達が現地まで見に行く。そこまで手間はかけられないからこそ、中間業者に頼んで購入しているのではないですか?」
横川氏
「そういう人達と、自分達でできる力を持っている会社とがあるわけですね。大きくて、自分ができるところがやっていなくて、依存しているというところに問題が出てくる部分もあるというところです」

深刻化する人手不足 外食産業の生き残り策とは
島田キャスター
「外食産業の人材不足の現状はどうなっているのでしょうか?」
横川氏
「大変良くはないです。ただ、1970年頃ファミリーレストランができた頃、実は現在よりももっとひどかったんです。人手不足だったんです。外食産業が楽しい店づくりでお客さんに支持され、成長していく時に、外食産業という言葉が出てきた。それで大卒の皆さんも来てくれたし、パートの人達も来てくれて、伸びたのですが、1993年にデフレに入りましたね。そこからは、行き先がなかったので皆我慢していた部分があるんです、この20年間。従って、この20年間、採用に困らなかったことが実は歴史の中で言えば、異常だったんです。皆さん、それぞれ充足していたんです。現在外食がどうなっているかというと一番充足率が悪いのがファーストフードですよ。その次によくないのが居酒屋、その次がファミレスです。外食産業はこの20年間デフレで人が採れていたから、将棋の駒のような使い方をしてきたと反省しなければいけないのではないかと」
反町キャスター
「働く人達は仕事のきつさをどうやって知るのですか?」
横川氏
「2つあります。1つは、地元の店に勤めていますから口コミがあります。2つ目は、インターネットです。これが致命傷になります。あそこには行くなというのが、メールで流れるんです。応募しても出ない、だから、上げなければいけない、来ないからまた上げる、どんどん上げているところほど、中身が悪いと思った方がいいですね。逆に言うと、これからは経営者が襟を正してもう少しいろいろなことを考えながら経営をしていかないと、食材とか、お金とか、立地ではなくて、人で会社がダメになっていくという時代になっていくのではないですか」
島田キャスター
「人材の確保は業種によって違うんですね。外食産業に人が集まらないのはなぜだと思いますか?」
海老原氏
「いっしょくたに飲食産業が悪いというのは、なしだと思います。(外食産業の求人状況の)数字は、現在とったものですが、2年前にとったって、3年前にとったって、集まっていないから、現在、好景気になったから急に集まらなくなったわけでもないです。ずっと高いですよ、飲食店の人手不足の度合いというのは。有効求人倍率だとわからないですが、労働力調査だとわかるんですよ。1‐3月の入職状況を見てみると飲食業に42万人新規で増しているんですよ。昨年は41万人だったんです。一昨年は40万人だったんです。つまり、入ってきている人の数は微増しているんです。だから、いっしょくたに考えない方がいい、微増しているということが1つあって。2つ目には、どの年代が減っているのかを見ると、少子高齢化で20代前半かと思うけれど、そうではなくて減っているのは40代の主婦ですよ。どういうことかと言いますと、40代の女性は一番の就労弱者ですよ。10年も子育てをやっていて、正社員を10年やっていなかった人がいきなり雇ってもらえないでしょう。と言うことは、デフレで一番弱者の人達が飲食店にいたわけです。これがインフレになって、弱者から、一番弱いところから外れていくという鉄則の通りだと思います。もう1つお話したいのは、全体では増えているのにとんでもないことが起きている。これは先ほどからおっしゃっているように、評判が悪くなって天罰のような状況になっているわけですよ」
反町キャスター
「天罰が何年も続いているのにもかかわらず、天罰を受ける企業はいつまで経っても減らないということですか?」
海老原氏
「まず2011年、2012年にブラック企業がすごく世に出ましたよね。かなり皆ナーバスになりましたよ。それまでを考えてほしいんですよね。たとえば、2008年の派遣切りの時とか。その時、僕は製造業の派遣会社の50人くらいにインタビューをしているのですが、僕が彼らによく聞いたのは、派遣が嫌ならばファストフードでも正社員の求人はあるからどうですと言うと、それよりも派遣会社の製造業の方がずっといいと、あの頃から言われていたんですよ。確かにペイもいいですが、あの頃から、一番不況の時でも製造業派遣は(時給)1000円超えているんですね。あの頃、ファーストフード業は1000円を割っていましたから。ただ、それよりも扱いは大変だし、それから、昼休みの殺人的な仕事量ですね。それがなかなか、こちら側の大変さに関しては日が当たっていなかった」
反町キャスター
「現在、時給が上がってきたわけですよね」
海老原氏
「修正過程に入っているのは確かだと思います。たとえば、ブラック企業問題があって、皆人が引いた、これで修正過程に入っているのだと思いますが、それでもお金ではないんですよ」

相次ぐ閉店 その影響は
島田キャスター
「人手不足で閉店するところも出てきていますが」
横川氏
「やむを得ずやっていることですから、それはそれなりに現実を見つめて。ただ、どうしてそういうことになったのかと言うと、たとえば、ファストフードのお店ですと、賃金が3段階あったと、それを1段階に絞ったんですね。一番下に絞ったと。それで100人の店長が辞めてしまったんですね」
反町キャスター
「そんなことをすれば、辞めていくとは思わなかったのですか?」
横川氏
「知りません。背に腹は代えられぬという言葉が日本にはあります。それっぽいところがあるんですかね。最終的に収益で、株を上場しているではないですか。そうすると株価を維持するためにはある程度の収益を出さなければいけないし、30%落ちると事前に報告しなければいけない義務が生じてきてトップとしては辛いですね。そうならないように努力するのは当たり前なのですが、それだけだったらまだ良かったのに、泥棒がよく入ったんですよ。それで事故が起きたので、警察の方からワンオペはダメですよと。だから、幾日までに2人体制にしてくださいというのが、条件ではないのですが広がったと聞いています。ところが、そういう噂が流れて、行くなと言っているので、人が来ない。従って、1人だと(店を)開けられないから閉めざるを得なかったところと、店長が辞めたのだから閉めざるを得なかったところ。中で少し変な動きがあって、ストをやろうかやるまいかという噂が流れたことも含めて、いろいろな問題があったんです。だから、それなりの原因があってやっています」
反町キャスター
「ストと言うのは、パート、アルバイトを含めてのストライキ?」
横川氏
「そんなに大げさなものではなくて、具体的に言うと無断欠勤」
島田キャスター
「当時の経営者は人材を軽視していたということですか?」
横川氏
「そんなに考えていないと思います。苦渋の決定だと思いますけれども、読みが浅かったということは言えるかもしれませんが、こんなにひどくなると思っていなくて、僕は社員を信用していたと思いますが」
海老原氏
「良いオペレーションをして、質の高いものでお金を儲けるという方向性と、そうではなくて、オペレーションを徹底的に簡単にして誰でもできるから安く雇って、入ったら2日目から戦力化できるような形にし、誰でも雇って安くするというのと、2つあると思うんですよ。丼ものというのは徹底的にそちらに行ったわけですよね。普通だったら廃棄ロスとか仕入れロスとか起きるのですが、ずっと煮ていて、24時間営業だとこういうものも非常に少ないわけですよ。つくるのもご飯の上にかけるだけ、分量を量るだけですよ。ファミレスよりもかなり簡単だし、居酒屋よりもかなり簡単だし、品目数も少ないんですよ。さらに、牛丼の中でもチェーン店によって差があるんですね。あるチェーン店は最後まで食券は使わない、なぜならお客さんにありがとうと言うことに関しては、お金を受け取る時にしかできないから、そのコミュニケーションはちゃんとやりなさいと言っている。(それに対して)徹底的に安くするというところは、食券で本当に誰でもできるように、しかも、お金は食券だから扱わない、徹底的にやったわけですよ。それをビジネス誌で、こんなにすごいオペレーションなら、誰でもできますと、軍隊みたいですと、2、3年前は高らかに書いていたわけですね。そうしたら人が集まらなくなった、これは必然ではないですか」
反町キャスター
「行き過ぎた過当競争によって働き手が嫌気を指したということですか?」
海老原氏
「それもあるし、デフレからインフレに変わったことも大きいではないですか。デフレの時は価格競争が勝つ余地があったではないですか。ところが、現在はインフレに変わって価格競争でなくなった時に、付加サービスをつけた方がいいのにそっちをやらずに、選ばなかったということは結論になるのではないですか」
反町キャスター
「そのシフトチェンジができないところが痛手を受けていると」
海老原氏
「私はそう思います」

パート・アルバイト現状の行方
反町キャスター
「パートとアルバイトの違いは?」
横川氏
「アルバイトというのは、学生が長期も短期も含めて働くことをバイトと言っています。パートタイマーは学生ではなくて、失業をしている絵描きさんとか、音楽家とか、劇場に勤めている人とか、主婦とか、いろいろな人が時間でパートタイム、要するに4時間勤務と僕は言っています。中身的には立場の違いであって、勤務時間は関係ないですね。4時間もあるし、8時間もいろいろあります、居酒屋は。パートタイムのファミレスも4時間もあるし、6時間もあるし、あるいは昼4時間と夜4時間の人もいます。だから、そこはあまり固定概念ではないです。企業のニーズと働く人のニーズで、もっと働きたいという人がいるんです。8時間働くなら、この4時間と夜の4時間をやってくださいという契約はあります」
反町キャスター
「現在足りなくなっているのは学生のアルバイト?」
横川氏
「足りない」
反町キャスター
「福利厚生が人を集めるポイントにはなりますか?」
横川氏
「一部でしょう。たとえば、百数万円から税金が加算されます。それを超えないでやりたいという主婦もいます。それから、厚生年金、失業保険は旦那さんが払っているから、別れた人や独身者は希望してくるのですが、所帯を持っている人は入りたくないと言うんです。国は入れと言っているけれど。国はおかしいのではないですか。だから、30時間と決めるのではなく、本人が希望したら入る、希望しないなら入らないようにしないから、お金が集まらないのだと思います。そういう意味で、それがパートの人達を押える条件にはならない。たとえば、厚生年金で、今度は20時間と決まったら、会社はせめて呼んで希望を聞いて、入れないのではなくて、入れたい人は入れてあげるような環境づくりをやらないと、どちらかと言うと、会社は(本人が)言ってこない限りやらないんですよ。それを含め、これからそのへんの環境(整備)を会社はやるべきだと。ファストフードや牛丼屋のトップが、これが現在、うちの会社で最大の問題だということを朝礼で言って、対策を考えてやったら人がちゃんと集まったと言うんですよね。と言うことは、トップがどれだけパートタイマーとか、労働力の不足の問題を危機的に認識しているのかどうか、それに対して具体的な手を打っているのかどうかで、実は会社にとってこんなにも開きが出てきたと。だから、これからはトップの姿勢だと」

外食産業での人手不足 人材確保への方策は
島田キャスター
「これからはどうこの状況を変えていけばいいと思いますか?」
横川氏
「細かなことをいろいろやっていかなければいけないので、たとえば、どういう人達をこれからターゲットに募集していくかという点で言うと、50代、60代の主婦の人達をパートで働いてもらうようにするかとか、60歳定年を迎えた人達で仕事をやりたいけれど、仕事がない人達で体力のある人達は、僕はお金がある、ないではなくて、働いて生き甲斐を感じながら、店に勤めてもらうような環境や動きをしていく必要があると思うんです。だから、現在のようにパートいないかと、バイトはいないかと、いろんな手当てをして、これまで1社だったのが2社にしたりして、採用比がすごく上がっているんですけれども、これは回数を増やすのではなく、(働き手募集の)ターゲットを変えないと、回数を増やしたからと言って採れるものではない。魚がいないところに糸を下ろすようなものですから、もっと魚がいるところに糸を落とすように、各企業が努力の仕方を変えなければいけないと思う」
反町キャスター
「お店に来て働こうという人のだいたい最大公約数、こういうところの満足感を整えれば、皆さんだいたい喜んで働いてもらえる。そのへんのところは何かあるのですか?」
横川氏
「これからは店長の力が、パートが充足するか、不足するかの分かれ道になると思います」
島田キャスター
「それはどういうことですか?社員ですか?」
横川氏
「社員店長です。店長がマネージメントでき、どうマネージメントするかということはまた別にしまして、できているところで募集を1年間かけない店舗があるんです」
反町キャスター
「辞めないということですか?」
横川氏
「そうではないんです。次が待っているんです。店長に、私の友達がいるから誰かが欠けたら、この友達がやるからお願いね、と名前が登録されているお店があるんです。ジョナサンだったんです。だから、まず教え方がうまい。それから、自信が持てる商品を売っていること」
島田キャスター
「バイトの人達も自信が持てる、それは必要なことですか?」
横川氏
「必要です。いいモノを置かないお店には人は集まりません。だから、あなたの勤めているお店ではひどいもの売っているよねというところには、パートは行かないんです。それから、店長が、(パートの)子供の具合が悪くなったから、途中で抜けてもいいとか、休んでもいいとか、誰か出てきて入れ替えるとか、そういう努力をする。要するに、厳しさの中に優しさのある店長は大丈夫なんです。優しいふりをして何もしないのはダメです、現在は。そう言う意味では、店長のマネージメント力が実は辞めなくすることだと。だから、募集することではなく、現在いる人達が満足して働くことができる環境をつくることが先なのに、ろくなことをしないで募集、募集とやっている方が間違っているんです」
反町キャスター
「全国チェーンのお店は、募集を店舗単位で行うものですか?それとも地域単位?」
横川氏
「いろいろあります。店舗もあります。地域もあります。現在は本部が全部やるようになったんです。本部がなぜやるかというと、店が忙しいから電話に出られないと。たずねてきてもできない。だから、全部本部で受け、どの店で働きたいのかなどほとんどかため、最後は面接だけ店長がやるように(人手不足に)困っている企業はやっています。いい企業はやっていませんよ、店でやっていますから。もう1つは、専門のオペレーターを用意して、答える会社ができている。それも世間のニーズですから」
反町キャスター
「それでいい人材が集まるものですか?」
横川氏
「始めたばかりなので。もうちょっと様子をみないと」
島田キャスター
「となると、店長教育が重要になってくるのではないですか?」
横川氏
「ほとんどやっていませんよ。やっている企業が少ないです」
島田キャスター
「では、何に重きを置いているのですか?」
横川氏
「日本の企業が売買されるようになったではないですか、これが根っこにあるんです。業績があがらないとトップは辞めさせられるし、責任をとらされるから、成長性と収益性で企業を判断する時代になったんです。お客さんにいいことをしているか、社員にどんなにいいことをしているのかということは評価しないでしょう。評価項目が変わっていくとトップは変われるんです。ただ、評価項目が変わらないから、トップが変わらないというようなトップではダメです」

深刻化する人手不足 ターゲットをどこに絞るのか
島田キャスター
「これからはもっと視野を広げるべきだということですが」
海老原氏
「これから働き続ける女性が増えるんですよね。1回、社員になって、雇用先がないからパートという人達がどんどん減ってくるわけですよ。パートについては、女性に関して期待はできないです。もっと高度な仕事をやっていく人が増えると思います。最終的には人口のボリュームゾーンは現在、65歳から75歳がいわゆる第一次ベビーブーム世代が入るので一番多い世代になるんですよ。そこはちゃんと活用していくべきですよね。考えてみると、60歳を超えると年金を払わなくて済むんです。企業負担もなくなるんです。65歳を超えると健康保険も払わなくて済むんです、フルタイマーだって。そういう意味では企業的にはペイする。1、2割、働く労働力が減ったとして、労働がすごくゆるくなったとしても、それはペイするんですよ。うまくやっている会社もありますけれど、そういうチェーンを見てどう思うかと言うと、高齢の方でも働けるんだ。それはハードなブラックな環境ではないなというイメージになるんですよ。だんだんイメージも良くなるし、仕事も楽になるし、いい回転になると思うんですよ。学生バイトが減ってきたことについては、裏口の移民政策が着々と進んでいますよ。東京大学の秋入学とか、高度人材の方へ目が向いていますが、偏差値40台の外国人労働者が大学に来ている状況です。大学生でも、専門学校生でも、特殊学校制でも、週に28時間までは働いていいんですよ、留学生は。これはゆるゆるですよ。だって、ワーキングホリデーだって25時間しか働いてはいけないんですよ。さらに言うと、長期の休暇中は40時間まで働いていいんですよ。これは補填になっているんですよ、若い人の(人材不足に)。大学を卒業して、新卒で就職できた場合は、ビザがどんどんおりているんです。中国人で、新卒就職した方にはビザがちょっとづつおりているんですよ。バイトが足りないところは学生バイトで補填する。卒業後に基幹職として正社員になってほしい人達には卒業で出てきた7万、8万人から採る。こういう形で、2段階でちゃんと手当てしているんですよ」

女性・高齢者の活用は
反町キャスター
「女性が労働力として今後どうなっていくか。きついパートの職場から、もうちょっと働きやすいパートの職場に移っていくのか。それとも主婦というのが、政府が言っているようにフルタイム正規雇用の人達として労働市場に参加してくるのか。そのへんの可能性は?」
海老原氏
「1つよく考えていただきたいんですよ。現在ちゃんと働き続けている人が今後辞めずに働き続ける、こういう仕組みはどんどん整ってくると思いますよ。1回辞めてしまって、子育てをやって10年間、仕事から離れている人が400万人、500万人で四十幾歳の女性の方を雇ってくれる企業があるなら、教えてほしいですよ。見た事がないです。と言うことは、一度家に入られてしまった本当にかわいそうな方達は、当面パートとかで働くと思います。そのパートから優秀な人や、並の人よりもできる人がたくさんいますから、その中でパート店長、パート店長だけではなく限定社員。最後は総合職社員という形でコースをつくっていってほしいんですよね。入口として、唯一用意してもらっているのが販売サービス業だと思うんですよ、主婦の方達に。がんばったならどんどん上にいく仕組みをつくってあげないとかわいそうだと思うんですよね」
横川氏
「現在は昔と違って、パートは評価制度があって、2か月ないし3か月で評価していくんですよね。評価をすると点数によって、10円から30円と企業によって違うのですが、昇給するようになってきている。それから、時間帯責任者と言って、たとえば、朝の時間を2人、3人を使ってマネージメントができて、昼ができて、午後ができて、夜ができて、とできる責任者になるとプラス50円とか乗っける仕組みを各社が使い始めています。そのうえは実はパート店長ですね。そのパート店長はパート出身店長であって、パート店長ではないです。フルタイマーですから、契約社員ということで、そのお店からはよそに異動しない、地域の社員として再雇用するんですね。こういう道ができてきましたから、いきなりポッと店長はないです。おっしゃるように、段階を踏んでいって、ある程度のレベルのところができてくるとなれる。これが増えていくのだと思うんです」

すかいらーく創業者 横川竟氏の提言:『楽しい職場づくり』
横川氏
「いろいろ条件があるのですが、一番大事にしなければいけないのはこれかなということで1本に絞ったんですね。お金ではなくて働く人が増えてきた。だから、人生を生きて行く中で職場を楽しくしないと人生つまらなくなるんですよ。だから、お金だけでやっていると侘しくなるので、もっと豊かになるためには職場を楽しくすることをしないと集まりも悪いし、良いサービスもできない。特にフードサービスというのは人の価値をつくるんです。仕組みではないんです。だから、是非そういう環境をつくって、にこやかに接客しながら、店に来た人が癒されるような店をつくっていかないと、ただレストランで料理を売ればいいということではないのではないかと思うんですね。チェーンストアがマニュアル化し過ぎて面白くなくなっている。これからは、マニュアルにないことをどうやれるかということが評価になってきますよ」

海老原嗣生 独立行政法人経済産業研究所コア研究員の提言:『ダイバーシティの見本』
海老原氏
「40代主婦、非正規から上がって店長になるというパターンもできるでしょうし、それから65歳以上の方達もゆっくり働けるようになるでしょうし、学生はいろんな国の方々が来て学生バイトをやってくれると、そこから新卒社員も入るでしょう。さらに、ダイバーシティの見本というのができたあとに、日本の食産業はおいしいから世界に出ていけるんです。出て行く時に、本当にダイバーシティを利用した、いわゆる外国人の方達が水先案内人になってどんどん出て行ってくれたならと。よく考えてほしいんです、先端産業というと、輸出産業と言うと、すぐハイテクばかりを言いますけれども、アメリカのフォーチュン100のうちの20社は、たとえば、コカコーラとか、リーバイスとか、どちらかと言うと衣料品や飲食業ですよね。日本だってアジアが成長のエンジンになれば、日本のことを皆、買いたいと言ってくれるから、日本の製品が出ていけるんですよ。こういうサービスがどんどん出ていく、こういうものをつくってほしいんですよね」