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2014年7月22日(火)
女性リーダー3割へ? 安倍政権の野心と障壁

ゲスト

高市早苗
自由民主党政務調査会長 衆議院議員
佐々木かをり
イー・ウーマン社長
ロバート キャンベル
東京大学大学院教授

女性の活躍推進と男性の意識改革 女性管理職の実態
島田キャスター
「政府が先月24日に閣議決定をした日本再興戦略2014の中で、女性のさらなる活躍推進を促す具体策が出ました。2020年に指導的地位に占める女性の割合30%の実現に向けて新法を制定する。女性の働き方に中立的な税制・社会保障制度などを見直す。2019年度末までに30万人の放課後児童クラブの受け皿を拡大すると。こういうことで子育て政策についてはこれまでも数値目標などを掲げて進めているのですが、今回の成長戦略では初めて女性の昇進について触れました。2020年に指導的地位に占める女性の割合30%実現ですが、管理職に占める女性の割合を、国際比較で見てみると、アメリカ43.7%、フランス39.4%と続いていて、日本はどこにいるかと言いますと、韓国の11.0%より若干多い11.2%ですが、アメリカやヨーロッパなどと比べたら、本当に低いと言わざるを得ないと思うのですが」
高市政調会長
「現在、管理職に該当される年齢層の母数が少ないのかなというのが1つあると思います。国会で言いましたら、衆議院で女性が8.1%、参議院で16.1%です。ただ、衆議院8.1%と言っても、立候補者数の中での女性の割合が15%ぐらい。その割にはよく当選してきてはいるんですけれども、まだ絶対数が少ないというのがあると思いますね」
島田キャスター
「政界でもそうですし、会社の中でも母数が少ない現状をどうしてだと思いますか?」
高市政調会長
「現在、私は53歳ですけれど、私が20代の時、ちょうど社会に出ていく時代というのは意識が違っていたと思いますね。私も親から、はやく学校を出たら、就職先でいい人を見つけて、早くお嫁に行きなさいということを、繰り返し言われてきました。奈良県といったら、近鉄電車さんとか、南都銀行さんとか、県庁の人とかと結婚できたら御の字というか、エリートということですね」
島田キャスター
「会社の人と結婚することが、親にとっても、子供にとっても、幸せという」
高市政調会長
「それは子供の頃から言われて育ってきた。そういう世代でもありました。ですから、その頃の同級生を見ても、就職をする人が少なかったし、就職をしたとしても、割とそこからお茶とお花を習いに行って、はやく結婚しなければいけない。そういう意識が強かった時代ですね」
島田キャスター
「日本で活躍する女性がまだまだ少ない理由をどのように捉えていますか?」
佐々木氏
「人事制度ではないですかね。大学の卒業試験でも一番上の方に女性がいると聞くようになって久しいですし、企業の入社試験も上から採れば、皆女の人になるんだよというのを各人事部の方から聞きますから、本当はもっと人口がいてもいいはずですが、この人達はたぶん入社しているのですが、でも、入社する時の割合も半分にいっていないという問題があると思うんですけれども、その人達が5年、10年経っても続いていないということは人事制度に大きな問題がある。会社の中で認められない。あるいは働きにくい等々から、相対的に5年、10年経つと女性の人口が減っちゃうということなのではないかと思います」
島田キャスター
「具体的に男性を優遇するような人事制度ではないかということですか」
佐々木氏
「男性を優遇するというか、これまでの働き方というのがありますね。長時間労働だったり、転勤をいっぱいするだったり、とにかくお酒に付きあうだったりみたいな。東京を中心にそういうところは少なくなっているとは言うけれども、まだそういった会社の人事システムにあわないと、評価してもらえないので。仕事はあの人できるけれども、でも、残業はできそうにないねとか、長くは続きそうにないと。子供を産んだから辞めるかもしれないなんていうことを上司が思っている。評価制度にそういう目があると長続きしづらいですよね。現在もあるのですが、ガラスの天井と言って、見えない天井があって、歩いていくとゴツンと頭をぶつける。これが低い位置にありましたから、たとえば、入社のためのオリエンテーションに行きたい、説明会に行きたいというと女性の名前だとお知らせがこないとか。そういう時代だったわけです。これが雇均法(雇用機会均等法)によって、そんなことはしちゃいけないよということになったから、入社ができるようになったんです。なので、ガラスの天井が入口にあって、多くの女性がゴツンゴツンと頭をぶつけていたんだけれども、ここはなくなった。でも、現在の問題は、そのガラスの天井が相当、上の方に行きまして、役員の下ぐらいのところに以前より分厚くなって、そこにある。私はそう思っているんです」
島田キャスター
「どうして、そう思われるのですか?」
佐々木氏
「多くの人が上に行きづらいですし、最後の砦であるところがですね」
島田キャスター
「男性にとっての砦?」
佐々木氏
「女性の役員も増えてくる中で、これから変わってくるとは思いますが、この長い間で、多くの女性にとっては働きやすくなって、そんなに男女不平等を感じていないよとか。そんな苦労はしていないよという女性が増えた。だから、ここは雇均法は良かったんですね。でも、人事制度は、もうちょっと改善するところが必要なので、そういう意味でまだ上に行っていないということですね」
島田キャスター
「アメリカは女性の管理職も多いのですが、アメリカの実態というのは、どうなっているのですか?」
キャンベル教授
「フェイスブックのCOOのシェリル・サンドバーグさんは、『LEAN IN(リーン・イン)』という本、これも日本語で翻訳されて、たくさんの方が読んでいると思うんですけれど、追い風でも、向かい風でも、とにかくそこに入っていって、女性がどういうふうに成功をするかということを、非常に具体的に説いているわけですね。ですから、アメリカの女性は性差というものを突破したというイメージはある一方で、実態としては、特に2008年の金融危機以来、実は逆行をしていまして、先ほど佐々木さんがおっしゃった、グラスシーリングですが、ガラスの天井というものがいたるところにできていると、でこぼこの」
島田キャスター
「2008年以降にぼこぼことできてきた?」
キャンベル教授
「ええ、かなりできているというところが」
佐々木氏
「ガラスの天井、ガラスの壁。歩いているところはガラスの砂利道」
キャンベル教授
「と言われているんですね。特に、昨年から一番議論の起爆剤になっているのはサンドバーグさんの『リーン・イン』という本を見て、それに対する反論、議論を見ていくと、それはあるところまで、よいしょっと上がって、管理職に上がった女性は、いろんな支援を、雇用や、変化をいろいろと取り入れることはできるかもしれませんが、圧倒的多数の女性はとてもそのような状況にはなく、社会保障は日本と比べてもそれこそ、でこぼこ。地域によって全然違いますし、託児所もかなり日本と同じように、待機児童がたくさんいるような場所もあるわけですから、一番ホットなトピックスですね」
反町キャスター
「2020年に指導的な層に女性30%。たとえば、ヨーロッパの比で見ますと、強制的な、クオータ制ですか、割合を決めて法律的枠組みをはめている部分もあると思うのですが、ここは強制力をもってでもやるべきかどうか。ここはいかがですか?」
高市政調会長
「まだこれからですね。年度内に政府の方で方針を決定して、法律の内容などが決まるというので、来年の3月までの間に、法律案の枠組みが決まってくると思うんですけれども。私の率直な考え方を申し上げますと、行き過ぎた結果平等、要は、下駄を履かせて、無理やり結果を出すというような、強制力を持ったクオータ制というものには反対です。つまり、まずは憲法違反の疑義があると。平等の原則に触れるということ。あくまでも目標を設定し、まずは実態をきちんと調査し、目標を設定する。企業でも行動目標をつくっていただくとか。あと有価証券報告書に、女性幹部の登用について記載する。これも非常に大きな改革ではあると思います。ただ、あまり無理やりに、業種によっては女性就労者も絶対数が少ない業種もありますから、そこでこれだけの女性幹部をいきなりつくれと言われても、それは無理ですから。それと、悪用される場合、たとえば、すごく積極的に女性を活用して、幹部数の多い企業に対して、公共事業を発注しましょうというようなことになった場合に、悪質な事業者であれば、たとえば、公共事業をとるのに苦労をして、人を雇ってバンバン営業をかけるよりは、部下なしの名ばかりの管理職、肩書きだけの女性をたくさん並べてね。それで仕事をとるとか、そういうふうにもし悪用された場合には、女性の誇りも傷つきますし。あくまでもチャンスの平等、機会の平等で、能力に応じて、また努力に応じて、きちんと女性が正当に評価をされて、公平な昇進の機会をいただくと。この基本に立ってこれまでの意識を改革する。こういったものになっていくんだろうと想像はしています。まだちょっと全容は見えません」
島田キャスター
「その新法のことですが、たとえば、民間企業を巻き込んでいくものにするのか、それとも安倍総理の言う来年度採用の国家公務員の3割、女性を目指すというような方針も掲げていますが、まずは公職の人達に関してだけ、きちんと決めて、強制力をつけていくのか。その点についてはいかがでしょう?」
高市政調会長
「民間を巻き込む形に当然なると思います。だから、その目標を設定するとか、それから、公表をするとか、その行動計画について公表するというのは、はっきり言って、私は現在みたいに有効求人倍率が1倍を超えた。私達が政権を引き継いだ時は、0.83でしたからね、100人就職したくても83人しか仕事がない。現在は1.09ですから、100人に対して、109人分の仕事がある。地域、業種によってばらつきはあっても、今後、成長戦略を成功していくと相当労働人口が不足します。女性にとって売り手市場ですから、能力はあるのに、努力をしているのに正当に評価しないとか、昇進の機会を与えないような企業というのはそっぽを向かれますよ。いい人材が絶対集まらない。先ほどの世論調査でもありましたけれどもね。女性は世論をつくる力はあるし、それから、家計を見ても、家庭で見ても、だいたい何を買うかの決定権は、うちでも私にありますので。相談せずに、うちの主人が何かを買うことはなくて、夕べもマッサージ機を買っていいかどうかという相談を受けていたんですけれども」
島田キャスター
「何と答えたのですか?」
高市政調会長
「ちょっと高いので、次のモデルが出てきて、それが古いモデルになった場合に検討すればという指示をいたしまして」
反町キャスター
「完全に許認可権は、高市さんが持っているんですね」
高市政調会長
「それはそうですよね。だから、企業にとって、イノベーションを起こすのは、そうですよ。異なるものとの融合。価値観の多様化。それが企業の成長です」
佐々木氏
「時限的、期間を決めてやってみたらいいのではないかなと、私は思っているんですね。いろいろ考えた結果ですけれども。つまり、自然増は現在の日本社会ではなかなか無理ではないかなと。なので、少しえいやと数字を決めて、目標を決めてやる。それは、高市さんおっしゃったように、業態とか、規模とか、いろいろと細かく配慮をしたらよろしいかと思うのですが、何で企業は、来年度の売上げはえいやと決めて、皆で意識をして一生懸命に努力をするのに、女性のことだけは、無理やり数字を決めるのはどうかという議論になるのかというのはちょっと私にはわからなくて、あるいは女性の数がいないとか、失敗したら(どうするのか)とおっしゃるんですけれども、いや、男性だって失敗した人が上に行っている場合もあるし、上に行って失敗する人もいます。そのへんを慎重にならずに、まずは少し解放をするというところに数値目標はいいかなと。あともう1つおっしゃった、女性の会社でないのに、もしかすると、女性をたくさん採用して、女性の会社にするという、実はアメリカでも20年ぐらい前からありまして、NPOが本当の女性の会社かどうかチェックをして、サーティフィケイトを出すみたいなのがあって、面白いなと思って見に行ったことがあるんです。それはちゃんとした契約書に、本当に女の人がサインしているのか。本当に女の人が動かしているのか。NPOがチェックしていたんです。これは政府が女性の会社に仕事を発注すると決めたあとに起きたことなんですね。なので、対応はいろいろできるかなとは思うんです」

男性の意識変えるには
島田キャスター
「2012年の6月、ヒラリー・クリントン、当時のアメリカの国務長官が『日本では女性の就業率が60%だったのですが、男性の80%に匹敵するようになれば、日本のGDPを15%も引き上げることができるんだ』と言っていますが、これはどうですか?」
高市政調会長
「GDP15%には多少無理があるかもしれませんけれども、ただ、現在、働きたくても働けていないという女性が315万人いらっしゃるということを、非常に私はもったいないと思っていて、女性だけではなく、たとえば、定年退職されたシニア世代の方も、障害をお持ちの方も、たとえば、テレワーク環境をしっかり整えるとか、労働保険法の、雇用保険法だって、テレワークだったら、家で仕事を続けてもらえるのに、月10日以内しか働けないとか、これは10月1日をめどに見直されることになりましたけれどもね。そういう何か法的なことをちょっといじると、非常にいろんな場所で、ご家庭も含めて、いろんな場所でたくさんの人が働けるようになってくると思うんです。先ほど佐々木さんがおっしゃっていたことも一理あって、機会平等と言っているんだけど、育児休業だって、現在、法的には女性でも、男性でもとれるし、国家公務員でも官僚同士で結婚して、女性が育児休業をとって、その後、ご主人がとってと。でも、育児休業を1年とって、帰ってきたら、視野が広がって、物の見方、価値観が変わっていくと思うんです」
反町キャスター
「男性の方ですか?」
高市政調会長
「そう、男性。だから、戦力になりますよ。企業の」
反町キャスター
「日本の企業風土、文化として、これまで日本経済の成長を支えてきた、日本の企業文化などは、たとえば、女性を管理職にどんどん積極的に起用するという文化はあまりなかった。男性が育児休暇をとるということもあまりなかった。それをとることが、日本の経済にとってプラスになるということを証明する機会というのは、多少強制的にやらないとできないのではないかと」
高市政調会長
「でも、法律で義務づけることはできないわけですね。それぞれ経済活動は企業が最も利益を上げやすいようにすると、ただ、啓発していくことはできるし、その成功事例をどんどん発信するとか、男性であれ、女性であれ、ある一定の年齢になったら、子育てがあり、私のような年齢になると親の介護、健康問題です。そんな中でファミリーを応援している企業が顕彰される、伸びている。そのアピール、発信をしていくかというのはすごく効果があることだと思います」
キャンベル教授
「男性が自分の仲間とか、同僚から切り離されると怖いと思うんですね。たとえば、半年であったり、1年であったり」
島田キャスター
「それは女性も一緒ですよ」
キャンベル教授
「女性も一緒だと思うんです。ただ…」
島田キャスター
「でも、産むのは女性だから、そうせざるを得ない」
キャンベル教授
「と言うのは当然あります。でも、一方ではおっしゃったように、たとえば、育児休暇の間に子供の世話を1日やっているわけではなくて、最近、オンラインで資格を取ったり、ウェブデザインをしたり、仕事をしながら自分がもう少しやりたかったことが、職場に毎日いるとなかなかできないことができ、スキルアップした社員が、また戻った時にすごく企業にとってプラスになり得るわけですね」
佐々木氏
「まさに、その通りですよね」
キャンベル教授
「そのことを含めてね」
佐々木氏
「育児休業制度という名前を変えたらいいと、何度も言っているんですけれど、これって育児のために休業をするということなので、会社からすると休まれちゃうというイメージですよね。でも、お二人がおっしゃっているのはまさそうで、この間をダイバーシティのトレーニング期間にしたらいいのではないかと思っているんですけれども。多様な視点を学ぶための研修期間だと思って、企業がそれを男性も女性も強制的に、2か月間でもいい、3か月間でもいいので強制的に休ませると。これは、たとえば、アメリカに留学をさせるとか、中国の市場を見に行くために2か月行ってこいというのと同じで、子供が生まれるという機会は普通の人にとって1回、2回、3回だということであれば、その期間に必ず自分の家庭に戻って、そこでいろいろと学んできなさいと。そうすると、子供との、キャンベルさんおっしゃったようにつながりを体験するということに留まらず、たとえば、初めて家の周りの商店街のドアが開いている時に生活をして、こんなお店があったのか。おじさん、おばさんと話をしてみたり、保育園のことを考えてみたり、予防接種のことを学習したり、様々なことは、自分のこれまでの体験と違うものを学べますから」
島田キャスター
「体力のない企業ができるかどうかですけれども」
佐々木氏
「でも、それが結局、すごく視野が広がって帰ってくるということで、2か月、3か月後の、まさに企画力だとか、様々なところにプラスに反映すると思うんですよね」

女性自身の問題点は
島田キャスター
「夫が外で働いて、妻が家を守るべきである、という考え方についての調査では、1970年代は圧倒的に、そうですねと、男の人は外で働きましょうという考えが女性に多かったんですね。ただ、1992年、1997年になるに従って、そういう考え方がだんだん減ってきまして、どちらかといえば反対。女性の方も、外に出ましょうよという考え方が増えたんですけれども、なぜか2012年になって、グッと男の人は外で働いた方がいいのではないかという人が増えてきました」
佐々木氏
「リッチな男の人が増えたという…そんなはずはないんですけれど、そういう中で、少し楽をしたいという女性が増えたと考えることもできますが、ちょっと現実的ではないですね。そうすると、大学の先生と話をしても専業主婦志向の女性が増えているとは聞きます。でも、現実を突きつけることで、たとえば、600万円の収入の人と結婚したいという、何歳がいいという、そういう人が人口の中に何%いるかデータを突きつけると、多くの女性がすぐに考えを変えるというのを聞きましたから、この調査がどういう状況でとられたかにもよるのではないかな。ただ、もう1つは、女性の中でも働いている女性が管理職を希望しないことも企業から聞きます。これは男性の働き方を見ていて、これ以上、上に行くと、ああなるのか、あの仲間入りは嫌だと言っているのであって、ポジションが嫌なのではないんですね」
反町キャスター
「それは管理職が楽しそうに見えない」
佐々木氏
「そうですね。楽しそうに見えない。労働時間は長い。幸せそうでない。うんぬんかんぬんというところが女性達にとって、憧れる上司がなかなかいないということかと思います」
キャンベル教授
「そこに根を置き、ここで一生涯全うするに値する場所かどうかという」
島田キャスター
「自分の時間を、そこにそんなに時間を費やすほどの価値があるのか」
キャンベル教授
「価値があるのかどうかということを、達観ということがあると思うんですね。それは男性のルールで、男性で完全につくっている、よくホモソーシャルという言葉がありますけれども、男性同士で通じる場所の中に、よそから来た人がそこに居心地(よく)いられるかどうか。そういう場所というのは、これから、たとえば、グローバルな経済の中で、本当に勝てるのかどうかということとは別の問題。すごく重要だと思うんですね。そこを1つのフラグとして、とても大事だと思うんです。この数字ということが、日本の経済そのものの、これからを占う1つの重要なものだと思うんですね」
高市政調会長
「男性も上司の働き方を見ていて、自分も管理職に、別に成りたくないという人は増えていると私は聞いています。そういうことを考えると、日本の労働生産性をもうちょっと上げなかったら、G7で最下位でしょう。だらだら残業して、それで残業代で、同じ量の仕事、同じ質の仕事をだらだらやった人の方の手取りが多くなるとか、そんなのではなくて、ちょっと多様な働き方ということで結果主義で給与を決めていく。そういうことを安倍内閣は提案したけれども、残業代ゼロ法案とか、でこぼこにされましたけれど、でも、労働生産性を上げて短時間できちんと仕事を終えると。男性も女性でも家事に参加できる、育児に参加できる。そういったことも、1つ大事です。社会を見られる、アフター5にね。しっかり社会のいろんなことを吸収できる。それをまた仕事に活かす。労働生産性を上げるということを考えたら、すごくやらなければいけないことは多いですね」

どう推進?女性の活躍 家庭での男女の役割
島田キャスター
「日本の成人男性の1日の家事時間は他の国と比べると少ないですね」
佐々木氏
「労働時間の問題が一番大きいんだろうと思うんですけれど、労働時間が長いので家にいない。そうすると家事の時間が少ないというようなことになっているんだろうと思います。この1時間というのももしかすると平均なので、土日にちょっとやっているけれども、平日は全然ないみたいというようなことかもしれません。育児が入った場合、育児は土曜日だけやるというわけにはいきませんし、誰かがそれをやっているということだと、ここは分担する必要があるということだと思います」
島田キャスター
「日本に比べると、外国は長いのですが、これは好きでやっていることなのか、それとも自発的にやっていることなのか、それともやらざるを得ないのか?」
キャンベル教授
「1つは、男性の幼少の教育が大きいと思うんですね。男性は、自由で、そのままで良くて、小さい時に、たとえば、子供番組をテレビで観ていても、女の子は、かわいいことが好きで、しっかりしていて、男の子を引っ張って行くような…幼い時からの性差の分業であったり、分担であったり、性のアイデンティティが強い気がするんです、日本では。最近は薄くなっているのですが、女性の言葉遣いであったり、男の言葉遣いであったりということは伝統的に男女それぞれの歩む道と言いますか、それをかなり基礎として日本社会にあって、特に戦後は企業、産業社会が大きく変わった時に、サラリーマンになるということはそういうことはしなくてもよろしいということを結構、小さい時から自然に」
島田キャスター
「家事をした時の妻から夫へのダメ出しの例がありますが、女性も男性をもうちょっとうまく使うやり方があるのでは」
反町キャスター
「(家事は)仕事でないのだし、ボランタリーに互いにホームメイキングをシェアするならば、多少褒めあってもいいのでは」
キャンベル教授
「ボランティアですから、家庭を切り回していくことは」
佐々木氏
「手伝うという考え方がそもそもおかしいですよね。一緒に家庭を営んでいて一緒に生活をしているわけですから、やりたくないとか、疲れているとか、具合が悪いに関係なくある一定の時間には食事をつくる、掃除をする、洗濯をやらなくてはいけない中でスキルアップをしていくわけですから」

自民・高市政調会長に問う 配偶者控除の見直し
島田キャスター
「配偶者控除の見直しについては、自民党の中でも賛否両論があったと思うのですが、現状は?」
高市政調会長
「自民党の中では、自分は家庭にいるという選択であれ、外で働くんだという選択であれ、長い人生ですからライフステージの中でいろんな場面があると思うので、専業主婦の時期もあれば、そうではない時期もあるかもしれない。でも働く、働かないの選択に中立的な制度を考えようということで配偶者控除廃止というよりは新しい控除制度の提案を致しました。これは5月に安倍総理にも甘利大臣にもお渡しをしたんですけれど、要は、夫と妻の両方が基礎控除を持っている。それを、たとえば、妻が使わない時には、夫婦二人で使える控除の額は皆一緒で、妻が使わない分の基礎控除を夫が使える。だから、働く、働かないですごく損をするとか、得をするということをまずなくしていこうということで提案を致しました。自民党に税調がありますし、あと自公で与党税調もあります、政府の税調もありますから、政府は今年の年末までに結論を出していくということで議論が進んでいて、できたら自民党案をとってほしいと期待をしています」
反町キャスター
「家庭のモデル、旦那さんが働いて奥さんが専業主婦で子供2人みたいな、それを設定から考え直すような時期なのではないですか?」
高市政調会長
「現在はそうです。それに、たとえば、経営者の立場。私の事務所は7人ぐらいの秘書がいて、社会保険料も払っているわけです、給与、ボーナスと。小規模事業者だと考えますとすごく忙しい時期に103万円を超えると配偶者控除。もう1つ、ご主人の会社の方に配偶者手当を103万円で切って出している場合、これ以上働いたら損をしてしまうからと、家計の所得が減ってしまうからというので働き止めをする。そういうことをずっと続けられると、職場における女性の地位や周りからの信頼感も失われるし、本人もあと何時間働けるとか、あと数日間働けるんですよと。でも、制度的に損をしてしまうという問題があって、103万円の壁、それから、保険料がかかってくる社会保障が130万円の壁。配偶者特別控除がなくなるので141万円の壁がありますので、働いたら働いた分だけ手取りが増えていく。少なくともそうしなければダメですね。それは古くからの問題意識だったしようやく動き出したと思っていますから、自民党案の採用を求めていきたいと思います」

配偶者控除の是非
佐々木氏
「イー・ウーマンで女性の社会進出のために配偶者控除を廃止して、財源を子育てに使うことに賛成ですかという『働く人の円卓会議』という名前で、サイト展開したところ、84%が賛成ということだったんです。これは配偶者控除の廃止で得られる6000億円の財源をどう子育てに使うかという議論をしたのですが、103万円、130万円という数値はいつも話題に出るわけですけれども、これは女性の役割とか、メンタルな意味での教育というのに、すごく強い影響を与えているように思えるんです。なので、違う形で世帯に控除があるというのは、1つの考え方だと思うんですけれども、私は個人的には、こういうものをなくしていき、女性達が働きたい人は働けて103万円、130万円に関係なく、150万円、160万円分働けば、同じようになるということですから、別に500万円、1000万円分働かなくてもいいわけですから、そういった道ができるようになれば、女性のメンタルブロックと言うのですか、心理的に抑えられている壁はなくなっていくのではないかなと思います」
キャンベル教授
「私も心理的な壁は多いと思うんです。実際に年末の一番忙しい時に、非正規雇用の、特に女性が控除のことを考えて、いなくなるんですね。組織を運営していく上で非常に効率が悪いことである。もう1つは、女性としては自分の労働というのは所詮103万円、1年間の自分の枠というものを外から与えられていて、それ以上を望んでも損であり、パッケージの中で自分は生涯生きなければならないという…足かせをはめるということが実際にあると思うんですね。非正規雇用から正規雇用に、そこを狙って鞍替えして、スキルアップしていく1つの方法としてそれを廃止し、しかし、それが結果として増税になったということではなくて、たとえば、専業主婦も恵みを受ける、幼稚園を充実させるとか、待機児童をなくすというような、見えるようにできるとすれば使っていただきたいなと思いますね」

高市早苗 自由民主党政務調査会長の提言:『機会の平等』
高市政調会長
「結果平等の理念で制度を構築したいと思っています。あまり行き過ぎた結果平等でモラルハザードが起きる可能性も指摘しましたし、あまりにも行き過ぎて男性の働き手のモチベーションが下がっても企業の生産性が落ちますので、一生懸命にやっている女性の能力を正当に評価していただいて、公平に処遇をしていただく。それを基本に社会の空気、意識を変えていきたいと思っています」

佐々木かをり イー・ウーマン社長の提言:『ダイバーシティとゲームチェンジ』
佐々木氏
「そもそもこれは選択肢の話で、今日は女性価値をと言いましたけれど、いろいろ生き方、働き方があるので、自分が選ぶということが重要だと思いますし、企業の中ではCEOが1人決断すれば実はできることがいっぱいあると。その中でダイバーシティとゲームチェンジと書いたのですが、多様性ということですね。多様な知恵や提案が企業や社会をつくるということに現在向かっていて。その第一歩がたまたま女性価値という表現で議論されているのだということを理解すること。それと、ゲームチェンジと書きましたが、女性はある程度30年の法改正の中でたくさん働けるようになりましたので、そろそろ枠組みを変える、あるいは点検をするという第2ステージになっていく時期になってきたのではないかなと思っています」

ロバート キャンベル 東京大学大学院教授の提言:『女の現実に男が目を向けること』
キャンベル教授
「ちょっと抽象的になってしまうかもしれませんけれど、毎日の家庭の中でも、女性が実際、現在の時間の使い方の仕事をやるために、何を犠牲にしているか、妥協しているのか、どのぐらい後ろに他のプレッシャーがかかっているのかということを私達男性側が自分と同じ目線で、自分の周りのことはよくできると思うんですけれども、女性が何を考えて、どういうポテンシャルであるかということをもう少し積極的に、そこにある力を見出すことが必要だと思うんですね。高市さんとちょっと私は異なって、結果平等というのは、結果が良ければすごく良いことだと思うんですけれど、ある程度、日本では限定的であっても、女性をそこにあげていくポジションをいろんな社会の中で実験的に確保していくことを一度やってみるべきではないかなと思います」