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2014年7月21日(月)
「脱法ドラッグ」検証 依存症急増背景に何が

ゲスト

藤井基之
自由民主党参議院議員
小森榮
弁護士
成瀬暢也
埼玉県立精神医療センター副病院長

事故多発で社会問題化 「脱法ドラッグ」とは何か
島田キャスター
「脱法ドラッグとは何かというところから聞いてみたいのですが、違法薬物と言ってもいろいろあります。まずは覚せい剤というのは、中枢神経系を興奮させて睡眠の抑制や疲労感軽減などの作用がある薬なんですね。さらに麻薬は麻酔作用があって、常用すると、中毒症状を起こす物質の総称を言います。天然麻薬というものと合成麻薬というものがあって、天然麻薬というのは植物が原料となるもの、合成麻薬は化学物質から合成される麻薬です。また、大麻というものは、麻の葉や樹脂などからつくられて、喫煙すると解放感などの精神作用があるもの。こういったものが、違法薬物として指定されているのですが、現在問題になっている脱法ドラッグというのは覚せい剤や麻薬などの化学構造に似せてつくられて、同等の作用を有する恐れのある薬物ですが、現在は法律で規制されていない、法をすり抜けているというものですね。なぜ脱法ドラッグは、違法薬物と同様の作用、もしくはそれよりも危険な可能性もあるのに、法の規制がないのでしょうか?」
小森氏
「もともとデナイザーズドラッグという言葉がありますけれど、法の網をくぐるために、薬の構造に、ちょっと修飾というか、ちょっと変化を加えた、そういうので脱法ドラッグという呼び名をする人が多いです」
反町キャスター
「この流通形態というのは?」
小森氏
「流通の形態というか、商品の形態です。それはどういう商品の形で売っているかですね。ハーブというのは乾燥植物系に合成成分を混ぜ合わせたものですよね」
反町キャスター
「タバコの葉っぱみたいなイメージですか?」
小森氏
「そうですね。大麻に似ている感じですかね。それに似せているんでしょうね。植物片自体には何の成分でも含まれていないと言われています。それから、アロマは液体、リキッド。リキッドは日本人が好きなようで外国ではあまりないと聞いたことがあります。それから、最後はパウダーですね。粉。バスソルトとか、そういうふうに言われています」
小森氏
「抵抗感がないような、そういう品名で売っているわけですね」
島田キャスター
「これはどうやって使うのですか?」
小森氏
「ハーブは大麻みたいに吸いますので、タバコの形にして…」
反町キャスター
「紙で巻くのですか?」
小森氏
「紙で巻く人もいるし、タバコの中を抜いて、それに差し込んで使う人もいます」
反町キャスター
「混ぜ込む形ですか?」
小森氏
「混ぜ込む形」
島田キャスター
「アロマは」
小森氏
「アロマは飲む。液体ですから」
反町キャスター
「アロマオイルみたいに何か下から炙って蒸発させるとかではなく?」
小森氏
「嗅ぐわけではなくて。ラッシュという、ゴードラは鼻から嗅いだものですが、アロマはどちらかというと人が飲むような感じでと、我々は受けとっています」
島田キャスター
「バスソルトは塩なのですか?」
小森氏
「いや、塩、普通のパウダーの薬物で、どちらかというと、効果としてみれば、覚せい剤みたいなものが多いです」
反町キャスター
「これは鼻から吸うのですか?」
小森氏
「鼻から吸ったりする」
島田キャスター
「容量と値段の相場がわからないのですが、1回あたりどのぐらい使う?」
小森氏
「これは個人差があるんでしょうが、ハーブに関しては、私が現実に使っている人間から聞いた話では、大麻の使用量を目分量にして使っていると」
島田キャスター
「つまり、1gから3g入りというのはだいたいどれぐらいなのですか?」
小森氏
「大麻は、だいたい0.5gと言われていますので、そうすると、3gだと6回ぐらい」
反町キャスター
「それは使っていくうちに増えていくものなのですか?」
小森氏
「乱用しているうちに?」
反町キャスター
「そう」
小森氏
「耐性はできると思いますね」
成瀬氏
「そうですね」
反町キャスター
「やはり増えてくるものなのですか?」
小森氏
「はい」
反町キャスター
「1回の使用量は確実に増えていく?」
小森氏
「はい。そうですね」
成瀬氏
「だんだん効き目が落ちてくるので、量を増やしていくという、耐性というものがあります」
島田キャスター
「それはどの系統でもそうなのですか?」
成瀬氏
「そうです」
島田キャスター
「症状としてはどういうものが出てくるのですか?」
成瀬氏
「アロマとか、ハーブというのは、全くの隠れ蓑ですので、まず使って出てくる症状というのは非常に激しいものがあるのが特徴です。大きく分けると出回っているものは2つに分けられると思います。まずは興奮系のものになります。興奮系のものは覚せい剤に類似していて、急性の錯乱状態を引き起こし、幻覚、妄想状態になるなど不穏で攻撃的になるなどの特徴があります。抑制系のものは、急激で深い意識障害を起こして問題になる。多彩な身体症状を起こして、これは身体科救急に搬送をされるというようなことが起きますね。興奮系のものは、精神科の対象になりますし、意識障害や身体症状で本人はパニックになって、身体科救急に運ばれるというのが起きています。さらには、共通してみられるのは、強い依存性というものですね。使っているうちに止められなくなっていく、量が増えていく。いろんな不都合が起きても止められない。そういう状況でうちのような依存症の治療をやっている病院に、最近は一日も止められないという患者さん達が増えてきているという現状があります」
島田キャスター
「それぞれ診てもらうところが違うんですね。同じような薬を使っても」
成瀬氏
「この先どういうものに変わっていくのかはわからないのですが、現在出回っている脱法ドラッグは、臨床的に見ると興奮系、抑制系、沈静系ですね。興奮系と抑制するものに分けて見ていくということが1つの見方になるかと思うのですが、ただ、1つの商品に興奮系と沈静系が一緒に入っているものが少なくないですね。ひっちゃかめっちゃかになってもおかしくはない」

脱法ドラッグ 人体への影響は
島田キャスター
「何種類ぐらいあるのですか。脱法ドラッグというのは」
成瀬氏
「脱法ドラッグは、数限りなくあると思います」
藤井議員
「商品でいうと約1400種類ですね。指定されている、科学物質がね」
小森氏
「この間、2種類緊急指定された時に、パッケージが出ましたけれど、2種類だけであって、あれが全てではないですけれども。あれだけ商品があるということですから」
島田キャスター
「と言うことは、使っている本人は、これがどういう作用が出るのかをちゃんと把握して使っていない場合もあるわけですか?」
成瀬氏
「そうですね。それを体に入れるという前提で店では売っちゃいけないという、そういった、要するに体に入れるものとして売っていないという前提ですから。表面的には決して体に入れないでください。摂取しないでくださいということを言うわけですね、法律を逃れるために。なので、たとえば、覚せい剤のようにどれぐらい使えば、どういうふうにという、使用者から教わるというようなことはないわけです。さらにいうと、商品の数だけ脱法ドラッグがある。さらには、同じ商品でも中に入っているものが同じである保証は何もないわけですね」

なぜ自動車事故多発
島田キャスター
「今年に入ってからだけでも、かなり多くの自動車事故に脱法ドラッグが絡んでいると思われるのですが、指定薬物、脱法ドラッグが原因とみられる主な事件、事故はざっとこんなにあるんですけど、脱法ドラッグを使うとなぜ事故にこんなにつながってしまうのか。そのへんをどのように分析されていますか?」
成瀬氏
「事故を起こす多くの人は、脱法ドラッグでも、沈静系、抑制系のものを使っている人が多いと思います。それも強力だというのは、先ほどもお話しましたけれど、臨床的印象ですけれども、大麻の数十倍の強さがあると思います。ちなみに、興奮系のものは、覚せい剤よりも数倍強いと思います。強いというか危険なわけですね。この沈静系のものを使った場合でも急な意識障害、それも深い意識障害が、たとえば、他の睡眠薬と飲んでとか、お酒を飲んでとかというレベルではなくて、急激に意識障害が来た場合にそのまま気がついたら突っ込んでいたということはしばしばあります。では、何で家に帰ってから使わないんだとよく言われますけれど、これはたばこを買いに行った人がすぐ火を点けて吸うのと一緒で家まで待てないわけですね。なので、買ってすぐに吸うと。ただし、なぜ頻繁に起きたのかというのはいろんな考えがあるかと思いますが、1つは同じ感覚で吸った場合、以前のものより強力であれば、あるいは急激に意識障害を起こすものであれば、前と同じ感覚で吸った場合、えらいことになりますよね。そういったことで、そんなはずではなかったのにという事故が起きているのではないかと。もう1つは、意識障害とは別に、体が硬直する。動かなくなるというようなことを説明してくる患者さんも何人もいます」
反町キャスター
「沈静の薬効があっても硬直するのですか?」
成瀬氏
「体が動かなくなるのでハンドルも動かせない、アクセルも離せないというような、コントロールできない状態になって朦朧としていて突っ込んでいくというようなことも起きているのではないかと思います」
反町キャスター
「吸引直後は、本人の気持ちは体が硬直する前だったら、吸引した直後は気分がいいわけですか。その状態でハンドルを、エンジンスイッチを入れて、運転し始めた途中で硬直して突っ込んでいくという理解でよろしいですか?」
成瀬氏
「硬直する場合もあります。あるいは最も多いのは意識が急にガッとなくなって」
島田キャスター
「急になくなるわけですか。それまでは平気だったのにパッとなくなる」
成瀬氏
「危ないと思ったら車を止めるはずですから。止める間もなく突っ込んでしまう」
島田キャスター
「埼玉精神医療センターの2013年度の薬物による物質使用障害の患者数をあげてみましたが、新規の外来、救急病棟の入院、依存症の病棟の入院。それぞれで、脱法ドラッグで来た人が群を抜いているんですね。説明していただけますか?」
成瀬氏
「これまで長年、我が国では覚せい剤が第一の問題薬物で、ずっと精神科医療の中でも覚せい剤が特別な位置を占めていたわけです。それがこの3年ぐらいですね。平成23年6月から、うちには現在の脱法ドラッグの患者さんがぽつぽつと来られましたけれど」
反町キャスター
「ここ2、3年の話ですか?」
成瀬氏
「そうです。それが昨年度いっぺんに増えていると。増えているだけではなくて、集計してみると、不動の位置にあった覚せい剤の患者さんの数を抜いているということ。さらには、今年度4月から6月の3か月間だけを見たのですが、その3か月の数字で言いますと外来の患者さんは昨年の半分ぐらい来ていらっしゃいますし、救急病棟の入院患者さんの数でいうと、昨年の数に迫る状況で、ほとんど4分の1の期間で、昨年に匹敵する数の方が精神病状態で救急病棟に入院しているということが起きていますので、まだまだ加速していると感じています」

社会に及ぼす影響は
島田キャスター
「厚労省の推計によりますと、脱法ドラッグの使用経験者が全国に40万人といるという推計があるのですが、脱法ドラッグが社会に及ぼす影響については?」
藤井議員
「脱法ドラッグの影響というより、特定できることが難しいと思うんですね。脱法ドラッグのみに限定された話かどうかというのはこれははっきりしないことがいくつもあるので。厚労省が指摘しているように増えていることは間違いない。もともと日本になかったわけですからね。そもそもいわゆる違法薬物だって、平成19年から法律が動き出したばかりで、まだ5年しか経っていないです。だから、5年間でこれだけなるというのは、実はその前にあったかもしれないけど、わからない。だけど、特に今年になってからですが、報道とか、取り締まりの情報がいっぱい出てきますので、いっぺんに出てきたような気もするんですけれども、本当は現在いっぺんに出てきているのか、あるいはじわじわと増えてきたのが、現在ちょうど人の目につくようになってきたのか、わかりづらいですね。厚労省の研究班の調査と、いわゆる救急搬送された患者さんの数を調べているのですが、23年度が48例しかなかったのが、24年度になったら、これが69例になっている。だから、その前の段階から実は増えていっている。その後がこんなに増えているんですよということなのではないかという気がします」
島田キャスター
「脱法ドラッグの規制の現状というものを紹介していきたいと思うのですが、取り締まり強化ですね。まず2007年に改正薬事法で危険性が認められた薬物を指定薬物として医療や研究以外での輸入、製造、販売などを禁止しました。2013年に成分の似た物質をまとめて規制対象とする包括指定というものが導入されましたが、これは画期的だったということなのですが」
小森氏
「そうですね」
島田キャスター
「化学式みたいなもの」
小森氏
「当初は、たとえば、JWH‐018というのが一番有名。現在、麻薬になっていますが、こういう形をしています。JWH-018が規制されたら今度はちょこっと変えた。それが規制されたら、またちょこっと変えた。皆別の薬物ですから規制が及ばなくなる」
島田キャスター
「これまでは」
小森氏
「ええ。そうなったら、つけ足したりしてまた違う物質になりますから、これは従前の規制が及ばなくなる。その次は塩素ですね、CNですからね。これを変えたと。そうしたらこれまでの規制とは別の物質になるのですから、これでは規制が及ばない」
島田キャスター
「次から次へと新しいのが出ては規制をしていた過去がある?」
小森氏
「それなので、この基本骨格のところですけれど、ナフタレンインドール環ですが、ここのところにいろいろくっつけたものは、七百いくつ規制できるようにしましょうという形になりました」
反町キャスター
「基本骨格さえ崩れていなければ、脱法ドラッグとしての効果は、皆、同じものなのですか?」
小森氏
「ほぼ同じですね」
島田キャスター
「この包括指定にしてから効果はあったのですか?」
小森氏
「ええ。包括規制はまず理論的に、現実に市場に出てくる前に規制できる。頭で考えたものですから、そういうプラスの面があります。それから包括規制はさすがに効果があって、この間、分析の方の話を聞いたら、包括規制前と後では市場から、ナフタレンインドール型のカンナビノイドはなくなったと言われました」
藤井議員
「この合成カンナビノイドが日本で初めて包括指定を、厚生労働省がしたものですが、この時、ここにRという、先生が基本骨格の下にいろんなものがくっついて、亀の甲のように下に色がついて全てですと、五百、七百と、この下につくであろうものも実は特定されているんです。それは何かというと、コンピューター上でこういうものは合成可能だと言われるものが、全部リストアップされているんですよ。だから、たぶん、この包括規制をやったことで合成カンナビノイドと言われている物質がたぶん想定されるものが全て、これで指定されたことになっている」
小森氏
「だから、厳密にいえば個別的に数も数えられるぐらいですから、特定性というのはあるのですが、そういう意味で包括規制と言っても、個別規制を一度にボンとやったみたいなものです。ただ、理論上、現実に市場に出ていない商品もやりましたので、そういう意味では効果はすごいと」

指定薬物への「緊急指定」
島田キャスター
「いろいろ規制をかけてきたのですが、池袋の事件で2物質を指定薬物に緊急指定とありますが、緊急指定というのがまた新しいと。説明いただけますか」
小森氏
「条文にはあったんです。審議会にかける暇がない時はできると。今回はそれをやって適切だったと思いますよ」
島田キャスター
「何ですか緊急指定というのは。どういう問題があるから緊急指定なのでしょうか」
小森氏
「指定薬物にするためには、審議会の意見を聞いてから、パブリックコメントをやらなくてはならないんですね」
藤井議員
「手続きが大変なんですね」
島田キャスター
「どのぐらいかかるのですか?」
藤井議員
「普通は、それは月単位になりますからね」
小森氏
「半年ぐらいかかると言われています。緊急指定は、パブリックコメントなし、審議会なしですね」
藤井議員
「だいたい1か月以内で」
小森氏
「15日でやっていると」
反町キャスター
「これは指定薬物に緊急指定にできると言いながらも、結局ずっと続く話なのではないのですか?」
藤井議員
「そうです」
反町キャスター
「いたちごっこを断ち切るにはどうしたらいいかという議論を、国会ではそういう議論はまだ起きていないのですか?」
藤井議員
「まだ起きていないと言った方が正しいと思います」

「検査機関中の販売停止」
島田キャスター
「現在、検討されているのは、政府が指定薬物の疑いがある製品を検査する間、店に販売の停止を命じる方針を決定したと。これはどういう効果を狙っているのですか?」
藤井議員
「それはまさに検査するまではわからないから、勝手に使われるのをちょっと止めておくと言うんでしょうかね。検査結果が出るまで待ってよと。違法性のものが何もなければ、その時は解除をするというんですかね、要請を。出てきたら、それはダメですよと言っちゃう」
島田キャスター
「それは根本解決につながる道筋なのでしょうか?」
藤井議員
「そもそも脱法ハーブを根本解決するという話は出てくると思いますよ。脱法ハーブは、新しい化学物質が世の中にどんどん出てきている。特に、はっきりいって、21世紀に現在なっているけれども、20世紀の後半からと言ったらいいのでしょうか、科学がどんどん進歩して、コンピューターでそういったものを解析する。そうした時に、新しいものが世の中にいっぱい出てきているわけですよ、毎年、何万以上の新しい物質が。その中で、このような反社会性を目的として使おうとしている人は目を皿のようにして探しているかもしれないですが、社会全体はとてもそういうことをやっているわけにはいかないと思うんです。それから、規制というのは本質的に、もし規制だとするならば、先行して止めるというのは、それは別途あってもいいのですが、これまでの薬物の、こういう規制というのは本来、規制先にありきではないんです。乱用とか、社会問題が起こったという事実があって、それに対して社会がどういう対処をするかという、後追いにこれまでもなっているんですね。だから、おっしゃられたように、それを前もってやる方法がないかと言われたら、それは考えないといけないとなると思いますよ。それから、もう1つ言うと、この種の規制をやる時に、どうしても日本国内だけで済むかといったら、済まないんですよ。だから、国際社会と連帯しなくてはいけないところがいっぱいあるわけですね。原材料はおそらく、国内ではつくられていないですから。どこかから密輸か何かの形で入ってきているんです。そうしたら日本では、こういうものをこう規制しますよということを明示しなければいけないですね。それは世界各国でそうしてくださいと。これにはこういう有毒性がありますよと言って各国了解をしてもらったら、その連絡も取れるし、それは国連が新しくこれは禁止しましょうと条例案を出す。それをやらないと、この薬物の問題点というのは実は国内問題だけではないところも私どもは無視できないところです。だから、国内で全部やりましたと言って、お隣にいったら、よくあるのは、日本は薬物の最高刑というのは無期懲役ぐらいですよね。確か。でも、中国に行って死刑になった人がいらっしゃいますからね、日本人の方で。だから、そういう国際犯罪だと各国のいろんな状況がありまして、私どもはこれに対して、非常に関心を持っています。だから、これをやりますと世界に知ってもらわないといけないんですよ。知ってもらって初めて、私どもがこういう方針を打ち出しますと、協力してくださいねというお願いをしないといけない」

「脱法ドラッグ」取り締まり・規制の課題
島田キャスター
「日本は世界に働きかけをしているのでしょうか?」
藤井議員
「国連では毎年、麻薬の関係の委員会、これはウィーンにあるのですが、日本からかなり提言はしていまして、現在、規制の国連のルールで決められている規制薬物というのは決まっているわけです。いわゆる麻薬の問題であるとか、覚せい剤系のものとか。新しいものを規制せざるを得ない状況になってきている。だから、これまで指示してきたもの以外の、国際的に未規制と言われているものを規制するという方向を打ち出すべきだとの提言は日本からかなりさせてもらっているんです。それを理解していただける国が多いかと聞かれたら、必ずしもそれは俺達の話ではないということもあるわけですよ。それは自分達の国の薬物の問題と言ったら、まさに違法のケシのもの話であったり、コカの話であったり、いっぱいあるわけですよ。こういうケミカルズの方にまだ来ていないという国がいっぱいあるわけですので。なぜ薬物問題は何もないと言われている日本がなぜそんなことを心配するんだというような言い方の国の方が、どちらかと言うと現時点で多いですね。麻薬は明らかにベースが植物ですね、ケシとか、アヘン、ヘロインとか。コカからコカインにいくという。だから、生産地というのがあるわけですね。生産地というのはかつてのゴールデントライアングルであったり、アフガニスタンであったり、中南米であったりすると。一大消費地というのは先進国ですね。このようないわゆるケミカルズという場所を科学的につくりあげたものが、どこで乱用されるのかという話になってくる。これをつくっているのはどこですかと言ったら、現在言ったような国でつくっているわけではないんですね、多くの場合。日本でMDMAエクスタシーというのがだいぶ流行った。どこでつくられていたかと言うと、ヨーロッパでつくられていたんです。だから、同じような問題点が指摘されて日本でも麻薬指定をしたんですね。世界各国の国連のルールでは、ATSというアンフェタミンタイプの刺激薬です。MDMAを規制対象にしましょうと流れていった。それは、そういったバッググラウンドに共通する国が結構あったから動けた」
島田キャスター
「国際的な情報交換システムは、日本は先を行っているのですか?」
藤井議員
「日本は先を行っていると思います。覚せい剤の原材料規制を最初にやったのは日本ですからね」
島田キャスター
「現実的には人材や予算の問題もあるかと思いますが」
小森氏
「対策としては、新しい品物が入ったらそれを早急に指定薬物にすることです。迅速なのが一番です。でも、そうなってくると、聞いた話では分析ができる人が日本では10人ぐらいしかいないということを一昨日の警察のシンポジウムで聞いたんですね。本当なのかは別として人が増えれば早くできるようになる。新しい機械を入れればはやくなる」
島田キャスター
「この取り締まりにかける予算は日本に潤沢にあるのですか?」
藤井議員
「少ないと思いますよ」
反町キャスター
「麻薬捜査や取り締まりの予算の総額がいくらとかあるのですか?」
藤井議員
「たとえば、麻薬取締官の運営をやっているところというのは予算額はたかがしれています。5億円ぐらいですよ。全然足りないです」
島田キャスター
「理想を言うとどのぐらい?」
藤井議員
「日本の場合はどちらかというと、一般的犯罪の取り締まりは警察の方々が結構いらっしゃるんです。たとえば、アメリカではこういった薬物犯罪を専門に摘発するDAという組織があります。これはFBIと違うわけです、別にあるわけです。ここが組織的にかなり特殊で、人数は何千人もいらっしゃいます。そこは諸外国に事務所を置いて、薬物情報をとっている。それでもアメリカはあれだけ乱用が消えない。だから、アメリカはアメリカで悩みはあるのですが、取り締まり側から見るとアメリカの人数は羨ましいと思います」

規制の現状&問題解決への課題
藤井議員
「イリーガルな国際取引でどのぐらいの金額が動いているかというのは、一番多いのは何かと言ったら兵器ですよね。兵器が圧倒的に高いです。二番目に多いのは何かと言ったら薬物です。だから、それだけのものがまさに国際取引である種の組織が潤っていると言った方がいいのかもしれない。それで日本はどちらかと言うと、バイヤー側です、買う方ですよね。だから、どちらかと言うと被害者意識の方が出てくるのですが、こちらサイドでも国際的な協力をしてあげないと向こうでも国内対応の問題があるはずですからね」

依存者の「回復支援」
島田キャスター
「日本がやるべきことは他にありますか?」
成瀬氏
「我が国は、世界に比べてもトップクラスの乱用防止対策の取り締まりを進めてきたと思うんですね。それがために、取り締まり一辺倒で薬物問題に対処してきたというのが我が国の特徴だと思うのですが、その反面、依存症になってしまった、やめられなくなってしまった人の治療、回復支援が三流以下と言わざるを得ないくらい先進国の中でも最低レベルです。我が国で薬物依存症になってしまったら、回復が大変という状況です」
島田キャスター
「それはどういうことですか?」
成瀬氏
「まず薬物依存症を治療する医療機関も全国で10か所余りしかありません。薬物依存症を専門にしている精神科医も、精神科医は何万人といるわけですけれど、20人、30人いないだろうというレベルです。我が国は薬物依存症の治療のシステムはできていないと言わざるを得ない状況です。これは皮肉にも、取り締まりが世界一流で来たがために、それ1本で何とかなってきたという歴史があるからと言えるかもしれませんけれど、この脱法ドラッグのようななかなか取り締まるのが大変なドラッグが出てきた時に、どう対処するか。我が国の一番の弱点を突かれているのが、この脱法ドラッグ問題だと思います」
島田キャスター
「依存を取り除くためにはどういう治療が必要になってくるのですか?」
成瀬氏
「決して特殊な治療ではないんですね。人を信じられるようになるために、だいたいは集団で治療をします。自分の正直な思いを話せるということが、人との信頼関係をつくるうえでとても大事なんですね。ですから、それはミーティングという形ですることであったり、ワークブックを使って一緒に勉強しながらであったり、とにかく長い期間をかけてでも自分の安心できる居場所と仲間ができた時に、薬物は止まっていくということがいろんな報告から見えてくるんです。1か月、2か月と入院したから治るというレベルのものではなくて慢性の疾患ですから、ずっと支援、治療を受けながら、社会の中で止め続けていくということこそが重要ですね」
藤井議員
「現在、日本の法律の中では、たとえば、麻薬取締法という法律は福祉面を持っているんですね、取引だけではなくて。それは日本においては中毒の問題が大変な問題だったから、福祉的な治療の方も、法律の中にちゃんと書かれていまして、義務的に治療を受けていただけるような仕組みができあがっているんです。ところが現在、成瀬先生がおっしゃられたように、そこまでの麻薬中毒という段階までいく前の段階の方々をどこでコンサルティングすれば良いのか、どこの医療機関だったら相談に乗ってくれるのかと、そこが非常に日本の施設としては乏しい。鑑定も少ないのですが、専門に診ていただける先生というのも国内では残念ですが少ないです」

藤井基之 自由民主党参議院議員の提言:『民意 醸成』
藤井議員
「私が選挙に立った時に、お約束したのが『AフリーBフリーDフリー』。Aというのはエイジーフリーで、Bというのはバリアフリー、Dというのはドラッグフリー。ドラッグフリーと言うと誰かのお薬をタダにするのかと聞かれるかもしれませんが、そうではなくて、薬物乱用がない会をつくりたいということですね。国会議員に1人ぐらいそんなことを言っているやつがいても良いのではないかと私は思っています。そういった規制をやろうと思った時には多くの方々がなるほど、そうだと言ってもらえないと1人旗を振っても、なかなかそうはいかないんですね。私は今回観ていただいている視聴者の方々、脱法ハーブも1つの例だと思います。そうでなくても覚せい剤にしてもいろいろな薬物問題がありますので、これを日本国内からなくしましょうと。そのためには、民意の醸成がいるのではないのでしょうかということを書かせていただきました」

弁護士 小森榮氏の提言:『使用者の削減』
小森氏
「脱法ハーブ、特に規制の薬物は他と違い捕まる機会が少ない。だから、利用者、乱用者に働きかける機会が少ないので、何かあって捕まった時、別件で直接捕まえない時でもなるべく治療とかに結びつけるような形で、少しでも1人でも利用者を削減していく。それが薬物問題の解決だろうと思います」

成瀬暢也 埼玉県立精神医療センター副病院長の提言:『取り締まり一辺倒の対策から 治療・回復支援との両立を!』
成瀬氏
「緊急に進めていただきたいと思います。我が国だけ取り締まり一辺倒でうまくいってきたがために回復支援、治療が著しく遅れているアンバランスを現在こそ変える時だと思います」