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2014年7月15日(火)
“原発廃棄物”処分場 中間貯蔵施設の行方は

ゲスト

井上信治
環境副大臣 自由民主党 衆議院議員
礒野弥生
東京経済大学教授
開沼博
福島大学特任研究員

中間貯蔵施設の行方
島田キャスター
「中間貯蔵施設と福島の指定廃棄物の最終処分場についてですが、中間貯蔵施設の候補地というのが、双葉町と大熊町、この両町にかかっているんですね。指定廃棄物の最終処分場は富岡町にある民間の産業廃棄物の最終処分場、フクシマエコテッククリーンセンターというところを活用する計画になっているんです。まずはこの中間貯蔵施設から話を聞いていきますが、中間貯蔵施設は、福島県内の除染に伴う汚染土や廃棄物のうち10万ベクレル/kgを超える高濃度のものを30年間保管するとされています」
反町キャスター
「10万ベクレルというのは、それを超えると危険度はグッと増すとかね。なぜ10万ベクレルで線を引いたのか、その根拠は何かあるのですか?」
井上環境副大臣
「グッと増すということではありませんけれども、それは放射能の濃度によって外部に与える影響、あるいは人体に与える健康被害。それはだんだんと高まっていきますから、一定のところで線を引いて、それぞれの濃度に合わせた処分、管理方法を考えていくということになります」
反町キャスター
「特に医学的な根拠があって10万ベクレルで線を引いたとか、そういうわけではないんですね?」
井上環境副大臣
「それは、いろんな医学的な見解もありますので、そういったことを、それぞれ様々に反映をさせながら、私どもの方も、そういった有識者の方々の会議なども立ち上げて、そういったところで検討していただいた」
反町キャスター
「そこが妥当なラインだろうと」
井上環境副大臣
「一定の基準を定めたということになります」
反町キャスター
「一応、確認ですけれども、今回この中間貯蔵施設に持っていくものというのは、あくまでも除染に伴う汚染土、ないしは出てきた何かを燃やしたあとの廃棄物であって、いわゆる本体のデブリと呼ばれるようなものとか、そういう濃い、危険度の(高い)ものを何か動かすということ。それは全く別の話ですよね」
井上環境副大臣
「それは重要なポイントで若干誤解されている方もいらっしゃるのですが、原発の敷地内から出るデブリだとか、そういったものは放射能の濃度が基本的に高いものですから、そういったものとは違うということ。それを理解していただきたいですね」
島田キャスター
「この中間貯蔵施設については、いろいろな経緯がありまして、まず2011年10月、震災のあった年ですね。環境省が中間貯蔵施設の基本的な考え方を策定し、公表しました。それから3年ぐらい、現在経っているんですけれども、その後、2013年11月、国が第一原発周辺の土地を購入して、国有化を進める方針を発表。その翌月に、国が地元の自治体に対して中間貯蔵施設の設置を要請したのですが、こういった様々なやり取りを経て、今年2月に、福島県知事が双葉町と大熊町に中間貯蔵施設を集約することを決めて、国も了承して現在の候補地になって、5月から6月にかけての住民説明会開催に至ったわけです」
反町キャスター
「住民側の疑問に答える説明会というのは何回も何回もやっていく予定であるという理解でよろしいですか?」
井上環境副大臣
「住民説明会の主旨ですが、我々としては、住民の方々に直接、丁寧に説明をしていくということと、もう1つは住民の方々のいろんなご意見を伺うという場だという理解で開催をさせてもらいました。ですから、そこで言っていただいたご意見に対してはきちんと回答していこうと。ただ、今後も住民説明会を何度も何度も開催をして、それで積み上げていくかとなると、そこはちょっと、今後のやり方についても地元とよく調整をしないといけないと思っています」
島田キャスター
「5月から始まった住民説明会。現在やっているところですけれど、その後、福島県、大熊・双葉両町の受け入れの是非が判断されます。用地を取得、詳細の設計があるんですけれども、段階的な工事を実施していこうと。来年の1月にはこの中間貯蔵施設への搬入を開始するんだと。こういう計画ですね。その後ですけれども、30年以内に福島県外で最終処分を完了するという流れ、計画を立てているということです」
反町キャスター
「搬入開始ということは、要するに、現在福島県内のあちらこちらに仮置き場に袋詰めになっているわけではないですか。1月までに何かしら、コンクリートならコンクリートの、そういう置き場ができて、そこに持っていくということですよね。1月までにそういう施設を全部完成させるという意味ではないですよね?」
井上環境副大臣
「そうです。これも誤解のないように申し上げますが、その施設自体も、非常に広大な施設です。それから、運び込むべき汚染土壌もすごく膨大な量がありますので、27年1月にスタートしたら、何かすぐ大きな施設ができて、全部運び込まれるということは物理的に難しいと思っています。他方で、住民の方々から見ると、現在自分達が住んでいるところの近くに仮置き場があって、それが心配だと。はやくこれを運んでくれという要望が多いものですから、そういう意味では、まずはとにかくそれを移し、中間貯蔵施設の敷地の中にとにかく搬入をさせよう。ですから、いろいろ手順が書いてありましたができるところから順々にやっていくという話になります」

福島・地元住民の考えは
開沼氏
「なかなか情報が伝わってきていないという声は非常に大きくありますし、一方で情報が伝わってきていても、非常に語りにくいということを皆さんおっしゃりますね」
反町キャスター
「どういうことですか?」
開沼氏
「立場があらゆる段階に分かれている。一番は何で復興のためにと言われながら、私達の土地が犠牲にならなければいけないのかという、ツライ思いをしていらっしゃる方ですね。一方で、先ほどの説明会でもありましたけれど、わかりましたと。そういうことで進めるのであれば、どういう条件で、私達の生活再建につながっていくのかということを言う方もいる。その中でも、土地を持っている方もいらっしゃれば、賃貸で借りている方もいる、あるいは今回の中間貯蔵の範囲ではないが、帰れないという方もいらっしゃる。その方達同士でいろんな条件が変わってくるから、お互いに何を話していいかわからない。ちょっとお金の話にも関わってきますから、非常に難しい問題ですね」
反町キャスター
「たとえば、土地を買いとるか、借り上げるか。いずれにしろ、いくらでやりますという具体的な金額の提示みたいなものというのは説明会ではあったのですか?」
井上環境副大臣
「それはしていませんね」
反町キャスター
「それはなぜされなかったのですか?住民側の中には、そういうものを知りたいという声もあったと聞いています。大規模な住民説明会で表にされなかった理由はなんですか?」
井上環境副大臣
「まずはこの中間貯蔵施設自体の、受け入れについて、いろいろご意見を伺おうという機会だと思っていまして、その具体的な、たとえば、用地補償の額ということになりますと、これはむしろ合意をしていただいたあとで、個別の地権者の方々との交渉におけるテーマだと思っています」
島田キャスター
「でも、普通は、たとえば、土地の交渉のやり取りをする時に、まずはどういう条件を出してくれるかというので考えますよね。だけれど、売ってくれますかというだけで、借りてもいいですかというだけで、合意に至るということはなかなか難しいのではないですか。つまり、条件を出さないと」
井上環境副大臣
「おっしゃる通り。ですから、いわば土地の売り買いをする地権者交渉に入った時は、当然のことながら出そうと思っていますが、今回の住民説明会というのは、むしろ町として、いったん施設を受け入れていただくことができるのかと。それに関する説明であって、たとえば、出席者の町民の方々の中で、実際の地権者というのは、一部分ですね。町全体を買い上げたいわけではありませんから。ですから、そういう意味では、ちょっとそれは段階の違う話だという整理をさせてもらいました」
反町キャスター
「そうすると、補償の対象と言っても実際に地権者の方々に対する補償の形もあるでしょうし、地権者ではなくても、そこに土地を借りている人、そこに住んでいる人とか、そこに通勤している人とか、その周辺に住んでいる人。その人達によって、いろいろ濃淡が出てくるという理解でよろしいですか?それとも、補償の対象というのは地権者だけですか?」
井上環境副大臣
「そういう意味では、補償としては地権者です」
反町キャスター
「だけ?」
井上環境副大臣
「はい。それ以外にも、住民の方々の生活再建策、あるいは地域の振興策を示してほしいというご要望をいただいていますので」
島田キャスター
「この間の説明会で出たものをまとめられたものですね」
井上環境副大臣
「はい。ですから、生活再建、地域振興に関して地権者だけではなくて、住民の方々にとっても、それがいわば裨益すると。そういった話になります」
島田キャスター
「具体的に予算をつけて、たとえば、振興するとか、そういう話ですか?」
井上環境副大臣
「はい、そうです。具体的にどういった予算をつけるのかということについて現在交渉をしていると。そういう段階になります」

住民説明会での要望は
反町キャスター
「話の進め方としてのプロセスですが、いきなり町の人達を全員集めて、たぶん違うやり方をしていると思いますよ。僕の知っている限りでいうと、町の人達を皆集めて、ここにつくりますからどうですかと言うと、それぞれ個々人の利害が全部、別々なので、地権者の人はいくらで買ってくれるのか、もしかしたら第一優先、懸案事項かもしれない。地権者ではない人にしてみたら俺の生活を誰が保障してくれるんだということかもしれない。他の人にしてみれば、地域コミュニティをどう維持するのということかもしれない。それぞれの個別の利害を各個にそれぞれ均したうえでの全体会議に持っていくプロセスというのも1つあったのではないですか?いきなり全体会議やって、それで利害が噴出して、本当は収まりがつかなくなった。こういう見方はないですか?」
井上環境副大臣
「そういう意味では、県や町と調整をしていると」
反町キャスター
「いや、だから、上から降りてくるわけではなくて、僕が言っているのはそういう意味です。僕が言っているのは上から降りてくるのではなくて、まずそれぞれピンポイントの個別の利害を、まず調整、きめ細かく潰していくことを先にやっちゃえば、全体の住民会議というのは極めてスムーズに、それぞれの腹に持っているものは違っても、会議全体としてはどうぞという話になる会議になりませんかということで言っています。そういうやり方をしないものですか?こういう時は」
井上環境副大臣
「住民の方々は人数が多いわけですね。個別の立場も違えば、考え方も違うと。そういう中で、いわば全ての人の意見を積み上げていくというのはなかなか現実的には難しいと思います」

30年後 福島県外は可能か
島田キャスター
「30年以内に廃棄物を福島県外に出すことを法制化とありますけれど、法律で明記するということでよろしいのですか?」
井上環境副大臣
「はい、そうです」
島田キャスター
「最終処分場というのは決まっているのですか?」
井上環境副大臣
「決まっていません。これは中間貯蔵施設、30年間、貯蔵していただくことですが、それが結局、最終処分場になってしまうのではないかという心配が住民の方々にすごくあるんです。ですから、あくまで中間だということを、法律で担保してほしいと。そういうご要望をいただいて、我々の方で法律をつくりますというお答えをしています」
礒野教授
「法制化をすることで義務を課すという形になるわけでしょうけれども、その義務を果たさなかった時にどうするのかという、その担保をどういう形でするのかということですね。そのあたりはかなり難しいでしょうし、法制化するのが一番いいのか、それとも協定のような形で、サンクションをかけるとか、いろんな方法があるような気がして、住民の人が納得するような手法というのを共に考えていくことが大事ではないかと思っているんですね」
島田キャスター
「これに関わってくると思うのですが、用地の賃貸借というものがあるんですけれども、売るのではなくて、貸し借りでやりたいとの要望があるのですが、これについてはいかがですか?」
井上環境副大臣
「この賃貸借という話もたくさんご意見をいただいていて、その理由は大きく2つあると思っていまして、1つが現在話題になった、最終処分になってしまうのではないかと。賃貸借なら取り返せるということになりますからというのが1つ。もう1つはそもそも先祖伝来の自分達の土地を手放したくないというような理由で賃貸借でというふうにご要望をいただいています。我々としては賃貸借を含めて、幅広くいろいろ検討をしますというところまで約束をしています。なぜかといいますと、本来は30年間、安全に管理をしていくというのが一番大事だと思っているんです。安全に管理をしていくには、所有権を国に移転をしてもらいたいというのが、これが我々の一番の考えですね。ただ、そういう中で現在言った住民の方々のお気持も理解できる部分がありますから、何か良い方法はないかということを検討しているということです」
反町キャスター
「30年の間に、たとえば、コンクリートで様々な建物ができて、必要なところにある家屋はつぶして、畑も全部。そういった意味では別の目的のところに変えているわけではないですか。そこの部分を原状復帰というわけにはいかないでしょうから、そのままお返しをするという、そんなイメージですか?」
井上環境副大臣
「国が地上権を設定するという考え方もあるんですね。地上権というのは国が30年間、この土地の使用権を物権として買い取るということになります。ですから、そうすると、30年の期限つきですから、確実に返ってくるということにはなります。物権ですから権限が強いんです、賃貸借の中でも。そういう意味では安定した管理も、賃貸借よりはやりやすいと。ですから、たとえば、こういうアイデアとか。ただ、これは基本的に原状回復しなければいけないというルールもあるものですから、そこをどうしていくかとか、いろいろ論点があるものですから、まさに幅広く検討をしていると」
島田キャスター
「いつ頃までに、それを決めたいと考えていますか?つまり、1月に搬入を始めたいということですけれども」
井上環境副大臣
「それは、当然のことながら、受け入れ合意をいただくまでにはきちんと国の案というものを固めて、それを提示したいと思います」
反町キャスター
「強制収用というものも最後は視野に入れるような案件なのかどうなのかと。どう感じていますか?」
井上環境副大臣
「法的には可能ということらしいですが、我々は、これは住民の方々の理解をちゃんといただき、それで実行していく事業だと思っていますので、そういうことは基本的には考えていません」

配置図案公表の意図
島田キャスター
「中間貯蔵施設の住民説明会で配られたパンフレットですが、この中にいろいろ書いてあるんですけれども、このような施設になりますという配置図が示されているんです。大熊町と双葉町をあわせて、およそ16平方キロメートル。東京ドーム20個分ぐらいの土地に廃棄物の貯蔵施設だとか、土壌貯蔵施設というⅠ型、Ⅱ型みたいなものがあったりだとか、たとえば、付帯施設とか、廃棄物貯蔵施設、減容化施設など、様々なものが入っているわけで、具体的にどこに何を配置するかというものもきっちりとここに書かれているのですが、このような施設というのはどのような経緯で配置図がつくられたのですか?」
井上環境副大臣
「経緯としては何が必要で、それをどういうところに配置をしていけばいいかということですから、たとえば、現地のボーリング調査など掘削を行い、その調査結果に基づいて、有識者の方々の検討会を設けて、そこで検討をしていただいて、配置図をつくらせてもらったという経緯です」
島田キャスター
「ただ、合意前ですよ、皆さんに説明をしたいという時の住民説明会にこれだけ具体的にどこに何を置くかが全部決まってしまっていることに違和感を覚えた、反発を抱いた人も少なくなかったと聞いているのですが、それについてはいかがですか?」
井上環境副大臣
「そこは考え方だと思います。先ほどのお話でもあったように、むしろ、その具体的な、詳細な説明がないと、おかしいというご意見もありますから、我々はこれについてはもちろん、あくまで合意をいただいたら実施する案ですけれども、我々としてはこういうものを考えていますということをお示しさせていただいています」
反町キャスター
「これは全体の中でできるのはわかるのですが、この中に土地、地権を持っている人だけではなくて、その周辺に生活基盤を持つ人達についても心配になることがあると思うんですけれども、周辺のところへの安全、敷地周辺の安全というのは、どうなっていますか?」
井上環境副大臣
「そういう意味では、図面で見ると、緩衝地帯ですね。ですから、これがバッファーになって外部への影響をこれが防いでいくということでありますし、周辺への影響が心配ということであれば、それぞれいろんなところでモニタリングなどをやって、放射線量などは常時チェックしていこうということになります」
島田キャスター
「福島県の女性からの質問です。『私は原発の避難者で、中間貯蔵施設の地権者です。地質調査にも協力したが、住民がないがしろにされていると感じます。何度も全体説明会をしたとしても、最後は地権者と直接話しあいが必要になると思いますし、まず原発事故が起きたことへの東京電力の正式な謝罪と、先祖代々守ってきた人々の無念と悔しさを思い、きちんと聞かないと話が進まないと思います。住民も中間貯蔵が必要だとは理解しています。しかし、頭ではわかっていても、心で納得するところにまで至っていないのが現状ではないでしょうか。このままでは中間貯蔵施設は無理だと感じます』との意見ですが、いかがでしょうか?」
井上環境副大臣
「おっしゃる通りというか、そういう地権者の方の声を重く受け止めてやっていかなければいけないと思います。私どももやっているつもりでありますが、なお、一層よく配慮をしながらやります」
反町キャスター
「この意見も、ピンポイントでいうと負の再分配かもしれないけれども、たとえば、先ほど言われた郡山に移転している人からすれば、目の前にある、汚染土壌がなくなる。仮置き場から撤去される。これはその人達にとっては前向きな話ではないですか。だから、ピンポイントでいうと負の再分配でも、全体で言えばもしかしたら負の確定かもしれない。それから先は進む話かもしれない。ただ、スケールで話をするとまとまらないのですか?」
開沼氏
「そうですね。これ社会学で受益と受苦の分割みたいなところですけれど、本当は利益を得る人と、それによってデメリットを受ける人が重なっていなければならないというところが、完全にデメリットを受ける人が全く別なところにいて、メリットだけを受ける人がいる。そもそも論で、これは福島で集まったがれきだけを、もしかしたら、そもそも東京、関東で使っている電気をつくっていく中で起こったことなのだから、日本全体で議論をするべきことだったのではないかという、いや、もしかしたら、これは理想論かもしれないですけれども、そういう視点に立ちながら、常に見続ける問題かなと思います」

指定廃棄物最終処分場 福島の候補地掲示のワケ
反町キャスター
「福島県内で出てくる8000~10万ベクレル以下のがれき等は総量でどのぐらいですか?」
井上環境副大臣
「指定廃棄物ということになりますと10万トンぐらいです」
反町キャスター
「10万トンの量の指定廃棄物が、この1か所に収められるということでよろしいですか?」
井上環境副大臣
「このエコテッククリーンセンター自体は100万(トン)近くの容量がありますから十分可能です」
島田キャスター
「ここを指定廃棄物の最終処分場にするという理由は何かあるのですか?」
井上環境副大臣
「最終処分場をつくらないといけない、ということになっていまして、第一原発の周りが、廃棄物が多いわけです。ですから、なるべく近いところにというのはあります。近い双葉郡の中で、既存の活用可能な施設があったということで、これを活用していけば、新しい新規のものをつくるということをせずにできるわけですし、そういう意味では迅速な処理も可能になっていくということでここを考えています」

計画…安全性は
反町キャスター
「8000~10万ベクレルの指定廃棄物最終処分場を帰還困難区域につくるとすれば、前半でやった議論、中間貯蔵施設であれだけ揉めているわけです。さらに大変なことになる?そういう危険性や長期化、交渉の難航が容易に想像できるのですが、そこはどう感じますか?」
礒野教授
「住民が納得しなくても、やってしまうということと理解するなら、そういうことになるけれども、両方ともどちらにしても理解を得るということが前提なら同じことになりませんかということです」
開沼氏
「そもそも放射性廃棄物を収めるためではない、施設であるというところに放射性廃棄物がいくということについての不安感は、当然住民なら持つと思うので、その点を解消しないことには、埋め立てました、あとは終わりですと言われても困ってしまう」
島田キャスター
「周りの近いところに民家があって、仮に汚染が漏れ出したとしたら、水に近いですから、いろんなところに汚染が広がってしまう危険性も環境的にあると思うのですが、いかがでしょうか?」
井上環境副大臣
「水というのは非常に大事だと思っていますので、いかに水を遮断することができるかということで、たとえば、廃棄物自体をコンクリートで固めて埋めようとしています。そこに遮水シートを重ねるとか、とにかく、二重、三重、四重の多重防護をしていって水から遮断していこうといろんな安全対策を考えてやっていきます。中間貯蔵施設でもそうですが、運搬に関しても、どうやって安全に…膨大な量ですから、効率的になるべく短期間で運ぶかというのは大きなテーマでありまして、現在、輸送の専門の方々に入ってもらって、検討会をつくって、この夏には輸送に関する基本計画を示していこうと思っています」
反町キャスター
「住民への説明会は終わっているのですか?」
井上環境副大臣
「終わっています。そこで安全制に対する不安とか、あるいはそもそも帰る地域になんでつくるのかとか、風評被害への心配とか、いろいろなご意見がありますので、引き続き詰めていくと言うことで、いろいろ対策を検討しています」

管理型施設 安全性は
島田キャスター
「産業廃棄物の最終処分場の種類ですが、どういうものがあるのですか?」
礒野教授
「遮断型というのは、非常に有害なものが流出していくのをしないようにする。管理型は、安定型がただごみを入れるだけの施設に対し、遮蔽抗をつくって、遮断型まではやらない。なるべくなら、きちんとした遮断型のものをつくられた方が良いのではないかと思います」
井上環境副大臣
「もちろん、先ほども申し上げましたが、それは管理型より遮断型の方が…というのはあります。ただ、新規の遮断型をつくることになると、つくること自体が非常に難しいハードルになってくる」
島田キャスター
「この施設を遮断型にすることはできないのですか?」
井上環境副大臣
「既存の管理型を遮断型に変えるとなると、全くゼロからつくり替えるというのと同じ話になってしまいますので、なかなかそれは難しい。かついろんなご意見があると思うのですが、我々も廃棄物処理の専門家の先生方にいろいろ考えていただいて、安全に対する措置、多重のシステムをいろいろ設けていますので、これでしっかりやっていく。もちろん、ご心配はあると思うので、たとえば、常時外でモニタリングをして、万が一の場合にもしっかりとそれをチェックして、それに対する措置がすぐにできるようにということも重ねていく」
島田キャスター
「実際に各地で破れの問題が起きているということですが」
井上環境副大臣
「私の聞いている限りでは、本当に技術の進歩もどんどんしていますし、過去に破れた材質のものがより良くなっているということもありますし、あるいは管理の仕方もどうやってやっていくか。たぶんいろんな観点があって、それは専門家の方々に考えていただいて、安全性に関してはこれで大丈夫ということでやらせていただいています」
反町キャスター
「管理型から遮断型に変えるための工期が半年か、1年だかはわからないのですが、そこは我慢できないのですか?」
井上環境副大臣
「おそらく管理型のものを遮断型に変えるのは、そんなに簡単な話ではないと思います。技術的な側面もありますので」
反町キャスター
「検討された雰囲気を感じられないのですが」
井上環境副大臣
「とにかく何でもハイスペックにやっていくということであれば、それは可能かもしれません。他方でなるべくはやくしなければいけないとか、いろいろな要請がありますよね。そういう中で管理型は既存のものですが、そこにいろいろな安全措置をやっていけば、安全に管理できると言うことで、現在やらせていただいているということですね」
礒野教授
「もう少しゼロから出発した考え方でやった方がよかったのでは」
井上環境副大臣
「お言葉ですが、これはゼロから検討をしまして、そのうえでこういう措置ということでやっています。そこは本当に誤解のないようにお願いしたいです。安全性が一番ですから、それが担保できないようだったら、進めることは考えていません」
開沼氏
「どう運用していくかという段階での継続的な情報発信等がないと、安全支援がまた再びという話になってしまいますよね。これで事故が起こったら、ホットスポットになってしまい、元も子もない話になります」

井上環境副大臣に問う 指定廃棄物最終処分場
反町キャスター
「何年かあと人々がこの周辺に帰ってきて、営みがそこで行われるようになった時の事故の避難経路とか、プロセス、連絡方法とかは整うことになりますよね?」
井上環境副大臣
「通常の処分場もそうですが、協定を結んで、どういうふうに関与していくのか。万が一の時にはどうするのか。そこはちゃんと合意を得て、協定を結んでいきたいと思っています」

井上信治 環境副大臣の提言:『信頼』
井上環境副大臣
「一番大切なのは信頼関係だと思っています。そう言う意味で、我々がきちんと地元の方々に信頼されるように丁寧な説明をして理解をいただく努力をしていく、これに尽きると考えています」
島田キャスター
「先ほどの地権者の質問ですが、『心の納得がない』と。心の納得は人によって違うと思うのですが、これを得ていくためにはどういうことが考えられますか?」
井上環境副大臣
「丁寧に説明して被災者の方々の、住民の立場に立ってどうしたらいいかということを考えていくことだと思います。ですから、いろいろいただいたご意見を最大限、叶えるようにやっていきたいと思っています」

礒野弥生 東京経済大学教授の提言:『リスクコミュニケーション』
礒野教授
「まさに信頼をどうやって得ていくかという問題だと思うんですね。こういう危険があるけれども、この危険とそれに対してどういう形で対応していくか。それを住民が参加しながらどうやっていくのかということについて、合意形成のため何度かコミュニケーションをしないと無理だという感じがしているんですね。もっと元には最初からの不信感があるわけですね。安全だと言われて、安全神話を信じさせられていって、そのあと事故が起きた時に、いろんなものが発信されてこなかった。昨日、一昨日もがれきが飛んできたのに何も説明されていなかったと。こういうようなことで1つ1つが積み重なってしまっている。そうすると、どうしても信頼ができない。申し訳ないのですが、石原環境大臣の金目の問題というような発言があると、もうそれだけで受け手の側は不信感でいっぱいになってしまう。むしろ誠実にちゃんとリスクについて説明し、危ないことについてきちんと開示していく。そのうえで、でも、必要だし、代わりに私達はこういうことをしますということをきちんと説明し、お互いに納得する話し合いが必要だろうと考えています」

開沼博 福島大学特任研究員の提言:『透明化』
開沼氏
「合意形成のためにという前に、まず理解がもっと必要なのではないかと。それは行政側が住民の状況を理解する、あるいはそれを囲む福島の外の人々もということですね。住民の側も理解できるような情報の提供というのを、ここまで拙速でできなかったのではないか、不足していたのではないかというところはあるのではないか。今日は論点が本当に絞られていて、全体の問題で輸送の問題もちょっとだけ出ましたけれど、これからとんでもないことになると。たとえば、国道6号線という、幹線道路に10トントラックが1時間500台から600台、つまり、1分間に10台。目の前に立っていたら6秒ごとにトラックが通るという状況がスムーズにいって2年から3年続くと言われていますから、おそらくスムーズにいかないので10年ぐらい続く。そうしたら公害の問題とかが起こってくるかもしれない。そこに付随して町づくり、復興とかの話も重なってくる。そういうところも継続して議論していかないとダメだということです」