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2014年7月9日(水)
菅義偉官房長官に問う ▽ 法人減税と軽減税率

ゲスト

野田毅
自由民主党税制調査会長 衆議院議員(前半)
榊原英資
青山学院大学教授(前半)
菅義偉
内閣官房長官 自由民主党 衆議院議員(後半)


前編

消費税軽減税率 導入の是非
島田キャスター
「4月から消費税率が8%になったわけですが、経済状況など勘案して、今年中に判断して、来年10月には10%に引き上げるかどうかということですが、その消費税に関しまして、昨年12月、税制改正の原案である与党税制改正大綱の中で、このような決定があるんです。『消費税の軽減税率制度については、社会保障と税の一体改革の原点に立って必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する』となっているのですが、軽減税率導入には、ここにあるように、国民の理解を得た上でということですから、与党税制協議会は、昨日から経済団体や消費者団体など46団体から意見を聞く、ヒアリングをスタートさせたのですが、ヒアリングが8月下旬まで続くということです。昨日と今日のヒアリングでの意見は、まず反対ですが、経団連は『税収が下がることは社会保障の充実に相当影響があるであろう』と。しっかりと公平にリスクなしでやろうとすると事務処理が大きくなるんだということで反対。また、連合は『高所得者に多くの減税、財源が回るから反対』というような感じです。賛成については全国消費者団体連絡会が『全ての飲食料品を対象にするよう』要求しました。全漁連も『加工食品を含めた水産物全般への導入』を要求しました。JA、全中なども賛成していまして、現在のところ、7つの団体で賛成があるようなのですが」
反町キャスター
「税が安くなる。どうですかと言われて、それは皆嬉しいと。そういう、もちろん、今日のヒアリングに来られた方々は、そんなシンプルな理屈で来られる方ではないというのは当然、わかっているんですけれども、軽減税率のデメリット。軽減税率を導入することによって、どれだけの歳入が足りなくなって、その結果、どういう形になるのかというところまで。これは説明しなくてもいいぐらいに、皆さんに知れ渡っているという感触ですか。それともデメリットを、ちゃんと説明しなければいけないという思いを新たにされたのかどうか。そこはいかがですか?」
野田議員
「両方あります。まだまだ社会保障の財源と消費税というのは一体不可分ですと。だから、仮に大幅に対象を拡大すれば、大きな減収になるということであれば、必ず基本税率なり、消費税の、あるいは既に予定している社会保障の歳出に影響をするということもあわせて表現したうえでお伺いはしているのですが、まだその点が十分見えている方は、個人的にはおわかりだけれども、世の中でいろいろ会話が交わされる中では、ほとんどそういうのは伝わっていない。だから、もっとそういうのをアピールしなければダメではないかという話があったり、特に4月に入りまして、法人税減税に充てろみたいな話になっていたりすると、そういう話もあったことは事実ですよ。あるいはもっと他の歳出にまわってしまうのではないかということを、まことしやかに言う方々も、現にいるわけです。だから、そのへんのアピールが弱いというお叱りもいただいている」
反町キャスター
「軽減税率を導入して、結果的に消費税引き上げによる増税分より、その歳入が減った場合、それは社会保障がその分手薄になるという理解でよろしいのですか。そのリスクはあるのですか。ないのですか?」
野田議員
「規模によりますよ。それは大きな穴が開けば、当然社会保障の制度そのものをどうするか。維持するためには税率を上げるということとつながっていく。これは避け難い現実だと思います」
反町キャスター
「軽減税率の導入が消費税のさらなる引き上げのバネになるという意味ですか?」
野田議員
「も、あり得ると思います。規模による」
反町キャスター
「公明党はそこもわかって言っているのですか?」
野田議員
「わかっていると思います。そこは何べんも。そこが社会保障と税の一体改革の原点に立って必要な財源というような、そういう意味です」
島田キャスター
「公明党はわかっているけれど、軽減税率を導入すれば、さらなる税率の引き上げも、それは致し方ないというような考えだというような感触でしょうか?」
野田議員
「でも、そこまでは割り切っていないですね。そこへいかないうちに現在でも簡素な給付措置ということで、ある程度の規模のものは歳出でカバーをしているわけですから、何とかそんなに大幅な形ではなくて、もう少し対象を絞った中でやれないかということを、昨年からそんな模索をしておられる」
島田キャスター
「たとえば、連合などが『高所得者に多く財源がまわる』と言っていると。我々が試算してみました。1か月の2人以上の世帯における平均飲食料品の支出ですが、2013年が6万8604円だったんです。消費税率が10%に引き上げられた際に全ての食べ物飲み物を8%、現在の消費税率に据え置いた場合。つまり、2%。差額というのが1か月、この金額の世帯で1372円ですね」
反町キャスター
「消費税が軽減される」
島田キャスター
「そういうことです。この金額で負担が軽くなるということなですので、もっと多く使っている、高所得層といいますかお金をもっと使えるところは、もっとこの負担率が軽くなるわけですよね。そうすると、軽減税率導入というのが、低所得者対策になっていないのではないかというのがわかる気がするのですが、この点はいかがですか?」
野田議員
「全くおっしゃる通りです。ですから、お話を伺う中で、低所得者対策のためだから必要だという主張も一方であるんですけれど、一方では、いやいや、お金持ちの方が高級なものを食するのではないかと。だから、お金の絶対額でいえば、高所得者の方に、より有利ではないかというご指摘も、昨日も今日もあります。ですから、それを、いや、あなたが正しい、いや、あなたが間違っているというのは、私どもは言わないで、ただ、そうですかと言って、現在お伺いをしておるということ」
島田キャスター
「ただ、全くその通りというようなお答えをいただいた気がするのですが」
野田議員
「いや、実態を見れば、数字から見れば。絶対額はそうです。ただし、全体の所得との比率で言えば、確かに分母が小さい方が分子が小さく比率は高いと。そういうことでしょうね」
島田キャスター
「軽減税率の導入について、榊原さんはどのように考えていますか?」
榊原教授
「絶対に導入するべきではないと思います。野田さんは立場上、ニュートラルに言っていますけれども、本音はおそらくそうだと思いますよ。つまり、軽減税率導入が、低所得者対策にならないとはっきりしているわけです。たとえば、食料品にしたら、高級食料品を買う方が、これはメリットが大きいわけですから、むしろ金持ちの方にメリットが大きいということになるわけですよね。それから、軽減税率の、要するに運営の仕方は非常に難しいですよね。まず定義の問題、食料品の定義の問題がある。そうすると、場合によると、定義によってはこれを逃れるいろんな手段が使われる可能性がありますよね。あらゆる意味で軽減税率を導入することは、税制を混乱させますし、低所得者対策にならないということもあって、これは絶対に導入するべきではないですね」

導入のタイミング
島田キャスター
「もう1つタイミングについてです。税率10%時に導入するとありますが、この『時』というのが現在、物議を醸しているのですが、時とはいつでしょうか?」
野田議員
「読んだ通り」
島田キャスター
「ある人は、同時にと言いますし、あるいは10%である間というふうに言いますけれども、それは」
野田議員
「両方読めます」
島田キャスター
「野田さんは、どう読みますか?」
野田議員
「立場上、両方に読めます」
反町キャスター
「一番早いのは10%に上げた時。一番遅いのは、次に上げる直前という理解でよろしいんですよね」
野田議員
「次に上げる直前かどうかは別としてですね」
反町キャスター
「そちらはないのですか。一番遅いのはどういうパターンですか?」
野田議員
「これは結構いろんな経理システムが、それぞれ流通の段階で一気通貫というのかな、こう一本化されているのですが、システムを変えようとするとはやめにシステム変換しなければいけないです。ですから、今日決めたから、来月からやりますということにはならない。かなり事前に打ち込まなければいけない。ソフトそのものを開発しなくてはいけない。そのソフトにそういうものを打ち込むかということ、その具体的な手順を考えるとですね、意志決定してから具体的に実践できるまでの時間差というのは、ある程度見なきゃいけないということは言えると思います」
島田キャスター
「でも、年末までに結論は出すということですよね」
野田議員
「ですから、そうそう。だから、それでやれるかどうかということも物理的に可能かどうかということも、一方では考えなくてはいけないということを考えれば」
反町キャスター
「つまり、この10%時にというのは引き上げの実施ではなくて、制度的な決定でもいいわけですね。そういう意味ですよね」
野田議員
「そういうことも含めて、いろいろ考えなければいけないなということはありますね」

代替財源はどうする?
島田キャスター
「もう1つ、必要な財源を確保しつつとあるのですが、軽減税率導入時の試算で、10%引き上げた時、全ての飲食料品を8%に据え置いた場合、およそ1兆3200億円の税の減収になるということですが、この分の財源というのは何か想定があるのですか?」
野田議員
「いや、1兆3200億円の財源の想定はありません。ですから、そう気楽に限定するのは難しいから、どんどん拡大しないようにしないと、それこそ冒頭言ったような社会保障の歳出なり、システムに影響しかねないし、基本税率にも影響しかねない。そういうリスクがあることですから、ある程度そういうことを念頭に置いて、絞り方を勉強しましょうということにしているので、1兆3200億円になると、それはとてもではないが、そんな知恵はないですよね、他にいい知恵は」

対象品目の線引き
島田キャスター
「軽減税率を導入した場合、どこで何にかけて何にかけないのかとか、その線引きがかなり難しいという話が、先ほどから出ていますけれども、与党の税制協議会ではどういったものを絞るのか。8つパターンを示しているんですね。ちょっと見ていくと、全てのものを対象とする場合だとか、ここからお酒を除いた場合、またお酒や外食を除く場合だとか、かなり細かく話をされているようですが、いずれにしてもかなり複雑になりますよね。たとえば、外食と言いましても、出前はどうなるのかとか、テイクアウトとか、現在、コンビニエンスストアで食べるものとかもありますよね。あれはどうなるのかとか。このあたりどのように考えたらよろしいのでしょうか?」
野田議員
「いや、大変。諸外国でも結構トラブルがあるわけで、日本ではもっと激しい、いろいろ混乱があるかもしれんという懸念はあります。ですから、そんなことを含めて、それでもそれでやれということなのかどうなのかということを、我々が予め結論を出して問うよりも、いっぺん、この際、平場で皆さんにざっくばらんに、井戸端会議でも何でもいいですけれども、議論をしていただいて。そういう中で我々にお話をいっぺん聞かせてもらいたい。謙虚に聞いて、そのうえで判断しようではないかと」
島田キャスター
「そのあたりのことというのは決められないと言った方が…」
榊原教授
「決められない部分が相当出てくるし、決めてもそこから出ちゃうようなものがたくさん出てくる可能性がありますよね」
島田キャスター
「たとえば、反対が大多数を占めていても、それでも、公明党との取り決めというか、話しあいでやるのですか、これは。つまり、公明党以外の人達が反対との意見を出してもやるのかどうかということは」
反町キャスター
「自公の約束だからやるのですか、とことん。そういう意味です」
野田議員
「そんな難しいこと言わないで。反対の声が、団体の数が半分以上だったからではなくて、内容ですよね。なぜ軽減税率を必要とするのかという。なぜに必要なのかということについて、本来なら皆軽減税率しろという話、税率を上げるなという話ですよ。現在多いのは、それが多いですよ、現実は。だけど、そうは言いながら、それは社会保障のために必要ですということで乗り越えてきている。そういう中で、せめて毎日のように食するものについては何とかしてよという、特にそういう声も現にあることは事実ですよ、消費者の立場から見れば。そのことは我々も重く受け止めなければいけない。だけれど、それは現実に適用する場合に、逆に混乱を発生する余地もあるんですよと。特に、それを扱う、実際の納税の実務を扱うのは事業者ですから。ここが大混乱したら困るんですよということも、消費者の皆さんには理解してもらわなければいけない。そこはやるにしても、どうするかにしても、丁寧に説明して理解をしてもらっていかないと。反対でもいいから、やるならやるんだというわけにはいかない。僕はそういう手法は取るべきではない。その時は、公明党の皆さんも十分、その状況は理解されると僕は思いますよ。そういう事態になれば。だけど、現在はまだやろうということで、一生懸命がんばっているという段階にあるわけですから、その段階から、初めから、あまり強引に何としても目をつぶってでも、反対がどれだけあったってやるんだというところまで、僕は追い詰めない方がいいと思うんですよ」

法人実効税率の引き下げ いつまでに?何%に
島田キャスター
「先月、政府が発表しました経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針では方向性が示されています。数年で法人実効税率を20%台までに引き下げることを目指すと。具体的に数字を書き込んだ。財源については課税ベースの拡大等による恒久財源の確保をすることとし、年末に向けて議論を進めて、具体案を得ると出て、恒久財源が(なければ)ダメよと、ここで釘を刺していると。さらに、実施に当たっては、2020年度の国・地方を通じた基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化目標達成の必要性に鑑み、目標達成に向けた進捗状況を確認しつつ行う。つまり、減税で赤字財政が拡大するのは避けますよと、ここでも、もう1回釘を刺すというふうになっているのですが、こちらに目を転じて見ますと、法人実行税率というのはどれくらいかということですが、標準税率が34.62%。東京都の方はちょっと上乗せで35.64%など。甘利大臣は、常識的には5年を基軸としてドイツを目指していると、つまり、29.59%ぐらいに下げることを目指していると発言していたのですが、野田さんも基本的には甘利大臣と同じ考えでよろしいのでしょうか?」
野田議員
「違っているというわけにはいかないでしょうね。ただ、ものの言い方ですが、数年で20%台までという、この数年というのは、2年、3年ではなくて、5年程度であるということはお互い確認しているということですね。それから、20%台まで下げる、下がるではなくて、引き下げることを目指すということですから、いろいろ状況変化ということを考えれば、不渡り手形を切るわけにいきませんので、できるだけ実行をするようにするのは当然の義務ですけれど、一応どういう状況変化があるかということは頭に置かないと、特に数字の世界だけ一人歩きしますので、そこは目指すということですね」
榊原教授
「日本は法人税が高いですから国際水準並みにすると。5%ぐらい下げるということは必要だと思います。ただ、恒久的な財源をどこに求めるかという話は必ず出てくるので、現在歳入と歳出から言うと、圧倒的な赤字が大きいわけですから、恒久財源を確保したうえで法人税減税をやらないといけないですね」
島田キャスター
「まさにその話ですが、財務省の試算では、1%法人税を引き下げるごとに、約4700億円の減収となるわけです。5%になりますと2.4兆円になります。減らした分は増やさなくてはいけないということで、甘利大臣が『税収の上振れは、いわば準恒久財源足り得ると思う。その何がしかは法人税減税に充てることは可能だ』と話していますが、野田さんはどこかでナンセンスという表現をされていたかと思います。いかかですか」
野田議員
「いや、論理から言えば、上振れがあれば下振れもあるわけです、当然のことながら。ですから、そう簡単に現在の状況がずっと続けられるのかどうかは、これまでの内外の歴史を見ても、好景気がずっと続くことは稀なことで、途中でいろいろな世界的な影響の中で、リーマンだってそう。いろんな状況の変化があり得るわけですから、上振れがずっと5年間、あり続けるということはまず考えられない。そういったことを考えればだけれど、気持ちは帳尻合わせで、単年度だけで見て、プラマイゼロかどうかということにこだわるなという意味だろうと、私はおおらかに捉えています」
島田キャスター
「榊原さんは、これはあまり良くないということですね」
榊原教授
「上振れしたからと言って、それを減税に充てるというのは全くナンセンスですね。税というのは上振れしたり下振れしたりするんですから」
反町キャスター
「法人税に関して、たとえば、先ほども野田さんが5年で5%を目指すという表現になるという話がありました。法人税の減税というのは、何かというと海外からの投資を呼び込むとか、海外の投資家からの日本に対する評価を高めるという、そういう意味がすごく強いという前提で、減税するという前提で契約するのと、目指すということの表現の違いによって、海外から本来呼び込むはずだったお金が来なくなるのではないか。目指すではわからないよという、どうせやるなら確約しなければ意味がないのではないかと。このへんがいかがですか?」
榊原教授
「5年先のことを確約するのはなかなか難しいんでね。目指すということでその間に恒久財源を確保するということですから、政府が目指すと言えば、外国の人は、これはほぼ実現するだろうと思うのが常識的ですよね」
反町キャスター
「それは別に外国人投資家において投資欲を削ぐような表現という意味ではない。目指すからといって、逃げるようなことはない?」
榊原教授
「そういう表現ではないと思います」
野田議員
「それはないと思う。だって法人税というのは利益にかかるわけです。だから、利益が出なければ、もともと法人税ゼロでも来ないですよ。だから、まずはそこですよね。そういう意味で外国の企業がどうというのは…。大事なのは法人税(減税)も大事だけど、それ以外の要素がもっと大事ですよという部分がどこかへ行っちゃって、まるで法人税率だけが全てみたいな発想というのは、間違いを世の中に広げますと。それから、もう1つ、僕らが考えている法人税の話はそれだけではないんです。日本の国内で一生懸命に雇用を維持し、地域経済を守ってくれている。そういう人達にもっと元気であってほしいという意味で、この課税ベースの拡大の話も、そうではなく、自己都合で税金が安くなればいいというだけで、それほど地域の雇用に貢献もしていないような部分もなきにしもあらずということなので、そういう意味で、3割しか日本の国内で法人税を払っていないという現実を考えれば、より日本全体の成長を高め、雇用を拡大することに貢献してくれるような、その企業のあと押しをするという意味でも、この法人税率の問題は、決して粗末にしてはいけない問題と。だから、我々はそれを称して成長志向の法人税改革だと言っているわけです。だから、政府税調の切り口もそのへんにターゲットをあててものを言ってもらっていると、僕は理解しているんです」


後編

今後の安倍政権の課題 北朝鮮・拉致問題の行方
島田キャスター
「特別調査委員会のメンバーを見て、北朝鮮は本気だと感じたのですか?」
菅官房長官
「日朝の政府間交渉がありまして、一番私どもが注目したのは、特別調査委員会が北朝鮮の全ての機関を調査できるものをつくるということの合意でありましたから、実際そのことがまず実行されるのかどうか。そういうことに一番注目していたのですが、このメンバーの委員会というのは、そうした全体を調査できる、ありとあらゆる権限を許している。そういう委員会だと私達は考えている」
反町キャスター
「対象は何人なのかという、日本政府は何人の究明を求めていくのですか?」
菅義官房長官
「拉致被害者以外に、特定失踪者という、政府が認定をしたわけではないのですが、民間の人達がここについては拉致をされた可能性が非常に高いということですから、そこもしっかり連携をとりながら、1人残らず日本人を取り戻すというのが、政府の基本的な姿勢です」

今後の安倍政権の課題 制裁解除カード切り方
島田キャスター
「特別調査委員会を設置しただけで制裁を一部解除しました。どういう結果になるのかわからないのに、制裁解除ということに批判の意見もあるんですけれど、その点はいかがでしょうか?」
菅官房長官
「実は制裁は、安倍総理と私どもが中心になって議員立法でつくったんです。それまで日本はコメを援助するとか、しないとか、そういうアメしかなかったんですね。日本人を拉致して不審船をよこすような国に対して、ムチと私どもは言ったんですけれど、それがなかったものですから。山本一太さんとか、河野太郎さんとか、あるいはみんなの党の水野さんとか、私と6人で議員立法でつくったんです。ですから、何に効果があってというのは全部わかっていますから、そう言う意味で、彼らが何を一番望んでいるのかというのはわかっていますので、今回解除した部分については、私どもなりに判断をして、解除したので全く問題ないです」

日中関係の行方と改善策
島田キャスター
「日中の首脳会談が実現していません。習近平国家主席は盧溝橋事件の記念式典で、名指しは避けたものの、日本の安倍政権の歴史認識を批判しました。また、週刊新聞『中国重慶青年報』で、日本の広島と長崎にきのこ雲のイラストを書いた日本の地図を掲載しましたが」
菅官房長官
「習近平主席がいたずらに歴史問題を取り上げ、それを国際問題化しようと。こういう行為というのは、アジア太平洋、世界の何の役にも立たないこと。ここは厳しく私は批判したいと思います。原爆の問題ですけれども、我が国は世界で唯一の原爆の被害国でありますから、皆さんや家族の心情を逆なでするようなことであって、これも厳しくまず編集長に私は抗議をしたのですが、それだけでなく、中国政府、または市の関係者、両方に厳しく抗議をしました」
島田キャスター
「中国政府も容認していると?」
菅官房長官
「私は、そう思っています」
島田キャスター
「首脳会談開催に条件をつけていますが」
菅官房長官
「中国の条件の中で首脳会談を行うべきでないと私達は思っています。日本が中国の求めていることを、それを飲めば、首脳会談があるのでしょうけど、そこは絶対に私達が折れることはないということですよね。靖国参拝というのは、別国の問題でありますから、国のために亡くなられた方のために自然に対応するのは世界共通のことですよね。それと尖閣についても、歴史的にも、国際保持にしても、明らかに日本の領土でありますから、そこを認めることはできない。ただ、従来の日本というのはいろいろな圧力があると何となくその場しのぎの首脳会談みたいなのでやってきた経緯があります。そこをやっても長続きしないですから、(安倍)総理が政権の座についてから、私達が主張すべきことはきちっと主張する。毅然と冷静に対応していく。この姿勢は、何ら変わらないですし、そういう時が必ずくると私達は思っています」
島田キャスター
「来日した胡徳平さんと会談したということですが、何を話したのですか?」
菅官房長官
「経済的な関係について話をさせていただきました」

内閣改造のポイント
島田キャスター
「9月上旬にも内閣改造を行うのではないかと言われていますが」
菅官房長官
「改造をやるか、やらないかという話は全く聞いていませんし、ですから、ポイントも何もない」
反町キャスター
「この内閣は500日もやっています」
菅官房長官
「そうです、実は」
反町キャスター
「3か月、4か月で大臣が変わっていた時もかつてはありました。自民党においても1年経ったらそろそろという話が出てくるが、なぜ500日も続いているのか?」
菅官房長官
「政権が発足して、総理の指示に基づいて全閣僚が1つになっているんですよ。500日超えたのは戦後最長だそうです。その記録を更新しているんですけれども、私がよく話しているのは長いということよりも何をやるかということ。この政権が大事でありますから、そこは国民の皆さんの期待に応えられること、私達が約束したことを1つ1つ丁寧にやっていこうということを心がけてやってきていることが、現在に続いていることにつながっているのかなと思います」

支持率低下の要因
島田キャスター
「内閣の支持率が下がっています。その理由をどのように見ていますか?」
菅官房長官
「政権としては、国民の将来、国のことを考えて行わないといけないことは、政権としてはやるべき時は判断しなければならない。ただ、安全保障の問題ですけれども、私達は第一次安倍政権の7年前から、現在の法制度の中で国民の皆さんの生命と財産と国の安全というのを守れるのか。私達は非常にそこは真剣に考えていたんです。そこで安保法制懇という専門家の皆さんから報告書をいただいたんですけれど、現在の法制度上不備はないのか。不備があるとすればどういう改善策が必要なのかという報告書を頂戴したんです。そういう中で、まず全て法律を提出しなければ何1つ実行できないんです。法律を提出するには、まず与党の中で調整しなくてはダメだったんですね。自民党と公明党の間でのかなり厳しいやり取りの中で、ようやく調整ができましたので閣議決定を致しました。閣議決定をしたことに対して国民の皆さんから、国会で議論がないとか、説明がないとか、いろいろと言われました。しかし、これは与党間の調整で、与党の基本的な考え方をまず閣議決定をしたわけですから、これから国会に法律をつくって提出をするわけです。提出をして、国会で議論をするわけでありますから、そこで国民の皆さんの前で私達はまさに議論をし、きちっと説明をさせていただきながら、ご理解をいただきたい。これから1年ぐらいかけて慎重にやっていきたいと思っています」

菅官房長官に問う どうなる?今後の政局
反町キャスター
「今後の政治日程で、来年の7月末から8月にかけて、政局における様々な政治案件が集約してくる時期だと思うのですが、解散ということを視野に入れた時に、そのタイミングをどのように考えていますか?」
菅官房長官
「解散というのは全く頭にないですよね。私達がこれからやらなければいけない問題はたくさんありますよね。まず最優先の日本経済再生。デフレ脱却と同時に財政再建という極めて難しい、まさに二兎を追って二兎を得る政権だと私は良く言っているのですが、そこはやらなければならないですよね。それと、地方の問題ですね。人口も減少してきている、地方に元気がなくなってきている。そういう意味で総理が帰ってきたら、まだ名前は決まっていませんけれども、地方の再生、あるいは創世とか、いろんな言い方がありますけれど、まず地方を元気にするための本部を立ち上げる形になるだろうと思います。そうしたものについても法律がたくさんあります。それと、女性の輝く社会を私達はつくりたいという中で、女性を応援するため…、これは法律が結構あるんですよ。たとえば、待機児童を2年間で20万、5年間で40万解消しようという問題。そういうものも国会で法律として必要なものがたくさん出てきますし、そうしたことに全力投球していく」

菅義偉 内閣官房長官の提言:『有言実行』
菅官房長官
「衆議院選挙、参議院選挙を通じて、約束したこと、あるいは国会の総理の演説で約束したこと。また、今年1月のダボス会議で日本の総理大臣として初めてメインゲストとして呼んでいただきました。そこで発言したこと。そうしたことを、1つ1つ実行していく。それも、スピード感を持って行っていく。それが安倍政権のこれからやるべきことだと思っています」