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2014年7月8日(火)
石破自民幹事長と政策政局 ▽ 相続税ショック

ゲスト

片山さつき
自由民主党参議院議員(前半)
大串博志
民主党衆議院議員(前半)
本郷尚
税理士 税理士法人タクトコンサルティング代表社員(前半)
石破茂
自由民主党幹事長 衆議院議員(後半)

あなたも課税対象者に 来年・相続税が変わる
島田キャスター
「来年の1月から税制改正によって相続税が変わるのですが、何が一番大きく変わるのかというと基礎控除が引き下げられるんですね。現行の基礎控除額というのは、5000万円プラス1000万円かける法定相続人数なんですね。つまり、1人だったら、5000万円プラス1000万円で6000万円。2人だったら7000万円。3人だったら8000万円。この部分まで控除されるんですけれども、来年1月の改正後からは、この部分が3000万円プラス600万円かける法定相続人数となりまして、1人ならば、3600万円。ここで大きく違いますね。2人なら4200万円。この部分が控除の対象で、控除額が4割縮小されるということですが、ただ、配偶者の場合は法定相続分まで、相続財産が1億6000万円までは非課税ということで、多くの配偶者の方々はそんなには気にしなくていいかもしれません。子供が相続する場合というのが大きく変わってくると思うのですが、具体的にはどのように変わるのか教えていただけますか」
本郷氏
「子供さんが1人の場合は、先ほど基礎控除がこれまでだったら、6000万円ですね。それが3600万ですから、例えば遺産総額が5000万円だとすると当然、課税対象になりますね。そうすると160万円出るわけですね。前までゼロだったのが。もし相続財産が7000万円だったら480万円ですね。1億円の財産の場合、この倍になるわけですね。これを現金で納めるわけですから。子供さんが2人の場合ですと80万円、320万円、770万円。これを10か月以内に、現金で納めるんですね。普通、相続税は支払うと誰も言わないです。とられると言います。家があって、わずかな現金からとられると言います。奪われると言います。だから、負担はきついです」
島田キャスター
「きつくなりますね。今回の税制改正で相続税が発生する納税者というのが、どのくらい増えるかという試算はありますか?」
本郷氏
「特にないですが、発表されているのは、1.5倍ぐらい増えるだろうというのですが、実際には都心、あるいは23区内、あるいは周辺です。3倍ぐらいだろうと言われていますね」
島田キャスター
「3倍。それは都心の場合、土地ですか?」
本郷氏
「いや。もちろん、金融資産を持っていらっしゃるんですね。ですから、先ほどの基礎控除が3人でも4800万円。2人だと4200万円です。5000万円以上はかかるわけですから。ほとんどの人にかかっちゃうだろうと」
島田キャスター
「都心部ではほとんどの人にかかってしまう」
反町キャスター
「たとえば、先祖代々ずっと東京の新宿だったら、新宿に、家を持って、そこに住んでいた場合、子供が引き継いだ時に金融資産ではなくて土地だけ相続、土地と建物を相続して、今回みたいに7000万円とか、1億円になった時にキャッシュがなくて、土地だけで1億円になってしまうケースだって出てくるわけではないですか」
本郷氏
「ええ、いっぱいありますね」
反町キャスター
「そういった場合に、皆さんはどのように相続税を納付するのですか?」
本郷氏
「同居している場合はいいのですが、同居していない場合は別のところで暮らしていて、自分が家を持っている場合は更地として評価されますから、これは大変ですよ」
反町キャスター
「それは、要するに、土地を売却しなくてはいけない?」
本郷氏
「そうですね」
反町キャスター
「売却したうえで、その現金を納付して、ないしは自分がどこかから別の現金を持ってきて、それによって納付する」

改正に踏み切った背景
島田キャスター
「なぜ現在、基礎控除の引き下げに踏み切ったのかということですが、いかがですか?」
片山議員
「消費税の引き上げで、社会保障と税の一体改革で3党合意する時に所得税の最高税率も上げたではないですか。消費税の割合を高めるということは逆進性が高まってしまうから、お金のない、資産のない層も皆均一に払うから、所得税も上げるんだけれど、相続税とは何かというと、相続税の性格というのは無償で貰う資産への課税だから、一種の所得税の延長とか、あるいは亡くなった方が生涯で得た所得。その結果が、資産に近くなるから、それの清算だったというのが財政学の考え方で、どちらにしても、あまりにも、富が偏在してはいけないという所得再分配。これに使っているんですよね。そこのところから考えると、バブルの頃からずっと5000万円を据え置いてきてしまったと。バブルの前から」
大串議員
「もともと地価が上がってきた時に基礎控除の額を上げてきた。しかし、その後、地価が下がっているにもかかわらず基礎控除の額を下げなかったがゆえに、相続税を払う対象になる人がどんどん減ってきているという事情が1つ。もう1つ、それによって、相続税を含めた資産課税というのは富の再分配の機能を果たすものですが、結果として、富の再分配を果たす機能が弱まっていたんですね。一方で、所得税についてもこれまではかなり累進性が高い、すなわち富の再分配を果たす機能が結構あったものを、過去15年の間に、累進性が小さい。すなわち富の再分配機能が少ないものになってきていた」
片山議員
「それとセットで現在、皆さんちょっと忘れちゃっているのですが、昨年1番ヒットした政策税制は教育資金の生前贈与ですよ、1500万円。あれが何と5000億円ですよ、現在。平成27年で終わっちゃうんですけれども。我々は良い政策だから続けたいと思いますが、ああやってできるだけ、不稼働資産。高年齢になるとあまり消費しないので、貯め込んでいても使わないですよね。でも、お金が稼働するようにするのがアベノミクスなので、それを使う世代に移そうと。でも、子ではなくてもストレートに孫でもいいわというので、教育をターゲットにしたら当たったと。そういう形で成長に結びつけるために、生前贈与をどんどんやりたい」

生前贈与と資産移転
島田キャスター
「世帯主の年齢階級別の平均貯蓄額というものを棒グラフにしたのですが、20代は300万円いかないぐらい、30代だと628万円、40代で1000万円超えました。50代で1595万円なのですが、ここからドンと金額が増えて、60代で2385万円、70代でも一緒ということでかなり莫大な資産を高齢者が持っているんですけれど、これを何とか、こちら側にしようということがあるわけで、そこに生前贈与があるわけですね。主な生前贈与を挙げてみましたが、たとえば、1人当たりですが、暦年課税贈与というので1年間に贈与した合計が110万円以下だと非課税。今年の12月31日までの住宅取得等資金の贈与ということで、子や孫が住宅を購入・新築・増改築時に贈与するのが1000万円まで非課税。さらには教育資金の一括贈与ということで、子・孫・ひ孫30歳までとありますけれども、一括贈与する場合、最大1500万円までは非課税と。こういったことがあるわけですけれど、高齢の方がいっぱいお金を持っている。これを何とか若い方に移そうという政策だと思うのですが」
片山議員
「教育は最大の未来への投資なので、大学、大学院、留学とかでかかるんですよね。現在のうちに、ある程度見通しがつくうちに、贈与しようという方が我々が思っている以上に多く、5000億円は非常に期待していますし、続けてくれという声は、私は全国区だから日本中行っていますけど、非常に大きいですね。恒久化できないのかと言われています」
島田キャスター
「あらためて、なぜ現在そういうことをしなくてはいけないのかということですが」
片山議員
「相続税というものをどう考えるかによるんですけれども、これだけ人生が長くなるという設定ではないわけですよね。つまり、90歳、80歳までずっと持っているわけですよね、生きているわけですから、これを想定して相続税制度の根源はたぶんつくっていないので、できるだけはやく稼働する層に移していくと。それが80歳、90歳だと、お子さんも1回お仕事を終えていて、家は建て終わっていて、あまりモノを買わない場合があるから、最も(お金が)かかる時というのは教育期とかで、若い子育て期ですね。ここにお金を持ってくることが世代間のある程度、お金の公平なリサイクルにもなって、日本のいろんな問題の解決の一助、あくまで一助になるので、その流れを税でつくりたいということですよね」
本郷氏
「暦年贈与は現場ではいろんな問題があるんです。これは65歳から75歳、この年齢ではなかなか贈与しないです。これは老後の不安があるから。まだ90歳まで生きるかもしれませんので手元を抑える。あるいは贈与まがいのことをするんです。子供にあげたふりをして、自分で通帳を持っています。印鑑、握ってです。渡す気がないんです。印鑑も通帳もカードも持っているんです。これは名義預金と我々は言います。贈与税の申告もするんですよ。110万円を超えて」
片山議員
「わざと120万円にするやつですね」
本郷氏
「だけど、通帳と印鑑を持って、いざとなったら使っちゃう」
反町キャスター
「何のためにそういうことをするのですか?」
本郷氏
「税金対策のような、あげるふりはするんです」
反町キャスター
「税金対策でもあり、国民に対してのグリップでもあるみたいな、そういう物心両面で何かコントロールみたいなね」
本郷氏
「そうです。それから、子供が、これは現実的にいっぱいあるんです。あとは、子供が40歳ぐらいではお金を渡したくないんです。お金を使ったら困るからです。現金を渡すのが怖いのです」
反町キャスター
「だって、子供が40歳の頃は、その子供の教育費とか一番かかる時ではないですか」
島田キャスター
「子供に使わせるための…」
本郷氏
「それは教育資金でいいんです。ただ、生活費にというので出すのが怖いんです」
片山議員
「おそらく教育資金の認定が厳しいのに受けたのは被相続人側、おじいちゃま側の猜疑心をチェックできるんですよ。ちゃんとこれは、大学の入学とか」
本郷氏
「領収書を持ってこないと使えないんです」
反町キャスター
「相続税の引き下げの話。ああいう控除の基準の引き下げということをやるということがまさに自民党によって立つところの、一生懸命に働いて資産をつくった人に対しての、いわば課税強化ではないですか。それが、たとえば、現在アベノミクスだ何だと言っている時に国民の勤労意欲とか、まさに資産を蓄える意欲とか、もっとわかりやすく言っちゃうと金儲けをする意欲というものを削ぐ可能性があるのかどうか。心配はないのですか?」
片山議員
「いや、ぎりぎりの議論になりましたよ、税調で。私も都市部を代表する議員として、この免責要件を広げるために奔走した方ですから、これなら平均的に持っておられる資産として、払う人がそんなに増えないだろうというところまで、それこそ相談して広げたと。そんな感じですね」
島田キャスター
「タイミングとしては現在で良かったと思われますか。つまり、消費税も上がって、割と負担感が増えた矢先という感じもありますけれども、自民党としては、タイミングについてはどう考えていますか?」
片山議員
「今日も愛知から帰ってきたんですけれども、リニアで愛知の一部はちょっとミニバブルですね。東京も2020年五輪で、その傾向があるのですが、ただ、平成26年に上がった路線価でも、高級住宅地の成城は3分の1ですよ。上がっても数%ですね。だから、長年の税制としてはありだなというところですね。ただ、急に上がるようになった時、その再調整がいるかどうかは考えどころですね」

世代間格差と資産移転
島田キャスター
「なぜ高齢者の方々は自分達の持っている資産を若い人達に移転しないのか。先ほどの贈与があって、動き始めているという話でしたけれど、それでもごく少数であると。まだ皆持っていたいと。それはどうしてだと思いますか?」
片山議員
「2つの問題があって、日本だけは相続資産における不動産、土地の割合が6割ぐらいで、すごく高いんですよ。こんなに土地の値段が高い先進国は他にありませんので。先祖代々の土地とか、自分達がせっかく築きあげた土地に対する思いが、ここで死にたいと、自分名義のところで死にたいとまずなるのと、あとは老後が不安なので。だから、私は老後について国もしっかり管理をした、公的な信頼のあるリバースモーゲージをやれば、それをフルに使って優雅な老後に使え、その清算額だけを子供に渡せばいいので。それを国家としてもっとやるべきだと、前から提唱しているんですけれども」
反町キャスター
「リバースモーゲージとは、要するに、自分の持っている資産を一応、信託することによって、それを現金化して使い切る。あくまでも個人の資産を基本にした社会保障というか、安心感の話になると思うのですが、民主党の場合にはもう少し手厚い、もっと別の言い方をすれば、お金のかかる社会保障政策を目指していたような気もするのですが。ここは自民と民主の違いではないですか?」
大串議員
「そうですね。リバースモーゲージ自体は賛成ですけれども、否定をしませんが、一方で社会保障政策自体をより安心なものにしていくというところの3党協議、私も当時、社会保障と税の一体改革担当の政務官だったので、一緒に参画しましたけれども、そこは自民党さんと民主党は所得の再分配とか、あるいは自民党さんは自助、共助、公助と言われる。私達はもう少し公で支える部分が必要ではないか。これは経済学の側面から言っても、経済学の側面は基本的には自由競争があれば、全体が伸びていくということなのかもしれないですけれども、現在の経済学は、私はちょっと変わってきていると思うんです。自由競争があって、どんどん強い人が強くなると、それで全体が良くなるかというと、先ほど申し上げたように、一部だけに富が偏るような状況になってきているが故に…」
反町キャスター
「アベノミクスはその理屈をやろうとしていますよ」
大串議員
「じゃないかなと私は」
反町キャスター
「企業を元気にすることによって、日本が元気になるという話ですよね」
大串議員
「私は…」
反町キャスター
「それは違うという前提に立っているわけですか?」
大串議員
「現在の経済学は若干、古いのではないかと。と言うのは、たとえば、冬に行われたダボス会議のグローバル10のリスク。世界の10のリスク。その中の2つ。1つは若者の失業。もう1つは富の偏在。この2つが近年、世界の10のリスクの中に入ってきています。そういうダボス会議のような場でも、それが認識されてきている。私は昔、IMF にいましたけれども、世界の経済学の潮流も少し変わってきていると、私は思いますよ」
反町キャスター
「片山さん、いかがですか。社会保障を手厚くすることが高齢者の資産の流動化につながるのではないかという、その部分は、自民党は民主党に比べ、やや踏み込みがあくまで自助、公助、共助というところが基本になっていくという感じになるわけですか?」
片山議員
「現実認識して、この急速な高齢化の中で、現在貰えるなと思っている老後のケアです。年金の問題にしても、医療、介護、特別養護老人ホーム。現在在宅を増やしていますが。かために計算しても、8%、10%という財源の中で、ぎりぎりなわけで、それで子供、子育て支援制度を入れると7000億円しかない。でも、実際、財源は1.1兆円かかる。これは民主党の時のお土産を、我々が必死に背負っているわけですよ。それを、さらに、現在の考えだと、さらにまた上げるのかと。その重税国家はこれだけ働き手が減る国には、きついでしょうね。成長は、我々は3%、インフレ2%を見ていますが、どこまで労働生産性を高めて、効率のいい国家にできるかと。これだけ働き手の割合が減る中で。ぎりぎりのことをやっていって、やっと出せる数字ですね。今回の骨太もまさにそうなので、それから考えると、ちょっと大串プランは重税国家な気がするので」
大串議員
「重税国家というよりも税制ですね。つまり、所得再分配、たとえば、所得税でも、資産課税でも、累進性という制度です。すなわちより多く持っていらっしゃる方に、申し訳ないけれども、多く負担していただく。それが税の財源となって、社会保障等々に流れていく。つまり、増税というよりも所得再分配の機能を…」
反町キャスター
「それは重税ですよ。課税強化をしなければ、財源は出ないでしょう?」
大串議員
「一定の資産を持っていらっしゃる方には重いことになります。しかし、現在、恩恵に浴していない方も中にはたくさんいらっしゃるわけです。その方々に資産もない、あるいは消費の源もないのに、消費も起こらない。よって国全体が消費不足になる。世界全体が総需要不足になる。これが現在の世界経済の現状ですよね。昔の経済学を少し考え直す時にきていると思いますよ」
片山議員
「でも、それはヨーロッパ病で、失敗が立証された気もするけれども、ただ、我々は総理が踏み切って、法人税も20%台にしようと言ったと。カラーの違いですよね。それはしょうがない。論争をどんどんしてと」
反町キャスター
「カラーの違いとは言っても、たとえば、スウェーデンの例みたいに、お年寄りになっても、貯金ゼロでも、心配ないと。なぜなら若いうちから、たくさん高い税負担で、高い負担をもって、それが老いた時に、自分に返ってくる、安心感があれば、別に二千何百万円も、70歳になっても、貯金が必要ないわけではないですか。大串さんの言わんとしていること、ただ、それに向けるような、高い税負担を現在の日本でやった時にアベノミクスがもつのかという話ですよ」
片山議員
「設計は不可能かもしれないね」
反町キャスター
「難しいですか」
大串議員
「確かに財政をどう持っていくかということに関していうと、たとえば、自民党さんの政策を採っても、民主党の政策を採っても、非常に大変なことは同じです。正直言って同じ。だから、色あいの違い、そういった感じだと私は思います。ただ、基本的なスタンスとして、強くなる人がどんどん強くなれば、日本全体の経済は大丈夫だと考えるのか。それとも再分配をもう少し行わないと、現在非常に低所得、あるいは将来が見えずにあえぐ人達が経済全体を支えられずに終わってしまうのではないかと。たとえば、少子高齢化はなぜ少子化になっているのかと考えると、若い世代の雇用がない、あるいは資産がない、結婚もできない、よって子供も産めない。こういった問題が循環する問題としてあると思うんですよね」
片山議員
「でも、まさに、それは予算委員会で、私も理事でしたけれども、ずっと論争してきたように、劇薬かもしれないけれど、我々は大胆な金融緩和をやって、企業を元気にできるようにしたら、結果的に賃金が上がってきて、ベアが上がってきて、現実があるから、そちらに持っていかない限り、大串さん、無理よ」
大串議員
「一方で、ベアが上がったとおっしゃいますけれども、一部の企業にかなり偏っています。それもかなりの偏り構造があると思うんです。たとえば、地方の現場に行くと、中小企業の方々、地場産業の方々の給料を上げられるか。コストは上がっているけれども、給料を上げる環境にないと。これが現実ですね。この格差が広がっている現状を、どう見据えるかというのは、経済政策を考えるうえで大きな違いだと思いますよ」

自民・石破幹事長に問う 集団的自衛権と公明党
島田キャスター
「公明党の山口さんは集団的自衛権の行使について『正確にいうと憲法上、いわゆる集団的自衛権の行使は認めたことではない』ということですが、この認識でよろしいのでしょうか?」
石破幹事長
「集団的自衛権というのは国連憲章で定められた権利ですよね。国連加盟国全ての国が持っている固有の権利である。それは国際法的に言えば、集団的自衛権なのだということが閣議決定の文言にもありますよね。ですから、国内法的には当てはめの問題ということもあるんだけど、つまり、憲法解釈のコアは必要最小限ですということがコアであって、これまで個別的自衛権が最小限だったんです。ところが、今やミサイルは何分かで飛んでくる時代。サイバー何秒で国家機能そのものを破壊するのかというような、何か月が何日になり、何日が何時間になり、何時間が何秒になってきたんです。そうなると、自分の国が攻撃を受けたらという段階ではもう遅いのであって、他国が攻撃を受けているが、それがすなわち日本の存立とか、国民の権利を根底から覆すということになれば、集団的自衛権も必要最小限に入ってくるようになりましたと。だから、解釈は必要最小限。それにこれまで集団的自衛権は入ってこなかったけれども、入ってくるようになりました。でも、政府の答弁書で論理構成はともかくとして集団的自衛権は行使できないと閣議決定していますから、閣議決定は変えなければいけないということですね。でも、解釈の根幹は必要最小限。そこに時代の変化が伴い、集団的自衛権が入ってくるようになった、それはすなわち国際法に言うところの集団的自衛権ということを山口代表はおっしゃりたいのではないのかな」
反町キャスター
「今回の集団的自衛権に関する関連法案は全て恒久法で対処すべきだと?」
石破幹事長
「それは特措法でやるべきものではないでしょうね。特措法というのはある事態にのみ対応した法律で、基本的に現時法、時限法とも言います。期限のあるものですよね。イラク特措法がそうだった。テロ特措法がそうだった。ある特定の実証に対応するという問題ではないですよ、これは。だから、イラク戦争後のイラクの治安、治安に関与しなかったけど、民政の安定に資する。その限局にした事象に対応するための法律だった。インド洋で補給を行うための法律だった。今回はそうではないでしょう。事前にきちんと法律を備えておいて、そのあとに対応するわけだから、そもそも特措法はなじまない」
島田キャスター
「もともと自民党は、憲法改正をして、こういうことをしていきたいということだけれど、今回、憲法解釈の変更。それも言い分がちょっと違う。自民党のやりたいことというのが、公明党と果たして同じように進むのかと言ったら、それだけのためではないとおっしゃりつつも、いずれ限界がくるのではないかと見えるのですが、いかがでしょうか?」
石破幹事長
「それは、ごめんなさい、口答えするようで申し訳ないんだけれど、私達は本来、憲法改正だが、憲法改正は難しいし時間もかかるので今回は解釈の変更でいきますという立場を全くとっていません。そんな裏口入学みたいな話をしても仕方がない。本来は憲法改正だ。でも、それは難しいし、時間もかかるし、解釈でやっちゃおうというようなことを考えたことは一度もない。この間、閣議決定する日の、私が本部長をやっている自由民主党安全保障法整備推進本部というものがあって、そこの一番の締めで今回の閣議決定が了承された。そこで私が最後に申し上げたのは、憲法改正が筋ではあるが、それができないので、憲法解釈でいくという立場を我が党は全くとっていない。そういうことは言ってもらわないようにということをかなりきつく言いました。つまり、それはどういうことかと言うと、憲法9条に何と書いてあるか。日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。この目的を達成するために陸海空軍の他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。このどこに個別的自衛権が良く、集団的自衛権はダメだと書いてあるのですか。そもそも憲法を制定する制憲議会で、吉田総理は個別的自衛権もダメだと言い切ったんです。共産党の野坂参三さんがせめて個別的自衛権を認めるのは独立国家だろうと。独立国家になる前だけど言ったんです。そんな考え方が間違いだと言ったのが吉田総理。最初は個別的自衛権もダメという立場だったわけです。それから、自衛隊ができた。その前に警察予備隊とあるんだけれど、その時に国に自衛権はある。個別的自衛権は行使できると考え方が変わったわけですね。その後に岸内閣という、安倍さんのお爺さんが、集団的自衛権というものは部分的に行使できるという国会答弁が残っています。そもそも日米安全保障条約というのは日本かアメリカのいずれか一方に対する攻撃を自国に対する攻撃と認めると書いてある。合衆国に対する攻撃を日本に対する攻撃として認めるというのが日米安全保障条約。そういうふうにして解釈が変わってきたわけです。もし日本国憲法に個別的自衛権は良いが、集団的自衛権はダメと書いてあったら、それは憲法改正ですよ。だけれども、憲法の解釈でこれまでに、個別はダメ、個別なら良い、集団的自衛権は限定的に良いと、個別的自衛権のみだと何度も変わってきているわけですね。何で今回に限り憲法改正なのですか。これまで何度も変えてきたではないですか。そこは憲法改正しなくても、集団的自衛権の行使は可能である。これまでがそうであったし、論理的にもそうで、解釈を変えるんだったら、明文で憲法を変えなさい…それって日本語ですか。日本語になっていないでしょう?」
反町キャスター
「今回、認めないと言ったものを認めると表現が変わりました。これはいくら何でも白を黒に言い変えるみたいな解釈の変更は大きすぎるのではないですかという一般的な感覚はどうにもならないのですが、それでも石破さんはその解釈でいいということになるわけですか?」
石破幹事長
「政府が提出した資料と政府の答弁書の2つあるんです。答弁書は閣議決定している。資料の方は別に閣議決定を必要としていませんが、あのロジックをずっと読むとずっと自衛権はあるよと書いてあるわけです。そうだとすれば、日本が攻められた時に、守るという個別的自衛権のみが認められたのであって、集団的自衛権は認められないと。何で?という理由が飛んでいる。何で個別なら良くて集団ならダメなのかという、論理がそこですごく飛躍するわけです。そうすると、おっしゃるように決めたことだからというんだけれど、そこに論理の大飛躍がある。大飛躍があっても、集団的自衛権を行使せずとも日本の独立と平和、国民の生命と財産。抑止力として個別的自衛権が機能してきたわけですが、これから先もそれは持たないとすれば、それは解釈変わるのは当たり前」

内閣支持率下落
島田キャスター
「安倍内閣の支持率が落ちてきた原因はどこにあると思いますか?」
石破幹事長
「歴代の内閣がやれなかったけれど、現在やらないと間に合わない。その中で議論を尽くしたと思いますかと質問をして、議論を尽くしたと思いますと言うのはなかなか抵抗はありませんか。だから、良いと言うつもりは全くないんだけれど、国会は閉会したあとで、議員達が皆地元に帰っていますよね、安倍さんがどんなにがんばって説明をしても、それぞれの地域の議員達が自分の後援者の方々へ自分の言葉で喋ってちょうだいと。小選挙区制はそういうもので、その選挙区においてはその人がThis is the 自民党ですから。自分の言葉でちゃんと説明しなさいと。国会休会中にどれだけ歩き、どれだけ5人、10人のミニ集会を開いて説明するか。内閣の支持率は、俺は関係ないと思ってはダメで、それぞれの党所属議員が自分の選挙区でがんばって支持率を上げるということでなければいかんですね」

消費税10%引き上げの判断
島田キャスター
「政府が出した骨太の方針で、今年中に消費税率を10%に引き上げるかどうかを判断すると明記されているんですけれども、石破幹事長から見て、現在の情勢等を見て、今年中に判断できると思いますか?」
石破幹事長
「今年中に判断しないと平成27年度予算が組めない。来年の税収の見通しがつかないと予算の組みようがないではないですか。上げるにせよ、上げないにせよ、今年の12月までに判断しないと予算が組めない。4月~6月の数字を見て、まだ7月になったばかりですから、この数字をどう見るか。決めるのが12月とすると、7~9月をどう見るか。10月、11月、12月はもう間に合わないんだけれど、7~9月の数字をどう見るかというのは極めて大事なことであって、上げてもいい情勢なのかどうなのかということはきちんと判断しなければいけない。だから、上げないという判断をすれば、法律改正が必要になるはずですが、上げていいかどうかの判断は本当に慎重に…別にネガティブな意味で言っているわけではなく、上げても大丈夫、景気回復という基調が損なわれることはありませんね、ということをちゃんと見ないといけない」