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2014年7月7日(月)
中韓首脳連携の先 どう動く日本とアジア

ゲスト

磯崎陽輔
国家安全保障担当首相補佐官 参議院議員
岡崎久彦
岡崎研究所所長・理事長
森本敏
拓殖大学特任教授 前防衛大臣
朱建榮
東洋学園大学教授

中韓首脳会談 蜜月アピール 習国家主席の思惑は
島田キャスター
「先週行われた中韓首脳会談。これは当初予定時間の2倍の、およそ3時間に渡って行われたのですが、会談での習近平国家主席の発言に『私たちは本当に親戚の家を出入りするようにお互いに訪問し合っている』と。蜜月ぶりを内外にアピールする発言ですが、今回、中国の国家主席として、最高指導者として、初めて北朝鮮よりも先に韓国を訪問したことを含めて、習近平国家主席の狙いというのをどう見ていますか?」
磯崎議員
「日米韓の、ある意味では3国関係ありますけれども、それに中国としても、楔を入れていきたいという思いの表れだと思います。普通は北朝鮮に先に行ってから韓国に行くのですが、その慣例を破って、今回やったというのは、その気持ちが、すごく強いんだということの表れだと思いますね」
島田キャスター
「『親戚の家を出入りするというような』と。かなり親密な感じですが」
朱教授
「中国と朝鮮は歴史上、いろんな文化、いろんな経済交流というのが長く、密接に行われてきた。たぶん、それも念頭に置いて言ったのと、近代史以降、同じような境遇だったということで言ったと思います。私は、今回の習近平さんのソウル訪問は、1つは当然、北朝鮮のことがあります。いくら何でも、北朝鮮を追い抜いてでも、その反対、反発というものを覚悟のうえで行ったというのは、北朝鮮の核開発ということに、中国は絶対反対だと。そのようなことを世界に、当然、北朝鮮にも示そうとしているわけですね」
反町キャスター
「今回の中国国家主席の韓国訪問。これまで必ず北朝鮮を先に訪問していたのが、韓国に先に行ったというのは、北朝鮮の核開発に反対していることを、世間に、国際世論にアピールすることが目的だとすれば、たとえば、6か国協議とか、その他諸々の北朝鮮の核を巡る協議の中で、中国というのは、あの国は北朝鮮に対してモノが言える。あの国は北朝鮮と話し合いができる国だと、認識していたのですが、事実上、それは中国が言っても言うことを聞いてくれないんだよということを世間にアピールしているようにも見えるのですが。つまり、北朝鮮は中国の手にも負えない状況になったということを、中国は世界に対してアピールするつもりになっているという理解でいいのですか?」
朱教授
「その点はまさに現在の習近平さんの、今回の行動との違いに、私は表れていると思います。これまで、おっしゃるように前政権までは外交のいろいろな問題について、まあまあと。あまりはっきり中国の主張を言わない。攻められて、責任を果たせと言ったら、いや、我々も限界があると。厳しく言えば、ちょっと逃げの部分もあったわけですね。しかし、習近平さんの行動で見れば、北朝鮮の問題も、他の問題でも、国内の汚職、腐敗摘発でも、やるところはやるんだというところをはっきり示している、私はこれまでとはちょっと違うと思います」
森本教授
「私は、まず北朝鮮を除けて、韓国に最初に訪問したということは、北朝鮮に対し、かなり厳しいメッセージを出しているということで、北朝鮮は非常に不快に思っていると思いますが、中国の方がもっと不快に思っているのは昨年12月、張成沢をああいう形で処刑をしたこと。中朝関係をつないで、調整役をやっていた、張成沢。中国に一言の断りもなく、断ち切ったことに対する不快感だと思う。だから、金正恩氏が中国に行こうとしても、一切受け入れていないということなので、今回は北に対する中国の不快感を、こういう形で表したと」
反町キャスター
「中朝というと、昔から血の同盟と聞いていたんですよ。共に連合軍として戦ったという血の同盟、中朝関係。両国は他の国には伺い知れない何かがあると言われては来たのですけれども。もうそういう言葉は死語になって、現実路線で、中韓関係を軸にして、中国が考えようとしている。こういう理解でよろしいですか?」
岡崎氏
「いや、もともと血の同盟ではなしに、ジオポリテクスですよ」
反町キャスター
「つまり地政学的にわかりやすく見ていた方がいいのですか?」
岡崎氏
「たとえば、現在みたいに、中韓関係がいかに仲良くなろうと、何であろうと、北朝鮮がアメリカの同盟国の下に入ることは受け入れないでしょうね。あるいは全部ではないかもしれない。つまり、統一が起った場合に国境地帯は押さえるでしょうね。これはジオポリテクスですね」
反町キャスター
「朱さん、いかがですか。血の同盟という言葉は中朝関係にもうないのですか?」
朱教授
「かつての50年前の戦争で、現在も相手に対していろいろ許してしまうというようなことは、中国の中でも相当の批判、反対が出て、ここ数年、中国政府の北朝鮮政策がこんなに軟弱、弱腰でいいのかという批判も出ているわけですね」
反町キャスター
「北朝鮮に対してね」
朱教授
「ええ、中国政府の方の対応でですね。そういう意味で、今回のことは現実の、北東アジア全体の安全保障で中国と韓国の関係ということを、優先に、現実的に重視したと。それは言えると思います」

歴史認識の問題は
島田キャスター
「今回の中韓首脳会談の中で、歴史認識というのはどのように扱われたのかといいますと。共同声明の中には盛り込まれませんでした。そのあとに出された付属文書とうところにありました。これは、慰安婦問題に関連した共同研究の協力。日中韓3か国の協力が北東アジアの平和と安定に重要だということですが、2か国間では、共同声明ではなく付属文書。しかし、盧溝橋事件から77周年を記念する式典で、習近平国家主席が1人の時には『少数の人は歴史の流れに逆行して侵略の歴史を美化し、相互信頼を破壊し、緊張をつくり出している』と。強いトーンで日本を批判しているということで、何か韓国と中国とのトーンに違いがあるような気がするんですけれども、このまま、この2国は、このようなギャップを抱きながら、日本に向かってくるのかどうかということですが」
岡崎氏
「お互いに、日本に向かってくるというよりも、国内問題が大きいですからね。ですから、これは、国内にああいうことを言わざるを得ないので、言い続けるでしょう。他の国に影響しなければ、日本は放っておいていいです」
島田キャスター
「放っておいていいのですか?」
岡崎氏
「放っておいていいんです」
島田キャスター
「ここで、何も扱わなくても、反応しなくてもいいのですか?」
岡崎氏
「国際的に問題があったら、日本は広報活動でいちいち反論しなければいけないですけれども。これは向こうも国内事情でもってがんばらざるを得ないから。がんばっている間は、こちらはもうじっと見ているしかないですね」

中国・習国家出席の人物像 国内問題への対応
反町キャスター
「それは、たとえば、中国は中国でよく言われる、江沢民政権になった時に、国内の引き締めのために反日教育も必要であった。ないしは韓国においても、反日というカードを切ることによって政権の求心力とか、世論の支持というものが得られたと。それぞれの内政的な思惑で、反日というものを双方が打ち出して、それが結果的に2国が共同して、日本に向かっているという。非常に通り一遍の説明をよく使うんですけれども」
岡崎氏
「習近平政権は、かなり緊張状態にあると思いますね」
反町キャスター
「中国の政権の中の問題ですか?」
岡崎氏
「中で。権力闘争というのは、普通、ポスト争いですよ。一昨年の党大会、それから、昨年の全人代で一応片づいているはずですよね、人事はね。ところが、そのあとも、すごい勢いで権力闘争をやっていますね。そうなると、独裁権力に向かってやっているとしか考えられないですね。これから大規模に汚職を追及しますよね。これが何かは、私にはわかりません。端的に言えば、ソ連の政権ができてから、スターリンの大粛清があったんですね。目的がスターリンの独裁体制を確立するためですよ。既に習近平は、権力闘争は済んでいるはずです、人事が全部はまっていますから。あとから、あとから権力闘争をやっている。腐敗追及をやる。これは独裁権力を固めていると私は思います」
朱教授
「現在、腐敗対策でここまでやっているということは、中国の中でも国民が実はこれまで政府に対する相当の不審があったので、今回本格的なことをやっていると。これまで汚職、腐敗の摘発というのが、一部の小物だけを出して、中国語で蠅叩きというのが、今回は虎退治。虎のようなものでもやると。それはある意味、習近平時代になって1年半で既に権力が安定してきた。ですから、ただの権力や、そういうことであれば、こういうことを何もやる必要はないんですね。これから中国の近代化をするためには、経済面でも、社会面でも、こういう汚職、腐敗面でも果敢にやらないと、次の時代が来ないというような危機感。そこは、彼は勇気を持ってやっていると思います。ですから、外交で出たから、国内、権力基盤が弱いから、反日しているというような図式、日本でよく言われるのですが、私はそうは思いません」
森本教授
「近代国中国が1948年にできてからずっと歴代の政権の究極的な目標はたった1つ。それは中国共産党の一党独裁による統治を安定させるということにある。この1点にあるんです。ただ、それをやるために現在の習近平体制はいわゆる昨年から、経済成長率が7%に落ちて、かつて14%ぐらいだったのが落ちている肌感覚からいうと、中国国民の不満は蔓延していると思うんです。これを、統治を安定させるためには、どうしても経済成長、経済発展をし続けなければいけない。そのためには効率の悪い国営企業、あるいは腐敗とか、汚職というのを摘発して、膿を出していかないと、人民の支持も得られないし、経済発展もできない。だから、経済改革、政治改革は、生きるか、死ぬかの瀬戸際というぐらい重要で、リスクが高い。最後の力を振り絞っているわけではないけれど、力を振り絞ってやっているんだろうと思います。賭けに出ているんだと思います。間違ったなら、これは政権が崩壊するぐらいの覚悟でないと、現在の既得権益を享受している、どちらかというと江沢民を中心とする党と軍のトップを摘発することができない。そういう意味では絶対に安定しているとは言えないと思うんです。だから、非常に危ないところでリスクを負いながら、いかにして自分の権力構造を極めていくかという努力を、僕は続けていると思うんです。僕らが一番気にするのは、それは放っておけばいいとおっしゃるのですが、ちょっとだけ、私は放っておけない理由が1つだけあって、それは何かというと、軍で、自分は共産党に忠誠心を持っているんだと。最近、その論文がよく出ているんですけれど、高級軍人にそういう人が出てきて、自分の汚職、腐敗を拭うために、忠誠心競争をやって、目をそらそうという人が出てくると、Su27のような事件になるわけですよ。つまり、周りの国に軍事力を使って、目をそらして、自分達は中国共産党に対する忠誠心をここまで命をかけてやっているんだというようなことを、兵員を犠牲にして、自らを犠牲にしてやる。この迷惑を被るのは周辺国ですから」
島田キャスター
「汚職をごまかすためにやったかもしれない?」
森本教授
「いや、そんなことは言いません。そんなことは言いませんけれども、EP3の事件だって、ベオグラードの中国大使館が米軍によって誤爆されたあと、米中関係が悪くなった時、人民解放軍の王尹という海軍少佐が結局、EP3につっかかって、衝突をして、自分は海に落ちて行方不明になって英雄になっていくわけです。中越紛争以来、35年、戦闘経験がない、戦争経験がない、人民解放軍の軍人が英雄になろうと思って、汚職ではないんですけれども、自分は国のために犠牲になって国内のナショナリズムというものを実現するということに出ようとすれば、今回の戦闘機の異常接近などは明らかに共産党が認めて、意図して、計画してやったに違いないと思います。そうでなければ、あそこまで外交上抗議しているにもかかわらず、同様のことは起きないですよね。だから、そういう危険性というのが、周りの国にあるので、我々は常に備えをしておかないということだけは、人ごととか、放っておけばいいわけにはいかない。そこだけは、私はちょっとだけ気になるんです」
磯崎議員
「これを、外交カードにするということは全然生産性がありませんね。だから、はやく歴史認識は歴史認識で、私達もある程度のところで、決着させる必要があると思うんです。そのためにはやく首脳会談をしてほしい。我が国も、我が国の立場がもちろん、ありますけれども、中国の言い分も聞きます、韓国の言い分も聞きます。そこはお互いにトップ同士で胸を開いて、話し合おうと言っているわけであります。そこにいかにはやく結びつけていくのか。その中で歴史問題もよく話し合って、ケリを着けければいいと思います。大事なことは、将来に向けての外交をやらないと、いつまでも昔のことに、両国がこだわる。日本はそうこだわっていることはないけれども、そういう関係をはやくやめていくことが大事だと私は思います」

北東アジアの平和と日中韓
島田キャスター
「先ほどの付属文書の中で『日中韓3カ国の協力が北東アジアの平和と安定に重要だ』と、わざわざ盛り込んでいる。これはどういう意味ですか。と言うのも、一方で、いろんなところで日本の悪口を言っているのに、日中韓3か国の協力が大切だと。これをどう読めばいいのでしょうか?」
森本教授
「これは、韓国がかなり主張したのではないかと思いますけれども、これからのこの地域の発展を考えると、中韓だけではダメです。どうしても日本を協力の枠組みの中に入れて、FTA、そして、将来はおそらくTPPというものがずっと先に見えると思うんですね。そういう地域の安定のための協力というのは、どうしても日本を入れた形でないといけないと、おそらく韓国が非常にこの部分は主張したのではないかと」
反町キャスター
「この文言は何かアメリカ外しをしているようにも思えるんですけれども、そういうものでもないのですか?」
岡崎氏
「いや、私は、詳しい説明がないんですが、私の直感ですけれども、この日本というのは、安倍内閣ではないですね。日本人民ですよ」
反町キャスター
「分断策の1つとして?」
岡崎氏
「そうです。私はそう思います」
反町キャスター
「安倍政権を支持しないであろう日本国民に対して、我々は手を差し伸べているんですよと、中国は言いたい?」
岡崎氏
「そうです。このところ、そういうPRをしていますよ、政府と人民を別にするね。これは基本で、伝統的ですよね。最近、特にやっていますよ、日本については」
島田キャスター
「この日本というのは、そういうことだったのですか」
磯崎議員
「私もこの文言が入ったのは意外だったのですが、それぞれ今言われたようなことがあったんだと思いますけれど、確かに経済的な面というのが1つ。平和という言葉が入っていますけれども、経済的な面を考えた時に日本の経済をおいて、中国と韓国だけがんばってもなかなかうまくいかないというのはまさにおっしゃる通りだと思いますので。どちらが入れたのかはよくわかりません。韓国だった可能性が高いと思いますけれども、これを入れていただいたことは、私はありがたいことだなと思っています」

日本の集団的自衛権 中国の受け止めは
島田キャスター
「日本の集団的自衛権についての中国の反応をどう受け止めていますか?」
礒崎議員
「こういうことがあるとある程度予測はされていましたけれど、ただ、これは理解してもらわないと。中国もしっかり集団的自衛権を持っている。これは国連憲章に基づいて全ての加盟国が持っている権利でありまして、日本も同じようにする。持っているだけではダメだと。行使し得る、行使ができるようにするということであります。ただ、日本の場合、憲法9条があるから、我が国の存立を脅かされ、かつ国民の権利が根底から覆されるような、まさに日本に戦火が及ぶような場合でなければ、集団的自衛権を行使しないという、限定容認という名前をマスコミがつけてくれましたが、極めて限定的な場合しか使わない。そういうことを中国、韓国にはしっかりと話をして、先ほども言ったけれど、中国も韓国も持っている権利ですから、日本だけ持ってはいかんということにはならないと思いますので、よく説得していきたいと思います」
反町キャスター
「日本の集団的自衛権に、中国は何を懸念しているのですか?」
森本教授
「要するに、日米同盟がこれ以上強化されて、中国の行動が日米の強化された同盟によって抑制されるということを懸念している。懸念している度合いが強ければ強いほど、我が国の集団的自衛権行使は正しい方向に行っていると」
反町キャスター
「抑止力が効いているという理解でよろしいですか?」
森本教授
「そう考えればいいんです」
反町キャスター
「きれいにはまったと見てもいいのですか?」
森本教授
「きれいにはまったのですが、これを歴史問題と結びつけるという思考過程が見当外れで、歴史問題ではなく、歴史修正主義でもなく、国家として持っている基本的な権利をこれまで行使できなかったことを普通の国と同じようにやりましょうということを言っているだけなのであって、そこは無理に結びつけて、対日批判を行う1つの道具に使っているということだと思います」
朱教授
「私は1つ、中国への心配は、まさに戦後60年以上堅持してきた道と今回の集団的自衛権というところで、この両者の関係はいったい何なのか。継続か、大きく変えるのか。少なくとも平和憲法が決めたもので、長年守られてきたものを今回閣議決定でいとも簡単に変えてしまうということで、いったい日本がどの方向にいくのか、歯止めはどこにあるのか。そこのところは正直言って、周りの国が心配を持つというのは、私は当然だと思います。もう1つは、中韓の首脳が一致した点ですが、集団的自衛権を日本が持ってはいけないというような話より、その前提となる日本が何のために使うのか。しかも、これまでの歴史の問題でいろいろ対立がある。日本の中でいくら我々はそんなつもりはないと、相手が変に言っているんだと言っても、かつて日本が侵略し、植民地化した隣国からの声に対して、ただまったくのナンセンスだというような話では未来志向ではないわけですね。隣の国のそのような声、懸念というところは、丁寧に説明し、日本はそのような侵略国家に戻るというようなことはないんだということを日本がさらに行動を通じて、我々はいろんなことを制限している。これからも限定的だと丁寧に説明する。少なくとも、私が言いたいのは、相手の懸念、心配、そのもの全てを、反日、日本叩きと見るのはちょっとよくない」
磯崎議員
「はやく首脳会議をやるのが大事であって、我が国は拒否していない。無条件というのは、向こうも無条件で我が国も無条件。とにかくあらゆることを議論しましょうと。そのための首脳会談を一刻もはやくやるべきだと思います」
岡崎氏
「ハッキリ言わないから、皆心の中で知っていることは、ゼロサムゲームですよ。日本が戦闘機を10機買えばその分中国は軍事バランスが悪くなるんです。それはハッキリ反対ですよ。中国が反対するから戦闘機を増やさないということはあり得ないんですよ。だから、心の中では、これは中国に向いていないと説明するのは構いませんよ。だけど、実際はそういうことですね。集団的自衛権の行使を決めれば、これまで行使していませんから、それが新たに行使できるようになると、これは中国にとって不利に決まっている。不利なら反対するに決まっている。それを中国が反対するから、集団的自衛権の行使は認めないというのは、本来安全保障の議論にならないんです。仮想敵とか、そういうことは表立って言わないことですよ。心の中で知ってさえいればいいんです」

来日した胡徳平氏とは
島田キャスター
「胡徳平氏が来日し、要人と会談を重ねていますが、どれくらい中国で重要な方のですか?」
朱教授
「胡耀邦元共産党総書記のご長男、人徳、人望がかなり厚いということですね。ここ10年ぐらいはずっと国家開放の堅持、さらにとどまっちゃいけない、さらに前に進めと常に主張して保守派からも批判されたわけです。しかし、一方、習近平さんとは、若い時からずっといろいろ進言できるような立場で、今回、彼が来たというところがそのまま中国外交全体としての日本への派遣とは思いませんけれども、少なくとも半分は、胡徳平さんのような方が現在の日中関係を憂慮し、日本の中でいったいどう考えているのか本音は何を望んでいるのかということを聞いて、持って帰って習近平さんに伝えるというようなところ。直接、習近平さんのところに報告できる、進言できる重みのある方です」
島田キャスター
「民間人ですよね」
朱教授
「民間人です」

今後の日中関係 首脳会談は
反町キャスター
「日中首脳会談の中国側の条件について」
朱教授
「中国は原則を重んじる国ですから、この1つ、2つクリアしないと、未来志向に行けないということを率直に言っていると思うんです。ただ、その中で見れば、靖国参拝というところで、第一次安倍内閣の時にもう行かないというところで互いに暗黙の了解を立てた。今回それも破って行った、そこのところは中国国内で日本通ではない多くの一般の人、あるいは長老などが相当怒っているというところを、国内調整のためにも、そこはシンボリックに何らかの形で外交的な1つの打開策が必要だと思うんですね。尖閣についても、当然、日本は日本の立場がある。中国は中国の立場がある。それを真ん中にもう少し歩み寄っていければ、現場で衝突が起きないように互いにコントロールする、1つのルールをつくる。それについて、中長期的にそのような問題に対して自分の主張をそれぞれ持ちながらも、その問題を実質的に蓋をする、棚上げにする。あるいは日中両国関係の中で、現在占めている重要なポイントから離して、他のところをもっと大きくする。それについては、知恵が互いに必要だと思います」
反町キャスター
「これが知恵だと感じますか?」
森本教授
「全然思いませんね。中国の一方的な見方ですよね。これは全く日本側の立場を無視した中国から見た要求であって、これでは全然受け入れられないですよね」
礒崎議員
「前提条件付の首脳会談はやる意味がないですし、それは受け入れられませんけれど、双方のトップの代理ができるレベルでいろいろ議論をすることはいいことだと思います。我が方にも総理に進言できる立場の方はたくさんいますから、そういうレベルで中国と無条件に知恵を出し合うことは、私はいいと思います。ただ、こういうような条件をつけられて会議をするようなことは絶対ないということだけは申し上げたい」

岡崎久彦 岡崎研究所所長の提言:『曠古敗戦久奪志託誰民族安危事父子三代憂國情遂顕集団自衛義』
岡崎氏
「提言というよりも、とにかく35年ぶりに集団的自衛権の行使が決まったんです。これは日本にとっても大変良いことです」

森本敏 拓殖大学特任教授の提言:『政治分離して日中韓首脳会談をすすめるべき』
森本教授
「政治問題、つまり、歴史認識や領有権問題というのはお互いになかなか譲ることができない一線があるので、これに拘っているより、むしろ現実的に経済、あるいはビジネス、投資、貿易、人の交流、観光、環境問題、食糧、あらゆる問題について、日中だけではなくて日中韓の3つの国で自由に話しあう機会をできるだけはやくつくるべき」

朱建榮 東洋学園大学教授の提言:『「歴史」が「未来」の足を引っ張る現状の打破!』
朱教授
「森本さんがおっしゃったことに賛成ですね。1日もはやく未来志向のところに持っていくべき。未来志向で日中韓が幅広く話し合い、交流し合い、協力するべきだと思うんです。今日は7月7日。ちょうどかつて日中戦争が始まった節目の日でもありますので、1日もはやくこの未来志向の足を引っ張っている歴史問題を乗り越えよう、解決しようと。日本ではあのことがもう70年前の戦争だと。中国は歴史をカードにしているというような見方をする方も多いのですが、中国の中では、たとえば、(旧日本軍の)化学兵器の多くがまだ埋まっていて、中国の大開発の中で毎月のように発掘されて毒液が出ているわけです。中国にとっては過去形ではなく現在進行形というところも含めて、そういうところも理解して、一緒にはやく未来の足を引っ張る問題を解決し、あるいは外交的に歩み寄る姿勢、メッセージを出しあうことを早急にやるべきだと思います」
礒崎議員
「昨年、国家安全保障戦略というものを安倍内閣より出した。その中でも中国、韓国の両方の国を、非常に重要な隣人であると書かせていただいていました。中国、日本、韓国が共に協力し、東アジアの平和をつくっていくという考えでありますから、是非ともはやく両国ともいい話を進めるようにがんばっていきたいと思います」