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2014年7月3日(木)
拉致調査委 陣容は ▽ 法人税減税の功罪とは

ゲスト

松原仁
元拉致問題担当大臣 民主党 衆議院議員(前半)
伊豆見元
静岡県立大学国際関係学部教授(前半)
菅原一秀
自由民主党 衆議院議員(後半)
落合寛司
西武信用金庫理事長(後半)
山口義行
立教大学経済学部教授(後半)


前編

特別調査委員会 実効性は
反町キャスター
「北朝鮮の特別調査委員会の陣容をどう見ていますか?」
松原議員
「この特別調査委員会は、安倍総理が言っていたように極めてこの拉致問題を扱うにふさわしい陣容だろうというように評価したいと思っています。国家安全保衛部の副部長がいて、上部団体の国防委員会の参事が入っているということですから。これまで拉致を実際に行ったのは作戦部であるだとか、統一戦線部であると言われていますが、そういったものを国防委員会が面倒を見ている組織だというような議論がありますから。組織がいろいろと変更をしていますが、そんなふうに聞いていますし、実際に宋日昊氏が出てきてやっていたのでは限界がありますが、こういった国防委員会や国家安全保衛部の連立から考えれば、1つの構成から考えれば、これ自体は評価できると思います」
伊豆見教授
「これはきちっとした組織に見えるけれども、だから、きちっとした調査をやって、ちゃんと我々が納得するような結果が出てくるかどうかは現在の段階ではわからないわけです。そもそもまともな調査委員会というのは2004年に1回つくられただけですからね。あの時に比べれば良いですよ」
反町キャスター
「あの時は組織的な限界と言って終わったのでは?」
伊豆見教授
「結果をいろいろと出してきているのですが、あの時は、ここで言うと人民保安部というのは、当時は人民保安省だったのですが、表に出ている警察ですが、そこの捜査担当局長が委員長だったわけです。それに比べれば権限も付与されて、しかも、国家安全保衛部の方は裏の警察のようなものですし、そこも表に出てきてやるということですから、それはこれまでに比べたらしっかりとした形の調査委員会にはもちろんなっていると」
反町キャスター
「国防委員会安全担当参事と国家安全保衛部副部長を兼務する人が委員長になることが、どういうパワーをこの委員会に与えることになるのですか?」
伊豆見教授
「よくはわからないですよ、もちろん。それは正確にわかるわけもないし。だけど、国防委員会というのが北朝鮮の最高指導機関であることは間違いないし。そこが全ての関連機関を調べる時に、それができるような権限を与えましたよという形になった特別調査委員会ですから、それは相当権限が強いということはまず言えると。国防委員会というものが絡んでくること、国防委員会が権限を付与しているということの意味はもちろん、大きいですね。その国防委員会のトップはもちろん、金正恩氏1人なわけですから」

拉致問題は進展するか
松原議員
「この調査委員会を何でつくるかというと理由は1つですよ。金正日氏が8人死亡と言ったんですよ。日本で言う大変権威があるというのは当たり前ですよ。トップが言った、しかし、調査をよくしたら間違った情報が上がっていましたと、アリバイもこの調査委員会で言うための。言ってみれば、お父さんの権威をひっくり返さないで、しかし、生きていたという、これを両立させるための1つがこの調査委員会というのはアリバイ的な存在であるという見方もできるわけです。私はそれにしても実際先ほどの伊豆見先生もおっしゃったような結果だから、その結果に対して全て失踪者、1000番台の25人、認定被害者の残り、合計40人弱がマストだ、生きているなら戻せと。もし亡くなっているならその証拠を出せと。現在殺すなよと、当たり前ですが」
反町キャスター
「ストライクゾーンですよね」
松原議員
「そのストライクゾーンを判断するために、判断して、ストライクゾーンではなかったら再制裁だ。それがストライクゾーンかどうかを安倍さんが判断するのか、官邸だけで判断するのか、私は違うだろうと。この拉致の問題というのは超党派でやってきたから、議連の平沼さんもいる、中山恭子さんもいる、不肖私もやってきました。たとえば、櫻井よしこさんのように寄り添ってきた方、それから、特定失踪者問題調査会は今回、かなり厳しいことを言っていますが、荒木さんもいる、救う会の西岡さんがいる、家族会の飯塚さんもいる、増本さんもいる。そういったオールジャパンでこの運動に関わってきた人が一定数、それぞれの代表者が入った人達のグループで、これはストライクゾーンだ、これは確かに北朝鮮が精一杯やってきたと、これだったら再制裁は勘弁しようと、この判断をしなければならない」
反町キャスター
「答えが出てきた時の日本側の検証方法をどうすればいいと思いますか?」
伊豆見教授
「おっしゃるようにオールジャパンというのが一番望ましいのでしょうけど」
反町キャスター
「まとまる話もまとまらなくなるという心配はないですか?」
伊豆見教授
「あり得ると思いますよ。究極的には安倍総理がどのように判断するのかが一番大きいでしょうし、それがどのように北朝鮮に伝わって、北朝鮮がどう考えるかと。おそらくそういう話になると思います」
反町キャスター
「日本から調査団を派遣するタイミングは、どのタイミングで派遣するのが望ましいと?」
伊豆見教授
「最初の北朝鮮の調査結果、進捗状況を出してきて、どういうことをやって、どういうことが現在のところ上がってきているのかを話し合って、そのあと調査団を出すのは構わないと思いますよ」

拉致問題解決への道筋は
反町キャスター
「スケジュール感は?」
伊豆見教授
「タイムスケジュールを決めてそこでちゃんとお互いにやっていきましょうねと。北朝鮮だけがやればいいという話ではなく、日本もちゃんとやらなければいけないことも当然出てくるわけですが、そういうことを積み上げていかないと前に進まないと思いますよ」
松原議員
「おそらく現場において一定のストライクゾーンの設定を向こうに伝えていると思うんですよ。ストライクゾーンを伝えなくして、どんなに出したとしても嘘言うなとなるわけですから。だから、北朝鮮側のトラウマからすればどこまでいったら日本は了解するんだと。こういう議論は当然しているはずです。もっと言えば、安倍さんはこの問題に対して造詣が深いですから、この間も言ったように、北朝鮮に孫までいるような方々に対してどういうものが決着なのかといった議論まで本来なら水面下である程度しなければここまで踏み込まないだろうなと、私は担当者だったから。それを逆に一定の解決とし、ただそれで終わりではないよ。実は前に蓮池さんに会った時に1つあると。しかし、それで終わりではないと。それを出さないと北朝鮮も出てこないという話があったんですよ。それは事実だと思います。そのストライクゾーンの設定というのは内々でそこまでの議論があって、そのうえでさっき言ったこれが出てきて、この調査委員会ができ、一応段取りを整えているというのが実態でなければ、私は困ると思うんです。何をもって一定の解決にするのかという議論がないまま進んでいるとしたなら、いつまで経っても、これは落ちあわないですから」
反町キャスター
「視聴者からの質問ですが『拉致被害者の中に国家組織で働いている人もいると思いますが、どうやって帰国させるのですか』とのことですが」
松原議員
「北朝鮮の組織の中で働いていると言えば、おそらくかつて5人戻ってきた中にもおられたと思います。その後も私が北朝鮮側の人と会うと彼は我々を非常に高く評価していたと現在でも言うわけです。だから、それは完全にマインドコントロールを解くということも含めて、一定期間、3か月とか、半年とか、日本に住んだうえで判断させると。ただ、大事なことは現在戻ってきた拉致被害者は、基本的に日本人拉致被害者同士ですよ。北朝鮮公民と結婚した拉致被害者というのは戻ってきていないんです。だから、そういうことを含めた時に、それが日本政府も可及的速やかに拉致された直後に救い出しに行けば良かったけれども、30年もタイムラグがあって、最初わんわん泣いて日本に戻りたいと言っていた人間が孫までできてしまったと。この場合の解決というのは、非常に本人も故郷日本で死にたいと思っても、俺の孫は北朝鮮にいると。こういった部分に関して、現在北朝鮮の国家機関で働いている人がどうだという議論もあるけれど、それ以前にそういった人に対しては最終的にマインドコントロールが解けるまで日本にいて、それだって自分の子供が向こうにいたら、戻らなければという気持ちはあるかもしれませんね。そこをどういう判断をするかというのが非常に難しいということしか現在は言えません。私はどちらにしても、この問題は安倍さんが全力で応援することを、超党派で応援していきたいし、だからと言って騙されてはいけないし、ストライクゾーンを明確に設定して一定の解決を認めるためにはオールジャパンで判断するべきということを繰り返し申し上げておきたいですね」


後編

中小企業 現場の声は アベノミクスの影響と本音
島田キャスター
「大企業と比べると中小企業は景気回復の実感が乏しいのではないか」
菅原議員
「大企業にはそれなりの効果が出てきている、しかしながら中小企業は実感を持たないという声も聞きます。しかし、全国の中小企業団体で調査したら、景気、売上高、収益情報、全てにおいて現在良好な状況を示しているんですね。4-6月は8月ぐらいに正確な数字が出ますからハッキリしませんけれど、1-3月は上がったわけです。特に実質GDPにおいては、6四半期で6.7%ぐらい上がっていますので、そこを見ますと、全体的には上がっているけれども、まだ中小企業、小規模事業者においては及んでいないという状況があります。そういう現状ではないでしょうか」
島田キャスター
「円安などもあったりした。4月からの消費税増税もあったりした。実際現在、現場の方と話していて、どういうふうな声を聞きますか?」
山口教授
「中小企業家同友会というのがありまして、全国調査をして5000人が答えたんですけれど、全額消費税は転嫁できていないという方々が4割。Gメンだとか、カルテル等、いろんな政策をやられているんですけれど、たとえば、普通の小売店の人達が上げたらお客さんが減っちゃうと思えば上げられないですよ。これはGメンだろうが、誰だろうが上げられないので、そういう経済的な競争関係の中で競争力の強いところ、弱いところの差がどうしても出てくるわけですね。従って、転嫁がうまくいくかどうかだけでなく、その他の支援策をどうやってやっていくかというところが重要になっていくわけですね。それから、もう1つ、現在消費税の影響よりも心配なのはコスト増。多くの企業からそろそろ限界であると。これまでのやり方、ビジネスモデルは基本的に無理なのではないかと。簡単に言えば、人を吐き出さなければいけないのではないかと、ギリギリまで追い詰められているところもたくさんあります。将来、踏ん張っていれば、良くなればいいんですけれど、いずれ中小企業にも及びますと言われて、既に1年も経っているし、輸出にしても数量は伸びていない。さらに消費増税があって、法人税減税に伴う増税もあり、先行きが非常に厳しいと、多くの人がだんだん思い始めているという感じですね」
反町キャスター
「消費税プラス2%を視野に入れた時、これから中小企業にどういう影響をもたらすのか?」
落合氏
「価格転嫁できれば、消費税は全く問題ないわけですね。だけれども、現在日本の中小企業の7割が赤字で、製造業の売上高が経常率で4%ぐらいですね。卸、小売りだと2%ぐらいになるんですね。そうすると、価格転嫁できないと大変な大きな問題になります。ただ、力のあるところは中小企業でもどんどん価格転嫁できるんです。価格転嫁できないところは実は弱いところです。ですから、私はこの差ができるので実は消費税10%にする時はもう少し対象を緩めた方がいいのではないかと」
反町キャスター
「何の対象ですか?」
落合氏
「たとえば、売上げが1000万円となっています。これを5000万円だとか、1億円だかはわかりませんが、ある程度の競争力がありそうなところにソフトランディングでまず始めて徐々に対象を下げていって、ちょうど良い落としどころをつくる。要は、強いところと弱いところの差をどこかで見分けなければいけないので、それは最初1億円なら、1億円の売上げから入って、徐々に下げていくと、意外とソフトランディングできるのではないかと考えています」

法人税減税改革で負担増? 中小企業への影響は
島田キャスター
「法人税減税は必要なのですか?」
菅原議員
「アメリカに次いで国際標準から見ても世界第2番目の高さであります。これは投資を呼び込むことを考えると、ここは大胆にやるべし。なおかつ今回、新成長戦略骨太の方針の両方に来年度からやるとはっきり銘打ちました。総理がダボス会議でも国際公約をした課題でありますし、これがきっちり入ったということは年末までの税調でしっかり議論していかなければなりません。20%台という数字はすごくインパクトがあると思います。17年前に下げた時は50%から40%に下げて、今年の頭にまた復興法人税を下げているわけです。しかし、約6%下げるということ、20%台にいくという。あわせてできればOECD並みの25%ぐらいまでもっていくことによって、設備投資、賃金を上げていくことに、内部留保ではなくて、いわゆるフローのお金に回していくことが目的でありますから、しっかりやっていきたいと考えています」
島田キャスター
「外形標準課税というものが特に中小企業に影響を及ぼしそうだというのですが、それはどういうことでしょうか?」
山口教授
「私自身は、そもそも法人税を下げても外資が入ってくるわけはないと思っています。つまり、マーケットと低賃金で資本が動くわけで、税率だけで動いているわけではないので、日本に来るかと言いますと僕は来ないと思います。そのために、中小企業の活力を削ぐような施策をやるというのはとんだ間違いだと思うのです。外形標準課税とは何かと言うと、これまでは利益に対する課税だったんですね。所得割は9.6%が1番高いのですが、これが7.2%に下がっています。4分の3ぐらいの部分からとる分を減らして、残りの4分の1ぐらいを外形、企業がどれだけ付加価値をつくったか。付加価値というのは、原材料を買ってきて、それと価格との間。給料を払ったり、金利を払ったり、賃借料を払ったり、その残りが利益ですね。そこの部分に0.8%の税率をかける形で課税していくという考え方。これは企業によって違います。誤解が生じやすいのは、外形にかかりますから、赤字企業にもかかりますよと。確かにそうですけれど、うちは黒字だから法人税を下げてもらったら得をするのではないか。赤字のところはかわいそうだという人が多いと思う。法人税の実効税率を下げるためにやった措置が、中小企業から見ると完全に増税になっていると」
菅原議員
「党内においても、今回の新成長戦略の中に、地域経済に十分に配慮をすべきという一文言が入りました。これは1億円以下の中小・小規模事業者に外形標準は慎重にということの裏返しであります」
落合氏
「税金の話をずっとしていますが、私は経営者ですからもっとアベノミクス効果をうまく使えと。日本の企業の7割が赤字だという異常現象をはやく直さないといけない」
反町キャスター
「何でそういう現象が起きている?意図的に赤字をつくっているところもありますよね。中小企業を守るという大合唱に聞こえていても、全部の中小企業を守るべきなのか。そこは?」
落合氏
「中小企業にアベノミクス効果がきていて、うんと利益が上がっていると、実はこんな話は問題にならなくて、中小企業になぜ来ないかと言うと直接輸出をしているような、たとえば、円安効果を享受できる企業が大企業より少ないというのが1つあります。あと1つは、これほど安倍政権が用意している補助金だとか…1兆円を超えているんですよ。これらをほとんど使っていないんです。税金でもらっている補助金を有効活用して、どのぐらいまでになって、ですから、時間との問題だと思います」
山口教授
「でも、補助金をとると必ず借金がつきまとうんですよ。全部補助金でやれるわけではないから。借金が増えれば先ほどの形で0.48%、さらに税金がかかるわけですよ。だから、本当にやめないといけませんよ、こういう議論は」

新成長戦略 法人税減税 中小企業活性化策とは
島田キャスター
「具体的に、どうしたら現在の中小企業がもっと元気になるのか。アイデアがありますか?」
菅原議員
「385万社のうち9割の334万社がさらに小さい小規模事業者で、ところが、わずか7人ぐらいしかいない小規模事業者でもまさにグローバルニッチと言われるように、世界にも通用する、たとえば、手術用の部品だとか、漁師が開発した自動イカ釣り機とか、こういうものが世界でどんどん売れる状況にある。ところが、そういう企業がベンチャーも含めて、まずお金がない。研究開発もなかなか時間がかかる。設備投資もままならない。こういうところで苦労しているので、だから、西武信金のような地域金融がしっかりそこに光を当てる。これまで金融庁に言われて、やれ融資の引当金だ、いや担保だ、個人保証だ、これを全部自民党、与党でこうしたことをなるべく止めていきましょうと。その事業性や将来性や経営者の資質をしっかりと見極めると。そのためには、金融機関も目利きをしっかり、そういう意味ではドイツ型の新しい制度。中小企業や小規模事業者の開発者がモノを売ろうとする時に地域の大企業や中堅企業や大学や研究所、金融機関、こういったもののコンソーシアムで、それを売り出していこう、販路を開拓しよう、あるいはジェトロと連携して海外に、日本のそういう小さな日本の商品を売っていきましょうということなど様々な取り組みを進めていますし、これをさらに強化するのが今回の成長戦略の中に盛り込まれましたので、ぜひこれは期待をしていただきたいと思います」

中小企業・金融機関・政治 環境の変化にどう対応
島田キャスター
「中小企業自身が努力しなくてはいけないこととは何でしょうか?」
山口教授
「1つは、市場というのはつくるんだと言いましたけれども、市場も満杯だし、そんなにできるはずがないと思い込んでいるところがあるのですが、大企業の話ですよ。大企業というのは大きな家電関係のところの話を聞きますと、提案する最低限が500億円。500億円ぐらいのマーケットを想定しているようなものを提案しなさいと。そんなのできるわけがないではないですか。中小企業は1億円でも5000万円でも10億円でも、そういう市場で生きていくんです。そういう市場を積み重ねてつくっていくということが必要なので、自分達で市場を創造していくんだという力を持ってほしいというのが1つ。もう1つは先ほどちょっと出ましたけど、たとえば、海外にすごく大きいマーケットが育ってきて、東南アジアでは中間所得層ができてきていますから、ちょうど日本の中小企業は、得意とする分野が育ってきている。そこへ出て行こうとするのですが名前が売れていないんですよね、中小企業。だから、最初は、たとえば、むしろODAをやりながら1回向こうの企業や政府との取引きがあれば、今度はそれを実績的に使えますよね。現在ODAなどでも中小企業支援をやるということで、私は実は外務省の参与をやっているんですけど、そうやって最初に舞台に乗っけるところを支援してあげる。それから、もう1つだけ言わせてもらうと、たとえば、東南アジアがすごく成長してきたために、ゴミ問題とか、水の問題とかが出てきます。こういうものを日本でやっているのが自治体ですね。自治体が向こうと関わりを持って、日本の中小企業の技術をそこで活かせるようなコーディネーター役をやる。そうすると、まだまだマーケットは広がると思いますね」
島田キャスター
「金融機関が中小企業を元気にするためにできることは?」
落合氏
「まず中小企業の経営者の意識改革が大事だと思います。まだリーマンショックを言っている人がいるんですね。もう時代は変わっているんですよ。経済の主役が先進国から新興国に変わった。こんな大きな変化の中で自分をいかに変えられるのか。その時のキーワードは、自分の強さは何なのかというのをもう1回見て、それをそのままやるのではなく、実は私達が大成功しているのは農業にいっているからです。製造業はモノづくりですが、農業も農産物ですからモノづくりです。経済産業省で鍛えられた製造業が農業にいくとマスクメロンは1本から60個も採れるんですよ。花が咲けば出荷日が決まるんです。それが年中できるわけです、水耕ですから。極端に言えば、将来は海の上でもできるわけですね。こういうイノベーションと言ったら格好いいのですが、もう1回自分の足下を見直して自分のところは何と何ができるのか。その時に専門家とか、あるいは仲間、ネットワークをどうするのか。この時に実は金融機関が情報のネットワークだとかにお金を参加型で出さないとうまくいかない」
島田キャスター
「金融機関の意識改革は必要ないのですか?」
落合氏
「必要です。皆が変わらなければいけません」

菅原一秀 自由民主党衆議院議員の提言:『進取果敢』
菅原議員
「経済、あるいはこれからの中小企業というのは国、あるいは行政、公が何かをしてくれるんだと待っていたらダメでありまして、それは企業も事業も金融機関も我々も世界のトップになる、オンリーワンになる、そういう思いを持って、まさに進取に転換して、先ほどの一金融機関だけではなくて、全体的に。こういう総合力で中小企業こそが日本経済の牽引役、GDPを押し上げていくという流れをつくっていかないとダメですし、大企業も、あるいはベンチャー企業の非常に良いアイデアを取り込む。販路や人脈やノウハウや資金力がありますから、そういったコラボレーションもコーディネートしていくのが大事。いずれにしても進取をとりにいくという果敢な行動だと思います」

落合寛司 西武信用金庫理事長の提言:『変化はチャンス』
落合氏
「経営者が大きな変革期に、変化はピンチだと思って動かない。動かないことが実はいろいろなものを遅らせている。変化球は攻めていって、何を自分がやるべきなのか、自分の強みは何なのかを認識し、どんどんアピールしていくとビジネスは寄ってくるんですね。従いまして、自分のこれまでのやってきたことに自信を持つ。強みを自分のところにどんどんシフトして、果敢にいろんなものにチャレンジしていく。このことが私は一番大きいと思っています」

山口義行 立教大学経済学部教授の提言:『コーディネーター』
山口教授
「中小企業が主役にならなければいけない局面が、だんだん増えてきているんです。ただし、中小企業が単体でやれるかと言ったらできないんですね。たとえば、水の処理をやる時、ゴミの処理をやる時、1つの中小企業が東南アジアに行って解決できるかと言ったら、できないですよね。何社か組まなければといけません。行政も協力しなければならない。そこで重要になるのがコーディネーターですね。そこをコーディネートできる人が必要なのですが、これが足らないのだと思うんです。民も必要ですし、官もその意識を持たなくてはいけない。外資導入というのも、1つの戦略かもしれないけれど、私は海外にあんなにマーケットがあるのだから、日本の企業が出て行って、活躍して稼いで来いと。そのために誰がコーディネート役をやるのですかというのが問われていると思うんですね。専門家が育つ仕組みをどうつくっていくか。1つは金融機関、それぞれの行政がありますね、もちろん、大学の教育でもそういう貢献をしていかなければいけないと。我々はこれさえあれば、技術もあるし、積極的にビジネスチャンスを活かそうという中小企業もたくさんあるので、そのハードルを下げてあげるという意味ではコーディネーターがたくさん育つような仕組みをたくさんつくっていかなければいけないと思います」