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2014年6月26日(木)
動く?拉致問題の後景 知られざる北朝鮮経済

ゲスト

飯島勲
内閣官房参与
伊豆見元
静岡県立大学国際関係学部教授
今村弘子
富山大学極東地域研究センター長

動き出す日朝関係 拉致問題解決の糸口は
反町キャスター
「お互いの交渉がいいテンポで進むとトントントンと行く?」
飯島氏
「問題は、私が1人で言って皆に聞いてもらえなかったのですが、私が5月に行った時の常任委員長以下指導部は、朝鮮総連の建物の話はいわゆる三権分流で、政治的に内閣でも手が出せないんですけれども、これは建国の父、金日成主席の助言と指導のもとにできた建物ということで、もう答えようがないくらい大事な問題です。主席指導の下にできた建物なので、これに対して壊すとか、触ることは絶対にできないわけです。万景峰号も同じです。数年前は万景峰号を売却して、名前を変えて日本に寄港したりしているという噂があった。ところが、それは建物とは違って、万景峰号も建造四十年経つわけです。これを全く触らずに維持、管理していく、象徴ですね」
反町キャスター
「総連ビルがそんなに大事なら、何で借金のカタにしたのですか?」
飯島氏
「それは違いますよ。600億の朝鮮銀行のアレは、総連の指導部が関与しているという前提でRCCが取り立てをやったんです。朝鮮学校まで触られているんですよ。これは本来おかしいと思います。取り立てをするところがないから。信頼のアレがないから。破防法の対象にして、私は肩を持つわけではないですよ、ただ600億以上の中で、その中の回収のアレとして建物が入っているということだけであって」
反町キャスター
「とりあえず売却スケジュールを止める。これにはどういう意味があるのですか」
飯島氏
「これは政治的にはまったく触っていない話で、これは最高裁の判断に間違いはないんです。これは宋日昊大使も入り口時点の状態で、まず総連の建物。これは日本政府が同意したから合意になったわけでしょう。これもちゃんと総連の建物に対しては法律がどうあろうと、何しようと、これはちゃんと要望通り、責任もって対処するということを向こうが感じて7項目の合意になったわけでしょう、お互い」
島田キャスター
「北朝鮮が拉致問題解決に転換した、このタイミングにはどういう背景があると見ていますか?」
伊豆見教授
「政権が安定して長期でないと、たとえば、拉致問題に手をつけて1年そこらで結論が出るかわからない話ですよね。手をつけ始めて政権が変わってしまうなら絶対にやらないのは当たり前の話ですから、現在北朝鮮が動き始める前提が安倍政権で、安倍政権の支持率が高くて安定している、おそらく長期政権だろうという前提にあるのは最低条件として間違いのないことだと思います。もう1つ大きいのは、安倍さんが大きな絵を描いているからだと思います。だから、これは拉致問題だけで動いているわけではない。今回の合意をつくった協議を両方でどう定義したのかというと、これは日朝平壌宣言に則って、不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、日朝国交正常化を実現するために真摯な協議を行ったという位置づけです。だから、拉致問題に焦点を絞ったわけではないんですね。北朝鮮が望んでいたのは、広い正常化であり、平壌宣言の履行であり、それがもし叶えば、彼らは相当大きい過去の清算という形の経済協力が日本から得られるわけですから。ずっと昔から欲しているわけですよね。そういう方向に現在の安倍政権はきちっと関心をもって動きますよと示してあげたから、北朝鮮が動いたんだと見るべきですよね。それがなかったら、北朝鮮は動いていないと思いますよ」
島田キャスター
「動いた背景は北朝鮮の経済。日本からの経済制裁が効いているということは考えられるのでしょうか?」
今村氏
「それは残念ながらあまり考えられないと思います。日朝貿易のグラフですけど、1980年代後半からどんどん少なくなってきているんですね。これは1970年代に日本から随分、北朝鮮にプラントの輸出が行われたのですが、それの代金を支払っていないという問題がずっと続いていまして、1980年代くらいから日朝貿易というのは実は朝朝貿易だと言われていたんですね。日本にいる朝鮮総連系の会社が取引きしているだけだということだったんです。ですから、先進技術とか、そういったものは全く輸出されてきていませんので、制裁がきつくなったということはないと思います。それと、日本の基準からして、追い込まれているはずだとか、そういうことは考えない方がいいのではないかと思います。1990年代半ばの非常に悪い状況のところを乗り切り、前よりは良い暮らしをしているわけですので、そういう意味では(日本の経済制裁は)効いてはいないと思います」

北朝鮮経済の実情を分析
島田キャスター
「中朝のつながりはどうなっているのでしょうか?」
今村氏
「大変今強くなっていますね。先ほど日朝貿易が下り坂だという話をしたのですが、その代わり中朝貿易が非常に増えてきているんですね。中朝貿易というのは1990年代に増えている、それから2000年代後半、特に2010年あたりから急激に伸びているんですね。特徴としては、このへんまでは中朝の貿易がほぼ均衡していたのですが、これは実は中国から北朝鮮へ輸出される品目が非常に安い価格で輸出されていて、いわゆる友好価格と言われるように国際価格の2分の1とか、3分の1。石油とか、食料が代表的なものですね。そうすることで精算勘定方式、帳簿上均衡するようになっていたんですね。それが1992年からハードカレンシー(国際通貨)決済になって中国の輸出の金額が増えている、だけれど、量的にはそんなに増えていなかったんです。ところが、それが2010年あたりから急激に増えていると。特に注目していただきたいのが北朝鮮側。2009年に中国の国家プロジェクトとして、長吉図開発開放先導区というのが、吉林省を中心として、中国からたくさん投資があって、特に、鉱山の開発などがあったので、北朝鮮から中国へも鉱山の開発によって、石炭とか、鉄鉱石の輸出が非常に増えていったということです。中朝の貿易ですが、中国から北朝鮮へは原油、機械類、食料などが輸出されていて、北朝鮮からは先ほど言った中国の開発輸入のような形で石炭、鉄鋼、それから、軽工業品の衣類とか、そういうものが輸出されているような感じです。一般機械とか、輸送機械は非常に伸びている、2010年から。これは統計上で見ますと、掘削機械とか、ブルドーザーとか、明らかに鉱山を掘削するためのものが多くなっているんですね。輸送機械でもトラックとか、そういったものがたくさん輸出されているという状況です」
反町キャスター
「中国との間では、北朝鮮は資源輸出国?」
今村氏
「そうですね。それともう1つ、中朝関係で特徴なのが、これまでは中国の原油とか、食料の援助が多かったのですが、貿易物資の中には援助物資も含まれているので、援助が多かったのですが、最近ビジネス関係が強くなっていまして、原油の輸出は先ほど言いました友好価格の問題ですが、1990年あたりを見ますと、国際価格ですが、中国の北朝鮮への原油価格というのが2分の1くらい。国際価格と同じくらいか、都市によっては国際価格よりも北朝鮮への輸出価格の方が高くなっているというような状況ですね。これが2000年代の後半になりますと、もっと国際価格が上がるに従って、ずっと上がっているという形になっています」
反町キャスター
「友好価格の頃と比べて金額は増えています。量はどうなのか?」
今村氏
「原油は、前は100万トン内だったのですが、現在はだいたい50万トンちょっとということで。減ってきているけれど、金額は増えてきているということですね」
反町キャスター
「北朝鮮は外貨がないものですから、結局輸入量を抑えざるを得ない。かえって北朝鮮にとっては厳しい状況になっているという言い方もできるのですか?」
今村氏
「原油を見ると1990年代までは旧ソ連からも輸入していましたので、それがなくなってしまった。だから、北朝鮮側ではそれまでは、たとえば、火力発電所でも、原油を使っていたのだけれども、現在はそれを使わないようにして、絶対に原油でなければダメなところに原油を使うことによって凌いでいるといっていますね」
反町キャスター
「一方、北朝鮮から中国へ輸出する鉄鉱石は国際価格なのですか?」
今村氏
「そうです。張成沢事件の時に非常に安い価格で輸出した。ただ、これは中国側の貿易統計なので、中国が払っている金額にすぎないかもしれない。もしかしたら北朝鮮の方で何らかのアレがあったのかもしれませんが、少なくとも中国側は国際価格で払っています」

北朝鮮をめぐる中国の思惑
伊豆見教授
「現在、北朝鮮は国際関係で言うと、中国との関係でいうと大きく変わってきたというように考えなければいけないんでしょうね。経済関係のお話がありましたが、中国はかなりビジネスライクというか、普通の国の関係にしようと、いろいろありました。昨年からこの1年くらいの新たな特徴というのは、それだけでなくて中国は韓国に積極的に手を出すようになったという話です。これは韓国の取り込み、引っ張り込みを一生懸命やるようになったんですね。あれは北朝鮮の中で見ると、相当な衝撃を与えていることに間違いないですね。可能性はあまり高くはないけど、中国は北朝鮮から韓国に乗り換えるかもしれない。韓国主導型の統一というものを強要するようになるのかもしれないという可能性が確かに浮上してきたんですね。これは北朝鮮にとってみると、非常に悪夢にも等しいような国際関係ではないですかね」
反町キャスター
「中国が韓国に積極的に接近することにより、北朝鮮はアメリカに接近するのかなと思うのですが、そのへんの流れはどう思いますか?」
伊豆見教授
「当然、彼らは思いますよ。アメリカとやりたいし、日本ともやりたいですが、こちらが嫌だからです。現在のままの北朝鮮とやる気は全くありません。韓国が中国、ロシア、ソ連とできたのは韓国に魅力があったからですよ。経済もあるし、魅力があるし、韓国と関係をもつことは自分達にプラスになると思うからですよ。我々にとって北朝鮮と関係をもって何かいいことがあるかと普通考えるわけですよ。核は持っている、ミサイルはある、人のこと平気で脅かす、とんでもない奴だと皆思うわけですね。魅力なんか全然ないから。アメリカや日本からはいかないですよね。まず北朝鮮は身を正して、きれいにしてから、我々にアプローチしてくれば別かもしれませんが。でも、北朝鮮はできませんよ。一方的に武装解除するようなものだと自分達は思っているんですから。核、ミサイルを全部手放して、まともになりましたと。魅力的でしょう、どうですかと言ってきたら、潰しちゃおうかとやられたら終わりだと思っちゃうから、彼らは手放せないわけです」
反町キャスター
「北朝鮮と国交のある国は162か国、なぜ(国交のない)残りの31か国との関係にあくまでもこだわるのか」
伊豆見教授
「ずっととってきているけど、それでは何の意味もないということですよ。三十幾つも関係ないんですよ。まさに飯島さんがおっしゃったように、韓国とアメリカと日本ですよ。要するにこの3か国とうまくいかないと、北朝鮮は国際的に孤立するんです」
島田キャスター
「北朝鮮はアメリカよりも日本と関係を結びたかった。日本はどうしても拉致問題を解決しなければいけないという命題がある。そこで日本にアプローチをしてきた」
伊豆見教授
「それは確実にありますね。アメリカよりも日本の方が最初は動いてくれる可能性があるからですよね。拉致問題という特殊なものがあるから。アメリカはそういうものがないですから、核問題などについてきれいな体にならないと無理だという話になる。だけど、日本だって同じことで、拉致問題までいったって、そのあとはいくら何でも拉致問題を解決したら、日本が正常化するなんてことは100%あり得ないです。それは、日本人が許せますか」
飯島氏
「まさに伊豆見先生、今村先生の分析の世界になります。中国と北朝鮮は世界で稀にみる2国制度みたいなものですよ、政府が。韓国、日本、アメリカというのは国家の、自衛隊にしても、軍隊もアレですが、同じ軍隊を見た時に、世界の中で変わっているのは中国と北朝鮮だけです。革命軍ですよ、スタートが。革命軍というのは毛沢東の中国軍もそうですが、革命軍は国ではないけれども、食料の調達から貿易まで全部やって移動してきている。現在は移動しないでいるだけで、だから、貿易もやる、中国もそうでしょう。政府とは別に2政府ずつが、世界で稀に見るのが中国と北朝鮮。だから、よくわからないんですね。政府の分析と軍の分析ができていないから。アフリカだって、国連の最貧国が行ってみると車はボンボン走っているし、全然違うわけですよ。カンボジアはシアヌークの時からそうだけど、ありえないでしょう、王宮の指導部のところを北朝鮮が守っているんですよ、北朝鮮人が。それでカンボジアと北朝鮮の貿易がすごいんですね。誰も文句言えないわけですよ。えっ?と驚くようなことがあるんですよ」

北朝鮮の現状を分析
島田キャスター
「今後の北朝鮮の経済成長をどんなふうに見ていますか?」
今村氏
「良くはなっているんですけれども、良くなっていくと格差が開いていくんですね。所得格差が開いてくるということなので、平均で見るよりも下の人はもっと下だし、上の人はもっと上というような状況になっているんだと思うんですね」
島田キャスター
「1990年代以前は人々がすごく飢えて、餓死をしてしまうような映像も入ってきたのですが、現在はそういう状況ではないのですか?」
今村氏
「1990年代の時に比べると良くなっているようですね。それはたぶん、北朝鮮の方が統制を緩めて、それぞれに才覚に任せて、金儲けをしていいということになったから少し良くなってきたんだと思いますね」
島田キャスター
「それでも、他の諸国とは開きのある経済が今後どうなっていくかですが、その点はいかがでしょうか?」
今村氏
「発展途上国が発展するためには、どうしても資本が必要です。改革と開放政策が必要だと思うんですね。現在、北朝鮮は開放政策をやろうとしているようにも見える。でも、実際には1984年に直接投資を導入するための法をつくったが、機能しなかった。1990年代になってからは、国土の四隅ですが、経済開発区をつくった。13の開発区をつくっていこうとしているので考え方としては悪くないんですね。外国から資本を入れて、それによって資本の天井を打ち破ろうと。ただ、問題になっていますけれど、政治的だけでなく、経済的にも非常にカントリーリスクが高い国ですし、いくら外資に北朝鮮にきてくださいと言っても、なかなか他の国は投資がしにくいだろうなと思いますね」
島田キャスター
「13の新たな経済開発区とは、北朝鮮はどんなことを期待してやろうとしているのですか?」
今村氏
「観光ですとか、外資の導入というようなことを考えているようです」
島田キャスター
「そこに日本が関わることは?」
今村氏
「現在の状態では難しい」
飯島氏
「50年近く前は、北朝鮮が豊かで緑の楽園と言って、韓国は何もできなかった。戦後賠償を、日本から1兆円以上の援助がくると同時に、特区です。この特区のメリットは何かと言ったら、関税。日本で言ったら江戸時代の長崎と同じですね。こういう状態のところに外資がきて、その代わりに税金とか、いろんな状態の便宜を与えることによって、特区から今度は国内の産業が伸びていく。こういう状態ですね。ですから、これから特区はさらに増えていく可能性もある」
反町キャスター
「中国がやった改革開放のような道を歩んでいる?」
飯島氏
「中国だって、鄧小平の指導で改革開放を深圳からスタートした」
反町キャスター
「同じようなことが北朝鮮もできる?」
飯島氏
「そうです」
伊豆見教授
「できない。中国ができた理由は、アメリカとまず国交正常化をすることによって安全を確保して、あとは基本的に日本の円借です。円借があって、日本が進出して、それで国際的な信用があって、どこからも投資がくるという好循環でまわるわけでしょう。1989年の天安門事件があったあと、日本は厳しくやらないで、日本が救ってあげたところがあるわけですね。ですから、そういうものでうまくいってきたので、その条件は北朝鮮に全くないから、同じようなことをやったってうまくいかないんですよ」
島田キャスター
「北朝鮮が中国、ロシアといろいろやっているのを、1国同士ではなく、そこと日本がやるのはどうなのでしょう?」
伊豆見教授
「一緒にやれるわけがないです。中国やロシアは北朝鮮を発展させるところまで助けないから。本当に可能性があるのは、韓国、日本、アメリカしかないんですよ。その3か国と正常化できれば、北朝鮮も良い国になります、発展しますよ。間違いなく」
反町キャスター
「それが金王朝の崩壊につながるかどうかについてはどう見ていますか?」
伊豆見教授
「つながらないかもしれない」
飯島氏
「核を持つ北朝鮮と経済の韓国が南北統一した場合、危機管理上困るのはロシア、中国、アメリカ」
反町キャスター
「日本の安全保障も大きな脅威を受けますよ」
飯島氏
「そういう状態の中で、金王朝と言うけれども、潰してまで、北東アジアの安全、安心があるかというと、ガラッと変わると思います。米朝会談なくして、あらゆる解決はないと。私は米朝会談なくして、日朝も、中朝もあり得ないというスタンスです」

拉致問題解決に向けて 日本がとるべき対朝姿勢は
島田キャスター
「日本が今後できることは?」
飯島勲
「これまでの歴史的な長い年月、いわゆるお互いに信用しないみたいなところがある。お互いに騙されている。7項目、せっかくここまでやってロードマップを出すのですから、これをいったん横に置くぐらいの度量があって、お互いに。決して平壌だけに日本も目を向けるのではなくて、アメリカの背中も押すぐらいの行動パターンを日本も持ってほしい。拉致問題の解決は何ぞやというのは、北朝鮮の回答を待つのではなくて、問題は数(対象者)です。遺骨の問題はだいたい3万体が過去4回の調査で、課長級協議で北朝鮮社会科学院の所長がビデオで全部説明しているはずです。あと残っている日本人、1945年から現在までの残っている日本人、孫まで入れても、これはわかりますからいいのですが、拉致とは何ぞやという場合に、小泉内閣の時には判明している状態では17名。5名が小泉内閣の時に帰ってきた。ところが、北朝鮮の回答は、4名が入国したけれども、8名は死んだと言った。金正日総書記は再調査をすると約束したと。それが今日まで流れている。しかし、特定失踪者は全部拉致かどうかわからないですよ。ホームレスになったか、富士の樹海に行っているかはわからないけれど、150名いなかった。小泉内閣が終わったあと、現在特定失踪者が某大臣曰く868名だと言う。たった8年で700名以上拉致をしたのかと。要するに、バッグデータが何もないから、全員帰って来いという言い分だと。ここらへんの着地点をどうします?それは日本側の安倍総理の判断しかないです」
伊豆見教授
「だから、一歩ずつ進むしかないんですよ。私は日朝正常化交渉を現在からでも始めるべきものだと思います。平行してやって問題はないわけですから。拉致問題解決がある一定のところまでこないと正常化交渉ができないというのは、私はまずいと思う。そのうち、北朝鮮はやる気がなくなっちゃいますよ」
飯島氏
「本来は、全部解決してから正常化交渉に入る。そのスタートラインが拉致とかにあるが、実際に、7項目を見ると、限定的な正常化交渉に入ったと同じです。その状態でさらにステップバイステップでいく場合、たとえば、変な話だけど、総連の建物の再構築、これには2、3か月かかりますよ、それがわからなかったら、北朝鮮は絶対何も回答しない、こんなバカなことはしないと思うんです。私は安倍総理の判断を信じているからという前提があると考えると、建物の結果とは別にやれるところは、どんどん進んでいくと私は見ていますね。だからと言って、安倍総理の訪朝は当面はないと思いますよ。ロードマップはどのくらいのアレか。マラソンゲームかもしれない。相当はやく着地するかもしれない。それはわかりませんよ」
反町キャスター
「どこかで時の総理大臣が一応これで区切りだと言う瞬間がこなくてはいけないわけですよね?」
飯島氏
「その判断は北朝鮮ではなくて、北朝鮮の回答に対して安倍総理自身がどう判断するか。安倍総理以外は考えられない。菅官房長官と安倍総理の最終判断ではないですかね」
伊豆見教授
「だから、長期政権でないとダメですよ」
反町キャスター
「引き継いでやれるようなものではない?」
伊豆見教授
「もう1回ゼロからスタートになるでしょう」
反町キャスター
「そうすると、安倍さんの政権が続く限りにおいて、どこかで安倍さん自身が判断しなくてはいけない問題がある。でも、拉致問題をこの内閣で必ず解決すると言った安倍さんが、こういう形で解決ですと国民に説明する時ですよね。868名のうちの600名や500名の部分は1回諦めなさいという瞬間」
伊豆見教授
「それは諦めなさいなのか、本当の拉致被害者の方ではないかもしれない。現在はわからないわけですね。だけれど、交渉が進むことで少しずつそういうことが峻別できるようになるかもしれない」

飯島勲 内閣官房参与の提言:『夜明け前』
飯島氏
「7項目、お互いにスタートしていく、これはまさに在日朝鮮人の方から見ても、日本人から見ても、あらゆる人から見ても、疑うことなく正常化にもっていく夜明け前のスタートかなと期待しています。疑うことをやめて、在日朝鮮人の人も含めて期待したい」

伊豆見元 静岡県立大学国際関係学部教授の提言:『包括交渉を』
伊豆見教授
「要するに、拉致問題だけの交渉ではなくて、我々にとって核ミサイルがありますし、安全保障上の交渉で必ずやるべきだし、過去の清算の話を始めることも、もちろん、結構なことですけれども、平壌宣言を実行していくという話を総合的に包括的にやるべきだと思います。特に、私は核問題について、ウラン濃縮が北朝鮮で確実に進んでいるけれど、この2年間放置しているんです、国際社会は。アメリカも関心ないし、韓国もほとんど関心ないですからね。これを日本が何とか止める。これを拉致問題と共に平行してやってもらいたい」

今村弘子 富山大学極東地域研究センター長の提言:『見極める』
今村氏
「私が現在、研究している北朝鮮の経済がどのぐらいの水準にあるかということを見極めるという意味もそうですし、改革開放政策の本気度を見極めなければいけない。それこそ拉致問題の解決をどの程度本気にしようとしているのか。これはたぶん日本が北朝鮮の真意を見極めなければいけないだろうし、北朝鮮が日本の真意を見極めるというのも含まれると思うんです。それから、核ミサイルの問題にしても北朝鮮からすると、たとえば、リビアが核を放棄したら、攻撃されてしまったというような前例があると、とてもではないけれど、核を放棄できないという思いの方が強いと思うんですね。だから、そうではないんだというようなことをどの時点で言ったら核が放棄できるか。全てを見極めることが必要なのではないのかなと思っています」