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2014年6月18日(水)
もうひとつの歴史対立 日韓の徴用工問題

ゲスト

丸山和也
自由民主党参議院議員
陳昌洙
世宗研究所日本研究センター長
平井久志
ジャーナリスト

日韓の徴用工問題 韓国司法の変化と背景
島田キャスター
「徴用工とは何なのかということから、まず見ていきたいと思いますが、徴用工とは、戦時などに国家が国民を強制的に動員し、兵役以外の一定の業務につかせること。第二次世界大戦中、統治下にあった朝鮮半島からも動員したということですけれども、日本企業の工場などで強制労働をさせ、給料の不払いなどがあったと言われています。その数なのですが、韓国の政府機関が公表している名簿によると、その数、およそ23万人。徴用に関与して、現在もまだある日本企業は299社と言われています。徴用工問題とは、元徴用工やその遺族が現在こういった日本の企業などを相手どって損害賠償を求めている。こういった問題のことを言います。では、なぜ、戦後70年経って、今頃になって、問題になっているのかということなのですが、そもそも徴用工問題については解決済みだったんだよというのが日韓両政府の立場です。その根拠となるのが1965年に署名されました日韓請求権協定というものの、第2条にあります。第2条には両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認するとあります。こういった協定を両国は取り交わしています。それに基づいて、これまで元徴用工による日本を相手どった裁判というのはあったのですが、たとえば、2000年や2005年に訴えはあったのですが、徴用工問題は全て解決済みということで原告は敗訴していました。ところが、2012年5月に日本の最高裁判所にあたる、韓国の大法院が上告されたものについて初判断。個人の請求権は消滅していないと。これまでと異なる判断をここで出して、差し戻したわけですね。それを受けまして昨年、日本企業に対する賠償命令が出されまして、日本企業は現在、上告中で、大法院の判決を待っているということですが」
反町キャスター
「日韓請求権協定の第2条の部分、ここの部分において、両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題とありますよね。国民の間の請求権に関する問題も、完全かつ最終的に解決していると明記されていますよね。と言うことは、この件に関しては日韓の間では問題は解決済みだったのではないのですか?」
陳氏
「弁護士さんが裁判で話をしていることは、1965年の協定というのは植民地時代の対象ではなかった、日本では経済協力だったと。だから、そもそも日本政府は植民地時代について賠償したとは言っていなかったと。と言うことを彼らは言っているんです」
島田キャスター
「つまり、未払いのお金ではなくて、損害賠償を求めているわけですね」
陳氏
「損害賠償を求めている」
丸山議員
「請求権協定の第2条を一部だけ紹介されましたけれども、完全かつ最終的に解決されたこと。さらに、その2条の3項がまた大事なんですよ。ダメ押しのように全ての請求権であって、この協定以前生じた事由に基づくものに関してはいかなる主張もすることができないものとすると。ダメ押ししているんですよ。だから、国と国が条約を結んだって、何百年も前の条約ではないんです。数十年前の条約です。それで国際法において、こうやって条約を結んだということは極めて、国と国の重い約束ですよね」
平井氏
「これは司法に対する韓国の考え方は少し違うんだと思いますね。特に軍事政権の下で日韓条約が結ばれたこともあって、民主化以降そういう被害者の方達の要求が強くなっている。それと、司法というものは政治が救済できなったことを救済しなくてはいけないという意識が最近随分出て来ている」
反町キャスター
「韓国の司法に、そういう意識があると」
平井氏
「思いますね。ですから、たとえば、外交問題だけではなく、過去の朴正熙政権時代の被害者に対する補償であるとか、当時の緊急措置が違法な法律であったという過去に対する救済をこの間いろんな分野で司法がやっているんですね。だから、そういうものが影響を及ぼしているという点があると思いますね」
陳氏
「裁判官が、司法の判断が最終的な判断になるんですね。法律に基づいて、韓国は運営されているわけですから、その意味で、司法の判断というのは最終的な判断ですね。現在もちろん、政府が一貫性を持って、これまで徴用工は、日本からお金を貰ったのですから、そのことで韓国政府が補償をするんだということを、一貫してやっているわけですね。でも、大法院の判決が出た以上は、韓国政府も従わなければならないですね」
島田キャスター
「政府も従うのですか?」
陳氏
「そうです。それはなぜかと。司法の判断というのは最終的な判断ですから、それに国家がこういうことで、間違っているんだと司法に…」
丸山議員
「それは間違っている。司法の判断に韓国政府が従うということはあり得ないですよ。独立しているんですから、韓国政府は。だから、司法の判断は司法としての効力を持っているわけですし、政治的な判断は別ですから。政治的にどうしろと言っていない。それより韓国政府は2005年に韓国、朝鮮半島出身民間人徴用に対する立場を公式に発表しているんですよ。これは韓国請求権協定を通じて、日本から受け取った無償3億ドルは個人財産権とか、いろいろ書いてあって、韓国政府が国家として持つ請求権、強制労働、強制動員の被害補償問題解決の資金等について包括的に勘案されなければならないと。政府は受領した無償資金のうち相当金額を強制動員被害者の救済に使わなければならない道義的な責任があると判断される。韓国政府の見解です。だから、強制徴用でも未払い賃金があるとか、慰謝料だとかの問題は、韓国政府の、徴用された韓国人に対する責任です。国内問題ですよ」

韓国の政府・司法の本心は
島田キャスター
「現在の朴政権というのは大法院の判断をどう受け止めているのですか?」
平井氏
「非常に苦しいと思いますね。と言うのは、2005年の、当時の韓国政府が示した見解では請求権協定の例外事項として、先ほど、陳さんがおっしゃったように、被爆者の問題、サハリンの問題、従軍慰安婦の方、この3点が外れるというのを政府見解で出したわけですね。ですから、徴用工の問題がこれに入っていなかったわけですね。そういう、一応、韓国政府のコメントを出したあとに、2012年になって大法院の判決が出ましたから、韓国政府としては日本と司法との板挟みになっている。ですから、1回目の大法院の判決に対しても外務省は正式にはコメントをしていないんですね」
島田キャスター
「最終的な大法院の判決というのは、いつ頃出ると思いますか?」
平井氏
「本来は、今年の初めにも出るのではないかと言われていたんですけれど、いろいろあるみたいですね。お互いの駆け引きが」
反町キャスター
「いろいろとどんなものがあるのですか?」
陳氏
「大法院が現在の事実をどう考えているかということなのですが、韓国政府も事情は説明すると。外交問題にこういうことはなり兼ねないんだという話を大法院に説明しているし、そのことを全部考慮して、総合的に判断を下すんだと思いますね。でも、現在の時点では、その意味ではもうちょっと韓国政府が対応する期間を設けていると思いますね」
反町キャスター
「それは何ですか?韓国の司法は政治に対して、行政に対して配慮している?」
陳氏
「いえいえ、そうではなくて」
反町キャスター
「三権分立と先ほど言った割には、韓国の司法は融通無碍で、時間を与えているように、リードタイムを与えているようなみたいな感じ?」
陳氏
「司法は司法なりの判断はあるわけですね。それはあるんですよ。そのことと政府が考えていることが違うこともあるんです。ありますよね」
反町キャスター
「だったら、スパンと結論を出せばいいではないですか。そういうわけにはいかないのですか?極めて政治的な司法判断ですよね」
陳氏
「まだ日本企業のいろんなデータを持っていない。そのことでちょっと延期されている部分もあるのですが、結局はそのことで司法の判断というのは、この問題については外交的な能力が必要だということを、文字でも出たなら、そのことを韓国政府はやることになるし。だから、判決がどう出るかはまだわかりませんね。その意味で韓国政府もそのことがあって、これから判断する」
反町キャスター
「現在の話でいうと、待っているのは韓国政府なのか、司法なのかと言えば、司法が政治の解決を待っているように聞こえる。違うのですか。韓国政府が司法の判断を待っているのですか?」
陳氏
「政府が司法の判断を待っています」
反町キャスター
「違うでしょう。平井さんはどう見ていますか?」
平井氏
「まだ大法院の民事何部という配置は決まっていないけれども、裁判官の担当の方達がまだ決まっていないという情報もあるんですね、未確認ですけれどもね。ですから、関係者の間でそういう調査をしていると思いますが、実質、審理に入っているかどうか。ちょっとグレーな部分があると思いますね」
反町キャスター
「テンポとして明らかに通常の大法院の上告に対する対応としては遅いのか、それとも普通にある話なのでしょうか?」
平井氏
「いや、むしろ提訴をしている原告側が早く出せと言っているんですよ。大法院に押しかけて行って、何でこんなに遅延しているのかと。ですから、たぶん日本企業の方も早い判断を望んでいないのではないかなという感じもありますね」
丸山議員
「法的に言うと、政治論は別にして、100%原告勝訴です。ありえないですよ、最高裁が差し戻しして、要するに、一審否決されたんですよ。ところが、差し戻しをし、差し戻しの控訴審で賠償が認められたわけです。それを日本側が上告したわけでしょう。これは常識ほぼ100%原告勝訴。日本側敗訴になるんですよ。だから、それは決まっている。これが出るか出ないかというのは、判断を出せば、日本側敗訴、原告側勝訴になるんですよね。そうすると、今度はそれに対して払うか、強制執行をするかの問題に入ってくる。僕はそこに一番、関心がある」
反町キャスター
「司法の場の問題ではなくて、政治の側?」
丸山議員
「いや、まさに司法の問題。強制執行は司法です。そこまでやるのかどうかとなると、大変な問題になるので」
島田キャスター
「日韓の請求協定に戻って、第1条にいろいろと書いてあるのですが、この協定に基づいて、日本は当時経済支援という形ですが、5億ドルという、当時の韓国の国家予算に匹敵するとも言われるお金を韓国に支払っているわけですね。これで国内問題で全てを片づけると確認をしました。お金を韓国が受け取っているということで、被害者の方々、原告の方々も訴えるなら、日本ではなくて、韓国政府ではないかと思うのですが」
丸山議員
「まさにそういうことですよ」
陳氏
「弁護士さんは、最初は韓国政府に訴えたわけです」
島田キャスター
「裁判で?」
陳氏
「裁判で訴えたわけです。そのことで韓国政府が、先ほど話をした通り、2007年に、法律をつくって補償をした。でも、それが足りないと。いろんな人から問題があるんだと」
島田キャスター
「お金が足りないということですか?」
陳氏
「お金も足りないし、彼らの弁護士さんの話によると、1965年の協定というのは、先ほど私が話をした通り、賠償についてはやっていなかったと。彼らは最初からそういう主張ですね。最初に韓国政府は貰ったんだから、そのことで現在の被害者に支援してくださいと。補償してくださいと言って、韓国政府がそれを十分にできなかったこともあって、そのことで、1965年の協定は間違っているんだと彼らは考えて、1965年の根本が間違っているのですから、その被害者は日本企業に訴えなければならないんだと」
反町キャスター
「玉突きみたいにだんだんなってきたんだけど、この流れをどう感じていますか。最初に韓国政府に求めて、ある程度勝ちとったんだけれども、足りないから、今度は1965年に遡って日本政府に対峙した。その前にまず日本国内で裁判を起こしたけれども、棄却された。日本国内で裁判で負けて、韓国政府に求めて、今度ダメだから、今度は韓国で、日本をやるという」
平井氏
「慰安婦の問題とやや似ている点があるんですけれどもね。1つの原則論、筋論。慰安婦の問題、実は1番引かかっている問題は法的謝罪なんですよね。だから、なぜ韓国で女性基金が拒否されたかというと、大きな論理の1つに法的な謝罪をするべきである、筋論として。民間の人達のお金が入ったものではなく、政府が法的謝罪をし、政府の予算で補償をすべきだという筋論がありますね、そちらが優勢だったので、当時、女性基金がうまく機能しなかった。ですから、今回の問題も本来、日本企業がその受益を受けているではないかと。その補償は本来、強制徴用工をして、受益を受けた企業がやるべきだと。そういう何か筋論みたいなものが根底にあると思いますね」

支援財団の実効性
島田キャスター
「今月支援財団が韓国で発足しました。名称を韓国でつくられたので、日帝強制動員被害者支援財団と言います。この目的は元徴用工や遺族への福祉支援。徴用に関する調査研究、さらに犠牲者への追悼事業などとして、韓国政府がおよそ30億ウォン、日本円で3億円程度、ポスコなど日本の経済支援金を使って急成長をしたと言われている会社、韓国最大の製鉄会社ですが、これが総額100億ウォン、10億円程度拠出しています。この他、韓国道路公社、韓国電力などが参加する予定となっていて、この財団は日本政府、日本企業も一緒にやろうよ、一緒にお金を出してくださいと求めているのですが、先ほども陳さんがおっしゃいましたけれど、こういった財団をつくっているのですが、なぜ日本政府、日本企業も参加をすることを求めているのでしょうか?」
陳氏
「日韓関係を壊さずに、どういうふうに解決するのかという、アイデアとして、私も言っているのですが、2000年の最初から、そういう2プラス2の、現在…」
反町キャスター
「それは政府、民間、政府、民間ということでの、2プラス2?」
陳氏
「2プラス2ですね。だから、1965年の基本条約というのは不完全な協定だということが、韓国の現在の認識ですね。徴用工の問題をするためには2プラス2が必要だと」
島田キャスター
「企業だけではダメだと?」
陳氏
「そうです」
島田キャスター
「これは政府も入らないと意味がないということでしょうか」
陳氏
「政府もお金を出し、企業もお金を出して、それで徴用工の問題を解決しましょうということが、彼らの要求です。それを韓国政府が徴用工のことは、先ほど話をした通り、1965年の協定で徴用工の問題が終わったというのは韓国政府も言っている。言ったのですが、それで韓国政府も3億ドルを出して、それと、ポスコが出しましたね。そのことだけでは不完全だという彼らの主張で、日本企業、日本の政府もそこにお金を出したら、それが完全な解決にできるのではないかという」
丸山議員
「それはありえないでしょう、全くね。日本政府は解決済みだと言っている。酷い判決だと。しかも、韓国政府もちゃんと日本政府と統一見解をとっていたのを、途中でこういう判決が出て、それで金を出しなさいと。日本は、だから、政府見解として一銭も出せませんよ。まずこういうことを出すというのは、国際法秩序を破ることですから。国と国の結ぶ法律、協定というのがその都度ご都合主義で無効になっていく。こんなことであると、国家としての自立も尊厳も全くなくなりますよ。これは相互の解決ではない。官房長官にも、外務大臣にも話したけれど、これは断固として、一歩も譲れない問題だということ。譲る必要もないんですね。十分な賠償をして、韓国政府が自国民に対して受けとった金で何らしなかった責任を、日本政府にすり替えて、あの協定は問題があったんだとか、全く理解ができないし、一銭も出せないのが基本的見解。道義的にも出すべきではないと思いますよ。こんなことをやったら、脅されたら、言いがかりをつけられたら、次々と金を出すという、これは日本の悪い特徴であるんですよ。酷く言われて、たかられたら、日本は何となく穏便にということで金を出す。ことを済まそう。だから、そういう雰囲気が日本の企業の一部にあるんです。でも、それは今回だけは絶対やっちゃダメだというのがほとんど、日本の企業の中でも政府の統一見解だと思いますよ」
反町キャスター
「総理、官房長官に話したとのことですが、総理、官房長官はどのようなことを言っていましたか?」
丸山議員
「それは一歩も譲れない問題だ、全く議論の余地もない問題だとおっしゃる。昨年の判決が出た段階で、それはあり得ないんだと」
島田キャスター
「日本がまた参加することは難しいと思うんですけど、この点はいかがですか?」
平井氏
「1つは、この財団が本当にうまくいくかどうかということについて、まだ不透明な部分が多いと思いますね。韓国内部の問題もありますし、この財団をつくるのに、だいたい2、3年かかったことも、財団のあり方を巡って、随分揉めましたからね。ですから、その部分に関しては自信がないんですけれども、ただ、1つの事例として、たとえば、まず在韓被爆者の問題も、枠組みというものがあるんですけれども、盧泰愚政権の頃に、日本が当時40億円でしたか、被爆者のために人道的に出すということで、日本でも、この場合は日本の司法が日本の被爆者と同じ支援をするべきだという判決が相次いだわけですね。それで現在非常に在韓被爆者の地位というのは日本の被爆者に近いものになっていて、法律の枠組みはもちろん、厳格に言えば、ひょっとしたら解決済みかもしれないが、それをカバーする、努力というものがあって、ここまできたという面がありますね」
反町キャスター
「それは韓国政府がかつて被爆の問題は、今回の請求権の対象に入っていなかったという線引きがあったからこそのスキームとしてうまくいった?」
平井氏
「いや、そのことはもっと前からあったんです。線引きの前から」

徴用工問題の解決策 第三国を含む仲裁委員会
島田キャスター
「日韓請求協定の第3条には、第3の仲裁委員会でやりましょうという協定を結んでいるのですが」
陳氏
「日韓では本当にいろんな課題があって、争点も多いわけです。そのことで仲裁にかけると、何でも日韓関係が悪くなると仲裁にかけるということになるんだと思いますね。だから、その意味では、仲裁をかける前の外交の能力、交渉が必要だと思いますね。仲裁にかけることについては、韓国の中でも慰安婦の問題とかで仲裁にかけるべきだという声が結構高いのですが、そのことについては反対をしているんです。なぜかと言うと先ほど話した通り、日韓関係というのは、だいたいいろんな意味で、揉めているわけです。それをうまく仲良くする解決策を探って、それで発展していることが事実です」
島田キャスター
「第3の機関というのは決まっているのですか?」
平井氏
「決まっていませんけど、これを法律的に解決しようと思えば、国際司法裁判所にというやり方が1つありますよね。でも、このやり方は相手が同意しないと事実上ダメです。韓国政府はおそらく同意しないでしょうから、そうすると、残るのは仲裁委員会ということになります。常識的に考えるとお互いが同盟関係にあるアメリカがおそらく第3者の仲裁委員になると思います。ですから、日米韓で構成される委員会でこの問題は議論されることになる可能性が一番高いと思います。ただ、それは陳さんもおっしゃったように、この問題がそのような問題に行った場合に、1965年の日韓条約の枠組みというものが、揺るぎ出す始まりになる可能性はありますよね」
反町キャスター
「日韓条約に則った手法をとると、日韓条約が揺らぐ?」
平井氏
「明文化されているのですが、過去一度も仲裁委員会というものを使わなかったわけですね。だから、ここに持ち込まなくてもそれなりの解決の仕方をしてきたわけですから、ここで一度前例がつくられるということは、おそらく陳さんもおっしゃったようにいろんな問題がおおいに持ち込まれ、そうすると、最終的に日韓の問題がアメリカの判断によって決まるというようなことにもなりかねない問題がありますから。そう言う意味ではお互いが努力するべき落としどころを探るという方が日韓相互にとってメリットはあるのではないか」
反町キャスター
「日韓協定を見直せという議論が起こることに関しては韓国の国内問題であって、それが韓国にとってプラスなのかは、時の政権が判断するべきであって、そこまで我々が配慮する必要はないわけですよね」
陳氏
「韓国の中で(日韓協定を)無効にしようとする人は非常に少ないです。韓国政府や一般の人たちは1965年の協定を認めて、そこで問題になっていることについては、話し合いで、外交的に努力をし、それを解決しましょうというのは一般的な常識だと思いますね」
丸山議員
「国際司法裁判所というのはもっと利用した方がいいと思うんですよ。これは、たとえば、韓国との間で同意ができない、竹島問題。竹島は奪われたと思っていますから、平和的に解決するなら、そういう解決が良いと思います。だから、こういう国際的な仲裁というのはもっと利用すべきだと思いますね」

朴政権の幹部人事 どうなる日韓関係
島田キャスター
「今回の人事から、どういう朴政権の変化が読みとれますか?」
陳氏
「朴政権は1回も日本のことを注視しなかったことはないんだと思います。だから、昨年8月15日の演説で朴大統領は、日本は重要な国だと最初から言っているんです。そのことで現在も揉めていることは韓国にとっても良くないんだと思っています。だから、その意味でこれから解決に向けてやろうとする意志、努力はしているんだと思いますね。だから、今回の人事というのは、これから日本との関係をどうするのかということを重要に考える人が任命される可能性が高いですから、その意味で日本と関係を良くしようという雰囲気も出てくると思うんですね」
反町キャスター
「日韓関係をこれから良くさせていくにはどういうところから?」
丸山議員
「とことん議論するというのは限界でもなんでもない。議論をして初めて相手を信頼することができる。だから、法的にキチッと主張できることはキチッと主張して、法的に戦う時はとことん戦って、そのうえで友好関係を築く努力をすべき。これは日本に対して言いたい。日本が非常にしっかりしてこなかった。それが韓国に対しても、日本に対する見方を誤らせるんだと思うんです」
平井氏
「今後の北朝鮮のこととか、中国のことを考えた場合に、日韓関係を大切にしておくという戦略的な意味がすごく大きいと思うんですよね。ですから、日韓関係というのは悪いと言っていますけど、歴史問題を巡る部分だけが悪いだけで、逆に言えば、経済の問題とか、韓流とかに出ている国民の相互理解、社会的な交流の拡大という点ではかつてないほど広がっているわけですよね。だからこそ現在、政治や歴史問題がこんなに揉めているのに日韓関係が揺るがないというのは土台の部分がしっかりできているからであって、それが今後中国の問題だとか、北朝鮮の問題に直面せざるを得ないわけですから、日本にとっては韓国を自分の側に引きつけておく意味がありますし、韓国にとっても自分の側に引きつけておくことに意味があるわけですし、大きな戦略的な立場に立って、相手を自分のところに引きつけておく努力が必要なのではないかと。あまりに部分的な問題で全体に広げないような努力が必要なのでは」

陳昌洙 世宗研究所日本研究センター長の提言:『改善』
陳氏
「改善をもっと考えるべき。実は安倍総理はドアを開いているという話をよくするのですが、私が見ている限りでは日本の方が冷たいんだと思うんです。だから、その意味で日本ももっと努力して、日韓関係の改善に向けて努力してほしいと私は思います」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言:『日韓関係の枠組み維持』
平井氏
「国民間の日韓の大きな基盤というのがあるのですが、最近歴史問題を気にして、それをどんどん民族ナショナリズムの高揚がお互いの嫌悪感も少し増長して、大きな基盤が少しずつしぼんでいるのではないのかなという危惧があるので、これからお互いの国がアジアで生きていくということを考えた場合に、この隣国の意味は非常に大きいわけですから、日韓関係の日韓友好という枠組みを強くする意図的な努力が必要なのではないか。この枠組みを壊すようなことにならないよう、戦略的な意味で少し立ち位置をお互いが考える努力が必要なのではないかなと思います」

丸山和也 自由民主党参議院議員の提言:『法に従い斗え!』
丸山議員
「これは韓国だけではない、中国にもアメリカに対しても必要ですよ。要するに、法に従って、とことん主張し戦うという中から信頼と妥協点も生まれてくるんです。これを常に中途半端にして曖昧にしているのが日本の伝統ですよね。これはビジネスにおいても、政治においてもそうですよ、外交力も、ビジネス力も。だから、なかなかグローバル社会の中で日本が良い成績をおさめられない根本がここにある」